JP6833883B2 - 量子通信システムのための送信機、量子通信システム、及び強度変調された光子パルスを生成する方法 - Google Patents

量子通信システムのための送信機、量子通信システム、及び強度変調された光子パルスを生成する方法 Download PDF

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Description

本開示は、量子通信システムのための送信機、量子通信システム、及び強度変調された光子パルスを生成する方法に関する。
量子通信システムでは、情報は、単一光子などの符号化された単一量子によって、送信機と受信機との間で送信される。各光子は、偏光、位相、又はエネルギー/時間などの光子の性質に対して符号化された1ビットの情報を搬送する。光子は、例えば、角運動量などの性質を使用することによって、複数のビットの情報を搬送し得る。
量子鍵配送(QKD)は、例えば送信機(多くの場合「アリス」と呼ばれる)と受信機(多くの場合「ボブ」と呼ばれる)との間又は2つの送信機間(例えば、測定デバイス無依存QKDプロトコルの場合)といった関係者間での暗号鍵の共有をもたらす技法である。この技法は、多くの場合「イブ」と呼ばれる不正な盗聴者に鍵の任意の部分が知られることが可能かどうかというテストを提供する。量子鍵配送の多くの形態では、2つ以上の非直交基底が、ビット値を符号化するために使用される。量子力学の原理は、各々の符号化基底についての予備知識をもたないイブが光子を測定すると、光子のうちのいくつかの状態に対する避けられない変化を引き起こすことを定める。光子の状態についてのこれらの変化は、ビット値における誤りを引き起こす。したがって、それらの共通ビット列の一部を比較することによって、関係者は、イブが情報を得たかどうかを決定することができる。
さまざまなプロトコルがQKDに使用可能である。多くのプロトコル、例えばデコイ状態に基づいたプロトコルは、複数の強度レベルを使用する。そのようなシステムのセキュリティと安定性とを改善することが、継続して必要とされている。
次に、添付の図を参照しながら、非限定的な構成によるシステム及び方法を説明する。
図1(a)は、出力レーザパワーとレーザ駆動電流のグラフを示す。 図1(b)は、出力レーザパワーとレーザ駆動電流のグラフを示す。 図2(a)は、強度変調器の駆動電圧の関数として強度変調器の透過曲線を示す。 図2(b)は、強度変調器の駆動電圧の関数として強度変調器の透過曲線を示す。 図3(a)は、非対称ビームスプリッタを備える強度変調器を備えた量子通信システムのための送信機の一例を示す。 図3(b)は、強度変調器の透過曲線を示す。 図4(a)は、2つの非対称ビームスプリッタを備える強度変調器を備える量子通信システムのための別の送信機の一例を示す。 図4(b)は、強度変調器の透過曲線を示す。 図5(a)は、レーザダイオード及び強度変調器と直列に結合された非対称要素を備える強度変調器を示す。 図5(b)は、代わりにレーザに直接に結合された強度変調器を示す。 図6は、フォトニックチップ上に集積された対称ビームスプリッタの概略図である。 図7は、2つの集積された位相変調器をもつマッハ−ツェンダー干渉計設計を使用して実現された調整可能比ビームスプリッタの概略図である。 図8は、2つの調整可能比ビームスプリッタを使用して実施された強度変調器の概略図である。 図9は、強度変調器がサニャック干渉計設計を使用する量子通信システムのための送信機の一例を示す。 図10は、偏光成分を使用する量子通信システムのための送信機の別の例を示す。 図11は、偏光成分を使用する量子通信システムのための送信機の別の例を示す。 図12は、互いに結合された複数の強度変調器を使用することによって、さらなる強度レベルがどのように生成され得るかを示す概略図である。 図13は、以下の図において使用される2つの送信機ユニットを示す。 図14は、デコイ状態プロトコルを使用する量子鍵配送のための光パルスを符号化及び復号するように適合された量子通信システムの概略図を示す。 図15は、デコイ状態プロトコルを使用する測定デバイス無依存量子鍵配送(QKD)のための光パルスを符号化及び復号するように適合された量子通信システムの概略図を示す。
量子通信システムのための送信機であって、
光子源を備える光子源ユニットと、
前記光子源ユニットから入力光パルスを受信するように構成された第1の強度変調器と
を備え、
前記第1の強度変調器は、
前記入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された第1の要素と、
前記2つの成分間に位相シフトを適用するように構成された位相変調器と、
前記2つの成分を干渉させるように構成された第2の要素と
を備え、前記第1の要素及び前記第2の要素のうちの少なくとも1つは非対称(asymmetric)である、送信機が提供される。
例えば、第1の要素は非対称であってよく、第2の要素は対称(symmetric)であってよく、又は、第1の要素は対称であってよく、第2の要素は非対称であってよく、又は、第1の要素は非対称であってよく、第2の要素は同じ量の非対称性を有してよく、又は、第1の要素は非対称であってよく、第2の要素は異なる量の非対称性を有してよい。
「非対称(asymmetric)」という用語は、本明細書全体を通じて、光パルスが入力されたとき、第1の成分の強度と第2の成分の強度が等しくない(すなわち、第1の強度と第2の強度が異なる)ように、第1の成分及び第2の成分(又は第1の強度及び第2の強度)を出力するように構成された要素を指すために使用される。非対称要素の例としては、(50:50ビームスプリッタ以外の)ビームスプリッタ、偏光コントローラ及び偏光ビームスプリッタ、ならびに偏光コントローラ及び偏光維持ファイバとシングルモードファイバとの間のインターフェースがある。
第1の要素及び第2の要素のうちの一方は、部分的に非対称であってよく、第1の要素及び第2の要素のうちの他方は、対称であってもよいし、部分的に非対称であってもよい。「完全に非対称(fully asymmetric)」という用語は、本明細書全体を通じて、第1の成分及び第2の成分のうちの一方の強度がゼロである要素を表すために使用される。「部分的に非対称(partially asymmetric)」という用語は、明細書全体を通じて、第1の成分の強度と第2の成分の強度が等しくなく、非ゼロである(すなわち、第1の強度と第2の強度が異なり、非ゼロである)要素を表すために使用される。
非対称要素は、1よりも小さい分割比を有し、この分割比は、第1の成分の強度と第2の成分の強度との比、すなわちI1/I2である。したがって、分割比は、単一の強度が入力された場合に要素から出力される第1の強度と第2の強度との比である。非対称構成要素は、1よりも小さい、透過光(係数「t」)と反射光(係数「r」)(又は、例えば、ポート1及びポート2から現れる光)との比(又は出力光のパーセンテージ)を有してよい。「完全に非対称」な構成要素は、0の分割比を有する。「部分的に非対称」な構成要素は、1よりも小さく、0よりも大きい分割比を有する。第1の構成要素及び第2の構成要素のうちの少なくとも1つは、0.99以下であり且つ0を超える分割比を有してよい。第1の構成要素及び第2の構成要素のうちの少なくとも1つは、0.9以下であり且つ0を超える分割比を有してよい。
非対称要素は、単一の光モードが入力されるとき、第1の光モード(成分)と第2の光モード(成分)とを出力するように構成され、第1のモードの強度と第2のモードの強度は等しくない。モードは、例えば、空間モード(例えば、異なるファイバ内で)であってもよいし、偏光モードであってもよい。より詳細には、各パルスは、1つ又は複数の自由度、すなわち、例えば、偏光、空間経路、波長、及び時間を含む、光パルスを区別する「ラベル」を有する。どの自由度についても、1つ又は複数の対応するモードがある。例えば、偏光ビームスプリッタを通る偏光の場合、垂直モード及び水平モードがある。波長の場合、波長λ1をもつモードと、波長λ2をもつ別のモードがある。
強度変調器からの光出力のコントラストは、非対称性に依存する。
光子源ユニットは、第1の強度と第2の強度とを有する光パルスを放射するように構成されてよく、第2の強度は第1の強度よりも低い。第2の強度は、真空状態に対応してよい。
位相変調器は、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの一方に対応する第1の設定と、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの他方に対応する第2の設定とを備えてよく、第1の強度変調器は、位相変調器の第1の設定と第2の設定とからの選択、及び光子源ユニットの第1の強度と第2の強度とからの選択に依存して、3つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力する。
位相変調器は、第2の要素において、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの一方に対応する第1の設定を備えてよく、入力光パルスが第1の強度を有する場合において、位相変調器が第1の設定を有するとき、第2の要素の第1の出力における出力光パルスは、第3の強度を有し、この第3の強度は、第1の強度よりも小さく、第2の強度よりも大きい。位相変調器は、第2の要素において、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの他方に対応する第2の設定をさらに備えてよく、入力光パルスが第1の強度を有する場合において、位相変調器が第2の設定を有するとき、第2の要素の第1の出力における出力光パルスは、第4の強度を有し、この第4の強度は、第3の強度よりも大きく、第1の強度よりも小さい又はこれに等しい。
量子送信機は、デコイ状態量子通信を実施するように構成されてよい。量子送信機は、デコイ状態測定デバイス無依存量子通信を実施するように構成されてよい。送信機は、1つ又は複数の他の要素と直列に結合された固定低消光比強度変調器又は可変消光比強度変調器を備えるデコイ状態QKD送信機であってよい。送信機は、1つ又は複数の他の要素と直列に結合された固定低消光比強度変調器又は可変消光比強度変調器を備えるデコイ状態MDI−QKD送信機であってよい。消光比ERは、ER=(max−min)/(max+min)と定義され、ここで、maxは、1つのポートを通る最大強度出力であり、minは、そのポートを通る最小強度出力である。
送信機は、強度の少なくとも1つの低コントラストペアを含む、3つ以上の異なる強度をもつ光パルスを安定して高速生成するように構成されてよい。固定低消光比又は可変消光比が、強度レベル間にあってよい。例えば、第2の強度は、第1の強度の1/4〜1/20の範囲内にある。送信機は、2つ以上の異なる強度をもつ光パルスを生成するように構成されてよい。例えば、2つの状態、例えば、u=0.5及びv=0.1(すなわち、真空状態なし)が、デコイ状態プロトコルに使用されてよい。
第1の強度変調器は、0.9以下の消光比を有してよい。第1の強度変調器は、可変の消光比を有してもよい。
第1の要素及び/又は第2の要素は、非対称ビームスプリッタを備えてよい。第1の要素及び/又は第2の要素は、調整可能比スプリッタ(tuneable ratio splitter)を備えてもよい。調整可能比スプリッタは、第1の対称ビームスプリッタと第2の対称ビームスプリッタとを備えてよく、第1の対称ビームスプリッタの一方の出力は、第1のアームを形成する第2の対称ビームスプリッタの一方の入力に結合され、第1の対称ビームスプリッタの他方の出力は、第2のアームを形成する第2の対称ビームスプリッタの他方の入力に結合され、第1のアーム及び第2のアームのうちの少なくとも1つは、調整可能比スプリッタの分割比を調整するように構成された位相変調器を備える。
強度変調器は、1つ又は複数の非対称ビームスプリッタ、例えば、マッハ−ツェンダー干渉計(MZI)出力における1つの非対称ビームスプリッタとMZI入力における1つの50:50ビームスプリッタ、MZI出力における1つの非対称ビームスプリッタとMZI入力における1つの非対称ビームスプリッタ、又はMZI入力における1つの可変比ビームスプリッタとMZI出力における1つの可変比ビームスプリッタ(variable-ratio beam splitter)とを備えるMZIを使用して、実施可能である。干渉計は、小型化されたオン−チップバージョンで実施されてよい。
第1の要素は、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成されたスプリッタを備えてよく、この2つの成分は空間的に分離される。
第1の要素は、偏光コントローラと、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された偏光ビームスプリッタとを備えてよく、この2つの成分は異なる偏光を有する。
第2の要素は偏光ビームスプリッタを備えてよく、第2の偏光コントローラと、第2の偏光ビームスプリッタとをさらに備えてよい。
第1の要素は、第1の偏光コントローラと、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された、偏光維持ファイバとシングルモードファイバとの間のインターフェースとを備えてよく、この2つの成分は異なる偏光を有する。
第2の要素はファイバインターフェースを備えてよく、第2の偏光コントローラと、偏光ビームスプリッタとをさらに備えてよい。
光子源ユニットはパルスレーザを備えてよく、第1の強度は、ゲインスイッチレーザ(gain switched laser)の「オン」状態に対応し、第2の強度は、このレーザの「オフ」状態に対応する。
光子源ユニットは、レーザと、第2の強度変調器とを備え、この第2の強度変調器は対称であり、第2の強度は、第2の強度変調器の最小透過状態に対応する。
第1の要素の少なくとも一部は、第2の要素の少なくとも一部も形成してよい。例えば、非対称ビームスプリッタは、第1の要素と第2の要素の両方を形成してよい。
送信機構成要素のうちの1つ又は複数は、フォトニックチップ上に集積されてよい。
1つ又は複数の固定低消光比強度変調器又は可変消光比強度変調器は、例えば、パルスレーザと直列に結合されてもよいし、1つ又は複数の標準的な強度変調器及びパルスレーザと結合されてもよいし、少なくとも2つの強度レベルを出力する任意の光子源ユニットと結合されてもよい。
送信機は、低消光比強度変調器を、例えば、1つもしくは複数の他の強度変調器と組み合わせて使用してもよいし、ゲインスイッチレーザと組み合わせて使用してもよい。
上記量子送信機を備え、受信機をさらに備える量子通信システムもまた提供され得る。この量子通信システムは、第2の量子送信機をさらに備えてよい。
強度変調された光子パルスを生成する方法であって、
光子源を備える光子源ユニットにおいて、光パルスを生成することと、
第1の強度変調器において、光子源ユニットから入力光パルスを受信することと、
第1の強度変調器内の第1の要素において、入力光パルスを2つの成分に分割することと、
第1の強度変調器内の位相変調器において、2つの成分間に位相シフトを適用することと、
第1の強度変調器内の第2の要素において、2つの成分を干渉させることと、
を備え、第1の要素及び第2の要素のうちの少なくとも1つが非対称である、方法が提供される。
QKDプロトコル、例えばデコイ状態を使用するQKDプロトコルは、複数の強度レベルを有する光パルスを使用してよい。例えば、デコイ状態ベースのQKDプロトコルは、2つ又は3つの強度レベルを使用してよい。
デコイ状態QKDプロトコルでは、異なる強度をもつ安全に受信されたパルスの数を測定することによって関係者が盗聴者の存在を決定することを可能にする、異なる強度をもつ光子パルスが送信される。例えば、デコイ状態BB84プロトコルは、3つの異なる強度をもつ光パルス、すなわち、信号パルス、デコイパルス、及び真空パルスを生成することに依拠する。例えば、デコイ状態BB84プロトコルの場合、パルスの1%は真空パルスであってよく、パルスの2%はデコイパルスであってよく、パルスの97%は信号パルスであってよく、例えば、以下の強度レベル、すなわち、I1=0.5(信号)、I2=0.1(デコイ)、及びI3<10-4(真空)が使用されてよい(光子/パルスで表現される)。各生成されたパルスに対して、アリスは、上記の分布に従って、強度をランダムに選択する。受信機において、ボブは、自分が各パルスを検出した時間を記録する。次いで、アリスは、自分がデコイパルスを送信した時間をボブに告げる。ボブがパルスを検出した時間に基づいて、アリスとボブは、イブによって誤りが導入されたかどうかを決定することができる。
そのようなシステムは、3つの異なる強度をもつ光パルス(信号パルス、デコイパルス、及び真空パルス)を生成することが可能な送信機を使用する。3つ(又はそれ以上)の強度レベルの準備は、例えば、以下で説明されるように、1つもしくは複数の強度変調器に対する3つの異なる駆動電圧を使用してなされてもよいし、レーザのゲインを変調することによってなされてもよい。
例えば、パルスレーザは、以下のように、異なる強度レベルを生成するために使用されてよい。レーザは、図1に示されるものなど、駆動電流信号で直接的に変調されてよい。図1は、出力レーザパワーと駆動電流のグラフを示す。駆動電流信号は、発振閾値(図1における水平線によって示される)よりも上(図1における点Aに対応する)及び下(図1における点Bに対応する)にレーザを繰り返し設定するために印加されてよい。言い換えれば、レーザは、安定した様式で高いコントラストをもつ2つの強度レベルを生成するために、オン(閾値よりも上)及びオフ(閾値よりも下)にスイッチングされてよい。レーザがオンである(点A)とき、生成されたパルスは多数の光子を含み、レーザがオフである(点B)とき、生成されたパルスはゼロに近い光子を含む(これは、真空状態に相当する)。実際の数はレーザの消光比に依存し、これは、例えば、70dBであってよい(すなわち、レーザが閾値よりも上であるときに放射される光子が平均値で107個である場合、閾値よりも下にあるときに平均値で1個の光子がある)。強度の差は、誘導放射(閾値よりも上)と自然放射(閾値よりも下)との差に依存する。QKDシステムでは、強い減衰器が含まれてもよく(例えば70dB)、これは、閾値よりも上で放射されたパルスは、平均で107個から1個の光子(これは、信号パルス「u」である)になり、閾値よりも下で放射されたパルスは、平均で1個から10-7個になる(これは、真空パルス「w」である)ことを意味する。レーザがオン及びオフであるときに生成されるパルスの光レベルは、高いコントラストを有する。したがって、各パルス放射時間に対して、電流はレベルA又はBに設定され、多光子強度レベル又はゼロに近い光子強度レベルをもつパルスが生成される。放射時間の間(パルス間)では、電流はレベルBのままである。
3つの強度レベルを生成するために、パルスレーザは、3つの(2つではなく)異なる電流レベルで駆動されてよい。このオプションは、図1(b)に示されている。ここでは、点Aよりも閾値電流に近い第3の点(点F)がある。これは、点Aで生成された強度(すなわち出力パワー)よりも低い、生成された強度に対応する。したがって、各パルス放射時間に対して、電流は、レベルA、F、又はBに設定され、多光子強度レベル(A、信号レベルに対応する)、減少された光子強度レベル(F、デコイレベルに対応する)、又はゼロに近い光子強度レベル(B、真空レベルに対応する)をもつパルスが生成される。しかしながら、点Fは必然的にレーザ閾値に近いので、点Fでレーザによって放射された光は「純粋」でない、すなわち、その光は、スペクトル及び時間プロファイルにおいて、点Aで放射された光と異なる。これは、QKDシステムのセキュリティを損なうことがある。
代替として、バランスのとれた対称マッハ−ツェンダー干渉計(MZI)を備える強度変調器が、以下のように、異なる強度レベルを生成するために使用されてよい。電圧制御された位相変調器が、干渉計アームのうちの少なくとも1つの中に設置されてよい。MZIの1つのアーム上で位相を制御することによって、強度変調器によって放射される透過を制御することが可能である。例えば、連続波レーザの後にMZIベースの強度変調器を置くことによって、強度変調器の駆動電圧(これは位相を制御する)に対して作用することによって放射された強度を変調することが可能である。強度変調器の駆動電圧の関数として、そのような強度変調器の透過曲線が図2に示されている。水平軸上での電圧は、点C及び点Dのいずれかに設定される。これらの点は、最大透過(C)及び最大減衰(D)に対応し、したがって、2つの異なる出力強度レベルに対応する。印加される電圧(水平軸)の変動は、透過(垂直軸)の小さな変動のみを伴うので、点Cと点Dの両方は、透過曲線の平坦な領域に対応し、したがって安定している。したがって、連続波レーザとともにマッハ−ツェンダーベースの干渉計を使用して、安定した手段で2つの強度レベルを生成することが可能である。点CとDとの垂直距離は、強度変調器の消光比ECD=1に対応し、放射されたパルスの2つの強度レベル間のコントラストを決定する。強度変調器の消光比は固定される。消光比は、後で定義される。
3つの強度レベルを生成するために、例えば、Dに対応する強度とCに対応する強度との間の状態が生成され得る。対応する点は、図2(b)において点Eとして示されている。この点は、透過が電圧に対して線形である領域内にあり、したがって、電圧の変動は、透過において正確に再現される。したがって、この強度レベルは安定でない(安定している、図の点C及びDとは反対に)。第3のレベル(点E)は常に、透過曲線の線形領域内に入るか又はこの領域に近いので、安定した様式で3つの状態すべてを準備することは可能でないことが容易にわかる。第3の強度レベルの不安定性は、QKDに対するセキュリティリスクをもたらす。例えば、第3の強度が30%超変動するQKDシステムは、この問題のために、非セキュアとみなされる。さらに、そのような大きな変動は、システムの効率に影響を与え得る。
代替として、図2に関連して論じられる強度変調器は、レーザ上の点Aと強度変調器上の点Cを組み合わせること(信号パルス)によって、レーザ上の点Aと強度変調器上の点Dを組み合わせること(デコイパルス)によって、又は、残りの組み合わせB−CもしくはB−D(両方ともゼロに近い出力強度を提供する、すなわち真空パルス)によって、安定した様式で強度の3つのレベルを生成するために、図1に関連して論じられるパルスレーザとともに使用されてよい。これらの状態間の強度の差は、強度変調器の消光比(=1)によって決定される。最高強度は、組み合わせACによって達成される。組み合わせADは、組み合わせACから取得される出力強度のXER倍である出力強度を提供し、XERは、強度変調器の消光比ERの関数である。
ゼロに近い強度は、組み合わせBC及びBDに対して放射される(BCに対する透過はBDに対するものより高いが、レーザによって最初に放射される光(閾値を下回る)は常にゼロに近い)。したがって、これらの状態は安定しているが、強度レベルは、高いコントラストであり、強度変調器の1という消光比によって設定される。
異なる強度状態を生成するためにパルスレーザが使用される第1のケースに関して、減衰器も含まれる。減衰器は、強度変調器の前に含まれてもよいし、強度変調器の後に含まれてもよいが、両方のケースにおいて、量子透過チャネルの前に含まれる。
真空状態は、多くの場合、性能にとって重要ではなく、したがって、あるいは、デコイ状態プロトコルは、2つの状態、すなわちデコイ状態及び信号状態のみで実施されてよい。図1及び図2に示されるシステムは、一貫した安定した様式で2つの異なる強度レベルを生じさせることができるが、強度レベルは最大強度差を有する。デコイ状態プロトコルを含む多数の適用例では、強度レベルが強度に関してより近い、例えば、4dB又は6dBの差があることが望ましい場合がある。上記で3つ以上の強度レベルのケースに関して説明してきたように、そのような強度差は、例えば、図1(b)における点F(異なる強度パルス間でスペクトル及び時間プロファイルにおける差を引き起こし得る)を使用して生成されてもよいし、図2(b)における点E(不安定性を引き起こし得る)を使用して生成されてもよい。
非対称要素を備える第1の強度変調器を備える光子源ユニットは、低いコントラストの、安定した強度状態を生成するために使用されてよい。強度の少なくとも1つの低コントラストペアを含む2つ以上の異なる強度をもつ光パルスの安定した生成が達成可能である。例えば、これらの要素を備える送信機は、デコイ状態QKDシステムに使用される、以下の強度レベル(光子/パルスで表現される)を、安定して準備することができる。
1=0.5(信号)、I2=0.125(デコイ)、及び任意選択で、I3<10-4(真空)
これらの状態の準備は、6dB(すなわち、1/4)消光比をもつ強度変調器を使用する。
非対称要素を備える第1の強度変調器を備える光子源ユニットは、低い変動をもち、対応する周波数及び時間プロファイルをもつ強度状態を出力し、したがって、システムのセキュリティを改善するために使用可能である。
図3(a)は、量子通信システムのための送信機の一例を示す。送信機は、光子源を備える光子源ユニット1を備える。光子源ユニット1は、第1の強度と第2の強度とを有する光パルスを放射するように構成され、第2の強度は第1の強度よりも低い。この例では、光子源はパルスレーザであり、第1の強度はオン状態に対応し、第2の強度はオフ状態に対応する。しかしながら、代替として、光子源はCWレーザであってもよく、光子源ユニット1は強度変調器を備えてもよい。光子源ユニット1の構成は、図5に関連してより詳細に論じられる。
送信機は、光子源ユニット1から入力光パルスを受信するように構成された第1の強度変調器をさらに備える。第1の強度変調器は、マッハ−ツェンダー干渉計に基づく。第1の強度変調器は、第1の要素2(入力要素とも呼ばれる)を備える。第1の要素2は、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成され、1つの成分は第1の出力ポートを通って出て、1つの成分は第2の出力ポートを通って出る。第1の要素2は対称(すなわち50:50)ビームスプリッタであり、したがって、2つの成分の強度は等しい。
強度変調器は、2つのアーム、すなわち第1のアーム5と第2のアーム6とを備える。第2のアーム6は、位相変調器3を備える。位相変調器は、2つのアーム間に位相シフトを適用するように構成される。干渉計はバランスがとれている。すなわち、位相変調器3によって適用される位相差が、2つのアーム内の2つの成分間に適用される唯一の位相差となるように、両方のアームの光路長は同じである。
第1の強度変調器は、第2の要素4(出力要素とも呼ばれる)をさらに備え、第2の要素4は非対称ビームスプリッタである。第1のアーム5は、入力要素2の第1の出力ポートを出力要素4の第1の入力ポートに結合し、第2のアーム6は、位相変調器3を介して、入力要素2の第2の出力ポートを出力要素4の第2の入力ポートに結合する。出力要素は、第1の出力ポート(rとラベルされる)と、第2の出力ポート(tとラベルされる)とを有する。第2の要素4は、2つの成分を干渉させるように構成され、この2つの成分は、第2の要素4で再結合される。本明細書全体を通じて、係数r及びtが参照され、これらは、プリズム又はハーフミラーベースのビームスプリッタ設計に対する反射率計数及び透過率係数に対応する。しかしながら、ビームスプリッタは、例えば、ファイバベースのカプラ(又は何らかの他の設計)によって実施されてよく、その場合、反射光と透過光との差異は必要ではなく、例えば、「t」及び「r」は、ポート1及びポート2から現れる光に単純に対応する。
第1の強度変調器は低消光比強度変調器であり、非対称ビームスプリッタを使用する。この明細書では、低消光比は、0.9(すなわち最大ERの90%)以下の消光比を意味する。したがって、この例における第1の強度変調器は、50:50の入力ビームスプリッタ2と、r2+t2=1、及びr≠t(対称ビームスプリッタの場合はr=t=1/√2であり、非対称ビームスプリッタの場合はr≠tである)である反射係数及び透過係数r、t≦1を有する出力ビームスプリッタ4とを備えるマッハ−ツェンダー干渉計を備える。例えば、r≠0及びt≠0、すなわち、ビームスプリッタは、部分的に非対称なビームスプリッタである。したがって、強度Iを有する単一の光パルスが、出力ビームスプリッタの入力のうちの1つに入力されるとき、一方のポートからの強度出力は、入力強度Iの|r|2倍であり、他方のポートからの強度出力は、入力強度の|t|2倍である。
出力ビームスプリッタ4は非対称ビームスプリッタであるので、単一の多光子光パルスがビームスプリッタ4の入力ポートのうちの1つに入力されるとき、第1の成分(第1の出力ポートを通る出力)の強度は、第2の成分(第2の出力ポートを通る出力)の強度に等しくない。したがって、出力ビームスプリッタ4は、1よりも小さい分割比を有し、ここで、分割比は、第1の出力ポートを通って出力される成分と第2の出力ポートを通って出力される成分との比である。
位相変調は、出力ビームスプリッタ4によって出力される強度の変調に対応する。図3(b)は、出力ビームスプリッタの各出力ポートに対応する透過曲線を示し、電圧(水平軸上の)は位相θに対応する。透過曲線は両方とも、0.5の透過値を中心とする。出力ビームスプリッタ4の第1のポートにおける出力強度(図ではrとラベルされ、破線で示される)は、入力要素2に入力される光パルスの強度に(1+2rtcosθ)/2を乗算したものに対応し、出力ビームスプリッタ4の第2のポートにおける出力強度(図ではtとラベルされ、実線で示される)は、入力要素2に入力される光パルスの強度に(1−2rtcosθ)/2を乗算したものに対応する。したがって、強度変調器の2つの出力ポートの透過係数はそれぞれ、(1+2rtcosθ)/2及び(1−2rtcosθ)/2である。
強度変調器の消光比ERは、係数r及びtに依存する。消光比ERは、
ER=(max−min)/(max+min)
と定義され、ここで、maxは、1つのポートを通る最大強度出力であり、minは、そのポートを通る最小強度出力である。このケースでは、maxはcosθ=1の場合に得られ、minはcosθ=−1の場合に得られ、したがって、ER=2rtである。
例えば、r=0及びt=1の場合、ER=0(完全に非対称)であり、r=t=1/√2の場合、ER=1(対称)である。
例えば0.25の消光比(6dBに対応する)を得て、最大I1=0.5(信号)と最小I2=0.125(デコイ)を生じさせるために、例えば、r=0.126及びt=0.996又はr=0.966及びt=0.126(部分的に非対称)であるビームスプリッタが使用されてよい。別の例では、r=√0.8=0.9、t=√0.2=0.45、及びER=2√0.16=0.8(部分的に非対称)である。
動作中、パルス光源1は、第1の強度(パルスレーザに対してオン−図1の点A)又は第2の強度(パルスレーザに対してオフ、図2の点B)を有するパルスを周期的に生成する。パルスは、強度変調器に入力される。強度変調器の第2の出力tからのパルス出力は、例えば、量子通信に使用されてよい。位相変調器3に印加される電圧は、各入力光パルスに対して、点C又は点Dに対応する電圧に制御される。3つの出力強度は、AとC(信号)、AとD(デコイ)、BとC又はBとDのいずれか(真空)という組み合わせに対応する。位相変調器3は、第2の要素4における弱め合う干渉(D)に対応する第1の設定を備え、入力光パルスが第1の強度を有する(オン)場合、位相変調器3が第1の設定を有するときに、第2の要素4の1つの出力における出力光パルスは第3の強度を有し、この第3の強度(デコイ)は、第1の強度(オン)よりも小さく、第2の強度(オフ−真空)よりも大きい。位相変調器3は、第2の要素4における強め合う干渉(C)に対応する第2の設定をさらに備え、入力光パルスが第1の強度を有する(オン)場合、位相変調器3が第2の設定を有するときに、第2の要素の出力における出力光パルスは第4の強度(信号)を有し、この第4の強度(信号)は、第3の強度(デコイ)よりも大きく、第1の強度(オン)よりも小さい。
代替として又は追加して、他の出力からのパルス出力が使用されてよい。このケースでは、入力光パルスが第1の強度(オン)を有する場合、位相変調器3が第1の設定を有するときに、第2の要素4の第1の出力(r)における出力光パルスは第4の強度(信号)を有し、位相変調器3が第2の設定を有するときに、第2の要素4の出力における出力光パルスは第3の強度(デコイ)を有する。
構成要素は、光ファイバなどの導波路を使用して接続されてよい。代替として、システムは、自由空間光通信を用いて実施されてもよい。したがって、強度変調器のアーム及び構成要素間の接続は、ファイバにより結合されたビームスプリッタを含む光ファイバを備える場合がある。代替として、ハーフミラーなどの自由空間ビームスプリッタが使用されてもよい。位相変調器3は、導波路の一部を加熱する抵抗加熱器を備えてよい。代替として、位相変調器は、電気光学効果を示す材料を備えてよく、それによって、材料上に電界を印加することによって位相変化が実現可能である。例えば、位相変調器は、屈折率が電界強度の関数である、LiNbO3水晶などの、導波路の一部を置き換える水晶を備えてよい。光子源ユニットは、半導体レーザダイオードを備えてよい。代替として、レーザは、ファイバレーザであってもよいし、固体レーザであってもよい。連続波レーザ(例えば、1550nm又は1310nm波長レーザ)が使用されてもよいし、パルスレーザ(例えば、分布帰還レーザ)が使用されてもよい。
説明される送信機では、対称入力要素2及び非対称出力要素4が使用されるが、代替として、非対称入力要素2及び対称出力要素4が使用されてもよい。このケースでは、図3(b)に示される同じ透過曲線が生成される。
説明される送信機では、非対称ビームスプリッタ4が出力要素として使用されてきたが、代替として、第1の強度変調器は、対称入力ビームスプリッタと、対称出力ビームスプリッタと、干渉計アームのうちの1つの中に置かれた振幅減衰要素とを備えてよい。振幅減衰要素は、例えば、固定されてよい。このケースでは、第1の要素は、振幅減衰要素とともに、対称ビームスプリッタを備えてよい。これらの構成要素はともに、非対称入力要素を形成し、ともに、入力光パルスを、等しくない強度をもつ2つの成分に分割するように構成される。この第2の要素は対称ビームスプリッタを備え、この対称ビームスプリッタは、2つの成分を干渉させるように構成される。例えば、振幅減衰要素が位相変調器の後に置かれた場合、第1の要素は代わりに、対称入力ビームスプリッタを備え、第2の要素は非対称であり、対称出力ビームスプリッタと、振幅減衰要素とを備える。結果として生じる強度変調器は、図3に関連して説明された様式と同じ様式で機能する。
上記の送信機及び以下で説明される送信機では、高強度光パルスが最初にレーザから放射される。減衰器は、例えば、BB84などのプロトコルの場合、平均強度がパルスあたり1光子未満となるように、強度を減少させるために含まれる。他の強度が使用されてもよい(例えば、連続変数ベースのプロトコルの場合、より高い強度が使用されることがある)。レーザからの光は、量子透過チャネルに到達する前に減衰され、したがって、減衰器は、例えば、強度変調器の前に置かれてもよいし、その後に置かれてもよい。
上記の送信機及び以下で説明される送信機では、3つ以上の強度レベルの生成が説明される(例えば、真空状態、デコイ状態、及び信号状態)。しかしながら、あるいは、システムは、2つの強度レベル(例えば、デコイ状態及び信号状態)のみを生成するために使用されてもよい。例えば、強度レベルの差は、6dBよりも小さくてよい。
図4(a)は、量子通信システムのための別の送信機の一例を示す。図4(a)の送信機は、強度変調器が、非対称出力要素4に加えて、非対称入力要素2も備えることを除いて、図3(a)の送信機と同じである。すでに図3(a)に関連して説明された要素の説明は省略される。
第1の要素2は、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成され、1つの成分は第1の出力ポートを通って出、1つの成分は第2の出力ポートを通って出る。第1の要素2は非対称ビームスプリッタであり、したがって、2つの成分の強度は等しくない。入力ビームスプリッタ2は、反射係数と透過係数とr、t≦1を有し、ここで、r2+t2=1、及びr≠tである。したがって、入力ビームスプリッタ2は、1よりも小さい分割比を有し、ここで、分割比は、第1の出力ポートを通って出力される成分と第2の出力ポートを通って出力される成分との比である。例えば、r≠0及びt≠0であり、すなわち、ビームスプリッタは、部分的に非対称なビームスプリッタである。
この例では、入力ビームスプリッタと出力ビームスプリッタは同一であり、同じ係数rとtとを有する。位相変調は、出力ビームスプリッタ4によって出力される強度の変調に対応する。図4(b)は、出力ビームスプリッタ4の各出力ポートに対応する透過曲線を示し、電圧(水平軸上の)は位相θに対応する。出力ビームスプリッタ4の第1のポートにおける出力強度(図ではrとラベルされ、破線に対応する)は、入力要素2に入力される光パルスの強度にr4+t4+2r22cosθを乗算したものに対応し、出力ビームスプリッタ4の第2のポートにおける出力強度(図ではtとラベルされ、実線に対応する)は、入力要素2に入力される光パルスの強度に2r22(1−cosθ)を乗算したものに対応する。したがって、強度変調器の2つの出力ポートの透過係数はそれぞれ、r4+t4+2r22cosθ及び2r22(1−cosθ)である。
消光比は、r及びtの値に依存する。第1の出力rの場合、消光比は
ER=2r22/(r4+t4)
である。
ER=0.5(3dB)を得るためには、r=0.888及びt=0.46、又はr=0.46及びt=0.888(部分的に非対称)である。
上部の透過曲線(第1の出力r、すなわち、図の出力ビームスプリッタ4の上部ポートに対応する破線曲線)は、最大透過値である1に到達する。これは、出力ポートのうちの1つに対してゼロの挿入損失が得られることを意味する。このケースでは、透過曲線は、異なる透過値を中心とする。
第1の出力(r)を考えると、3つの出力強度は、AとD(信号)、AとC(デコイ)、及びBとC又はBとDのいずれか(真空)という組み合わせに対応する。第2の要素4における強め合う干渉(C)に対応する位相変調器3の第2の設定の場合、入力光パルスが第1の強度(オン)を有するときに、第2の要素4の1つの出力における出力光パルスは第3の強度を有し、この第3の強度(デコイ)は、第1の強度(オン)よりも小さく、第2の強度(オフ−真空)よりも大きい。第2の要素4における弱め合う干渉(D)に対応する第1の設定の場合、入力光パルスが第1の強度(オン)を有するときに、第2の要素の出力における出力光パルスは第4の強度(信号)を有し、この第4の強度(信号)は、第3の強度(デコイ)よりも大きく、第1の強度(オン)に等しい(ファイバ内での小さい損失を考慮に入れれば、であるが、この損失は実際には強度に対して大きな影響をもたず、したがって、本明細書では考慮に入れられない)。
代替として又は追加して、他の出力からのパルス出力が使用されてよい。このケースでは、入力光パルスが第1の強度(オン)を有する場合、位相変調器3が第2の設定(C)を有するときに、第2の要素4の出力における出力光パルスは第5の強度を有し、この第5の強度は、第2の強度(オフ)よりも大きく、第3の強度(デコイ)よりも小さい。位相変調器3が第1の設定(D)を有するときに、第2の要素4の出力における出力光パルスは第6の強度(オフ)を有する。
このケースでは、入力ビームスプリッタ2と出力ビームスプリッタ4は、同じ係数rとtとを、したがって、同じ量の非対称性を有し、代替として、異なる係数をもつビームスプリッタが使用されてよい。
図5(a)は、レーザダイオード(LD)例えばパルスレーザダイオードと直列に結合された、図4(a)に関連して説明されたものなどの第1の強度変調器(IM*)と、第2の強度変調器(IM)とを示し、この第2の強度変調器は対称である(すなわち、例えば図2に関連して説明されたものなど)。そのようなシステムが、デコイ状態QKDを実施するために使用されてよい。このシステムでは、光子源ユニット1は、レーザと、対称強度変調器とを備える。
そのようなシステムでは、3つの状態すべて(デコイ状態を含む)が、両方の強度変調器の透過曲線の最大値又は最小値に対応する電圧から取得され、それらを、印加電圧の変動に対してより弾力的にするので、高い安定性をもつデコイ状態QKDに対する3つの強度(信号、デコイ、真空)を準備することが可能である。
図は、第2の強度変調器IM及び第1の強度変調器IM*(このケースでは、図4(a)の第1の強度変調器に対応する)に対する透過曲線を示す。
信号パルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電圧Vs,d 1が、最大透過(又は最小減衰)に対応する強度変調器に印加される。第2の電圧Vs 2が、同じく第1の出力ポートrを通る最大透過に対応する(及び、第1の設定Dに対応する)強度変調器IM*に印加される。両方の強度変調器がゼロの固有挿入損失を有するので、出力信号パルスは、(例えば、ファイバ内での信号損失を考慮に入れて)強度変調器に入力された光と同じ強度を有するべきである。結果として生じる強度が第4の強度である。
デコイパルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電圧Vs,d 1が、最大透過に対応する強度変調器に印加される。第2の電圧Vd,w 2が、(第2の設定Cに対応する)第1の出力ポートrを通る最小透過に対応する強度変調器IM*に印加される。結果として生じる強度が第3の強度である。
真空パルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電圧Vw 1が、最小透過(又は最大減衰)に対応する強度変調器に印加される。第2の電圧Vd,w 2が、強度変調器IM*に印加される。結果として生じる強度が第2の強度である。
これらの電圧の組み合わせを印加することによって、すべての状態は、透過曲線の最も平坦な、すなわち、最も安定した領域を使用して準備され得る。
光子源ユニットは、強度変調器とともに、連続波レーザを備えてよい。これは、パルスレーザに等しいとみなすことが可能である。
図5(b)は、強度変調器IM*がレーザ例えばスレーブパルスレーザに直接的に結合されたケースを示す。これは、デコイ状態QKDにも使用可能である。このケースでは、レーザシーディングが使用され、言い換えれば、光子源ユニットは、マスタレーザと、スレーブレーザとを備える。
図は、スレーブレーザのための放射と、強度変調器IM*(このケースでは、図4(a)の第1の強度変調器に対応する)のための透過曲線とを示す。
信号パルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電圧Is,d 1が、最大放射(設定A)に対応するスレーブレーザに印加される。第2の電圧Vs 2が、第1の出力ポートrを通る最大透過(及び第1の設定D)に対応する強度変調器IM*に印加される。強度変調器はゼロの固有挿入損失を有するので、出力信号パルスは、(例えば、ファイバ内での信号損失を考慮に入れて)強度変調器に入力された光と同じ強度を有するべきである。結果として生じる強度が第4の強度である。
デコイパルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電流Is,d 1が、最大放射に対応するスレーブレーザに印加される。第2の電圧Vd,w 2が、第1の出力ポートrを通る最小透過(及び第2の設定C)に対応する強度変調器IM*に印加される。結果として生じる強度が第3の強度である。
真空パルスに対応する出力光パルスを得るために、第1の電圧Vw 1が、最小放射に対応するスレーブレーザに印加される。第2の電圧Vd,w 2が、強度変調器IM*に印加される。結果として生じる強度が第2の強度である。
これらの駆動電流と電圧とを印加することによって、すべての状態が、安定した様式で準備され得る。安定性は、透過曲線の最大値/最小値と、レーザのためのオン状態又はオフ状態(すなわち、閾値よりも上又は下)とを使用することに由来する。
例えば、上記で説明されたシステムは、光ファイバ構成要素を使用して実施されてよい。しかしながら、代替として、強度変調器は、チップ上で実施されてもよい。これは、チップの小さいサイズにより、位相雑音又はドリフトを減少させる。具体的には、チップの小さいサイズにより、干渉計の2つのアームが、同じ温度と同じ位相符号化とを経験する。固定比及び可変比(又は調整可能比)干渉計が使用されるチップベースの実装形態は、以下で説明される。可変比ビームスプリッタも、ファイバベースの光学部品を使用して、例えば、以下で図10において説明される偏光に基づいたサニャック干渉計(偏光を回転させることによって、ビームスプリッタの分割比が効果的に変化させられる)を使用して、実現可能である。
固定比干渉計では、ビームスプリッタの分割比は固定される。例えば、図6は、フォトニックチップ上に集積された50:50ビームスプリッタ、すなわち導波路の概略図である。これは、2つの等しい出力経路を入力経路から切り分けることによって実現される方向性カプラである。このビームスプリッタは、チップ上で実施されるとき、例えば図3(a)に関連して説明されるものなどの強度変調器において(例えば、対称入力要素として)使用されてよい。
方向性カプラを適切に設計することによって、又はMMI(マルチモード干渉)を使用することによって、任意の固定分割比が容易に作成可能である。例えば、これは、導波路内の経路間の距離、又は経路の長さ、又は他の特徴を変化させることによってなされてよい。そのようなカプラは、チップ上で実施されるとき、例えば図3及び図4に関連して説明されるものなどの強度変調器において使用されてよい(すなわち、非対称ビームスプリッタとして)。これらの種類の方向性カプラは、狭帯域であるが、製作しやすい。MMIベースの実装形態は、広帯域である。デバイスが製作される前に、特定の固定分割比が決定され、変動性が望ましくない場合、選択された分割比をもつ、図6の構成が製作可能である。そのようなカプラは、小さいサイズとともに製作されてよい。
可変比に関して、図7は、2つの集積された位相変調器11及び12をもつマッハ−ツェンダー干渉計設計を使用して実現された調整可能比ビームスプリッタの概略図を示す。ビームスプリッタの値r及びt(各出力における係数に対応する)は、位相変調器の相対位相Δφ=φ−φ’に依存する。例えば、Δφ=0の場合、r=1及びt=0であるが、Δφ=πの場合、r=0及びt=1である。高速位相変調器は、例えば、GHz及びそれを上回って、使用されてよい。2つの位相変調器が示されているが、1つの位相変調器で十分であろう。ここでは、単に2つのアーム上での損失を等化するために、2つの同一の位相変調器が使用される。
ビームスプリッタの係数r及びtは、(位相変調器の位相を変化させることによって)可変である。そのようなビームスプリッタのうちの1つ又は複数を使用することによって、可変消光比強度変調器が製作されてよい。次いで、消光比は、各実装形態の特定の要件に応じて調整可能である。そのような強度変調器は、例えば図8に示されるように、チップ上で実施されてよい。第1の要素(入力要素2)は可変ビームスプリッタであり、第2の要素(出力要素4)も可変ビームスプリッタである。ビームスプリッタはMZIをともに形成し、位相変調器3は、アームのうちの1つの上に配置される。図8の強度変調器は、例えば、図3及び図4に関連して説明される強度変調器の代わりに使用されてよく、係数r及びtは、各可変ビームスプリッタ内の位相変調器によって設定される。
例えば、オンチップ実装に使用される位相変調器は、例えば、P−I−N構造に基づいて導波路内に配置された、「キャリア注入」(CI)又は「量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)進行波」ベースの変調器であってよい。両方のケースにおいて、位相変調は、電圧の印加によって導波路のセクションに適用される。両方のケースでは、チップは、アクティブ材料、例えば、電子状態が励起可能な、アクティブ媒体を備える半導体ヘテロ構造(例えば、量子井戸、複数の量子井戸、量子ドットの層など)を使用して製作されてよい。加えて、アクティブ層を囲むさらなる層が、過剰な正電荷(P)又は負電荷(N)を用いてドープされる。フォトニック集積のための材料としては、限定するものではないが、例えば、インジウムリン、ガリウム砒素、窒化ガリウムなどのIII−V材料がある。
前者のケースでは、位相変調は、キャリア密度、すなわち、導波路のセクション内の伝導帯内の自由電子の密度を変調することによって達成される。導波路のセクションの上のPIN接合に順バイアスを印加することは、導波路内で自由キャリア(及びしたがって電流)を生成し、したがって、導波路のセクションの実効屈折率を修正する。したがって、「キャリア注入」ベースの位相変調器では、アクティブな導波路セクションの伝導帯が励起される。これは、導波路セクション全体の実効屈折率を修正する。印加される電界に応じて、変調器構造(アクティブなP−I−N導波路)内の密度が変調されてよい。
QCSEベースの変調器では、位相変調は、P−I−N導波路内の実効バンドギャップを変調することによって達成される。P−I−N導波路上で逆バイアスを印加することは、構造の実効ギャップを修正し、これは、進行光のための位相変化をもたらす。逆バイアスがP−I−N導波路の一端において(他端は接地されたままで)高い周波数(例えば、GHz及びそれよりも上)で印加されるとき、ギャップ修正は、変調器(P−I−N導波路)に沿って進行波として伝播する。一般に、P−I−N導波路は、ギャップの摂動が構造内の光パルスと同じスピードで伝播するように設計される。QCSE位相変調器は、CIベースの位相変調器よりも高い周波数で動作可能である。
図9は、量子通信システムのための送信機の一例を示す。図9の送信機は、単一の非対称要素4が入力要素と出力要素の両方として使用され、強度変調器がサニャック干渉計設計を使用することを除いて、図4(a)の送信機と同じである。すでに図4(a)に関連して説明された要素の説明は省略される。
第1の強度変調器は、光子源ユニット1から入力光パルスを受信するように構成される。第1の強度変調器は要素4を備え、要素4は非対称ビームスプリッタであり、この非対称ビームスプリッタは、入力要素と出力要素の両方である(すなわち、第1の要素は第2の要素も形成する)。
ビームスプリッタ4は、aと、bと、cと、dとラベルされた4つのポートを備える。第1の「入力」ポートaは、光子源ユニット1に結合される。第2のポートb及び第3のポートcは、導波路によって互いに結合される。第1の「入力」ポートaに入る光パルスは、第2のポートbと第3のポートcの間で2つの光パルスに分割され、この2つの光パルスは、導波路に沿って反対方向に進む。したがって、ビームスプリッタ4は、入力光パルスを2つの成分に分割し、1つの成分は第2のポートbを通って出て、1つの成分は第3のポートcを通って出る。導波路内に配置された位相変調器3は、2つの成分間に位相シフトを適用するように構成される。位相変調器3は、成分のうちの1つが位相変調器3を通過するが他の成分は通過しない時点に位相シフトが適用され得るように、ループ内のある位置に置かれてよい。具体的には、位相変調器3は、成分間の位相シフトの切り換えが可能であるよう中点から十分離れて置かれてよい。
ビームスプリッタ4は非対称ビームスプリッタであるので、単一の多光子光パルスがビームスプリッタ4の第1のポートaに入力されるとき、第1の成分(第2のポートbを通る出力)の強度は、第2の成分(第3のポートcを通る出力)の強度に等しくない。したがって、ビームスプリッタ4は、1以外の分割比を有し、この分割比は、第2のポートbを通る成分出力と第3のポートcを通る成分出力との比である。
第2のポートbからの成分出力は、第3のポートcに入力され、第3のポートcからの成分出力は、ビームスプリッタ4の第2のポートbに入力される。したがって、2つの成分は、ビームスプリッタ4で再結合され、干渉し、その結果、光パルスが第1の「入力」ポートaを出て、光パルスは第4のポートdを出る。ビームスプリッタ4は非対称ビームスプリッタであるので、単一の多光子光パルスがビームスプリッタ4の第2のポートb及び第3のポートcのうちの1つに入力されるとき、第1の成分(第1のポートaを通る出力)の強度は、第2の成分(第4のポートdを通る出力)の強度に等しくない。したがって、ビームスプリッタ4は、1以外の分割比を有し、この分割比は、第1のポートaを通る成分出力と第4のポートdを通る成分出力との比である。これは、上記で説明された分割比(すなわち、第2のポートbを通る成分出力と第3のポートcを通る成分出力との比)と同じである。
ビームスプリッタ4は、反射係数及び透過係数r、t≦1を有し、ここで、r2+t2=1、及びr≠tである。したがって、ビームスプリッタは、1以外の分割比を有する。例えば、r≠0及びt≠0、すなわち、ビームスプリッタは、部分的に非対称なビームスプリッタである。この場合、入力要素と出力要素の両方が非対称であり、単一の要素である。図9に示される送信機は、固定された非対称の分割比、例えば、r2=0.75及びt2=0.25をもつ、単一のビームスプリッタ4を使用する。
したがって、強度変調器は、位相変調器3とビームスプリッタ4とを備える導波路を備える。位相変調は、ビームスプリッタ4によって出力される強度の変調に対応する。透過曲線は、図4(b)に示される透過曲線と同じである。強度変調器の第4のポートdにおける出力強度は、強度変調器に入力される光パルスの強度にr4+t4+2r22cosθを乗算したものに対応し、第1の「入力」ポートaにおける出力強度は、入力される光パルスの強度に2r22(1−cosθ)を乗算したものに対応する。したがって、強度変調器の2つの出力ポートの透過係数はそれぞれ、r4+t4+2r22cosθ及び2r22(1−cosθ)である。
消光比は、r及びtの値に依存する。第4の出力dの場合、消光比は
ER=2r22/(r4+t4
である。
ER=0.5(3dB)を得るには、r=0.888及びt=0.46、又はr=0.46及びt=0.888である。
このケースでは、第1の入力ポートaからのパルス出力は使用されない。第1の入力aから出力された光が導波路を戻って光子源ユニット1に伝わるのを防止するために、アイソレータが、第1の入力ポートaと光子源ユニット1との間に含まれる。アイソレータは、光が導波路ループから戻るのを抑制するために使用される。
この設計は、バルク(bulk)光学部品を使用して実施されるときですら位相ドリフトが補償され得ることを可能にする。したがって、システムは光ファイバを使用して実施されてよく、干渉計の設計が位相ドリフトを補償する。図9のサニャック干渉計の第4のポートdからの透過は、図4(a)のMZIの第1の出力rからの透過に等しい。サニャックは、例えば位相変調器が信号を駆動すること又は温度変動のいずれかにより引き起こされ得るDC位相ドリフトを自動的及び受動的に補償する。
偏光に基づいた類似の干渉計設計が図10に示されている。図10は、量子通信システムのための送信機の別の例を示す。図10の送信機は、第1の対称偏光ビームスプリッタ4とともに第1の電子偏光コントローラ(EPC)12が非対称入力要素として使用され、第2のEPC14及び第2の対称偏光ビームスプリッタ16とともに第1の対称偏光ビームスプリッタ4が対称出力要素を形成することを除いて、図9の送信機に類似している。強度変調器は、この場合もサニャック干渉計設計を使用する。すでに図9に関連して説明された要素の説明は省略される。このケースでは、入力要素(第1のEPC12と第1の偏光ビームスプリッタ4とを備える)の一部(第1の偏光ビームスプリッタ4)は、出力要素(第1の偏光ビームスプリッタ4、第2のEPC14、及び第2の偏光ビームスプリッタ16)の一部も形成する。強度変調器の消光比は、第1のEPCを調整することによって変化させられ得る。このシステムでは、第1のEPC12の後で使用されるファイバのすべては、偏光維持ファイバである。
第1の強度変調器は、入力光パルスを光子源ユニット1から受信するように構成される。第1の強度変調器は入力要素を備え、この入力要素は、第1のEPC12と、第1の対称偏光ビームスプリッタ4とを備える。
第1のビームスプリッタ4は、aと、bと、cと、dとラベルされた4つのポートを備える。第1の「入力」ポートaは、第1のEPC12及び光サーキュレータ13を介して、光子源ユニット1に結合される。光子源ユニット1は、第1のEPC12に光パルスを出力する。サーキュレータは、第1のEPC12とビームスプリッタ4との間に配置される。第1の電子偏光制御機器(EPC)12を使用して、偏光ビームスプリッタ4上での入力偏光を制御することが可能である。第1のEPC及び第1の偏光ビームスプリッタは、図9の非対称ビームスプリッタ4と同様の様式で機能する。しかしながら、係数r及びtは、第1のEPC12によって設定される入力偏光に依存するので、ここでは可変である。第1のEPC12と第1の偏光ビームスプリッタ4はともに、非対称入力要素を形成する。
第2のポートb及び第3のポートcは、この場合も導波路によって互いに結合される。第1の「入力」ポートaに入る光パルスは、第2のポートbと第3のポートcの間で2つの光パルスに分割され、この2つの光パルスは、導波路に沿って反対方向に進む。2つの光パルスの相対強度は、入力偏光(第1のEPC12によって設定される)に依存する。したがって、第1の偏光ビームスプリッタ4は、入力光パルスを2つの成分、すなわち、第2のポートbを通って出る、垂直偏光成分|V>の部分r2と、第3のポートcを通って出る、水平偏光成分|H>の部分t2に分割し、ここで、r及びtは第1のEPC12によって設定される。
PBS4の第3の出力c(すなわち、それを通って水平成分が出る)では、偏光回転子Rが導波路内に配置される。この構成要素が、第3のポートcを出る水平偏光成分を変更して垂直偏光にする。これを行うことによって、導波路ループ内で反対方向に伝わるパルスは同じ複屈折を経験し、サニャック干渉計は安定する。回転子Rは、別個の構成要素として実施されなくてよく、むしろ、ポートcにおいてPBS4に結合された偏光維持ファイバは、例えば90度回転可能である。代替として、第1のPBS4の第2のポートbと第3のポートcの両方が、サニャックループの偏光維持ファイバの遅軸に結合され、別個の回転構成要素が含まれる。第2のポートbを出た垂直偏光成分も、第3のポートcに入る前に、回転子Rに到達するとき、水平偏光に回転される。したがって、両方の成分が再結合し、ビームスプリッタ4において干渉し、両方の成分が入ったPBS4の同じ入力ポート(第1のポートa)から現れる。第4のポートdは、この実装では使用されない。サーキュレータ13は、第1のPBS4の第1の出力から現れるパルスを第2のEPC14に向ける。
導波路内に配置された位相変調器3は、2つの成分間に位相シフトを適用するように構成される。位相変調器3は、成分のうちの1つが位相変調器3を通過するが他の成分は通過しない時点に位相シフトが適用され得るように、ループ内のある位置に置かれてよい。具体的には、位相変調器3は、成分間の位相シフトの切り換えが可能であるように中点から十分離れて置かれてよい。
したがって、第1のEPC12は、光子源1からの光出力の偏光を設定する。固定偏光コントローラが使用されてよいが、EPCは、(例えば、例えばファイバ内の熱応力による)偏光ドリフトを補償するように調整されてよい。サーキュレータ13は、第1のEPC12に接続されたポートを通る光入力を、ビームスプリッタ4の第1のポート1に接続されたポートに転送する。第1のEPC12は偏光状態r|V>+t|H>を設定し、ここで、r≠t、r=cosφ、及びt=sinφであり、φは、PBS4の軸に対してEPC12によって設定された偏光角度である。例えば、r≠0及びt≠0、すなわち、部分的に非対称である。状態r|V>+t|H>(ここでr≠tである)における光パルスが、第1のビームスプリッタ4の第1のポートaに入力されるとき、第1の垂直偏光成分(第2のポートbを通る出力)の強度は、第2の水平偏光成分(第3のポートcを通る出力)の強度に等しくない。したがって、ビームスプリッタ4とEPC12とを備える第1の要素は、1以外の分割比を用いて構成され、この分割比は、第2のポートbを通る成分出力(垂直偏光)と第3のポートcを通る成分出力(水平偏光)との比である。
第2のポートbからの成分出力は、第3のポートcに入力され、第3のポートcからの成分出力は、ビームスプリッタ4の第2のポートbに入力される。成分は、再結合してビームスプリッタ4内で干渉し、これは、第1のポートaを通る結果として生じるパルスを出力する。
図3(b)の第1の出力rと同じ透過曲線を生じさせるために、第1のEPC12は入力状態r|V>+t|H>に設定されてよく、r=cosφ及びt=sinφであり、ここで、r≠tであり、φは、第1のPBS4の軸に対して第1のEPC12によって設定される偏光角度(θに対する異なるパラメータであり、ループ内部の位相変調器3によって光パルス上で符号化された位相角度)である。例えば、r≠0及びt≠0、すなわち、部分的に非対称である。
したがって、強度変調器は、第1のEPC12と、サーキュレータ13と、位相変調器3を備える光ファイバループと、第1の偏光ビームスプリッタ4と、第2のEPC14と、第2の偏光ビームスプリッタ16とを備える。位相変調は、ビームスプリッタ4によって出力される強度の変調に対応する。例えば、状態r|V>+t|H>が第1のビームスプリッタ4に入力される場合、それは、2つの偏光モードを出力ポートb(偏光V)及びc(偏光H)に分割する。次いで、サニャックループ内の位相変調器3が、第2のポートbからのパルスがそれを通過するとき「オフ」であり、第3のポートcからのパルスがそれを通過するとき「オン」である場合、第1のポートaからの出力光はr|H>+te|V>であり、ここで、θは、位相変調器によって適用される位相である。次いで、サーキュレータ13は、第1のポートaからの出力光を第2の偏光コントローラEPC14に向ける。
第2の偏光コントローラEPC14は、時間的に偏光ドリフトを制御するために含まれ、偏光(|V>+|H>)/√2がコントローラEPC14に入る場合、すべての光が第2の対称偏光ビームスプリッタ16のV出力ポートから現れる、言い換えれば、第2のEPC14と第2のスプリッタ16がともに対称要素を形成するように、第2の偏光ビームスプリッタ16にアライメントされる。第2の偏光コントローラEPC14は、サーキュレータ13からのV成分出力を状態Dにし、サーキュレータ13からのH成分出力を状態Aにするように設定され、ここで、D=(V+H)/√2及びA=(V−H)/√2である。第2の偏光ビームスプリッタ46は、強度(1−2rtcosθ)/2をもち、一方のポートを通る、結果として生じる水平成分と、強度(1+2rtcosθ)/2をもち、他方のポートを通る結果として生じる垂直成分とを出力する。この構成では、透過曲線は、図3(b)に示される透過曲線と同じである(すなわち、1つの対称要素(このケースでは出力)及び1つの非対称要素(このケースでは入力)に対応する。
図11は、量子通信システムのための送信機の別の例を示す。同じく、すでに前の図に関連して説明された要素の説明は省略される。このケースでは、第1の要素は、第1の偏光コントローラPC1と、ファイバインターフェース15とを備え、第2の要素は、ファイバインターフェース15と、第2の偏光コントローラPC2と、対称偏光ビームスプリッタ4とを備える。入力要素(第1の偏光コントローラPC1と、ファイバインターフェース15とを備える)の一部(ファイバインターフェース15)は、出力要素(ファイバインターフェース15、第2の偏光コントローラPC2と、対称偏光ビームスプリッタ4)の一部(ファイバインターフェース15)も形成する。以下で説明されるように、入力要素は非対称であり、出力要素は対称である。送信機は、図10に示される送信機と同様の様式で機能する。
送信機は、光子源を備える光子源ユニット1を備える。送信機は、入力光パルスを光子源ユニット1から受信するように構成された第1の強度変調器をさらに備える。第1の強度変調器は、折りたたまれ偏光ベースのマイケルソン干渉計を備える。
第1の強度変調器は、第1の偏光コントローラPC1とファイバインターフェース15とを備える第1の要素を備える。第1の偏光コントローラPC1は、光子源ユニット1に結合され、光パルス出力を光子源ユニット1から受信する。第1の偏光コントローラPC1は光サーキュレータ13に結合され、光サーキュレータ13は、第1の偏光コントローラPC1からの光パルス入力を、ファイバインターフェース15を備える出力に向ける。第1の偏光コントローラPC1は、例えば、図10に関連して説明されたものなどの電子偏光コントローラであってよい。
干渉計は、パルス間の位相差が偏光回転に変換されることを追加して、MZI(例えば図3に関連して説明された)と同様に機能する。破線で描かれた、水平方向に沿った成分は、シングルモードファイバに基づくが、より細い(fainter)線で描かれた、垂直方向に沿った成分は、偏光維持ファイバに基づく。したがって、サーキュレータ13と光子源ユニットとの間、及びサーキュレータ13とビームスプリッタ4との間の接続は、シングルモードファイバを通る。ファイバインターフェース15は、シングルモードファイバと偏光維持ファイバとの間のインターフェースである。
したがって、第1の偏光コントローラPC1は、光子源1からの光出力の偏光を設定する。サーキュレータ13は、PC1に接続されたポートを通る光入力を、ファイバインターフェース15に接続されたポートに転送する。第1の偏光コントローラPC1は、到来するパルスを偏光維持ファイバ遅軸に対して角度φにアライメントし、したがって、図10のEPC12と同じ入力状態r|V>+t|H>=cosφ|V>+sinφ|H>を準備し、ここで、r≠t(すなわちφ≠45°)である。例えば、r≠0及びt≠0、すなわち、部分的に非対称である。したがって、φは、図10で使用される偏光角度と同じであり、rとtとの間の非対称性を決定する。ファイバインターフェース15では、光入力パルスr|V>+t|H>は、2つの成分、すなわち、垂直偏光成分|V>の部分r2及び水平偏光成分|H>の部分t2に分割され、これらの両方は、同じ偏光維持ファイバに沿って進む。この2つの成分は、r及びtの値に応じて、等しくない強度を有する。
したがって、2つの成分の相対強度は、入力偏光(第1の偏光コントローラPC1によって設定される)に依存する。成分はそれぞれ、偏光維持ファイバの遅軸及び速軸に沿って進む。したがって、状態r|V>+t|H>における単一の多光子光パルスがファイバインターフェース15に入力されるとき、第1の垂直偏光成分(偏光維持ファイバへの出力)の強度は、第2の水平偏光成分(同じく、偏光維持ファイバへの出力)の強度に等しくない。したがって、第1の偏光コントローラとファイバインターフェース15とを備える第1の要素は、1以外の分割比を用いて構成され、この分割比は、垂直偏光成分と水平偏光成分との比である。第1の偏光コントローラは、ファイバインターフェース15上での入力偏光を制御し、次いで、ファイバインターフェース15は、図10の偏光ビームスプリッタと同じ手段で機能する。
第1の偏光コントローラPC1を使用して、ファイバインターフェース15上での入力偏光を制御することが可能である。第1の偏光コントローラPC1及びファイバインターフェース15は、図10のEPC12及び偏光ビームスプリッタ4と同じ様式で機能する。係数r及びtは、第1の偏光コントローラPC1によって設定される入力偏光に依存する。第1の偏光コントローラPC1とファイバインターフェース15はともに、非対称入力要素を形成する。第1の要素は、入力光パルスを2つの成分に分割するように構成され、この2つの成分の両方は、ファイバインターフェース15を出て同じファイバへと入る。
偏光維持ファイバは、ファイバインターフェース15から1つ又は複数の位相変調器3、このケースでは単一の位相変調器へと通るが、あるいは、例えば直列に結合された2つの位相変調器を用いて実現可能である。位相変調器3は、光の偏光に基づいて位相シフトを適用するように構成されてよい(例えば、位相変調器3は、位相変調器を通って進む垂直偏光成分と水平偏光成分との間に位相シフトを適用してよい)。パルスは、偏光維持ファイバ及び位相変調器3の遅軸及び速軸に沿って進む。2つの直交偏光VとHとの間の位相差θは、1つ又は複数の位相変調器3において印加される電圧によって制御される。ファラデーミラーは、位相変調器3の後に配置され、成分の偏光を直交対応物(correspondent)に反転させ(flip)ながら、偏光維持ファイバに沿って位相変調器3に光パルスを反射する。したがって、ファラデーミラーは、垂直偏光成分の偏光を水平に、水平偏光の偏光を垂直に反転させる。したがって、総光路は、2つの偏光成分に対して等しく、偏光維持成分による偏光モード散乱の影響を取り除き、これは、干渉可視性を制限し得る。
位相シフトパターンのタイミング及び位相変調器3とミラーとの間の光路長は、2つの成分上の等価な位相シフトを適用することを回避するように調整される(これは、パルスがファイバに沿って戻った後で位相変調を補償することに等しく、したがって可視性をゼロにする)。したがって、位相変調器は、2つの偏光成分間の位相シフトを適用するように構成される。タイミングは、位相シフトが帰路のどちらの成分にも適用されないように設定される。
次いで、2つの成分が、偏光維持ファイバとシングルモードファイバとの間のインターフェース15において干渉し、位相変調器3によって設定される、それらの間の位相差θは、等価な偏光回転に変換する。第1の強度変調器は第2の要素(出力要素とも呼ばれる)を備え、第2の要素は、ファイバインターフェース15と、第2の偏光コントローラPC2と、対称偏光ビームスプリッタ4とを備え、2つの成分に干渉するように構成される。光サーキュレータ13は、ファイバインターフェース15からの光パルスを第2の偏光コントローラPC2に向け、第2の偏光コントローラPC2は、シングルモードファイバを介して偏光ビームスプリッタ4に結合される。したがって、サーキュレータ13は、反射パルスを抽出するために使用され、次いで、反射パルスは、偏光ビームスプリッタ4上に投射される。第2の偏光コントローラPC2は、時間的に偏光ドリフトを制御するために使用される。第2の偏光コントローラPC2は、偏光(|V>+|H>)/√2がコントローラPC2に入る場合、すべての光が対称偏光ビームスプリッタ4のV出力ポートから現れるように、対称偏光ビームスプリッタ4にアライメントされる。対称偏光ビームスプリッタ4は、2つの出力ポートを有し、1つは水平偏光成分(H)を出力し、1つは入力光パルスの出力垂直偏光成分(V)を出力する。出力水平偏光成分及び垂直偏光成分の相対強度は、入力光パルスの偏光回転に依存する(入力光パルスの偏光回転は、位相変調及び第1の偏光コントローラPC1によって適用される偏光によって決定される)。偏光ビームスプリッタ4の出力ポートの各々から現れる光の相対強度は、r及びtに依存し、図3(b)に示される曲線に等しい。システムは、図10に示されるシステムと同じ様式で機能する。
偏光維持ファイバインターフェース15は、偏光ビームスプリッタとして効果的に機能する。偏光維持ファイバインターフェース15は、入力角度(第1の偏光コントローラによって設定される)が45度と異なるときはいつでも異なる強度を有する、1つは偏光維持ファイバの遅軸とアライメントされ、1つは速軸とアライメントされる、2つの成分すなわち「モード」を定義する。
したがって、強度変調器は、第1の偏光コントローラと、サーキュレータ13と、導波路と、インターフェース15と、位相変調器3と、ファラデーミラーと、第2の偏光コントローラと、ビームスプリッタ4とを備える。位相変調は、ビームスプリッタ4によって出力される強度の変調に対応する。透過曲線は、図3(b)に示される透過曲線と同じである。
図12は、互いに結合された複数の強度変調器を使用することによって、さらなる強度レベルがどのように生成され得るかを示す概略図である。この図は、一連の強度変調器によって生成される強度レベルを示す。図示のケースでは、各強度変調器は、図4(a)に関連して説明された強度変調器に対応する。出力は「r」出力から得られ、したがって、各強度変調器の透過曲線は図4(b)の破線に対応する。
第1の強度変調器は、左側の曲線(「第1のIM*とラベルされている)によって与えられる透過を有する。最大透過値及び最小透過値は、2つの強度レベル(強度1及び2)に対応する。
第2の強度変調器(「第2のIM*)は、第1の強度変調器の「r」出力に結合され、このことは、第1の強度変調器からの最大透過強度である「強度1」は、完全に透過される(第2の強度変調器が最大透過又はゼロ減衰を有するとき)、又は強度3のレベルに減衰される(第2の強度変調器が最大減衰又は最小透過を有するとき)のいずれかであることを意味する。第1の強度変調器からの強度2は、第2の強度変調器を通って完全に透過される(第2の強度変調器がゼロ減衰を有するとき)又は強度4のレベルに減衰される(第2の強度変調器が最大減衰を有するとき)のいずれかとすることができる。したがって、第2の強度変調器は、強度1(両方とも最大透過)を有する光パルスと、強度3(最大透過+最小透過)を有する光パルスと、強度2(最小透過+最大透過)を有する光パルスと、強度4(最小透過+最小透過)を有する光パルスとを出力する。
このメカニズムは、第3の強度変調器(第3のIM*)に関して繰り返され、3つの強度変調器からの8つの安定した強度という結果になる。強度は、最大透過曲線点又は最小透過曲線点を使用して生成されるので、強度は安定している。一般に、直列に結合されたn個の強度変調器から、2n個の強度レベルが生成可能である。
図13は、以下の図において使用される2つの送信機ユニット1Aと1Bとを示す。ユニット1Aは、図5(a)に関連して説明されたユニットに対応し、ユニット1Bは、図5(b)に関連して説明されたユニットに対応する。
図14は、デコイ状態プロトコルを使用する量子鍵配送(QKD)のための光パルスを符号化及び復号するように適合された量子通信システムの概略図である。
送信機(アリス)は、前の図に関連して説明されたように強度が変調された光パルスを生成する要素1A又は1Bを備える。
パルスは、光が送信機内の偏光維持ファイバの遅軸に沿って進むように、直線偏光される。ファイバ速軸が同等に選ばれてよい。
光パルスは、このケースではランダムな(鍵)情報を符号化するための位相符号器として機能する非対称マッハ−ツェンダー干渉計(AMZI)に入る。AMZIは、偏光維持ファイバを備える。AMZIに入る光パルスは、到来する光パルスを2つの経路に分割するカプラ17に入る。この例では、第1の経路は、光遅延ループ18を使用する干渉計のより長いアームを備える。第2のより短い経路は、位相変調器(PM)を備える。位相変調器PMは、光パルス上にランダムな(鍵)情報を符号化するために使用される。アームの長さの変動により、短い経路をたどる光パルス及び長い経路をたどる光パルスは、時間的分離Δtを有する。一例では、この時間的分離は、QKDシステムのクロックレートの逆数の半分に設定され得る。
次いで、パルスが、偏光ビームスプリッタ(PBS)19において結合される。PBS19は、入力アームのうちの1つの偏光が90度回転される性質を有する。これは、2つの直交偏光V及びHに分解可能な偏光が時間Δtによって分離される出力という結果になる。次いで、パルスは、パルスあたり1光子未満の平均強度をもつパルスにする可変光減衰器(VOA)を使用して、単一の光子レベルに減衰される。送信機から光チャネルへと放射される前に、パルスの一部が、較正されたビームスプリッタBSから、強度レベルを測定する電力計に向けられることがある。電力計からの出力信号が処理され、フィードバック信号が、適用例にとって望ましい適切な平均強度を調整して、安定に保つために、VOAに送信される。
送信機内のすべての光学構成要素は、電子コントローラ(図示せず)を使用して制御されてよい。
光パルスは、例えば光ファイバであってよい光チャネルを下る。次いで、パルスは受信機(ボブ)に入り、受信機(ボブ)は、このケースでは復号器として機能する、送信機内のAMZIと合致された(すなわち、同じ時間差Δtをもつ)別のAMZIを備える。単一光子検出器例えばアバランシェフォトダイオードのペアが、AMZIの各出力に1つ含まれる。光パルスは、受信機に入るとき、偏光ビームスプリッタ(PBS)21を通って進む前に、最初に電子偏光コントローラ(EPC)に入る。EPCは、光チャネル上での伝達中に発生した偏光回転を訂正するように調整される。これは、パルスのための2つの直交偏光V及びHがPBS21に当たるという結果になる。PBSは、光パルスの入力偏光に応じて、光パルスを、位相変調器を含むAMZIの長いアーム又は短いアームのいずれかに向ける。PMは、光パルス上のランダムな(鍵)情報を復号する際に使用される。送信機内のPBS19の場合のように、受信機内のPBSは、出力アーム偏光のうちの1つが90度回転されるという性質を有する。したがって、両方の出力パルスは、同じ偏光、このケースではVを有する。
適切な入力偏光があれば、第1の(時間的に)光パルスは、受信機AMZIの長いアームを下り、第2の(時間的に)光パルスは、受信機AMZIの短いアームを下る。このようにして、受信機内の遅延ループは、2つの光パルス間の時間差Δtと、2つの光パルスの完全な重複による最終ビームスプリッタにおける光学干渉結果とを相殺する。その後、結果として生じる光パルスが、最終検出器20によって検出される。干渉ビームスプリッタにおける2つのパルスの重複は、QBER=(1−Vis)/2によるQKDシステム量子ビット誤り率(QBER)に関連するシステムのビジビリティ(Vis)によって定量化可能である。
干渉の微調整は、ファイバストレッチャを使用して長いアーム内の光パルスの位相を調整することによって実行され得る。これは、熱ドリフトによる干渉計内の小さい(位相)変化を補償する。ファイバストレッチャは、電導デバイスである。ファイバのいくつかのコイルが、圧電ステージに巻き付けられる。ステージに電圧を印加することによって、ファイバは伸長し、それによって、ファイバを通って進む光に光遅延を与えることができる。ファイバストレッチャの反応時間は、通常、約1kHzと非常にすばやく、ファイバストレッチャを、小さく高速な遅延(位相)変化を訂正することに適させる。いくつかの例では、いくつかのファイバストレッチャは、数ピコ秒の遅延を与える極度に高い電圧±400Vを許容することができるが、最大量の伸長は<1psの遅延を与える。しかしながら、これらの高電圧ファイバストレッチャは、大きくなる可能性があり、それらを動作させるために高電圧機器を必要とすることがある。
受信機内の光学構成要素は、電子コントローラ(図示せず)を使用して制御されてよい。コントローラはまた、光パルスが検出されるとき、結果として得られる電気信号を単一光子検出器からサンプリングする。
デコイ状態プロトコルを適用するために、送信機(アリス)は、複数の(すなわち、2つ以上の)強度をもつコヒーレントパルスを準備する。以下の説明は、3つの強度レベル、すなわち、u(信号)と、v(デコイ)と、w(真空)とを使用するプロトコルに関する。しかしながら、上記で説明されたように、デコイ状態プロトコルは、2つ以上の強度レベルを用いて実施されてよい。以下では、強度レベルは、u>v>wとなるように選ばれ、具体的には、値は、例えば、uは約0.5、vは約0.1、w<10-3の順となるように選ばれてよい。代替として、vは約0.125である。
u、v、及びwの準備はランダムに行われ、それぞれ、アリスによって決定される確率pu、pv、及びpwをもつ。次いで、これらの強度をもつパルスが、位相変調器PMを使用してアリスによって符号化され、次いで、受信機(ボブ)に送信され、受信機(ボブ)は、位相変調器PMを用いて、さらなる位相を適用し、次いで、検出器20を用いて測定を行う。符号化動作及び復号動作は、「基底」(Z又はX)及び「ビット」(0又は1)についての情報を光パルスに適用し、これは、最終暗号鍵をつくるために使用される。
多数のパルスがアリスによって送信され、ボブによって測定された後、量子信号の送信が停止し、ユーザは、データを一致させ、自分たちのみに知られる鍵(秘密鍵)をつくるために、公衆認証チャネル上で通信を開始する。データを一致させるために、ボブは、どのイベントが検出器内でカウントを生成したかを通知する。ボブの検出器内でカウントを生成しなかったイベントはすべて、ユーザのアリス及びボブによって破棄される。残りのイベントについて、ユーザは、符号化動作及び復号動作において選ばれた基底(Z又はX)を通知する。基底が異なるイベントはすべて破棄される。
残りのイベントについて、アリスは、準備ステップ中に選ばれた強度u、v、又はwを通知する。次いで、ユーザは、強度及び基底に従ってすべてのデータをグループ化し、結局、基底Z及び強度u、v、又はwにおけるデータならびに基底X及び強度u、v、又はwにおけるデータで終わる。このグループに基づいて、ユーザは、各グループ内の検出確率(ゲイン)及び雑音のレベル(量子ビット誤り率すなわちQBER)の推定を実行する。このステップでは、デコイ状態QKDプロトコルに従って、秘密鍵をつくるために、データのその後の後処理の実行を知らせる。
デコイ状態推定ステップが優れているほど、最終鍵レートが高くなる。良好な推定を実行するために、ボブによって検出された総カウントは、さまざまなデータサブセット間に十分に分散されているべきである。サンプルの統計分析を改善するために、主な基底例えばZならびに信号(u)状態及びデコイ(v)状態に関連するグループがデータを十分に追加されていることが特に重要である。データサンプルが小さすぎる場合、統計変動が推定ステップを損ない、鍵レートが悪くなる。
データセットに信号及びデコイ状態を入れるためには、ボブの検出器がクリックする可能性を増加させるために、可能な限り大きく強度uとvとを増加させることが必要である。しかしながら、あまりにも大きく強度を増加させることは、QKDのセキュリティ条件に違反する。したがって、使用される強度は、これら2つの競合する要件のバランスをとるべきである。例えば、約0.5のu及び約0.1のvの強度レベルは、これら2つの要件のバランスをとることがある。これは、信号状態とデコイ状態との間の5倍の強度差に対応する。
図15は、デコイ状態プロトコルを使用する測定デバイス無依存量子鍵配送(QKD)のための光パルスを符号化及び復号するように適合された量子通信システムの概略図である。図15は、測定デバイス無依存(MDI)QKDデコイ状態プロトコルのファイバベース偏光ベースの実装を含む。
図では、変調器(Mod)と指定された要素は「高速」デバイスである、すなわち、おおよそGHzの速度で動作するが、制御デバイス(CTRL)は、これよりも遅く、フィードバック信号に基づいたアライメントに使用される。
送信機「アリス」は、前の図に関連して説明されたように強度が変調された光パルスを生成する要素1A又は1Bを備える。パルスは、偏光Vに直線偏光されるように、要素1A又は1Bから放射される。光パルスは、偏光変調器を通過し、偏光変調器は、それらの光パルスを、ランダム(鍵)情報を用いて符号化する。例えば、偏光変調器は、BB84プロトコルの4つの状態、すなわち、V(入力状態をそのままにする)、H(入力状態を180度反転させる)、D(入力状態を90度反転させる)、又はA(入力状態を270度反転させる)を符号化することがある。後で説明するように、符号化されたパルスは、偏光制御機構を通過し、この偏光制御機構は、受信機(チャーリー)からのフィードバックに基づいて偏光を微調整する。次いで、パルスは、図14に関連して説明されたQKDシステムに類似した様式で平均強度を微調整する強度制御機構を通過する。光パルスの平均強度をアライメントするために、ビームスプリッタは、チャネルからの信号の一部を電力計へと向け、電力計の出力は、強度制御機構部のためのフィードバック信号として使用され、強度制御機構は、図14のQKDセットアップの場合のように、可変光減衰器(VOA)を使用して実施可能である。第2の送信機であるボブは、アリスと同じ構成要素を有し、同様に偏光符号化光パルスを生成する。
送信機アリス及びボブによって放射される光パルスは、例えば光ファイバであり得る光チャネルを下り、受信機内の干渉ビームスプリッタ23に到達する。パルスが同時にビームスプリッタ23に到達することを確実にするために、受信機チャーリーによって制御されるファイバストレッチャが、ボブをビームスプリッタ23に接続する光チャネルに沿って使用される。2つのパルスが同時にビームスプリッタ23上で重なり、それらの偏光、波長、及び時間的プロファイルが同じであるとき、図14に関連して説明されたQKDケースと同様に、干渉が発生する。
MDI−QKDプロトコルの場合、干渉は、図14に関連して説明されたQKDプロトコルにおいて発生する同じ種類の干渉でないホング−ウ−マンデル(Hong-Ou-Mandel)タイプである。図14に関連して説明されたQKDプロトコルとは対照的に、ビームスプリッタに到達する2つのパルスの電磁位相は、2つのパルスが、相互に安定した位相基準を共有しないように、ランダム化される。これは、2つの光パルスが好ましくはビームスプリッタ23の同じ出力ポートに向けられる、「ホング−ウ−マンデル干渉」として知られる影響を引き起こす。ビームスプリッタ23の後、パルスが、2つの偏光ビームスプリッタ(PBS)25の後に配置された4つの検出器24によって一致して検出される。成功するカウンティングは、4つの検出器のうちの2つが同時にクリックしたときである。このイベントは、論理電子機器によって記録され、ランダム鍵をつくるために使用される。
アリス及びボブによる準備の大部分が秘密に保たれる(秘密鍵ビットを形成する)とき、そのうちのいくらかは、偏光変動を補償することを可能にするために、チャーリーに公開して明らかにされる。例えば、アリス及びボブは、V偏光及び真空状態における準備のうちのいくらかをチャーリーに告げることがある。チャーリーは、Vが準備されているとき、自分の検出器がVクリックに沿ってアライメントされることのみを確認する。Hに沿った検出器がクリックする場合、チャーリーは、H検出器内のカウントがゼロになる(又は最小化される)まで、偏光制御機構を用いてアリス及びボブの偏光を修正するように、アリスとボブとに要請する。誰が訂正をしているべきか、アリスなのかそれともボブなのかを区別するために、チャーリーは、ユーザによって宣言された真空状態を使用する。例えば、アリスが真空状態を準備したときに検出器からのクリックを発見した場合は、ボブが偏光を訂正するべきである。
デコイ状態プロトコルは、例えば3つの強度状態uとvとwとを使用する、図14に関連して説明されたデコイ状態プロトコルと同様に実施される。
(具体的には高速で)異なる強度をもつ光パルスの生成は、光ファイバに沿った通信の重要な側面である。いくつかのケースでは、強度は、例えば振幅変調(AM)、振幅シフトキーイング(ASK)、及びオンオフキーイング(OOK)などのプロトコルを使用して、そのようなファイバに沿って情報を符号化するために使用されてよい。
異なる強度レベルパルスを使用する通信の安定性を高めることは、多くの適用例、例えば、デコイ状態QKD及びデコイ状態MDI QKDを有する。良好な性能は、少なくとも2つの異なる強度が準備可能であり、それらの強度のうちの2つは互いに近い(すなわち「低コントラスト」である、例えば第2の強度が第1の強度の1/4から1/20の間である)場合、これらの適用例のために達成されることがあり、セキュリティ問題を軽減するために、そのような強度を安定した様式で準備することが重要である。
特定の構成について説明してきたが、これらの構成は、例として提示したにすぎず、発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際、本明細書で説明する方法及びシステムは、さまざまな他の形態で実施することができる。そのうえ、本明細書で説明される方法及びシステムの形態におけるさまざまな省略、置き換え、及び変更がなされてよい。

Claims (18)

  1. 量子通信システムのための送信機であって、
    光子源を備える光子源ユニットと、
    前記光子源ユニットから入力光パルスを受信し、2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力するように構成された第1の強度変調器と
    を備え、
    前記第1の強度変調器は、
    前記入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された第1の要素と、
    前記2つの成分間に位相シフトを適用するように構成された位相変調器と、
    前記2つの成分を干渉させるように構成された第2の要素と
    を備え、前記第1の要素及び前記第2の要素のうちの少なくとも1つは分割比に関して非対称であり、
    前記送信機は、デコイ状態量子通信を実施するように構成され、
    前記光子源ユニットは、第1の強度と第2の強度とを有する光パルスを放射するように構成され、前記第2の強度が前記第1の強度よりも低く、前記位相変調器は、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの一方に対応する第1の設定と、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの他方に対応する第2の設定とを備え、前記第1の強度変調器は、前記位相変調器の前記第1の設定と前記第2の設定とからの選択、及び前記光子源ユニットの前記第1の強度と前記第2の強度とからの選択に依存して、3つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力する、送信機。
  2. 前記第2の強度は真空状態に対応する、請求項に記載の送信機。
  3. 前記光子源ユニットはパルスレーザを備え、前記第1の強度は発振閾値より上の駆動電流が前記パルスレーザに印加された状態である前記パルスレーザの「オン」状態に対応し、前記第2の強度は前記発振閾値より下の駆動電流が前記パルスレーザに印加された状態である前記パルスレーザの「オフ」状態に対応する、請求項またはに記載の送信機。
  4. 前記光子源ユニットは、レーザと、前記レーザで生成される光パルスの各々から前記第1の強度または前記第2の強度のいずれかを有する光パルスを生成する第2の強度変調器とを備える、請求項またはに記載の送信機。
  5. 前記第1の強度変調器は0.99以下の消光比を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の送信機。
  6. 前記第1の強度変調器は可変の消光比を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の送信機。
  7. 前記第1の要素又は前記第2の要素が非対称ビームスプリッタを備える、請求項1からのいずれか1項に記載の送信機。
  8. 前記第1の要素又は前記第2の要素が調整可能比スプリッタを備える、請求項1からのいずれか1項に記載の送信機。
  9. 前記調整可能比スプリッタは第1の対称ビームスプリッタと第2の対称ビームスプリッタとを備え、前記第1の対称ビームスプリッタの一方の出力が、第1のアームを形成する前記第2の対称ビームスプリッタの一方の入力に結合され、前記第1の対称ビームスプリッタの他方の出力が、第2のアームを形成する前記第2の対称ビームスプリッタの他方の入力に結合され、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの少なくとも1つが、前記調整可能比スプリッタの分割比を調整するように構成された位相変調器を備える、請求項に記載の送信機。
  10. 量子通信システムのための送信機であって、
    光子源を備える光子源ユニットと、
    前記光子源ユニットから入力光パルスを受信し、2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力するように構成された第1の強度変調器と
    を備え、
    前記第1の強度変調器は、
    前記入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された第1の要素と、
    前記2つの成分間に位相シフトを適用するように構成された位相変調器と、
    前記2つの成分を干渉させるように構成された第2の要素と
    を備え、前記第1の要素及び前記第2の要素のうちの少なくとも1つは分割比に関して非対称であり、
    前記第1の要素は、偏光コントローラと、前記入力光パルスを前記2つの成分に分割するように構成された偏光ビームスプリッタとを備え、前記2つの成分が異なる偏光を有する、送信機。
  11. 前記第2の要素は前記偏光ビームスプリッタを備える、請求項10に記載の送信機。
  12. 量子通信システムのための送信機であって、
    光子源を備える光子源ユニットと、
    前記光子源ユニットから入力光パルスを受信し、2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力するように構成された第1の強度変調器と
    を備え、
    前記第1の強度変調器は、
    前記入力光パルスを2つの成分に分割するように構成された第1の要素と、
    前記2つの成分間に位相シフトを適用するように構成された位相変調器と、
    前記2つの成分を干渉させるように構成された第2の要素と
    を備え、前記第1の要素及び前記第2の要素のうちの少なくとも1つは分割比に関して非対称であり、
    前記第1の要素は、第1の偏光コントローラと、前記入力光パルスを前記2つの成分に分割するように構成された、偏光維持ファイバとシングルモードファイバとの間のインターフェースとを備え、前記2つの成分が異なる偏光を有する、送信機。
  13. 前記第2の要素は、前記インターフェースと、第2の偏光コントローラと、偏光ビームスプリッタとを備える、請求項12に記載の送信機。
  14. 前記第1の要素の少なくとも一部が前記第2の要素の少なくとも一部も形成する、請求項1から13のいずれか1項に記載の送信機。
  15. 前記送信機の構成要素がフォトニックチップ上に集積される、請求項1から14のいずれか1項に記載の送信機。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の送信機を備え、受信機をさらに備える量子通信システム。
  17. 第2の送信機をさらに備える、請求項16に記載の量子通信システム。
  18. 強度変調された光子パルスを生成する方法であって、
    光子源を備える光子源ユニットにおいて、光パルスを生成することと、
    第1の強度変調器において、前記光子源ユニットから入力光パルスを受信し、2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力することと、
    を備え、
    前記2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力することは、
    前記第1の強度変調器内の第1の要素において、前記入力光パルスを2つの成分に分割することと、
    前記第1の強度変調器内の位相変調器において、前記2つの成分間に位相シフトを適用することと、
    前記第1の強度変調器内の第2の要素において、前記2つの成分を干渉させることと
    を備え、
    前記第1の要素及び前記第2の要素のうちの少なくとも1つは分割比に関して非対称であり、
    前記光パルスを生成することは、前記光子源ユニットにおいて、第1の強度と第2の強度とを有する光パルスを生成することを備え、前記第2の強度が前記第1の強度よりも低く、
    前記2つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力することは、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの一方に対応する前記位相変調器の第1の設定と、弱め合う干渉又は強め合う干渉のうちの他方に対応する前記位相変調器の第2の設定とからの選択、及び前記光子源ユニットの前記第1の強度と前記第2の強度とからの選択に依存して、3つ以上の異なる強度を有する光パルスを出力することを備える、方法。
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