JP3051034U - 廃棄物処分場 - Google Patents

廃棄物処分場

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JP3051034U
JP3051034U JP1998000305U JP30598U JP3051034U JP 3051034 U JP3051034 U JP 3051034U JP 1998000305 U JP1998000305 U JP 1998000305U JP 30598 U JP30598 U JP 30598U JP 3051034 U JP3051034 U JP 3051034U
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原 一 彦 木
瀬 睦 夫 百
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株式会社環境科学
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物埋立穴に循環される浸出水に有害物質
が含まれていても、その有害物質の濃度を低下させて堆
積廃棄物を徐々に無害化させる。 【解決手段】 廃棄物埋立穴(2) に埋め立てられた堆積
廃棄物(4) からの浸出水を埋立穴に循環供給する閉鎖循
環系(20)が形成されているので、浸出水が外部へ漏洩す
ることはない。浸出水の閉鎖循環系(20)には、有害物質
を除去する水処理装置(22)が介装されているので、これ
ら有害物質が除去されて浄化された侵出水が再び堆積廃
棄物(4) に循環供給される。したがって、堆積廃棄物
(4) 中の有害物質は、侵出水を介して水処理装置(22)で
除去されていくので、長期間継続して浸出水を循環させ
ているうちに、自然浄化作用では除去できない有害物質
の濃度を低下させて、堆積廃棄物(4) が無害化される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、廃棄物を地中に埋めて処分する廃棄物処分場に関する。
【0002】
【従来の技術】
国が定めた廃棄物の最終処分場には、安定型処分場、管理型処分場及び遮断型 処分場の3種類がある。 このうち、管理型処分場は、廃棄物埋立穴に投棄された堆積廃棄物を長期間に わたり安全且つ衛生的に保管して、その堆積廃棄物を減量、減容化すると共に、 安定化、無害化して、最終的には自然界に戻せるようにするものである。 そして、廃棄物埋立穴に侵入・浸透する雨水や地表水が、その穴内に投棄され た堆積廃棄物中から有害物質を溶出させて漏水し、その漏水によって土壌や地下 水等が汚染されることを防止するために、廃棄物埋立穴の内面に、プラスチック シートやゴムシート、アスファルトシート等を張り付けたり、あるいはコンクリ ート壁を形成するなどの遮水処理を施すと共に、その埋立穴の穴底側に接続され たドレーン管を通じて穴内に溜まった水を浄化処理設備へ排出し、当該浄化処理 設備で生物的・化学的な無害化処理を行ってから河川などに放流するのが一般的 である。 したがって、このような管理型処分場に埋め立てることのできる廃棄物は、B ODやCODが高く有機物を含むが、有害な金属類は含まれないとされる廃棄物 に限定されている。
【0003】 しかし、処分場への受入れ廃棄物の全てをチェックすることは事 実上不可能であり、埋め立てられる廃棄物中に重金属類を含んだ廃棄物が混入し ていた場合には、廃棄物埋立穴からドレーン管によって浄化処理設備へ送られる 排水中に浄化処理設備で完全に処理することが困難な重金属類が溶出して、その 重金属類を含んだ水が河川に放流されるとその下流域一帯の土壌汚染や水質汚染 を生ずるおそれがある。 そこで本出願人は、廃棄物埋立穴を掘り始めてからその穴が投棄した廃棄物で 埋め立てられるまでの間は、その穴を収容できる大型のテント倉庫を設営して、 廃棄物埋立穴への雨水や地表水の侵入・浸透を阻止し、廃棄物埋立穴が廃棄物で 埋め立てられた後は、その上に覆土する前に、その廃棄物にプラスチックシート やゴムシート、アスファルトシート等の遮水シートを覆いかぶせて廃棄物埋立穴 の開口部を密閉し、その穴内への雨水や地表水の侵入・浸透を恒久的に阻止する ことにより、廃棄物埋立穴からの排水と、その排水の浄化処理を不要にして、環 境汚染のおそれを解消する新しいタイプの管理型処分場を提供した(実用新案登 録第3040303号)。
【0004】 しかし、このように廃棄物埋立穴の内面と開口部に遮水処理を施 した場合には、廃棄物埋立穴の内部は水分や酸素が欠乏しがちになり、その穴内 に投棄された堆積廃棄物中の有害成分を化学的に分解する空気と水の酸化作用や 水の加水分解作用、水和作用等が進行しにくく、また、土壌や廃棄物の汚泥中の 生物や微生物の生息生育が阻害されて生物的な分解作用も生じにくく、更に、堆 積廃棄物の表層に雑草等が生えることもないので、植物の根の呼吸作用等による 分解作用も生じにくいことが判明した。 このため、堆積廃棄物の減量、減容化や安定化、無害化が遅々として進まない 懸念がある。 そこで、本出願人は、廃棄物埋立穴内の堆積廃棄物中に空気補給管と水分補給 管を埋設して、適度な空気と水分を補給することにより、堆積廃棄物の空気と水 による化学的分解作用や、微生物等による生物的分解作用を促進させることがで きるように改良した管理型処分場を提案した(実用新案登録第3045009号 )。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、堆積廃棄物から、アルキル水銀化合物(R−Hg),水銀又は その化合物(Hg),カドミウム又はその化合物(Cd),鉛又はその化合物( Pb),六価クロム(Cr6+),銅又はその化合物(Cu),亜鉛又はその化合 物(Zn)などの重金属が溶出される場合に、これら重金属は水と空気だけでは 無害化することができない。 そして、周辺地域の環境汚染問題を生じないようにその浸出水を堆積廃棄物中 に循環供給しているが、埋立終了後、数十年〜百年程度の耐用年数を経過したと きに、廃棄物埋立穴の内面に張りつけられた遮水シートが経年変化により劣化し て破れたりすると、重金属類が廃棄物処分場の周囲に漏洩して環境に悪影響を与 えるおそれが残る。 また、重金属を含む浸出水を循環供給した場合に、堆積廃棄物中に含まれる活 性汚泥と称されている微生物も死滅してしまうため、自然浄化作用により無害化 することのできる廃棄物まで無害化できなくなるという問題があった。
【0006】 さらにまた、堆積廃棄物がどの程度無害化されたか確認するため には、埋立穴から廃棄物のサンプルを取り出してこれを化学分析することにして いるが、サンプルを取り出すためにボーリング調査を行わなければならない。 しかも、広大な埋立地内において無害化の程度を正確に知るためには、数カ所 〜数十カ所のサンプルを必要とするため、一回の調査でも莫大なコストが嵩むと いう問題もあった。
【0007】 そこで本考案は、廃棄物埋立穴からの浸出水を循環供給する場合 に、その浸出水に重金属やダイオキシンなどの有害物質が含まれていても、廃棄 物中の微生物を死滅させることなく、その有害物質の濃度を低下させて堆積廃棄 物を徐々に無害化させていくことができ、さらに、堆積廃棄物の無害化の程度を 簡単にモニタできるようにすることを技術的課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本考案は、内面に遮水処理を施した廃棄物埋立穴 に投棄された堆積廃棄物中に、堆積廃棄物からの浸出水を集水する集水管と、堆 積廃棄物に水分を補給する水分補給管と、外部から送給された空気を堆積廃棄物 中に吹き出させる空気補給管が埋設され、前記集水管で集水された浸出水を外部 に流出させることなく前記水分補給管を介して堆積廃棄物中に循環供給する閉鎖 循環系が形成されると共に、当該閉鎖循環系には、浸出水に含まれる有害物質を 除去する水処理装置が介装されると共に、前記水処理装置に流入する未処理浸出 水をサンプリングしてその浸出水に含まれる有害物質の濃度をモニタする水質検 査装置が設けられていることを特徴とする。
【0009】 本考案によれば、内面に遮水処理を施した廃棄物埋立穴に埋設さ れた集水管で集水された堆積廃棄物からの浸出水を水分補給管を介して埋立穴に 循環供給する閉鎖循環系が形成されているので、外部から水が侵入したり、浸出 水が外部へ漏洩することはない。 そして、浸出水の閉鎖循環系には、例えば、浸出水に含まれる廃油,重金属, ダイオキシンなどの有害物質を除去する水処理装置が介装されているので、これ ら有害物質が除去されて浄化された侵出水が再び堆積廃棄物に循環供給される。 したがって、堆積廃棄物から浸出水に有害物質が溶出されても、常に、清浄な 浸出水を供給できるので、廃棄物中の微生物が死滅することがなく、自然浄化作 用による無害化が促進される。 また、堆積廃棄物中の有害物質は、侵出水を介して水処理装置で除去されてい くので、長期間継続して浸出水を循環させているうちに、自然浄化作用では除去 できない有害物質の濃度を低下させて、堆積廃棄物が無害化される。
【0010】 さらに、水処理装置に流入する未処理浸出水をサンプリングして 水質検査を行い、その浸出水に含まれる有害物質の濃度をモニタしているので、 埋立穴内がどの程度無害化されたかを簡単に知ることができる。この場合に、浸 出水は堆積廃棄物の全てから浸出されているので、数カ所〜数十カ所をボーリン グ調査するまでもなく、全体の無害化の程度を客観的に知ることができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。 図1は本考案に係る廃棄物処分場を示す説明図、図2は他の実施形態を示す説 明図である。
【0012】 本例の廃棄物処分場1は、地面に掘られた廃棄物埋立穴2の内面 に、プラスチックシートやゴムシート、アスファルトシート等の遮水シート3に よって遮水処理が施されている。 廃棄埋立穴2内に投棄された堆積廃棄物4中には、埋立穴2の底部で堆積廃棄 物4からの浸出水を集水する集水管5と、当該集水管5で集水された浸出水を循 環させて堆積廃棄物4内に流出させる水分補給管6と、外部から送給される空気 を堆積廃棄物4内に吹き出す空気補給管7と、堆積廃棄物4内の余剰ガスを排出 する排気管8が埋設されている。 そして、この状態で、廃棄物埋立穴2の開口部が、その穴2内に投棄された堆 積廃棄物4を覆う防水性と耐候性に優れたプラスチックシートやゴムシート、ア スファルトシート等の遮水材9によって密閉され、更に、当該遮水材9の上に覆 土10が施されている。
【0013】 なお、集水管5,水分補給管6,空気補給管7は、硬質塩化ビニ ル管等のプラスチック管の長手方向に沿って複数の穿孔(図示せず)が形成され 、層状に敷き詰められた砂利11内に埋設されて穿孔が堆積廃棄物4によって塞 がれるのを防いでいる。 また、集水管5,水分補給管6,空気補給管7は、遮水シート3又は遮水材9 を貫く配管5a,6a,7aを介して外部に連通されると共に、当該各配管5a ,6a,7aと遮水シート3又は遮水材9が気密に溶着されている。 さらに、空気補給管7は、配管7aを介して埋立穴の外部に配設されたコンプ レッサ12に接続されて必要に応じて空気を供給することができるようになされ ている。
【0014】 そして、前記集水管5で集水された侵出水を外部に流出させるこ となく前記水分補給管6を介して廃棄物埋立穴2に循環供給する閉鎖循環系20 が形成され、当該閉鎖循環系20には、浸出水に含まれる比較的大きな固形の異 物を除去するストレーナ21と、浸出水に含まれる有害物質を除去する水処理装 置22が介装されると共に、浸出水に含まれる有害物質の種類と濃度をモニタす る水質検査装置23が設けられている。 なお、24は、水処理装置22で処理された処理済浸出水を一時的に貯留する 処理済浸出水貯留タンク、25は廃棄物埋立穴2に循環供給する水分が不足した ときに前記処理済浸出水貯留タンク24へ雨水を補充する雨水貯留タンク、26 及び27はポンプである。
【0015】 前記水処理装置22は、廃油類を除去するフィルタ(廃油除去装 置)28と、浸出水に含まれる金属イオンを選択吸着させる金属吸着装置29と 、浸出水に含まれるダイオキシンを吸着させるダイオキシン除去装置30を備え ている。
【0016】 そして、金属吸着装置29は、上端側に流入口31inが形成され ると共に下端側に排水口31out が形成された処理塔31内に、浸出水に含まれ る金属イオンを選択吸着してキレート化合物をつくるキレート剤又はキレート樹 脂が充填されてなり、浸出水を流入口31inから注入してダウンフローさせ、排 水口31out から金属類が除去された浸出水を排出する。 このキレート剤又はキレート樹脂としては、その主成分が、ジメチルグリオキ シム,ジチゾン,オキシン,アセチルアセトン,EDTA,NTAなど、浸出水 に含まれる金属イオンの種類に応じて任意のものを使用することができる。 また、処理塔31に充填するキレート剤やキレート樹脂の種類によって、有効 なpH範囲が異なるので、処理塔31の前段には浸出水のpHを検出してこれを 最適なpH値に調整するpH調整器32が設けられている。 なお、この場合において、金属吸着装置29は、除去しようとする金属の種類 に応じて複数の処理塔31を備えている場合であってもよい。
【0017】 また、ダイオキシン除去装置30は、ダイオキシンを吸着させる 活性炭や、分子ふるい、さらには市販のダイオキシン捕集用特殊フィルタなどが 用いられ、侵出水を透過させることにより、侵出水中に含まれるダイオキシンを 捕集するように成されている。
【0018】 水質検査装置23は、そのサンプル採取口23a,23bが、サ ンプル採取管33a,33bを介して水処理装置22の流入口22in側及び流出 口22out 側に夫々接続されると共に、当該検査装置23の流出口23cは、合 流管33cを介して前記サンプル採取管33bより下流側で閉鎖循環系20に合 流している。 また、前記サンプル採取管33a,33bには、蛇口などで形成されたサンプ ル取水口34a,34bが設けられ、水質検査用のサンプルを必要に応じて適量 だけ取り出すことができるようになされている。
【0019】 この水質検査装置23は、例えば、紫外可視分光光度計にコンピ ュータを接続したものが用いられ、1カ月ごとに紫外可視分光光度計から出力さ れる光吸収スペクトルのデータに基づいて、コンピュータで、アルキル水銀化合 物(R−Hg),水銀又はその化合物(Hg),カドミウム又はその化合物(C d),鉛又はその化合物(Pb),有機リン化合物(O−P),六価クロム化合 物(Cr6+),ヒ素又はその化合物(CN),PCB,有機塩素系化合物(O− Cl),銅又はその化合物(Cu),亜鉛又はその化合物(Zn),ふっ化物, トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ダイオキシン等の有害物質の種類 及び夫々の濃度を読み取り、そのデータを廃棄物処分場1から離れた集中管理セ ンターなどの管理部門へ自動転送するようになされている。
【0020】 以上が本考案の一例構成であって、次にその作用を説明する。 まず、廃棄物埋立穴2を堀り、その内面に遮水シート3を貼って遮水処理を施 し、廃棄物埋立穴2の底部に集水管5を配管してその集水管5が埋まるまで砂利 11を層状に敷き詰める。このとき集水管5を遮水シート3に貫通させ、この状 態で水漏れしないように遮水シート3と集水管5を密着させておく。 次いで、埋立穴2に廃棄物を層状に投棄していき所定深さまで堆積されるごと に、水分補給管6や空気補給管7を水平に配管すると共に、これらの管6,7が 埋まるまで砂利11を層状に敷く。 このように各管5,6,7は砂利11内に埋められているので、各管5,6, 7の穿孔が廃棄物によって塞がれることもない。 なお、この間、テント倉庫などを仮設して廃棄物埋立穴2を屋根で覆うことに より、雨水の侵入を防止することが好ましい。
【0021】 そして、廃棄物による埋立てが完了した時点で、堆積廃棄物4を 覆うように遮水材9を被せると共に、遮水材9に各配管6a,7aを貫通させた 状態で、水漏れしないように遮水材9と各配管6a,7aを密着させ、前記集水 管5から前記水分補給管6に至る閉鎖循環系20に、水処理装置22や水質検査 装置23などを設ける。
【0022】 ここで、ポンプ26,27及びコンプレッサ12を起動させると 、堆積廃棄物4内に水分補給管6から水が補給され、空気補給管7から空気が補 給される。 堆積廃棄物4から浸出された浸出水は集水管5で集水され、ストレーナ21で 大きなゴミが除去された後、水処理装置22へ流入する。水処理装置22では、 まず、フィルタ28で廃油が除去され、次いで、金属吸着装置29で浸出水に含 まれる金属イオンが吸着除去された後、ダイオキシン除去装置30により、侵出 水に含まれるダイオキシンが捕集される。
【0023】 このように、水処理装置22により、廃油,金属,ダイオキシン が除去されて浄化された浸出水は、処理済浸出水貯留タンク24に一時的に貯留 され、ポンプ27により再び水分補給管6を介して堆積廃棄物4に循環供給され る。 したがって、廃棄物埋立穴2は遮水シート3及び遮水材9で密閉されていても 、堆積廃棄物4には水分補給管6及び空気補給管7を介して水及び空気を補給す ることができるので、堆積廃棄物の空気と水による化学的分解作用や、微生物等 による生物的分解作用が促進される。
【0024】 閉鎖循環系20に介装された水処理装置22は金属吸着装置29 を備えており、浸出水を循環させる場合に、堆積廃棄物4から浸出した浸出水に 有害金属が含まれていても、これを除去した清浄な水を供給することができるの で、廃棄物に含まれる微生物(活性汚泥)を死滅させることがなく、したがって 、自然浄化作用で浄化できるものについて、その浄化作用を損なうこともない。
【0025】 また、堆積廃棄物4中に廃油やダイオキシンなどの有害物質が含 まれる場合も、これらは、浸出水を介して水処理装置22に運ばれて捕集される ので、堆積廃棄物4中に含まれる有害物質は徐々に少なくなり、長期間継続して 運転することにより堆積廃棄物は無害化されていく。 さらに、堆積廃棄物4から浸出された浸出水は、閉鎖循環系20の水処理装置 22で浄化された後、再び堆積廃棄物4に循環供給されて、完全な閉ループが形 成されることとなり、浸出水が外部に放流されることがないので、浸出水中に水 処理装置22では除去されない有害な有機物が含まれていても周辺の環境を汚染 することがない。 なお、これら有害有機物は、水と空気を供給することにより自然浄化作用で酸 化され、次第に無害化されていく。
【0026】 また、本例では、水処理装置22に流入する未処理浸出水及び水 処理装置22から流出する処理済浸出水が水質検査装置23に導入され、これら 浸出水に含まれる有害物質の種類と濃度が定期的に、例えば月1回の割合で測定 され、そのデータが例えば廃棄物処分場1から離れた集中管理センターなどの管 理部門へ自動転送するようになされている。 したがって、廃棄物処分場1を管理する場合において、廃棄物処分場1は町中 から離れた山間部に設置することが多いが、その現場まで行ってボーリング調査 を行うまでもなく、自動的に転送されてくる浸出水の水質検査結果のデータに基 づいて堆積廃棄物4の浄化の程度や水処理装置22の処理能力を把握することが できる。
【0027】 例えば、水処理装置22に流入する未処理浸出水の水質検査結果 と、以前に測定された水質検査結果を比較することにより体積廃棄物4がどの程 度浄化されたかを判断することができる。これにより、1年を通じてどの時期に 最も浄化が促進されるかを知ることができるので、その時期の温度,湿度の条件 に合うように、水分供給量,空気供給量を調整すれば、より浄化の促進を図るこ とができる。 また、未処理浸出水と処理済浸出水の水質とを比較することにより、水処理装 置22の処理能力をモニタすることができる。例えば、未処理浸出水と処理済浸 出水とに含まれる金属濃度の差が少なくなってきた場合には、金属吸着装置29 の処理能力が低下したと考えられるから、処理塔31に充填されているキレート 剤又はキレート樹脂を交換すればよい。
【0028】 なお、水質検査装置23が故障した場合などは、例えば、サンプ ル取水口34a,34bから、サンプルを取り、これを持ちかえって分析すれば よく、このようにしてもボーリング調査を行う場合に比して極めて簡単且つ容易 に、浄化の程度及び水処理装置22の処理能力を知ることができる。
【0029】 図2は本考案に係る他の実施形態を示す説明図である。なお、図 1と共通する部分については同一符号を付して詳細説明は省略する。 本例の廃棄物処分場41は、埋立てが完了した廃棄物埋立穴2の上面開口部を 遮水材で覆わずに、粘土質などの水を通しにくい土で単に覆土42を施すタイプ のもので、埋立完了後は、例えば、その上に樹木等を植えて公園として利用でき るようにするものである。 この廃棄物埋立穴2の底面及び側面は、コンクリート製の遮水壁43で構築さ れて遮水処理が施されている。
【0030】 また、埋立穴2に投棄された堆積廃棄物4中には、当該堆積廃棄 物4から侵出する侵出水を集水する集水管5と、当該集水管5で集水された浸出 水を堆積廃棄物4に還流する水分補給管6などが埋設されている。 そして、前記集水管5で集水された浸出水を前記水分補給管6を介して堆積廃 棄物4中に循環供給する閉鎖循環系20には、浸出水を外部に放流することなく 一時的に貯留する所定容量のピット44と、当該ピット44に貯留された侵出水 に含まれる有害物質を除去する水処理装置22が介装されている。
【0031】 前記ピット44は、埋立穴2の隣に形成され、集水管5の流出口 より低い位置まで掘り下げられて形成されている。その容量は、廃棄物埋立穴2 の容量と、廃棄物埋立穴2の建設地域の気象条件によって定まり、例えば、安全 率を見越した予想最大降雨量の雨が降ったときに、その雨水の一部が廃棄物埋立 穴2内に染み込んで当該埋立穴2からの侵出水の水量が増えても、これを十分貯 留することができるように設計されている。 なお、ピット44及び処理済侵出水貯留タンク24には、雨水が直接流入する ことなく、タンク内で蒸発した水蒸気を外部に排出できるように排気管(図示せ ず)が形成されている。
【0032】 これによれば、堆積廃棄物4から侵出された侵出水は、まず、ピ ット44内に一時的に貯留された後、水処理装置22で浄化され、処理済侵出水 貯留タンク24に貯留された後、再び堆積廃棄物4に循環供給される。 そして、降雨量が増えたときには侵出水の水量も増え、ピット44及び処理済 侵出水貯留タンク24の水位が徐々に上昇するが、晴天時には、これらの侵出水 が蒸発して水位が低下するので、年間を通じて侵出水が外部に溢れ出ることはな い。
【0033】
【考案の効果】
以上述べたように本考案によれば、埋め立てられた堆積廃棄物中に重金属やダ イオキシンなどの有害物質が含まれていても、その侵出水を閉鎖循環系に介装さ れた水処理装置で浄化することにより、廃棄物中の微生物を死滅させることなく 、侵出水を介して堆積廃棄物に含まれる有害物質の濃度を低下させて徐々に無害 化することができるという大変優れた効果を有し、さらに、侵出水の水質検査を 行うことにより堆積廃棄物の無害化の程度をボーリング調査することなく簡単に モニタすることができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る廃棄物処分場の一例を示す説明
図。
【図2】 他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・廃棄物処分場 2・・・廃棄物
埋立穴 4・・・堆積廃棄物 5・・・集水管 6・・・水分補給管 7・・・空気補
給管 20・・・閉鎖循環系 21・・・スト
レーナ 22・・・水処理装置 23・・・水質
検査装置 28・・・フィルタ(廃油除去装置) 29・・・金属
吸着装置 30・・・ダイオキシン除去装置 31・・・処理
塔 34a,34b・・・サンプル取水口 41・・・廃棄物処分場 44・・・ピッ

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に遮水処理を施した廃棄物埋立穴
    (2)に投棄された堆積廃棄物(4)中に、堆積廃棄物
    (4)からの浸出水を集水する集水管(5)と、堆積廃
    棄物(4)に水分を補給する水分補給管(6)と、外部
    から送給された空気を堆積廃棄物(4)中に吹き出させ
    る空気補給管(7)が埋設され、 前記集水管(5)で集水された浸出水を外部に流出させ
    ることなく前記水分補給管(6)を介して堆積廃棄物
    (4)中に循環供給する閉鎖循環系(20)が形成される
    と共に、当該閉鎖循環系 (20) には、浸出水に含まれる
    有害物質を除去する水処理装置(22)が介装されると共
    に、前記水処理装置(22)に流入する未処理浸出水をサ
    ンプリングしてその浸出水に含まれる有害物質の濃度を
    モニタする水質検査装置(23)が設けられていることを
    特徴とする廃棄物処分場。
  2. 【請求項2】 内面に遮水処理を施した廃棄物埋立穴
    (2)に投棄された堆積廃棄物(4)中に、堆積廃棄物
    (4)からの浸出水を集水する集水管(5)と、堆積廃
    棄物(4)に水分を補給する水分補給管(6)と、外部
    から送給された空気を堆積廃棄物(4)中に吹き出させ
    る空気補給管(7)が埋設され、 前記集水管(5)で集水された浸出水を外部に流出させ
    ることなく前記水分補給管(6)を介して堆積廃棄物
    (4)中に循環供給する閉鎖循環系(20)が形成される
    と共に、当該閉鎖循環系 (20) には、浸出水に含まれる
    廃油を除去する廃油除去装置(28)と、浸出水に含まれ
    る金属イオンを選択的に吸着除去する金属吸着装置(2
    9)と、浸出水に含まれるダイオキシンを除去するダイ
    オキシン除去装置(30)を備えた水処理装置(22)が介
    装されると共に、前記水処理装置(22)に流入する未処
    理浸出水をサンプリングしてその浸出水に含まれる有害
    物質の濃度をモニタする水質検査装置(23)が設けられ
    ていることを特徴とする廃棄物処分場。
  3. 【請求項3】 内面に遮水処理を施した廃棄物埋立穴
    (2)に投棄された堆積廃棄物(4)中に、堆積廃棄物
    (4)からの浸出水を集水する集水管(5)と、堆積廃
    棄物(4)に水分を補給する水分補給管(6)と、外部
    から送給された空気を堆積廃棄物(4)中に吹き出させ
    る空気補給管(7)が埋設され、 前記集水管(5)で集水された浸出水を外部に流出させ
    ることなく前記水分補給管(6)を介して堆積廃棄物
    (4)中に循環供給する閉鎖循環系(20)が形成される
    と共に、当該閉鎖循環系 (20) には、浸出水に含まれる
    有害物質を除去する水処理装置(22)が介装されたこと
    を特徴とする廃棄物処分場。
  4. 【請求項4】 前記廃棄物埋立穴(2)が、当該埋立穴
    (2)内に投棄された堆積廃棄物(4)を覆う遮水材
    (9)により密閉されてなる請求項1乃至3記載の廃棄
    物処分場。
  5. 【請求項5】 前記閉鎖循環系(20)には、浸出水を外
    部に放流することなく一時的に貯留する所定容量のピッ
    ト(44)と、当該ピット(44)から送給される侵出水に
    含まれる有害物質を除去する水処理装置(22)が介装さ
    れてなる請求項1乃至3記載の廃棄物処分場。
  6. 【請求項6】 前記水質検査装置(23)が、前記未処理
    浸出水及び前記水処理装置(22)から流出した処理済浸
    出水をサンプリングして夫々の浸出水に含まれる有害物
    質の濃度をモニタするようになされた請求項1又は2記
    載の廃棄物処分場。
  7. 【請求項7】 前記閉鎖循環系(20)に、前記水処理装
    置(22)に流入する未処理浸出水をサンプリングする水
    質検査用のサンプル取水口(34a)と、前記水処理装置
    (22)から流出する処理済浸出水をサンプリングする水
    質検査用のサンプル取水口(34b)が形成されてなる請求
    項1乃至3記載の廃棄物処分場。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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