JP5973613B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚化粧料に関する。
化粧料組成物には、紫外線防護効果や皮膚の美的外観を得る観点から、粉体を配合することが行われている。
例えば、特許文献1には、表面を処理されていても良い、金属酸化物複合物を水相に分散させていることを特徴とする乳化剤形の皮膚外用剤が、演色性や化粧映えの良さを発現することが開示されている。
また、近年の健康意識、特に乾燥肌意識の高まりを受けて、上記目的に加え、保湿効果の高い化粧料組成物が望まれている。
高い保湿効果を発現するスキンケア製剤としては、層状α−ゲルを利用した化粧料組成物に期待が寄せられている(例えば、非特許文献1)。α−ゲルは、水和型の結晶構造であり、ラメラ構造を有する。皮膚最外層の角層に存在する角層細胞間脂質も、その大半がこのラメラ構造をとっており、皮膚に対して、外部からの物質の侵入、内部からの水分蒸散を抑制すると同時に、そのもの自身が水分を保持することで、皮膚の柔軟性やなめらかな外観を保つ機能を有している。
例えば、特許文献2には、特定の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、両親媒性脂質、2価又は3価のアルコール、粉体、水を含有する化粧料組成物が、α−ゲル構造を有し、さらさら感を得ることが開示されている。
また、特許文献3には、ラメラ液晶構造及び/又はリポソームを骨格とし、前記ラメラ液晶構造に顔料及び粉体のうち少なくとも一方を取り込ませ、前記リポソームの水相部に水溶性の有効成分を取り込ませたことを特徴とする化粧料が、皮膚へのバリヤー効果に優れていることが開示されている。
特開2010−150164号公報 特開2006−36763号公報 特開2006−56851号公報
J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn. 46(1) 25-32 (2012)
しかしながら、特許文献2に記載の化粧料組成物は、塗布中にα−ゲル構造が壊れるものである。また、特許文献3に記載の化粧料では、ラメラ液晶構造に粉体が取り込まれているものの、保湿効果の持続、また粉体による効果の持続については明らかではない。
本発明は、皮膚に塗布した際、皮膚表面に均一で柔軟なラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成し、低湿度環境下において、皮膚の水分蒸散に対して高い水分閉塞性、すなわち高い保湿性が得られ、塗布時にべたつきがなく、粉体が均一に分散されているために、粉体の効果が有効に発揮され、かつ塗布後の摩擦に対して塗膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続する皮膚化粧料に関する。
本発明は、以下の効果を有する化粧料に関するものである。すなわち、塗布時にはべたつきがなく、皮膚に塗布した後は、皮膚表面にラメラ状のα−ゲル構造の皮膜(塗膜)を形成し、また、低湿度環境下において、皮膚の水分蒸散に対して高い水分閉塞性、すなわち高い保湿性が得られる。さらに、粉体が塗膜内に均一に分散されているために、粉体の効果が有効に発揮され、かつ塗布後の摩擦に対して塗膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続して発揮されるものである。
本発明者らは、特定の飽和脂肪酸、飽和アルコール、有機塩基、無機塩基、粉体及び水を、特定の割合で組み合わせることにより、塗布時にはべたつきがなく、皮膚に塗布した後は、皮膚表面にラメラ状のα−ゲル構造の皮膜(塗膜)を形成し、また、低湿度環境下において、皮膚の水分蒸散に対して高い水分閉塞性、すなわち高い保湿性が得られ、また、粉体が塗膜内に均一に分散されているために、粉体の効果が有効に発揮され、かつ塗布後の摩擦に対して被膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続して発揮される皮膚化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)粉体 0.05〜9質量%、
(F)水
を含有し、
成分(D)は、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものであり、
成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料に関する。
本発明の皮膚化粧料は、塗布時にはべたつきがなく、皮膚に塗布した後は、皮膚表面にラメラ状のα−ゲル構造の被膜(塗膜)を形成し、また、低湿度環境下において、皮膚の水分蒸散に対して高い水分閉塞性、すなわち高い保湿性が得られ、また、粉体が塗膜内に均一に分散されているために、粉体の効果が有効に発揮され、かつ塗布後の摩擦に対して被膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続して発揮されるものである。
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸:
本発明で用いられる成分(A)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和脂肪酸が好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和脂肪酸がより好ましく、パルミチン酸又はステアリン酸が、化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から更に好ましい。さらには、ラメラ状のα−ゲル構造体の安定性の観点から、ステアリン酸がより好ましい。
成分(A)は、少なくとも前記の炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、後述の成分(B)及び(C)で中和することにより、化粧料中にラメラ状のα−ゲル構造を形成することができる。従って、成分(A)は、化粧料中では、脂肪酸又はその塩として存在するが、本発明においては、成分(A)の含有量は、脂肪酸に換算した量である。
成分(A)の含有量は、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成する観点から、全組成中に0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、6質量%以下であり、4質量%以下が好ましく、3.8質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.5〜6質量%であり、1.0〜4質量%が好ましく、1.5〜3.8質量%がより好ましい。
(B)有機塩基:
本発明で用いられる成分(B)は、有機塩基であり、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルアミン、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン、塩基性アミノ酸が挙げられる。成分(B)は、成分(A)の中和剤として機能する。
具体的には、アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等が挙げられ、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アミノメチルプロパノールから選ばれる少なくともいずれか1種が好ましく、アミノメチルプロパノールがより好ましい。
塩基性アミノ酸としては、リジン、ヒスチジン、アルギニン等が挙げられ、アルギニンが好ましい。アルギニンの中では、L−アルギニンが好ましい。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成する観点、及び保湿性を高める観点から、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸が好ましく、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更に好ましく、アミノメチルプロパノール又はアルギニンが更により好ましく、アルギニンがより好ましい。アルギニンの中では、L−アルギニンが好ましい。
成分(B)は、少なくとも前記の有機塩基から選ばれる1種又は2種以上用いることができ、皮膚化粧料の塗布膜のα−ゲル構造の安定性を高める観点、及び保湿性を高める観点から、成分(A)に対して、成分(B)のモル比が10モル%以上であるのが好ましく、30モル%以上がより好ましく、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
また、成分(B)の含有量は、皮膚化粧料の塗布膜のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.010質量%以上であり、0.02質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、5質量%以下であり、2質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.010〜5質量%であり、0.02〜2質量%が好ましく、0.05質量%〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.4質量%が更に好ましい。
なお、成分(B)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(B)の含有量は、有機塩基に換算した量である。
(C)無機塩基:
本発明で用いられる成分(C)は、無機塩基であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。成分(C)は、成分(A)の中和剤として機能する。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成する観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
成分(C)は、少なくとも前記の無機塩基から選ばれる1種又は2種以上用いることができ、皮膚化粧料のラメラ状のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、成分(A)に対して、成分(C)のモル比が10モル%以上であるのが好ましく、30モル%以上がより好ましく、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
また、成分(C)の含有量は、皮膚化粧料のラメラ状のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.010質量%以上であり、0.04質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、1質量%以下であり、0.3質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.010〜1質量%であり、0.04〜0.3質量%が好ましく、0.08〜0.25質量%がより好ましい。
なお、成分(C)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(C)の含有量は、無機塩基に換算した量である。
本発明において、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}は、水分閉塞性に優れたラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から、5以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、75以下が好ましく、70以下がより好ましく、65以下が更に好ましい。また、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}は、5〜75が好ましく、8〜70がより好ましく、10〜65が更に好ましい。
また、成分(A)に対する、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}は、中和度を表し、水分閉塞性に優れたラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上が更に好ましく、110以下が好ましく、100以下がより好ましく、90以下が更に好ましい。成分(A)に対する、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}は、[(B)+(C)]/(A)=10〜110が好ましく、20〜100がより好ましく、30〜90が更に好ましい。
成分(B)と成分(C)の組み合わせは、同様の観点から、成分(B)がアミノメチルプロパノール又はアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであるのが好ましく、成分(B)がアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウムであるのがより好ましい。
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール:
本発明で用いられる成分(D)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールであり、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールが好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましく、成分(A)が形成する化粧料中のラメラ状のα−ゲル構造を安定化する観点から、セチルアルコール又はステアリルアルコールが更に好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含むことが更により好ましい。セチルアルコールとステアリルアルコールとを含む場合、それぞれ独立に、あるいは混合して配合してもよいし、更にはその混合物であるセトステアリルアルコールを配合してもよい。
また、本発明で用いられる成分(D)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールであり、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものである。少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むとは、例えば、成分(D)が、炭素数14の直鎖状飽和アルコールと、炭素数16の直鎖状飽和アルコールとを含む場合を包含する概念である。炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールが好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましく、炭素数16〜20の直鎖状飽和アルコールがさらに好ましく、成分(A)が形成する化粧料中のラメラ状のα−ゲル構造を安定化する観点から、セチルアルコール又はステアリルアルコールを含むことが更に好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含むことが更により好ましい。セチルアルコールとステアリルアルコールとを含む場合、それぞれ独立に、あるいは混合して配合してもよいし、更にはその混合物であるセトステアリルアルコールを配合してもよい。
成分(D)は、少なくとも前記の炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含み、炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールから選ばれる1種又は2種以上用いることができ、含有量は、化粧料中のラメラ状のα−ゲル構造を安定化する観点から、全組成中に0.5質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、1.3質量%以上がより好ましく、6質量%以下であり、5.5質量%以下が好ましく、5.2質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.5〜6質量%であり、1〜5.5質量%が好ましく、1.3〜5.2質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)は、肌上に均一なαゲル塗膜を作る観点から、全組成中に1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、また、化粧料組成物の塗布時のべたつきを抑制する観点から、12質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)は、全組成中に1〜12質量%が好ましく、2〜9.5質量%がより好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比{(A)/[(A)+(D)]}は、化粧料組成物にラメラ状のα−ゲル構造を形成させるとともに、保湿性を高める観点から、0.2以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、0.27以上が更に好ましく、0.30以上が更により好ましく、0.7以下が好ましく、0.65以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましく、0.55以下が更により好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比(A)/[(A)+(D)]は、0.2〜0.7が好ましく、0.25〜0.65がより好ましく、0.27〜0.60が更に好ましく、0.3〜0.55が更により好ましい。
(E)粉体:
本発明で用いられる成分(E)は粉体であり、紫外線防護効果や皮膚の美的外観を得る観点等、目的に応じて使用される。成分(E)の粉体としては、化粧料に通常用いられるものであれば制限されず、無機粉体、有機粉体、繊維からなる粉体、デンプン等のいずれでも好適に用いられ、その形状は、球状、板状等いずれでも良い。粉体の内部構造にも制限はなく、多孔質、中空、無孔質等いずれのものも使用することができる。これらの粉体は、水、アルコール、油剤等には、溶解しないものである。
無機粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ(無水ケイ酸)、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、マンガンバイオレット、ガラスビーズ、ゼオライト、パール顔料(ベンガラ被覆雲母、酸化チタン被膜雲母等)、これらの複合体等が挙げられる。
有機粉体としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
繊維からなる粉体としては、シルク、ウール、セルロース等が挙げられ、デンプンとしては、米、コーン、馬鈴薯等が挙げられる。また、これらの粉体の複合体を使用することができる。
これら粉体の中では、肌色を明るくする、しみを隠すといった美的外観を得る観点から、酸化チタン、タルク、酸化鉄、シリカ、(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーが好ましく、酸化チタンがより好ましい。また、これらの無機粉体は、紫外線防護剤として用いることができる。
また、これら粉体の中では、紫外線防護効果を得る観点から、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンがより好ましい。紫外線防護効果を得る観点からは、後述の紫外線吸収剤とともに用いることが更に好ましい。
また、成分(E)の粉体は、皮膚化粧料の塗布時のべたつきを抑制し、粉体を塗膜に均一に分散させる観点から、その体積平均粒子径は、0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μmが更に好ましく、0.07μm以上が更により好ましく、0.1μm以上が特に好ましく、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、1μm以下が更により好ましく、0.5μm以下が特に好ましい。また、粉体の体積平均粒子径は、0.005〜10μmが好ましく、0.01〜5μmがより好ましく、0.05〜3μmが更に好ましく、0.07〜1μmがより更に好ましく、0.1〜0.5μmが更に好ましい。
本発明において、体積平均粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所社製、LA−920)を用いて、レーザー回折/散乱法で測定された体積基準粒度分布から算出されるメジアン径を意味する。
さらに、成分(E)の粉体は、上記観点に加え、紫外線防護効果を得る観点から、その体積平均粒子径は、0.005μm以上が好ましく、0.007μm以上がより好ましく、0.01μm以上が更に好ましく、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい。また、粉体の体積平均粒子径は、0.005〜0.2μmが好ましく、0.007〜0.1μmがより好ましく、0.01〜0.05が更に好ましい。
この体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)にて、100000倍率の条件で、画像中の300個の粒子の粒子径の最大短径を測定し、平均値を算出することにより得られる。ここで、最大短径とは、長径と直交する短径のうち、最大径を有する短径を意味する。
成分(E)の粉体は、その表面を親水化処理、疎水化処理したものを用いることができる。親水化処理としては、例えば、シリカ処理、アルミナ処理、シリカ−アルミナ処理、アミノ酸処理、ポリアクリル酸処理等で処理する方法が挙げられる。疎水化処理としては、例えば、粉体表面に油脂を吸着させたり、水酸基等の官能基を利用して、エステル化やエーテル化を起こさせ、粉体を親油的にする油脂処理方法;脂肪酸の亜鉛塩やマグネシウム塩やアルミ塩を用いた金属石鹸処理法;ジメチルシロキサン、トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシラン、メチル水素シロキサン等のシリコーン化合物を用いたシリコーン処理法;パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理する方法等が挙げられる。本発明の皮膚化粧料には、親水性部分と親油性部分が存在することから、親水化処理したものと疎水化処理したものをそれぞれ用いてもよい。
紫外線防護効果を得る観点からは、脂肪酸の亜鉛塩、脂肪酸のマグネシウム塩、脂肪酸のアルミニウム塩を用いた金属石鹸処理;ジメチルシロキサン、トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシラン、メチル水素シロキサン等のシリコーン化合物を用いたシリコーン処理;ステアロイルグルタミン酸Naを用いたアミノ酸処理が好ましい。
成分(E)は、少なくとも前記の粉体から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、その含有量は、粉体を塗膜に均一に分散させ肌色を効率的に明るくする観点から、全組成中に0.05質量%以上であり、0.08質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が更に好ましく、9質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.05〜9質量%であり、0.08〜5質量%が好ましく、0.1〜4質量%がより好ましく、0.4〜2質量%以下が更に好ましい。
さらに、成分(E)の含有量は、上記観点に加え、紫外線防護効果を得る観点から、全組成中に0.05質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上が更に好ましく、3質量%以上が更により好ましく、9質量%以下であり、7質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、4.5質量%以下がより更に好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.05〜9質量%であり、1〜7質量%が好ましく、1.5〜6質量%がより好ましく、2.5〜5質量%以下が更に好ましく、3〜4.5質量%以下がより更に好ましい。
本発明において、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}は、化粧料組成物を皮膚に塗布したときに、粉体の効果を有効に発現させる観点、及び、塗布後の摩擦に対して塗膜が取れにくく、粉体の効果を長時間持続させる観点から、0.01以上であり、0.05以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、5以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、1以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}は、0.01〜5であり、0.05〜4が好ましく、0.07〜3がより好ましく、0.1〜1が更に好ましい。
(F)水:
本発明で用いる成分(F)は、水であり、本発明の化粧料の溶剤となる。成分(F)は、各成分の残量となり、成分(A)〜(F)の組み合わせにより、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成することができる。
成分(F)の含有量は、べたつきがなく化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造体を形成する観点から、全組成中に50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、96質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に50〜98質量%が好ましく、60〜96質量%がより好ましい。
さらに、成分(F)の含有量は、べたつきがなく化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造体を形成する観点から、全組成中に50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に50〜98質量%が好ましく、60〜96質量%がより好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、成分(A)〜(F)を含有することによりα−ゲル構造体を形成する。この化粧料は、肌に塗布し、水分が蒸発することで、皮膚表面に化粧塗布膜を形成する。この塗布膜もα−ゲルを形成し、ラメラ構造を有する。ラメラ構造は肌の細胞間脂質と類似の構造であり、ラメラ層間に水分を保持することができる。また、水分閉塞性に優れた被膜であるため、皮膚からの水分蒸散を抑制する。そのために皮膚に水分を付与でき、高い保湿性を得ることができる。さらに、本発明の皮膚化粧料は、塗布時にべたつきがなく、粉体が塗布膜上に均一に分散されているために粉体の効果が有効に発揮される。さらに、塗布後の摩擦に対して塗布膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続するものであるが、これは、本発明の皮膚化粧料によって形成される塗膜が、従来の化粧料と比べて柔軟性が高いためと考えられる。
(G)非イオン性界面活性剤:
本発明においては、上記のようなラメラのα−ゲル構造を形成させやすく、塗布膜のα−ゲル構造の安定性を向上させる観点、また粉体の効果を有効に発揮させる観点から、非イオン性界面活性剤を含有することができる。
また、非イオン性界面活性剤は、本発明の皮膚化粧料を指で肌に塗布する際、肌と指との間で生じる摩擦により発生する細かい泡を抑制することができる。この結果、塗布した際、化粧料を肌に良くなじませることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール(2)モノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール(5)デシルペンタデシルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテル;ポリエチレングリコール(5)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油;プロピレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のモノグリセリンモノ脂肪酸エステル;グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジラウリン酸エステル等のモノグリセリンジ脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド;ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ジアルカノールアミドなどが挙げられる。
これら非イオン性界面活性剤のうち、塗布時の細かい泡の発生を抑制する観点から、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールエーテルがより好ましい。
成分(G)の非イオン性界面活性剤は、少なくとも前記の非イオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上用いることができ、粉体の効果を有効に発現させる観点から、少なくとも1種は、そのHLBが8〜19のものが好ましく、10〜16が更に好ましい。
HLB値は、親水性−親油性のバランス(Hydrophile ipophile Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田及び寺村らによる次式により算出した値を用いている。
Figure 0005973613
成分(G)の非イオン性界面活性剤としては、ステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルの混合物であるセテアレス−20を配合することがより好ましい。
成分(G)の非イオン性界面活性剤の含有量は、保湿性を向上させる観点、ぬるつきを抑制する観点、安定性を向上させる観点、及び塗布時の化粧料組成物の泡立ちを抑制する観点から、全成組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。また、成分(G)の含有量は、全組成中に0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましく、0.2〜1質量%が更に好ましい。
また、成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}は、保湿性を向上させる観点、ぬるつきを抑制する観点、安定性を向上させる観点、及び化粧料組成物の泡立ちを抑制する観点及びから、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。また、成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}は、2〜30が好ましく、3〜20がより好ましく、4〜10が更に好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、さらに、成分(H)として、ビタミンB3類、ビタミンC類から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することができる。本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布した際、ラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を素早く形成する。従って、塗布時にα−ゲルやビタミン由来のべたつきを感じにくい。また、有効成分を抱えた柔軟なαゲル膜が皮膚上に均一に形成されるため、有効成分が皮丘と皮溝の両方に作用し、塗布して時間が経過しても肌をなめらかに保つことができる。さらに、粉体と併用することで、有効成分の皮膚上の横拡散を防止するという効果も得られる。この理由としては、成分(E)との組合せにより、塗膜の柔軟性に加えて、強固さも得られるためと考えられる。
成分(H)は、抗酸化作用や美白効果を得る観点等、目的に応じて使用される。
成分(H)としては、化粧料に通常用いられるものであれば制限されず、ビタミンB3類としては、ニコチン酸、ナイアシンアミド等が挙げられ、ビタミンC類としては、L−アスコルビン酸、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルNa、アスコルビン酸2−グルコシド、アスコルビン酸パルミテート等が挙げられる。
これら有効成分の中では、α−ゲルが水和固体であることから、水溶性の剤が好ましく、水溶性のビタミンB3類、ビタミンC類が好ましい。
また製剤の安定性となめらかな肌感触を向上させる観点から、ビタミンB3類が好ましく、水溶性のB3類がより好ましく、ナイアシンアミドが更に好ましい。
成分(H)の含有量は、製剤の安定性とべたつきのなさ、またなめらかな肌感触の観点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。また、成分(H)の含有量は、全組成中に0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が更に好ましい。
また、成分(H)及び(E)の質量比(H)/(E)は、粉体が有効成分を吸着し、有効成分の皮膚上の横拡散を防止して肌をなめらかにする観点から、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が更に好ましく、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。また、成分(H)及び(E)の質量比(H)/(E)は、0.01〜5が好ましく、0.03〜3がより好ましく、0.05〜2が更に好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、さらに、成分(I)として、紫外線吸収剤を含有することができ、より高い紫外線防御効果を得ることができる。
紫外線吸収剤としては、油溶性のものが好ましく、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、紫外線防御効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種以上を含有することがさらに好ましく、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも2種以上を含有することがより好ましい。
安息香酸系紫外線吸収剤として、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAアミルエステル、オクチルジメチルPABA、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。これらの中で、紫外線吸収効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、パラアミノ安息香酸、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸へキシルが好ましく、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸へキシルがより好ましい。
アントラニル酸系紫外線吸収剤として、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤として、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。これらの中で、紫外線吸収効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレートがより好ましい。
桂皮酸系紫外線吸収剤として、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。これらの中で、紫外線吸収効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、オクチルシンナメート、2−エチルへキシル−p−メトキシシンナメートが好ましく、2−エチルへキシル−p−メトキシシンナメートがより好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4'−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中で、紫外線吸収効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンがより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルへキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
さらに、その他のものとして、3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カンファー、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、特開平2−212579号公報記載のベンゼン ビス−1,3−ジケトン誘導体、特開平3−220153号公報記載のベンゾイルピナコロン誘導体等が挙げられる。これらの中で、紫外線吸収効果を高めつつ、べたつきを抑制する観点から、4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
成分(I)の紫外線吸収剤は、1種又は2種以上を組合わせて使用することができ、その組合わせ及び含有量は、例えば、目的とする皮膚化粧料の紫外線防御効果に応じて決定される。皮膚化粧料の紫外線防御効果をより発現させる観点から、紫外線吸収剤の含有量は、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がより更に好ましく、皮膚化粧料の使用感をさらに向上させる観点、すなわち、べたつきの抑制及びさらさら感を付与する観点から、全組成中に30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより更に好ましい。
また、発明においては、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、アニオン界面活性剤を含有することができる。
アニオン界面活性剤としては、成分(A)を除いたものから選ばれ、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の炭素数12〜22のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等の炭素数12〜22のアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−炭素数12〜22のアシルサルコシン又はその塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等の炭素数12〜22のアルキルリン酸又はその塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレン炭素数12〜22のアルキルエーテルリン酸又はその塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の炭素数12〜24のジアルキルスルホコハク酸又はその塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等の炭素数12〜22のN‐アルキロイルメチルタウリン又はその塩;ジラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−炭素数12〜22のアシルグルタミン酸又はその塩などが挙げられる。
アニオン界面活性剤は、少なくとも前記のアニオン界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることができ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン界面活性剤の含有量は、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、全成組成中に、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい。
さらに、本発明の皮膚化粧料は、成分(A)及び(D)以外の固体脂を含有することができる。その含有量は、ラメラ状の構造を安定化する観点から、5質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、更に通常の化粧料に用いられる成分として、成分(A)〜成分(I)以外であって、例えば、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、増粘剤、前記以外の油性成分、殺菌剤、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、香料、抗炎症剤、美白剤、制汗剤、酸化防止剤等を、適宜含有することができる。
本発明の皮膚化粧料は、例えば、成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする。成分(A)、(D)及び(E)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする。この水相部と油相部を混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却することにより、製造することができる。
本発明の皮膚化粧料は、他にも、例えば、成分(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする。成分(A)、(B)、(D)及び(E)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする。この水相部と油相部を混合して均一にし、冷却しても製造することができる。
本発明の皮膚化粧料は、上記のような製造方法で得られるため、粉体を分散させるために、例えば溶媒中で、粉体を混練する必要がない。
本発明の皮膚化粧料に、成分(G)を配合する場合は、例えば、成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする。成分(A)、(D)、(E)(+(B))及び(G)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする。この水相部と油相部を混合して均一にし、冷却して製造することができる。
本発明の皮膚化粧料は、化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造体を形成する観点から、25℃において、pH5.5〜8.5であるのが好ましく、pH6.0〜8.0がより好ましく、pH6.5〜7.8が更に好ましい。本発明において、pHは、pHメーター(F-52、HORIBA社製)により、25℃で試料を直接測定する。
本発明の皮膚化粧料は、例えば、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液などとすることができ、乳液、クリームとして使用することがより好ましい。また、織布、不織布等のシート状基材に含浸又は塗布したシート状化粧料とすることもできる。
本発明の皮膚化粧料は、皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布することにより、保湿することができ、粉体として好ましくは、酸化チタン、タルク、酸化鉄、シリカ、(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーを、より好ましくは酸化チタンを用いることで、肌色を明るくし、しみを隠したりするといった美的外観を向上させることができる。
前述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物、及び、その使用方法又はその製造方法を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)粉体 0.05〜9質量%、
(F)水
を含有し、
成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
<2>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)粉体 0.05〜9質量%、
(F)水
を含有し、
成分(D)は、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものであり、
成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
<3>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)粉体 0.05〜9質量%、
(F)水 50〜98質量%
を含有し、
成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
<4>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)粉体 0.05〜9質量%、
(F)水 50〜98質量%
を含有し、
成分(D)は、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものであり、
成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
<5>さらに、(G)非イオン性界面活性剤を含有し、その含有量が、全組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<6>(G)非イオン性界面活性剤が、好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、モノグリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミドから選ばれる1種以上であって、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましく、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが更に好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより更に好ましい前記<5>記載の皮膚化粧料。
<7>(G)非イオン性界面活性剤のHLBが、好ましくは、8〜19であり、より好ましくは10〜16である前記<5>又は<6>記載の皮膚化粧料。
<8>(G)非イオン性界面活性剤が、セテアレス−20である前記<5>〜<7>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<9>成分(A)が、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸から選ばれる1種又は2種以上であって、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<10>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、1.5質量%以上がより好ましく、4質量%以下が好ましく、3.8質量%以下がより好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<11>成分(B)が、好ましくは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンから選ばれるアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノールから選ばれるアルカノールアミン;リジン、ヒスチジン、アルギニンから選ばれる塩基性アミノ酸の少なくともいずれか1種以上を含む前記<1>〜<10>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<12>成分(B)が、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸であって、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更に好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<13>成分(B)が、好ましくは、アミノメチルプロパノール又はアルギニンであって、アルギニンがより好ましく、アルギニンの中ではL−アルギニンが好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<14>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.02質量%以上であって、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<15>成分(C)が、好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである前記<1>〜<14>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<16>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.04質量%以上であって、0.08質量%以上がより好ましく、0.3質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<17>成分(D)が、好ましくは、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールであって、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましく、炭素数16〜20の直鎖状飽和アルコールがさらに好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<18>成分(D)が、好ましくは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから選ばれる1種以上であって、セチルアルコール、ステアリルアルコールから選ばれる1種以上がより好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含有することが更に好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<19>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、1.3質量%以上がより好ましく、5.5質量%以下が好ましく、5.2質量%以下がより好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<20>成分(E)が、好ましくは、酸化チタン、タルク、酸化鉄、シリカ及び(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーから選ばれる少なくとも1種を含み、より好ましくは、酸化チタンを含む、前記<1>〜<19>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<21>成分(E)の体積平均粒子径が、好ましくは、0.005μm以上であって、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましく、0.07μm以上が更により好ましく、0.1μm以上が特により好ましく、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、1μm以下が更により好ましく、0.5μm以下が特により好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<22>成分(E)の体積平均粒子径が、好ましくは、0.005μm以上であって、0.007μm以上がより好ましく、0.01μm以上が更に好ましく、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<23>成分(E)が、好ましくは、親水化処理、疎水化処理したものであって、金属石鹸処理、シリコーン処理、アミノ酸処理したものがより好ましく、脂肪酸の亜鉛塩、脂肪酸のマグネシウム塩、脂肪酸のアルミニウム塩、ジメチルシロキサン、トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシラン、メチル水素シロキサン、ステアロイルグルタミン酸Naで処理されたものがさらに好ましい前記<1>〜<22>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<24>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.08質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が更に好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい、前記<1>〜<23>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<25>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、1.5質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上が更に好ましく、3質量%以上がより更に好ましく、7質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、4.5質量%以下がより更に好ましい前記<1>〜<23>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<26>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に50質量%以上であって、60質量%以上がより好ましく、96質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい前記<1>〜<25>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<27>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に50質量%以上であって、60質量%以上がより好ましく、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましい前記<1>〜<25>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<28>成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}が、好ましくは、2以上であって、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい前記<3>〜<27>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<29>成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、12質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<28>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<30>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比{(A)/[(A)+(D)]}が、好ましくは0.2以上であって、0.25以上がより好ましく、0.27以上が更に好ましく、0.30以上がより更に好ましく、0.7以下が好ましく、0.65以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましく、0.55以下が更により好ましい前記<1>〜<29>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<31>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}が、好ましくは0.05以上であって、0.07以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、1以下が更に好ましい前記<1>〜<30>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<32>成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}が、好ましくは5〜75であって、8〜70がより好ましく、10〜65が更に好ましい前記<1>〜<31>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<33>成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}が、好ましくは、10〜110であって、20〜100がより好ましく、30〜90が更に好ましい前記<1>〜<32>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<34>さらに、成分(I)として、紫外線吸収剤を含有することができる前記<1>〜<33>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<35>紫外線吸収剤が、好ましくは、油溶性であって、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい前記<34>記載の皮膚化粧料。
<36>紫外線吸収剤が、好ましくは、安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種であって、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも2種以上が更に好ましい前記<34>又は<35>記載の皮膚化粧料。
<37>安息香酸系紫外線吸収剤が、好ましくは、パラアミノ安息香酸、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸へキシルであって、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸へキシルがより好ましい前記<35>又は<36>記載の皮膚化粧料。
<38>アントラニル酸系紫外線吸収剤が、好ましくは、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートである前記<35>記載の皮膚化粧料。
<39>サリチル酸系紫外線吸収剤が、好ましくは、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレートである前記<35>又は<36>記載の皮膚化粧料。
<40>桂皮酸系紫外線吸収剤が、好ましくは、オクチルシンナメート、2−エチルへキシル−p−メトキシシンナメートであって、2−エチルへキシル−p−メトキシシンナメートがより好ましい前記<35>又は<36>記載の皮膚化粧料。
<41>ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンである前記<35>又は<36>記載の皮膚化粧料。
<42>トリアジン系紫外線吸収剤が、好ましくは、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルへキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンである前記<35>又は<36>記載の皮膚化粧料。
<43>紫外線吸収剤が、好ましくは、4−tert−ブチルベンゾイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルである前記<34>記載の皮膚化粧料。
<44>成分(I)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がより更に好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより更に好ましい前記<34>〜<43>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<45>25℃において、好ましくは、pH5.5〜8.5であって、pH6.0〜8.0がより好ましく、pH6.5〜7.8が更に好ましい前記<1>〜<44>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<46>アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、全成組成中に1質量%以下であって、0.5質量%以下がより好ましく、0,3質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<45>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<47>成分(A)及び(D)以外の固体脂の含有量が、好ましくは、全組成中に5質量%以下であって、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましい前記<1>〜<46>のいずれか1記載の皮膚化粧料。<48>前記<1>〜<47>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に適用する、好ましくは、皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布する、皮膚化粧料の使用方法。
<49>工程1〜3を含む、前記<1>〜<4>、<9>〜<47>のいずれか1記載の皮膚化粧料の製造方法。
工程1:成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)、(D)及び(E)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却する工程。
<50>工程1〜3を含む、前記<1>〜<4>、<9>〜<47>のいずれか1記載の皮膚化粧料の製造方法。
工程1:成分(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)、(B)、(D)及び(E)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却する工程。
<51>工程1〜3を含む、前記<5>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料の製造方法。
工程1:成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)、(D)、(E)及び(G)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却する工程。
<52>工程1〜3を含む、前記<5>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料の製造方法。
工程1:成分(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)、(B)、(D)、(E)及び(G)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却する工程。
<53>前記<1>〜<47>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、保湿方法。
<54>前記<1>〜<47>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、美的外観向上方法。
製造例1((メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーの製造)
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み、混合攪拌して溶解させた。ここに、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.2μmになるまで分散させた。この分散液を4つ口フラスコに注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、1N NaOH3.9gを滴下して中和を行った。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体を得た。
実施例1〜32、比較例1〜14
表1〜表3に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布時のべたつきのなさ、塗布膜におけるα型構造の形成の有無、塗布膜の水分閉塞性(保湿性)、塗布膜上での粉体の均一分散性、塗布膜の明るさ及び摩擦に対する塗膜のとれにくさを評価した。結果を表1〜表3に併せて示す。
(製造方法)
成分(B)、(C)及び(F)を含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)及び(G)を含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却して、皮膚化粧料(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(評価方法)
(1)塗布時のべたつきのなさ:
5人の専門パネラーが、各化粧料2mg/cm2を前腕に使用したときのべたつきのなさを、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;べたつきのなさを非常に感じる。
4;べたつきのなさを感じる。
3;べたつきのなさをやや感じる。
2;べたつきを感じる。
1;べたつきを非常に感じる。
(2)塗布膜におけるα型構造の形成の有無:
黒色人工皮革(セラヌバック クロ、オカモト化成品社製)の表面に、アプリケーター(YOSHIMITSU社製)を用いて、各化粧料を0.1mmの厚さで塗布し、1日室温で乾燥させた。乾燥皮膜を分取し、広角X線回折測定により、乾燥皮膜の相状態を解析した。得られたX線回折プロファイルにおいて、約21.5°における回折ピークの有無を観察し、結果を以下のように示した。
α型:被膜を形成し、構造がα型。
−:被膜を形成せず。または構造が非α型を含む。
(3)塗布膜の水分閉塞性(保湿性):
各化粧料を、5Cの定量ろ紙(東洋濾紙社製、ADVANTEC FILTER PAPER 5C)に0.01mL/cm2 塗布し、24時間、20℃20%RHの環境下に静置した。このろ紙を切り抜き、40mLバイアル瓶(ピアースバイアルCV−400、アズワン社製;蓋に直径17.3mmの孔が空いている)のビンの上にのせ、蓋をした。上記瓶に水を一定量加えたものを、20℃20%RHの環境下に24時間静置し、水の減少量を測定した。
保存前の質量を(m1)、24時間後の質量を(m2)とし、化粧料を塗布しないろ紙の場合の水分蒸散量W(g)、実施例又は比較例の化粧料をろ紙に塗布した場合の水分蒸散量S(g)とし、下記式により、水分蒸散抑制率(%)を求めた。
水分蒸散量W(g)=Wm1−Wm2
水分蒸散量S(g)=Sm1−Sm2
水分蒸散抑制率(%)=(W(g)−S(g))/W(g)×100
数値が高いほど、水分閉塞性(保湿性)に優れることを示す。
(4)塗布膜上での粉体の均一分散性:
黒色人工皮革(セラヌバック クロ、オカモト化成品社製)の表面に、アプリケーター(YOSHIMITSU社製)を用いて、各化粧料を0.1mmの厚さで塗布し、1日室温で乾燥させた。その被膜を顕微鏡(×10倍)にて観察し、以下の基準で評価した。
5;粉体が非常に均一に分散している。
4;粉体が均一に分散している。
3;粉体がほぼ均一に分散している。
2;粉体があまり均一に分散していない。
1;粉体が均一に分散していない。
(5)塗布膜の明るさ:
5人の専門パネラーが、各化粧料2mg/cm2を前腕に使用したとき、肌色の明るさの変化を、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;肌色が非常に明るくなる。
4;肌色が明るくなる。
3;肌色が若干明るくなる。
2;肌色がほとんど明るくならない。
1;肌色が明るくならない。
(6)摩擦に対する塗膜のとれにくさ:
黒色人工皮革(セラヌバック クロ 5cm×15cm、オカモト化成品社製)の表面に、アプリケーター(YOSHIMITSU社製)を用いて、各化粧料を0.1mmの厚さで塗布し、1日乾燥させた。その後、表面性測定機(HEIDON、SOHGOH KEISO社製)を用いて、50g/cm2の加重下の元、5cmのストローク(5cm/s)にて5往復させた。5人の専門パネラーにより、外観の変化度合いを目視により観察し、塗膜の取れにくさと摩擦前後の塗膜の明るさの変化を以下の基準で評価した。
5;塗膜が取れておらず、明るさの変化が見られない。
4;塗膜がほとんど残っており、明るさの変化はほとんど見られない。
3;塗膜がやや残っており、明るさはあまり低下していない。
2;塗膜が取れ、明るさが低下している。
1;塗膜の大半が取れ、明るさが大きく低下している。
Figure 0005973613
Figure 0005973613
Figure 0005973613
実施例33〜40、比較例15〜17
表4に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布時のべたつきのなさ、塗布膜におけるα型構造の形成の有無、塗布膜の水分閉塞性(保湿性)、摩擦に対する塗膜のとれにくさを評価した。また、紫外線防御効果を評価した。結果を表4に併せて示す。
(製造方法)
成分(C)、(F)及びL−アルギニンを含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)、(G)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール及びメトキシケイ皮酸オクチルを含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却して、皮膚化粧料(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(評価方法)紫外線防御効果:
PMMAプレート(HelioplateHD6、Helioscreen社製;粗さ6μm)に、各化粧料28.5mgを均一に塗布し、15分暗室にて乾燥させた。その後、UV-2000S(Labsphere社製)にて波長310nmの透過率を測定した。3枚のプレートを測定し、各プレート5箇所、計15点の平均透過率を用いて、以下の基準で評価した。
5;平均透過率0.5未満。
4;平均透過率0.5以上、1.0未満。
3;平均透過率1.0以上、1.5未満。
2;平均透過率1.5以上、2.0未満。
1;平均透過率2.0以上。
Figure 0005973613
実施例41〜44
表5〜表7に示す組成の乳液(水中油型乳化化粧料)を製造し、塗布時のべたつきのなさ、塗布膜におけるラメラ状のα型構造の形成の有無、塗布膜の水分閉塞性(保湿性)、塗布膜上での粉体の均一分散性、塗布膜の明るさ及び摩擦に対する塗膜のとれにくさを評価した。結果を表5〜表7に併せて示す。
(製造方法)
(1)実施例41、42:
成分(B)、(C)、(F)、カーボマー981及びメチルパラベンを含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)、(G)、ワセリン及びジメチコンを含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却して、香料を撹拌しながら添加して、乳液(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(2)実施例43:
成分(B)、(C)、(F)、カーボマー981及びメチルパラベンを含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)、(G)、メトキシヘイ皮酸エチルヘキシル及びジメチコンを含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却して、香料を撹拌しながら添加して、乳液(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(3)実施例44:
成分(B)、(C)、(F)、カーボマー981及びメチルパラベンを含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)、(G)、安息香酸アルキルエステル及びジメチコンを含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却して、香料を撹拌しながら添加して、乳液(水中油型乳化化粧料)を製造した。
Figure 0005973613
Figure 0005973613
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処方例1〜3
成分(C)、(F)、L-アルギニン、カーボマー、グリセリン、EDTA−2Na、及びメチルパラベンを70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)、(D)、(E)、(G)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン−3、ホモサレート、オクトクリレン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクチルトリアゾン、ラウレス−3、ステアリン酸グリセリル、安息香酸アルキルエステル及びジメチコンを70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却した後、フェノキシエタノール及び香料を撹拌しながら添加して、乳液(水中油型乳化化粧料)を製造した。
得られた皮膚化粧料はいずれも、塗布時にはべたつきがなく、皮膚に塗布した後は、皮膚表面にラメラ状のα−ゲル構造の皮膜(塗膜)を形成し、低湿度環境下において、皮膚の水分蒸散に対して高い水分閉塞性が得られ、また、粉体が塗膜内に均一に分散されているために、粉体の効果が有効に発揮され、かつ塗布後の摩擦に対して塗膜が取れにくく、粉体の効果が長時間持続して発揮されるものである。さらに、紫外線防御効果にも優れている。
Figure 0005973613

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
    (B)素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の有機塩基 0.010〜5質量%、
    (C)アルカリ金属水酸化物 0.010〜1質量%、
    (D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
    (E)粉体 0.05〜9質量%、
    (F)水
    を含有し、
    成分(D)は、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものであり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
  2. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
    (B)素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の有機塩基 0.010〜5質量%、
    (C)アルカリ金属水酸化物 0.010〜1質量%、
    (D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
    (E)粉体 0.05〜9質量%、
    (F)水 50〜98質量%
    を含有し、
    成分(D)は、少なくとも炭素数12〜20の直鎖状飽和アルコールを含むものであり、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.01〜5である、皮膚化粧料。
  3. さらに、(G)非イオン性界面活性剤を含有し、その含有量が、全成組成中に0.05〜2%質量である請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
  4. (G)非イオン性界面活性剤のHLBが、8〜19である請求項3記載の皮膚化粧料。
  5. 成分(E)が、酸化チタン、タルク、酸化鉄、シリカ及び(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーから選ばれる1種以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
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