JP5973187B2 - 共重合体、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明の共重合体は、1,3−ブタジエン及び下式(I)で表される化合物、又は、1,3−ブタジエン、芳香族ビニル化合物及び下式(I)で表される化合物を共重合して得られる重合体活性末端に、下式(II)で表される化合物、下式(III)で表される基を有する化合物及び下式(IV)で表される基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(末端変性剤)を反応させて得られる。上記共重合体に含まれる下式(I)で表される化合物とシリカとの相互作用、及び、末端変性剤とシリカとの相互作用により、フィラーの分散性が向上するとともに、該共重合体の動きが拘束される。その結果、ヒステリシスロスが低減して低燃費性が改善され、かつ、ウェットグリップ性能、耐摩耗性も改善された空気入りタイヤを得ることができる。また、下式(I)で表される化合物と、末端変性剤とを併用することで、それぞれの改善効果が相乗的に向上し、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性を大きく改善することができる。
本発明の共重合体は、モノマー成分として、1,3−ブタジエンと、上式(I)で表される化合物と、必要に応じて芳香族ビニル化合物とを使用する。
本発明の共重合体は、下式(II)で表される化合物、下式(III)で表される基を有する化合物及び下式(IV)で表される基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(末端変性剤(末端を変性する変性剤))により末端が変性されている。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。また、ジ(エポキシ)アミノ基、ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシド)アミノ基;ジ(グリシジル)アミノ基、ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基をあげることができる。更には、エチリデンアミノ基、1−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメチルブチリデンアミノ基、1−メチルエチリデンアミノ基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデンアミノ基などもあげることができる。
なお、本明細書において、ジ(アルキレンオキシド)アミノ基は、窒素原子に結合している2つの水素原子が2つのアルキレンオキシド基に置換されたアミノ基を表し、ジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基は、窒素原子に結合している2つの水素原子が2つのアルキレンオキシドアルキル基に置換されたアミノ基を表す。
N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、
N−(2−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、
N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(4−ジメチルアミノブチル)アクリルアミド、
N−(4−ジエチルアミノブチル)アクリルアミド、
N−(3−モルホリノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−シアノプロピル)アクリルアミドなどがあげられる。
N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、
N−(2−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、
N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
N−(4−ジメチルアミノブチル)メタクリルアミド、
N−(4−ジエチルアミノブチル)メタクリルアミド、
N−(3−モルホリノプロピル)メタクリルアミド、
N−(3−シアノプロピル)メタクリルアミドなどがあげられる。
N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、
N−(3−エトキシプロピル)アクリルアミド、
N−(プロポキシメチル)アクリルアミド、
N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、
N−グリシジルアクリルアミド、
N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミドなどがあげられる。
N−(3−メトキシプロピル)メタクリルアミド、
N−(3−エトキシプロピル)メタクリルアミド、
N−(プロポキシメチル)メタクリルアミド、
N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、
N−グリシジルメタクリルアミド、
N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミドなどがあげられる。
N−(3−ジ(グリシジル)アミノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−ジ(テトラヒヒドロフルフリル)アミノプロピル)アクリルアミド
などがあげられる。
N−(3−ジ(グリシジル)アミノプロピル)メタクリルアミド、
N−(3−ジ(テトラヒヒドロフルフリル)アミノプロピル)メタクリルアミド
などがあげられる。
2−ジメチルアミノエチルアクリレート、
2−ジエチルアミノエチルアクリレート、
3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、
3−ジエチルアミノプロピルアクリレート、
4−ジメチルアミノブチルアクリレート、
4−ジエチルアミノブチルアクリレートなどがあげられる。
2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、
3−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、
4−ジメチルアミノブチルメタクリレート、
4−ジエチルアミノブチルメタクリレートなどがあげられる。
2−エトキシエチルアクリレート、
2−プロポキシエチルアクリレート、
2−ブトキシエチルアクリレート、
3−メトキシプロピルアクリレート、
3−エトキシプロピルアクリレート、
グリシジルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレートなどがあげられる。
2−エトキシエチルメタクリレート、
2−プロポキシエチルメタクリレート、
2−ブトキシエチルメタクリレート、
3−メトキシプロピルメタクリレート、
3−エトキシプロピルメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどがあげられる。
3−ジ(グリシジル)アミノプロピルアクリレート、
3−ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノプロピルアクリレートなどがあげられる。
3−ジ(グリシジル)アミノプロピルメタクリレート、
3−ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノプロピルメタクリレートなどがあげられる。
好ましくは、
N−(3−ジアルキルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−ジアルキルアミノプロピル)メタクリルアミドであり、
より好ましくは、
N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミドである。
プロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド等のプロピオンアミド化合物;4−ピリジルアミド、N,N−ジメチル−4−ピリジルアミド等のピリジルアミド化合物;
ベンズアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N’,N’−(p−ジメチルアミノ)ベンズアミド、N’,N’−(p−ジエチルアミノ)ベンズアミド、N,N−ジメチル−N’,N’−(p−ジメチルアミノ)ベンズアミド、N,N−ジメチル−N’,N’−(p−ジエチルアミノ)ベンズアミドなどのベンズアミド化合物;
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド化合物;
N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド化合物;
N,N−ジメチルニコチンアミド、N,N−ジエチルニコチンアミドなどのニコチンアミド化合物;
N,N,N’,N’−テトラメチルフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラエチルフタルアミドなどのフタルアミド化合物;
N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミドなどのフタルイミド化合物などをあげることができる。
1−メチル−2−ピロリドン、1−(t−ブチル)−2−ピロリドン、1−フェニル−2−ピロリドン、1−(p−メチルフェニル)−2−ピロリドン、1−(p−メトキシフェニル)−2−ピロリドン、1−ベンジル−2−ピロリドン、1−ナフチル−2−ピロリドン、1−フェニル−5−メチル−2−ピロリドン、1−(t−ブチル)−5−メチル−2−ピロリドン、1−(t−ブチル)−1,3−ジメチル−2−ピロリドン等の2−ピロリドン化合物;
1−(t−ブチル)−2−ピペリドン、1−フェニル−2−ピペリドン、1−(p−メチルフェニル)−2−ピペリドン、1−(p−メトキシフェニル)−2−ピペリドン、1−ナフチル−2−ピペリドン等の2−ピペリドン化合物;
N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−ε−カプロラクタム、N−(n−プロピル)−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−(p−メトキシフェニル)−ε−カプロラクタム、N−ベンジル−ε−カプロラクタム等のε−カプロラクタム化合物;
N−フェニル−ω−ラウリロラクタム等のω−ラウリロラクタム化合物をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。また、ジ(エポキシ)アミノ基、ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシド)アミノ基;ジ(グリシジル)アミノ基、ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基をあげることができる。更には、エチリデンアミノ基、1−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメチルブチリデンアミノ基、1−メチルエチリデンアミノ基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデンアミノ基などもあげることができる。
N,N−ジアルキルホルムアミドジアルキルアセタールであり、
より好ましくは、
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、
N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、
N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、
N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセタールである。
上記共重合体の重量平均分子量Mwは、1.0×105〜2.5×106である。Mwが1.0×105未満の場合は低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能が悪くなる傾向があり、一方、Mwが2.5×106を超えると加工性が悪くなる傾向がある。Mwの下限は、好ましくは2.0×105以上、より好ましくは3.0×105以上であり、上限は、好ましくは1.5×106以下、より好ましくは1.0×106以下である。
なお、Mwは、重合時に使用する重合開始剤の量を変更するなどの方法により適宜調節することができ、後述の実施例の方法で測定できる。
主鎖及び末端が変性された本発明の共重合体は、1,3−ブタジエン及び上式(I)で表される化合物、又は、1,3−ブタジエン、芳香族ビニル化合物及び上式(I)で表される化合物を共重合して得られる重合体活性末端に、上式(II)で表される化合物、上式(III)で表される基を有する化合物及び上式(IV)で表される基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を反応させて製造することができ、具体的には、以下の製造方法で製造できる。
上記共重合体の重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、式(I)で表される化合物の安定性の観点、ハンドリングの容易性の観点から、溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
アニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。上記有機リチウム化合物としては、炭素原子数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性などの観点からn−ブチルリチウム又はsec−ブチルリチウムが好ましい。
上記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、ブチルリチウムなどを重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下で、1,3−ブタジエン及び式(I)で表される化合物と、必要に応じて、芳香族ビニル化合物などとをアニオン重合させればよい。なお、アニオン重合後に、必要に応じて、公知の老化防止剤や、重合反応を停止する目的でアルコールなどを加えてもよい。
上記炭化水素系溶剤としては、炭素原子数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。
また、上記ランダマイザーとは、共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御(例えば、ブタジエンにおける1、2−結合の増加など)や、共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御(例えば、ブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化など)などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
(ゴム成分)
上記共重合体はゴム組成物のゴム成分として使用できる。ゴム成分100質量%中の共重合体の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の改善効果が得られにくい傾向がある。また、共重合体の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、高コストになる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、補強剤としてシリカを配合することが好ましい。上記共重合体によってシリカの分散が促進され、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の向上効果を高めることができる。使用できるシリカとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、シリカは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠した方法により測定することができる。
本発明では、シリカとともに、シランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、従来からタイヤ分野において汎用されているものを使用でき、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィド系を好適に使用できる。
補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが特に好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強効果が得られ、良好な耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られる。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含むことができる。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明のゴム組成物は、軟化剤を含むことができる。軟化剤としては、石油系軟化剤、脂肪油系軟化剤、脂肪酸などが挙げられる。軟化剤の含有量は、ウェットグリップ性能を低下させる危険性が少ないという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、加硫剤を含むことができる。加硫剤としては、有機過酸化物、硫黄系加硫剤などを使用できる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、硫黄系加硫剤が好ましく、硫黄がより好ましい。
本発明のゴム組成物は、加硫促進剤を含むことができる。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物は、加硫助剤を含むことができる。加硫助剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛(亜鉛華)などを使用することができる。
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、各種オイル、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用又は一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤及び添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、従来公知の製造方法により製造することができ、その製造方法が限定されるものではない。例えば、上記各成分をバンバリーミキサーや混練ロールなどの混練機を用いて、通常の方法及び条件で混練することによって製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより空気入りタイヤを得る。
シクロへキサン:関東化学(株)製
ピロリジン:関東化学(株)製
ジビニルベンゼン:シグマアルドリッチ社製
1.6M n−ブチルリチウムへキサン溶液:関東化学(株)製
イソプロパノール:関東化学(株)製
ヘキサメチレンイミン:関東化学(株)製ヘキサメチレンイミン
n−ヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
ピロリジン:関東化学(株)製ピロリジン
ヘキサメチレンイミン:関東化学(株)製ヘキサメチレンイミン
変性剤A−1:東京化成工業(株)製のN−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド
変性剤A−2:東京化成工業(株)製の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
変性剤A−3:東京化成工業(株)製の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
変性剤A−4:東京化成工業(株)製の1−フェニル−2−ピロリドン
変性剤A−5:東京化成工業(株)製のN−メチル−ε−カプロラクタム
変性剤A−6:東京化成工業(株)製のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
変性剤A−7:東京化成工業(株)製の4−(ジメチルアミノ)ブチルアルデヒドジメチルアセタール
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
製造例1(化合物Aの合成)
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン50ml、ピロリジン4.1ml(3.6g)、ジビニルベンゼン8.9ml(6.5g)を加え、0℃にて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて攪拌した。1時間後、イソプロパノールを加えて反応を停止させ、抽出・精製を行うことで化合物Aを得た。
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン50ml、ヘキサメチレンイミン5.6ml(4.9g)、ジビニルベンゼン8.9ml(6.5g)を加え、0℃にて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて攪拌した。1時間後、イソプロパノールを加えて反応を停止させ、抽出・精製を行うことで化合物Bを得た。
下記により得られた共重合体の分析は以下の方法で行った。
共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
共重合体の構造同定は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて行った。測定結果から、共重合体中の、式(I)で表される化合物(化合物A、B)、スチレン、及び1,3−ブタジエンの含有量を算出した。
(共重合体(1))
充分に窒素置換した3L耐圧容器にn−ヘキサン1800mL、スチレン34g、1,3−ブタジエン146g、化合物A 0.60g、テトラメチルエチレンジアミン0.9mmol、n−ブチルリチウム0.75mmolを加えて、0℃で48時間撹拌した。その後、変性剤A−1 0.07g追加し、0℃のまま12時間撹拌を行った後、アルコールを加えて反応を止め、さらに反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.1gを添加後、溶液をメタノール3Lが入った10L円筒容器に取り出した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥し、共重合体(1)を得た。分析の結果、Mwは441000、スチレン含有量は19質量%であった。
化合物A 0.60gの代わりに化合物B 0.69gを加える以外は共重合体(1)と同様の処方により共重合体(2)を得た。分析の結果、Mwは416000、スチレン含有量は18質量%であった。
化合物Bの量を0.14gに変える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(3)を得た。分析の結果、Mwは469000、スチレン含有量は19質量%であった。
化合物Bの量を10.32gに変える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(4)を得た。分析の結果、Mwは471000、スチレン含有量は19質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−2 0.15g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(5)を得た。分析の結果、Mwは421000、スチレン含有量は19質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−3 0.05g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(6)を得た。分析の結果、Mwは450000、スチレン含有量は20質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−4 0.07g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(7)を得た。分析の結果、Mwは416000、スチレン含有量は18質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−5 0.06g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(8)を得た。分析の結果、Mwは462000、スチレン含有量は19質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−6 0.06g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(9)を得た。分析の結果、Mwは477000、スチレン含有量は19質量%であった。
変性剤A−1 0.07gの代わりに変性剤A−7 0.07g加える以外は共重合体(2)と同様の処方により共重合体(10)を得た。分析の結果、Mwは415000、スチレン含有量は19質量%であった。
充分に窒素置換した3L耐圧容器にn−ヘキサン1800mL、スチレン34g、1,3−ブタジエン146g、化合物B 0.69g、テトラメチルエチレンジアミン0.9mmol、n−ブチルリチウム0.75mmolを加えて、0℃で48時間撹拌した。その後、アルコールを加えて反応を止め、さらに反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.1gを添加後、溶液をメタノール3Lが入った10L円筒容器に取り出した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥し、共重合体(11)を得た。分析の結果、Mwは405000、スチレン含有量は18質量%であった。
充分に窒素置換した3L耐圧容器にn−ヘキサン1800mL、スチレン34g、1,3−ブタジエン146g、テトラメチルエチレンジアミン0.9mmol、n−ブチルリチウム0.75mmolを加えて、0℃で48時間撹拌した。その後、変性剤A−1 0.07g追加し、0℃のまま12時間撹拌を行った後、アルコールを加えて反応を止め、さらに反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.1gを添加後、溶液をメタノール3Lが入った10L円筒容器に取り出した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥し、共重合体(12)を得た。分析の結果、Mwは402000、スチレン含有量は19質量%であった。
充分に窒素置換した3L耐圧容器にn−ヘキサン1800mL、スチレン34g、1,3−ブタジエン146g、化合物B 0.69g、テトラメチルエチレンジアミン4.9mmol、n−ブチルリチウム4.85mmolを加えて、0℃で48時間撹拌した。その後、変性剤A−1 1.37g追加し、0℃のまま12時間撹拌を行った後、アルコールを加えて反応を止め、さらに反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.1gを添加後、溶液をメタノール3Lが入った10L円筒容器に取り出した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥し、共重合体(13)を得た。分析の結果、Mwは56000、スチレン含有量は22質量%であった。
充分に窒素置換した3L耐圧容器にn−ヘキサン1800mL、1,3−ブタジエン163g、化合物B 0.69g、テトラメチルエチレンジアミン0.9mmol、n−ブチルリチウム0.75mmolを加えて、0℃で48時間撹拌した。その後、変性剤A−1 0.07g追加し、0℃のまま12時間撹拌を行った後、アルコールを加えて反応を止め、さらに反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.1gを添加後、溶液をメタノール3Lが入った10L円筒容器に取り出した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥し、共重合体(14)を得た。分析の結果、Mwは375000であった。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
SBR:住友化学(株)製のSBR 1502
共重合体(1)〜(14):上記方法で合成
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(N2SA:96m2/g、DBP吸収量:124ml/100g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を以下に示す試験方法により評価した。
ランボーン摩耗試験機(岩本製作所製)を用い、温度20℃、試験時間5分、試験表面速度80m/分、落砂量15g/分、加重3.0kgf及びスリップ率20%の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。表2の数値は、比較例4の容積損失量を100としたときの相対値である。当該数値が大きいほど耐摩耗性に優れている。
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃で上記加硫ゴム組成物のtanδを測定した。tanδの逆数の値について比較例4を100として指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示している。
(株)上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いてウェットグリップ性能を評価した。上記加硫ゴム組成物からなる幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片を用い、速度20km/時間、荷重4kgf、路面温度20℃の条件で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値を読みとった。結果は、比較例4を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能が高いことを示す。
Claims (11)
- 1,3−ブタジエン及び下式(I)で表される化合物、又は、1,3−ブタジエン、芳香族ビニル化合物及び下式(I)で表される化合物を共重合して得られる重合体活性末端に、下式(II)で表される化合物、下式(IIIa−1)で表される化合物、下式(IIIa−2)で表される化合物、下式(IIIa−3)で表される化合物、下式(IIIb−1)で表される化合物及び下式(IV)で表される基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を反応させて得られ、
重量平均分子量Mwが1.0×105〜2.5×106である共重合体。
- 式(IV)で表される基を有する化合物が、下式(IV−1)で表される化合物である請求項1又は2記載の共重合体。
- 式(IV−1)のR44及びR45の一方が水素原子である請求項3記載の共重合体。
- 前記式(I)で表される化合物の含有量が0.05〜35質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体。
- 前記芳香族ビニル化合物の含有量が0.1〜55質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の共重合体。
- 前記芳香族ビニル化合物がスチレンである請求項1〜6のいずれかに記載の共重合体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の共重合体を含むゴム組成物。
- ゴム成分100質量%中、前記共重合体の含有量が5質量%以上である請求項8記載のゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜150質量部含む請求項8又は9記載のゴム組成物。
- 請求項8〜10のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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