JP5974438B2 - 光電変換装置および電子機器 - Google Patents
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特に、上記特許文献1のイメージセンサーを生体認証を行う生体認証装置に用いた場合には、人体と生体認証装置とが直接触れ合い、人体からの静電気が上記遮光膜を容易に帯電させることが考えられるので、該帯電の影響を確実に抑制する必要がある。
この構成によれば、光反射性電極を形成する工程において遮光膜を形成することができるので、生産性がよく高いコストパフォーマンスを有する光電変換装置を提供できる。
この構成によれば、遮光膜とゲート電極との間に生ずる寄生容量を低減することができる。ゆえに、寄生容量を低減することによって、外的ノイズの影響を受け難くすることができる。
この構成によれば、遮光膜は光電変換素子のリーク電流を増幅する第2トランジスターの半導体層上に平面的に重なっているので、外的ノイズの影響を受け難い。また、遮光膜は第2トランジスターのゲート電極の少なくとも一部と平面的に重なっていないので、遮光膜と当該ゲート電極との間の寄生容量が低減され、上記リーク電流に比べて寄生容量が大きくなることに起因する光電変換装置の感度低下を抑制することができる。
この構成によれば、遮光膜は、第2トランジスターの半導体層だけでなく、第1および第3トランジスターの半導体層上においても平面的に重なるように配置されているので、外的ノイズの影響をより受け難くし、より安定した動作が得られる光電変換装置を提供できる。
この構成によれば、光電変換素子の光の入射側に位置する透光性電極が複数の画素に跨って配置され、且つ固定電位に接続されているので、透光性電極をシールド層として機能させ、例えば人体からの静電気による外的ノイズなどの動作に与える影響を低減することができる。
この構成によれば、透光性電極を複数の画素に跨って配置する場合に比べて、透光性電極と画素回路の配線との間に生ずる寄生容量を小さくすることができ、外的ノイズの動作に与える影響をより少なくすることができる。
この構成によれば、静電気などの外的ノイズの影響を受け難い光電変換装置を備えているので、安定した動作が得られる例えば生体認証機能を有する情報端末装置などの電子機器を提供することができる。
<光電変換装置>
本実施形態の光電変換装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1実施形態の光電変換装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は画素回路の構成を示す図、図3(a)は画素における各構成の配置を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のA−A’線で切った概略断面図である。
トランジスター61は、本発明における第1トランジスターであって、ソース電極に駆動電圧が供給される配線(VDD)46が接続され、ドレイン電極にフォトダイオード51の一方の電極が接続され、ゲート電極にフォトダイオード51をリセットするための制御信号が供給される配線(GRST)47が接続されている。フォトダイオード51の他方の電極はGNDに接続されている。
トランジスター62は、本発明における第2トランジスターであってソース電極に駆動電圧が供給される配線(VDD)46が接続され、ゲート電極にフォトダイオード51の一方の電極が接続され、ドレイン電極にトランジスター63のソース電極が接続されている。トランジスター62は、受光によってフォトダイオード51に流れるリーク電流ipを増幅する機能を有する。
トランジスター63は、本発明の第3トランジスターであって、ゲート電極に走査線44が接続され、ドレイン電極にデータ線45が接続されている。トランジスター63は、走査線44から供給される制御信号によってトランジスター62により増幅された電流idを選択的に読み出し線としてのデータ線45に流す機能を有する。
次に、リセットされたフォトダイオード51が受光すると、フォトダイオード51の一方の電極から他方の電極(GND)に向けて、受光量に応じたリーク電流ipが流れる。これによりトランジスター62のゲート電極の電位が一定の電位(VDD)から下降して、トランジスター62がON状態となり、ソース電極とドレイン電極との間にリーク電流ipが増幅された電流idが流れる。走査線44から当該画素50を選択する制御信号がトランジスター63のゲート電極に供給されてトランジスター63がON状態となると、トランジスター62によって増幅された電流idがトランジスター63を経由してデータ線45に流れる。
ゲート電極62gを覆って例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜66bが形成されている。層間絶縁膜66b上には例えばAlなどの金属材料からなる中継層64aが形成され、層間絶縁膜66bに形成されたコンタクトホールCNT10を介してゲート電極62gと電気的に接続されている。なお、図3(b)では図示していないが、中継層64aと同層において同じ材料を用いて、他の中継層64b,64cとデータ線45とが形成されている。
つまり、本実施形態におけるフォトダイオード51は、透光性電極52と光反射性電極54と、これらの電極に挟持された光電変換層53とからなり、透光性電極52側から入射した光を受光してリーク電流ipに変換するものである。
半導体層61aの一方の端は平面視でL字状の中継層64aの一部と重なるように配置され、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT2によって中継層64aと電気的に接続されている。半導体層61aの他方の端は、配線46の延在方向において配線46が途切れた隙間部分に位置している。途切れた配線46の端部に一部が重なるように平面視でT字状の中継層64bが形成されている。中継層64bは基板41上において中継層64aと同層に形成されており、配線46の上記端部と重なる位置に設けられたコンタクトホールCNT3とコンタクトホールCNT5とによって配線46と電気的に接続されている。つまり、中継層64bは途切れた配線46同士を電気的に繋げている。半導体層61aの他方の端は中継層64bの一部とも重なっており、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT1を介して中継層64bと電気的に接続されている。
同様にして、トランジスター62の半導体層62aの一方の端は中継層64bの一部と平面的に重なり、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT6(ソース電極62sとして機能)を介して中継層64bと電気的に接続されている。半導体層62aの他方の端は中継層64cの一部と平面的に重なり、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT7(ドレイン電極62dとして機能)を介して中継層64cと電気的に接続されている。中継層64cも中継層64aと同層において形成されている。
また、トランジスター63の半導体層63aの一方の端は中継層64cの一部と平面的に重なり、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT8(ソース電極63sとして機能)を介して中継層64cと電気的に接続されている。半導体層63aの他方の端はデータ線45と平面的に重なり、重なった部分に設けられたコンタクトホールCNT9(ドレイン電極63dとして機能)を介してデータ線45と電気的に接続されている。半導体層63aに対して走査線44から突出した突出部44aが平面的に重なった部分がゲート電極63gとして機能している。
(1)光電変換装置40Aは、基板41上において光電変換素子としてのフォトダイオード51と、3つのトランジスター61,62,63を具備する画素回路60とを含む画素50を複数有している。基板41上においてフォトダイオード51の光反射性電極54と同層に形成された遮光膜65Aは、3つのトランジスター61,62,63の半導体層61a,62a,63a上において平面的に重なるように配置され、固定電位(VDD)に接続されている。したがって、例えば遮光膜65Aの帯電に起因する外的ノイズによって3つのトランジスター61,62,63の動作が不安定になることを防止することができる。
また、基板41上においてフォトダイオード51と3つのトランジスター61,62,63とは異なる層に形成されているので、光電変換素子としてのフォトダイオード51を3つのトランジスター61,62,63の配置に影響されず、高密度に配置することができる。
すなわち、外的ノイズに対して安定した動作が得られると共に、高解像度な複数の画素50を有する光電変換装置40Aを提供することができる。
(2)遮光膜65Aは、光反射性電極54と同層において同じ材料を用いて形成されているので、光反射性電極54を形成する工程において同時に遮光膜65Aを形成することができる。つまり、遮光膜65Aを別途形成する場合に比べて、光電変換装置40Aの製造工程を簡略化し、生産性がよく高いコストパフォーマンスを有する光電変換装置40Aを実現することができる。
(3)遮光膜65Aはトランジスター62のゲート電極62gの一部と平面的に重ならないように配置されている。これにより、遮光膜65Aがゲート電極62gの全てと平面的に重なる場合に比べて、遮光膜65Aとゲート電極62gとの間に生ずる寄生容量が小さくなる。フォトダイオード51を流れるリーク電流ipに対して該寄生容量が大きくなると、トランジスター62の動作が適正に行われなくなる。つまり画素50の入射光に対する感度が低下するので、該寄生容量を小さくすることによって感度の低下を抑制することができる。とりわけ、基板41上においてフォトダイオード51を高解像度に配置する場合には、フォトダイオード51の平面積を小さくする必要がある。フォトダイオード51の平面積が小さくなるとリーク電流ipも小さくなるので、該寄生容量を小さくすることで感度の低下を抑えることは効果的である。
また、遮光膜65Aは、中継層64bや配線47の一部と重ならないように配置されている。したがって、これら中継層64bや配線47との間に生ずる寄生容量が小さくなり、不要な充放電が行われないので、低消費電力化することができる。
(4)光電変換装置40Aの光の入射側に配置された透光性電極52は、複数の画素50に跨って配置されると共に、固定電位(GND)に接続されているので、静電気などの外的ノイズが画素回路60に影響して動作が不安定になることを低減できる。すなわち、より安定した動作が得られる光電変換装置40Aを実現できる。
次に、第2実施形態の光電変換装置について図4を参照して説明する。図4(a)は第2実施形態の光電変換装置の画素における各構成の配置を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のB−B’線で切った概略断面図である。第2実施形態の光電変換装置は、第1実施形態の光電変換装置40Aに対してフォトダイオード51の透光性電極の配置を異ならせたものである。したがって、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(5)光電変換装置40Bの光の入射側に配置された透光性電極52Bは、画素ごとに独立して配置され、固定電位(GND)に接続されているので、静電気などの外的ノイズが画素回路に影響して動作が不安定になることを低減できる。また、透光性電極52Bは、3つのトランジスター61,62,63や走査線44、データ線45、配線46,47、中継層64a,64b,64cと平面的に重ならないように配置されているので、これら画素回路の構成要素との間で寄生容量が生じない。したがって、該寄生容量に起因して外的ノイズに対する耐性が低下することがない。すなわち、より安定した動作が得られる光電変換装置40Bを実現できる。
次に、第3実施形態の光電変換装置について図5を参照して説明する。図5(a)は第3実施形態の光電変換装置の画素における各構成の配置を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のC−C’線で切った概略断面図である。第3実施形態の光電変換装置は、第1実施形態の光電変換装置40Aに対して遮光膜の配置を異ならせたものである。したがって、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
遮光膜65Cは、固定電位としての駆動電圧(VDD)が供給される配線46にコンタクトホールCNT3,4,5と中継層64bとを介して電気的に接続されている。
(6)光電変換装置40Cの遮光膜65Cは、トランジスター62のゲート電極62gとこれに繋がる中継層64aとに平面的に重ならないように配置されている。これにより、遮光膜65Cとゲート電極62gおよび中継層64aとの間に生ずる寄生容量が生じない。したがって、該寄生容量に起因して画素の入射光に対する感度が低下することを防止することができる。
次に、第4実施形態の光電変換装置について図6を参照して説明する。図6(a)は第4実施形態の光電変換装置の画素における各構成の配置を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のD−D’線で切った概略断面図である。第4実施形態の光電変換装置は、第1実施形態の光電変換装置40Aに対して遮光膜の配置を異ならせたものである。したがって、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
また、遮光膜65Dは、平面的にフォトダイオード51の光反射性電極54と、フォトダイオード51に電気的に接続されるトランジスター62のゲート電極62gとこれに繋がる中継層64aとに重ならないように配置されている。言い換えれば、各画素において、遮光膜65Dは、平面的にフォトダイオード51とこれに繋がるゲート電極62gおよび中継層64aを除いた領域に重なるように配置されている。
遮光膜65Dは、固定電位としての駆動電圧(VDD)が供給される配線46にコンタクトホールCNT3,4,5と中継層64bとを介して電気的に接続されている。
なお、遮光膜65Dは、図6(a)に示すように、画素ごとに独立して形成されることに限定されず、複数の画素に跨って形成されているとしてもよい。
(7)光電変換装置40Dの遮光膜65Dは、トランジスター62のゲート電極62gとこれに繋がる中継層64aとに平面的に重ならないように配置されている。これにより、遮光膜65Dとゲート電極62gおよび中継層64aとの間に生ずる寄生容量が生じない。したがって、該寄生容量に起因して画素の入射光に対する感度が低下することを防止することができる。
また、遮光膜65Dは、画素において、平面的にフォトダイオード51とこれに繋がるゲート電極62gおよび中継層64aを除いた領域に重なるように配置されている。したがって、画素に入射した光のうちフォトダイオード51以外に入射した光が、遮光膜65Dによって遮光され、遮光膜65Dよりも下層に形成された画素回路のトランジスター61,62,63の半導体層61a,62a,63aに入射しない。つまり、固定電位(VDD)に接続された遮光膜65Dによって外的ノイズを遮蔽すると共に、入射光によって画素回路の動作が不安定になることを防止することができる。ゆえに、より安定した動作が得られる光電変換装置40Dを提供できる。
次に、本発明の光電変換装置を適用した撮像装置と、この撮像装置を用いた電子機器について、図7および図8を参照して説明する。図7(a)は撮像装置の構成を示す概略斜視図、同図(b)は撮像装置の構造を示す概略断面図、図8(a)は電子機器としての携帯型電話機を示す斜視図、同図(b)は電子機器としてのパーソナルコンピューターを示す概略図である。
図7(a)に示すように、本実施形態の撮像装置100は、光電変換素子を具備した画素を複数有する光電変換装置40と、遮光基板30と、該光電変換素子に向けて光を集光させる集光素子としての複数のマイクロレンズが配置されたレンズアレイ20と、生体としての指を所定の方向に向けて配置するためのガイド基板10とがこの順に積層されたものである。
なお、ガイド基板10の構成は、これに限定されず、指の配置位置を示す例えば枠などの識別マークをレンズアレイ20の光の入射側の表面に設け、光源12をレンズアレイ20に実装あるいは内蔵してもよい。
以降、指の延在方向つまり一対のガイド部11の延在方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向、各基板の積層方向をZ方向として各構成を説明する。指の主な静脈は指の延在方向に沿って存在していると考えられる。
画素50は、特に、近赤外線に高い感度を持ったフォトダイオード51を採用することで、指を介して受光される光源12から発せられた近赤外光を効率よく検出できる。
遮光部33は、マイクロレンズ22と画素50(フォトダイオード51)とを結ぶ光軸上に開口部33aを有している。
遮光部33は、遮光性で表面が光を反射し難い、例えばCrなどの金属薄膜からなり、この金属薄膜を2つの基板31,32のいずれか一方に成膜してパターニングすることにより、平面視では円形の開口部33aが形成されている。遮光部33を挟んで2つの基板31,32を貼り合わせて遮光基板30が構成されている。
図8(a)に示すように、本実施形態の電子機器としての携帯型電話機1000は、表示部1001、操作ボタン1002および生体認証装置1003を備えている。生体認証装置1003は、携帯型電話機1000の本体に搭載された撮像装置100に指を触れさせることによって取得された静脈パターンと予め登録された使用者(個人)の静脈パターンとを比較することにより、例えば、携帯型電話機1000のロック状態を解除したり、金融決済の際の個人認証を確実に行うことができる。
Claims (3)
- 光反射性電極を有する光電変換素子と、
固定電位に接続された遮光膜と、
前記光反射性電極に電気的に接続され、前記光電変換素子をリセットするための第1トランジスターと、
前記光反射性電極に電気的に接続され、光が入射して前記光電変換素子に生じたリーク電流を増幅するための第2トランジスターと、
前記第2トランジスターと読み出し配線とに電気的に接続され、前記第2トランジスターによって増幅された前記リーク電流を前記読み出し配線に選択的に流すための第3トランジスターとを備え、
前記遮光膜と前記第2トランジスターのゲート電極とは、異なる層に形成され、
前記遮光膜は、前記第1トランジスターの半導体層上および前記第3トランジスターの半導体層上に平面的に重なるように配置され、前記第2トランジスターのゲート電極と平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする光電変換装置。 - 前記遮光膜は光反射性の膜であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 請求項1乃至2のいずれか一項に記載の光電変換装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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