JP5974331B2 - 回生クッション装置とそのサーボモータ故障時の運転方法 - Google Patents
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Description
回生クッション装置は、プレス機械の上金型(図示せず)とブランクホルダの間にワーク(被加工材)を挟み、ブランクホルダにクッションピン(図示せず)とクッションパッド7を介して上向きのクッション力Fを付加しながらこれらを上下動させる装置である。
また、液圧シリンダ30は、クッションパッド7の速度を封入された液圧を介して増速してクロスヘッド26に伝達し、かつクロスヘッド26の速度を液圧を介して減速してクッションパッド7に伝達するように構成されている。
さらに、エアクッション38は、空気圧によりクッションパッド7に対して常時上向きのクッション力を付加するようになっている。
各リニア駆動装置20は、2組のサーボモータ22とボールねじ24からなり、水平なクロスヘッド26の両端部にそれぞれ1組ずつ配置されている。従って、全体として、8組のサーボモータ22とボールねじ24が用いられる。
しかし、プレス機械は激しい振動を伴うため、その作動環境は苛酷であり、リニア駆動装置20を構成するサーボモータ22、ボールねじ24、或いはこれらを連結するカップリング等が故障することがある。
この故障の態様は、例えばサーボモータ22のエンコーダの故障、断線、ボールねじ24の摩耗等、様々である。
サーボモータとボールねじの組合せによりクロスヘッドを直線に沿って駆動可能でありかつ該クロスヘッドの直線運動からエネルギーを回生可能な複数のリニア駆動装置と、
前記クッションパッドの速度を封入された液圧を介して前記クロスヘッドに伝達し、かつ前記クロスヘッドの速度を前記液圧を介してクッションパッドに伝達する複数の液圧シリンダと、
前記リニア駆動装置を制御する制御装置とを備え、
前記リニア駆動装置と液圧シリンダは、クッションパッドの4隅を支持するようにそれぞれ4台設けられ、
各リニア駆動装置は、2組のサーボモータとボールねじを有し、水平なクロスヘッドの両端部にそれぞれ1組ずつ配置されており、
1台のサーボモータが故障した場合に、前記制御装置により、故障したサーボモータを不使用にし、
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転する、ことを特徴とする回生クッション装置が提供される。
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータの出力トルクを正常時の40〜60%に低減し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、同時に4台のリニア駆動装置を同期させて位置制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータのクッション力目標値をクッション力が発生しないゼロ設定にする。
回生クッション装置は、サーボモータとボールねじの組合せによりクロスヘッドを直線に沿って駆動可能でありかつ該クロスヘッドの直線運動からエネルギーを回生可能な複数のリニア駆動装置と、
前記クッションパッドの速度を封入された液圧を介して前記クロスヘッドに伝達し、かつ前記クロスヘッドの速度を前記液圧を介してクッションパッドに伝達する複数の液圧シリンダと、
前記リニア駆動装置を制御する制御装置とを備え、
前記リニア駆動装置と液圧シリンダは、クッションパッドの4隅を支持するようにそれぞれ4台設けられ、
各リニア駆動装置は、2組のサーボモータとボールねじを有し、水平なクロスヘッドの両端部にそれぞれ1組ずつ配置されており、
1台のサーボモータが故障した場合に、前記制御装置により、故障したサーボモータを不使用にし、
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転する、ことを特徴とする回生クッション装置のサーボモータ故障時の運転方法が提供される。
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータのクッション力目標値をクッション力が発生しないゼロ設定にする。
また、制御装置により、スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御するので、故障したサーボモータが含まれるリニア駆動装置と、これと対角位置に位置するリニア駆動装置の出力トルクが同一となるので、クッションパッドを水平に保持したまま、クッションパッドを上昇させることができる。
また、この制御により、スライド下降時のクッション力を、正常な3台分の最大出力以上の出力まで使用することができ、最大クッション力の3/4を超える制限内で必要なクッション力を出力することができる。
この図において、プレス機械は、ボルスタ1の上面に固定された下金型2に対し、上下動するスライド3の下面に固定された上金型4を下降させ、下金型2と上金型4との間で図示しないワーク(被加工材:ブランクとも呼ぶ)を加圧してプレス成形するようになっている。
この場合、下金型2は、ボルスタ1に支持され、ボルスタ1はムービングボルスタ8を介してベッド9によって支持され、ベッド9がプレス成形荷重を受ける。
ブランクホルダ5は、ワークのプレス成形時に上金型4との間でワークを保持するものであり、ワーク下面の周縁部を支持してワークのしわ押さえを行う。
クッションピン6は、ボルスタ1を貫通して上下に延びる昇降移動可能な棒状の部品である。
クッションパッド7は、上面でクッションピン6を支持している。クッションパッド7は、ブランクホルダ5の下方に位置し、ブランクホルダ5と同期して上下動する。
上述した構成によりブランクホルダ5、クッションピン6、及びクッションパッド7は、全体として一体となって上下動する。
この例では、リニア駆動装置20は、クロスヘッド26の上下動によりこれと螺合するボールねじ24が回転し、サーボモータ22を回転駆動して、エネルギーを回生する。回生されたエネルギーは、電力として蓄電し或いは外部に供給される。
また、逆にサーボモータ22の回転駆動により、ボールねじ24を回転駆動し、これと螺合するクロスヘッド26を上下動させるようになっている。
大径ピストン32は、円筒形の外周面を有し、その外周面に図示しない液密シールを有し、パスカルシリンダ36のシリンダ内において、液密を保持しながら軸方向(すなわち上下方向)に自由に移動できるようになっている。
小径ピストン34は、大径ピストン32より直径が小さく(例えば1/2)、大径ピストン32と同様に円筒形の外周面を有し、その外周面に図示しない液密シール(例えばパッキンまたはピストンシール)を有し、パスカルシリンダ36のシリンダ内において、液密を保持しながら軸方向(この例では上下方向)に自由に移動できるようになっている。
この例において、小径ピストン34及びそのシリンダの軸線は鉛直であり、かつ大径ピストン32及びそのシリンダと同軸にその下方に位置する。
第1作動液L1は例えば油圧装置用の作動油であるのがよい。
非圧縮性の第1作動液L1が封入されている大径ピストン32と小径ピストン34の間を、以下「中室35」と呼ぶ。
中室35は、大径ピストン32と小径ピストン34のシリンダが交差する段付部を有する。
また、逆に、液圧シリンダ30は、クロスヘッド26の直線運動を第1作動液L1に発生する液圧を介してクッションパッド7の上下動に減速して伝達する減速装置としても機能する。この場合、パスカルの原理によって、小径ピストン34に対して大径ピストン32の移動速度を減速(例えば1/4倍)し、大径ピストン32の推力を大幅に増力(例えば4倍)できる。
上室37aは、大径ピストン32のロッド側を液密にシールする。下室37bは、小径ピストン34のロッド側を液密にシールする。またこの例において、上室37a、下室37b、及び中室35は一体に成形されている。
このエアクッション38を備えることにより、リニア駆動装置20及び液圧シリンダ30の必要出力を低減することができる。
制御装置40には、液圧シリンダ30のシリンダ油圧値、エアクッション38のエア圧力値、プレス機械のメインギヤの回転位置が入力される。
また上述した8台のサーボモータ22は、ドライバ41により駆動され、制御装置40からの指令信号により、同期して作動するようになっている。
図3(A)(B)において、4台のリニア駆動装置20を時計回りに20A,20B,20C,20Dと呼び、それぞれを構成する2台のサーボモータ22を22a,22bと呼ぶ。
なお、故障したサーボモータ22a、その他がほとんど抵抗なく作動する場合には、そのまま使用してもよい。
また、この制御により、スライド下降時のクッション力を、正常な3台分の最大出力以上の出力まで使用することができ、最大クッション力の3/4を超える制限内で必要なクッション力を出力することができる。
5 ブランクホルダ、6 クッションピン、7 クッションパッド、
8 ムービングボルスタ、9 ベッド、
10 回生クッション装置、
20、20A、20B、20C、20D リニア駆動装置、
22、22a、22b サーボモータ、
24 ボールねじ、26 クロスヘッド、
30 液圧シリンダ、
32 大径ピストン、33 ピストンロッド、
34 小径ピストン、35 中室、
36 パスカルシリンダ、37a 上室、37b 下室、
38 エアクッション、
38a,38b エアクッション室、
40 制御装置、41 ドライバ、
42 メインギヤエンコーダ
Claims (4)
- 上下動するスライドに対しクッションパッドを介して上向きのクッション力を付加しながらクッションパッドを上下動させる回生クッション装置であって、
サーボモータとボールねじの組合せによりクロスヘッドを直線に沿って駆動可能でありかつ該クロスヘッドの直線運動からエネルギーを回生可能な複数のリニア駆動装置と、
前記クッションパッドの速度を封入された液圧を介して前記クロスヘッドに伝達し、かつ前記クロスヘッドの速度を前記液圧を介してクッションパッドに伝達する複数の液圧シリンダと、
前記リニア駆動装置を制御する制御装置とを備え、
前記リニア駆動装置と液圧シリンダは、クッションパッドの4隅を支持するようにそれぞれ4台設けられ、
各リニア駆動装置は、2組のサーボモータとボールねじを有し、水平なクロスヘッドの両端部にそれぞれ1組ずつ配置されており、
1台のサーボモータが故障した場合に、前記制御装置により、故障したサーボモータを不使用にし、
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転する、ことを特徴とする回生クッション装置。 - 前記制御装置により、
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータの出力トルクを正常時の40〜60%に低減し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、同時に4台のリニア駆動装置を同期させて位置制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータのクッション力目標値をクッション力が発生しないゼロ設定にする、ことを特徴とする請求項1に記載の回生クッション装置。 - 上下動するスライドに対しクッションパッドを介して上向きのクッション力を付加しながらクッションパッドを上下動させる回生クッション装置のサーボモータ故障時の運転方法であって、
回生クッション装置は、サーボモータとボールねじの組合せによりクロスヘッドを直線に沿って駆動可能でありかつ該クロスヘッドの直線運動からエネルギーを回生可能な複数のリニア駆動装置と、
前記クッションパッドの速度を封入された液圧を介して前記クロスヘッドに伝達し、かつ前記クロスヘッドの速度を前記液圧を介してクッションパッドに伝達する複数の液圧シリンダと、
前記リニア駆動装置を制御する制御装置とを備え、
前記リニア駆動装置と液圧シリンダは、クッションパッドの4隅を支持するようにそれぞれ4台設けられ、
各リニア駆動装置は、2組のサーボモータとボールねじを有し、水平なクロスヘッドの両端部にそれぞれ1組ずつ配置されており、
1台のサーボモータが故障した場合に、前記制御装置により、故障したサーボモータを不使用にし、
スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータを振動が発生しない出力トルクに低減して片肺運転する、ことを特徴とする回生クッション装置のサーボモータ故障時の運転方法。 - スライド上昇時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータの出力トルクを正常時の40〜60%に低減し、かつこれと対角位置に位置するリニア駆動装置の2台のサーボモータを前記出力トルクの半分に制御し、同時に4台のリニア駆動装置を同期させて位置制御し、
スライド下降時に、故障したサーボモータと同じクロスヘッドを駆動する正常なサーボモータのクッション力目標値をクッション力が発生しないゼロ設定にする、ことを特徴とする請求項3に記載の回生クッション装置のサーボモータ故障時の運転方法。
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