JP5973933B2 - 水密性可撓管 - Google Patents

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本発明は、水密性を有する可撓管に関する。詳細には、本発明は、軟質なシール層を有する可撓管に関する。
地中埋設管には、通信ケーブル、電力ケーブル等が通される。典型的な通信ケーブルは、光ファイバーである。この埋設管により、ケーブルが保護される。ケーブルの保護の観点から、この埋設管には、水密性が要求される。さらに、湾曲させられて埋設されうるとの観点から、この埋設管には可撓性が要求される。
可撓管として、合成樹脂からなる条帯が螺旋状に捲回されて形成されたものが知られている。可撓管の一例が、特開2010−263695公報に開示されている。可撓管の他の例が、実開平4−49289号公報に開示されている。
図8には、従来の可撓管2が示されている。この図8において、中心線CLよりも上方では、断面が示されている。この可撓管は、本体4とシール層6とを備えている。本体4は、その材質が硬質な樹脂組成物である第一条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。本体4は、所定ピッチで連続する多数の第一要素8を含んでいる。本明細書では、螺旋の一巻き分が「要素」と称される。第一要素8の断面形状は、略S字状である。この第一要素8は、前側係止部10、立ち上がり部12及び後側係止部14を備えている。シール層6は、その材質が軟質な樹脂組成物である第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。シール層6は、所定ピッチで連続する多数の第二要素16を含んでいる。第二要素16は、その前側縁18の近傍において、第一要素8と接合されている。第二要素16は、その後側縁20の近傍において、他の第一要素8と接合されている。これらの接合により、可撓管2の水密が達成されている。
可撓管2の伸長時には、第一要素8の前側係止部10がこの第一要素8と隣接する第一要素8の後側係止部14と当接することにより、さらなる伸張が規制される。可撓管2の収縮時には、第一要素8の前側係止部10がこの第一要素8と隣接する第一要素8の立ち上がり部12と当接することにより、さらなる収縮が規制される。図8には、最も収縮した状態の可撓管2が示されている。
特開2010−263695公報 実開平4−49289号公報
可撓管2の収縮時には、第二要素16は湾曲する。ほとんどの第二要素16は、内側に向かって湾曲し、2つの第一要素8の間に入り込む。しかし、収縮時に生じる応力によって、図8に示されるように、一部の第二要素16aが本体から外側に向けて突出することがある。可撓管2に内圧がかかることによっても、第二要素16aが突出しうる。突出した第二要素16aは、土砂と擦れ合う。この擦れ合いにより、第二要素16aが徐々に損傷し、穴が開くことがある。さらに、第二要素16aが突出した場合、第一要素8と第二要素16aとの接合箇所に、引き剥がしの力がかかりやすい。この力により、第二要素16aが第一要素8から徐々に剥離することがある。第二要素16aが突出した状態で可撓管2が使用されるにより、この可撓管2の水密性が損なわれるおそれがある。
本発明の目的は、長期間にわたって水密性が維持されうる可撓管の提供にある。
本発明に係る水密性可撓管は、
(1)その材質が硬質な樹脂組成物である第一条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第一要素を含む内層、
(2)その材質が軟質な樹脂組成物である第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第二要素を含むシール層、
及び
(3)その材質が硬質な樹脂組成物である第三条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第三要素を含む外層
を備える。この可撓管では、それぞれの第一要素が隣接する他の第一要素と係合するように、第一条帯が捲回されている。第二要素は、第一要素及びこの第一要素に隣接する他の第一要素にまたがっている。この第二要素の両側縁の近傍において、この第二要素の内周面は、これらの第一要素とそれぞれ接合されている。第三要素は、第二要素の外側に位置している。この第三要素は、第一側縁及び第二側縁を備える。第一側縁の近傍において、第三要素が第一要素又は第二要素に接合されている。第二側縁の近傍において、第三要素は、第一要素及び第二要素に接合されていない。
好ましくは、第二要素のうち第一要素と接合された部分に、第三要素の内周面が密接する。
それぞれの第一要素は、主部を有する。好ましくは、この主部の断面形状は、前側係止部及び後側係止部を含む略S字状である。伸張時において、主部の前側係止部がこの主部と隣接する主部の後側係止部と当接することにより、さらなる伸張が規制される。
好ましくは、それぞれの第一要素は、主部と一体とされかつ軸方向において主部と並ぶ収縮規制部をさらに備える。収縮時において、この収縮規制部がこの収縮規制部と一体である主部と隣接する主部と当接することにより、さらなる収縮が規制される。
収縮時において、第三要素がこの第三要素と隣接する他の第三要素と当接することにより、さらなる収縮が規制されてもよい。
好ましくは、第二要素は、第一要素と溶着される。好ましくは、第一側縁の近傍において、第三要素が第一要素又は第二要素に溶着さる。
本発明に係る可撓管では、外側に向けての第二要素の突出を、第三要素が抑制する。この可撓管では、第二要素の損傷が生じにくい。この可撓管では、長期間にわたって水密性が維持される。
図1は、本発明の一実施形態に係る可撓管が示された一部切り欠き正面図である。 図2は、図1の可撓管の第一要素が示された拡大断面図である。 図3は、図1の可撓管の一部が示された拡大断面図である。 図4は、図1の可撓管の製造の様子が示された模式図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る可撓管の一部が示された断面図である。 図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る可撓管の一部が示された断面図である。 図7は、図6の可撓管のための第一条帯が示された断面図である。 図8は、従来の可撓管が示された部分断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、水密性の可撓管18が示されている。この可撓管18は、地中に埋設して用いられる。この可撓管18の中に、光ファイバーケーブルが通される。この可撓管18は、湾曲した状態で設置されうる。図1において、矢印Xは可撓管18の軸方向を表し、矢印Yは可撓管18の半径方向を表す。便宜上、図1において、右側が前と称され、左側が後と称される。
この可撓管18は、第一条帯、第二条帯及び第三条帯から形成されている。これらの条帯の詳細は、後述される。
この可撓管18は、内層20、シール層22及び外層24を備えている。内層20は、第一条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。この内層20は、多数の第一要素26を含んでいる。これらの第一要素26は、可撓管18に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。シール層22は、第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。このシール層22は、多数の第二要素28を含んでいる。これらの第二要素28は、可撓管18に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。第二要素28のピッチは、第一要素26のピッチと同一である。外層24は、第三条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。この外層24は、多数の第三要素30を含んでいる。これらの第三要素30は、可撓管18に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。第三要素30のピッチは、第一要素26のピッチと同一である。
図2には、第一要素26の断面が示されている。第一要素26は、主部32及び収縮規制部34を有している。主部32と収縮規制部34とは、軸方向(図2における左右方向)に並んでいる。主部32と収縮規制部34とは、一体的に形成されている。
主部32の断面形状は、略S字状である。この主部32は、前側係止部36、外周部38、立ち上がり部40、内周部42及び後側係止部44を有している。前側係止部36は、半径方向に延在している。前側係止部36が、半径方向に対して傾斜してもよい。外周部38は、軸方向に延在している。外周部38が、軸方向に対して傾斜してもよい。立ち上がり部40は、半径方向に延在している。立ち上がり部40が、半径方向に対して傾斜してもよい。内周部42は、軸方向に延在している。内周部42が、軸方向に対して傾斜してもよい。後側係止部44は、半径方向に延在している。後側係止部44が、半径方向に対して傾斜してもよい。
図1から明らかなように、第一要素26の前側係止部36と立ち上がり部40との間に、この第一要素26と隣接する第一要素26の後側係止部44が位置している。第一要素26の立ち上がり部40と後側係止部44との間に、この第一要素26と隣接する第一要素26の前側係止部36が位置している。換言すれば、それぞれの第一要素26は、隣接する他の第一要素26と係合している。前側係止部36は、立ち上がり部40と後側係止部44との間において、前後方向(軸方向)に移動しうる。後側係止部44は、立ち上がり部40と前側係止部36との間において、前後方向に移動しうる。従って、可撓管18に応力がかかったとき、隣接する第一要素26同士のピッチは、変動しうる。この変動は、これらの第一要素26からなる内層20の伸縮及び湾曲を許容する。
第一要素26の材質(すなわち内層20の材質)は、比較的硬質な樹脂組成物である。この樹脂組成物の典型的な基材樹脂は、硬質合成樹脂である。この硬質合成樹脂として、硬質ポリ塩化ビニル及び高密度ポリエチレンが例示される。特に、硬質ポリ塩化ビニルが好ましい。可撓管18の生産性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
材質が硬質な樹脂組成物である第一要素26を備えた可撓管18は、適度な剛性を有する。剛性の観点から、タイプDのデュロメータで測定された第一要素26の硬度は50以上が好ましく、60以上が特に好ましい。この硬度は、90以下が好ましい。
第二要素28は、第一要素26の外周部38と、この第一要素26に隣接する他の第一要素26の外周部38とにまたがっている。第二要素28は、前接合部46、中間部48及び後接合部50を有している。前接合部46は、第二要素28のうちの、前側縁の近傍に位置している。後接合部50は、第二要素28のうちの、後側縁の近傍に位置している。中間部48は、前接合部46と後接合部50とに挟まれている。前接合部46は、外周部38に積層されている。前接合部46の内周面は、この外周部38に接合されている。後接合部50は、他の外周部38に積層されている。後接合部50の内周面は、この外周部38に接合されている。中間部48は、第一要素26には接合されていない。前接合部46及び後接合部50の接合により、可撓管18の水密性が達成されている。接合は、溶着によって達成されている。接合が、接着剤によって達成されてもよい。生産性の観点から、接合が溶着によって達成されることが好ましい。中間部48は、内側に向かって湾曲している。中間部48が湾曲しなくてもよい。
第二要素28は、第一要素26との接合性に優れた材質から形成されている。第二要素28の材質(すなわちシール層22の材質)は、比較的軟質な樹脂組成物である。この樹脂組成物は、第一要素26の樹脂組成物と比べると、軟質である。第一要素26の樹脂組成物の典型的な基材樹脂は、軟質合成樹脂である。この軟質合成樹脂として、軟質ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、ポリビニルアルコール及び架橋ゴムが例示される。特に、軟質ポリ塩化ビニルが好ましい。可撓管18の生産性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
なお、本明細書において「硬質」とは、「軟質」な性質に対して相対的に硬い性質を意味する。さらに本明細書において「軟質」とは、「硬質」な性質に対して相対的に軟らかい性質を意味する。
第二要素28が第一要素26に溶着される場合、そのモノマータイプが第一要素26の基材樹脂のモノマータイプと同じである樹脂が、第二要素28に適している。第一要素26の基材樹脂が硬質ポリ塩化ビニルであり、第二要素28の基材樹脂が軟質ポリ塩化ビニルである組み合わせが、最も好ましい。
第二要素28は、第一要素26及び第三要素30よりも軟質である。第二要素28は、柔軟性及び伸縮性を有する。前述の通り、隣接する第一要素26同士のピッチは、変動する。この変動に伴い、第二要素28は、伸縮及び湾曲しうる。この第二要素28は、可撓管18の可撓性を阻害しない。この観点から、タイプDのデュロメータで測定された第二要素28の硬度は75以下が好ましく、65以下が特に好ましい。この硬度は、40以上が好ましい。
図1に示されるように、第二要素28は隣接する第二要素28と離間している。第二要素28が隣接する第二要素28と部分的にオーバーラップしてもよい。このオーバーラップにより、水密性が高められる。
第三要素30は、第二要素28の外側に位置している。第三要素30は、第二要素28を覆っている。本実施形態では、可撓管18に応力がかかっていない状態において、第三要素30は、第二要素28の全体を覆っている。第三要素30が、第二要素28を部分的に覆ってもよい。可撓管2の伸縮状態に関わらず、第三要素30が、第二要素28の中間部48を常に覆うことが好ましい。
第三要素30は、内周面52、外周面54、前側縁56及び後側縁58を備えている。内周面52は、軸方向に延在している。外周面54も、軸方向に延在している。後側縁58の近傍は、第二要素28に接合されている。接合は、溶着によって達成されている。接合が、接着剤によって達成されてもよい。生産性の観点から、接合が溶着によって達成されることが好ましい。後側縁58の近傍に第二要素28が存在しない場合、第三要素30が、第一要素26に直接に接合される。前側縁56の近傍は、第一要素26にも第二要素28にも接合されていない。さらに第三要素30は、第二要素28の中間部48とも接合されていない。前側縁56の近傍において、第三要素30は、第二要素28に対して擦動可能である。従って第三要素30は、硬質であるにもかかわらず、可撓管18の可撓性を損なわない。
第三要素30の内周面52は、第二要素28のうち第一要素26と接合された部分と密接している。この密接は、第一要素26から第二要素28を引き剥がす方向への第二要素28の変位及び変形を阻止する。
本実施形態では、前述の通り、両側縁56、58のうちの後側縁58の近傍が、第二要素28に接合されている。接合される側縁が、本実施形態とは逆の側縁であってもよい。すなわち、可撓管18が、後側縁58の近傍において第一要素26及び第二要素28に接合されておらず、前側縁56の近傍において第一要素26又は第二要素28に接合されている第三要素30を備えてもよい。
第三要素30の材質(すなわち外層24の材質)は、第一要素26の材質と同様、比較的硬質な樹脂組成物である。この樹脂組成物は、第二要素28の樹脂組成物と比べると、硬質である。第三要素30の樹脂組成物の典型的な基材樹脂は、硬質合成樹脂である。この硬質合成樹脂として、硬質ポリ塩化ビニル及び高密度ポリエチレンが例示される。特に、硬質ポリ塩化ビニルが好ましい。可撓管18の生産性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。第三要素30が第一要素26の基材樹脂と同一の基材樹脂を含むことが、特に好ましい。
第三要素30が第二要素28に溶着される場合、そのモノマータイプが第二要素28の基材樹脂のモノマータイプと同じである樹脂が、第三要素30に適している。第二要素28の基材樹脂が軟質ポリ塩化ビニルであり、第三要素30の基材樹脂が硬質ポリ塩化ビニルである組み合わせが、最も好ましい。
前述の通り、可撓管18に応力がかかったとき、隣接する第一要素26同士のピッチは、変動しうる。この変動により、可撓管18は伸縮及び湾曲しうる。可撓管18が最も伸張した時、主部32の前側係止部36がこの主部32と隣接する主部32の後側係止部44と当接する。この当接により、可撓管18のさらなる伸張が規制される。この規制により、第二要素28の破断が防止される。
可撓管18が最も収縮した時、収縮規制部34がこの収縮規制部34と一体である主部32と隣接する主部32と当接する。図3には、収縮規制部34と主部32とが当接した状態が示されている。この当接により、可撓管18のさらなる収縮が規制される。収縮規制部34を有さない可撓管では、後側係止部44がこの後側係止部44を含む主部32に隣接する主部32の立ち上がり部40と当接することで、可撓管18のさらなる収縮が規制されうる。前側係止部36がこの前側係止部36を含む主部32に隣接する主部32の立ち上がり部40と当接することで、可撓管18のさらなる収縮が規制されてもよい。
図3から明らかなように、可撓管18が最も収縮した時、第三要素30はこれに隣接する他の第三要素30と当接していない。換言すれば、可撓管18が最も収縮した時、第三要素30はこれに隣接する他の第三要素30とオーバーラップしない。この可撓管18では、損傷が生じにくい。
第三要素30が隣接する第三要素30と当接することにより、可撓管18の収縮が規制されてもよい。この場合、可撓管18が、収縮規制部34を有さない第一要素26を備えうる。
図3に示されるように、可撓管18の収縮により、第二要素28が湾曲する。前述の通り、第二要素28が第三要素30に覆われているので、この第二要素28の半径方向外向きの変形が第三要素30によって抑制される。従って、第二要素28は、半径方向において、内向きに湾曲する。第二要素28は、外向きに突出しない。この可撓管18では、第二要素28は土砂とは擦れ合わない。従って、第二要素28の損傷が生じにくい。この可撓管18では、第二要素28が湾曲しても、第一要素26と第二要素28との接合箇所に引き剥がしの力がかからない。従って、第二要素28が第一要素26から剥離しにくい。この可撓管18では、長期間にわたって水密性が維持される。
可撓管18が、内層20、シール層22及び外層24と共に、他の層を備えてもよい。他の層としては、断熱層及びフロート層が例示される。
図4には、図1の可撓管18の製造方法の一例が示されている。この製造方法に用いられる装置60は、成形軸62と、空冷装置としてのブロー機64とを備えている。この成形軸62に材料が螺旋状に巻かれて、可撓管18が製造される。この装置60は、既知である。この装置60が用いられる製造方法は、「スパイラル法」と称されている。
図4に示された装置60が用いられた製造方法では、樹脂押出機(図示されず)から、比較的硬質な樹脂組成物が半溶融状態で押し出され、第一条帯66が得られる。この第一条帯66は、図2に示された断面形状を有する。この第一条帯66が装置60に供給され、所定のピッチで成形軸62の上に螺旋状に捲回される。捲回により、内層20(図1参照)が形成される。この内層20は、多数の第一要素26を備えている。捲回は、第一要素26が隣接する第一要素26と係合するようになされる。第一要素26が隣接する第一要素26と溶着しない温度の第一条帯66が、装置60に供給される。
一方、比較的軟質な樹脂組成物が半溶融状態で押し出され、第二条帯68が得られる。この第二条帯68は、テープ状である。この第二条帯68が装置60に供給され、所定のピッチで螺旋状に捲回される。捲回により、シール層22(図1参照)が形成される。このシール層22は、多数の第二要素28を備えている。捲回は、第二要素28が第一要素26及びこの第一要素26に隣接する他の第一要素26にまたがるようになされる。第二条帯68は半溶融状態なので、この第二要素28は第一要素26に溶着される。
第二要素28が第一要素26に接着剤で接合される場合は、装置60に第二条帯68が半溶融状態で供給される必要はない。あらかじめ押出成形され、巻き取られた第二条帯68が、装置60に供給されうる。
さらに、比較的硬質な樹脂組成物が半溶融状態で押し出され、第三条帯70が得られる。この第三条帯70は、テープ状である。この第三条帯70が装置60に供給され、所定のピッチで螺旋状に捲回される。捲回により、外層24(図1参照)が形成される。この外層24は、多数の第三要素30を備えている。捲回は、第三要素30が第二要素28を覆うようになされる。第三条帯70は半溶融状態なので、この第三要素30のうちの後側縁58の近傍は、第二要素28に溶着される。第三要素30のうちの前側縁56の近傍は、第二要素28に溶着されるべきではない。前側縁56の近傍の溶着が阻止される手段として、前側縁56の近傍が第二要素28に接触する前の段階での、この前側縁56の近傍の冷却が挙げられる。冷却は、ローラの当接、空気の噴射、水の噴射等によってなされうる。
接着剤により、後側縁58の近傍が第二要素28に接合されてもよい。この場合、装置60に第三条帯70が半溶融状態で供給される必要はない。あらかじめ押出成形され、巻き取られた第三条帯70が、装置60に供給されうる。
比較的低温な第三条帯70が装置60に供給され、後側縁58の近傍が第二要素28に接触する前の段階で、この後側縁58の近傍が加熱されてもよい。これにより、後側縁58の近傍が第二要素28に溶着され、前側縁56の近傍が第二要素28に溶着されない可撓管が得られうる。加熱の手段としては、ホットエアーの吹きつけが挙げられる。
第二要素28と前側縁56の近傍との間にテープ状のフィルムが介在することで、前側縁56の近傍の溶着が阻止されてもよい。このフィルムは、第三要素30と溶着しにくい材料からなる。このフィルムは、可撓管18から引き抜かれてもよく、可撓管18に残存してもよい。
第一条帯66、第二条帯68及び第三条帯70から形成された可撓管18は、ブロー機64からのエアーによって冷却される。この可撓管18は、図示されない送りローラにより、成形軸62から前方への送り出される。
装置60に供給される第一条帯66、第二条帯68及び第三条帯70のそれぞれの数が、2以上であってもよい。すなわち、これらの条帯66、68、70が、2条又はそれ以上の条数(例えば3条)で螺旋状に捲回されて、可撓管18が形成されてもよい。
図5は、本発明の他の実施形態に係る可撓管72の一部が示された断面図である。この可撓管72は、図1に示された可撓管18と同様、内層74、シール層76及び外層78を備えている。内層74は、第一条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。この内層74は、多数の第一要素80を含んでいる。これらの第一要素80は、可撓管72に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。シール層76は、第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。このシール層76は、多数の第二要素82を含んでいる。これらの第二要素82は、可撓管72に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。第二要素82のピッチは、第一要素80のピッチと同一である。外層78は、第三条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。この外層78は、多数の第三要素84を含んでいる。これらの第三要素84は、可撓管72に応力がかかっていない状態において、所定ピッチで連続している。第三要素84のピッチは、第一要素80のピッチと同一である。
第一要素80は、主部86及び収縮規制部88を有している。主部86の断面形状は、略S字状である。第一要素80は、隣接する第一要素80と係合している。第一要素80同士のピッチは、変動しうる。第二要素82は、第一要素80と、この第一要素80に隣接する他の第一要素80とにまたがっている。第二要素82は、これらの第一要素80に接合されている。第三要素84の後側縁90の近傍は、第二要素82に接合されている。第三要素84の前側縁92の近傍は、第二要素82に接合されていない。前側縁92の近傍は、第二要素82に対して擦動可能である。この可撓管72の構成のうち、図1に示された可撓管18の構成と同様の部分については、説明が省略される。
第三要素84の内周面には、リブ94が形成されている。可撓管72が収縮するとき、このリブ94は、第二要素82の内側への湾曲を促す。第三要素84の内周面に、凹部が形成されてもよい。第三要素84の外周面は、外側に向けてテーパーである。この外周面は、可撓管72の滑り性に寄与する。この可撓管72は、施工性に優れる。
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る可撓管96の一部が示された断面図である。この可撓管96は、図1に示された可撓管18と同様、内層98、シール層100及び外層102を備えている。この可撓管96の構成のうち、図1に示された可撓管18の構成と同様の部分については、説明が省略される。内層98及び外層102は、一体的である。内層98及び外層102は、1つの条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。すなわち、本実施形態では、内層98を形成する第一条帯と、外層102を形成する第三条帯とが、一体的に押し出される。内層98は、多数の第一要素104を含んでいる。外層102は、多数の第三要素106を含んでいる。シール層100は、第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されている。このシール層100は、多数の第二要素108を含んでいる。
第一要素104の断面形状は、略S字状である。第一要素104は、隣接する第一要素104と係合している。第一要素104同士のピッチは、変動しうる。第二要素108は、第一要素104と、この第一要素104に隣接する他の第一要素104とにまたがっている。第二要素108は、これらの第一要素104に接合されている。第三要素106の後側縁110の近傍は、第一要素104と接続(接合)されている。後側縁110の近傍は、第二要素108に接合されてもよく、接合されなくてもよい。第三要素106の前側縁112の近傍は、第二要素108に接合されていない。前側縁112の近傍は、第二要素108に対して擦動可能である。
図7には、押し出された直後の条帯114が示されている。この条帯114は、主部116、連結部118及び起立部120を有している。この可撓管96の製造では、装置(図4参照)に条帯114が供給される。この条帯114の主部116が、成形軸の上に螺旋状に捲回される。さらに、第二条帯が螺旋状に捲回される。その後、連結部118が変形させられる。この変形により、図7において矢印Aで示されるように、起立部120が倒れる。この起立部120は、外層102の第三要素106を形成する。この方法により、簡便に可撓管96が製造されうる。
本発明に係る可撓管は、排水管、送風管、シース管等としても用いられ得る。
18、72、96・・・可撓管
20、74、98・・・内層
22、76、100・・・シール層
24、78、102・・・外層
26、80、104・・・第一要素
28、82、108・・・第二要素
30、84、106・・・第三要素
32、86・・・主部
34、88・・・収縮規制部
36・・・前側係止部
44・・・後側係止部
62・・・成形軸
66・・・第一条帯
68・・・第二条帯
70・・・第三条帯
114・・・条帯

Claims (7)

  1. (1)その材質が硬質な樹脂組成物である第一条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第一要素を含む内層、
    (2)その材質が軟質な樹脂組成物である第二条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第二要素を含むシール層、
    及び
    (3)その材質が硬質な樹脂組成物である第三条帯が螺旋状に捲回されることで形成されており、所定ピッチで連続する多数の第三要素を含む外層
    を備えており、
    それぞれの第一要素が、隣接する他の第一要素と係合するように、上記第一条帯が捲回されており、
    上記第二要素が上記第一要素及びこの第一要素に隣接する他の第一要素にまたがっており、かつこの第二要素の両側縁の近傍においてこの第二要素の内周面がこれらの第一要素とそれぞれ接合されており、
    上記第三要素が上記第二要素の外側に位置しており、
    上記第三要素が、第一側縁及び第二側縁を備えており、
    上記第一側縁の近傍において、上記第三要素が上記第一要素又は上記第二要素に接合されており、
    上記第二側縁の近傍において、上記第三要素が上記第一要素及び上記第二要素に接合されていない水密性可撓管。
  2. 上記第二要素のうち上記第一要素と接合された部分に、上記第三要素の内周面が密接している請求項1に記載の可撓管。
  3. それぞれの第一要素が、主部を有しており、
    上記主部の断面形状が、前側係止部及び後側係止部を含む略S字状であり、
    伸張時において、上記主部の上記前側係止部がこの主部と隣接する主部の後側係止部と当接することにより、さらなる伸張が規制される請求項1又は2に記載の可撓管。
  4. それぞれの第一要素が、上記主部と一体とされかつ軸方向において上記主部と並ぶ収縮規制部をさらに備えており、
    収縮時において、上記収縮規制部がこの収縮規制部と一体である主部と隣接する主部と当接することにより、さらなる収縮が規制される請求項3に記載の可撓管。
  5. 収縮時において、上記第三要素がこの第三要素と隣接する他の第三要素と当接することにより、さらなる収縮が規制される請求項1から4のいずれかに記載の可撓管。
  6. 上記第二要素が上記第一要素と溶着されている請求項1から5のいずれかに記載の可撓管。
  7. 上記第一側縁の近傍において、上記第三要素が上記第一要素又は上記第二要素に溶着されている請求項1から6のいずれかに記載の可撓管。
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