JP2020171959A - ダイクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧力を抑制する。【解決手段】ダイクッション装置は、クッションパッド(14)を上下動させる油圧シリンダ(10)と、油圧シリンダ(10)に油タンク(T)からの作動油を供給する油圧ポンプ(P)と、油圧シリンダ(10)から排出される作動油を油タンクに戻すリリーフ弁(20)と、油圧シリンダ(10)のダイクッション圧である作動油の圧力を検出する圧力センサ(PS)と、油圧ポンプ(P)から油圧シリンダ(10)に供給する作動油の流量および圧力を制御する制御装置(40)とを備える。制御装置(40)は、圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプ(P)の回転数を制御すると共に、圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力がリリーフ弁(20)の設定圧以上のときに、油圧ポンプ(P)を逆回転させる。【選択図】図1

Description

プレス機械のダイクッション装置に関する。
従来、プレス機械のダイクッション装置としては、空気圧によりダイクッション圧制御を行うエア式のものがある。
しかしながら、上記エア式のダイクッション装置では、シリンダ径が大きくなって装置が大型化するという問題や、圧縮性を有する空気の圧力を利用するため、圧力調整や精密な位置制御が困難であるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するため、油圧シリンダを用いたダイクッション装置がプレス機械に用いられている(例えば、特開2006−142312号(特許文献1)参照)。
特開2006−142312号
上記油圧シリンダを用いたダイクッション装置では、空気に比べて圧縮性が小さい作動油を用いるため、プレス成形時の外力発生時に油圧回路に大きなサージ圧力が発生して、成形に悪影響を及ぼすという問題がある。
本開示では、プレス機械のダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧力を抑制するダイクッション装置を提案する。
本開示のダイクッション装置は、
クッションパッドを上下動させる油圧シリンダと、
上記油圧シリンダに油タンクからの作動油を供給する第1の油圧ポンプと、
上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻すリリーフ弁と、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の流路内の作動油の圧力を検出する圧力センサと、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力に応じて上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が所定圧力値以上のときに、上記第1の油圧ポンプを逆回転させることを特徴とする。
本開示によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置によって、圧力センサにより検出された油圧シリンダと第1の油圧ポンプとの間の流路内の作動油の圧力に応じて油圧ポンプの回転数を制御する。このようなプレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ内にサージ圧力が発生して、圧力センサにより検出された作動油の圧力が所定圧力値以上になると、制御装置によって油圧ポンプを逆回転させる。油圧ポンプによる圧力制御を高精度かつ高速で行うことにより、ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧力を抑制することができる。
本開示の1つの態様に係るダイクッション装置は、
上記圧力センサは、上記油圧シリンダのダイクッション圧である作動油の圧力を検出し、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力に応じて上記第1の油圧ポンプの回転数を制御することによって、上記第1の油圧ポンプから上記油圧シリンダに供給する作動油の流量および圧力を制御すると共に、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプの回転数を制御し、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記所定圧力値である上記リリーフ弁の設定圧以上のときに、上記第1の油圧ポンプを逆回転させることを特徴とする。
本開示によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置によって、圧力センサにより検出された作動油の圧力(ダイクッション圧に相当)に応じて油圧ポンプの回転数を制御することによって、油圧ポンプから油圧シリンダに供給する作動油の流量および圧力を制御する。このようなプレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ内にサージ圧力が発生して、油圧シリンダのダイクッション圧である作動油の圧力が上記所定圧力値であるリリーフ弁の設定圧以上になると、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻すと共に、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、制御装置によって油圧ポンプを逆回転させる。油圧ポンプによる圧力制御を高精度かつ高速で行うことにより、ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧力を抑制することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の流路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ側に配設され、上記油圧シリンダから上記第1の油圧ポンプへの作動油の流れを規制する逆止弁を備え、
上記第1の油圧ポンプから吐出された作動油の圧力により上記リリーフ弁の設定圧が制御され、
上記制御装置は、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁の設定圧以上のとき、上記第1の油圧ポンプを逆回転させて上記リリーフ弁を開く。
本開示によれば、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上のとき、制御装置によって油圧ポンプを逆回転させる。このとき、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻す。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記リリーフ弁の設定圧を制御する第2の油圧ポンプを備え、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁の設定圧以上になると、上記第1の油圧ポンプを逆回転させて、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になるように、上記油圧第1のポンプの回転数を制御すると共に、
上記第1の油圧ポンプの逆回転開始後に、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁の設定圧を上げて上記リリーフ弁を閉じるように、上記第2の油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示によれば、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、制御装置によって、油圧ポンプを逆回転させて、圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプの回転数を制御する。そして、油圧ポンプの逆回転開始後に、圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になると、リリーフ弁の設定圧を上げてリリーフ弁を閉じるように、制御装置によりリリーフ弁用油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示の1つの態様に係るダイクッション装置は、
上記第1の油圧ポンプは、上記リリーフ弁のベントポートに吐出側が接続され、
上記圧力センサは、上記リリーフ弁のベント圧を検出し、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧に応じて上記第1の油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上のときに、上記第1の油圧ポンプを逆回転させることを特徴とする。
ここで、第1の油圧ポンプを逆回転させるとは、作動油が吐出される回転方向と逆の回転方向に第1の油圧ポンプを回転させることである。
本開示によれば、プレス機械のプレス成形時のダイクッション圧制御において、油圧シリンダから排出される作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻す。このプレス成形時にクッションパッドに外力が加えられて油圧シリンダ内にサージ圧が発生すると、サージ圧によりリリーフ弁の弁体が押されて移動してベント室が圧縮され、リリーフ弁のベント圧が上昇する。そうして、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって第1の油圧ポンプを逆回転させる。第1の油圧ポンプによる圧力制御を高精度かつ高速で行うことにより、ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧を抑制することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記リリーフ弁のベントポートに吐出側が接続された第2の油圧ポンプを備え、
上記圧力センサは、上記リリーフ弁のベント圧を検出し、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧に応じて上記第1の油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記第2の油圧ポンプから吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁の設定圧を制御し、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプと上記第2の油圧ポンプを逆回転させる。
本開示によれば、ダイクッション作用時の油圧シリンダから排出される作動油を、逆回転させた第2の油圧ポンプを介して油タンクに戻すので、リリーフ弁における熱発生(油温上昇)を避けることができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプと上記第2の油圧ポンプとを逆回転させて、逆回転する上記第2の油圧ポンプを介して上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻しつつ上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第2の油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記第1の油圧ポンプの逆回転開始後、上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁の設定圧を上記逆回転開始前よりも上げて上記リリーフ弁を閉じるように、上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって、第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプとを逆回転させて、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、第2の油圧ポンプの回転数を制御することで、油圧シリンダから排出される作動油を第2の油圧ポンプを介して油タンクに戻すことができる。また、第1の油圧ポンプの逆回転開始後、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、第1の油圧ポンプの回転数を制御して、リリーフ弁の設定圧を逆回転開始前よりも上げてリリーフ弁を閉じる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記制御装置は、
上記第1の油圧ポンプから吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁の設定圧を制御する。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプを逆回転させて、上記リリーフ弁を介して上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻しつつ上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって、第1の油圧ポンプを逆回転させて、油圧シリンダから排出される作動油をリリーフ弁を介して油タンクに戻しながら、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、第1の油圧ポンプの回転数を制御することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ側に配設され、上記油圧シリンダから上記第1の油圧ポンプへの作動油の流れを規制する逆止弁を備える。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になって第1の油圧ポンプを逆回転させたとき、逆止弁により油圧シリンダから第1の油圧ポンプへの作動油の流れを規制することにより、油圧シリンダから排出される作動油の全てがリリーフ弁を介して油タンクに戻るようにできる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ側に配設された電磁弁を備える。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になって第1の油圧ポンプを逆回転させるときに、電磁弁を閉鎖して油圧シリンダから第1の油圧ポンプへの作動油の流れを確実に止めることができ、圧力センサにより検出されるリリーフ弁のベント圧が安定するので、安定した制御が可能になる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記接続点側と上記圧力センサとを接続する絞りを備え、
上記圧力センサは、上記油圧シリンダのダイクッション圧である作動油の圧力を検出することを特徴とするダイクッション装置。
本開示によれば、ダイクッション圧制御において油圧シリンダ内にサージ圧力が発生した過渡期では、逆止弁の両端に接続された絞りの効果によって、ダイクッション圧制御に対する急激な圧力変化の影響を回避でき、制御の安定性を確保できる。
本開示の第1実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 上記ダイクッション装置の動作を示すグラフである。 本開示の第2実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 上記ダイクッション装置の動作を示すグラフである。 本開示の第3実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 第3実施形態のダイクッション装置の動作を示すグラフである。 本開示の第4実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 第4実施形態のダイクッション装置の動作を示すグラフである。 本開示の第5実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 第5実施形態のダイクッション装置の動作を示すグラフである。 本開示の第6実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。 第6実施形態のダイクッション装置の動作を示すグラフである。
以下、実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。
〔第1実施形態〕
図1は本開示の第1実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。
この第1実施形態のダイクッション装置は、図1に示すように、クッションパッド14を上下動させる油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に油タンクTからの作動油を供給する油圧ポンプPと、油圧ポンプPを駆動するモータMと、油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すリリーフ弁20と、油圧シリンダ10のダイクッション圧である作動油の圧力を検出する圧力センサPSと、油圧シリンダ10から油圧ポンプPへの作動油の流れを規制する逆止弁30と、油圧ポンプPから油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する制御装置40とを備えている。油圧ポンプPは、第1の油圧ポンプの一例である。
油圧シリンダ10は、シリンダチューブ11と、シリンダチューブ11内を往復動するピストン12と、ピストン12に一端が接続されたピストンロッド13とを有している。油圧シリンダ10のピストンロッド13の他端にクッションパッド14が連結されている。クッションパッド14は、油圧シリンダ10によって支持されている。クッションパッド14には、クッションパッド14の位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けられている。位置センサから制御装置40にクッションパッド14の位置を表す位置信号が出力される。
逆止弁30は、油圧シリンダ10と油圧ポンプPとの間の流路のリリーフ弁20が接続された接続点よりも油圧ポンプP側に配設されている。油圧シリンダ10のポート10aを、逆止弁30を介して油圧ポンプPの吐出側に接続している。
また、油圧シリンダ10のポート10aに圧力センサPSを接続している。圧力センサPSから制御装置40に圧力信号が出力される。
また、油圧シリンダ10のポート10aをリリーフ弁20の入口ポート21に接続し、リリーフ弁20の出口ポート22を油タンクTに接続している。リリーフ弁20は、パイロット作動形のリリーフ弁であり、油圧ポンプPの吐出側をリリーフ弁20のベントポート23(パイロットポート)に接続している。これにより、油圧ポンプPの吐出圧力(パイロット圧)がリリーフ弁20のベントポート23に供給されて、リリーフ弁20の設定圧Ppが制御される。
制御装置40は、ダイクッション圧力指令値を表すダイクッション圧力指令信号とクッションパッド14の位置を表す位置信号および圧力センサPSからの圧力信号を受けて、モータMを駆動する駆動信号を出力することにより、油圧ポンプPの回転数を制御する。ダイクッション圧力指令信号は、プレス機械の主機コントローラ(図示せず)などから入力される。
図2は上記ダイクッション装置の動作を示している。
図2に示すように、プレス機械のプレス成形において、ダイクッション作用時に外力が発生する直前では、制御装置40により圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプPの回転数を制御し、油圧ポンプPの流量を一定にして、ベントポート23の圧力をダイクッション圧力指令値に相当する圧力としている。
そして、ダイクッション作用時に外力が発生したとき、ダイクッション圧にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。このとき、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になり、制御装置40は、油圧ポンプPを逆回転させる。
その後、制御装置40は、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値に戻るように、油圧ポンプPの回転数を制御する。
このように、上記構成のダイクッション装置によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置40によって、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力(ダイクッション圧に相当)に応じて油圧ポンプPの回転数を制御することによって、油圧ポンプPから油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する。プレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ10内にサージ圧力が発生して、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、リリーフ弁20が動作して油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すと共に、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、制御装置40によって油圧ポンプPを逆回転させる。油圧ポンプPによるダイクッション圧制御を高精度かつ高速で行うことにより、油圧シリンダ10から発生するサージ圧力を抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、応答が遅いバランスピストン形のリリーフ弁に比べて、パイロット作動形のリリーフ弁20のベントポート23の設定圧Ppが油圧ポンプPにより直接制御されるので、リリーフ弁20の作動遅れが発生せず、サージ圧を確実に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図3は本開示の第2実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。図3において、図1と同一構成部には同一参照番号を付している。
この第2実施形態のダイクッション装置は、図3に示すように、クッションパッド14を上下動させる油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に油タンクからの作動油を供給する油圧ポンプP1と、油圧ポンプP1を駆動するモータM1と、油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すリリーフ弁20と、油圧シリンダ10のダイクッション圧である作動油の圧力を検出する圧力センサPSと、油圧ポンプP1から油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する制御装置140とを備えている。油圧ポンプP1は、第1の油圧ポンプの一例である。
また、ダイクッション装置は、リリーフ弁20の設定圧Ppを制御する油圧ポンプP2と、油圧ポンプP2を駆動するモータM2とを備えている。油圧ポンプP2は、第2の油圧ポンプの一例であり、油圧ポンプP1に比べて小容量である。
油圧シリンダ10のポート10aを油圧ポンプP1の吐出側に接続している。
また、油圧シリンダ10のポート10aに圧力センサPSを接続している。圧力センサPSから制御装置140に圧力信号が出力される。また、油圧シリンダ10によって支持されたクッションパッド14に位置センサ(図示せず)が設けられ、位置センサから制御装置40にクッションパッド14の位置を表す位置信号が出力される。
また、油圧シリンダ10のポート10aをリリーフ弁20の入口ポート21に接続し、リリーフ弁20の出口ポート22を油タンクTに接続している。リリーフ弁20は、パイロット作動形のリリーフ弁であり、油圧ポンプP2の吐出側をリリーフ弁20のベントポート23に接続している。これにより、油圧ポンプP2の吐出圧力(パイロット圧)がリリーフ弁20のベントポート23に供給されて、リリーフ弁20の設定圧Ppが制御される。
制御装置140は、ダイクッション圧力指令値を表すダイクッション圧力指令信号とクッションパッド14の位置を表す位置信号および圧力センサPSからの圧力信号を受けて、モータM1,M2を駆動する駆動信号を出力することにより、油圧ポンプP1,P2の回転数を夫々制御する。ダイクッション圧力指令信号は、プレス機械の主機コントローラ(図示せず)などから入力される。
図4は上記ダイクッション装置の動作を示している。
図4に示すように、プレス機械のプレス成形において、ダイクッション作用時に外力が発生する直前では、制御装置140により圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプP1の回転数を制御し、油圧ポンプP1の流量を一定にしている。このとき、リリーフ弁20のベントポート23の設定圧Ppがダイクッション圧力指令値に相当する圧力となるように、制御装置40により油圧ポンプP2の回転数を制御する。
そして、ダイクッション作用時に外力が発生したとき、ダイクッション圧にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。このとき、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値以上になり、制御装置140は、油圧ポンプP1を逆回転させる。
その後、制御装置140は、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値に戻るように、油圧ポンプP1を適正な回転数に制御する。また、制御装置140は、油圧ポンプP2の回転数を制御して、ダイクッション作用時に外力が発生する直前の圧力よりもリリーフ弁20の設定圧Ppが高くなるように、油圧ポンプP2の吐出圧を変更することによって、リリーフ弁20を閉じる。
上記構成のダイクッション装置によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置140によって、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力(ダイクッション圧に相当)に応じて油圧ポンプP1の回転数を制御することによって、油圧ポンプP1から油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する。プレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ10内にサージ圧力が発生して、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、リリーフ弁20が動作して油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すと共に、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁20の設定圧Pp以上になると、制御装置140によって油圧ポンプP1を逆回転させる。油圧ポンプP1によるダイクッション圧制御を高精度かつ高速で行うことにより、油圧シリンダ10から発生するサージ圧力を抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、応答が遅いバランスピストン形のリリーフ弁に比べて、パイロット作動形のリリーフ弁20のベントポート23の設定圧Ppが油圧ポンプP2により直接制御されるので、リリーフ弁20の作動遅れが発生せず、サージ圧を確実に抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、ダイクッション作用時の油圧シリンダ10から排出される作動油を、逆回転させた油圧ポンプP1を介して油タンクTに戻すので、リリーフ弁20における熱発生(油温上昇)を避けることができる。
なお、逆回転する油圧ポンプP1によりモータM1が逆回転して、モータM1により発電された電気エネルギーは、回生抵抗で消費する。
従来のエア式のダイクッション装置おいて、シリンダ径が大きくなって装置が大型化するという問題や、圧縮性を有する空気の圧力を利用するため、圧力調整や精密な位置制御が困難であるという問題があったが、上記第1,第2実施形態では、これらの問題を解決することができる。
〔第3実施形態〕
図5は本開示の第3実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。
この第3実施形態のダイクッション装置は、図5に示すように、プレス機械(図示せず)のクッションパッド14を上下動させる油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に油タンクTからの作動油を供給する油圧ポンプPと、油圧ポンプPを駆動するモータMと、油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すリリーフ弁20と、油圧シリンダ10から油圧ポンプPへの作動油の流れを規制する逆止弁30と、リリーフ弁20のベント圧を検出する圧力センサPSと、油圧ポンプPから油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する制御装置240とを備えている。油圧ポンプPは、第1の油圧ポンプの一例である。
油圧シリンダ10は、シリンダチューブ11と、シリンダチューブ11内を往復動するピストン12と、ピストン12に一端が接続されたピストンロッド13とを有している。油圧シリンダ10のピストンロッド13の他端にクッションパッド14が連結されている。クッションパッド14は、油圧シリンダ10によって支持されている。クッションパッド14には、クッションパッド14の位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けられている。位置センサから制御装置240にクッションパッド14の位置を表す位置信号が出力される。
逆止弁30は、油圧シリンダ10と油圧ポンプPとの間の油路かつ該油路のリリーフ弁20が接続された接続点よりも油圧ポンプP側に配設されている。油圧シリンダ10のポート10aを、逆止弁30を介して油圧ポンプPの吐出側に接続している。
また、油圧ポンプPの吐出側と逆止弁30との間に圧力センサPSを接続している。圧力センサPSから制御装置240にリリーフ弁20のベント圧を表す圧力信号が出力される。
また、油圧シリンダ10のポート10aをリリーフ弁20の入口ポート21に接続し、リリーフ弁20の出口ポート22を油タンクTに接続している。リリーフ弁20は、パイロット作動形のリリーフ弁であり、油圧ポンプPの吐出側をリリーフ弁20のベントポート23に接続している。これにより、油圧ポンプPの吐出圧力がリリーフ弁20のベントポート23に供給されて、リリーフ弁20の設定圧Psetが制御される。
制御装置240は、ダイクッション圧力指令値を表すダイクッション圧力指令信号とクッションパッド14の位置を表す位置信号および圧力センサPSからの圧力信号を受けて、モータMを駆動する駆動信号を出力することにより、油圧ポンプPの回転数を制御する。ダイクッション圧力指令信号は、プレス機械の主機コントローラ(図示せず)などから入力される。
図6は上記ダイクッション装置の動作を示している。図6において、横軸は時間[任意目盛]であり、縦軸は圧力[任意目盛]および流量[任意目盛]である。
図6に示すように、プレス機械のプレス成形において、スライド(図示せず)がクッションパッド14に衝突して外力が発生する直前では、制御装置240によって、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧に基づいて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプPの回転数を制御する。このとき、リリーフ弁20のベントポート23の圧力が設定ベント圧Pvとなるように、制御装置240により油圧ポンプPの回転数を制御する。
そして、スライド(図示せず)がクッションパッド14に衝突して外力が発生したとき、ダイクッション圧力にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。
ここで、リリーフ弁20の設定圧Psetは、設定ベント圧をPvとし、リリーフ弁20の差圧バネ面圧をPdとすると、
Pset = Pv+Pd
で表される。
ダイクッション圧力にサージ圧が重畳されて、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になると、制御装置240は、油圧ポンプPを逆回転させる。この実施形態では、所定圧力値Pvを設定ベント圧Pvと同じにしているが、所定圧力値Pv>設定ベント圧としてもよい。
その後、クッションパッド14はスライドにより所定速度で押し下げられ、制御装置240は、圧力センサPSにより検出されたベント圧が設定ベント圧Pvに戻るように、油圧ポンプPの回転数を制御する。
このように、上記構成のダイクッション装置では、プレス機械のプレス成形時に、制御装置240によって、圧力センサPSにより検出されたベント圧に応じて油圧ポンプPの回転数を制御することによって、油圧ポンプPから油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する。また、プレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ10内にサージ圧が発生して、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すと共に、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になると、制御装置240によって油圧ポンプPを逆回転させる。
上記ダイクッション装置において、油圧ポンプPによるダイクッション圧制御を高精度かつ高速で行うことにより、油圧シリンダ10から発生するサージ圧を抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、応答が遅いバランスピストン形のリリーフ弁に比べて、パイロット作動形のリリーフ弁20のベント圧が油圧ポンプPにより直接制御されるので、リリーフ弁20の作動遅れが発生せず、サージ圧を確実に抑制することができる。
また、上記圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になると、制御装置240によって、油圧ポンプPを逆回転させて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプPの回転数を制御することで、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻すことができる。
また、上記圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になって油圧ポンプPを逆回転させたとき、逆止弁30により油圧シリンダ10から油圧ポンプPへの作動油の流れを規制することにより、油圧シリンダ10から排出される作動油の全てがリリーフ弁20を介して油タンクTに戻るようにできる。
また、上記ダイクッション装置では、油圧ポンプPのポンプ容量が大きい場合でも、油圧ポンプPの逆回転時に吐出側が負圧にならないように、応答性のよい安定した制御が可能となる。したがって、油圧ポンプPの吐出側と逆止弁30との間に、油タンクTからの作動油を供給するバキュームチェック弁を追加したり、逆回転を制限する工夫をしたりする必要がない。
〔第4実施形態〕
図7は本開示の第4実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。この第4実施形態のダイクッション装置は、電磁弁50および制御装置340を除いて第3実施形態のダイクッション装置と同一の構成をしている。
第4実施形態のダイクッション装置は、図7に示すように、油圧シリンダ10と油圧ポンプPとの間の油路かつ該油路のリリーフ弁20が接続された接続点よりも油圧ポンプP側に電磁弁50を配設している。
この電磁弁50は、ソレノイド53が励磁の場合、左側の切り換え位置となり、第1ポート51と第2ポート52が連通する。一方、電磁弁50は、ソレノイド53が非励磁の場合、右側の切り換え位置となり、第1ポート51および第2ポート52が夫々閉鎖される。
図8は上記ダイクッション装置の動作を示している。図8において、横軸は時間[任意目盛]であり、縦軸は圧力[任意目盛]および流量[任意目盛]である。
図8に示すように、プレス機械のプレス成形において、ダイクッション作用時に外力が発生する直前では、制御装置340によって、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧に基づいて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプPの回転数を制御する。このとき、リリーフ弁20のベントポート23の圧力が設定ベント圧Pvとなるように、制御装置340により油圧ポンプPの回転数を制御する。
そして、ダイクッション作用時に外力が発生したとき、ダイクッション圧力にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。このとき、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になると、油圧ポンプPを逆回転させる。
その後、クッションパッド14はスライドにより所定速度で押し下げられ、制御装置340は、圧力センサPSにより検出されたベント圧が設定ベント圧Pvに戻るように、油圧ポンプPの回転数を制御する。
上記第4実施形態のダイクッション装置は、第3実施形態のダイクッション装置と同様の効果を有する。
また、圧力センサPSにより検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv以上になって油圧ポンプPを逆回転させるときに、電磁弁50が閉鎖されているため、油圧シリンダ10から排出される作動油の全てがリリーフ弁20を介して油タンクTに戻るようにできる。
この第4実施形態のダイクッション装置は、第3実施形態の逆止弁30を備えたダイクッション装置に比べて、圧力のオーバーシュートやアンダーシュートが発生した場合でも油圧ポンプPと油圧シリンダ10との間の油路を確実に塞ぐことにより、安定した制御が可能となる。
〔第5実施形態〕
図9は本開示の第5実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。図9において、図5と同一構成部には同一参照番号を付している。
この第5実施形態のダイクッション装置は、図9に示すように、クッションパッド14を上下動させる油圧シリンダ10と、リリーフ弁20の設定圧Psetを制御する油圧ポンプP2と、油圧ポンプP2を駆動するモータM2と、油圧シリンダ10に油タンクTからの作動油を供給する油圧ポンプP1と、油圧ポンプP1を駆動するモータM1と、油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すリリーフ弁20と、リリーフ弁20のベント圧を検出する圧力センサPS2と、油圧シリンダ10のダイクッション圧力である作動油の圧力を検出する圧力センサPS1と、モータM1,M2を制御することにより油圧ポンプP1,P2の回転数を制御する制御装置440とを備えている。
制御装置440は、油圧ポンプP2の回転数を制御して、リリーフ弁20のベントポート23に供給する作動油の流量および圧力を制御する。制御装置440は、油圧ポンプP1の回転数を制御して、油圧ポンプP1から油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する。
油圧ポンプP2は、第2の油圧ポンプの一例である。油圧ポンプP1は、第1の油圧ポンプの一例である。油圧ポンプP2は、油圧ポンプP1に比べて小容量である。
リリーフ弁20のベントポート23に圧力センサPS2を接続している。圧力センサPS2から制御装置440にリリーフ弁20のベント圧を表す第2圧力信号が出力される。
油圧シリンダ10のポート10aを油圧ポンプP1の吐出側に接続している。油圧シリンダ10のポート10aに圧力センサPS1を接続している。圧力センサPS1から制御装置440にダイクッション圧力を表す第1圧力信号が出力される。
また、油圧シリンダ10によって支持されたクッションパッド14に位置センサ(図示せず)が設けられ、位置センサから制御装置440にクッションパッド14の位置を表す位置信号が出力される。
また、油圧シリンダ10のポート10aをリリーフ弁20の入口ポート21に接続し、リリーフ弁20の出口ポート22を油タンクTに接続している。リリーフ弁20は、パイロット作動形のリリーフ弁であり、油圧ポンプP2の吐出側をリリーフ弁20のベントポート23に接続している。これにより、油圧ポンプP2の吐出圧力がリリーフ弁20のベントポート23に供給されて、リリーフ弁20の設定圧Psetが制御される。
制御装置440は、ダイクッション圧力指令値を表すダイクッション圧力指令信号とクッションパッド14の位置を表す位置信号および圧力センサPS1,PS2からの第1,第2圧力信号を受けて、モータM1,M2を駆動する第1,第2駆動信号を出力することにより、油圧ポンプP1,P2の回転数を夫々制御する。ダイクッション圧力指令信号は、プレス機械の主機コントローラ(図示せず)などから入力される。
図10は上記ダイクッション装置の動作を示している。図10において、横軸は時間[任意目盛]であり、縦軸は圧力[任意目盛]および流量[任意目盛]である。
図10に示すように、プレス機械のプレス成形において、ダイクッション作用時に外力が発生する直前では、制御装置440により圧力センサPS1により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプP1の回転数を制御する。このとき、リリーフ弁20のベントポート23の圧力が設定ベント圧Pv1となるように、制御装置440により油圧ポンプP2の回転数を制御する。
ここで、ダイクッション圧力指令値は、リリーフ弁20の差圧バネ面圧をPdとするとき、
ダイクッション圧力指令値 ≦ Pset(=Pv1+Pd)
とし、油圧ポンプP1からリリーフ弁20への流れ込みがない状態で待機する。
そして、ダイクッション作用時に外力が発生したとき、ダイクッション圧力にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。このとき、圧力センサPS2により検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv1以上になると、制御装置440は、油圧ポンプP1を逆回転させる。または、圧力センサPS1により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値を超えているため、油圧ポンプP1は逆回転し、油圧シリンダ10から排出される作動油を油圧ポンプP1を介して油タンクTに戻す。この実施形態では、所定圧力値Pv1を設定ベント圧Pv1と同じにしているが、所定圧力値Pv1>設定ベント圧としてもよい。
その後、クッションパッド14はスライドにより所定速度で押し下げられ、制御装置440は、圧力センサPS1により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値に戻るように、油圧ポンプP1を適正な回転数に制御する。
また、制御装置440は、油圧ポンプP2の回転数を制御して、リリーフ弁20のベントポート23の圧力を、ダイクッション作用時に外力が発生する直前の設定ベント圧Pv1よりも高い設定ベント圧Pv2となるように、油圧ポンプP2の吐出圧力を変更することによって、リリーフ弁20を閉じる。
上記構成のダイクッション装置によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置440によって、圧力センサPS2により検出されたリリーフ弁20のベント圧(ダイクッション圧力に相当)に応じて油圧ポンプP1の回転数を制御することによって、油圧ポンプP1から油圧シリンダ10に供給する作動油の流量および圧力を制御する。プレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ10内にサージ圧が発生して、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すと共に、圧力センサPS2により検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv1以上になるか、または、圧力センサPS1により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値を超えているため、制御装置440によって油圧ポンプP1を逆回転させる。
上記ダイクッション装置において、油圧ポンプP1によるダイクッション圧制御を高精度かつ高速で行うことにより、油圧シリンダ10から発生するサージ圧を抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、応答が遅いバランスピストン形のリリーフ弁に比べて、パイロット作動形のリリーフ弁20の圧力が油圧ポンプP2により直接制御されるので、リリーフ弁20の作動遅れが発生せず、サージ圧を確実に抑制することができる。
また、上記ダイクッション装置では、ダイクッション作用時の油圧シリンダ10から排出される作動油を、逆回転させた油圧ポンプP1を介して油タンクTに戻すので、リリーフ弁20における熱発生(油温上昇)を避けることができる。
なお、逆回転する油圧ポンプP1によりモータM1が逆回転して、モータM1により発電された電気エネルギーは、回生抵抗で消費する。
従来のエア式のダイクッション装置おいて、シリンダ径が大きくなって装置が大型化するという問題や、圧縮性を有する空気の圧力を利用するため、圧力調整や精密な位置制御が困難であるという問題があったが、上記第3〜第5実施形態では、これらの問題を解決することができる。
また、圧力センサPS2により検出されたリリーフ弁20のベント圧が所定圧力値Pv1以上になると、制御装置440によって、油圧ポンプP1および油圧ポンプP2を逆回転させて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、第1の油圧ポンプP1の回転数を制御することで、油圧シリンダ10から排出される作動油を油圧ポンプP1を介して油タンクTに戻すことができる。
また、油圧ポンプP2の逆回転開始後、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、油圧ポンプP2の回転数を制御して、リリーフ弁20の設定圧を逆回転開始前の設定ベント圧Pv1よりも上げて設定ベント圧Pv2とすることによりリリーフ弁20を閉じる。
上記ダイクッション装置では、油圧ポンプP1のポンプ容量が大きい場合でも、慣性による応答遅れでの大きなサージ発生は、リリーフ弁20の応答でカバーすることができるため、サージ発生を最小に抑えることができる。
〔第6実施形態〕
図11は本開示の第6実施形態のダイクッション装置の概略ブロック図である。この第6実施形態のダイクッション装置は、絞り60と制御装置540の動作を除いて第3実施形態のダイクッション装置と同一の構成をしている。
この第6実施形態のダイクッション装置は、図11に示すように、逆止弁30の両端に絞り60が接続されている。
図12は上記ダイクッション装置の動作を示している。図12において、横軸は時間[任意目盛]であり、縦軸は圧力[任意目盛]および流量[任意目盛]である。
図12に示すように、プレス機械のプレス成形において、スライド(図示せず)がクッションパッド14に衝突して外力が発生する直前では、制御装置540によって、圧力センサPSにより検出された作動油の圧力に基づいて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプPの回転数を制御する。このとき、リリーフ弁20のベントポート23の圧力が設定ベント圧Pvとなるように、制御装置540により油圧ポンプPの回転数を制御する。
そして、スライド(図示せず)がクッションパッド14に衝突して外力が発生したとき、ダイクッション圧力にサージ圧が重畳され、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して、油圧シリンダ10から排出される作動油をリリーフ弁20を介して油タンクTに戻す。
ダイクッション圧力にサージ圧が重畳されて、圧力センサPSにより絞り60を介して検出されたサージ圧が所定圧力値Pv以上になると、制御装置540は、油圧ポンプPを逆回転させる。
その後、クッションパッド14はスライドにより所定速度で押し下げられ、制御装置540は、圧力センサPSにより検出された圧力が設定ベント圧Pvに戻るように、油圧ポンプPの回転数を制御する。このとき、油圧シリンダ10のダイクッション圧力は、通路圧損およびリリーフ弁20の流量−圧力特性の影響によりサージ圧が発生する直前よりもやや高くなり、第3実施形態の場合に比べて、油圧シリンダ10のダイクッション圧力はダイクッション圧力指令値に徐々に近づいていく。
このように、上記構成のダイクッション装置では、プレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ10内にサージ圧が発生して、油圧シリンダ10のポート10aのダイクッション圧力がリリーフ弁20の設定圧Pset以上になると、リリーフ弁20が動作して油圧シリンダ10から排出される作動油を油タンクTに戻すと共に、圧力センサPSにより絞り60を介して検出されたサージ圧が所定圧力値Pv以上になると、制御装置540によって油圧ポンプPを逆回転させる。
この第6実施形態のダイクッション装置は、第3実施形態のダイクッション装置に比べて、ダイクッション圧制御において油圧シリンダ10内にサージ圧力が発生した過渡期では、逆止弁30の両端に接続された絞り60の効果によって、ダイクッション圧制御に対する急激な圧力変化の影響を回避でき、制御の安定性を確保できる。
上記第6実施形態では、逆止弁30を用いたが、第4実施形態のように逆止弁の代わりに電磁弁を用いてもよい。
上記第1〜第6実施形態では、クッションパッド14を上下動させる油圧シリンダ10を1つ備えたダイクッション装置について説明したが、クッションパッドを上下動させる油圧シリンダを複数備えたダイクッション装置にこの発明を適用してもよい。
本開示の具体的な実施の形態について説明したが、本開示は上記第1〜第6実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々変更して実施することができる。
本開示のダイクッション装置は、
クッションパッドを上下動させる油圧シリンダと、
上記油圧シリンダに油タンクからの作動油を供給する油圧ポンプと、
上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻すリリーフ弁と、
上記油圧シリンダのダイクッション圧である作動油の圧力を検出する圧力センサと、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力に応じて上記油圧ポンプの回転数を制御することによって、上記油圧ポンプから上記油圧シリンダに供給する作動油の流量および圧力を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁の設定圧以上のときに、上記油圧ポンプを逆回転させることを特徴とする。
本開示によれば、プレス機械のプレス成形時に、制御装置によって、圧力センサにより検出された作動油の圧力(ダイクッション圧に相当)に応じて油圧ポンプの回転数を制御することによって、油圧ポンプから油圧シリンダに供給する作動油の流量および圧力を制御する。このようなプレス機械のダイクッション圧制御において、プレス成形時に油圧シリンダ内にサージ圧力が発生して、油圧シリンダのダイクッション圧である作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻すと共に、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、制御装置によって油圧ポンプを逆回転させる。油圧ポンプによる圧力制御を高精度かつ高速で行うことにより、ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧力を抑制することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記油圧ポンプとの間の流路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記油圧ポンプ側に配設され、上記油圧シリンダから上記油圧ポンプへの作動油の流れを規制する逆止弁を備え、
上記油圧ポンプから吐出された作動油の圧力により上記リリーフ弁の設定圧が制御され、
上記制御装置は、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁の設定圧以上のとき、上記油圧ポンプを逆回転させて上記リリーフ弁を開く。
上記本開示によれば、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上のとき、制御装置によって油圧ポンプを逆回転させる。このとき、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻す。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記リリーフ弁の設定圧を制御するリリーフ弁用油圧ポンプを備え、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁の設定圧以上になると、上記油圧ポンプを逆回転させて、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になるように、上記油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記油圧ポンプの逆回転開始後に、上記圧力センサにより検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁の設定圧を上げて上記リリーフ弁を閉じるように、上記リリーフ弁用油圧ポンプの回転数を制御する。
上記本開示によれば、圧力センサにより検出された作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、制御装置によって、油圧ポンプを逆回転させて、圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、油圧ポンプの回転数を制御する。そして、油圧ポンプの逆回転開始後に、圧力センサにより検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になると、リリーフ弁の設定圧を上げてリリーフ弁を閉じるように、制御装置によりリリーフ弁用油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示のダイクッション装置は、
クッションパッドを上下動させる油圧シリンダと、
上記油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻すリリーフ弁と、
上記リリーフ弁のベントポートに吐出側が接続された第1の油圧ポンプと、
上記リリーフ弁のベント圧を検出する圧力センサと、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧に応じて上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上のときに、上記第1の油圧ポンプを逆回転させることを特徴とする。
ここで、第1の油圧ポンプを逆回転させるとは、作動油が吐出される回転方向と逆の回転方向に第1の油圧ポンプを回転させることである。
本開示によれば、プレス機械のプレス成形時のダイクッション圧制御において、油圧シリンダから排出される作動油の圧力がリリーフ弁の設定圧以上になると、リリーフ弁が動作して油圧シリンダから排出される作動油を油タンクに戻す。このプレス成形時にクッションパッドに外力が加えられて油圧シリンダ内にサージ圧が発生すると、サージ圧によりリリーフ弁の弁体が押されて移動してベント室が圧縮され、リリーフ弁のベント圧が上昇する。そうして、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって第1の油圧ポンプを逆回転させる。第1の油圧ポンプによる圧力制御を高精度かつ高速で行うことにより、ダイクッション圧制御において、油圧シリンダから発生するサージ圧を抑制することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油タンクからの作動油を上記油圧シリンダに供給する第2の油圧ポンプを備え、
上記制御装置は、
上記第1の油圧ポンプから吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁の設定圧を制御し、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第2の油圧ポンプを逆回転させる。
本開示によれば、ダイクッション作用時の油圧シリンダから排出される作動油を、逆回転させた第2の油圧ポンプを介して油タンクに戻すので、リリーフ弁における熱発生(油温上昇)を避けることができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプと上記第2の油圧ポンプとを逆回転させて、逆回転する上記第2の油圧ポンプを介して上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻しつつ上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第2の油圧ポンプの回転数を制御すると共に、
上記第1の油圧ポンプの逆回転開始後、上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁の設定圧を上記逆回転開始前よりも上げて上記リリーフ弁を閉じるように、上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって、第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプとを逆回転させて、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、第2の油圧ポンプの回転数を制御することで、油圧シリンダから排出される作動油を第2の油圧ポンプを介して油タンクに戻すことができる。また、第1の油圧ポンプの逆回転開始後、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、第1の油圧ポンプの回転数を制御して、リリーフ弁の設定圧を逆回転開始前よりも上げてリリーフ弁を閉じる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記制御装置は、
上記第1の油圧ポンプから吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁の設定圧を制御する。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記圧力センサにより検出された上記リリーフ弁のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプを逆回転させて、上記リリーフ弁を介して上記油圧シリンダから排出される作動油を上記油タンクに戻しつつ上記油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプの回転数を制御する。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になると、制御装置によって、第1の油圧ポンプを逆回転させて、油圧シリンダから排出される作動油をリリーフ弁を介して油タンクに戻しながら、油圧シリンダのダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、第1の油圧ポンプの回転数を制御することができる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ側に配設され、上記油圧シリンダから上記第1の油圧ポンプへの作動油の流れを規制する逆止弁を備える。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になって第1の油圧ポンプを逆回転させたとき、逆止弁により油圧シリンダから第1の油圧ポンプへの作動油の流れを規制することにより、油圧シリンダから排出される作動油の全てがリリーフ弁を介して油タンクに戻るようにできる。
また、本開示の1つの態様に係るダイクッション装置では、
上記油圧シリンダと上記第1の油圧ポンプとの間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ側に配設された電磁弁を備える。
本開示によれば、圧力センサにより検出されたリリーフ弁のベント圧が所定圧力値以上になって第1の油圧ポンプを逆回転させるときに、電磁弁を閉鎖して油圧シリンダから第1の油圧ポンプへの作動油の流れを確実に止めることができ、圧力センサにより検出されるリリーフ弁のベント圧が安定するので、安定した制御が可能になる。
10…油圧シリンダ
10a…ポート
11…シリンダチューブ
12…ピストン
13…ピストンロッド
14…クッションパッド
20…リリーフ弁
21…入口ポート
22…出口ポート
23…ベントポート
30…逆止弁
40,140,240,340,440,540…制御装置
50…電磁弁
51…第1ポート
52…第2ポート
60…絞り
M,M1,M2…モータ
P,P1…油圧ポンプ(第1の油圧ポンプ)
P2…油圧ポンプ(第2の油圧ポンプ)
PS,PS1,PS2…圧力センサ
T…油タンク

Claims (12)

  1. クッションパッド(14)を上下動させる油圧シリンダ(10)と、
    上記油圧シリンダ(10)に油タンク(T)からの作動油を供給する第1の油圧ポンプ(P,P1)と、
    上記油圧シリンダ(10)から排出される作動油を上記油タンクに戻すリリーフ弁(20)と、
    上記油圧シリンダ(10)と上記第1の油圧ポンプ(P,P1)との間の流路内の作動油の圧力を検出する圧力センサ(PS,PS2)と、
    上記圧力センサ(PS,PS2)により検出された作動油の圧力に応じて上記第1の油圧ポンプ(P,P1)の回転数を制御する制御装置(40,140,240,340,440,540)と
    を備え、
    上記制御装置(40,140,240,340,440,540)は、
    上記圧力センサ(PS,PS2)により検出された作動油の圧力が所定圧力値以上のときに、上記第1の油圧ポンプ(P,P1)を逆回転させることを特徴とするダイクッション装置。
  2. 請求項1に記載のダイクッション装置において、
    上記圧力センサ(PS)は、上記油圧シリンダ(10)のダイクッション圧である作動油の圧力を検出し、
    上記制御装置(40,140)は、
    上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力に応じて上記第1の油圧ポンプ(P,P1)の回転数を制御することによって、上記第1の油圧ポンプ(P,P1)から上記油圧シリンダ(10)に供給する作動油の流量および圧力を制御すると共に、
    上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプ(P,P1)の回転数を制御し、
    上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力が上記所定圧力値である上記リリーフ弁(20)の設定圧以上のときに、上記第1の油圧ポンプ(P,P1)を逆回転させることを特徴とするダイクッション装置。
  3. 請求項2に記載のダイクッション装置において、
    上記油圧シリンダ(10)と上記第1の油圧ポンプ(P)との間の流路の上記リリーフ弁(20)が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ(P)側に配設され、上記油圧シリンダ(10)から上記第1の油圧ポンプ(P)への作動油の流れを規制する逆止弁(30)を備え、
    上記第1の油圧ポンプ(P)から吐出された作動油の圧力により上記リリーフ弁(20)の設定圧が制御され、
    上記制御装置(40)は、上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁(20)の設定圧以上のとき、上記第1の油圧ポンプ(P)を逆回転させて上記リリーフ弁(20)を開くことを特徴とするダイクッション装置。
  4. 請求項3に記載のダイクッション装置において、
    上記リリーフ弁(20)の設定圧を制御する第2の油圧ポンプ(P2)を備え、
    上記制御装置(140)は、
    上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力が上記リリーフ弁(20)の設定圧以上になると、上記第1の油圧ポンプ(P1)を逆回転させて、上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプ(P1)の回転数を制御すると共に、
    上記第1の油圧ポンプ(P1)の逆回転開始後に、上記圧力センサ(PS)により検出された作動油の圧力が上記ダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁(20)の設定圧を上げて上記リリーフ弁(20)を閉じるように、上記第2の油圧ポンプ(P2)の回転数を制御することを特徴とするダイクッション装置。
  5. 請求項1に記載のダイクッション装置において、
    上記第1の油圧ポンプ(P)は、上記リリーフ弁(20)のベントポート(23)に吐出側が接続され、
    上記圧力センサ(PS)は、上記リリーフ弁(20)のベント圧を検出し、
    上記制御装置(240,340,540)は、
    上記圧力センサ(PS)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧に応じて上記第1の油圧ポンプ(P)の回転数を制御すると共に、
    上記圧力センサ(PS)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧が上記所定圧力値以上のときに、上記第1の油圧ポンプ(P)を逆回転させることを特徴とするダイクッション装置。
  6. 請求項1に記載のダイクッション装置において、
    上記リリーフ弁(20)のベントポート(23)に吐出側が接続された第2の油圧ポンプ(P2)を備え、
    上記圧力センサ(PS2)は、上記リリーフ弁(20)のベント圧を検出し、
    上記制御装置(440)は、
    上記圧力センサ(PS2)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧に応じて上記第1の油圧ポンプ(P1)の回転数を制御すると共に、
    上記第2の油圧ポンプ(P2)から吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁(20)のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁(20)の設定圧を制御し、
    上記圧力センサ(PS2)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプ(P1)と上記第2の油圧ポンプ(P2)を逆回転させることを特徴とするダイクッション装置。
  7. 請求項6に記載のダイクッション装置において、
    上記圧力センサ(PS2)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプ(P1)と上記第2の油圧ポンプ(P2)とを逆回転させて、逆回転する上記第1の油圧ポンプ(P1)を介して上記油圧シリンダ(10)から排出される作動油を上記油タンク(T)に戻しつつ上記油圧シリンダ(10)のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプ(P1)の回転数を制御すると共に、
    上記第2の油圧ポンプ(P2)の逆回転開始後、上記油圧シリンダ(10)のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になると、上記リリーフ弁(20)の設定圧を上記逆回転開始前よりも上げて上記リリーフ弁(20)を閉じるように、上記第2の油圧ポンプ(P2)の回転数を制御することを特徴とするダイクッション装置。
  8. 請求項5に記載のダイクッション装置において、
    上記制御装置(240,340,540)は、
    上記第1の油圧ポンプ(P)から吐出された作動油の圧力で上記リリーフ弁(20)のベント圧を制御することにより上記リリーフ弁(20)の設定圧を制御することを特徴とするダイクッション装置。
  9. 請求項8に記載のダイクッション装置において、
    上記圧力センサ(PS)により検出された上記リリーフ弁(20)のベント圧が上記所定圧力値以上になると、上記第1の油圧ポンプ(P)を逆回転させて、上記リリーフ弁(20)を介して上記油圧シリンダ(10)から排出される作動油を上記油タンク(T)に戻しつつ上記油圧シリンダ(10)のダイクッション圧力がダイクッション圧力指令値になるように、上記第1の油圧ポンプ(P)の回転数を制御することを特徴とするダイクッション装置。
  10. 請求項8または9に記載のダイクッション装置において、
    上記油圧シリンダ(10)と上記第1の油圧ポンプ(P)との間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁(20)が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ(P)側に配設され、上記油圧シリンダ(10)から上記第1の油圧ポンプ(P)への作動油の流れを規制する逆止弁(30)を備えることを特徴とするダイクッション装置。
  11. 請求項8または9に記載のダイクッション装置において、
    上記油圧シリンダ(10)と上記第1の油圧ポンプ(P)との間の油路かつ該油路の上記リリーフ弁(20)が接続された接続点よりも上記第1の油圧ポンプ(P)側に配設された電磁弁(50)を備えることを特徴とするダイクッション装置。
  12. 請求項10または11に記載のダイクッション装置において、
    上記接続点側と上記圧力センサ(PS)とを接続する絞り(60)を備え、
    上記圧力センサ(PS)は、上記油圧シリンダ(10)のダイクッション圧である作動油の圧力を検出することを特徴とするダイクッション装置。
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