JP5971547B2 - メモリコントローラ,データ記憶装置およびメモリの制御方法 - Google Patents

メモリコントローラ,データ記憶装置およびメモリの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、メモリコントローラ,データ記憶装置およびメモリの制御方法に関し、詳しくは、複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、ランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリコントローラ,こうしたメモリコントローラを備えるデータ記憶装置およびこうした第1メモリと第2メモリとを制御するメモリの制御方法に関する。
従来、この種のメモリコントローラとしては、PCシステムからのデータがキャッシュメモリとして電力の供給が遮断されても記憶しているデータを保持する不揮発性のランダムアクセスメモリであるFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory、強誘電体ランダムアクセスメモリ)またはHDDに記憶されるようFeRAMやHDDを制御するものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この装置では、予期しない電源の遮断に備えてFeRAMのデータをHDDに定期的に退避させる必要がないため、FeRAMに記憶させるデータのデータ量を比較的大きくすることができ、キャッシュヒット率の向上を図ることができるとしている。
Daisaburo Takashima et al,「A 128Mb ChainFeRAMTM and System Designs for HDD Application and Enhanced HDD Performance」,IEEE Asian Solid-State Circuits Conference, November 16-18, 2009,Taipei,Taiwan
ところで、ホスト装置からのデータを記憶するSSD(Solid State Drive)として複数のセクタからなるページ毎に記憶されているデータを一旦読み出して読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータが書き込まれるNAND型フラッシュメモリなどの不揮発性メモリと、この不揮発性メモリより高速にデータを読み書き可能なReRAM(Resistance Random Access Memory、抵抗変化型メモリ)などのランダムアクセスメモリと、不揮発性メモリとランダムアクセスメモリとを制御するメモリコントローラとが搭載されたものが提案されている。こうしたSSDに搭載される不揮発性メモリでは、1ページ内でデータの記憶に利用されているセクタ数が少ない状態で書き込み動作が頻繁に実行されると、本来ならデータの記憶に利用する必要ない領域にデータの読み書きされて不揮発性メモリが劣化してしまう。
本発明のメモリコントローラ,データ記憶装置およびメモリの制御方法は、不揮発性メモリの劣化を抑制することを主目的とする。
本発明のメモリコントローラ,データ記憶装置およびメモリの制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のメモリコントローラは、
複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、前記第1メモリより高速にデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリコントローラであって、
書き込みデータと該書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、前記書き込みデータを前記第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する前記書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには前記入力された書き込みデータが前記書き込み動作により前記第1メモリに書き込まれるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御し、前記データ利用率が前記所定率未満であるときには前記入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する制御部、
を備えることを要旨とする。
この本発明のメモリコントローラでは、書き込みデータと書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、書き込みデータを第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには入力された書き込みデータが書き込み動作により第1メモリに書き込まれるよう第1メモリと第2メモリとを制御し、データ利用率が所定率未満であるときには入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう第1メモリと第2メモリとを制御する。第1メモリの1ページ当たりのデータ利用率を所定率以上にすることができ、データの記憶に利用されていない第1メモリの記憶領域への無駄な読み出しや書き込みが抑制される。これにより、第1メモリの劣化を抑制することができる。ここで、「所定範囲」には、書き込みデータの論理アドレスに対応する1ページ分または複数ページ分のデータの範囲や、書き込みデータの論理アドレスに対応するページにおいてセクタのサイズより大きい所定サイズ分のデータの範囲などが含まれる。
こうした本発明のメモリコントローラにおいて、前記第2メモリにおいてデータが記憶されている記憶領域のサイズが大きくなるにつれて小さくなる傾向に前記所定率を設定する割合設定部を備えるものとすることもできる。こうすれば、第2メモリにおいて新たなデータの記憶に利用可能な記憶領域が少なくなったときに、書き込みデータを第1のメモリに記憶されるのを促進することができる。
また、本発明のメモリコントローラにおいて、前記制御部は、前記データ利用率が前記所定率以上であるときに前記入力された書き込みデータが書き込み頻度が高い高頻度書き込みデータであるときには、前記入力された書き込みデータが前記第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御するものとすることもできる。入力された書き込みデータが高頻度書き込みデータであるときに第1メモリにデータを書き込むと、書き込み動作が頻繁に実行されてしまい、第1メモリの劣化が進んでしまう。したがって、入力された書き込みデータが高頻度書き込みデータであるときに入力されたデータを第2メモリに出力すると共に出力したデータが第2メモリに記憶されるよう第2メモリを制御することにより、第1メモリの劣化を抑制することができる。この場合において、前記データ利用率が前記所定率以上となったときの前記入力された書き込みデータの論理アドレスを第1の個数記憶するアドレス情報記憶部を備え、前記制御部は、前記入力された書き込みデータの論理アドレスが前記論理アドレス情報記憶部に前記第1の個数より少ない第2の個数以上記憶されているときには前記入力された書き込みデータが前記高頻度書き込みデータであるとするものとすることができる。
さらに、本発明のメモリコントローラにおいて、前記制御部は、前記各セクタがデータを記憶しているか否かの情報である利用セクタ情報と入力された書き込みデータを記憶する際に利用するセクタとに基づいて前記ページ利用率を演算するものとすることもできる。この場合において、前記制御部は、前記ページ利用率が前記所定率より大きい第2の割合となったときには、前記ページ利用率が前記第2の割合となったとき以降の前記各セクタがデータを記憶しているか否かの情報を前記利用セクタ情報とするものとすることもできる。ページ利用率が所定率未満であるときには入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう第1メモリと第2メモリとを制御する。そのため、ページ利用率が増加すると、第2メモリにデータが記憶されなくなり、第1メモリに継続してデータが記憶されてしまうため、第1メモリの劣化が進んだり、データの書き込み速度が低下してしまうが、ページ利用率が所定率より大きい第2の割合であるときには、ページ利用率が第2の割合となったとき以降の各セクタがデータを記憶しているか否かの情報を利用セクタ情報とすることにより、再び、第2メモリにデータを記憶させることができるようになり、第1メモリの劣化を抑制することができるし、データの書き込み速度の低下を抑制することができる。
そして、本発明のメモリコントローラにおいて、前記制御部は、前記入力された書き込みデータを前記第2メモリに記憶させるとき、前記入力された書き込みデータの論理アドレスに対応するデータが既に第1メモリの記憶領域に記憶されているときには、前記第1メモリに記憶されているデータをページ単位で読み出して該読み出したデータのセクタのうち書き込みデータで書き込む対象となるセクタを書き換えた後にページ単位で第2メモリに記憶させるものとすることもできる。
さらに、前記第1メモリは、NAND型フラッシュメモリであるものとすることもできる。こうすれば、第1メモリがNAND型フラッシュメモリであるときに、第1メモリの劣化を抑制することができる。また、前記第2メモリは、抵抗変化型メモリであるものとすることもできる。こうすれば、第2メモリが抵抗変化型メモリであるときに、第1メモリの劣化を抑制することができる。
本発明のデータ記憶装置は、
上述したいずれかの態様の本発明のメモリコントローラ、即ち、基本的には、複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、前記第1メモリより高速にデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリコントローラであって、書き込みデータと該書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、前記書き込みデータを前記第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する前記書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには前記入力された書き込みデータが前記書き込み動作により前記第1メモリに書き込まれるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御し、前記データ利用率が前記所定率未満であるときには前記入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する制御部、を備えるメモリコントローラと、
前記第1メモリと、
前記第2メモリと、
を備えることを要旨とする。
この本発明のデータ記憶装置では、上述したいずれかの態様の本発明のメモリコントローラを備えているから、こうしたメモリコントローラの奏する効果、例えば、第1メモリの劣化を抑制することができる効果などと同様の効果を奏する。
複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、前記第1メモリより高速にデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリの制御方法であって、
書き込みデータと該書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、前記書き込みデータを前記第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する前記書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには前記入力された書き込みデータが前記書き込み動作により前記第1メモリに書き込まれるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御し、前記データ利用率が前記所定率未満であるときには前記入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明のメモリの制御方法では、書き込みデータと書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、書き込みデータを第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには入力された書き込みデータが書き込み動作により第1メモリに書き込まれるよう第1メモリと第2メモリとを制御し、データ利用率が所定率未満であるときには入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう第1メモリと第2メモリとを制御する。第1メモリの1ページ当たりのデータ利用率を所定率以上にすることができ、データの記憶に利用されていない第1メモリの記憶領域への無駄な読み出しや書き込みが抑制される。これにより、第1メモリの劣化を抑制することができる。ここで、「所定範囲」には、書き込みデータの論理アドレスに対応する1ページ分または複数ページ分のデータの範囲や、書き込みデータの論理アドレスに対応するページにおいてセクタのサイズより大きい所定サイズ分のデータの範囲などが含まれる。
ホスト装置10からのデータを記憶する本発明の実施例としてのSSD20の構成の概略を示す説明図である。 抵抗変化素子46の構成の一例を示す説明図である。 メモリコントローラ30の制御処理回路32により実行される書き込み処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 利用セクタフラグテーブルUSFTとページ利用率Rの一例を示す説明図である。 利用セクタフラグテーブルUSFTの生成の様子を示す説明図である。 他の利用セクタフラグテーブルUSFTの生成の様子を示す説明図である。 ページ利用率Rが閾値Rth2を超えているときに利用セクタフラグテーブルUSFTのリセット動作を実行しない場合に生成される利用セクタフラグテーブルUSFTの一例を示す説明図である。 ページ利用率Rが閾値Rth2を超えているときに利用セクタフラグテーブルUSFTのリセット動作を実行した場合に生成される利用セクタフラグテーブルUSFTの一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、パーソナルコンピュータなどのホスト装置10からのデータを記憶する本発明の実施例としてのSSD(Solid State Drive)20の構成の概略を示す説明図である。SSD20は、各種アプリケーションプログラムや各種データを記憶する大容量のデータ記憶装置として構成されており、NAND型フラッシュメモリとして構成されたフラッシュメモリ22と、抵抗変化ランダムアクセスメモリ(Resistance Random Access Memory ,ReRAM)として構成されたReRAM24と、フラッシュメモリ22とReRAM24とを制御するメモリコントローラ30と、から構成されている。
フラッシュメモリ22は、フローティングゲートへの電子注入やフローティングゲートからの電子の引き抜きにより閾値電圧が変化するフラッシュメモリセルを複数有するフラッシュメモリセルアレイ(図示せず)を備えるNAND型フラッシュメモリとして構成されており、フラッシュメモリセルアレイの他にロウデコーダ,カラムデコーダ,センスアンプなど(いずれも図示せず)を備える。フラッシュメモリ22では、8個のセクタ(実施例では、512バイト)からなるページ単位(実施例では、4Kバイト)でデータを書き込んだり読み出したりして、複数ページからなるブロック単位(実施例では、256KBバイト)で記憶しているデータを消去する。こうしたフラッシュメモリ22では、フラッシュメモリ22に記憶されているデータを読み出して、読み出したデータのうち書き込みデータに対応するセクタのデータをセクタ単位で書き込みデータに書き換えた後、ページ単位で書き換えたデータをフラッシュメモリ22に書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが行なわれる。実施例のフラッシュメモリ22では、フラッシュメモリ22にデータを書き込む際の書き込み速度およびフラッシュメモリ22からデータを読み出す際の読み出し速度が212MB/sであるものとした。
ReRAM24は、チタン(Ti)や白金(Pt)などの金属から形成された上部電極40とチタン(Ti)や白金(Pt)などの金属から形成された下部電極42とで金属酸化物44を挟み込んで形成された図2に例示する抵抗変化素子46と、抵抗変化素子46に接続されたMOSトランジスタ(図示せず)とから構成されるReRAMセルを複数有するReRAMセルアレイ(図示せず)を備えるReRAMとして構成されており、ReRAMセルアレイの他にロウデコーダ,カラムデコーダ,センスアンプなど(いずれも図示せず)を備える。ReRAMセルは、上部電極40に印加される電圧V1が下部電極42に印加される電圧V2より高いときにセット(低抵抗化)され、電圧V1が電圧V2より低いときにリセット(高抵抗化)されるバイポーラ動作を行なう素子として形成されている。こうしたバイポーラ動作を行なうReRAMセルは、一般に、動作速度が比較的速く消費電力が少ない素子であるため、ReRAM24は、動作速度が比較的早く消費電力が少ないメモリとして構成されている。なお、金属酸化物44としては、チタン酸化物(TiOx)やニッケル酸化物(NiOx),銅酸化物(CuOx),ハフニウム酸化物(HfOx)などの金属酸化物またはこれらの金属酸化物を複数積層された積層構造とするのが望ましいと考えられる。こうして構成されたReRAM24は、ReRAM24にデータを書き込む際の書き込み速度およびReRAM24からデータを読む出す際の読み出し速度がフラッシュメモリ22より高速であり、実施例では、書き込み速度および読み出し速度が1.25GB/sであるものとした。
メモリコントローラ30は、複数の論理素子を有する論理回路として構成された各種制御や演算処理を実行する制御処理回路32を備えている。制御処理回路32には、ホスト装置10から各種制御信号やデータなどが入力されており、基本的には、制御処理回路32は入力された制御信号に基づいてフラッシュメモリ22やReRAM24にデータが記憶されるようフラッシュメモリ22やReRAM24を制御したり、フラッシュメモリ22やReRAM24からデータが読み出されるようフラッシュメモリ22やReRAM24を制御したり、読み出したデータをホスト装置10に出力したりする。制御処理回路32では、こうしたデータの読み出しや書き込みを行なう際にデータを記憶するページを仮想的に示す論理ページアドレスとデータを記憶するセクタを仮想的に示す論理セクタアドレスとからなる論理アドレスと、実際のフラッシュメモリ22やReRAM24の場所を示す物理アドレスとの変換も行なう。メモリコントローラ30は、ホスト装置10と比較的高速に(例えば、1.25GB/s程度で)各種制御信号やデータをやりとりするものとした。
次に、こうして構成されたSSD20の動作、特に、ホスト装置10から入力されたデータをフラッシュメモリ22やReRAM24に記憶させる際の動作について説明する。図3は、メモリコントローラ30の制御処理回路32により実行される書き込み処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ホスト装置10からのデータをフラッシュメモリ22またはReRAM24に書き込むことを要求する書き込み要求信号と書き込みデータと書き込みデータを記憶する場所を示す論理ページアドレスと論理セクタアドレスとからなる論理アドレスが入力されたときに実行される。
書き込み要求信号が入力されると、メモリコントローラ30の制御処理回路32は利用セクタフラグテーブルUSFTを作成し(ステップS100)、利用セクタフラグテーブルUSFTに基づいて論理ページアドレス毎にデータの記憶に利用されているセクタの割合であるページ利用率Rを演算する(ステップS110)。
図4は、利用セクタフラグテーブルUSFTとページ利用率Rの一例を示す説明図である。利用セクタフラグテーブルUSFTは、セクタの数だけフラグが用意されており、データの記憶に利用されていないセクタについてはフラグに値0が設定され、データの記憶に利用されているセクタについてはフラグに値1が設定されている。今、1ページは8個のセクタからなるため、1ページ毎に8個のフラグが設定される。ページ利用率Rは、1ページに含まれる値1のフラグの個数を1ページのフラグの個数である値8で除することにより演算されるものとした。したがって、1ページに含まれる値1のフラグの個数が3個であるときにはページ利用率Rは値0.375(=3/8)になり,1ページに含まれる値1のフラグの個数が6個であるときにはページ利用率Rは値0.75(=6/8)になる。
利用セクタフラグテーブルUSFTの生成は(ステップS100)、書き込みデータの記憶に利用されているセクタについてはフラグに値1設定され他のフラグが値1に設定された書き込みデータセクタフラグテーブルWSFTと、すでに記憶されている利用セクタフラグテーブルUSFTと、の論理和(OR)を演算することにより行なわれる。例えば、図5に示すように、すでに記憶されている利用セクタフラグテーブルUSFTが”01111100”で書き込みデータセクタフラグテーブルWSFTが”11000000”のときには”11111100”の利用セクタフラグテーブルUSFTが生成される。なお、この場合のページ利用率Rは値0.75となる。
こうしてページ利用率Rを演算したら、ページ利用率Rが閾値Rth1以上であるか否かを判定すると共に(ステップS120)、書き込みデータが書き換え頻度が比較的高い高頻度書換データであるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、閾値Rth1は、ReRAM24に記憶されているデータのサイズが大きくなるほど小さくなるよう設定されるものとした。また、書き込みデータが高頻度書換データであるか否かの判定は、ページ利用率Rが閾値Rth1以上となったときの直近の論理アドレスを1000個記憶テーブルに記憶しておき、書き込みデータの論理アドレスが記憶テーブル内に所定個数(例えば、100個)以上あれば書き込みデータが高頻度書換データであると判断するものとした。
ページ利用率Rが閾値Rth1以上であって、書き込みデータが高頻度書換データでないときには(ステップS120,S130)、上述した書き込み動作により書き込みデータがフラッシュメモリ22に記憶されるようフラッシュメモリ22を制御する(ステップS140)。こうした処理により、フラッシュメモリ22にデータを記憶させることができる。
図6に例示するように、ページ利用率Rが閾値Rth1未満であるとき、すなわち、ページ内に利用されていないセクタが比較的多くあるときや(ステップS120)、ページ利用率Rが閾値Rth1以上であっても書き込みデータが高頻度書換データであるときには(ステップS130)、フラッシュメモリ22にデータを記憶させるとフラッシュメモリ22の劣化を促進させると判断して、ReRAM24にデータを書き込む書き込み動作を実行する(ステップS150〜S170)。ページ内に利用されていないセクタが比較的多くあるときにフラッシュメモリ22にデータを記憶させるとフラッシュメモリ22の劣化を促進させると判断するのは、フラッシュメモリ22にデータを書き込もうとすると、本来ならデータの記憶に利用する必要ない記憶領域に書き込み動作が実行されてフラッシュメモリ22が劣化してしまう場合があるからである。ここで、閾値Rth1をReRAM24に記憶されているデータのサイズが大きくなるほど小さくなるよう設定することにより、ReRAM24の記憶領域に空き領域が少なくなったときにReRAM24に書き込みデータが記憶されることを抑制することができ、比較的小さい記憶容量のReRAM24を用いたときでもより適正にReRAM24にデータを記憶させることができる。
ReRAM24にデータを書き込む書き込み動作は、まず、書き込みデータの論理アドレスに対応するデータがフラッシュメモリ22に記憶されているか否かを調べる(ステップS150)。そして、フラッシュメモリ22にデータが記憶されているときには、書き込みデータの論理アドレスに対応するアドレスのデータをフラッシュメモリ22からページ単位で読み出して読み出したデータのうち書き込みデータに対応するデータをセクタ単位で書き込みデータで上書きした結合データを作成し(ステップS160)、こうした結合データがReRAM24に記憶されるようReRAM24を制御し(ステップS170)、フラッシュメモリ22にデータが記憶されていないときには書き込みデータがReRAM24に記憶されるようReRAM24を制御する(ステップS170)。このように、ページ利用率Rが閾値Rth1未満であるときや、ページ利用率Rが閾値Rth1以上であっても書き込みデータが高頻度書換データであるときには、書き込みデータをReRAM24に記憶させることにより、フラッシュメモリ22の劣化を抑制することができる。また、ReRAM24の書き込み速度がフラッシュメモリ22の書き込み速度より高速であるから、こうしてReRAM24に書き込みデータを記憶させることにより書き込み動作をより高速に実行することができる。
こうしてフラッシュメモリ22またはReRAM24に書き込みデータを記憶したら、続いて、ページ利用率Rが閾値Rth1より高い値として予め定めれた閾値Rth2(例えば、0.85)を超えているか否かを調べる(ステップS180)。ページ利用率Rが閾値Rth2より高いときには利用セクタフラグテーブルUSFTのフラグを全て値0に設定するフラグリセット動作を実行して(ステップS190)、ページ利用率Rが閾値Rth2以上のときには利用セクタフラグテーブルUSFTを変更することなく、本ルーチンを終了する。こうしたフラグリセット動作を行なうのは以下の理由に基づく。
例えば、図7に示すように、すでに記憶されている利用セクタフラグテーブルUSFTが”01111111”(ページ利用率Rは値0.875)で書き込みデータセクタフラグテーブルWSFTが”11000000”のとき、”11111111”の利用セクタフラグテーブルUSFTが生成される。このようにページ利用率Rが高くなると、データが高頻度書換データでない場合にはこのページのデータは書き込み動作により常にフラッシュメモリ22に記憶され、フラッシュメモリ22の劣化が促進される場合がある。ページ利用率Rが閾値Rth2より高いときには利用セクタフラグテーブルUSFTのフラグを全て値0に設定するフラグリセット動作を実行することにより(ステップS190)、図8に例示するように、次にステップS100の処理が実行されているときに、すでに記憶されている利用セクタフラグテーブルUSFTが”00000000”(ページ利用率Rは値0)となり、書き込みデータセクタフラグテーブルWSFTが”11000000”のときには”11000000”の利用セクタフラグテーブルUSFTが生成され、利用セクタフラグテーブルUSFTは、ページ利用率Rが閾値Rth2より高くなったとき以降にデータの記憶のために利用されているセクタの情報を示すものになる。このときのページ利用率Rは値0.25であるから、ReRAM24に書き込まれることになる(ステップS120,S150〜S170)。こうした処理により、フラッシュメモリ22へのデータの書き込み動作が抑制されて、フラッシュメモリ22の劣化を抑制することができる。
以上説明した実施例のSSD20によれば、ページ利用率Rが閾値Rth1未満であるときやページ利用率Rが閾値Rth1以上であっても書き込みデータが高頻度書換データであるときに、書き込みデータをReRAM24に記憶させることにより、フラッシュメモリ22の劣化を抑制することができる。また、ReRAM24の書き込み速度がフラッシュメモリ22の書き込み速度より高速であるから、こうしてReRAM24に書き込みデータを記憶させることにより書き込み動作をより高速にすることができる。また、閾値Rth1をReRAM24でデータを記憶している記憶領域のサイズが大きくなるについて小さく設定することにより、ReRAM24の記憶領域に空き領域が少なくなったときにReRAM24に書き込みデータが記憶されることを抑制することができ、比較的小さい記憶容量のReRAM24を用いたときでもより適正にReRAM24にデータを記憶させることができる。さらに、ページ利用率Rが閾値Rth2より高いときには利用セクタフラグテーブルUSFTのフラグを全て値0に設定するフラグリセット動作を実行することにより、フラッシュメモリ22へのデータの書き込み動作が抑制されて、フラッシュメモリ22の劣化を抑制することができる。
実施例のSSD20では、ページ利用率Rが閾値Rth1以上であっても書き込みデータが高頻度書換データであるときには、書き込みデータをReRAM24に記憶させるものとしたが(ステップS120,S130,S150〜S170)、ステップS130の処理を実行せずにページ利用率Rが閾値Rth1以上であるときに書き込みデータを一律にフラッシュメモリ22に記憶させるものとしてもよい(ステップS120〜S140)。
実施例のSSD20では、閾値Rth1をReRAM24でデータを記憶している記憶領域のサイズが大きくなるについて小さく設定するものとしたが、閾値Rth1をReRAM24でデータを記憶している記憶領域のサイズに拘わらず、同一の値に設定するものとしてもよい。
実施例のSSD20では、ページ利用率Rが閾値Rth2より高いときには利用セクタフラグテーブルUSFTのフラグを全て値0に設定するフラグリセット動作を実行するものとしたが(ステップS180,S190)、こうした処理を実行しないものとしてもよい。
実施例のSSD20では、ページ利用率Rを演算する範囲を1ページとして、1ページに含まれる値1のフラグの個数を1ページのフラグの個数である値8で除することにより演算するものとしたが、ページ利用率Rを演算する範囲は1セクタより大きければいかなるサイズにしてもよく、例えば、ページ利用率Rを2ページ以上のページの範囲で演算するものとし、演算する範囲に含まれる値1のフラグの個数を演算する範囲におけるフラグの個数で除することにより演算するものとしてもよい。
実施例のSSD20では、フラッシュメモリ22を備えているものとしたが、フラッシュメモリ22に代えて、複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して、読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された他のメモリを用いるものとしてもよい。
実施例のSSD20では、ReRAM24のReRAMセルをバイポーラ動作を行なう素子として形成されているものとしたが、ReRAMセルを抵抗変化素子46とダイオード(図示せず)とにより構成すると共に、電圧V1に電圧V2より高い電圧が印加されたときにセット(低抵抗化)され、電圧V1に電圧V2より高くReRAMセルをセットする電圧より低い電圧が印加されたときにリセット(高抵抗化)されるユニポーラ動作を行なう素子として形成するものとしてもよい。こうしたユニポーラ動作を行なうReRAMセルは、一般に、バイポーラ動作を行なうReRAMセルに比して小さいセルサイズで簡単なセル構成で構成するため、ReRAMセルをバイポーラ動作を行なう素子として形成するものに比して、動作が若干遅くなるものの、面積をより小さくすることができる。
実施例のSSD20では、SSD20がReRAM24を備えているものとしたが、ReRAM24に代えて他のフラッシュメモリ22より高速のデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリ、例えば、二つの電極で強誘電体材料を挟み込んだキャパシタを有する強誘電体ランダムアクセスメモリやトンネル磁気抵抗膜を磁性体膜で挟み込んだ構造のMTJ(Magneto Tunnel Junction)素子を有する磁気抵抗ランダムアクセスメモリや二つの電極で相変化材料を挟み込んだ素子を有する相変化ランダムアクセスメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリなどを備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明をSSDに用いる場合を例示したが、データを処理するデータ処理装置であれば如何なるものに用いてもよく、例えば、USBメモリなどに用いるものとしても構わない。また、メモリコントローラ30を一つの装置であるSSD20に搭載するものに限定するものではなく、フラッシュメモリ22,ReRAM24,メモリコントローラ30をそれぞれ異なるの装置に搭載するものとしてもよいし、フラッシュメモリ22,ReRAM24を同一の装置に搭載して、メモリコントローラ30をフラッシュメモリ22,24とを異なる装置に搭載するものとしてもよい。また、こうしたフラッシュメモリ22,ReRAM24を制御するメモリの制御方法の形態としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、メモリコントローラについては、制御処理回路32が「制御部」に相当する。メモリコントローラについては、制御処理回路32が「制御部」に相当する。また、データ記憶装置については、メモリコントローラ30が「メモリコントローラ」に相当し、フラッシュメモリ22が「第1メモリ」に相当し、ReRAM24が「第2メモリ」に相当する。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、メモリコントローラやデータ記憶装置などの製造産業に利用可能である。
10 ホスト装置、20 SSD、22 フラッシュメモリ、24 ReRAM、30 メモリコントローラ、32 制御処理回路、40 上部電極、42 下部電極、44 金属酸化物、46 抵抗変化素子。

Claims (12)

  1. 複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、前記第1メモリより高速にデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリコントローラであって、
    書き込みデータと該書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、前記書き込みデータを前記第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する前記書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには前記入力された書き込みデータが前記書き込み動作により前記第1メモリに書き込まれるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御し、前記データ利用率が前記所定率未満であるときには前記入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する制御部、
    を備えるメモリコントローラ。
  2. 請求項1記載のメモリコントローラであって、
    前記第2メモリにおいてデータが記憶されている記憶領域のサイズが大きくなるにつれて小さくなる傾向に前記所定率を設定する割合設定部
    を備えるメモリコントローラ。
  3. 請求項1または2記載のメモリコントローラであって、
    前記制御部は、前記データ利用率が前記所定率以上であるときに前記入力された書き込みデータが書き込み頻度が高い高頻度書き込みデータであるときには、前記入力された書き込みデータが前記第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する
    メモリコントローラ。
  4. 請求項3記載のメモリコントローラであって、
    前記データ利用率が前記所定率以上となったときの前記入力された書き込みデータの論理アドレスを第1の個数記憶するアドレス情報記憶部を備え、
    前記制御部は、前記入力された書き込みデータの論理アドレスが前記アドレス情報記憶部に前記第1の個数より少ない第2の個数以上記憶されているときには前記入力された書き込みデータが前記高頻度書き込みデータであるとする
    メモリコントローラ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラであって、
    前記制御部は、前記各セクタがデータを記憶しているか否かの情報である利用セクタ情報と入力された書き込みデータを記憶する際に利用するセクタとに基づいて前記データ利用率を演算する
    メモリコントローラ。
  6. 請求項5記載のメモリコントローラであって、
    前記制御部は、前記データ利用率が前記所定率より大きい第2の割合となったときには、前記データ利用率が前記第2の割合となったとき以降の前記各セクタがデータを記憶しているか否かの情報を前記利用セクタ情報とする
    メモリコントローラ。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラであって、
    前記制御部は、前記入力された書き込みデータを前記第2メモリに記憶させるとき、前記入力された書き込みデータの論理アドレスに対応するデータが既に第1メモリの記憶領域に記憶されているときには、前記第1メモリに記憶されているデータをページ単位で読み出して該読み出したデータのセクタのうち書き込みデータで書き込む対象となるセクタを書き換えた後にページ単位で第2メモリに記憶させる
    メモリコントローラ。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラであって、
    前記所定範囲は、前記書き込みデータの論理アドレスに対応する1ページ分のデータの範囲である
    メモリコントローラ。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラであって、
    前記第1メモリは、NAND型フラッシュメモリである、
    メモリコントローラ。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラであって、
    前記第2メモリは、抵抗変化型メモリである、
    メモリコントローラ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一つの請求項に記載のメモリコントローラと、
    前記第1メモリと、
    前記第2メモリと、
    を備えるデータ記憶装置。
  12. 複数のセクタからなるページ単位で記憶領域に記憶されているデータを読み出して該読み出したデータをセクタ単位で書き換えた後にページ単位でデータを書き込む書き込み動作によりデータの書き込みが可能な不揮発性メモリとして構成された第1メモリと、前記第1メモリより高速にデータの書き込みが可能なランダムアクセスメモリとして構成された第2メモリと、を制御するメモリの制御方法であって、
    書き込みデータと該書き込みデータの書き込みを要求する書き込み要求信号とが入力されたとき、前記書き込みデータを前記第1メモリに書き込んだときに所定範囲の記憶領域におけるデータを記憶可能な領域のサイズに対する前記書き込みデータの記憶に利用されるセクタのサイズの割合であるデータ利用率が所定率以上であるときには前記入力された書き込みデータが前記書き込み動作により前記第1メモリに書き込まれるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御し、前記データ利用率が前記所定率未満であるときには前記入力された書き込みデータが第2メモリに記憶されるよう前記第1メモリと前記第2メモリとを制御する、
    メモリの制御方法。
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