JP5974842B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シャフトの外周部に一定の隙間を介して取付けられた軸受を有する動力伝達装置に関する。
シャフトの外周部に一定の隙間を介して取付けられた軸受を有する動力伝達装置としては、図5に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図5において、モータMのロータシャフト1は、軸受2、3を介して駆動装置ケース4に回転自在に支持されている。
この軸受2、3は、ロータシャフト1の組み付け性を考慮して、外輪2A、3Aが駆動装置ケース4に圧力され、内輪2B、3Bがロータシャフト1の外周部と一定の隙間が画成される、所謂、隙間嵌めによってロータシャフト1の外周部に取付けられている。
また、軸受3の内輪3Bの軸線方向端部は、軸受3に対向するロータシャフト1の当接面1aに当接しており、内輪3Bは、ロータシャフト1の外周部および当接面1aに接触している。
特開2005−308094号公報
このような従来の動力伝達装置にあっては、軸受3の内輪3Bがロータシャフト1に隙間嵌めによって取付けられているとともに、内輪3Bがロータシャフト1の当接面1aに当接しているため、ロータシャフト1と内輪3Bとの間で滑りが発生する。このため、ロータシャフト1と内輪3Bとの間の潤滑が充分でないと、ロータシャフト1と内輪3Bとの滑りによってロータシャフト1が磨耗してしまう。
この種の動力伝達装置では、ロータシャフト1と内輪3Bとの磨耗対策として、ロータシャフト1の外周部に熱処理を施すことにより、ロータシャフト1の耐磨耗性を向上させている。これに加えて、当接面1aの円周方向に亘って熱処理を施すことにより、ロータシャフト1の耐磨耗性を向上させることが考えられる。
ところが、ロータシャフト1の当接面1aを基点としてロータシャフト1の外周部にモータMのロータが嵌合される切欠き部が形成される場合には、ロータシャフト1の径方向長さがロータシャフト1の円周方向に亘って均一にならない。
このため、当接面1aの円周方向に亘って熱処理を施すと、熱容量の少ない切欠き部の溶融が発生したり、熱処理後の残留応力によって切欠き部にクラックが発生してしまう。したがって、当接面1aの円周方向に亘って熱処理を施すことが困難となり、ロータシャフト1の磨耗を抑制することができずにロータシャフト1の耐久性が悪化してしまう。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、軸受と接触するシャフトの当接面が磨耗するのを抑制して、シャフトの耐久性を向上させることができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置は、上記目的を達成するため、(1)動力を伝達するシャフトと、前記シャフトの外周部と一定の隙間を有する内周部を有し、前記シャフトをケースに回転自在に支持する軸受とを備え、前記シャフトが、前記軸受の軸線方向一端部に当接する当接面を有し、前記当接面の円周方向の一部に切欠き部が形成される動力伝達装置であって、前記切欠き部に対して前記シャフトの半径方向内方に位置する前記当接面の部位に焼入れ部が形成されたものから構成されている。
この動力伝達装置は、切欠き部に対してシャフトの半径方向内方に位置する当接面の部位に熱処理が施されているので、シャフトの当接面と軸受の軸線方向一端部との磨耗を抑制することができる。
具体的には、切欠き部に対してシャフトの半径方向内方に位置する当接面の部位に熱処理を施すと、シャフトの当接面と軸受の軸線方向一端部との滑りによってシャフトの当接面の熱処理が施された部位の磨耗は、熱処理が施されていない当接面の部位に対して低減されることになる。
このため、仮に磨耗が進行しても軸受の軸線方向一端部と熱処理が施された当接面の部位とが当接し易くなるので、熱処理が施されていない場合に比べて磨耗の進行が抑制され、シャフトの耐久性を向上させることができる。
これに加えて、シャフトの当接面の全周に亘って熱処理を施す必要がないため、熱容量の少ない切欠き部の溶融が発生したり、熱処理後の残留応力によって切欠き部にクラックが発生するのを防止することができる。
上記(1)に記載の動力伝達装置において、(2)前記切欠き部は、前記シャフトの円周方向において複数箇所に形成されるものから構成されている。
この動力伝達装置は、切欠き部シャフトの円周方向において複数箇所に形成されるので、シャフトは、熱処理が施される当接面の部位を多く有することになり、軸受の軸線方向一端部と熱処理が施された当接面の接触部位を増大させることができる。このため、シャフトの当接面の磨耗の進行をより抑制することができる。
上記(1)または(2)に記載の動力伝達装置において、(3)前記切欠き部は、前記ロータシャフトの回転中心軸を挟んで対向して設けられるものから構成されている。
この動力伝達装置は、切欠き部は、ロータシャフトの回転中心軸を挟んで対向して設けられるので、シャフトは、熱処理が施される当接面の部位を多く有することになり、軸受の軸線方向一端部と熱処理が施された当接面の接触部位を増大させることができる。このため、シャフトの当接面の磨耗の進行をより抑制することができる。
本発明によれば、軸受と接触するロータシャフトの当接面が磨耗するのを防止して、シャフトの耐久性を向上させることができる動力伝達装置を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を示す図であり、ハイブリッド駆動装置の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を示す図であり、駆動用モータおよびその周辺の要部断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を示す図であり、図2のA方向から見た場合のロータシャフトの正面図である。 本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を示す図であり、ロータシャフトの要部断面図である。 従来のハイブリッド駆動装置の断面図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1において、ハイブリッド車両11は、動力伝達装置としてのハイブリッド駆動装置12を備えており、ハイブリッド駆動装置12は、変速機構を構成する複合遊星歯車装置13と、蓄電された電力により車両を駆動させる回転電機としての駆動用モータ14と、図示しない内燃機関としてのエンジンからの動力により発電可能なモータジェネレータ5と、ハイブリッド駆動装置12の各部に潤滑油としてのオイルを供給するオイルポンプ16とを含んで構成されている。
複合遊星歯車装置13は、エンジンから出力された動力を伝達する第1の遊星歯車装置13aと、駆動用モータ14から出力された動力を伝達する第2の遊星歯車装置13bとを含んで構成されており、駆動用モータ14およびエンジンから出力された動力を図示しないディファレンシャル装置に選択的に伝達できるようになっている。
ハイブリッド駆動装置12は、ケースとしてのトランスミッションケース17に収納されており、このトランスミッションケース17は、エンジン側に締結支持されるハウジング18と、ハウジング18のエンジン側とは反対側の開口端に固定されたケース19とを有している。
また、ケース19のハウジング18側とは反対側の開口端には、ケースカバー20が装着されており、ケースカバー20のケース19側の反対側には、オイルポンプカバー21が装着されている。
また、ハウジング18には、ハウジングカバー18Aが装着されており、ハウジングカバー18Aは、ハウジング18内をモータジェネレータ15の収納部分とエンジンからの駆動力伝達機構であるダンパー要素22の収納部分とに画成している。
モータジェネレータ15および第1の遊星歯車装置13aの回転中心部分には、モータジェネレータ15および第1の遊星歯車装置13aを貫通するように延在するインプットシャフト23が配設されており、駆動用モータ14および第2の遊星歯車装置13bの回転中心部分には、駆動用モータ14および第2の遊星歯車装置13bを貫通するように延在するオイルポンプ駆動軸24が配設されている。
インプットシャフト23は、一端部がクランクシャフト25に回転方向一体に係合されるとともに、他端部が第1の遊星歯車装置13aに接続されており、エンジンからの動力を複合遊星歯車装置13に伝達するようになっている。
オイルポンプ駆動軸24は、一端部がインプットシャフト23に回転方向一体に係合されるとともに、他端部がオイルポンプ16に接続されており、インプットシャフト23からの動力をオイルポンプ16に伝達するようになっている。
また、オイルポンプ駆動軸24およびインプットシャフト23内には、複数の油路が形成されており、この油路を通じてオイルポンプ16により汲み上げられたオイルがハイブリッド駆動装置12の各部に送り出されるようになっている。
また、トランスミッションケース17内には、複合遊星歯車装置13から出力された動力をディファレンシャル装置を介して左右駆動輪に伝達するカウンタドリブンギヤ26およびファイナルドライブギヤ27aを有するカウンタシャフト27が設けられている。
カウンタドリブンギヤ26は、後述する複合遊星歯車装置13のカウンタドライブギヤ28に噛合している。
複合遊星歯車装置13は、駆動用モータ14の出力減速用の第2の遊星歯車装置13bと、エンジン側からの動力をモータジェネレータ15とカウンタドライブギヤ28とに分配する動力分配機能を有する第1の遊星歯車装置13aとによって構成されている。
また、第1の遊星歯車装置13aおよび第2の遊星歯車装置13bは、外周側のリングギヤR1とリングギヤR2とを軸線方向に連ねたカウンタドライブギヤ28により接続されている。
具体的には、第1の遊星歯車装置13aは、サンギヤS1と、サンギヤS1を取り囲む内歯のリングギヤR1と、サンギヤS1の回りに周方向等間隔に設けられてサンギヤS1およびリングギヤR1に噛合する複数のピニオンギヤを自転可能に支持するとともにインプットシャフト23に連結されたキャリアCr1とを有している。
第2の遊星歯車装置13bは、サンギヤS2と、サンギヤS2を取り囲む内歯のリングギヤR2と、サンギヤS2の回りに周方向等間隔に設けられてサンギヤS2およびリングギヤR2に噛合する複数のピニオンギヤを自転可能に支持するとともにケース19に固定されたキャリアCr2とを有している。
駆動用モータ14は、永久磁石が装着されたロータ29と、三相コイルが巻回されたステータ30と、ロータ29が取付けられたシャフトとしてのロータシャフト31とを有しており、永久磁石同期電動機として構成されている。
ロータシャフト31は、エンジン側の端部が第2の遊星歯車装置13bのサンギヤS2にスプライン結合しており、サンギヤS2と一体に回転するようになっている。
モータジェネレータ15は、永久磁石が装着されたロータ32と、三相コイルが巻回されたステータ33と、ロータ32が取付けられたロータシャフト34とを有しており、駆動用モータ14と同様に永久磁石同期発電電動機として構成されている。
ロータシャフト34は、軸線方向に貫通孔が形成されており、この貫通孔にインプットシャフト23を挿通させた状態で、軸受35、36を介してハウジング18およびハウジングカバー18Aに回転自在に支持されている。
また、ロータシャフト34は、エンジン側の端部が第1の遊星歯車装置13aのサンギヤS1にスプライン結合しており、サンギヤS1と一体に回転するようになっている。
このハイブリッド駆動装置12は、エンジンの動力がクランクシャフト25からインプットシャフト23に入力されると、エンジンの動力を第1の遊星歯車装置13a、カウンタドライブギヤ28、カウンタドリブンギヤ26、カウンタシャフト27のファイナルドライブギヤ27aおよびディファレンシャル装置を介して左右のドライブシャフトに伝達するようになっている。
また、ハイブリッド駆動装置12は、エンジンの動力を第1の遊星歯車装置13aからロータシャフト34を介してモータジェネレータ15に分配して充電を行う。
また、EV走行時には、駆動用モータ14の動力を第2の遊星歯車装置13bで減速し、第2の遊星歯車装置13bからカウンタドライブギヤ28、カウンタドリブンギヤ26、カウンタシャフト27のファイナルドライブギヤ27aおよびディファレンシャル装置を介してドライブシャフト14L、14Rに伝達するようになっている。
また、ロータシャフト31は、軸線方向に貫通孔が形成されており、この貫通孔にオイルポンプ駆動軸24が挿通されている。
オイルポンプ16は、オイルポンプ駆動軸24に装着されたドライブロータ37と、図示しないドリブンロータとから構成されており、ケースカバー20に回転自在に支持されている。そして、オイルポンプ16により汲み上げられたオイルは、オイルポンプ駆動軸24内に導入されるようになっている。
オイルポンプ駆動軸24にはロータシャフト31の軸線方向に沿って延在するオイル導入通路24Aが形成されており、このオイル導入通路24Aの一端部にはオイルポンプ16に汲み上げられたオイルが導入される。
また、ロータシャフト34の内部にはロータシャフト34の軸線方向に沿って延在するオイル導入通路34Aが形成されており、オイル導入通路34Aにはオイル導入通路24Aの他端部からオイルが導入されるようになっている。
ロータシャフト34にはオイル導入通路34Aから放射方向に延在するオイル導入通路34a、34bが形成されており、オイル導入通路34a、34bは、ロータシャフト34の回転による遠心力によってオイルを第1の遊星歯車装置13aや軸受36に供給するようになっている。
一方、ロータシャフト31は、軸受38、39によってケースカバー20の環状厚肉部20aおよびケース19の環状仕切部19aの底部に形成された環状厚肉部19bに回転自在に支持されている。
図2に示すように、軸受38は、ケースカバー20の環状厚肉部20aの内周部に隙間なく嵌合される、所謂、締まり嵌めされる外輪38Aと、外輪38Aに転動体38Bを介して連結され、ロータシャフト31の外周部に一定の隙間を介して嵌合される、所謂、隙間嵌めされる内輪38Cとを備えている。
また、軸受39は、ケース19の環状厚肉部19bに締まり嵌めされる外輪39Aと、外輪39Aに転動体39Bを介して連結される内輪39Cとを備えており、内輪39Cの内周部39cは、ロータシャフト31の外周部31aに一定の隙間を介して嵌合される、所謂、隙間嵌めされている。すなわち、本実施の形態の軸受39は、ロータシャフト31の外周部31aに隙間嵌めされる内周部39cを有している。
このように軸受38、39の内輪38C、39Cがロータシャフト31に隙間嵌めされることで、ロータシャフト31を軸受38、39に容易に組み付けることができ、ハイブリッド駆動装置12へのロータシャフト31の組み付け性を向上させることができる。
軸受39の内輪39Cの軸線方向一端部は、ロータシャフト31に形成された当接面31bに当接する当接面39aを有するとともに、軸線方向他端部は、サンギヤS2の軸線方向端部に当接する当接面39bを有している。
また、軸受39の内輪39Cの内径に対してサンギヤS2の外径は、大きくなっており、軸受39は、ロータシャフト31の当接面31bとサンギヤS2の軸線方向端部に挟持される。
また、軸受39の外輪39Aの軸線方向一端部は、ケース19の環状厚肉部19bに取付けられたスナップリング40に当接しており、軸線方向他端部は、環状厚肉部19bに形成された段部19cに当接している。このため、軸受39は、軸線方向の移動が規制されるように環状厚肉部19bに取付けられる。
また、オイルポンプ駆動軸24およびロータシャフト31には、オイル導入通路24Aから放射方向に延在する貫通孔41が形成されており、オイル導入通路24Aに導入されるオイルは、貫通孔41から内輪39Cとロータシャフト31との間に導入される。
図2、図3に示すように、ロータシャフト31の外周部には切欠き部31c、31dが形成されており、この切欠き部31c、31dは、ロータシャフト31の一端部31e側から当接面31bまで延在している。すなわち、切欠き部31c、31dは、当接面31bの円周方向の一部に形成されている。
また、切欠き部31c、31dは、ロータシャフト31の回転中心軸を挟んで対向して設けられており、切欠き部31c、31dは、ロータシャフト31の円周方向において複数箇所に形成されることになる。
また、ロータ29の内周部にはロータ29の内周部からロータシャフト31の回転中心軸に向かって突出する突起29aが形成されており、この突起29aは、切欠き部31c、31dに嵌合している。このため、ロータ29は、ロータシャフト31に固定されてロータシャフト31と一体回転自在となっている。
また、図4に示すように、ロータシャフト31の当接面31bからインプットシャフト23側のロータシャフト31の外周部(以下、この部位を小径部31Aという)にはハッチングで示すように高周波焼入れ等の熱処理が施されている。以下、この焼入れ部分を焼入れ部44という。
また、図3、図4に示すように、切欠き部31c、31dに対してロータシャフト31の半径方向内方に位置する当接面31bの部位には、ハッチングで示すように高周波焼入れ等による熱処理が施されている。以下、熱処理が施されている当接面31bの部位を焼入れ部42といい、焼入れ部42を除いた熱処理が施されていない当接面31bの部位を非焼入れ部43という。
次に、作用を説明する。
本実施の形態のハイブリッド駆動装置12は、ロータシャフト31の外周部と一定の隙間を有する内輪39Cを有し、ロータシャフト31をケース19の環状厚肉部19bに回転自在に支持する軸受39を備えている。
また、軸受39の内輪39Cの当接面39aは、ロータシャフト31の当接面31bに当接している。
このように内輪39Cが駆動用モータ14のロータシャフト31に隙間嵌めによって取付けられているため、第2の遊星歯車装置13bの噛み合いによって発生するサンギヤS2からのスラスト力がロータシャフト31に作用しない場合に、または、スラスト力が小さい場合に、ロータシャフト31が内輪39Cに対して滑ってしまい、ロータシャフト31と内輪39Cとの間に回転差が生じてしまう。
このため、ロータシャフト31と内輪39Cと間の潤滑が充分でないと、ロータシャフト31と内輪39Cとの滑りによってロータシャフト31の小径部31Aが磨耗してしまう。また、ロータシャフト31の当接面31bと軸受39の内輪39Cとの滑りによって当接面31bが磨耗してしまう。
ここで、当接面31bの円周方向の全面に焼入れを行うと、熱容量が少ない切欠き部31c、31dが溶損するおそれがある。また、公知のように焼入れの焼境に残留引っ張り応力が発生するため、応力が集中し易い小径部31Aと当接面31bの境界45に焼境が近づくことで残留応力が増大し、切欠き部31c、31dのクラックが発生してまうおそれがある。
一方、小径部31Aと当接面31bとを同時に焼入れを行うことも考えられるが、この場合には高周波焼入れを行う焼入れコイルの出力を大幅に増大させる必要があり、焼入れコイルの寿命が低下するとともに、焼入れの生産性が低下してしまう。
これに加えて、焼入れコイルの出力を増大させることにより、焼入れ品質が大きく変化し、小径部31Aと当接面31bとの焼入れ品質を両立させることが困難となる。
また、小径部31Aと当接面31bとに別工程で焼入れを施す場合には、焼入れ工数が増加して生産性が悪化する上に、先に焼入れした方が後焼入れ時に焼きなまされてしまい、焼入れの品質が悪化してしまう。
これに対して、本実施の形態のロータシャフト31は、切欠き部31c、31dに対してロータシャフト31の半径方向内方に位置する当接面31bの部位に焼入れを施して焼入れ部42を形成しているため、当接面31bに対する焼入れ部42の面積を大幅に減少させることができる。
このため、小径部31Aと当接面31bとに同時に焼入れを施して焼入れ部42、44を形成した場合であっても、焼入れコイルの出力を低減して、焼入れコイルを長寿化することができるとともに、ロータシャフト31の生産性を向上させることができる。また、焼入れの品質が悪化するのを防止することができる。
一方、ロータシャフト31をハイブリッド駆動装置12に組み付けてハイブリッド駆動装置12の駆動を開始する初期段階では、ロータシャフト31と内輪39Cとの滑りによって非焼入れ部43の磨耗が進行する。
しかしながら、焼入れが施されている焼入れ部42の磨耗は、非焼入れ部43に対して進行しないため、時間の経過に伴って焼入れ部42と内輪39Cとが積極的に接触し、非焼入れ部43に内輪39Cが接触することが回避される。
この結果、非焼入れ部43の磨耗の進行が抑制され、ロータシャフト31の耐久性を向上させることができる。
これに加えて、本実施の形態のロータシャフト31は、当接面31bの全周に亘って熱処理を施す必要がないため、熱容量の少ない切欠き部31c、31dの溶融が発生したり、熱処理後の残留応力によって切欠き部31c、31dにクラックが発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態のロータシャフト31は、ロータシャフト31の回転中心軸を挟んで対向する位置に切欠き部31c、31dを形成したので、ロータシャフト31の当接面31bに焼入れ部42を多く設けることができる。このため、内輪39Cの当接面39aとロータシャフト31の当接面31bとの接触部位を増大させることができ、ロータシャフト31の当接面31bの磨耗の進行をより抑制することができる。
ここで、本実施の形態のロータシャフト31は、動力伝達装置をハイブリッド車両11のハイブリッド駆動装置12に適用しているが、駆動源として駆動用モータのみを有する電気自動車の動力伝達装置に本発明のロータシャフト31を適用してもよい。また、車両に限定されずに、ロータシャフトが軸受を介してケースに回転自在に支持される構造のものであれば、如何なる動力伝達装置に適用することもできる。
また、本実施の形態の切欠き部31c、31dは、ロータシャフト31の2箇所に形成されているが、これに限定されるものではなく、切欠き部は、1つまたは、3つ以上であってもよい。
切欠き部の数が奇数の場合には、切欠き部は、ロータシャフト31の円周方向に等間隔で形成されることが好ましい。また、切欠き部の数が偶数の場合には、切欠き部は、ロータシャフト31の円周方向に等間隔で形成され、かつ、対となる切欠き部がロータシャフト31の回転中心軸を挟んで対向して設けられることが好ましい。
このようにすれば、ロータシャフト31の当接面31bに焼入れ部42をより多く設けることができ、ロータシャフト31の当接面31bの磨耗の進行をより抑制することができる。
以上のように、本発明に係る動力伝達装置は、軸受と接触するロータシャフトの当接面が磨耗するのを防止して、シャフトの耐久性を向上させることができるという効果を有し、シャフトの外周部に一定の隙間を介して取付けられた軸受を有する等として有用である。
12…ハイブリッド駆動装置(動力伝達装置)、17…トランスミッションケース(ケース)、31…ロータシャフト(シャフト)、31a…ロータシャフトの外周部、31b…当接面、31c,31d…切欠き部、39…軸受、39c…軸受の内周部

Claims (3)

  1. 動力を伝達するシャフトと、前記シャフトの外周部と一定の隙間を有する内周部を有し、前記シャフトをケースに回転自在に支持する軸受とを備え、前記シャフトが、前記軸受の軸線方向一端部に当接する当接面を有し、前記当接面の円周方向の一部に切欠き部が形成される動力伝達装置であって、
    前記切欠き部に対して前記シャフトの半径方向内方に位置する前記当接面の部位に焼入れ部が形成されたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記切欠き部は、前記シャフトの円周方向において複数箇所に形成されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記切欠き部は、前記ロータシャフトの回転中心軸を挟んで対向して設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置。
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