JP5974696B2 - 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置 - Google Patents

発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5974696B2
JP5974696B2 JP2012157831A JP2012157831A JP5974696B2 JP 5974696 B2 JP5974696 B2 JP 5974696B2 JP 2012157831 A JP2012157831 A JP 2012157831A JP 2012157831 A JP2012157831 A JP 2012157831A JP 5974696 B2 JP5974696 B2 JP 5974696B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
segregation
discharge
analysis
discharge energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012157831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014020839A (ja
Inventor
臼井 幸夫
幸夫 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012157831A priority Critical patent/JP5974696B2/ja
Publication of JP2014020839A publication Critical patent/JP2014020839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5974696B2 publication Critical patent/JP5974696B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、鉄鋼材料、特に鋼の連続鋳造鋳片や厚鋼板の内部品質を評価する発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置に関する。
鋼の連続鋳造鋳片(以下、鋳片と略記)や鋳片を素材とする厚鋼板の分野においては、連続鋳造時に形成される鋳片中心部の偏析(中心偏析)が製品品質に大きく影響することが知られている。そこで、この中心偏析を軽減するための技術が多数開発されている。一方、中心偏析の評価方法については、幾つかの技術が知られている。具体的には、マクロプリント法、ドリル分析法、スライス分析法、スパーク放電発光分析法などを鋳片ごとに採取されたサンプルに適用することで、中心偏析が評価されている。
マクロプリント法は、鋳片の切断面を研磨し、偏析部をピクリン酸などの腐食液により腐食させてからインクなどを染み込ませた後、一旦、表面のインクを拭き取り、腐食部に残ったインクをセロハン紙などに写し取り、偏析の発生状況を可視化する方法である。しかしながら、マクロプリント法は、鋳片サンプル全体の偏析を把握できる点では有効であるが、得られるプリントの濃度が腐食や研磨の状況に左右されるために、偏析の定量化が困難である。
ドリル分析法は、マクロプリント法などにより中心偏析部を特定し、この中心偏析部の複数の分析点からドリルで切粉サンプルを採取し、この切粉を分析する方法である。また、スライス分析法は、鋳片などを厚さ方向に順次スライスして採取した切粉の成分を分析し、厚さ方向の成分の濃度分布を得る方法である。しかしながら、ドリル分析法やスライス分析法によれば、偏析の定量評価が可能であるが、試料採取などの前処理に長時間を要する。
特許文献1には、スパーク放電発光分析法を用いて鋳片分析面の複数の分析点を分析し、偏析度を定量評価する技術が開示されている。しかしながら、この技術によれば、分析面全体を測定していないため、偏析度を正確に評価できない可能性がある。
以上のように、従来の各種評価方法では、偏析度を迅速かつ定量的に評価することが困難である。このため、近年では、特許文献2や非特許文献1に記載のEPMA(電子線プローブX線マイクロアナライザー)やスパーク放電発光分析法を用いたマッピング分析技術による評価方法が提案されている。
特開2007−178321号公報 特開2009−236842号公報
Wang Haizhou, "Original position statistic distribution analysis (original position analysis)", SCIENCE IN CHINA (Series B), Vol. 46 No. 2, Page119-123(2003)
特許文献2に記載のEPMA法を用いたマッピング分析技術による偏析度評価では、鋳片サンプル全面を分析し、偏析のマクロ観を把握できると共に、結果も数値化できる利点がある。しかしながら、EPMA法では、電子線照射によって試料表面にカーボン(C)が堆積することによる鋼材強度への影響が大きく、偏析度評価において重要な偏析元素であるCの定量分析が困難である。また、0.01wt%以下の低濃度元素の定量に限界がある。
一方、非特許文献1に記載の試料を連続的に走査しながらスパーク放電発光分析を行うマッピング分析技術(OPA(Original Position statistic distribution Analysis)法)は、マクロ偏析を迅速かつ定量的に評価できる技術として期待されている。しかしながら、OPA法により偏析度を定量的に評価するためには、同一分析面上を複数回繰返し走査し、コンタミネーションなどの表面汚染や初期の不安定放電の影響が低減した後の発光データを用いる必要があるため、分析に長時間を要する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、EPMA法では評価困難なCや0.01wt%以下の低濃度元素の偏析度を迅速かつ定量的に評価可能な発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発光分光分析による偏析評価方法は、偏析について評価しようとする部分を含む鉄鋼材料をスパーク放電を発生する電極に対し連続的に走査させながら、偏析について評価しようとする部分を含む領域のスパーク放電発光分光分析による偏析元素の濃度マッピング分析を行い、偏析を定量的に評価する方法であって、同一走査線上を2回以上繰返し走査し、かつ、予備走査時と定量のための本走査時とで、放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更することを特徴とする。
また、本発明に係る発光分光分析による偏析評価方法は、上記発明において、走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量が60Jを超える予備走査の後に、前記放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更して走査することにより濃度マッピング分析を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る発光分光分析による偏析評価方法は、上記発明において、前記偏析元素には、C,P,Mn,Nb,S,Ti,Cu,Mo,VおよびNiのうちの少なくとも一つの元素が含まれることを特徴とする。
また、本発明に係る発光分光分析による偏析評価装置は、偏析について評価しようとする部分を含む鉄鋼材料をスパーク放電を発生する電極に対し連続的に走査させながら、偏析について評価しようとする部分を含む領域のスパーク放電発光分光分析による偏析元素の濃度マッピング分析を行い、偏析を定量的に評価する装置であって、同一走査線上を2回以上繰返し走査し、かつ、予備走査時と定量のための本走査時とで、放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更する手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、EPMA法では評価困難なCや0.01wt%以下の低濃度元素の偏析度を迅速かつ定量的に測定することができる。
図1は、放電エネルギーの変化に伴うC,P,Mnの検量線の変化を示す図である。 図2は、走査回数とC発光強度との関係を示す図である。 図3は、本実施形態の測定法によるスラブのC,Pの濃度分布を示す図である。 図4は、走査回数とC発光強度との関係を示す図である(1回目走査時の放電エネルギー:240mJ、2回目以降走査時の放電エネルギー:75mJ)。 図5は、本実施形態の測定法によるスラブのC,Pの濃度分布を示す図である。 図6は、本実施形態の測定法によるスラブのC,Pの濃度分布を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本発明は、スパーク放電を発生する電極に対し試料を連続的に走査させながら、偏析部を含む領域に対してスパーク放電発光分析法によるマッピング分析を行う分析法において、元素濃度の定量評価に影響を与える因子を明らかにし、各因子の影響を抑制するために最適な走査条件および放電条件でマッピング分析することにより各元素の定量マッピング分析を可能とするものである。
スパーク放電発光分析においては、通常は試料を走査することなく数mmφの領域に繰り返しスパーク放電を行い、数百回以上の放電により発生する発光信号をデータ処理している。この際、試料表面の汚染除去および安定放電にいたるまでの不良データを棄却するために、1秒程度の予備放電を実施している。
一方、試料を走査しながらスパーク放電発光分析を行う場合、1回目から数回目までの走査では試料の未放電領域に対する初期の放電であるため、発光情報には試料の表面汚染の情報が含まれることは避けられない。そこで、同一分析面上を多数回繰返し走査し、表面汚染の影響や初期の不安定放電の影響が低減した後の発光データを用いることで安定した発光強度を得て、得られた発光強度から検量線法などにより各元素の濃度を定量的に評価することが可能となる。しかしながら、同一分析面上を多数回繰返し走査することは、定量分析の精度を向上させるものの、分析に長時間を要し、迅速に広域の偏析度を評価できなくなる。
したがって、偏析度を迅速かつ定量的に評価するためには、できるだけ少ない走査回数で試料の分析面を表面汚染の影響や初期の不安定放電の影響がない状態とすることが重要となる。なお、分析面が安定するまでの走査中の放電による発光信号は偏析度の評価には使用されないので、分析に最適な放電条件と異なる条件とすることが可能である。
ここで、放電エネルギーを高くすると、元素によっては、バックグラウンドの上昇や発光強度の飽和などを引き起こすため、定量分析に最適な条件とはいえない。しかし、放電エネルギーが高い場合、一放電あたりの試料蒸発量が増し、表面汚染の除去(表面清浄化)を迅速に行うことができる。
そこで、表面清浄化のための初期の予備走査では高い放電エネルギーの放電条件とし、表面汚染や初期の不安定放電の影響を迅速に取り除き、その後の定量のための本走査では各元素の定量分析に最適な放電エネルギーの放電条件とすることで、迅速に元素の定量マッピング分析が可能となる。さらに、走査速度についても定量に最適な走査速度よりも速い走査速度の予備走査で予備処理を行ない表面汚染などを除去することができる。このような方法による発光分光分析で迅速かつ精度のよい偏析評価が可能となる。
図1(a)〜(c)はそれぞれ、放電エネルギーの変化に伴うC,P,Mnの検量線(濃度と発光強度比との関係)の変化を示す図である。分析部分の表面清浄化のために、試料を走査せずに同一の場所に対し、放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hzで10秒間放電処理を繰り返した(予備処理)。その後、その分析部分に対し、放電エネルギーを75mJ、200mJ、240mJに変更してC、P、Mnの定量を行なった(本測定)。
図1(a)に示すように、Cでは定量の際の放電エネルギーの増加に伴い発光強度比が大きくなる。一方、図1(b)に示すように、Pでは放電エネルギーの増加に伴いバックグラウンドの上昇により低濃度域における精度が低下し、図1(c)に示すように、Mnでは放電エネルギーの増加に伴い発光強度比の飽和により高濃度域における精度が低下する。一般的に放電エネルギーが低くなり過ぎると分析感度が低下してしまうので、図1に示した結果より、定量時(本測定時)の放電エネルギーは75mJ程度が好ましい。これは、試料を連続的に走査させながら、偏析部を含む領域に対してマッピング分析を行う本発明の分析法においても好適な条件であり、適用することが望ましい。
本発明に係るスパーク放電発光分析法を鋳片(スラブ)のマッピング分析に適用した。具体的な測定法として、鋳造方向に垂直なスラブC断面について、ステッピングモータ駆動のアームを用いて試料を連続的に走査しながら、スパーク放電発光分析を行い、放電ごとの発光データを記録し、検量線法により定量分析した。試料の走査法として、スラブの板厚方向に15mm走査し、スラブの板幅方向には3mmピッチで走査位置をずらしながら20回測定し、15mm×60mmの領域を測定した。測定前に分析面を粗度#100のベルト研磨で仕上げた。また、本走査においてC,P,Mnなどの各偏析元素を定量分析できる最適な放電条件は、検量線におけるバックグラウンドの影響や発光強度の飽和など定量分析への影響を考慮して、上記と同じ放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。以上の測定条件での15mm×60mmの領域に対する本走査の測定時間は、約15分であった。
図2は、上記の定量に最適な放電条件(放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/min)で同一走査線上を複数回走査した際のCの発光強度の変化を示す図である。図2に示すように、C発光強度は走査回数ごとに徐々に減少している。これは、走査するごとに表面汚染が減少しているためと考えられる。図2では4回目の走査以後はほぼ一定の発光強度になっている。したがって、上記の定量に最適な放電条件では、表面汚染の影響を十分に低減させるためには、3回以上の予備走査が必要であり、4回目以降の実際の定量のための走査時間(本測定時間)と合わせると、合計測定時間は60分以上となる。なお、この時の、3回の予備走査で走査距離1mm当たりに放電された合計放電エネルギー量は、90J(=75mJ×200Hz(回/秒)×2秒×3回)であった。
図3(a)は、上記の条件で測定した際のスラブのCの板厚方向濃度プロファイルを示す図であり、図3(b)は、上記の条件で測定したスラブのPの板厚方向濃度プロファイルを示す図である。図3(a)および(b)に示す測定では、1〜3回目の走査を予備走査として、放電エネルギー量75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとし、4回目の定量のための本走査を放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。図3(a)に示すように、試料を走査しながら連続的にスパーク放電発光分析することにより、EPMA法では定量が困難なCの濃度分布の測定が可能となり、偏析度を評価することができた。また、図3(b)に示すように、EPMA法では定量が困難なPの濃度分布の測定が可能となり、偏析度を評価することができた。
次に、1回目走査時の放電エネルギーを240mJまで上げて放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minで放電し、2回目以降の走査での放電エネルギーを定量に最適な放電条件である75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。図4は、この条件下でのC発光強度の変化を示す図である。図4に示すように、1回目の走査時の放電エネルギーを高くすることで、表面汚染の影響を1回の走査で十分に低減させることができ、2回目の走査で実効的な分析が可能となった。したがって、合計測定時間を30分に短縮することができた。この時の1回目走査時の走査距離1mm当たりに放電された合計放電エネルギー量は、96J(=240mJ×200Hz(回/秒)×2秒×1回)であった。
さらに、1回目走査時の放電エネルギーを240mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度を45mm/min、60mm/minと変え、2回目の走査時の放電エネルギーを定量に最適な放電条件である75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。図4に、この条件下でのC発光強度変化を併せて示す。図4に示すように、1回目の走査速度を60mm/minまで上げた場合は、表面汚染を十分に低減できないが、1回目の走査速度を45mm/minとした場合は、表面汚染を十分に低減させることができた。走査速度を45mm/minとした場合の走査時間は約10分であり、定量に最適な放電条件での2回目の走査を含めた合計測定時間を25分間に短縮することができた。1回目走査時の走査距離1mm当たりに放電された合計放電エネルギー量は、走査速度45mm/minの時64J(=240mJ×200Hz(回/秒)×1.33秒×1回)、走査速度60mm/minの時48J(=240mJ×200Hz(回/秒)×1秒×1回)であった。
上記実験を含めた発明者らの検討によれば、通常、予備走査において、走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量が60Jを超えるような予備走査を行なった後に、本走査による定量を行なうことが好ましいことがわかった。
予備走査での走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量は、放電エネルギー、放電繰返し周波数、1mm走査するのに要する時間(走査速度の逆数)、走査回数の積で表される。従って予備走査では、それぞれの因子を調整して、走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量が60J以上になるように設定することが好ましい。ただし、装置上の制約もあり、通常、放電エネルギー20〜1000mJ、放電繰返し周波数100〜500Hz、走査速度10〜200mm/minの範囲より選択される。さらに、予備走査した部分を抜けがなく均一に表面清浄化をするためには1mm当たり250回以上の放電が必要であるため、放電繰返し周波数と走査速度とはそれらの観点からも制約される。
一般に試料の走査速度を上げると、単位走査面積辺りの放電回数が減少するため、統計誤差が大きくなり定量分析の精度は低下するが、走査時間を短縮することができる。従って、定量分析を行わず表面清浄化のために行なう予備走査では走査速度を速くし、それ以降の本走査では定量分析に必要な放電回数を確保できる走査速度とすることで、元素の定量マッピング分析を迅速に行なうことができる。通常の装置では、表面清浄化のために行なう予備走査は、30mm/min超えの走査速度で、また、定量分析を行なうための本走査は、30mm/min以下の走査速度より選択することが好ましい。
また、上記濃度を定量評価する元素としては、通常のスパーク放電発光分析法で鋼中濃度を評価可能な元素で、鋳片や厚鋼板で偏析傾向にある元素を用いることが好ましく、C,P,Mn,Nb,S,Ti,Cu,Mo,VおよびNiなどを例示できる。特に、鋼強度などの材質への影響が大きいCや、溶融金属中の濃度と凝固金属中の濃度との差(分配差)が大きいPなどを用いた偏析度評価に好適に用いることができる。
以上、説明したように、本実施形態の発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置によれば、EPMA法では評価困難な連続鋳造鋳片や厚鋼板の中心部におけるCや0.01wt%以下の低濃度元素の偏析を迅速かつ定量的に測定することができる。これにより、中心偏析の評価を正確かつ迅速に行なうことができ、連続鋳造鋳片や厚鋼板などの品質向上に大いに寄与することが可能となる。
[実施例]
本発明に係るスパーク放電発光分析法をスラブのマッピング分析に適用し、従来のマッピング分析法による測定結果と比較した。表1は、[C]:0.023wt%,[Si]:0.30wt%,[Mn]:1.26wt%,[P]:0.003wt%,[S]:0.002wt%の鋼材について、種々の条件を変更して上記と同様に測定した各実施例の測定条件と測定結果とを示す。表1に示すように、各実施例について、C,P,Mnのすべてに対して、測定結果の誤差が上記組成の±5%以内にあり、かつ、予備処理時間と本測定時間との合計である合計測定時間が従来のマッピング分析法による測定(60分)よりも短縮されている場合に、効果有と評価した。その結果、本発明を適用した表1の実施例7〜10で効果有と評価できた。
Figure 0005974696
図5(a)、図6(a)は、本発明に係る測定法によるスラブのCの濃度分布を示す図であり、図5(b)、図6(b)は、本発明に係る測定法によるスラブのPの濃度分布を示す図である。図5(a)、(b)に示す測定では、1回目の走査を予備走査として、放電エネルギー240mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとし(走査距離1mm当たりの合計放電エネルギー量:96J)、2回目の走査を放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。図6(a)、(b)に示す測定では、1回目の走査を予備走査として、放電エネルギー240mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度45mm/minとし(走査距離1mm当たりの合計放電エネルギー量:64J)、2回目の走査を放電エネルギー75mJ、放電繰返し周波数200Hz、走査速度30mm/minとした。図5(a)および図6(a)に示すように、各条件下でCの濃度分布の測定ができた。また、図5(b)および図6(b)に示すように、各条件下でPの濃度分布の測定ができた。図5および図6の結果は、図3の結果とよく一致しており、本発明に係るスパーク放電発光分析法では、迅速かつ定量的に偏析度を評価できた。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

Claims (4)

  1. 偏析について評価しようとする部分を含む鉄鋼材料をスパーク放電を発生する電極に対し連続的に走査させながら、偏析について評価しようとする部分を含む領域のスパーク放電発光分光分析による偏析元素の濃度マッピング分析を行い、偏析を定量的に評価する方法であって、同一走査線上を2回以上繰返し走査し、かつ、定量のための本走査の前に行う予備走査での走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量を60J超に設定するとともに、前記予備走査での走査距離1mmあたりの放電回数が250回以上となるように前記予備走査での放電繰り返し周波数と走査速度とを調整し、前記予備走査時と前記定量のための本走査時とで、放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更することを特徴とする発光分光分析による偏析評価方法。
  2. 走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量が60Jを超える前記予備走査の後に、前記放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更して前記定量のための本走査することにより濃度マッピング分析を行うことを特徴とする請求項1に記載の発光分光分析による偏析評価方法。
  3. 前記偏析元素には、C,P,Mn,Nb,S,Ti,Cu,Mo,VおよびNiのうちの少なくとも一つの元素が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の発光分光分析による偏析評価方法。
  4. 偏析について評価しようとする部分を含む鉄鋼材料をスパーク放電を発生する電極に対し連続的に走査させながら、偏析について評価しようとする部分を含む領域のスパーク放電発光分光分析による偏析元素の濃度マッピング分析を行い、偏析を定量的に評価する装置であって、同一走査線上を2回以上繰返し走査し、かつ、予備走査時と定量のための本走査時とで、放電エネルギーと走査速度との少なくとも一方を変更する手段を備え
    前記定量のための本走査の前に行う前記予備走査での走査距離1mmあたりの合計放電エネルギー量が60Jを超えるように設定されるとともに、前記予備走査での走査距離1mmあたりの放電回数が250回以上となるように前記予備走査での放電繰り返し周波数と走査速度とが調整されることを特徴とする発光分光分析による偏析評価装置。
JP2012157831A 2012-07-13 2012-07-13 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置 Active JP5974696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012157831A JP5974696B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012157831A JP5974696B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014020839A JP2014020839A (ja) 2014-02-03
JP5974696B2 true JP5974696B2 (ja) 2016-08-23

Family

ID=50195903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012157831A Active JP5974696B2 (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5974696B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104155161B (zh) * 2014-08-18 2016-08-03 洛阳双瑞特种装备有限公司 一种耐蚀合金板坯解剖分析方法
KR101715517B1 (ko) * 2015-10-21 2017-03-13 현대제철 주식회사 주편의 중심 편석 평가 방법
JP2023155629A (ja) * 2022-04-11 2023-10-23 Jfeスチール株式会社 金属材料中Sbの発光分光分析法、精錬中溶鋼のSb濃度測定方法および鋼素材の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57122351A (en) * 1981-01-21 1982-07-30 Nippon Steel Corp Method of spectrochemical analysis wherein continuous light emission is utilized
JPH0676967B2 (ja) * 1989-06-08 1994-09-28 株式会社島津製作所 発光分析装置
FR2838827B3 (fr) * 2002-04-19 2004-04-02 Central Iron & Steel Res Inst Methode d'analyse de distribution statistique de position originale pour un metal
JP2012052828A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Jfe Steel Corp 鋼中Siの発光分光分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014020839A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5320791B2 (ja) 中心偏析評価方法
JP5974696B2 (ja) 発光分光分析による偏析評価方法および偏析評価装置
CN104048902B (zh) 一种测定钢中球状氧化物夹杂粒度尺寸分布及含量的方法
CN107290199A (zh) 一种利用电子探针快速表征轴承钢偏析的方法
CN110987903B (zh) 一种libs基体效应校正方法及其应用
TWI657241B (zh) 使用x射線螢光(xrf)之小特徵量測
CN101216477B (zh) 一种原位定量检测大型金属夹杂物的方法
KR101746990B1 (ko) 강 청정도 평가 장치 및 방법
JP2010071872A (ja) 鋳片の偏析分析方法
CN112630248B (zh) 一种铸坯微观偏析比值的确定方法
EP1355145A1 (en) A method for analysing metals in the fundamental state utilizing the statistical distribution of elements
JP6044247B2 (ja) 鋼材の耐水素割れ感受性を評価する方法及び耐水素割れ感受性が良好な高強度耐サワーラインパイプ用鋼板
JP4537253B2 (ja) 発光分光分析法による非金属介在物組成定量法
CN113447512B (zh) 一种亚共析钢带状组织的定量评定方法
JP2007178321A (ja) 発光分光分析によるマクロ偏析評価方法
TWI614495B (zh) 鋼材之清潔度評價方法及清潔度評價裝置
CN108535295A (zh) 一种利用ebsd测量钢中位错密度的方法
JP2015059880A (ja) カルシウム添加鋼の耐水素誘起割れ特性の推定方法
JP2005300226A (ja) 金属材料の脆化度非破壊評価方法
CN100489491C (zh) 金属原位分析仪悬浮式扫描方法及样品夹具
JP3671600B2 (ja) 金属中酸化物系介在物の粒度分布測定方法
KR100547480B1 (ko) 강의 청정도 측정방법
JP2006250737A (ja) 鋼中介在物の粒径測定方法及びその方法に用いる検量線試料
JPH0961357A (ja) 発光分光分析による微少非金属介在物の定量方法
JP7457896B2 (ja) 加工変質層の評価方法及び評価システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5974696

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250