JP6271374B2 - 合成樹脂製ホース - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製のホースに関する。特に、急な曲げ部が生じにくいようにホースの可撓性が制限された合成樹脂製ホースに関するものである。
合成樹脂製のホースとしては、電線や電力ケーブル、光ファイバーケーブルなどの保護管として地中に埋設される合成樹脂製の地中埋設用可撓性管として使用されるものがある。旧来、この種の地中埋設用保護管としては、管体壁面に凹凸部が蛇腹状に形成された可撓性に優れた波形硬質プラスチック管が知られていたが、この凹凸部にケーブルが接触して損傷したり、波形硬質プラスチック管が極端に屈曲配管された際に、その内部に挿通したケーブルに過度の曲げ応力がかかったりする問題があった。そこで、屈曲配管施工が可能な適度の可撓性を有するが、極端に屈曲することが抑制されたような地中埋設用ホースが提案されている。
例えば、特許文献1には、図4に示したように、硬質合成樹脂製の硬質条帯91を螺旋状に捲回して形成した外層と、この外層の内周面に被着した軟質合成樹脂製の内層92とで管を構成し、前記外層を、略直線状の底壁部911と、その一側縁に底壁部から立設した上向き側縁部912と、底壁部から他側縁に向かって順次連設された立上がり部913、上壁部914および下向き側縁部915とからなる断面略S字形の硬質条帯91を螺旋状に捲回し、隣接する側縁において上向き側縁部912と下向き側縁部915を係合して連結することにより形成するとともに内層92に接着し、さらに前記内層92の内周面に、硬質合成樹脂製のテープを所定の間隔をあけて螺旋状に捲回して硬質螺旋部93として被着して地中埋設管を構成すると、管が極端に屈曲することが抑制できることが開示されている。
特開2003−65471号公報
上記特許文献に記載の地中埋設管においては、主に、軟質内層92の外側に接着一体化された断面略S字形の硬質条帯91によって管の形状が維持されている。上記ホースを地中に埋設すると、工事器具との接触や土圧により、ホースがつぶれることがあり、ホースの耐つぶれ性をより向上させることが求められている。
しかしながら、ホースの外径や内径にはおのずと制限があるため、硬質条帯91の断面形状を調節してホースの耐つぶれ性を向上させるには限界があった。
本発明の目的は、耐つぶれ性に優れるとともに、可撓性が抑制された合成樹脂製ホースを提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、ホース壁の外側に位置する補強体アウター部とホース壁の内側に位置する補強体インナー部を互いに接続し一体化すると、ホースの耐つぶれ性を大きく改善できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、らせん状に捲回された合成樹脂製の補強体と、補強体の間にらせん状に配置されると共に補強体に一体化された合成樹脂製のホース壁条帯とを有する合成樹脂製ホースであって、ホース壁条帯を構成する合成樹脂は補強体を構成する合成樹脂よりも軟質で可撓性に富む合成樹脂であり、補強体は、ホース壁条帯よりも半径方向外側に位置する補強体アウター部と、ホース壁条帯よりも半径方向内側に位置する補強体インナー部と、補強体アウター部と補強体インナー部とを接続する補強体接続部とを有し、補強体アウター部は、略直線状の底壁部と、その一側縁に底壁部から立設した上向き側縁部と、底壁部から他側縁に向かって順次連設された立上がり部、上壁部および下向き側縁部とで構成される略S字形状を含む断面を有するよう合成樹脂が押出成形されたS字状条帯をらせん状に捲回し、捲回されたS字状条帯の隣接する側縁において上向き側縁部と下向き側縁部とが係合するように形成されており、補強体インナー部は、合成樹脂製の条帯がホースの軸方向に所定の間隔を有するようにらせん状に捲回されて形成されており、補強体アウター部の底壁部と、補強体インナー部とは、ホースの軸線方向の位置が互いに同じとなるように配置されると共に、両者がホースの半径方向に所定の距離を隔てて配置されるよう、補強体接続部によって一体に接続されており、ホース壁条帯は、その両側縁部が、補強体アウター部の底壁部と補強体インナー部との間に挟まれるように配置されて、少なくともその一方もしくはその両方と接合一体化されている合成樹脂製ホースである(第1発明)。
本発明において、補強体アウター部を構成するS字状条帯には、略S字状形状断面の部分以外の部分、例えば、リブなどが設けられていてもよい。
本発明においては、補強体を構成する樹脂が硬質塩化ビニル樹脂であり、ホース壁条帯を構成する樹脂が軟質塩化ビニル樹脂であり、両者が溶着により接合一体化されていることが好ましい(第2発明)。
本発明の合成樹脂性ホース(第1発明)によれば、耐つぶれ性に優れるとともに、可撓性が抑制された合成樹脂製ホースが得られる。さらに、第2発明のように、塩化ビニル樹脂を用いて溶着を利用して第1発明の合成樹脂性ホースとすれば、ホースが効率的に製造されうる。
本発明の合成樹脂製ホースの構造を示す一部断面図である。 本発明の合成樹脂製ホースの管壁の構造を示す断面図である。 本発明の合成樹脂製ホースの補強体が、分割された形態で押出成形される際の形状を示す断面図である。 従来の合成樹脂製ホースの管壁の構造例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に示す本発明に係る合成樹脂製ホース1は、例えば地中埋設用ホースとして使用される合成樹脂製ホースである。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1に示すように、合成樹脂製ホース1は、硬質合成樹脂(例えば硬質塩化ビニル樹脂等)製のらせん状の補強体2と、この補強体2の間にらせん状に配置された軟質合成樹脂(例えば軟質塩化ビニル樹脂等)製のホース壁条帯3とによって構成されている。補強体2は所定の断面形状を有するひも状の樹脂部材がらせん状に捲回されて形成されている。ホース壁条帯3は所定の厚みと幅の平板状の(長方形状断面の)テープ状の樹脂製条帯が、らせん状に形成された補強体2の間にらせん状に配置されたものであり、ホース壁条帯3の両側縁部は、補強体2に一体化されている。
補強体2はホースの筒状の形状を維持する。補強体2はらせん状なので、ホース1の伸縮や曲げを許容する。ホース壁条帯3は補強体2に比べ、比較的軟質で可撓性に富む合成樹脂により構成されている。ホース壁条帯3は、伸縮可能であり、ホース壁条帯3がホース軸方向に伸縮することによって、合成樹脂性ホース1の伸縮・曲げが生ずる。
図2には、合成樹脂製ホース1の管壁部分の詳細な断面構造を示す。図2では下側をホース中心軸側として示す。補強体2は、補強体アウター部21と補強体インナー部22と補強体接続部23とを有する。補強体2が他の部分を有していても良い。補強体アウター部21はホース壁条帯3よりも半径方向外側に位置する補強体2の部分である。補強体インナー部22はホース壁条帯3よりも半径方向内側に位置する補強体2の部分である。補強体アウター部21と補強体インナー部22とは補強体接続部23によって接続されている。補強体接続部23はホースの半径方向でホース壁条帯3と同じ位置に位置している。
補強体アウター部21は、S字状条帯をらせん状に捲回した形状に形成されている。ここでS字状条帯とは、略S字形状を含む断面を有するように、合成樹脂が押出成形された、ひも状の合成樹脂条帯である。ここで、略S字状の断面とは、ホースの中心軸と略平行に設けられた略直線状の底壁部211と、この底壁部211から管の外周方向に向けて立設されて補強体アウター部21の一側縁を形成する上向き側縁部212と、底壁部211から補強体アウター部21の他側縁に向かって順次連設された立上がり部213、上壁部214および下向き側縁部215とで構成される略S字状断面のことである。本実施形態では、底壁部211と上壁部214は、ホース軸に沿う方向に延在するように設けられ、上向き側縁部212と立上がり部213、下向き側縁部215は、ホースの半径方向に延在するように設けられている。
S字状条帯がらせん状に捲回されて補強体アウター部21の形状を形作る際には、らせん状に捲回されたS字状条帯の隣接する側縁同士における上向き側縁部212と下向き側縁部215が互いにオーバーラップして係合することにより連結一体化されている。すなわち、S字状条帯が側縁部同士でかみ合うようにらせん状に捲回された形状に、補強体アウター部21は形成されている。ここで、補強体アウター部21の隣接する側縁同士は互いに非接着状態とされ、ホース軸方向に互いに動くことが許容されている。このような構成の補強体アウター部21では、上向き側縁部212と下向き側縁部215が互いに係合することによって、立上り部213と上向き側縁部212と下向き側縁部215が互いに協働して互いのホース軸方向への変位を規制し合い、補強体アウター部21は制限された伸縮性・可撓性を持つ管状になっている。
補強体インナー部22は、本実施形態においては、扁平な長方形状の断面を有する平坦なテープ状の合成樹脂製の条帯が、ホースの軸方向に所定の間隔(隙間)を有するようにらせん状に捲回されて形成されている。補強体インナー部22は、ホースの内面に螺旋状に露出している。補強体インナー部22の具体的断面形状は、他の形状、例えば、中空の四角形断面やかまぼこ状の断面であっても良い。ホースの内径を小さくすること無くホースの耐つぶれ性を向上させる観点からは、補強体インナー部22は、ホース軸線方向に沿った扁平な断面を有することが好ましい。
補強体アウター部21の底壁部211と、補強体インナー部22とは、ホースの軸線方向の位置が互いに同じとなるように配置されている。また、本実施形態では、底壁部211と、補強体インナー部22とは、ほぼ同じ長さに形成されている。両者の長さは異なっていても良い。補強体アウター部21の底壁部211と、補強体インナー部22とは、ホースの半径方向に所定の距離を隔てて略平行に配置されていて、両者の間にホース壁条帯3の側縁部が挟み込まれている。
補強体アウター部21と補強体インナー部22とを接続一体化する補強体接続部23は、ホース軸方向で、補強体インナー部22のほぼ中央部に配置されている。補強体接続部23が配置される位置は、補強体インナー部22の中心からホース軸方向にオフセットした位置であっても良い。補強体アウター部21と補強体インナー部22と補強体接続部23は、同じ合成樹脂で構成されていても良いが、これらを別々の合成樹脂で構成しても良い。本実施形態においては、これらをすべて、硬質塩化ビニル樹脂により形成して補強体2を構成している。
ホース壁条帯3は合成樹脂により所定の厚みと幅の平板状に形成された軟質樹脂製条帯が、補強体2の間にらせん状に配置されたものであり、ホース壁条帯3の両側縁部が補強体2に接合一体化されることによりホースの管としての形態が形成されている。本実施形態では、ホース壁条帯3は軟質塩化ビニル樹脂により形成されており、その両側縁部は、補強体アウター部21の底壁部211と、補強体インナー部22の間に挟みこまれた状態で補強体2に接合一体化されている。
補強体2とホース壁条帯3の接合一体化は、本実施形態においては、ホース壁条帯3の両側縁部が、補強体アウター部の底壁部211と補強体インナー部材22の両方に溶着されることによりなされている。ホース壁条帯3は、補強体アウター部の底壁部211と補強体インナー部材22の少なくとも一方に接合されていれば良いが、両方に接合されることがより好ましい。また、接合は、溶着によりなされても良いが、接着剤による接着などの手段により接合されても良い。
補強体アウター部の底壁部211と補強体インナー部材22は、ホース軸方向に隙間を有するようならせん状に捲回形成されており、この隙間の部分では、ホース壁条帯3は他の部材に接合されていない。ホース壁条帯3のこの部分が伸縮することにより、合成樹脂製ホース1の伸縮・曲げが生ずる。したがって、補強体アウター部の底壁部211や補強体インナー部材22のホース軸方向の幅W1や、隙間の幅W2を広くしたり狭くしたりして、合成樹脂製ホース1の可撓性を調整することができる。
以上の構成を有する合成樹脂製ホース1は、制限された伸縮性可撓性を持つとともに、管壁が水密性を有しており、地中に埋設された際にホースの内部に水が浸入してくるのを防止する。
補強体2を構成する硬質合成樹脂材料としては、比較的硬質の、例えば、デュロA硬度で90度以上の、合成樹脂材料が使用でき、例えば、ポリプロピレン樹脂や高密度ポリエチレン樹脂やポリアミド樹脂や硬質塩化ビニル樹脂などの硬質熱可塑性樹脂が好ましく使用できる。
ホース壁条帯3を構成する軟質合成樹脂材料としては、比較的軟質の、例えばデュロA硬度で45度から85度の間の、合成樹脂材料が使用でき、例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)や、軟質塩化ビニル樹脂(PVC)や低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、熱可塑性ウレタン系エラストマー(TPU)などの熱可塑性の軟質樹脂材料が好ましく使用できる。
ホース壁条帯3と補強体2を構成する樹脂材料は互いに接着可能であるもの、特に、互いに溶着可能な材料となるように選択する。また、ホースの可撓性と耐つぶれ性を両立する観点から、両者のデュロA硬度の差は10以上、より好ましくは15以上であることが好ましい。
上記合成樹脂製ホース1の製造方法について説明する。合成樹脂製ホース1は、ホース成形軸にホースの原材料を供給してらせん状に捲回一体化する、いわゆるスパイラル成形法により製造することができる。
補強体2は、図3に示された断面形状を有する2つの樹脂条帯2a、2bを一体化することにより得られる。第1の樹脂条帯2aは、補強体インナー部22と補強体接続部23とが形成されるような逆T字状の断面を有しており、第2の樹脂条帯2bは補強体アウター部21が形成されるよう略S字状断面を有している。これら樹脂条帯2a、2bとともに、ホース壁条帯3となるべき樹脂条帯をホース成形軸に供給して、合成樹脂製ホース1が形成される。
第1の樹脂条帯2aの断面を有するように、硬質合成樹脂を押出機から半溶融状態で押出して、公知のホース成形軸に供給し、らせん状に捲回する。引き続き、ホース壁条帯3となるべき軟質合成樹脂を別の押出機から所定の形状に押出して、先行して捲回された樹脂条帯2aの間にまたがるように、らせん状に捲回する。さらに、第2の樹脂条帯2bのS字状断面を有するように、硬質合成樹脂を押出機から半溶融状態で押出して、ホース成形軸に供給し、先行して捲回されたホース壁条帯3の外周にらせん状に捲回する。この時、樹脂条帯2bの外表面側を冷却してホース断面形状を固定化しつつ、上向き側縁部212と下向き側縁部215とを互いに係合させるように螺旋状に捲回して、隣接する樹脂条帯2bの側縁部同士が接着・融着しないようにする。また、樹脂条帯2bと樹脂条帯2aのホース軸方向位置を調整して、形成される補強体アウター部の底壁部211と、補強体インナー部22とが、ホースの軸線方向の位置が互いに同じとなるように配置する。そして、第1の樹脂条帯2aと第2の樹脂条帯2bとが、補強体接続部23となる部分により互いに溶着し、一体に接続されて、補強体2となるようにする。
各条帯2a,3,2bが所定の位置でらせん状に捲回されると、これら条帯は互いに溶着して一体化され、条帯2a,2bにより補強体2が形成されて、合成樹脂製ホース1が、ホース成形軸上で不定長のホースとして連続的に製造される。補強体を条帯2a,2bに分割する形態は、他の分割形態であっても良い。また、分割の数は、本実施形態のように2つであってもよいが、3つ、又はそれ以上であっても良い。また、これら条帯を溶着でなく、接着により接合一体化する場合には、ホース成形軸に捲回する段階で、適宜接着剤の塗布を行うようにすれば良い。
本発明の合成樹脂製ホースの作用効果を説明する。
本発明の合成樹脂製ホース1は、係合するよう捲回されたS字状断面の補強体アウター部21が、ホースの伸縮性や可撓性を制限する働きを行い、合成樹脂製ホース1の可撓性が適度に制限される。そのため、地中に埋設する際、配管途中に存在する障害物等のため直線上に埋設することができないとき、これを迂回して屈曲配管することができるとともに、合成樹脂製ホース1が局所的に屈曲してしまうことが防止され、ケーブルの引き入れや引き抜きの作業が容易であるとともに、挿通させたケ一ブルを傷付けるような虞がない。
そして、本発明の合成樹脂製ホース1は、ホースの耐つぶれ性に優れる。発明者らは入念な検討を行い、ホースの耐つぶれ性の評価は、ホース補強体の断面のホース軸と平行な軸線周りの断面2次モーメントの大小を評価することにより評価できることを突きとめた。
ここで、図4に示したような、従来の構造の合成樹脂製ホースの場合には、ホース壁92の外側の硬質条帯91と、ホース壁92の内側の硬質螺旋部93とが、軟質のホース壁を介して接続されているため、それぞれが独立して曲げ変形を受けるようになる。すると、耐つぶれ性の評価を決定する断面2次モーメントは、実質的にはそれぞれの補強体(硬質条帯91及び硬質螺旋部93)の断面2次モーメントの和にしかならない。そのため、平板状の硬質螺旋部93は、ほとんど耐つぶれ性の特性向上に貢献できなかった。特に硬質条帯91や硬質螺旋部93を構成する硬質樹脂と、ホース壁92を構成する軟質樹脂の硬度の差がデュロAで10を超えると、その傾向が顕著なものとなっていた。
本発明の合成樹脂製ホース1においては、硬質な樹脂により構成される補強体アウター部21の底壁部211と、補強体インナー部22とは、補強体接続部23によって一体に接続されている。そのため、ホースがつぶれるような変形をする際には、補強体アウター部21や補強体インナー部22が個別に曲げ変形するのではなく、補強体2全体が一体となって曲げ変形するようになるため、補強体2全体の断面形状で曲げの断面2次モーメントが評価されることになり、断面2次モーメントが大きく増加する。特に、補強体インナー部22の部分も、補強体2全体の断面の図心からは半径方向にオフセットして位置するため、この部分も断面2次モーメントの向上に大きく貢献できる。
すなわち、本発明では、略S字状の補強体アウター部21と補強体インナー部22とが、補強体接続部23により接続されて、1つの連続した補強体とされているため、略S字状形状の部分により断面全体の高さを効果的に稼ぐことができ、それによって補強体インナー部22の断面2次モーメントへの寄与が大きくなるという相乗効果が得られる。このように、本発明によれば、ホースの耐つぶれ性が向上できる。
そして、本発明では、ホース壁条帯3を構成する軟質樹脂の硬度を低下させても、ホースの耐つぶれ性が損なわれにくい。したがって、補強体2を構成する硬質樹脂と、ホース壁条帯3を構成する軟質樹脂の硬度の差がデュロAで10を超えるような場合であっても、効果的にホースの耐つぶれ性を向上できる。
ホースの内径や外径の制限の中でホースの耐つぶれ性を高める観点からは、補強体アウター部21の上壁部214が合成樹脂製ホース1の最外周となるようにホース軸と略平行に設けられていることが好ましい。また、補強体インナー部22は、同様の観点から、合成樹脂製ホース1の最内周となるようにホース軸と略平行に設けられていることが好ましい。このようにされていると、ホースの占めるスペースを最小化しながら、ホースの耐つぶれ性を効果的に向上できる。
また、補強体2を構成する樹脂が硬質塩化ビニル樹脂であり、ホース壁条帯3を構成する樹脂が軟質塩化ビニル樹脂であり、両者が溶着により接合一体化されていると、そのようなホースを、塩化ビニル樹脂の半溶融状態での押し出しとスパイラル成形工程での溶着一体化によって、効率的に製造することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。例えば、ホースの用途はケーブル保護用の地中埋設管に限定されるものではなく、下水や排水を流すための配管や、その他の用途にも使用できる。
また、補強体アウター部や補強体インナー部の断面形状は、半径方向に突設する補強リブやホース軸方向に突出するスペーサを設けるなど、適宜変更することもできる。
また、本発明の合成樹脂製ホースは、さらに他の層、例えば、断熱層や外部保護層などを備えるものであっても良い。
本発明の合成樹脂製ホースは、光ファーバーケーブルなどを挿通して保護するための地中埋設管として好適に使用することができ、その製造も簡単に行うことができ、産業上の利用価値が高い。
1 合成樹脂製ホース
2 補強体
21 補強体アウター部
211 底壁部
212 上向き側縁部
213 立ち上がり部
214 上壁部
215 下向き側縁部
22 補強体インナー部
23 補強体接続部
3 ホース壁条帯

Claims (2)

  1. らせん状に捲回された合成樹脂製の補強体と、補強体の間にらせん状に配置されると共に補強体に一体化された合成樹脂製のホース壁条帯とを有する合成樹脂製ホースであって、
    ホース壁条帯を構成する合成樹脂は補強体を構成する合成樹脂よりも軟質で可撓性に富む合成樹脂であり、
    補強体は、ホース壁条帯よりも半径方向外側に位置する補強体アウター部と、ホース壁条帯よりも半径方向内側に位置する補強体インナー部と、補強体アウター部と補強体インナー部とを接続する補強体接続部とを有し、
    補強体アウター部は、略直線状の底壁部と、その一側縁に底壁部から立設した上向き側縁部と、底壁部から他側縁に向かって順次連設された立上がり部、上壁部および下向き側縁部とで構成される略S字形状を含む断面を有するよう合成樹脂が押出成形されたS字状条帯をらせん状に捲回し、捲回されたS字状条帯の隣接する側縁において上向き側縁部と下向き側縁部とが係合するように形成されており、
    補強体インナー部は、合成樹脂製の条帯がホースの軸方向に所定の間隔を有するようにらせん状に捲回されて形成されており、
    補強体アウター部の底壁部と、補強体インナー部とは、ホースの軸線方向の位置が互いに同じとなるように配置されると共に、両者がホースの半径方向に所定の距離を隔てて配置されるよう、補強体接続部によって一体に接続されており、
    ホース壁条帯は、その両側縁部が、補強体アウター部の底壁部と補強体インナー部との間に挟まれるように配置されて、少なくともその一方もしくはその両方と接合一体化されている合成樹脂製ホース。
  2. 補強体を構成する樹脂が硬質塩化ビニル樹脂であり、ホース壁条帯を構成する樹脂が軟質塩化ビニル樹脂であり、両者が溶着により接合一体化されている請求項1に記載の合成樹脂製ホース。
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