JP2003300054A - 射撃場の浄化処理機構 - Google Patents

射撃場の浄化処理機構

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JP2003300054A
JP2003300054A JP2002104928A JP2002104928A JP2003300054A JP 2003300054 A JP2003300054 A JP 2003300054A JP 2002104928 A JP2002104928 A JP 2002104928A JP 2002104928 A JP2002104928 A JP 2002104928A JP 2003300054 A JP2003300054 A JP 2003300054A
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vermiculite
shooting range
lead
heavy metals
groundwater
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JP2002104928A
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English (en)
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Masaharu Tazaki
雅晴 田崎
Nobumasa Kumamoto
進誠 熊本
Kazuo Okamura
和夫 岡村
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、安価なバーミキュライトを取扱が容易
なユニット体に纏めながら簡易に処置することで、重金
属を安価に浄化処理できる射撃場の浄化処理機構を提供
している。 【解決手段】 本発明による射撃場の浄化処理機構は、
射撃場1の表土から所定の深さの位置にバーミキュライ
ト層5を敷設しており、軽量、安価なバーミキュライト
に溶出重金属を積極的に接触させることで重金属を吸着
除去させて土壌及び地下水を安価に浄化している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射撃場の浄化処理
機構に関し、特に銃弾から溶出する鉛等の重金属をバー
ミキュライトに吸着させることで浄化する射撃場の浄化
処理機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各方面に設置されてきた多くの
射撃場は、自然の森林や草原の一区画を利用して広い地
域を占めながら開設されている。これらの射撃場におい
ては、銃弾の鉛が微少すぎることや草木や落葉が広範囲
に拡散されている地表面に散在していることとも相俟っ
て、回収効率が悪いことから膨大な費用と多大な作業時
間を要するために、結果として発砲された鉛銃弾は殆ど
の場合回収されることなく放置されており、放置された
鉛散弾からは鉛等の重金属が溶出することから地下水に
浸透して周辺に流出を始め、周辺の土壌を自然界の50
0倍〜800倍の濃度に汚染しているとの報告もなされ
ている。
【0003】このような状況下で、射撃場の土壌中に溶
出浸透した鉛で汚染された地下水によって人体への悪影
響が危惧されることから、射撃場が環境汚染対策の対象
にされている。
【0004】本対策例としては、既に図4に示すような
形態で構成されている。(特願2001−181056
号)本例での射撃場11は、平地12と傾斜面13とか
ら構成されており、平地12の鉛散弾が落下してくる区
域には、管理処分型の処分シート14を配置して内部に
不溶化処理土15を埋設した汚染防止構造16を形成し
ている。
【0005】鉛散弾から溶出してくる汚染水は、処分シ
ート14に滞留させてから集水して水処理施設20に導
かれるものであり、鉛汚染水は射撃場11から流出する
ことなく確実に浄化処理されることから環境問題の発生
を回避している。
【0006】又、鉛散弾が飛散してくる傾斜面13の法
尻17には、鉛直遮水壁18が設置されており、傾斜面
を流下してくる鉛散弾からの溶出汚染水は、法尻17に
図示のように設置された暗渠管19に集水されて水処理
施設20に導かれるものであり、傾斜面13の鉛散弾か
らの溶出汚染水は、平地の場合と同様に射撃場11から
流出することなく確実に浄化処理されて環境問題を解消
している。
【0007】水処理施設20は、鉛を対象にして特化し
た水処理をしており、その前後に処理対象水調整槽21
と洪水等に対処する雨水調整池22を配置して、処分シ
ート14と暗渠管19とからの鉛汚染水を処理対象水調
整槽21で受けて浄化処理して、その後に雨水調整池2
2を経由させて射撃場1の外部に放流させている。
【0008】従って、平地12と傾斜面13の表面に散
乱している鉛散弾については、定期的に回収することに
よって鉛害の発生を基から絶つことで問題の発生を防止
しており、平地12で発生する表流水については、殆ど
汚染していないことから汚染防止構造16の外に設置し
ている集水路23に集めて水処理施設20を経由させな
いで雨水調整池22に直接導くようにしている。
【0009】尚、平地12の外部には、モニタリング井
戸24を設けることで鉛汚染水が外部に流出していない
ことを常に監視している。
【0010】これらの射撃場は、所定の効果を発揮して
環境汚染の防止を達成しているが、施工するためのコス
ト、工期等においてさらに改善する余地も残されてい
る。
【0011】特に、揚水浄化は、浄化が終了するまでそ
の浄化運転を継続させる必要があり、不溶化処理では、
キレート剤が高価でコスト高になると共に、その濃度に
拘わらず、対象区に対して大規模な工事を行う必要があ
ることから、低濃度の場合には割高の対策工事になって
いる。
【0012】又、処理設備においても、薬剤添加設備、
混合設備、凝集沈殿設備及び澱物回収設備等が複雑であ
り、水質変動や低濃度排水に対しては効果的でない等の
問題点を抱えていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みて提案されたものであり、軽量、安価なバーミキ
ュライトを取扱が容易なユニット体に纏めながら簡易に
処置することで、重金属による汚染を安価に浄化処理で
きる射撃場の浄化処理機構を提供している。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
ある射撃場の浄化処理機構は、射撃場の表土から所定の
深さの位置にバーミキュライトを敷設しており、軽量、
安価なバーミキュライトに溶出重金属を積極的に接触さ
せることで重金属を吸着除去させて土壌及び地下水を安
価に浄化している。
【0015】請求項2に記載の発明である射撃場の浄化
処理機構は、請求項1に記載の浄化処理機構において、
バーミキュライトを複数のユニット体として形成するこ
とを特徴としており、上記機能に加えて、バーミキュラ
イトの取扱を容易にして配置を迅速にしている。
【0016】請求項3に記載の発明である射撃場の浄化
処理機構は、請求項1又は2に記載の浄化処理機構にお
いて、バーミキュライトのユニット体を積層して成り、
隣接間隙をずらして相互に封鎖することを特徴としてお
り、上記機能に加えて、重金属や汚染地下水の漏水を防
止することで浄化を確実にしている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による射撃場の浄化処理機
構は、基本的に、射撃場の表土から所定の深さの位置に
バーミキュライトを敷設しており、具体的にはバーミキ
ュライトを複数のユニット体として形成したり、バーミ
キュライトのユニット体を積層して隣接間隙をずらすこ
とで相互に封鎖することを特徴としており、これによっ
て、軽量、安価なバーミキュライトの取扱を容易にして
配置を迅速にすると共に重金属や汚染地下水の漏水を防
止しながら溶出重金属を積極的に接触させ、重金属を吸
着除去させることで土壌及び地下水を安価に浄化するこ
とを確実にしている。以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明による射撃場の浄化処理機
構における実施の形態を示す概要図である。
【0019】本実施の形態で示す射撃場1は、傾斜面2
から構成されており、灌木3と下草4が群生しており、
傾斜面2の表土から所定の深さの位置に50〜100c
mのバーミキュライト層5を形成すると同時に、法尻付
近には透過性境界壁6を構築している。
【0020】本実施の形態におけるバーミキュライト層
5は、図2で説明するように複数のユニット体7の多層
体から構成されており、透過性境界壁6は、ポーラス状
のコンクリートから構成されており、垂直方向に敷設し
たバーミキュライト層5’を支持している。
【0021】これによって、傾斜面2から流下してくる
溶出重金属や汚染地下水10は、表土下に敷設されたバ
ーミキュライト層5と透過性境界壁6で支持された垂直
方向のバーミキュライト層5とを2重に導通することに
よって、含有している重金属をバーミキュライトによっ
て吸着除去されている。
【0022】従って、透過した後の地下水は確実に浄化
処理されることから、射撃場1の上流側から流れてくる
地下水が射撃場1に放置されている散弾等から流出して
くる鉛によって汚染されることで、汚染地下水として射
撃場1から下流側に流出するのを確実に阻止するもので
あり、鉛散弾を回収する間に散弾の鉛が万が一に溶出し
ても、汚染地下水を浄化することで周辺に流出しないよ
うに処理することができる。
【0023】尚、透過性境界壁6の下流側にはモニタリ
ング井戸9を設けることも可能であり、定期的な観測を
実施することで射撃場1から汚染地下水が流出していな
いことを監視できる。
【0024】図2は、傾斜面の表土下に敷設されている
バーミキュライト層を詳細に説明するための部分断面図
である。
【0025】本実施の形態でのバーミキュライト層5
は、バーミキュライトのユニット体7の多層体から構成
されており、傾斜面2から浸透してくる汚染地下水10
は、ユニット体7のバーミキュライトを導通させること
で、含有している重金属はバーミキュライトに吸着され
ながら除去されており、透過した後の地下水は浄化処理
されている。
【0026】表土下におけるバーミキュライト層5の施
工は、傾斜面2の表土から100〜150cm程度に掘
削した後にバーミキュライトのユニット体7を多層に埋
設するものであり、バーミキュライト層5の上には再び
掘削土を埋め戻すのみで完了できる。
【0027】一方、垂直方向に敷設したバーミキュライ
ト層5’の施工は、傾斜面2に不透水層まで掘削した削
孔に先ずポーラス状のコンクリートから構成される透過
性境界壁6を造成しており、しかる後にバーミキュライ
ト層5を垂直方向に敷設して透過性境界壁6によって支
持するように工事している。しかして、透過性境界壁6
は、地層の形態によってはこれを省略できるものであ
る。
【0028】又、本実施の形態では、バーミキュライト
のユニット体7を四角形に形成した網状の袋から構成し
ており、その内部に適当な粒径のバーミキュライトを封
入してバーミキュライトの取扱を容易にしている。
【0029】これらの加工によって、バーミキュライト
は、このユニット体7を順次に積層して行くことによっ
て簡単かつ迅速に配置することを可能にしているが、ユ
ニット体7は、隣接するユニット体同士を配列するに際
して、相互間に形成される間隙8が地下水の直接的な導
通路を形成しないように、その間隙8の部分を相互にず
らした多層状態に積層している。
【0030】従って、溶出重金属と汚染地下水は、バー
ミキュライトに確実に接触しながら透過することになっ
ており、含有されている重金属はバーミキュライトに吸
着されて地下水の浄化が達成されることになる。
【0031】上述してきたバーミキュライトは、園芸用
の保水材として市販されているように、ひる石と称され
る多孔性の鉱石であって極めて軽量であると同時に安価
な材料である。
【0032】又、バーミキュライトは、表面積が大きい
ことから重金属に対する吸着性が極めて良好であると同
時に、図3に示す鉛除去特性が明示しているように、鉛
の初期濃度が0.84mg/Lであっても8.4mg/
Lであっても、その除去率は99%状態を維持できる特
性を併せ持っており、活性炭のような他の高価な材料と
は異なる優れた機能が発揮されている。
【0033】従って、バーミキュライト層5を透過する
汚染地下水10は、含有されている鉛等の重金属をバー
ミキュライトに充分に吸着させて除去されることにな
る。
【0034】そして、本実施の形態では、透過した後の
地下水中に仮に吸着漏れの重金属が含まれていたとして
も、図示のように垂直方向に敷設したバーミキュライト
層5’によって完全に浄化されることで、綺麗な地下水
として処理された後に射撃場1の下方に流下されている
が、バーミキュライト層5による浄化のみで充分な場合
には、当然のことながら垂直方向に敷設したバーミキュ
ライト層5’を省略できるものである。
【0035】以上のように、本発明による浄化処理機構
は、銃弾の溶出重金属で汚染された射撃場の表土下及び
下流側にバーミキュライトが配置して、銃弾の溶出重金
属や汚染地下水をバーミキュライトに自然に導水するよ
うに構成しているので、軽量、安価なバーミキュライト
に銃弾の溶出重金属や汚染地下水を何らの動力も用いず
に積極的に接触させながら吸着させ、重金属の初期濃度
に関係なく長期的に安定した除去を維持させており、広
範囲に亘って対策を講じる必要がある射撃場に対しても
コストを嵩張らせずに処理施設を構築できることを可能
にしており、これによって銃弾の溶出重金属や汚染地下
水の浄化を安価かつ永続的に確立している。
【0036】そして、本発明による射撃場の浄化処理機
構は、既存の水処理施設において水質の重金属が変動し
た場合等にも、施設の改造を大掛かりに行うことなく低
コストに追加工事をすることで充分に対処できるもので
ある。
【0037】以上、本発明を各実施の形態に基づいて詳
細に説明してきたが、本発明による射撃場の浄化処理機
構は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能
であることは当然のことである。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載の発明である射撃場の浄
化処理機構は、射撃場の表土から所定の深さの位置にバ
ーミキュライトを敷設しているので、軽量、安価なバー
ミキュライトに溶出重金属を積極的に接触させることで
重金属を吸着除去させており、土壌及び地下水を安価に
浄化して、以下の効果を発揮している。
【0039】 大掛かりな処理施設でなく、何らの動
力も用いずにバーミキュライトに接触させて吸着浄化で
きる。 重金属の初期濃度に関係なく長期的に安定した除去
を維持させることができる。 広範囲に亘って対策を講じる必要がある場合でもコ
ストを嵩張らせずに処理施設を構築できる。 溶出重金属や汚染地下水の浄化を安価かつ永続的に
確立できる。
【0040】請求項2に記載の発明である射撃場の浄化
処理機構は、請求項1に記載の浄化処理機構において、
バーミキュライトを複数のユニット体として形成するこ
とを特徴としているので、上記効果に加えて、バーミキ
ュライトの取扱を容易にして配置を迅速にする効果を発
揮している。
【0041】請求項3に記載の発明である射撃場の浄化
処理機構は、請求項1又は2に記載の浄化処理機構にお
いて、バーミキュライトのユニット体を積層して成り、
隣接間隙をずらして相互に封鎖することを特徴としてい
るので、上記効果に加えて、重金属や汚染地下水の漏水
を防止することで浄化を確実にする効果を発揮してい
る。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による射撃場の浄化処理機構における
実施の形態図
【 図2】浄化処理機構にバーミキュライト層の実施の
形態図
【 図3】バーミキュライトの鉛除去率図
【 図4】従来の射撃場における浄化処理機構図
【符号の説明】
1 射撃場、 2 傾斜面、 3 灌木、 4 下草、
5、5’ バーミキュライト層、 6 透過性境界壁、
7 バーミキュライトのユニット体、 8 間隙、 9
モニタリング井戸、10 汚染地下水、 11 射撃
場、 12 平地、 13 傾斜面、14 処分シー
ト、 15 不溶化処理土、 16 汚染防止構造、1
7 法尻、 18 鉛直遮水壁、 19 暗渠管、 2
0 水処理施設、21 処理対象水調整槽、 22 雨
水調整池、 23 集水路、24 モニタリング井戸、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F41J 1/18 (72)発明者 岡村 和夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2C014 PP04 4D004 AA41 AB03 AC07 CA47 CC11 4D024 AA09 AB16 BA06 BB01 BC01 4G066 AA66B BA05 CA46 DA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射撃場の表土から所定の深さの位置にバ
    ーミキュライトを敷設して成る射撃場の浄化処理機構。
  2. 【請求項2】 バーミキュライトが、複数のユニット体
    として形成されることを特徴とする請求項1に記載の射
    撃場の浄化処理機構。
  3. 【請求項3】 バーミキュライトのユニット体が、積層
    されて成り隣接間隙をずらして相互に封鎖することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の射撃場の浄化処理機
    構。
JP2002104928A 2002-04-08 2002-04-08 射撃場の浄化処理機構 Pending JP2003300054A (ja)

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