JP5973022B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年4月22日に出願された英国特許出願第1407100.5号の優先権の利益に基づいたものであり、この優先権の利益を主張し、その内容全体は参照によってここに組み込まれる。
(技術分野)
ここに記載された実施形態は、一般に、光学装置に関する。
本出願は、2014年4月22日に出願された英国特許出願第1407100.5号の優先権の利益に基づいたものであり、この優先権の利益を主張し、その内容全体は参照によってここに組み込まれる。
(技術分野)
ここに記載された実施形態は、一般に、光学装置に関する。
位相コヒーレントな短い光パルスのソースは、例えば、歪みなどの検出又は計測装置、圧力又は温度センサ、分光装置、或いは、距離測定装置といった広い適用範囲を持つ。短い光パルスのソースは、光通信適用、例えば、直交位相シフトキーイングなどの変調技術を用いる位相シフト符号化を使用する適用においても使用される。
位相コヒーレントな短い光パルスのソースの適用の1つは量子通信システムである。量子通信システムでは、情報は、単一光子などの符号化された単一量子によって送信機と受信機との間で送られる。各光子は、偏光、位相、又はエネルギー/時間などの光子の特性で符号化された1ビットの情報を運ぶ。光子は、例えば、角運動量などの特性を使用することによって、2ビット以上の情報を運ぶこともできる。
量子鍵分配(QKD)は、「アリス」と称されることもある送信機と「ボブ」と称されることもある受信機との二者間での暗号鍵の共有を生じる技術である。この技術の魅力は、鍵の任意の部分が「イブ」と称されることもある不正な盗聴者に知られることができたかどうかのテストを提供することである。量子鍵分配の多くの形態では、アリス及びボブは、ビット値を符号化するために2つ以上の非直交基底を使用する。量子力学の法則により、各々の符号化基底の事前知識なしにイブによる光子の測定は、光子のいくつかの状態に不可避な変化をもたらす。光子の状態に対するこれらの変化は、アリスとボブとの間で送られるビット値にエラーをもたらす。それらの共通ビット列の部分を比較することによって、アリス及びボブは、イブが情報を獲得したかどうかを判断することができる。
位相符号化を使用するQKDシステムは、位相情報を符号化するために、送信機において非対称マッハツェンダー干渉計(MZI)を使用することができる。MZIは、光パルスを2つのファイバに分割するビームスプリッタを含む。ファイバは、第2のビームスプリッタにおいて再結合する。個々のファイバは、ショートアーム及びロングアームとラベル付けされる。位相変調器は、パルスに位相情報を符号化するために、ロングアーム及びショートアームのいずれかに設置されることができる。ショートアームとロングアームとの間の光路長差は、受信機で情報を復号するために使用される第2のMZIのものと一致しなければならない。
以下、次の図面を参照して実施形態を説明する。
一実施形態によれば、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、を具備する光学装置が提供される。
一実施形態では、前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントは、コヒーレント光を間欠的に供給するよう構成されたユニットである。一実施形態では、前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントはコヒーレント光源である。代替の実施形態では、前記光学コンポーネントは、前記コヒーレント光を間欠的に生成するようにさらに構成され、前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントは、生成された前記コヒーレント光を反射して前記光学コンポーネントに戻すミラーである。
対の連続する光パルス間の放射時間の差が両方の対に関して実質的に同じである場合に、コヒーレント光が光学コンポーネントによって受信される期間中に放射された1対の連続する光パルス間の位相差は、同じ期間中に放射された他の対の連続する光パルス間の位相差と同じである。同じ長い光パルスが受信される期間中に放射されるパルスはイントラ期間と称される。
対の連続する光パルス間の放射時間の差が両方の対に関して実質的に同じである場合に、コヒーレント光が光学コンポーネントによって受信される第1の期間中に放射された第1の対の連続する光パルス(パルス1及びパルス2)間の位相差は、コヒーレント光が光学コンポーネントによって受信される第2の期間中に放射された第2の対の連続する光パルス(パルス3及びパルス4)間の位相差と同じである(パルス1とパルス2との間の位相差はパルス3とパルス4との間の位相差と同じである)。言い換えると、放射時間の差が同じである任意の2つの連続するイントラ期間パルス間の位相差は、すべての期間に関して同じである。各期間中に放射されたパルスは固定位相関係を有し、言い換えると、放射時間の差が同じであり単一期間中に放射された任意の2つの連続するパルスの相対位相は、すべての期間に関して同じである。各期間中に放射された複数の光パルスは固定位相関係を有し、言い換えると、イントラ期間パルスの相対位相はすべての期間に関して固定される。
任意の2つの連続するイントラ期間光パルス間の位相差は同じであると説明されるが、実際には、異なる対の光パルスに関して位相差にわずかな違いがあり得る。位相差が同じであると説明することによって、位相差は45度以内で同じであることが意図される。一実施形態では、任意の2つの連続するイントラ期間光パルス間の位相差は、20度以内で同じである。一実施形態では、任意の2つの連続するイントラ期間光パルス間の位相差は、5度以内で同じである。一実施形態では、任意の2つの連続するイントラ期間光パルス間の位相差は、光パルスが図13に示されるような干渉計を移動するときに、2つの連続するイントラ期間光パルス間に生じた干渉が各対に関して同じ検出結果を与えるような許容範囲内で同じである。
異なる長い光パルスが入射する期間中に生成されたパルスはインター期間と称される。コヒーレント光が光学コンポーネントによって受信される第1の期間に放射された光パルスの位相は、コヒーレント光が光学コンポーネントによって受信される第2の期間に放射された光パルスの位相とランダムな関係を有する(例えばパルス2とパルス3との間の位相差はランダムである)。異なる期間中に放射された光パルスは固定位相関係を有しない、すなわち、インター期間パルスの相対位相は固定されない。言い換えると、インター周期パルス間の位相差はランダムである。
インター期間パルス間の位相差はランダムであると説明されるが、実際には、立て続けに放射された2つのインター期間パルスの位相間の有限量の相関があり得る。位相差がランダムであると説明することによって、これらの相関は小さくすぐに衰えることが意図される。一実施形態では、10ns離れて放射される2つのインター期間パルスに関して測定可能な相関はない。一実施形態では、100ns離れて放射されたパルスについて測定可能な相関はない。
一実施形態では、光学装置は、前記コヒーレント光の生成を制御する前記コヒーレント光源に第2の時間変化信号を供給するように構成された第2のコントローラをさらに具備し、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。代替の実施形態では、コントローラは、前記コヒーレント光の生成を制御する第2の時間変化信号をコヒーレント光源に供給するようにさらに構成され、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。
一実施形態では、光学装置のコンポーネントは光ファイバなどの導波路を使用して接続される。他の実施形態では、光パルスは自由空間を通じてコンポーネント間を移動する。
一実施形態では、光学装置は、前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダをさらに具備する。
一実施形態では、エンコーダは位相変調器である。光学装置は、前記位相変調器によって適用される位相シフトを制御するように構成されたコントローラをさらに具備してもよい。位相変調器は、コヒーレント光源から放射された光が位相変調器を通過するように設置されることができ、位相変調器は、前記コヒーレント光の一部に位相シフトを適用するように構成される。或いは、位相変調器は、前記光学コンポーネントから放射された光パルスが前記位相変調器を通過するように設置されることができる。位相変調器は、前記光学コンポーネントから放射された第1の光パルスと前記光学コンポーネントから放射された第2の光パルスとの間の位相シフトを制御するように構成される。例えば、位相変調器は、光パルスが光学コンポーネントから出る時間に基づいて光パルスのうちの1つを識別し、そのパルスに位相シフトを適用するように制御されることができる。一実施形態では、エンコーダは、位相シフトが、生成されたコヒーレント光の一部に適用されるように、前記コヒーレント光源に適用される時間変化信号に摂動を適用する位相制御要素である。
一実施形態では、エンコーダは、前記光学コンポーネントから放射された光パルスが選択された放射時間の間だけ通過するのを許容するように構成された強度変調器である。一実施形態では、エンコーダは、コヒーレント光源からの光の一部だけが光学コンポーネントに入るのを許容するように構成された強度変調器である。一実施形態では、エンコーダは、前記光学コンポーネントに適用される前記時間変化信号を修正するように構成され、選択された光パルスの放射を防止する。一実施形態では、エンコーダは、コヒーレント光の一部だけが光学コンポーネントに入るように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号を修正するように構成され、それにより前記光学コンポーネントから対応する光パルスの放射を防止する。
一実施形態では、コヒーレント光源は、コヒーレント光の一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器を含み、それにより光パルスの一部又は全部の強度を低減する。一実施形態では、光学装置は、光学コンポーネントから放射された光パルスの一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器をさらに含む。一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスの強度が変わるように、時間変化信号の振幅を変調するように構成された強度制御要素をさらに含む。一実施形態では、強度制御要素は、コヒーレント光の強度が変わるように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号の振幅を変調し、それにより光学コンポーネントから放射された光パルスの強度を変える。強度制御要素は、前記放射された光パルスの強度を制御するように構成される。
一実施形態では、コヒーレント光源はレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数のレーザの組み合わせを含む。一実施形態では、コヒーレント光源は利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は半導体利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数の長いコヒーレント光パルスを放射するように構成される。
一実施形態では、時間変化信号は、DCバイアス電流と結合されたAC電流である。一実施形態では、時間変化信号は一連の電流パルスである。
一実施形態では、コントローラは、コヒーレント光が前記光学コンポーネントによって受信される各期間中に2つの光パルスが放射されるように、時間変化信号を適用するように構成される。
一実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチレーザである。コヒーレント光は前記利得スイッチレーザに注入される。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチレーザである。代替の実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチ光増幅器である。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチ光増幅器である。
一実施形態では、コヒーレント光は光学コンポーネントの第1のアパーチャを通じて供給され、前記光学コンポーネントは、前記複数の光パルスが前記光学コンポーネントの第2のアパーチャから放射されるように構成される。
一実施形態では、光学装置は配光装置をさらに具備し、コヒーレント光は、前記配光装置を通じて前記光学コンポーネントのアパーチャに供給され、前記光学コンポーネントは、同じアパーチャから前記複数の光パルスを放射するように構成される。一実施形態では、配光装置は光サーキュレータである。一実施形態では、配光装置は光学ビームスプリッタである。
一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスが前記コヒーレント光源に入るのを防止するように構成された光アイソレータをさらに具備する。
一実施形態では、位相制御要素は、位相シフトが前記コヒーレント光源によって生成されたコヒーレント光パルスの後半に適用されるように、摂動を適用するように構成される。位相制御要素は前記放射された光パルス間の位相を制御するように構成される。
一実施形態では、前記光学装置から放射された光パルスは10個以下の光子を含む。いくつかの実施形態では、1パルス当たりの光子の平均数は1未満である。
一実施形態では、光学装置はQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、BB84プロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、COWプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、DPSプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。
一実施形態によれば、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダと、を具備する光学装置が提供される。
一実施形態では、前記コヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントはコヒーレント光源である。一実施形態では、コヒーレント光源は連続波光を供給するように構成される。一実施形態では、コヒーレント光源はコヒーレント光のパルスを供給するように構成される。代替の実施形態では、前記光学コンポーネントは前記コヒーレント光を間欠的に生成するようにさらに構成され、前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントは、生成された前記コヒーレント光を反射して前記光学コンポーネントに戻すミラーである
一実施形態では、光学装置は、前記コヒーレント光の生成を制御する前記コヒーレント光源に第2の時間変化信号を供給するように構成された第2のコントローラをさらに具備し、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。一実施形態では、コントローラは、前記コヒーレント光の生成を制御する第2の時間変化信号をコヒーレント光源に供給するようにさらに構成され、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。
一実施形態では、光学装置は、前記コヒーレント光の生成を制御する前記コヒーレント光源に第2の時間変化信号を供給するように構成された第2のコントローラをさらに具備し、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。一実施形態では、コントローラは、前記コヒーレント光の生成を制御する第2の時間変化信号をコヒーレント光源に供給するようにさらに構成され、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される。
一実施形態では、光学装置のコンポーネントは光ファイバなどの導波路を使用して接続される。他の実施形態では、光パルスは自由空間を通じてコンポーネント間を移動する。
一実施形態では、エンコーダは位相変調器である。光学装置は、前記位相変調器によって適用される位相シフトを制御するように構成されたコントローラをさらに具備することができる。位相変調器は、コヒーレント光源から放射された光が位相変調器を通過するように設置されることができ、位相変調器は、前記光の一部に位相シフトを適用するように構成される。或いは、位相変調器は、前記光学コンポーネントから放射された光パルスが前記位相変調器を通過するように設置されることができる。位相変調器は、前記光学コンポーネントから放射された第1の光パルスと前記光学コンポーネントから放射された第2の光パルスとの間の位相差を適用するように構成される。位相変調器は、光パルスが光学コンポーネントから出る時間に基づいて光パルスのうちの1つを識別し、そのパルスに位相シフトを適用するように制御されることができる。一実施形態では、エンコーダは、位相シフトが、生成されたコヒーレント光の一部に適用されるように、前記コヒーレント光源に適用される時間変化信号に摂動を適用する位相制御要素である。
一実施形態では、エンコーダは、前記光学コンポーネントから放射された光パルスが選択された放射時間の間だけ通過するのを許容するように構成された強度変調器である。一実施形態では、エンコーダは、コヒーレント光源からの光の一部だけが光学装置に入るのを許容するように構成された強度変調器である。一実施形態では、エンコーダは、前記光学コンポーネントに適用される前記時間変化信号を修正するように構成され、選択された光パルスの放射を防止する。一実施形態では、エンコーダは、コヒーレント光の一部だけが光学コンポーネントに入るように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号を修正するように構成され、それにより前記光学コンポーネントから光パルスのいくつかの放射を防止する。
一実施形態では、コヒーレント光源は、コヒーレント光の一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器を含み、それにより光パルスの一部又は全部の強度を低減する。一実施形態では、光学装置は、光学コンポーネントから放射された光パルスの一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器をさらに含む。一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスの強度が変わるように、時間変化信号の振幅を変調するように構成された強度制御要素をさらに含む。一実施形態では、強度制御要素は、コヒーレント光の強度が変わるように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号の振幅を変調し、それにより光学コンポーネントから放射された光パルスの強度を変える。強度制御要素は、前記放射された光パルスの強度を制御するように構成される。
一実施形態では、コヒーレント光源は、コヒーレント光の一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器を含み、それにより光パルスの一部又は全部の強度を低減する。一実施形態では、光学装置は、光学コンポーネントから放射された光パルスの一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器をさらに含む。一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスの強度が変わるように、時間変化信号の振幅を変調するように構成された強度制御要素をさらに含む。一実施形態では、強度制御要素は、コヒーレント光の強度が変わるように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号の振幅を変調し、それにより光学コンポーネントから放射された光パルスの強度を変える。強度制御要素は、前記放射された光パルスの強度を制御するように構成される。
一実施形態では、コヒーレント光源はレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数のレーザの組み合わせを含む。一実施形態では、コヒーレント光源は利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は半導体利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数の長いコヒーレント光パルスを放射するように構成される。
一実施形態では、時間変化信号は、DCバイアス電流と結合されたAC電流である。一実施形態では、時間変化信号は一連の電流パルスである。
一実施形態では、コントローラは、コヒーレント光が前記光学コンポーネントによって受信される各期間中に2つの光パルスが放射されるように、時間変化信号を適用するように構成される。
一実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチレーザである。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチレーザである。代替の実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチ光増幅器である。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチ光増幅器である。
一実施形態では、コヒーレント光は光学コンポーネントの第1のアパーチャを通じて供給され、前記光学コンポーネントは、前記複数の光パルスが前記光学コンポーネントの第2のアパーチャから放射されるように構成される。
一実施形態では、光学装置は配光装置をさらに具備し、コヒーレント光は、前記配光装置を通じて前記光学コンポーネントのアパーチャに供給され、前記光学コンポーネントは、同じアパーチャから前記複数の光パルスを放射するように構成される。一実施形態では、配光装置は光サーキュレータである。一実施形態では、配光装置は光学ビームスプリッタである。
一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスが前記コヒーレント光源に入るのを防止するように構成された光アイソレータをさらに具備する。
一実施形態では、前記光学装置から放射された光パルスは10個以下の光子を含む。いくつかの実施形態では、1パルス当たりの光子の平均数は1未満である。
一実施形態では、光学装置はQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、BB84プロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、COWプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、DPSプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。
一実施形態によれば、コヒーレント光源と、前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、前記生成された光の第1の部分が受信される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が受信される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、を具備する光学装置が提供される。
一実施形態では、コントローラ及び第2のコントローラは同期される。
一実施形態では、コヒーレント光源は連続波光を供給するように構成される。一実施形態では、コヒーレント光源はコヒーレント光のパルスを供給するように構成される。
一実施形態では、位相制御要素は、位相シフトが、生成された光の複数の部分に適用されるように、前記期間中に前記信号に複数の摂動を適用するようさらに構成される。
一実施形態では、コヒーレント光源は半導体レーザであり、前記信号は電流であり、前記摂動は短い電流パルスである。
一実施形態では、光学装置のコンポーネントは光ファイバなどの導波路を使用して接続される。他の実施形態では、光パルスは自由空間を通じてコンポーネント間を移動する。
一実施形態では、コヒーレント光源は、コヒーレント光の一部又は全部の強度を低減するように構成された強度変調器を含み、それにより光パルスの一部又は全部の強度を低減する。一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスの強度が変わるように、時間変化信号の振幅を変調するように構成された強度制御要素をさらに含む。一実施形態では、強度制御要素は、コヒーレント光の強度が変わるように、コヒーレント光源に適用される時間変化信号の振幅を変調し、それにより光学コンポーネントから放射された光パルスの強度を変える。強度制御要素は、前記放射された光パルスの強度を制御するように構成される。
一実施形態では、コヒーレント光源はレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数のレーザの組み合わせを含む。一実施形態では、コヒーレント光源は利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は半導体利得スイッチレーザである。一実施形態では、コヒーレント光源は複数の長いコヒーレント光パルスを放射するように構成される。
一実施形態では、時間変化信号は、DCバイアス電流と結合されたAC電流である。一実施形態では、時間変化信号は一連の電流パルスである。
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントは、例えば、供給された光の強度を低減するように構成された光学コンポーネント、例えば、光変調器と同様に、光増幅を行うように構成された光学コンポーネント、例えば、レーザ及び光増幅器を含む。一実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチレーザである。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチレーザである。代替の実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチ光増幅器である。一実施形態では、光学コンポーネントは半導体利得スイッチ光増幅器である。一実施形態では、光学コンポーネントは強度変調器である。
一実施形態では、コヒーレント光は光学コンポーネントの第1のアパーチャを通じて供給され、前記光学コンポーネントは、前記複数の光パルスが前記光学コンポーネントの第2のアパーチャから放射されるように構成される。
一実施形態では、光学装置は配光装置をさらに具備し、コヒーレント光は、前記配光装置を通じて前記光学コンポーネントのアパーチャに供給され、前記光学コンポーネントは、同じアパーチャから前記複数の光パルスを放射するように構成される。一実施形態では、配光装置は光サーキュレータである。一実施形態では、配光装置は光学ビームスプリッタである。
一実施形態では、光学装置は、前記複数の光パルスが前記コヒーレント光源に入るのを防止するように構成された光アイソレータをさらに具備する。
一実施形態では、前記光学装置から放射された光パルスは10個以下の光子を含む。いくつかの実施形態では、1パルス当たりの光子の平均数は1未満である。
一実施形態では、光学装置はQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、BB84プロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、COWプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。一実施形態では、光学装置は、DPSプロトコルに基づいたQKDシステムにおいて使用される光学装置である。
一実施形態によれば、量子通信システムのための送信ユニットであって、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、を備えた光学装置を具備する送信ユニットが提供される。
一実施形態によれば、量子通信システムのための送信ユニットであって、
光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、を備えた光学装置を具備し、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットをさらに具備し、
前記コントローラは、光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記光学コンポーネントから放射された一対の連続する光パルス間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、送信ユニットが提供される。
光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、を備えた光学装置を具備し、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットをさらに具備し、
前記コントローラは、光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記光学コンポーネントから放射された一対の連続する光パルス間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、送信ユニットが提供される。
一実施形態によれば、量子通信システムのための送信ユニットであって、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、前記光学コンポーネントにコヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダと、を備えた光学装置を具備する送信ユニットが提供される。
一実施形態によれば、量子通信システムのための送信ユニットであって、
前記光学コンポーネントにコヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダと、を備える光学装置と、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記コントローラは、光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記光学コンポーネントから放射された一対の連続する光パルス間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、送信ユニットが提供される。
前記光学コンポーネントにコヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントと、前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダと、を備える光学装置と、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記コントローラは、光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記光学コンポーネントから放射された一対の連続する光パルス間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、送信ユニットが提供される。
一実施形態によれば、光学装置を具備する量子通信システムのための送信ユニットであって、光学装置は、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、
位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、
前記生成された光の第1の部分が供給される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が供給される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
を備える、送信ユニットが提供される。
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、
位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、
前記生成された光の第1の部分が供給される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が供給される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
を備える、送信ユニットが提供される。
一実施形態によれば、
光学装置を含む送信ユニットであって、光学装置が、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、
位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、
前記生成された光の第1の部分が供給される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が供給される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
を備える、送信ユニットと、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記第2のコントローラは、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記第1の光パルス及び前記第2の光パルスの放射時間の間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、量子通信システムが提供される。
光学装置を含む送信ユニットであって、光学装置が、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、
位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、
前記生成された光の第1の部分が供給される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が供給される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
を備える、送信ユニットと、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記第2のコントローラは、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記第1の光パルス及び前記第2の光パルスの放射時間の間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される、量子通信システムが提供される。
一実施形態によれば、
送信ユニットにおいて、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントにコヒーレント光を供給し、
前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用し、各期間中に放射された前記複数の光パルスが固定位相関係を有し、
前記光パルスに情報を符号化し、
符号化された光パルスを前記送信ユニットから、干渉計を備えた受信ユニットに送信し、前記干渉計は、第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含み、前記時間変化信号は、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記複数の光パルスの放射時間の間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するようにされる量子通信方法が提供される。
送信ユニットにおいて、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントにコヒーレント光を供給し、
前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用し、各期間中に放射された前記複数の光パルスが固定位相関係を有し、
前記光パルスに情報を符号化し、
符号化された光パルスを前記送信ユニットから、干渉計を備えた受信ユニットに送信し、前記干渉計は、第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含み、前記時間変化信号は、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記複数の光パルスの放射時間の間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するようにされる量子通信方法が提供される。
一実施形態では、量子通信方法はBB84に基づいたプロトコルを使用して実行される。一実施形態では、量子通信方法はCOWプロトコルを使用して実行される。一実施形態では、量子通信方式はDPSプロトコルを使用して実行される。
一実施形態では、方法は、量子通信システムにおいて使用される2以上の短いレーザパルス間の位相コヒーレンスを生成する。
図1(a)は、非対称MZIを用いてコヒーレントダブル光パルスを生成するために使用される配置の概略図である。非対称MZIは、干渉計の2つのアームの長さの差によって与えられる分離で2つの位相コヒーレントパルスを生成するために使用することができる。光源1は、非対称MZI3に入る短い光パルス2を生成する。干渉計は、短い光路長6と光学遅延Δt8を有するより長い光路長7との両方によって接続される入力ビームスプリッタ4及び出力ビームスプリッタ5からなる。
入力ビームスプリッタでは、短い光パルスは2つの部分に分離される。第1の部分は干渉計の内部の短い光路長6に沿って送られ、第2の部分は長い光路長7に沿って送られる。干渉計の出力ビームスプリッタ5では、第1の部分及び第2の部分は単一のファイバに結合される。ロングアームに沿って移動するパルスは、ショートアームに沿って移動するパルスに対して遅延され、従って、第2の部分は、第1の部分に対して光学遅延Δt8だけ遅延される。両方のパルスが同じ光源によって生成されるので、それらはコヒーレントである。従って、出力は、固定位相関係(fixed phase relation)を有し且つ遅延Δt9だけ時間的に分離された2つの光パルスからなる。
位相変調器(図示せず)は、干渉計のショートアーム又は干渉計のロングアームに配置されることができる。位相変調器は、ロングアームに沿って移動するパルスとショートアームに沿って移動するパルスとの間に位相シフトを導入し、従って、2つのパルスの位相差に情報を符号化することができる。QKD適用については、光学遅延8は、情報を復号するために使用される受信機のMZIの光学遅延と一致しなければならない。
図1(b)は、強度変調器を用いてコヒーレントダブル光パルスを生成するために使用される配置の概略図である。コヒーレント光源10は、強度変調器12に入る長い光パルス11を生成する。強度変調器は、入射した光パルスの強度を変調する。強度変調器は、2つの短い光パルス13を生成するために、「オン」状態と「オフ」状態とを切り替えられる。「オフ」状態では、強度変調器は光の強度を低レベルにする。「オン」状態では、強度変調器は入射した光のより大部分が出るようにする。強度変調器は、長い光パルス11が存在するときに短い期間「オン」状態に切り替えられ、短い光パルスを生成する。強度変調器の「オン」状態及び「オフ」状態間の消光比は、変調された光の最大強度と変調された光の最小強度の比を決定する。
図1(a)及び図1(b)において、QKDなどの適用に使用することができる短いコヒーレントレーザパルスのシーケンスは、光学干渉計を使用することによって、或いは、強度変調器でレーザを変調することによって、生成される。図1(a)及び(b)に示されるシステムは両方ともに、短いコヒーレント光パルスを出力する働きをする。光パルスは対で放出され、対になるパルス間には時間遅延がある。対になる2つのパルス間の位相差は、システムから出力される各対のパルスについて同じである。
図2(a)は、実施形態に係る光学装置35の概略図である。この装置では、コントローラ141によって制御される利得スイッチレーザ(gain switched laser)24は、図1(a)のMZI又は図1(b)の強度変調器を代用する。光学装置35は、短い光パルスを出力する働きをする。コントローラ141は、短い光パルスが対で放射され且つ各対のパルス間に時間遅延があるように、短い光パルスの放射時間を制御する。各対の短い光パルスは、ダブル光パルス(double light pulse)として知られている。コヒーレント光源20は、装置がコヒーレントダブル光パルスを出力できるように、各ダブルパルスが生成される期間中に利得スイッチレーザ24にコヒーレント光の長いパルスを供給する。コヒーレントダブル光パルスは前パルス(early pulse)及び後パルス(late pulse)からなり、前パルスと後パルスとの間の位相差は、光学装置35から放出された各ダブルパルスについて同じである。
異なる長いコヒーレント光パルスが供給されるときに各ダブルパルスが生成されるので、異なるダブルパルスに属するパルス間の位相差はランダムである。言い換えると、連続するダブルパルス間の位相差はランダムである。これは、例えばQKD適用において、不正な盗聴者イブが彼女の測定装置をこのパルスにロックする(lock)ことができず、従って、秘密鍵の安全な伝送が保証される達成可能な距離を制限するアリスのパルスのより良い測定を行うことができないことを意味する。
コヒーレント光源20は、導波路、例えば、光ファイバによって利得スイッチレーザ24の第1のアパーチャに接続される。或いは、光パルスは、自由空間(コヒーレント光源20及び利得スイッチレーザ24などのコンポーネントを接続するための導波路を必要としないという意味である。)を通じて光学装置35のコンポーネント間を移動してもよい。
コヒーレント光源は、コヒーレント光を生成する光源、言い換えると、一定の相対位相を有する光を生成する光源である。一実施形態では、コヒーレント光源20は半導体レーザダイオードである。一実施形態では、コヒーレント光源20は利得スイッチ半導体レーザダイオードである。コヒーレント光源のさらなる例は、ファイバレーザ及び固体レーザを含む。実際には、レーザによって発生された光は完全なコヒーレントではないことが理解されるべきである。しかしながら、発生された光は高レベルのコヒーレンスを有するので、レーザはコヒーレント光源であると考えられる。
利得スイッチレーザの動作は、図3(a)から図3(c)を参照して後述される。一実施形態では、利得スイッチレーザ24は半導体レーザである。代替の実施形態では、利得スイッチレーザ24はファイバレーザである。
半導体レーザは、時間変化電流(time varying current)の適用によって発振閾値(lasing threshold)以上と発振閾値未満とに周期的に切り替えられることができる。コントローラ141は、利得スイッチレーザ24に接続され、半導体利得スイッチレーザ24の場合においては電気的接続を通じて電流を適用することによってレーザの利得を変調する。第2の導波路、例えば、光ファイバは、利得スイッチレーザ24の第2のアパーチャに接続される。
コヒーレント光源20は、長い光パルス21を生成する。コヒーレント光源が半導体利得スイッチレーザである場合、駆動回路は、コヒーレント光源20が発振閾値以上に周期的に切り替えられるように時間変化電流を適用し、長い光パルスを生成する。コヒーレント光源20に適用される電流は、一連の電流変調パルスの形態をとる。電流は、電流変調パルス間においてゼロに低減されなくてよく、バイアス値に低減されてもよい。コヒーレント光源20は、キャリア密度が発振閾値以上になる場合に光を出力する。より長いパルスを生成するために、利得バイアスは、発振閾値により近くになるように選択される。これはキャリア密度がより早く発振閾値を超えることを意味し、それは発達するより多くの時間を光パルスに与える。最初に、光強度は、オーバーシュートし(overshoot)、すぐにキャリア密度を低減する。これは、次に、光子密度を低減させ、キャリア密度を増大させ、続いて光強度を増大させる。この競争過程は、強く減衰されるパルスの初めの光強度の振動を引き起こし、強度が一定である定常状態にすぐに導く。振動は緩和振動と呼ばれる。電流パルスが終わって電流を再びバイアス値に切り替わると、レーザパルスは終了する。
一実施形態では、長い光パルスの各々の継続時間は200ps以上である。一実施形態では、長い光パルス間の周期は100ps以上である。
長い光パルス21は、コヒーレント光源20から導波路へ放射され、第1のアパーチャを通じて利得スイッチレーザ24に入る。コントローラ141は、長い光パルス21が利得スイッチレーザ24に入射する期間中に利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に二度切り替えられるように、利得スイッチレーザ24に時間変化電流を適用し、2つの短い光パルスを生成する。利得スイッチレーザ24の切り替えは長い光パルスの到着と同期されることができる。例えば、長い光パルスを生成するためにコヒーレント光源20に適用される時間変化信号(time varying signal)及び短い光パルスを生成するために利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号は、マスタークロックと同期されることができる。
発振閾値以上に利得スイッチレーザを切り替えるために、コントローラ141は、利得スイッチレーザ24に接続されたバイアスティのAC入力に時間変化電流を供給することができる。DCバイアス電流はDC入力に供給されることができる。一実施形態では、時間変化電流は、2GHzの周波数を持つ方形の波形を有する。代替の実施形態では、時間変化電流は、周波数合成器によって生成される電気的な正弦波である。時間変化電流は、任意のパルス波形を有する信号を含むことができる。
利得スイッチレーザ24は、パルスが放射されるときの状態と「オフ」状態との間の良い消光比を有する。それは、非常に短いパルスを生成するために使用されることができる。一実施形態では、短い光パルスの各々の期間は200ps未満である。一実施形態では、短い光パルスの各々の期間は50ps未満である。一実施形態では、短い光パルスの各々の期間は数ピコ秒のオーダーである。時間変化電流が2GHzの周波数を持つ方形波電流である実施形態では、短い光パルスは500ps離れている。
コヒーレント光源20からのコヒーレント光の一部は、利得スイッチレーザ24の光キャビティに入り、利得スイッチレーザ24のコヒーレンスシーディング(coherence seeding)を引き起こす。コヒーレンスシーディングという語は、レーザシーディング又はレーザ以外のコヒーレント光源によるシーディングを指すことができる。
コヒーレント光源20からの光の注入なし(すなわちコヒーレンスシーディングなし)での利得スイッチレーザ24の動作中に利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に切り替えられる場合、光パルスは自然放出によって開始され、生成された光パルス間の位相差はランダムである。コヒーレント光源20からの光が利得スイッチレーザ24に注入され、利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に切り替えられる場合、パルスは、注入されたコヒーレント光によって引き起こされる誘発放出によって開始される。これは、コヒーレンスシーディングと呼ばれる。コヒーレンスシーディングが生じるために、注入される光の周波数は、ある範囲内で利得スイッチレーザ24の周波数と一致しなければならない。一実施形態では、コヒーレント光源20によって供給される光の周波数と利得スイッチレーザ24の周波数との差は30GHz未満である。利得スイッチレーザ24が分布帰還型(DFB)レーザダイオードであるいくつかの実施形態では、周波数差は100GHz未満である。シードレーザ(seeded laser)がファブリ・ペローレーザダイオードである他の実施形態では、周波数差は3テラヘルツ未満である。
コヒーレンスシーディングが生じる場合、利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に切り替えられるごとに、生成された光パルスは注入されたコヒーレント光と固定位相関係にある。一実施形態では、利得スイッチレーザ24は、長い光パルスの各々が入射する期間中に発振閾値以上に二度切り替えられ、それにより、長い光パルス21が入射するごとに、各パルスの放射時間に同じ差を有する2つのコヒーレントな短い光ビームが生成される。2つの短い光パルス26は、コヒーレントダブルパルスと総称されることができる。例えば、光パルスの第1の対(パルス1及びパルス2)は、第1の長い光パルスが入射する期間中に生成される。1つの長い光パルスが入射する期間中に生成されたパルスは、イントラ期間(intra-period)と称される。光パルスの第2の対(パルス3及びパルス4)は、第2の長い光パルスが入射するときに生成され、光パルスの第3の対(パルス5及びパルス6)は、第3の長い光パルスが入射するときに生成される。パルス1及びパルス2はイントラ期間である。パルス3及びパルス4はイントラ期間である。パルス5及びパルス6はイントラ期間である。第1の対のパルス、第2の対のパルス、及び第3の対のパルスは、固定位相関係を有し、言い換えると、対の相対位相は各対について同じである。パルス1とパルス2との間の位相差は、パルス3とパルス4との間の位相差、及びパルス5とパルス6との間の位相差と同じである。言い換えると、任意の2つの連続するイントラ期間パルス間の位相差はすべての期間について同じである。
異なる長い光パルスが入射する期間中に生成されたパルスはインター期間(inter-period)と称される。例えば、パルス1及びパルス3はインター期間であり、パルス2及びパルス3はインター期間であり、パルス4及びパルス5はインター期間であり、パルス1及びパルス6はインター期間である。2つのインター期間パルス(例えばパルス2及びパルス3)間の位相差は、固定されず、ランダムである。例えば、パルス2とパルス3との間の位相差はパルス4とパルス5との間の位相差とランダム関係(random relation)を有する。これは、不正な盗聴者(イブ)が彼女の測定装置をこの位相にロックすることができず、アリスのパルスのよりよい測定を行うことができないことを意味する。
コヒーレント光源20によって生成される連続する長い光パルス間に位相コヒーレンスがない場合、2つの連続するインター期間パルス間の位相差は全くのランダムである。半導体利得スイッチレーザなどのコヒーレント光源20に関しては、レーザ放射は自然放出によって開始される。これはランダム過程であり、このことは、生成された長い光パルスの位相がランダムになることを意味する。自然放出のランダム過程がすべての長い光パルスについてのレーザ放射を開始することに関与するために、レーザキャビティは、長い光パルスの各々が生成される前に完全に空である必要がある。キャリア密度が発振閾値未満に落ちるとすぐに、キャビティ内の光子の数は指数関数的に減少する。ほとんどの光子がキャビティから出るまでに約100psかかることができ、連続して生成される長い光パルスに位相コヒーレンスが存在しないことを保証する。
半導体利得スイッチレーザなどのコヒーレント光源においては、生成される長い光パルスは、変化するキャリア密度と関連するレーザキャビティ内部の屈折率の変更に起因するパルスの前方における周波数チャープ(frequency chirp)を示す。従って、コヒーレンスシーディングにおいては、レーザが定常状態で放射している長いパルスの中央部分が使用されることができる。従って、短い光パルスは、長い光パルスの中央部分が供給されるときに利得スイッチレーザ24から生成され、パルスの開始が供給されるときには生成されない。
利得スイッチレーザ24は、単一の長いコヒーレント光パルスが利得スイッチレーザ24に入射する期間中に発振閾値以上に二回以上切り替えられることができる。イントラ期間であるパルスは固定位相関係を有する。インター期間であるパルスはランダム位相関係を有する。言い換えると、同じ長い光パルスが入射する期間中に生成される短い光パルスはすべて固定位相関係を有する。例えば、パルス1及びパルス2の放射間の時間がパルス2及びパルス3の放射間の時間と同じである3つの光パルス(パルス1、パルス2及びパルス3)が第1の長い光パルスが入射する期間中に生成される場合、パルス1とパルス2との間の位相差はパルス2とパルス3との間の位相差と同じである。さらなる3つの光パルスが第2の長い光パルスが入射する期間中に生成される場合(パルス4、パルス5及びパルス6、この場合にもパルス放射時間の間に同じ期間がある)、パルス4とパルス5との間の位相差は、パルス5とパルス6との間の位相差、パルス1とパルス2との間の位相差、及びパルス2とパルス3との間の位相差と同じである。しかしながら、これらのパルスはインター期間であるので、例えばパルス1とパルス4との間の位相差はランダムである。
例えば、(同じ長いコヒーレント光パルスでシーディングすることによって)固定位相関係を有する1対のパルスに続いて、(第2の長いコヒーレント光パルスでシーディングすることによって)第1の対と比較してランダムな位相を有するが互いに同じ固定位相関係を有する第2の対のパルスを生成するように、生成されたパルスシーケンスの位相コヒーレンスを調整することができる。任意の数のコヒーレントパルスの後に第2の異なる数のコヒーレントパルスが続くことができ、光パルスの調整されたシーケンスを構築する。
生成された短い光パルス26は、利得スイッチレーザ24の第2のアパーチャから放射される。利得スイッチレーザアパーチャはミラーであり得る。利得スイッチレーザ共振器は、1つの非常に高反射のミラー及びより低い反射率を有する1つのミラーを含むことができる。これは、共振器の内部の光子のほとんどすべてが低反射ミラーを通じて出ることを意味する。従って、コヒーレンスシーディングを引き起こすために、コヒーレント光は、高反射ミラーを通じて利得スイッチレーザ24に供給される。光反射ミラーの入射する光の強度は、コヒーレンスシーディングが起こるのに充分な光がレーザキャビティに入るよう充分に高くなければならない。そして、利得スイッチレーザ24で生成された短いパルスは、より低い反射率を有するミラーを通じて出る。従って、より高い反射率を有するミラーは、(コヒーレント光が供給される)第1のアパーチャであり、より低い反射率を有するミラーは、(短い光パルスが放射される)第2のアパーチャである。第1及び第2のアパーチャは両方とも利用しやすい(accessible)必要がある。これはレーザ設計の変更を要求することができる。コヒーレント光が入射するミラーの反射率は、充分な光がレーザシーディングを引き起こすためにキャビティに入ることを可能にするために、低減されてもよい。
コヒーレントシーディングにおいては、レーザの光キャビティに入るコヒーレント光23の一部は、使用される利得スイッチレーザのタイプに依存する範囲内にあるべきである。一実施形態では、注入されたコヒーレント光の光パワーは、利得スイッチレーザ24の光出力パワーより少なくとも1000倍低い。一実施形態では、注入されたコヒーレント光の光パワーは、利得スイッチレーザ24の光出力パワーより少なくとも100倍低い。コヒーレント光源20は、放射された長い光パルスの強度を低減する固定光減衰器を含むことができる。或いは、コヒーレント光源20は、緩やかにしか調整されない調整可能な光減衰器を含むことができる。生成される短いパルスの強度は、コヒーレント光の強度に依存する。的確な駆動条件では、コヒーレント光が注入されない場合には、短いパルスはまったく生成されない。従って、コヒーレント光源は、生成された短い光パルスの強度を変えるために、生成される長い光パルスの強度を、利得スイッチレーザ24に供給される前に変える強度変調器を含むことができる。光学装置35は、利得スイッチレーザ24によって生成された短い光パルスの強度を減少する第2の光減衰器、又は利得スイッチレーザ24によって生成された短い光パルスの強度を変える強度変調器を含むことができる。
この装置では、コヒーレントパルスシーケンスはコヒーレンスシーディングを使用して生成される。第1のレーザ(コヒーレント光源20)は、パルス駆動でコヒーレント光のソースとして使用される。この第1のレーザからの光は、利得スイッチモード(gain-switched mode)で動作される第2のレーザ(利得スイッチレーザ24)に注入され、すなわち、それは、発振閾値以上と発振閾値未満とに絶えず切り替えられる。コヒーレント光を注入することによって、後続する光パルス間の完全にランダムな位相差の代わりに、パルスシーケンスのコヒーレンスは調整されることができる。いくつかの場合には、位相差は、例えば、周囲温度変化又はコヒーレント光源20の駆動条件の変化によって長い時間にわたって変動する(drift)ことがある。これらの変動は、コヒーレント光源20のパルス繰り返し率よりはるかに遅く、図16に関して後述される位相制御要素によって補われることができる。
コンポーネントの精密な整合が必要でないので、光学装置は簡素であり製造するコストが低い。光学装置は、簡素でコンパクトな送信機が製造されることを可能にする。短いパルスは(50ps未満で)生成することができ、利得スイッチレーザは「オン」状態と「オフ」状態との間の良い消光比を有する。
図2(b)は、実施形態に係る、光増幅器30を含む光学装置35の概略図である。一実施形態では、光増幅器30は半導体光増幅器(SOA)である。この装置では、コントローラ141によって制御される光増幅器30は、図1(a)のMZI又は図1(b)の強度変調器を代用する。光学装置35は光パルスを出力する働きをする。コントローラ141は、光パルスが対で放射され、各対の光パルス間に時間遅延があるように、光パルスの放射時間を制御する。短い光パルスの対の各々はダブル光パルスとして知られている。コヒーレント光源20は光増幅器30にコヒーレント光を供給する。コヒーレント光が供給される期間中において、コントローラ141は、光学装置35がダブル光パルスを出力することができるように、2つの短い期間の間、光増幅器30を「オン」状態に切り替える。コヒーレントダブル光パルスは前パルス及び後パルスからなり、前パルスと後パルスとの間の位相差は光学装置35から放射される各ダブルパルスについて同じである。
コヒーレント光源20は、導波路、例えば、光ファイバによって光増幅器30の第1のアパーチャに接続される。コントローラ141は光増幅器30に接続され、時間変化信号を適用することによって光増幅器30を「オン」状態と「オフ」状態との間で切り替える。それにより、光増幅器30は、利得スイッチングされる(gain-switched)。
SOA30の利得を変調するために、コントローラ141は、時間変化信号、例えば、一連の電流変調パルスの形態を有することができる時間変化電流を適用する。電流変調パルスがSOAに適用される場合、注入されたキャリアはキャリア密度を増大させ、SOAに入力された光は出力を生成するために誘導放出によって充分に増幅される。このポイントで、電流変調パルスは、DCバイアスレベル未満に戻るように調整され、出力はすぐに絶える。それにより、出力は短い光パルスの列からなる。
SOA30が「オン」状態に切り替えられる場合、入射したコヒーレント光は増幅されてSOA30から放射される。SOA30が「オフ」状態に切り替えられる場合、入射した光は吸収される。第2の導波路、例えば、光ファイバは、光増幅器30の第2のアパーチャに接続される。
コヒーレント光源20は、光ファイバなどの光導波路へ放射される長い光パルス21を生成する。光導波路はSOA30の入力に接続される。長い光パルス21はSOA30に入る。コントローラ141は、SOA30が短い期間の間「オン」状態に切り替えられ、「オン」期間の間の期間に「オフ」状態に切り替えられるように、SOA30に時間変化電流を適用する。SOA30が「オフ」状態にある期間の継続時間は、SOA30が「オン」状態にある期間の継続時間より長いことができる。一実施形態では、短い光パルスの各々の継続時間は200ps未満である。一実施形態では、短い光パルスの各々の継続時間は50ps未満である。時間変化電流が2GHzの周波数を有する方形波電流である実施形態では、短い光パルスは500ps離れている。
一実施形態では、SOA30は、到来するコヒーレントな長い光パルス21がSOA30に入射する期間の継続時間中に「オン」状態に二度切り替えられる。コヒーレント光が入射する期間中にSOA30が「オン」状態に切り替えられるときに短いレーザパルスは放射され、それにより長い光パルス21が入射するごとに2つのコヒーレントな短いレーザパルス26が放射される。2つの短い光パルス26はまとめてコヒーレントダブルパルスと称することができる。第1の長い光パルスが入射するときにSOA30から放射されるパルスの第1の対、及び第2の長い光パルスが入射するときにSOA30から放射されるパルスの第2の対は、固定位相関係を有する。第1の対のパルス間の位相差は第2の対のパルス間の位相差と同じである。しかしながら、異なる長い光パルスが入射する期間中に放射された2つのパルス間の位相差はランダムである。
SOA30は、コヒーレント光が入射する期間中に「オン」状態に複数回切り替えられることができ、コヒーレントな短いレーザパルスのパルスシーケンスを生成する。同じ長い光パルスが入射する期間中に放射された短いパルスはすべて固定位相関係を有する。
図2(c)は、実施形態に係る光学装置35の概略図である。この装置では、光は、利得スイッチレーザ24の同じアパーチャへ注入され、同じアパーチャから放射される。配光装置22は、生成された短い光パルスをコヒーレント光パルスから分離するために使用される。
この装置では、コントローラ141によって制御される利得スイッチレーザ24は、図1(a)のMZI又は図1(b)の強度変調器を代用する。光学装置35は、短い光パルスを出力する働きをする。コントローラ141は、短い光パルスが利得スイッチレーザ24から対で放射され、各対の短い光パルス間に時間遅延があるように、短い光パルスの放射時間を制御する。短い光パルスの対の各々はダブル光パルスとして知られている。コヒーレント光源20は、装置がコヒーレントダブル光パルスを出力することができるように、各ダブルパルスが生成される期間中に配光装置22を通じて利得スイッチレーザ24にコヒーレント光を供給する。コヒーレントダブル光パルスは前パルスと後パルスからなり、前パルスと後パルスとの間の位相差は、光学装置35から放射された各ダブルパルスについて同じである。
コヒーレント光源20は、導波路、例えば、光ファイバによって配光装置22のポートAに接続される。配光装置22は、少なくとも3つのポートを有するが、4以上のポートを有していてもよい。光はポートを通じて配光装置22に入る又は配光装置22から出ることができる。配光装置22は、ポートAから入った光の一部又は大部分がポートBを通じて配光装置から出るように構成される。配光装置22のポートBは、光導波路、例えば、光ファイバによって利得スイッチレーザ24のアパーチャに接続される。コントローラ141もまた、例えば電気的接続を通じて電流を適用することによってレーザの利得を変調することができるように、利得スイッチレーザ24に接続される。配光装置22は、ポートBに入る光の一部又は大部分がポートCを通じて配光装置から出るように構成される。光ファイバなどの光導波路が配光装置のポートCに接続される。
長い光パルス21は、コヒーレント光源20から導波路に放射され、ポートAを介して配光装置22に入る。長い光パルス23は、配光装置22のポートBから出て、利得スイッチレーザ24に注入される。コントローラ141は、利得スイッチレーザ24が長い光パルスが入射する期間中に短い光パルス25を生成するように、利得スイッチレーザ24に時間変化信号を適用する。前述したように、コヒーレンスシーディングが生じる。
生成された短い光パルス25は、長い光パルス23が注入されたのと同じアパーチャを通じて利得スイッチレーザから放射される。利得スイッチレーザ24によって生成された短い光パルス25は、配光装置22のポートBに入る。一実施形態では、利得スイッチレーザ24は、長い光パルス23が入射する期間中に発振閾値以上に二度切り替えられ、それによりコヒーレントダブル光パルス26がポートCから出力される。
図2(d)は、実施形態に係る光学装置の概略図であり、ここでは、コヒーレント光は複数の短い光パルスを生成するのと同じ利得スイッチレーザ24によって発生される。付加的なコヒーレント光源はない。図2(d)(i)は、第1のモードで駆動される光学装置を示す。図2(d)(ii)は、第2のモードで駆動される光学装置を示す。
利得スイッチレーザ24は、光ファイバなどの光導波路によってビームスプリッタ28のポートAに接続される。光ファイバなどの光導波路が、ビームスプリッタ28のポートCをミラー156に接続する。ビームスプリッタ28は4つのポートA、B、C及びDを有する。コントローラ141は利得スイッチレーザ24に接続される。利得スイッチレーザ24が半導体利得スイッチレーザである場合、コントローラ141は光パルスを生成するためにレーザに時間変化電流を適用するように構成される。コントローラ141は、2つの異なるモードで利得スイッチレーザ24を駆動するように構成される。図2(d)(i)は、第1のモードで駆動される利得スイッチレーザ24を示す。
第1のモードでは、長いコヒーレント光パルスは、長い第1の期間に発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を切り替えて、第2の期間に発振閾値未満にそれを切り替えることによって生成される。コントローラ141は、レーザの利得を発振閾値以上及び発振閾値未満に周期的に切り替える時間変化電流を適用する。レーザは、キャリア密度が発振閾値以上にある場合に光を出力する。より長いパルスを生成するために、利得バイアスは発振閾値の近くに選択される。或いは、AC変調信号振幅は増大される。電流パルスが適用される場合、レージングが開始するのに充分にキャリア密度が増大するまでにある時間がかかる。従って、電流パルスの開始と短いパルスの放射との間に遅延がある。利得バイアスがより高い場合、このポイントがより早くに到達され、放射がより早く開始する。電流パルスがより長い間オンのままになるので、レージングは、絶えないが、最初のオーバーシュートから回復する。定常状態に導く最初の振動がある。電流が放射開始後にオンのままである時間はDCバイアス又はAC信号を変更することによって変更されることができる。短いパルス生成に関しては、強度が最初にオーバーシュートしてその後このポイントきっかりに電流注入を停止することによって強く低減されることが利用される。これがなされない場合、放射は定常状態になるまで振動する方法で継続し、より長い光パルスが生成されることができる。
利得スイッチレーザ24は長い光パルス21を放射する。ポートAを通じてビームスプリッタ28に入った長い光パルスの第1の部分は、ビームスプリッタのポートCを通じて出る。ポートAを通じてビームスプリッタ28に入った第2の部分は、ビームスプリッタのポートDを通じて出る。ポートCから出た第1の部分の光23は、光導波路に沿って移動し、ミラー156で反射される。反射された長い光パルス155は、ビームスプリッタ28に向かって反対方向に導波路に沿って移動する。
長いコヒーレント光パルスが生成された後に、コントローラ141は第2の駆動モードに変わる。図2(d)(ii)は、第2のモードで駆動される利得スイッチレーザ24を示す。第2のモードにおいて、短い光パルス25が利得スイッチレーザ24によって生成される。コントローラ141は、より短い光パルスが生成されるように、利得スイッチレーザ24に異なる時間変化電流を適用する。例えば、第2の駆動モードでは、コントローラ141は、低減した利得バイアス及び第1の駆動モードよりも短い電流パルスを有する時間変化電流を適用することができる。
反射された長い光パルス155は、ポートCを通じてビームスプリッタに入る。光の第1の部分はポートAを通じてビームスプリッタから出て、第2の部分はポートBを通じてビームスプリッタから出る。光157の第1の部分は利得スイッチレーザ24に注入される。一実施形態では、第2の駆動モードで利得スイッチレーザ24に適用される時間変化電流は、第1の部分の光157が存在する期間中に発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を二度切り替え、2つの短い光パルスを生成する。言い換えると、短い光パルスは生成される期間中は、利得スイッチレーザ24は、反射された長いコヒーレント光パルス157の部分によって自己シーディング(self-seeded)される。長いコヒーレント光パルス157のこの部分は、一対の短い光パルス25の位相関係を各対について固定させる利得スイッチレーザ24に注入される。
2つの短い光パルスは、利得スイッチレーザ24から放射され、ポートAを通じてビームスプリッタ28に入る。2つの短い光パルスの第1の部分は、ポートCを通じてビームスプリッタから出て、第2の部分は、ポートDを通じてビームスプリッタから出る。出力の第2の部分26は、図2(a)から図2(c)の光学装置の出力に等価である。しかしながら、図2(d)に示される光学装置の総出力は、長いコヒーレント光パルス158と、ある時間遅れてそれに続く、固定位相関係26を有する2つのコヒーレントな短い光パルスと、を含む。光学装置は、長いコヒーレント光パルスがポートDに存在すると予期される期間中にすべての光を遮断し、短い光パルスがポートDに存在すると予期される期間中にすべての光を通過させるように構成された光スイッチをポートDに含むことができる。光スイッチはコントローラ141と同期されることができる。
図3(a)は、利得スイッチ半導体レーザの概略図を示す。利得スイッチレーザは、レーザが発振閾値以上に切り替えられる場合に光を生成し、レーザが発振閾値未満に切り替えられる場合にほとんど光を生成しない。レーザ140は、ポンプパワーの変更によるレーザの利得の変調を可能にするコントローラ141を有する。利得は、時間変化する方法で変調されることができる。このようにレーザを駆動することは、レーザ出力142において(継続時間がピコ秒のオーダーである)短いレーザパルスを生成することができる。
レーザ140が半導体レーザである場合、それは、電流を適用することによって電気的にポンプされることができる。半導体レーザの利得を変調するために、コントローラ141は、レーザに適用される電流を変調する。
レーザ140がファイバレーザ又は固体レーザである場合、それは光学的にポンプされることができる。ファイバレーザ又は固体レーザの利得を変調するために、コントローラ141は、レーザに適用される光入力を変調する。
図3(b)は、半導体利得スイッチレーザの利得変調を説明する3つのグラフを示す。上部のグラフは、横軸に時間をとって、縦軸にレーザに適用される電流を示す。DCバイアスは横の点線によって示される。レーザに適用される電流は一連の電流変調パルスの形態をとる。その波は方形の波形である。この場合、電流は、電流変調パルス間でゼロに低減されないが、バイアス値(点線によって示される)に低減される。
電流変調信号は、レーザに適用され、発振閾値以上に及び発振閾値未満にレーザの利得を周期的に切り替える。2番目のグラフは、横軸に時間をとって、縦軸にレーザのキャリア密度を示す。発振閾値は、横方向の破線によって示される。電流変調パルスがレーザに適用される場合、注入されたキャリアはキャリア密度を増大させ、光子密度が増大する。
変調信号によって生成されたレーザ出力は、下部のグラフに示される。横軸が時間であり、縦軸はレーザ強度を示す。キャリア密度が発振閾値以上にある場合に、レーザが光を出力する。レーザキャビティ内部で自然放出によって生成された光子は、出力信号を生成するために誘発放出によって十分に増幅される。電流変調パルスの適用と出力光の生成との間の遅延の長さは、レーザタイプ、キャビティ長及びポンピングパワーなどのいくつかのパラメータに依存する。
光子密度の迅速な増大は、キャリア密度の低減を引き起こす。これは次に光子密度を低減させ、それはキャリア密度を増大させる。このポイントでは、電流変調パルスはDCバイアスレベルに切り替えるように調整され、レーザ放射はすぐに絶える。従って、レーザ出力は、下部のグラフに示されるような短いレーザパルスの列からなる。
図3(c)は、半導体利得スイッチレーザのための電気駆動回路の概略図を示す。半導体利得スイッチレーザはレーザダイオード145である。レーザダイオード145のカソードは、インダクタ147と抵抗又はコンデンサ148とを含むバイアスティ146に接続される。インダクタ147を通じて、DCバイアス電流はレーザダイオードに送られる。これは利得バイアス(図3(b)において点線によって示される最低レベルの電流)を提供する。抵抗又はコンデンサ148を通じて、AC変調電流はレーザダイオードに送られ、発振閾値以上及び発振閾値未満にレーザの利得を切り替えるのに必要な利得変調を提供する。この場合、バイアスティ146への変調入力はコントローラ141によって提供される。
図4(a)は、実施形態に係る、図2(c)に示される配光装置22が光サーキュレータ27である光学装置の概略図である。コヒーレント光源20は、光導波路、例えば、光ファイバによって、光サーキュレータ27のポート1に接続される。このサーキュレータのポート2は、光導波路によって利得スイッチレーザ24に接続される。光サーキュレータ27は、光サーキュレータ27のポート1に入った光がポート2を通じて出て、ポート2を通じて光サーキュレータ27に入った光がポート3を通じて出るように構成される。
コヒーレント光源20は長い光パルス21を生成し、この長い光パルス21は光導波路に沿って移動し、光サーキュレータ27のポート1に入る。長い光パルス21からの光は、主にサーキュレータのポート2を通って出るが、光のごく一部分は、吸収される、或いは、ポート3を通って出ることができる。長い光パルス21の光は、光パルス23としてサーキュレータから出て、光パルス23は、光サーキュレータ27のポート2から出て、利得スイッチレーザ24に接続される光導波路に沿って移動する。長い光パルス23は、利得スイッチレーザ24に注入される。利得スイッチレーザは、コヒーレント光によってシーディングされ、位相コヒーレントである短いレーザパルスを生成する。
コントローラ141は、光パルス23が利得スイッチレーザ24に入射する期間中に利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に二度切り替えられるように、利得スイッチレーザ24に時間変化信号を適用する。それにより、利得スイッチレーザ24は、コヒーレントダブルパルス25を放射し、このコヒーレントダブルパルス25は、利得スイッチレーザ24に接続された光導波路へ放射され、長い光パルス23と反対方向に導波路に沿って移動する。コヒーレントダブルパルス25は、光サーキュレータ27のポート2に入る。コヒーレントダブルパルス26は、光サーキュレータ27のポート3から光導波路、例えば、光ファイバに出る。
図4(b)は、実施形態に係る、図2(c)に示される配光装置22が光ビームスプリッタ28である光学装置の概略図である。コヒーレント光源20は、光ファイバなどの光導波路によって光アイソレータ29のポートに接続される。光アイソレータ29の第2のポートは光ファイバなどの第2の光導波路によってビームスプリッタ28のポートAに接続される。光アイソレータは、第1のポートを通じて入った光が通過することを可能にするが、第2のポートを通じて入った光を通過させないように、構成される。光アイソレータを含まない代替の実施形態では、コヒーレント光源の出力は、光ファイバなどの単一の光導波路によってビームスプリッタ28のポートAに直接に接続される。光ファイバなどの光導波路は、ビームスプリッタ28のポートCを利得スイッチレーザ24に接続する。
コヒーレント光源20は長い光パルス21を放射する。ポートAを通じてビームスプリッタ28に入った光の第1の部分は、ビームスプリッタのポートCを通じて出る。ポートAを通じてビームスプリッタ28に入った第2の部分は、ビームスプリッタのポートDを通じて出る。ポートCから出る第1の部分の光23は、光導波路に沿って移動し、利得スイッチレーザ24に注入される。コントローラ141は、利得スイッチレーザ24に時間変化電流を適用し、前述したように、コヒーレンスシーディングが生じる。利得スイッチレーザ24によって生成されたコヒーレントな短い光パルス25は、光導波路に放射され、長い光パルス23と反対方向に導波路に沿って移動する。コヒーレントな短い光パルス25は、ポートCを通じてビームスプリッタ28に入る。コヒーレントな短い光パルスの第1の部分は、ポートAを通じてビームスプリッタ28から出て、第2の部分は、ポートBを通じて出る。ポートBからの出力は、図2(a)、図2(b)又は図2(c)に示される装置の出力26と等価である。
ポートAを通じて前記ビームスプリッタから出たコヒーレントな短い光パルスの第1の部分は、光アイソレータ29で阻止される。それにより、光アイソレータ29は、利得スイッチレーザ24から放射された光がコヒーレント光源20に入ること及びこの光源に障害を引き起こすことを防止する。ビームスプリッタ28のポートDにおける出力は、監視目的のために使用することができる。
図5(a)は、位相コヒーレンスを実証するために使用される実験配置の概略図である。光学装置35は、図2(a)から図2(d)に示されるようなコンポーネントであり、光学遅延Δt8を有する非対称MZI3に接続される。光学装置35の利得スイッチレーザ24は、長い光パルスが入射する期間中に発振閾値以上に二度切り替えられる。生成された第1のパルスBと生成された第2のパルスAとの間の時間遅延はΔtである。従って、光学装置35は、干渉計の光学遅延Δt8に等しい、パルスAとパルスBとの間の時間遅延を有するコヒーレントダブルパルス36を生成する。
コヒーレントダブルパルスは光ファイバなどの光導波路に放射される。光導波路は、MZI3の入力ビームスプリッタ4の第1の入力に接続される。入力ビームスプリッタ4の第1の出力はMZIのより短いアーム6に接続される。MZIのより短いアームは、位相シフト要素37の入力に接続された光導波路を含む。位相シフト要素37は、MZIのより短いアームの導波路の小さい部分を熱する小さいヒーターであり、それにより、より短いアームを移動する光の位相を変更する。光に適用される位相変更は、加熱素子に適用されるパワー、すなわち、電圧の二乗に比例する。位相シフト要素37の出力は、出力ビームスプリッタ5の第1の入力に接続される。入力ビームスプリッタ4の第2の出力はMZIのより長いアーム7に接続される。MZIのより長いアーム7は光学遅延Δt8を含む。MZIのより長いアーム7は、出力ビームスプリッタ5の第2の入力に接続される。MZIのより長いアーム7に沿って移動する光は、光学遅延Δt8によってMZIのより短いアーム6に沿って移動する光に対して遅延される。出力ビームスプリッタ5の出力1は光パワーメーター38に接続される。
コヒーレントダブルパルスのパルスBは最初に干渉計に入り、入力ビームスプリッタ4によってパルスD及びFに分割される。パルスDは干渉計のより短いパス6に沿って移動し、パルスFはより長いパス7に沿って移動する。時間Δtの後に、コヒーレントダブルパルスのパルスAが干渉計に入り、入力ビームスプリッタによってパルスC及びEに分割される。パルスCは、より短いアーム6に沿って移動し、パルスEは、より長いアーム7に沿って移動する。干渉計の内部では、パルスE及びFは、干渉計のより長いアーム7を移動しているときに、Δtだけ遅延される。それにより、出力ビームスプリッタ5では、パルスDが最初に到着し、パルスC及びFは、(パルスDが到着した後の時間Δtに)同時に到着して干渉し、パルスEは(パルスC及びFの後の時間Δtに)最後に到着する。パルスCとパルスFとの間の位相差に依存して、光の第1の部分は出力1を通じて出力ビームスプリッタ5から出て、第2の部分は出力2を通じて出る。位相差がちょうど0度である場合、パルスC及びFからのすべての光は出力1を通じて出る。位相差がちょうど180度である場合、パルスC及びFからのすべての光は出力2を通じて出る。パルスE及びDは何とも干渉せず、従って、出力ビームスプリッタでちょうど分割される。これは、これらのパルスに由来する検出された一定のバックグラウンド光パワーが常にあることを意味する。
光パワーメーター38は、光ファイバなどの光導波路によって干渉計3の出力1に接続される。光パワーメーター38は、出力1を通じて出る光の時間平均パワーを測定する。多数のコヒーレントダブルパルス(これらの各々はパルスA及びパルスBを含む)がある期間にわたって光学装置35によって生成される。コヒーレントダブルパルスは入力ビームスプリッタ4で分割される。従って、光学装置35から放射された各コヒーレントダブルパルスは、干渉計を移動するパルスD、F、C及びEのセットをもたらすことができる。コヒーレントダブルパルスの位相関係が(パルスAとパルスBとの間の位相差が、生成されたコヒーレントダブルパルスのすべてについて同じであるように)固定される場合、パルスCとパルスFとの位相関係も(パルスCとパルスFとの間の位相差が、生成されたコヒーレントダブルパルスのすべてについて同じであるように)固定され、出力1を通じて干渉計から出る光の部分は各対について同じである。この部分は、位相シフト要素37に電圧を加えることにより、MZI3のショートアーム6とロングアーム7との間の位相差を変更することによって変更されることができる。
一対のパルスAとBの位相関係が(パルスAとパルスBとの間の位相差が、生成されたコヒーレントダブルパルスの各々について任意の値であるように)固定されない場合、パルスCとFの位相関係は固定されず、出力1を通じて干渉計を出る光の部分は放射された各対のコヒーレントダブルパルスについてランダムである。
図5(b)は、干渉計の内部の位相シフト要素37に適用される電圧の二乗に対する、光パワーメーター38で出力1において測定されたパワーのグラフを示す。縦軸は、任意単位で、光パワーメーター38で測定された時間平均パワーを示す。横軸は、V2の単位で、位相シフト要素37に適用された電圧の二乗を示す。干渉計3のショートアーム6中の位相シフト要素37によって生成された位相シフトは、位相シフト要素37に適用される電圧の二乗に比例する。従って、横軸は適用される位相シフトの大きさである。出力1において光パワーメーター38で測定されたパワーは、光学装置35によって生成された多くのコヒーレントダブルパルス31について測定された干渉の時間平均である。
パルスAとBの位相関係が固定される場合、出力1において測定された時間平均パワーは、干渉計7のショートアーム6とロングアーム7との間の位相差に依存する。干渉計のショートアーム6とロングアーム7との間の位相差は、位相シフト要素37によってセットされ、位相シフト要素37に適用される電圧の二乗に比例する。パルスAとBの位相関係が固定される(それによりパルスCとFの位相関係が固定される)場合に位相シフト要素37に印加される電圧の二乗の関数として光パワーメーター38で測定されたパワーは、グラフにおいて白い三角形として示される。光パワーメーターで測定された出力パワーが正弦曲線のように印加電圧の二乗に応じて変化することは、はっきり理解されることができる。
光学装置35内部のコヒーレント光源20のスイッチが切られる場合に印加電圧の二乗の関数として光パワーメーターで測定されたパワーは、グラフにおいて黒い正方形として示される。光学装置35内部のコヒーレント光源20のスイッチが切られる場合、利得スイッチレーザ24によって生成されたパルスはランダムな位相関係を有し、光パワーメーター38で測定された多くのダブルパルスの干渉の時間平均は変わらない。言い換えると、パルスAとBの位相関係がランダムである場合、光パワーメーター38によって測定された時間平均パワーは、出力1を通じて干渉計から出た光のショットごと(shot-by-shot)のランダムな部分の平均値であり、それはショートアーム6とロングアーム7の間の位相差に依存しない。
図6(a)は、実施形態に係る、位相変調器130であるエンコーダを含む光学装置133の概略図である。QKDプロトコルを実施するために、連続するコヒーレント光パルス間の位相は、情報を符号化するために変調されることができる。位相は位相変調器130を使用して変調される。光学コンポーネント150は利得スイッチレーザであり得る。或いは、光学コンポーネント150は光増幅器であり得る。光が同じアパーチャを介して光学コンポーネント150に入り光学コンポーネント150から出る代替の実施形態では、装置は、前述したような配光装置22をさらに含む。代替の実施形態では、光学コンポーネントは利得スイッチレーザであり、光学装置はコヒーレント光源を含まず、コヒーレント光はミラーを介して光学コンポーネント自体によって供給される。
コヒーレント光源20は光学コンポーネント150にコヒーレント光を供給する。いくつかの実施形態では、コヒーレント光源20は長い光パルス21を供給する。代替の実施形態では、コヒーレント光源20はCWコヒーレント光を供給する。
コヒーレントダブルパルス26は、位相変調器130の入力に接続される、光ファイバなどの光導波路を通じて光学コンポーネント150から出る。コントローラ141は、長いコヒーレント光パルスが入射する期間中に光学コンポーネント150が「オン」状態に二度切り替えられるように、時間変化信号を供給する。それにより、光学コンポーネント150はコヒーレントダブルパルスを放射する。コヒーレントダブルパルス26の第1の光パルスとコヒーレントダブルパルス26の第2の光パルスとの間の位相差はΦである。コヒーレントダブルパルスは、位相変調器130の入力に接続される光ファイバなどの光導波路を通じて光学コンポーネント150から出る。コヒーレントダブルパルスは位相変調器130を通過する。
電気光学位相変調器に適用される電圧を制御することによって、位相変調器130に適用される位相シフトを制御する第2のコントローラがあってもよい。異なる電圧は、異なる位相変調を各パルスに付与するように第1のパルス及び第2のパルスの通過中に位相変調器130に適用される。説明されたような位相変調器は、屈折率が電場強度の関数であるLiNbO3クリスタルなどのクリスタルを含むことができる。パルスが光学コンポーネント150から放射される時間に基づいて、コントローラは、パルス間の位相シフトを適用するために、コヒーレントダブルパルスの各パルスを識別することができる。例えば、長い光パルスを生成するためにコヒーレント光源20に適用される時間変化信号、短い光パルスを放射するために光学コンポーネント150に適用される時間変化信号、及び位相変調器130を制御するコントローラは、マスタークロックに同期されることができる。
或いは、位相変調は、受動的な手段によって、例えば、異なる固定された位相差を適用するようにそれぞれ構成された複数の固定位相要素と前記のコンポーネントの各々を選択するように構成されたスイッチとによって、提供されることができる。第2のコントローラは、スイッチを制御することによって各パルスに適用された位相シフトを制御する。
或いは、位相変調器130は、コヒーレント光が光学コンポーネント150に供給される前に位相変調器130がコヒーレント光に位相シフトを適用するように、コヒーレント光源20と光学コンポーネント150との間に配置されることができる。例えば、位相変調器130は、コヒーレント光源20によって生成された長い光パルスの後半が存在するときに、位相シフトを適用することができる。その後に、長い光パルスは光学コンポーネント150に供給される。時間変化信号は、光学コンポーネント150が短い光パルスを放射するように、光学コンポーネント150に適用される。短い光パルスは、長い光パルスの前半が存在する期間中に光学コンポーネント150から一度放射され、長い光パルスの後半が存在する期間中に光学コンポーネント150から一度放射される。第1の短い光パルスと第2の短い光パルスとの間の位相差は、位相変調器130によって長い光パルスの後半に適用された位相シフトによって決定される。位相変調器130は、1つの長い光パルスが存在する又はCW光が存在する期間中に、位相変調を複数回適用することができる。
図6(b)は、実施形態に係る、時間ビンエンコーダを使用する光学装置133の概略図である。コヒーレントワンウェイQKD(COW−QKD)プロトコルを実施するために、情報は、コヒーレント光パルスの放射時間に符号化されることができる。コヒーレント光源20は、光学コンポーネント150に入射するCW光132を生成する。光学コンポーネントが半導体利得スイッチレーザである場合、コントローラ141は、短い光パルスを生成するために利得スイッチレーザが発振閾値以上及び発振閾値未満に切り替えられるように、利得スイッチレーザに時間変化電流を供給する。光学コンポーネントが半導体光増幅器である場合、コントローラ141は、短い光パルスを生成するために半導体光増幅器が断続的に切り替えられるように、半導体光増幅器に時間変化電流を供給する。エンコーダ131は、光パルスの放射時間に情報を符号化するために、時間変化電流を修正する。エンコーダは、可変減衰器又は複数の可変減衰器を含むことができる。減衰器は、光パルスが光学コンポーネント150から放射されないように、選択された電流パルスを完全に遮断することができる。或いは、コントローラ141は、減衰器の必要性を削除するように、それ自体が任意のパターンのパルスを提供することができる。例えば、コントローラ141はパターン発生器であり得る。
期間はエンコーダによって定義され、各期間中に、最初は、時間変化電流は2つのコヒーレント光パルスが放射されるように構成される。期間は破線で図に示される。情報を符号化するために、エンコーダは、それが期間中に発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を、二度の代わりに、一度切り替えるように、コントローラ141によって適用された時間変化電流を修正する。パルスそれぞれの間の位相差はΦである。COW−QKDプロトコル及び符号化は、図15に関してより詳細に後述される。
或いは、時間ビンエンコーダは、コヒーレント光源20からの長い光パルスの一部の放射を阻止し、それにより、光学コンポーネント150からの短い光パルスの放射を阻止することができる。的確な駆動条件下では、コヒーレント光が利得スイッチレーザ又は光増幅器に注入されない場合、短い光パルスを生成しないようにすることができる。特に、光増幅器においては、光が注入されなければ、光は放射されない。レーザにおいては、例えば、変調信号は、キャリア密度が発振閾値を超えないように低減されることができる。従って、コヒーレント光が注入されない場合、短い光パルスは生成されない。しかしながら、コヒーレント光が注入される場合、発振閾値が低減され、これはキャリア密度が発振閾値を超えること及び短い光パルスが生成されることを意味する。
例えば、コヒーレント光源20が半導体利得スイッチレーザである場合、一連の電流パルスは、長い光パルスを生成するためにコヒーレント光源20に適用される。コヒーレント光源20に適用される電流パルスの長さを修正すること及び/又は利得バイアスを修正することによって、より短い光パルスはコヒーレント光源20から生成される。より短い光パルスが光学コンポーネント150に供給される場合、1つの短い光パルスだけがその期間に生成される。たとえ光学コンポーネント150が「オン」状態に二度切り替えられたとしても、コヒーレント光は、光学コンポーネント150が「オン」状態に切り替えられた期間の1つの期間中に光学コンポーネント150に供給されず、従って、短い光パルスは生成されない。
或いは、コヒーレント光源は、強度変調器を含むことができ、この強度変調器は、より短いコヒーレント光パルスが供給されるように、コヒーレント光パルスが光学コンポーネント150に供給される前に、コヒーレント光パルスの一部を阻止することができる。
図6(c)は、実施形態に係る、時間ビンエンコーダとして強度変調器132を使用する光学装置133の概略図である。強度変調器132は、情報を符号化するために光学コンポーネント150の後段に実装される。コヒーレント光源20はCW光を生成し、このCW光は光学コンポーネント150に入射する。光学コンポーネントが半導体利得スイッチレーザである場合、コントローラ141は、短い光パルスを生成するために利得スイッチレーザが発振閾値以上に及び発振閾値未満に切り替えられるように、利得スイッチレーザに時間変化電流を供給する。光学コンポーネントが半導体光増幅器である場合、コントローラ141は、短い光パルスを生成するために半導体光増幅器が断続的に切り替えられるように、半導体光増幅器に時間変化電流を供給する。パルスそれぞれの間の位相差はΦである。期間は、各期間中に、2つのコヒーレント光パルスが放射されるように時間変化電流が構成されるように、定義される。期間は破線で図に示される。
コヒーレントな短い光パルスのシーケンスは強度変調器132を通過する。情報を符号化するために、強度変調器132は、期間中に放射された光パルスのうちの1つの振幅を低減するように制御され、これは1つの光パルスだけが強度変調器132から出ることを意味する。デコイ状態を生成するために、強度変調器は、両方の光パルスを変調なしに通過することを可能にするように制御される。
図7は、実施形態に係る、位相変調を含む光学装置120の概略図である。位相変調は、位相制御要素125でコヒーレント光源20によって生成された光の位相を制御することによって実行されることができる。コヒーレント光源20は長い光パルス121を生成する。コヒーレント光源20によって生成された長い光パルス121の後半の位相は、位相制御要素125によって長い光パルス121の前半に対して変調される。或いは、位相制御要素は、1つの長い光パルスが生成される期間中に位相変調を複数回適用することができる。コヒーレント光源20はCWコヒーレント光を生成してもよい。この場合、期間が定義され、各期間中に放射されたCW光の位相は、前の期間中に放射されたCW光の位相に関して変調することができる。
位相制御要素125は一定間隔でコヒーレント光源20に摂動を適用し、それは各長い光パルス121の生成の中途で生じるように調整される。摂動は、光パルスの後半の位相を変更し、光パルスの前半と光パルスの後半との間に位相差を生成する。摂動は制御され、言い換えると、同じ摂動は常に同じ位相シフトを引き起こす。適用される摂動の振幅は生成される位相シフトに影響を及ぼす。一実施形態では、摂動は短い電流パルスである。コヒーレント光源20は光ファイバのような導波路に長い光パルス121を放射する。光ファイバは利得スイッチレーザ24に接続される。長い光パルス121は利得スイッチレーザ24に入る。
代替の実施形態は、利得スイッチレーザ24の代わりに、光増幅器、例えば、半導体光増幅器を含む。さらなる代替の実施形態は、利得スイッチレーザ24の代わりに、強度変調器を含む。強度変調器は、入射した光パルスの強度を変調する。「オフ」状態では、強度変調器は、光の強度を低レベルに低減する。「オン」状態では、強度変調器は、入射した光のより大きな部分が出ることを可能にする。強度変調器は、2つの短い光パルス124を生成するために、コヒーレント光源からの光パルス21が存在するときに、「オン」状態と「オフ」状態との間で二度切り替えられる。2つの短い光パルス間の位相差は、位相制御要素125によってコヒーレント光パルス121に適用された位相によって決定される。強度変調器は、変調器、例えば、電界吸収型変調器中の材料の吸収係数を変更することによって、光の強度を変調することができる。電界吸収型変調器は、装置に適用される電圧が吸収係数を変更し、それにより装置を移動する光の強度を変更する半導体装置である。他の実施形態では、強度変調器はマッハツェンダー干渉計に基づいている。マッハツェンダーに基づいた強度変調器は、出力強度を変調するために干渉計の2つのアーム間の位相差を変更する。
コヒーレント光源20は半導体レーザであってもよく、この半導体レーザにおいて、位相シフトは、長いレーザパルス121が生成される期間中にコヒーレント光源20に短い電流パルスを適用することによって長いレーザパルス121の後半に適用される。
コントローラ141は、利得スイッチレーザ24に時間変化電流を適用する。時間変化電流は、短いパルスが生成されるように、光パルス121の前半が存在する期間中に一度、利得スイッチレーザ24を発振閾値以上に切り替える。時間変化電流は、第2の短いパルスが生成されるように、長い光パルス121の後半が存在する期間中に2度目に、利得スイッチレーザ24を発振閾値以上に切り替えるように構成される。光パルス121の前半が存在する期間中に、第1の短いレーザパルスが生成され、光パルス121の後半が存在する期間中に、第2の短いレーザパルス124が生成される。第1の短いレーザパルスと第2の短いレーザパルスとの間の位相差は、長いレーザパルス121の後半に適用される位相変更によって決定される。図7に示される利得スイッチレーザ24から放射されたパルスの第1のセットに関しては、パルス間の位相差はΦ1である。利得スイッチレーザ24から放射されたパルスの第2のセットに関しては、2つのパルス間の位相差はΦ2である。
図8(a)は、コヒーレント光源20が半導体レーザである場合において、長い光パルスを生成するために、コヒーレント光源20に適用される電流の形態を示す。信号は、一連の方形パルスの形態をとり、パルス間の期間の継続時間はパルスの継続時間より短い。信号は、バイアスティによってDCバイアス電流とAC電流を組み合わせることによって形成されることができる。
図8(b)は、位相制御要素125によって修正された場合におけるコヒーレント光源20に適用される電流を示す。より小さな電流パルスはバイアスティのAC入力を通じて加えられる。電流パルスは、それが方形パルスのうちの1つの上部の中間点と一致するように調整される。位相制御要素はより小さな電流パルスを生成する個別の要素であることができ、このより小さな電流パルスはその後に図8(a)に示される方形パルスAC信号と結合される。その後、結合された信号はバイアスティのAC入力に入力される。
図8(c)は、コントローラによって利得スイッチレーザ24に適用される時間変化電流を示す。信号は、利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に周期的に切り替えられるような大きさの方形波を含む。光パルス122の前半が存在するときに第1の電流のパルスが適用される。第1の電流パルスは、光パルス122の前半が利得スイッチレーザにある期間の一部において利得スイッチレーザ24が発振閾値以上に切り替えられるように、調整される。第2のパルスは、光パルス122の後半が利得スイッチレーザ24にある期間の一部において利得スイッチレーザが発振閾値以上に切り替えられるように、調整される。コヒーレント光源20に適用される時間変化電流、及び利得スイッチレーザに適用される時間変化電流は、短いパルスの生成のタイミングが長い光パルスの的確な部分が存在する時間に対応するために、同期させることができる。例えば、時間変化電流は両方ともに、マスタークロック信号と同期されることができる。
出力レーザパルスは図8(d)に示される。方形の電流パルスは、長い光パルスの前半が入射する期間中に1つの短い光パルスが生成され、長い光パルスの後半が入射する期間中に第2の短い光パルスが生成されるように、調整される。方形の電流パルスの必要な長さは、レーザタイプ、キャビティ長及びポンピングパワーなどのいくつかのパラメータに依存する。方形の電流パルスは、短い光パルスが生成されるように構成される。
長い光パルス122の前半と長い光パルス122の後半との間の位相変化は、急な変化でなくてもよいが、長い光パルス122の中央部分の部分で生じてもよい。時間変化電流は、長い光パルス122の中央部分が利得スイッチレーザにあるときに短い光パルスが生成されないように、制御される。
半導体レーザ以外のコヒーレント光源は、長い光パルスの位相を変調する他の手段を有することができる。従って、他の実施形態では、適用される電流以外の手段が長い光パルスの位相を変調するために使用される。これらの手段は、長いパルス放射中の短い期間にポンピングパワーを増大することを含む。ファイバレーザに関しては、光学ポンプ信号に加えられる光学パルスは、長い光パルスの位相を変調するために使用されることができる。
図9は、強度変調を含む実施形態に係る光学装置160の概略図である。特定のQKDプロトコルは、デコイ状態QKDプロトコルを実施するためにコヒーレントパルスの強度が変えられることを必要とする。この装置では、強度変調は強度制御要素126によって実現される。強度制御要素126は、(図10(a)に示される)利得スイッチレーザ24に適用される方形パルスAC信号を修正する個別の要素である。例えば、強度制御要素126は、可変減衰器又は複数の可変減衰器であり得る。減衰器は、より低い強度の短い光パルスを生成するために、選択された電流パルスの強度を低減することができる。ある場合では、減衰器は、利得スイッチレーザ24が真空状態(放射された光パルスがない)を生成するように、選択された電流パルスを完全に遮断することができる。或いは、電流パルスソースはそれ自体が、強度が変化する任意パターンのパルスを提供してもよい。例えば、時間変化電流信号を供給するコントローラはパターン発生器であり得る。
或いは、短い光パルスの強度変調は、コヒーレント光21の強度を変更することによって、すなわち、シードパワー(seed power)を変更することによって実現される。コヒーレント光の強度を低減することは、利得スイッチレーザ24などの光学コンポーネントから放射された短い光パルスの強度を低減することができる。コヒーレント光源が半導体利得スイッチレーザである場合、生成されたコヒーレント光パルスの強度を低減するために、可変減衰器は、より低い強度の長い光パルスを生成するためにコヒーレント光源20に適用される選択された電流パルスの強度を低減することができる。より低い強度の長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される場合、より低い強度の短い光パルスが放射される。或いは、コヒーレント光源20の駆動回路はそれ自体が、減衰器の必要性を削除するように、強度が変化する任意のパターンのパルス提供することができる。例えば、駆動回路はパターン発生器を含むことができる。或いは、コヒーレント光源は強度変調器を含むことができ、この強度変調器は、生成された長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される前に、生成された長い光パルスの強度を変えることができる。
また、短い光パルスの放射を防ぐことも可能である。的確な駆動条件の下では、コヒーレント光が利得スイッチレーザ24に注入されない場合、短い光パルスを生成しないようにすることが可能である。利得スイッチレーザ24の変調信号は、キャリア密度が発振閾値を超えないように低減される。従って、コヒーレント光が注入されない場合、短い光パルスは生成されない。しかしながら、コヒーレント光が注入される場合、発振閾値は低減され、これはキャリア密度が発振閾値を超えて短い光パルスが生成されることを意味する。
そのような強度変調は、異なる強度を持つ安全に受信されたパルスの数を測定することによって送信機及び受信機が盗聴者の存在を決定することを可能にする、異なる強度の光子パルスが送られるデコイ状態QKDプロトコルを実現するために使用されることができる。例えば、デコイ状態BB84プロトコルは、信号パルス、デコイパルス、及び真空パルスという3つの異なる強度の光パルスを生成することに依存する。
図9に示される光学装置では、強度変調は、強度制御要素126で利得スイッチレーザ24の出力強度を制御することによって達成される。強度制御要素126は、生成された短いレーザパルス152の強度を変更するために、利得スイッチレーザ24に適用される電流を制御する。
図10(a)は、短い光パルスを生成するためにコントローラによって利得スイッチレーザ24に適用される定まった一連の方形パルスの形態をとる時間変化電流を示す。信号は、バイアスティによってDCバイアス電流とAC電流を結合することによって形成されることができる。
図10(b)は、強度制御要素126による修正の後の時間変化電流を示す。修正された信号は、バイアスティのAC入力へ入力され、バイアスティの出力電流は、利得スイッチレーザ24に適用される。デコイ状態BB84プロトコルに関しては、コヒーレントダブルパルスの1%が真空パルスであり、コヒーレントダブルパルスの2%がデコイパルスであり、コヒーレントダブルパルスの97%が信号パルスであることが必要とされ得る。結合された信号は、利得スイッチレーザに適用される各対の電気パルスが、ゼロ振幅(すなわち、短パルスが生成されないように)を持つ1%の確率、低減された振幅を持つ2%の確率、及び修正されない振幅を有する97%の確率を有するように、生成される。結合された信号は図10(b)に示される。図10(a)の信号は、1対の電気パルスが削除されるように修正されている。利得スイッチレーザ24に適用される場合、この対の電気パルスによって、真空状態が放射される(すなわち、光パルスは放射されない)ことになる。さらに、信号は、1対の電気パルスが低減された振幅を持つように修正されている。この対の電気パルスが利得スイッチレーザ24に適用される場合、低減した強度を有するコヒーレントダブルパルスが生成される。図10(c)は、利得スイッチレーザ24から放射される光パルスを示す。
半導体レーザ以外のレーザが利得スイッチレーザ24の代わりに使用される場合、適用される電流以外の手段は、短いレーザパルスの強度を変調するために使用される。これらの手段は、例えば光ファイバレーザのためにポンプパワーを変更することを含み、光ポンピング信号は短いレーザパルスの強度を変調するために変更されることができる。
図2(b)に示されたような光増幅器を含む光学装置に関しては、強度変調は、増幅器を「オン」と「オフ」状態の間で切り替えるスイッチング信号を変調することによって実現することができる。例えば、光増幅器が利得スイッチSOAである場合、強度変調は、スイッチング信号を修正する強度制御要素によって実現することができる。強度制御要素は可変減衰器又は複数の可変減衰器であり得る。減衰器は、選択された電流パルスの強度を低減することができ、或いは、選択されたパルスを完全に遮断することができる。或いは、スイッチング信号源はそれ自体が、強度の異なるパルスの任意のパターンを提供することができる。例えば、スイッチング信号を供給するコントローラはパターン発生器であり得る。或いは、短い光パルスの強度変調はコヒーレント光21の強度を変更することによって実現され、コヒーレント光が注入されない場合、短い光パルスは生成されない。SOAに関しては、出力電力はコヒーレント光パルスの入力パワーに比例する。
図11は、実施形態に係る、位相変調と強度変調とを含む光学装置170の概略図である。位相制御要素125は、長い光パルス121の前半と長い光パルス121の後半との間に位相差があるように、コヒーレント光源20に摂動を適用する。長い光パルス121は、ポートAを通じて配光装置22に入る。しかしながら、代替の実施形態では、配光装置22は削除され、長い光パルス121はコヒーレント光源20から利得スイッチレーザ24に直接移動する。
代替の実施形態は、利得スイッチレーザ24に代えて、光増幅器、例えば、半導体光増幅器を含む。さらなる代替の実施形態は、利得スイッチレーザ24に代えて、強度変調器を含む。強度変調器は、入射した光パルスの強度を変調する。「オフ」状態では、強度変調器は、光の強度を低レベルに低減する。「オン」状態では、強度変調器は、入射した光のより大きな部分が出ることを可能にする。強度変調器は、2つの短い光パルス124を生成するために、コヒーレント光源からの光パルス21が存在するときに、「オン」状態と「オフ」状態との間で二度切り替えられる。2つの短い光パルス間の位相差は、位相制御要素125によってコヒーレント光パルス121に適用される位相によって決定される。強度変調器は、変調器、例えば、電界吸収型変調器の材料の吸収係数を変更することによって光の強度を変調することができる。電界吸収型変調器は、装置に適用される電圧が吸収係数を変え、それにより装置を移動する光の強度を変える半導体素子である。他の実施形態では、強度変調器はマッハツェンダー干渉計に基づいている。マッハツェンダーに基づいた強度変調器は、出力強度を変調するために干渉計の2つのアーム間の位相差を変更する。
長い光パルス122はポートBを通じて配光装置22から出て、利得スイッチレーザ24に注入される。強度制御要素126は、利得スイッチレーザ24から放射されたダブルパルス123の強度を変調するために、利得スイッチレーザ24に適用される電流を制御する。ダブルパルス123は、長い光パルス122が注入されるのと同じアパーチャから放射され、ポートBを通じて配光装置22に入る。ダブルパルスはポートCを通じて配光装置22から出る。配光装置22のポートCから出た第1の対の光パルスは、強度制御要素126によって変調されていない強度を有し、パルス間の位相差はΦ1である。配光装置22のポートCから出た第2の対の光パルスは、強度制御要素126によって低減された強度を有する。パルス間の位相差はΦ2である。
図12は、実施形態に係る光学装置の概略図である。光学装置は、図2(a)に示されたものに、長い光パルス21の生成を制御するためにコヒーレント光源20に時間変化信号を供給するコントローラ151を含めたものである。コントローラ151は、コヒーレント光が生成される期間の長さ及び繰り返し率を制御する。コヒーレント光源が半導体利得スイッチレーザである場合、コントローラ151は、コヒーレント光源20が発振閾値以上に切り替えられるように時間変化電流を適用する。レーザに適用される電流は、一連の電流変調パルスの形態をとる。電流は、電流変調パルス間でゼロに低減されず、単にバイアス値になり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ151は、コヒーレント光源20の内部コンポーネント、例えば、駆動回路である。
電流変調信号は、コヒーレント光源20レーザの利得を発振閾値以上に及び発振閾値未満に周期的に切り替える。キャリア密度が発振閾値以上にある場合、レーザは光を出力する。より長い光パルスを生成するために、利得バイアスは発振閾値のより近くになるように選定される。これは、キャリア密度が発振閾値をより早く超えることを意味し、それは、発達するより多くの時間を光パルスに与える。最初に、光強度は、オーバーシュートしてキャリア密度を速く減らす。これは、次にキャリア密度を増大させ、続いて光強度を増大する。この競争過程は、強く減衰されるパルスの初めの光強度の振動を引き起こし、強度が一定である定常状態にすぐに導く。振動は緩和振動と呼ばれる。電流パルスが終わり電流を再びバイアス値に切り替えると、レーザパルスは終了する。
コントローラ141によって利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号、及びコヒーレント光源20に適用される時間変化信号は、コヒーレント光が利得スイッチレーザ24に注入されない期間中に利得スイッチレーザ24が短い光パルスを生成しないように、同期される。コヒーレント光源20に適用される時間変化信号に関する情報を含む信号は、利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号がコヒーレント光源20に適用される時間変化信号と同期されるために、コントローラ151からコントローラ141に送信される。情報は、無線で又はケーブルによって送信されることができる。利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号は、この情報から生成されることができ、例えば、利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号は、コヒーレント光源20に適用される時間変化信号の周波数逓倍バージョン(frequency multiplied version)であり得る。
或いは、利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号に関する情報は、コントローラ141からコントローラ151に送信されてもよい。コヒーレント光源20に適用される時間変化信号は、この情報を使用して、利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号と同期される。或いは、光学装置はマスタークロックを含んでいてもよい。コントローラ141によって利得スイッチレーザ24に適用される時間変化信号、及びコヒーレント光源20に適用される時間変化信号は、マスタークロックと同期されることができる。
或いは、単一のコントローラは、利得スイッチレーザ24に第1の時間変化信号を適用し、コヒーレント光源20に第2の時間変化信号を適用してもよい。第1及び第2の時間変化信号は、コヒーレント光が利得スイッチレーザ24に注入されない期間中に利得スイッチレーザ24が短い光パルスを生成しないように、同期される。
コヒーレント光源20と利得スイッチレーザ24の同期は、図2(a)に示される光学装置に関して説明されたが、そのような同期は、説明される光学装置のいずれにも適用することができることが理解されるべきである。図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示されるような装置に関して、エンコーダ、コントローラ141によって光学コンポーネント150に適用される時間変化信号、及び第2のコントローラ又はコントローラ141のいずれかによってコヒーレント光源に適用される時間変化信号は、完全に同期されることができる。エンコーダは、光学コンポーネント150からの短い光パルスの放射時間に基づいて情報を符号化することができる。図7に示されるような光学装置に関して説明したように、位相制御要素125、利得スイッチレーザに適用される時間変化信号、及びコヒーレント光源に適用される時間変化信号は、例えばマスタークロックを使用して、同期されることができる。
CW光がコヒーレント光源によって光学コンポーネントに供給される実施形態では、コヒーレント光が供給されない期間はなく、従って、パルスがこれらの期間に放射されないように、光学コンポーネントに適用される時間変化信号を同期させる必要はない。コヒーレント光源が光学コンポーネントに長い光パルスを供給するいくつかの場合には、コヒーレント光源に適用される時間変化信号、及び光学コンポーネントに供給される時間変化信号は同期されず、コヒーレント光が供給されない期間に光パルスがさらに生成される。例えば、コヒーレント光源は、コヒーレント光が光学コンポーネントにほとんど常に供給されるように、コヒーレント光源のスイッチがほんの短い期間の間切られるように構成されることができる。これは、ただ短い光パルスのごく一部分がシーディングされないことを意味する。
図13は、実施形態に係る量子通信システムの概略図であり、ここでは、量子送信機40は図2(a)から図2(d)に示されるような光学装置35を含む。量子受信機47は非対称MZIに基づいている。量子送信機40及び量子受信機47は光伝送線路46によって接続される。
量子送信機40内の光学装置35は、前パルス及び後パルスを含むコヒーレントダブルパルスを生成する。後パルスは、前パルスより時間Δtの後に光学装置35から放射される。量子送信機40は、光学装置35から放射された光パルスの強度を変えるように構成された強度変調器48をさらに含む。強度変調器48は、デコイ状態QKDプロトコルを実現するように構成されることができ、デコイ状態QKDプロトコルでは、異なる強度を有する安全に受信されたパルスの数を測定することによって送信者及び受信者が盗聴者の存在を決定することを可能にする異なる強度のコヒーレントダブルパルスが送信される。送信機は複数の強度変調器を含んでもよい。
コヒーレントダブルパルス41はその後に、光子源35によって生成された後パルスと前パルスとの間の位相差を変調する位相変調器42を通過する。この場合、位相変調器42は、前パルスの位相に変調を適用することができる。位相変調されたコヒーレントダブルパルス43は、前パルスの偏光を90度だけ変える(flip)偏光変調器44に入り、それにより前パルスの偏光が後パルスの偏光と直交するようになる。偏光変調器44は、電圧を適用することによって光学媒体中の複屈折の変調を可能にするデバイスであり、言い換えると、第1の偏光モードの屈折率は、電圧を適用することによって第2の直交偏光モードの屈折率に対して変更されることができる。この効果は、例えば、ポッケルスセルに存在するが、例えばGaAsに基づいた他のデバイスが存在する。複屈折を調整することは、2つの偏光モード間の相対位相を変更するので、入射した光の偏光の回転を可能にする。
直交偏光を有するダブルパルス45は、その後に量子送信機から出て、光伝送線路46を介して量子受信機47に送られる。従って、量子送信機は、伝送線路46を移動する、選択された位相差及び直交偏光を有するコヒーレントダブルパルスを生成する。
代替の実施形態では、量子送信機40は偏光変調器を含まず、送信機の出力はダブルパルスからなり、この場合、前パルス及び後パルスが同じ偏光を有する。量子受信機47内の干渉計は偏光独立であり、偏光変調器は必要ではない。
さらなる代替の実施形態では、量子送信機40は偏光変調器を含まず、前パルス及び後パルスは、例えば、コヒーレント光の偏光を回転させることによって、或いは、コヒーレント光の強度を増大又は低減することによって、或いは、利得スイッチレーザの利得バイアス又は振幅変調を増大又は低減することによって、利得スイッチレーザのシーディング又は駆動条件を変更することによって変調される。これは、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を用いることで可能である。偏光変調器を備えない実施形態では、前パルスの偏光は、シーディング又は駆動条件を変更することによって、後パルスの偏光に対して90度だけ回転される。偏光変調器を備えない実施形態では、利得スイッチレーザはVCSELである。
量子受信機の入力では、ダブルパルスの偏光は偏光コントローラ51を使用して回復される。光伝送線路46は、2つのモード間の経路長に重要な変化を引き起こすことなしに、2つの偏光モードの伝搬を可能にする単一モード光ファイバであり得る。しかしながら、単一モードファイバはすべてある複屈折特性を有することがあるので、伝送線路46に沿って移動する時に2つのモードの偏光が回転することがあり得る。偏光コントローラは、この回転を修正し、偏光訂正されたダブルパルス52を出力する。
パルスはその後に非対称MZI57を使用して復号される。パルスは偏光ビームスプリッタ53に導かれ、この偏光ビームスプリッタ53は、1つの偏光モードで偏光ビームスプリッタに入った光パルス54(前パルス)を干渉計のロングアーム60に送り、他の偏光モードで偏光ビームスプリッタに入った光パルス55(後パルス)をショートアーム58に送る。前パルスの偏光は偏光ビームスプリッタ53によって変えられ、それにより偏光ビームスプリッタ53から出るときの前パルスの偏光が後パルスの偏光と同じになる。干渉計のショートアーム58は、前述したような位相変調器56を含む。干渉計のロングアーム60は光学遅延59Δtを含み、この光学遅延は前パルスと後パルスとの間の遅延に正確に一致する。ロングアーム及びショートアームはそれぞれビームスプリッタ61の入力のうちの1つに接続される。
ビームスプリッタ61の出力は光子検出器62及び63に接続される。送信機40及び受信機47において適用される位相変調に依存して、光信号は光子検出器62か光子検出器63のいずれかにおいて検出される。光子検出器62及び63は、アバランシェフォトダイオード、特に、InGaAsアバランシェフォトダイオードに基づいていることができるゲート単一光子検出器であり得る。
位相変調器42及び位相変調器56を使用して、BB84などの量子鍵分配プロトコルは実現されることができる。BB84プロトコルでは、アリスは、4つの等間隔の位相値からランダムに位相値を選択する。例えば、ダブルパルスの前パルスが0、π/2、π及び3π/2の位相シフトに対応する4つの異なる値のうちの1つに存在する場合に、アリスは位相変調器42に適用される電圧をランダムにセットすることができる。0とπは第1の符号化基底においてビット0及び1に対応付けられ、π/2及び3π/2は第2の符号化基底において0及び1に対応付けられる。或いは、位相シフトは後パルスが存在するときに適用されることができる。
異なるダブルパルスの連続するパルス間の位相差はランダムである。これは、不正な盗聴者イブが、彼女の測定装置をこの位相にロックすることができず、従ってアリスのパルスのよりよい測定を行なうことができないことを意味する。
ボブは、2つの値からランダムに位相値を選択する。例えば、ボブは、後パルスが0又はπ/2の位相シフトに対応する2つの値のうちの1つに存在する場合、位相変調器56に適用される電圧をランダムにセットすることができる。これは、第1の測定基底と第2の測定基底との間でそれぞれ選ぶことに等しい。言い換えると、アリスの0及びπの値はボブの0の値(第1の基底)に適合し、アリスのπ/2及び3π/2の値はボブのπ/2の値(第2の基底)に適合する。アリスもボブも、他方がどの値を選択したか、又は彼らの値を選択するときにどの値を選択するのかを知らない。後で彼らが同じ基底を使用したかどうかを比較するだけであり、次に彼らは同じ基底を使用した場合に最終の鍵のために値を使用するだけである。
0の位相差(すなわち、アリスによって適用される位相シフトが0であり且つボブによって適用される位相シフトが0であるか、アリスによって適用される位相シフトがπ/2であり且つボブによって適用される位相シフトがπ/2である)は、検出器62での検出をもたらす。一方、πの位相差(すなわち、アリスによって適用される位相シフトがπであり且つボブによって適用される位相シフトが0であるか、アリスによって適用される位相シフトが3π/2であり且つボブによって適用される位相シフトがπ/2である)がある場合、検出器63での検出がある。2つの位相変調器で適用される位相変調間の差の他の値に関しては、光子が検出器62又は検出器63で出力することができる有限の確率がある。
位相安定(phase stabilisation)は、干渉計が正しく配設されることを保証するようにQKDシステムに含まれ、それにより0の位相差が検出器62での検出をもたらし、πの位相差が検出器63での検出をもたらすようになる。光学装置35から放射された2つのパルス間の位相差は未知の値である。光学装置35から放射された各ダブルパルスに関しては、前パルスと後パルスとの間の位相差は同じ未知の値である。各ダブルパルスに関しては、前パルスと後パルスとの間の位相差は、位相変調器42においてアリスによってある量(0、π/2、π又は3π/2)だけ変調される。
受信機干渉計はそれ自体、アーム間の位相差を有する。干渉計は、1つのアーム(ロングアーム)に時間遅延Δtを適用することによって、パルス同士が出力ビームスプリッタにおいて干渉するようにする。適用される時間遅延の精度は、2πの位相シフトを得るために要する時間よりはるかに小さい。
例えば、受信機干渉計の2つのアーム間の位相差をΦとする。0の変調が位相変調器42においてアリスによって適用される2つのパルス間の位相差はΦ0(すなわち、前パルス及び後パルスの間の位相差の未知の値)である。受信機干渉計は、光子が検出器62に導かれるために、Φ+Φ0が0又は2πの倍数に等しくなるように構成される。干渉計の位相差Φは、温度に非常に敏感であるため、固定されない場合、変動する。従って、位相安定はQKDシステムに含まれる。例えば、位相安定は、受信機干渉計内にファイバストレッチャー(stretcher)などの位相シフトデバイスを含めることによって達成することができる。それは、Φ0を調整することによって送信機側で実施されることもできる。位相安定は、検出器62が0の変調値についてクリックする(click)(すなわち、Φ+Φ0が0又は2πの倍数に等しい)まで、受信機ユニットにおいてカウントを調べることによって実行される。
ここに記述されたような光学装置は、差動位相シフト(DPS)QKD又はコヒーレントワンウェイ(COW)QKDなどの分散位相参照QKDプロトコルに使用することができる。
図14は、実施形態に係る量子通信システムの概略図であり、ここでは、量子送信機(91)は図6(a)に示されるような光学装置133を含む。システムは、コヒーレント光源20がCW光を生成する差動位相シフトQKDシステムである。いくつかの代替の実施形態では、コヒーレント光源は、10ns以上の継続時間の長い光パルスを生成する。DPS−QKDプロトコルでは、ビット値は、光パルス70のシーケンスの後続する光パルス間の位相差に符号化される。光パルスのシーケンスは、位相コヒーレントである2以上の光パルスからなる。多数のパルスのシーケンスが生成される場合、隣接したパルスとだけでなく、すべてのパルスが互いにコヒーレントである。例えば、第1のパルスは、パルス2とコヒーレントであり、さらにパルス3、4、5及び6などともコヒーレントである。さらに、パルス2は、パルス3、4、5及び6などとコヒーレントである。
DPS−QKDのための量子送信機は、この図に示されるように実現されることができる。光学装置133のコヒーレント光源20はCW光を生成する。これは、2以上のパルスを含むコヒーレント光パルスのシーケンスの生成をもたらす。パルス間の時間遅延はΔtである。
光学装置133は位相変調器130をさらに含む。光学コンポーネントから150から放射されたコヒーレント光パルスのシーケンスは位相変調器130を通過する。位相変調器130は、後続するパルス間に0又はπのいずれかの位相シフトを導入し、相対位相が位相変調器によって決定された光パルス70のコヒーレントシーケンスを生成する。位相変調器は、2つの値、すなわち、0及びπの間で位相変調をランダムに変えるように構成される。
この場合、0の位相差がパルス1及び2間に導入され、πの位相差がパルス2及び3間に導入され、πの位相差がシーケンス中のパルス3及び4間に導入される。後続するパルス間の0の位相差は、0のビット値に対応付けられる。後続するパルス間のπの位相差は1のビット値に対応付けられる。
光パルスは伝送線路46を通じて量子受信機90に送られる。量子受信機90は、コヒーレントパルスシーケンス70の2つの後続するパルス間の時間遅延Δtと等しい光学遅延85を有する非対称MZI82を含む。パルスシーケンス80は、ビームスプリッタ81の1つの入力に入る。入力ビームスプリッタ81の第1の出力は干渉計82のロングアーム84に接続され、第2の出力は干渉計82のショートアーム83に接続される。パルスシーケンス80の各パルスの第1の部分は、干渉計82のショートアーム83に沿って送られ、第2の部分は干渉計82のロングアーム84に沿って送られる。ロングアーム84は出力ビームスプリッタ86の第1の入力に接続され、ショートアームは出力ビームスプリッタ86の第2の入力に接続される。出力ビームスプリッタ86では、パルスシーケンス80の後続するパルスは、時間的にオーバーラップする。例えば、第1の光パルスの第2の部分(これはロングアーム84を移動する)は、第2の光パルスの第1の部分(これはショートアーム83を移動する)と同時に出力ビームスプリッタ86に到着する。
パルスはコヒーレントであり、従って、それらはビームスプリッタで干渉する。出力は位相差に依存する。位相差がゼロである場合、検出器87での検出がある。一方、位相差がπである場合、検出器88での検出がある。位相変調器において適用される位相変調間の差の他の値に関しては、光子が検出器87又は検出器88において出力する有限の確率がある。
第1の光パルスの第2の部分と第2の光パルスの第1の部分との間の位相差はゼロであり、従って、検出器87は検出を登録する。これは0のビット値に対応する。第2の光パルスの第2の部分と第3の光パルスの第1の部分との間の位相差はπであり、従って、検出器88は検出を登録する。各光パルスの両方の部分は、干渉し、検出を生じさせることができる。具体的には、第nのパルスの第2の部分は、第(n+1)のパルスの第1の部分と常に干渉し、検出をもたらすことができる。各パルスが次の光パルスとコヒーレントであるので、これが起こる。どちらの検出器が検出を登録するかは、位相値が0かπかに依存する。
説明は光パルスの部分を言及するが、パルスが平均で1パルス当たり1未満の光子を有するアプリケーションに関して、各光子はロングアーム又はショートアームのいずれかに沿って移動する。これらの場合では、一方の検出器で検出された光子は、他方の検出器での検出イベントを引き起こすことができない。
短い光パルスがすべて送信された後に、特定の対のパルス間の位相差が決定される。ボブは、彼が光子を検出した時刻についてだけアリスに伝える(これはBB84プロトコルにおいて彼がどの基底を選択したかをアリスに伝えることと似ている)。アリスは、彼女が、このクリックに寄与したパルスにどの位相シフトを適用したかを知るので、検出時刻から、ボブがどのビットを検出したかを把握することができる。一方、ボブは、どちらの検出器がクリックしたかを知るので、ビットを直接に得ることができる。
前述したシーケンスの第1の3つのパルスの例を挙げる(第1の2つのパルス間に適用される位相シフトが0であり、第2の2つのパルス間に適用される位相シフトがπである)。ボブは、Δtだけ離れた4つの異なる時間に光子を検出する(ショートアームを通る第1のパルス、ロングアームを通る第1のパルス/ショートアームを通る第2パルス、ロングアームを通る第2のパルス/ショートアームを通る第3のパルス、ロングアームを通る第3のパルスに対応する)。中間の2つの場合では干渉がある。第2の時間(すなわちロングアームを通る第1のパルス及びショートアームを通る第2パルスが干渉する場合)では、(位相シフトが0であるので)検出器87での検出があるはずである。第3の時間(すなわちロングアームを通る第2のパルス及びショートアームを通る第3のパルスが干渉する場合)では、(位相シフトがπであるので)検出器88での検出があるはずである。ボブが第2の時間に光子を検出し、それについてアリスに伝えた場合、彼女はどの位相シフトが適用されたかを知るので、彼女はどちらの検出器がクリックされたかを知る。
任意の数のパルスのシーケンスに関しては、単一の検出に寄与することができるのは常に2つのパルスだけである。
イブが1つのパルスを測定しようとする場合、彼女はそのパルスとその隣接パルスとの間のコヒーレンスを破壊し、これはアリス及びボブによって検出されることができる。DPSプロトコルの安全性はこの事実に起因する。
例えば、イブがパルス3とパルス4との間の位相差に符号化された情報を読み取りたいとする。イブは、これらのパルスを除去し、ビームスプリッタを使用して干渉測定を行わなければならない。この測定の結果を記録した後に、彼女は、除去したものを元に戻すために、2つの「偽造の」パルスをシーケンスに戻し入れなければならない。しかしながら、イブが除去されたパルスを偽造のパルスと交換したにもかかわらず、アリス及びボブはイブの存在を検出することができる。イブのパルス3及び4の測定は、パルス2及び3間並びにパルス4及び5間のコヒーレンスを破壊する。従って、パルス2及び3(又はパルス4及び5)がボブのビームスプリッタに到着するときに、それらは干渉しない。検出は、ランダムに検出器87又は88で登録されるだろう。アリス及びボブが彼女らの符号/復号値の一部を比較する場合、彼女らはそれらがまったくの無相間であることを理解し、それはイブの存在の証拠である。
図15は、実施形態に係るコヒーレントワンウェイ(COW)量子通信システムの概略図であり、ここでは、量子送信機は図6(b)又は6(c)に示されるような光学装置を含む。COW-QKDプロトコルでは、ビット値は時間ビンとして符号化される。すべてのビット値は2つの時間ビンT1及びT2からなる。第1の時間ビン(T1)又は第2の時間ビン(T2)のいずれかにおいて光パルスを生成することによって、送信機はビット値0及び1を符号化する。COWプロトコルの安全性を保証するために、光パルスが両方の時間ビンにある場合、デコイ状態が生成されなければならない。デコイ状態という語は、異なる強度を有する光パルスについて言及するのではなく、1つのタイムスロットだけでなく両方のタイムスロットが空でない(non-empty)状態について言及する。受信機は、それが一定であることを確かめるためにこれらのデコイパルスの位相情報を復号するためのマッチング干渉計82を有する。
コヒーレント光源20は、利得スイッチレーザ24に入射するCW光を生成する。代替の実施形態では、コヒーレント光源は、10ns以上の継続時間の長い光パルスを生成する。一実施形態では、光学装置134は、コヒーレント光132が利得スイッチレーザ24に入射する期間中に発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を二度切り替えることによって、時間ビン符号化パルスシーケンス99を生成する。コントローラ141は、利得スイッチレーザ24が短い光パルスを生成するために発振閾値以上に及び発振閾値未満に切り替えられるように、利得スイッチレーザ24に時間変化電流を供給する。短い光パルスはすべてCW光が利得スイッチレーザ24に入射する期間中に生成されるので、各対の連続する光パルス間の位相差は一定である。パルスはすべてコヒーレントである。位相は、常に一定であり、DPSプロトコルと同様の方法で、マッハツェンダー干渉計と2つのモニタリング検出器87及び88とを使用して、盗聴者の存在をチェックするためだけに使用される。情報は強度を変調することによって符号化される。
エンコーダ131は、次の方法で、時間ビンに情報を符号化するために、コントローラ141によって利得スイッチレーザ24に適用される時間変化電流を修正する。ビット期間は、1つのビット期間中にそのビットと対応付けられるパルスが生成されるように、エンコーダ131によって定義される。各ビット期間は第1の時間ビン及び第2の時間ビンに分割される。ビット期間にゼロのビット値を符号化するために、エンコーダ131は、電流が第1の時間ビン(T1)中だけに発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を一度切り替えるように、コントローラ141によって利得スイッチレーザ24に適用される電流を修正する。1のビット値を符号化するために、電流は第2の時間ビン(T2)にだけ発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を一度切り替えるために修正される。デコイ状態を生成するために、電流は、第1の時間ビン(T1)に一度及び第2の時間ビン(T2)に一度、発振閾値以上に利得スイッチレーザ24を切り替えるために修正される。生成されたパルスは光学装置134から放射される。
図示されたシステムでは、ビット期間「ビット1」に、デコイ状態が生成される。第1のパルスは第1の時間ビン(T1)において放射され、第2のパルスは第2の時間ビン(T2)において放射される。2つのパルス間の位相差はΦである。ビット期間「ビット2」に関しては、短い光パルスは第1の時間ビン(T1)だけにおいて生成される。これはゼロのビット値に対応する。さらに、ビット期間1の第2の時間ビンのパルス及びビット期間2の第1の時間ビンのパルスは連続するので、ビット期間1の第2の時間ビンのパルスとビット期間2の第1の時間ビンのパルスとの間の位相差もまたΦである。第3のビット期間「ビット3」では、短い光パルスは第2の時間ビン(T2)だけにおいて生成される。これは1のビット値に対応する。
すべてのビット期間のパルスはパルスのシーケンスを形成する。パルスはすべてコヒーレントであり、すなわち、イントラビット期間パルス(例えば、1T1のパルスと1T2のパルス、2T1のパルスと2T2のパルス)がコヒーレントであるだけでなく、インタービット期間パルス(例えば、1T2のパルスと2T1のパルス、2T2のパルスと3T1のパルス)もコヒーレントである。すべての連続するパルス間の位相差は同じである。例えば、2T1のパルスと2T2のパルスとの間の位相差は、2T2のパルスと3T1のパルスとの間の位相差と同じである。ビット期間は「シンボル」とも称される。
代替の実施形態では、光学装置134は、時間ビン符号化パルスシーケンスを生成する強度変調器132を含む。光学装置35は、次の方法で一定間隔のパルスのシーケンスを生成する。コヒーレント光源20は、利得スイッチレーザ24に入射するCW光を生成する。コントローラ141は、利得スイッチレーザ24が一定間隔で発振閾値以上に切り替えられるように、利得スイッチレーザ24に時間変化電流を供給し、それにより一定間隔の短いコヒーレントパルスのシーケンスを生成する。パルスそれぞれの間の位相差はΦである。各ビットに対応付けられたパルスが生成されるビット期間はエンコーダによって定義される。各ビット期間は第1の時間ビン及び第2の時間ビンに分割される。各ビット期間は2つのパルスを含む。
コヒーレントな短いパルスのシーケンスは強度変調器132を通過する。ビット期間にゼロのビット値を符号化するために、強度変調器は、第2の時間ビン(T2)中に光の振幅を低減するように制御され、これは光パルスが第1の時間ビン(T1)の間のみに強度変調器132から出ることを意味する。1のビット値を符号化するために、強度変調器132は、第1の時間ビン(T1)中に光の振幅を低減するように制御され、これは光パルスが第2の時間ビン(T2)の間のみに強度変調器から出ることを意味する。デコイ状態を生成するために、強度変調器は、両方のパルスが変調なしで通過することを可能にするように制御される。或いは、コヒーレント光源20に供給される時間変化信号は、時間ビンのうちの1つに光パルスの放射を阻止するために変調される。或いは、強度変調器は、時間ビンのうちの1つに光パルスの放射を阻止するために光学コンポーネント150に供給されるコヒーレント光の強度を変調する。
パルスシーケンス99は光伝送線路46を介して量子受信機112に送られる。量子受信機112は第1のビームスプリッタ101を含む。パルスシーケンス100は、量子受信機112において受信され、第1のビームスプリッタ101に入る。ビームスプリッタ101の第1の出力は、光導波路、例えば、光ファイバによって第1の光子検出器102に接続される。量子受信機112は非対称MZI82をさらに含む。非対称MZIは入力ビームスプリッタ81を含む。ビームスプリッタ101の第2の出力は、光ファイバなどの光導波路によって入力ビームスプリッタ81の入力に接続される。
入力ビームスプリッタ81の第1の出力は、MZI82のロングアーム84に接続される。MZI82のロングアーム84は、光学遅延85を含み、出力ビームスプリッタ86の第1の入力に接続される。入力ビームスプリッタ81の第2の出力はMZI82のショートアーム83に接続され、それは出力ビームスプリッタ86の第2の入力に接続される。第2の光子検出器87は出力ビームスプリッタ86の第1の出力に接続され、第3の単一光子検出器88は出力ビームスプリッタ86の第2の出力に接続される。
各光パルスの第1の部分は、第1の光子検出器102に接続された出力を通じてビームスプリッタ101から出る。各光パルスの第2の部分は、MZI82に接続された出力を通じてビームスプリッタ101から出る。第1の光子検出器102は、光子が第1の時間ビンに検出されたか第2の時間ビンに検出されたかを識別し、それによって1のビット値が符号化されたかゼロのビット値が符号化されたかを判断するように構成される。従って、第1の光子検出器102は、検出された光子が第1の時間ビンにあるか第2の時間ビンにあるかを検出時間から識別するために、光学装置と同期される。
MZI82の光学遅延85は連続したパルス間の時間差と等しい。パルスシーケンス100の各パルスの第2の部分は、ビームスプリッタ81を通じてMZI82に入り、このビームスプリッタ81は、パルス系列の各パルスの第2の部分の第1の部分をロングアーム84に送り、第2の部分をショートアーム83に送る。出力ビームスプリッタ86では、1つのパルスの第1の部分及び次に連続したパルスの第2の部分は時間的に重なって干渉する。どちらの検出器が検出を登録するかは位相差に依存する。
説明は光パルスの部分について言及するが、パルスが平均で1パルス当たり1未満の光子を有するアプリケーションにおいては、各光子はロングアーム又はショートアームに沿って移動する。これらの場合では、任意の検出器で検出された光子は、他の検出器での検出イベントを引き起こすことができない。
例えば、すべての連続するパルス間の位相差がゼロである場合、盗聴者がいないとすると、検出は検出器87において常に期待される。言い換えると、パルス1T1の第1の部分及びパルス1T2の第2の部分はビームスプリッタで干渉する。パルス1T1とパルス1T2との間の位相差がゼロであるので、検出器87は検出を登録する。次に、パルス1T2の第1の部分及びパルス2T1の第2の部分は干渉する。この場合もまたパルス1T2とパルス2T1との間の位相差はゼロであり、従って、検出器87は検出を登録する。異なる期間の連続するパルスの時間差は、異なる期間の連続するパルスが干渉するように、干渉計の光学遅延(例えば、パルス1T2とパルス2T1との間の遅延)と等しい。
イブが測定を行う場合、例えば、イブがビット期間2のパルス(すなわち2T1と2T2のパルス)を測定する場合、彼女は、検出を回避しようとするために、シーケンスに「偽造の」パルスを戻し入れるだろう。しかしながら、測定を行う際に、イブは必ず、それらのパルスと隣接したパルスとの間のコヒーレンス(例えば1T2と2T1のパルス間のコヒーレンス)を破壊する。これらのパルスがビームスプリッタに到着する時、それらは干渉せず、検出は、検出器のうちの1つにおいてランダムに登録される。検出器88はある確率で検出を登録し、これは、イブの存在を明らかにする。ボブは、彼が各光子を検出する時間を記録する。その後、アリスは、盗聴者を検出するために、彼女がデコイパルスを送った時間をボブに伝える。この時間に基づいてボブが光子を検出し、彼女らはそれがイブによって導入されたエラーであるか否かを決定することができる。
図16は、実施形態に係る量子通信システムの概略図であり、ここでは、量子送信機は図11に示されるような位相制御要素125及び強度制御要素を有する光学装置170を含む。量子送信機130は偏光変調器を含む。代替の実施形態では、送信機は偏光変調器を含まない。量子受信機47は図13に示されるシステムと同じものである。量子送信機130及び量子受信機47は光伝送線路46によって接続される。
光学装置120の概略図は図7に示される。コヒーレント光源20は半導体レーザである。コヒーレント光源20は一定間隔で長い光パルスを生成するように構成される。情報を符号化するために、位相制御要素125は、長い光パルスの生成の中途で生じるように調整された短い電流パルスをコヒーレント光源20に適用することができる。これは、長い光パルスの後半に位相シフトを適用する。その後、長い光パルス121は利得スイッチレーザ24に入り、この利得スイッチレーザ24は、長い光パルスの前半が入射するときに第1の短いパルスを生成し、長い光パルスの後半が入射するときに第2の短いパルスを生成する。2つの生成された短い光パルス間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相シフトによって決定される。第1の長い光パルスが供給されるときに生成された短い光パルスと第2の長い光パルスが供給されるときに生成された短い光パルスとの間の位相差はランダムである。
位相制御要素125及び位相変調器56を使用して、BB84などの量子鍵分配プロトコルは実現することができる。例えば、アリスは、位相制御要素125によってコヒーレント光源20に適用される電流パルスの振幅を、0、π/2、π及び3π/2の位相シフトに対応する4つの異なる値のうちの1つにランダムに設定することができる。0及びπは第1の符号化基底においてビット0及び1に対応付けられ、π/2及び3π/2は第2の符号化基底において0及び1に対応付けられる。
位相変調ダブルパルス43は光学装置120から出る。後パルスは、前パルスの時間Δtの後に光学装置120から放射される。位相変調ダブルパルス43は、前パルスの偏光が後パルスの偏光と直交するように、90度だけ前パルスの偏光を変える偏光変調器44に入る。その後、直交偏光を有するコヒーレントダブルパルス45は、量子送信機から出て、光伝送線路46を経由して量子受信機47に送られる。
量子受信機47は、図13に関して前述されている。後パルスが0又はπ/2の位相シフトに対応する2つの値のうちの1つに対して存在する場合、ボブは、位相変調器56に適用される電圧をランダムにセットすることができる。これは第1及び第2の測定基底の間でそれぞれ選択することになる。
0の位相差がある(すなわち、アリスによって適用される位相シフトが0であり且つボブによって適用される位相シフトが0である、或いは、アリスによって適用される位相シフトがπ/2であり且つボブによって適用される位相シフトがπ/2である)場合に、検出器62において建設的干渉があり(従って検出器63において相殺的干渉がある。)、検出器62での検出をもたらす。一方、πの位相差がある(すなわち、アリスによって適用される位相シフトがπであり且つボブによって適用される位相シフトが0である、或いは、アリスによって適用される位相シフトが3π/2であり且つボブによって適用される位相シフトがπ/2である)場合、検出器63での検出がある。2つの位相変調器において適用された位相変調間の差の他の値については、光子が検出器62又は検出器63において出力することができる有限の確率があるだろう。適用された位相シフト及び測定結果は記録される。
位相制御要素125が2つの連続する長い光パルスのためにコヒーレント光源20にいかなる電流パルスも供給しない場合、第1の長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される期間中に生成された2つの短い光パルス間の位相差、及び第2の長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される期間中に生成された2つの短い光パルス間の位相差は、同じである。しかしながら、いくつかの場合には、位相差は、例えば周囲の温度変化又はコヒーレント光源20の駆動条件の変更により、時間とともに変動することがある。これらの変動は、コヒーレント光源20のパルス繰り返し率よりはるかに遅い。例えば、位相制御要素125によってコヒーレント光源20に供給される電流パルスなしに数秒離れて生成された2つの長い光パルスに関して、第1の長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される期間中に生成された2つの短い光パルス間の位相差、及び第2の長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される期間中に生成された2つの短い光パルス間の位相差は、変動によりわずかに異なることがある。これは、位相制御要素125によって補償されることができる。補償は、例えば受信機において行われる位相差の測定に基づいている。受信機で検出された誤り率に基づいて、ボブは、誤り率を最小にするように位相制御要素125の位相を調節するために、アリスにフィードバック信号を送る。変動は受信機干渉計において補償されることも可能である。
光学装置170の強度制御要素126は、デコイ状態BB84プロトコルを実施するために使用することができる。
図17は、実施形態に係る差動位相シフト量子通信システムの概略図であり、ここでは、量子送信機は、図7に示されるような位相制御要素125を有する光学装置120を含む。量子受信機90は図14に示されるシステムと同じものである。量子送信機131及び量子受信機90は光伝送線路46によって接続される。
光学装置120の概略図は図7に示される。コヒーレント光源20は半導体レーザである。コヒーレント光源20はCW光を生成するように構成される。代替の実施形態では、コヒーレント光源は、10ns以上の継続時間の長い光パルスを生成する。情報を符号化するために、位相制御要素125は、コヒーレント光源20に短い電流のパルスを適用することができる。これは、CW光の第1の部分と第2の部分との間の位相差をもたらす。CW光は利得スイッチレーザ24に入り、利得スイッチレーザ24は、光の第1の部分が入射するときに第1の短いパルスを生成し、光の第2の部分が入射するときに第2の短いパルスを生成する。生成された短い光パルス間の位相差は第1の部分と第2の部分との間の位相差と等しい。位相制御要素125は、生成されたCW光の部分間の位相差を制御することによって連続するパルス間に情報を符号化する。
位相制御要素125は、光パルスのシーケンス70を生成するために、後続するパルス間に0又はπのいずれかの位相シフトを導入するように構成される。図17に示されるパルスに関しては、位相制御要素125は、最初はコヒーレント光源20に短い電流のパルスを適用せず、CW光の第1の部分及び第2の部分の間に位相差をもたらさず、従って第1の短い光パルスと第2の短い光パルスとの間に位相差がない。次の一定間隔では、位相制御要素125は、その後、コヒーレント光源20への短い電流のパルスを適用し、CW光の第2の部分と第3の部分との間のπの位相差をもたらし、従ってパルス2とパルス3との間にπの位相差をもたらす。次の一定間隔では、位相制御要素125は、コヒーレント光源20に特定の振幅の短い電流パルスを適用し、CW光の第3の部分と第4の部分との間にπの位相差をもたらし、従ってシーケンス中のパルス3とパルス4との間にπの位相差をもたらす。後続するパルス間の0の位相差は0のビット値に対応付けられる。後続するパルス間のπの位相差は1のビット値に対応付けられる。
光学装置が量子通信システムにおいて使用されるいくつかの実施形態では、減衰器は、光学装置から放射された光パルスの強度を低減する。いくつかの実施形態では、強度は、光パルスが10以下の光子を含むように低減される。いくつかの実施形態では、1パルス当たりの光子の平均数は1未満である。
特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実際、ここに説明される新規な方法及び装置は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、ここに説明される方法及び装置の形態において種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。添付された特許請求の範囲とそれらの均等は、発明の範囲及び意図に含まれる変形を含むように意図される。
Claims (20)
- 光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、
前記光学コンポーネントにコヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントと、
前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、
を具備する光学装置。 - 前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントはコヒーレント光源である請求項1の光学装置。
- 前記光学コンポーネントは、前記コヒーレント光を間欠的に生成するようにさらに構成され、前記コヒーレント光を間欠的に供給するように構成されたコンポーネントは、生成された前記コヒーレント光を反射して前記光学コンポーネントに戻すミラーである請求項1の光学装置。
- 任意の2つの連続するイントラ期間パルス間の位相差はすべての期間について同じである請求項1の光学装置。
- インター期間パルス間の位相差はランダムである請求項1の光学装置。
- 前記コヒーレント光の生成を制御する前記コヒーレント光源に第2の時間変化信号を供給するように構成された第2のコントローラをさらに具備し、前記時間変化信号及び前記第2の時間変化信号は同期される請求項2の光学装置。
- 前記光学コンポーネントは利得スイッチレーザである請求項1の光学装置。
- 前記光学コンポーネントは光増幅器である請求項1の光学装置。
- 前記コヒーレント光源は利得スイッチレーザである請求項1の光学装置。
- 前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダをさらに具備する請求項1の光学装置。
- 前記複数の光パルスの強度が変わるように、前記時間変化信号又は前記コヒーレント光の強度を修正するように構成された強度制御要素をさらに具備する請求項1の光学装置。
- 請求項1の光学装置を具備する、量子通信システムのための送信ユニット。
- 請求項12の送信ユニットと、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記コントローラは、光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記光学コンポーネントから放射された一対の連続する光パルス間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される量子通信システム。 - 光増幅を行うように構成された光学コンポーネントと、
前記光学コンポーネントにコヒーレント光を供給するように構成されたコンポーネントと、
前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成され、各期間中に放射される前記複数の光パルスが固定位相関係を有する、コントローラと、
前記光パルスの放射時間に又は前記光パルス間の位相差に情報を符号化するように構成されたエンコーダと、
を具備する光学装置。 - コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が期間にわたってコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に信号を適用するように構成されたコントローラと、
位相シフトが生成された光の一部に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、
光強度変調を行うように構成された光学コンポーネントであって、前記コヒーレント光源が当該光学コンポーネントに前記生成された光を適用するように構成される、光学コンポーネントと、
前記生成された光の第1の部分が受信される期間中に第1の光パルスが放射され、前記生成された光の第2の部分が受信される期間中に第2の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
を具備する光学装置。 - 前記位相制御要素は、位相シフトが前記生成された光の複数の部分に適用されるように、前記期間中に前記信号に摂動を適用するようにさらに構成される請求項15の光学装置。
- 前記コヒーレント光源は半導体レーザであり、前記信号は電流であり、前記摂動は短い電流パルスである請求項15の光学装置。
- 請求項15の光学装置を具備する、量子通信システムのための送信ユニット。
- 請求項18の送信ユニットと、
第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含む干渉計を備えた受信ユニットと、
を具備し、前記第2のコントローラは、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記第1の光パルスの放射時間と前記第2の光パルスの放射時間との間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するように、時間変化信号を適用するように構成される量子通信システム。 - 送信ユニットにおいて、光増幅を行うように構成された光学コンポーネントにコヒーレント光を供給し、
前記コヒーレント光が受信される各期間中に複数の光パルスが放射されるように、前記光学コンポーネントに時間変化信号を適用し、各期間中に放射された前記複数の光パルスが固定位相関係を有し、
前記光パルスに情報を符号化し、
符号化された光パルスを前記送信ユニットから、干渉計を備えた受信ユニットに送信し、前記干渉計は、第1の光路と第2の光路との間に光路長差がある前記第1の光路と前記第2の光路とを含み、前記時間変化信号は、前記光パルスが前記干渉計から出るときに結合するように、前記複数の光パルスの放射時間の間の遅延が前記干渉計の前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路長差によって生じる遅延と一致するようにされる量子通信方法。
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