JP5970470B2 - 磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する装置並びに方法 - Google Patents

磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する装置並びに方法 Download PDF

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Description

本発明は、視界内で磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する装置並びに方法に関する。さらに本発明は、当該方法をコンピュータ上で実行するコンピュータプログラム及び当該装置を制御するコンピュータプログラムに関する。特に本発明は、磁性粒子イメージングの分野に関する。
磁性粒子イメージング(MPI)は、発展段階にある医療用イメージングモダリティである。MPIの第1版は、2次元像を生成するものだった。将来の版は3次元(3D)である。非静止対象物が単一の3D像についてのデータ取得の間に大きく変化しない場合、その非静止対象物の4D像は、3D像の時間的シーケンスと動画とを結合することによって生成することができる。
MPIは、コンピュータ断層撮像(CT)又は磁気共鳴イメージング(MRI)のような再構成イメージング法である。従って、対象物の関心体積のMP像は2つの段階で生成される。第1段階−データ取得とも呼ばれる−は、MPIスキャナを用いて実行される。MPIスキャナは、静的な勾配磁場−「選択磁場」とも呼ばれる−を有する。静的な勾配磁場は、スキャナのアイソセンターに単一の磁場がゼロの点(FFP)を有する。それに加えてスキャナは、時間依存する空間的にほぼ均一な磁場を発生させる手段を有する。実際この磁場は、迅速に変化する振幅の小さい磁場−「駆動磁場」と呼ばれる−と、ゆっくり変化する振幅の大きな磁場−「集束磁場」と呼ばれる−とを重ね合わせることによって得られる。時間依存する駆動磁場及び集束磁場を静的な選択磁場に加えることによって、FFPは、アイソセンターを取り囲む「走査体積」を貫く所定のFFP軌道に沿って移動して良い。スキャナはまた、1つ以上−たとえば3つ−の受信コイルの装置を有し、かつこれらのコイル内で誘起された電圧を記録して良い。データを取得するため、可視化される対象物は、その対象物の関心体積−これは走査体積の一部である−がスキャナの視界によって囲まれるようにそのスキャナ内に設けられる。
対象物は、磁性ナノ粒子を含まなければならない。対象物が動物又は患者である場合、係る粒子を含むコントラスト剤が、走査を行う前にその動物又は患者に与えられる。データ取得中、MPIスキャナは、走査体積又は少なくとも視界を描く/網羅する慎重に選ばれた軌道に沿ってFFPを進む。対象物内部の磁性ナノ粒子は、変化する磁場を受け、かつその磁場の磁化の変化に応答する。ナノ粒子の磁化が変化することで、受信コイルの各々には時間依存する電圧が誘起される。この電圧は、受信コイルに係る受信機内でサンプリングされる。受信機によって出力されるサンプルは、記録され、かつ取得されたデータを構成する。データ取得の詳細を制御するパラメータは、走査プロトコルを構成する。
像生成の第2段階−像再構成とも呼ばれる−では、像は、第1段階で取得されたデータから計算すなわち再構成される。像は、視界内の磁性ナノ粒子の位置に依存する濃度に対するサンプリングされた近似を表す離散的3Dデータの配列である。再構成は一般的に、適切なコンピュータプログラムを実行するコンピュータによって実行される。コンピュータ及びコンピュータプログラムは、再構成アルゴリズムを実現する。再構成アルゴリムズは、データ取得の数学的モデルに基づいている。全ての再構成イメージング法同様、このモデルは、取得されたデータに作用する積分作用素である。再構成アルゴリズムは、可能な限り、モデルの作用を元に戻そうとする。
係るMPI装置及び方法は、非破壊で、損傷を引き起こすことなく、任意の被検体−たとえば人体−を、その被検体表面に近くても離れていても高分解能で検査するのに利用できることである。そのような装置及び方法は、特許文献1及び非特許文献1に最初に記載された。非特許文献1に記載された磁性粒子イメージング(MPI)の装置及び方法は、小さな磁性粒子磁化曲線が非線形であるという利点を有する。
一般的にMPI装置においては、ある磁場強度の空間分布を有する勾配磁場(つまり選択磁場)が生成される。視界は、小さな磁場強度の第1領域(たとえばFFP)、及び大きな磁場強度の第2領域を有する。前記小さな磁場強度は、前記第1領域内に位置する磁性粒子の磁化が飽和しないように選ばれる。前記大きな磁場強度は、前記第2領域内に位置する磁性粒子の磁化が飽和するように選ばれる。前記磁性粒子の磁化特性曲線の非線形性に起因して、前記磁化ひいては前記磁性粒子によって生成される磁場は、たとえば検出コイルによって検出可能な高次高調波を示す。評価される信号(前記信号の高次高調波)は、前記磁性粒子の空間分布に関する情報を含む。前記評価される信号は、繰り返しになるが、たとえば医療用イメージングで、前記磁性粒子の空間分布の可視化及び/又は他の用途に用いられて良い。よってMPI装置及びMPI方法は一般的に、たとえば局所磁気共鳴(LMR)又は核磁気共鳴(NMR)のような他の従来から知られた医療用イメージング法とは異なる新たな物理的原理(つまりMPIと呼ばれる原理)に基づく。特にこの新たなMPI原理は、LMR及びNMRとは対照的に、陽子の磁気共鳴特性への材料の影響を利用せずに、磁化特性曲線の非線形性を利用することによって磁性材料(磁性粒子)の磁化を直接検出する。特にMPI法は、前記磁化が非飽和状態から飽和状態へ変化する領域内での磁化特性曲線の非線形性から生じる前記磁性粒子の高次高調波を利用する。
前述したようにMPI装置では、複数のコイルが、所望の明確な磁場を生成及び操作するのに用いられる。従って制御信号が、前記複数のコイルを駆動させるのに用いられる。しかし様々なコイルが結合するので、チャネルに印加される制御信号は、コイル間での結合を補償する必要がある。この結果、信号が時間の関数としてプロットされるとき、制御信号がチャネルに印加されることで、複数のうなりが現れる。前記複数のうなりの最大振幅はそれぞれ異なる恐れがある。
チャネルに印加される前、制御信号は一般に、増幅器によって増幅される。しかし前記増幅器は、うなり制御信号中に存在する最大振幅を処理することができない。前記制御信号中に存在する最大振幅が、前記増幅器の上限を超える場合、チャネルは必要とされる制御信号を受信しない。その結果、最適結果を下回る磁場が生成される。
西独国特許第10151778号明細書 欧州特許第1304542号明細書 国際公開第2004/091386号パンフレット 国際公開第2004/091390号パンフレット 国際公開第2004/091394号パンフレット 国際公開第2004/091395号パンフレット 国際公開第2004/091396号パンフレット 国際公開第2004/091397号パンフレット 国際公開第2004/091398号パンフレット 国際公開第2004/091408号パンフレット
グレイヒ(Gleich, B.)及びワイゼンネッカー(Weizenecker, J.)、nature誌、第435巻、2005年、pp.1214-1217
本発明の目的は、制御信号中での最大振幅が、前記制御信号の増幅に用いられる増幅器の上限を超えるか否かに関わらず、前記制御信号の増幅を可能にする、磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する装置並びに方法を供することである。
本発明の第1態様では、装置が供される。当該装置は、
− 選択磁場信号発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化が飽和しない小さな磁場強度の第1領域、及び、前記磁性粒子の磁化が飽和する大きな磁場強度の第2領域が、視界内に生成されるように、選択磁場強度空間内においてパターンを有する選択磁場を発生させる選択磁場素子を有する選択手段、
− 駆動磁場発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化は局所的に変化するように、駆動磁場によって前記視界内の2つの領域の空間内での位置を変化させる駆動磁場コイルを有する駆動手段、
を有する。
前記駆動磁場発生装置は、各対応する駆動磁場コイルを駆動させるため、駆動磁場コイル毎に、時間依存振動する駆動磁場に係る電流を供する。各駆動磁場に係る電流は、1つ以上の各独立する振動周波数と1つ以上の各独立する電流振幅を有し、かつ、駆動磁場コイル毎の対応する駆動磁場に係る電圧によって生成される。各駆動磁場に係る電圧は、駆動磁場コイル毎の駆動磁場に係る電圧成分を含む多数の駆動磁場に係る電圧成分の重ね合わせによって生成される。特定の駆動磁場コイルに対応する駆動磁場に係る電圧成分は1つ以上の成分を含む。前記1つ以上の成分の各々は、各独立する電圧振幅を有し、かつ、前記特定の駆動磁場コイルの各対応する駆動磁場に係る電流と同一の各独立する振動周波数を有する。
本発明の他の態様では、対応する方法が供される。
本発明のさらに他の態様では、上述の装置に用いられる対応の駆動磁場信号発生装置が供される。
本発明の好適実施例は従属請求項に記載されている。請求項に係る方法、請求項に係る信号発生装置、並びに、請求項に係るコンピュータプログラムは、請求項に係る装置及び従属請求項に記載された好適実施例と同一及び/又は同様の好適実施例を有する。
本発明は、前記駆動磁場発生装置−特に一般に各駆動磁場発生装置に含まれる増幅器−の出力を制御することで、前記駆動磁場コイルを駆動させるための駆動磁場に係る電圧が発生し、前記所望の駆動磁場に係る電流が前記駆動磁場コイルを流れ、それにより磁場がゼロの点−つまり前記第1領域−が所望の経路(軌跡)−たとえばリサージュ軌跡−に沿って移動する、という思想に基づいている。前記駆動磁場に係る電流の各独立する振動周波数と各独立する電流振幅の数は、前記所望の軌跡に依存する。
たとえばリサージュ軌跡については、各駆動磁場に係る電流は、1つの振動周波数及び1つ又は2つの電流振幅(たとえば前記駆動磁場に係る電流が、振動周波数が同一の正弦項と余弦項を含む場合、2つの電流振幅)を有する。従って各駆動コイルについて、対応する駆動磁場に係る電圧が、多数の駆動磁場に係る電圧成分の重ね合わせとして生成される。よって駆動磁場コイルが3つの場合であれば、駆動磁場に係る電圧は、3つの駆動磁場に係る電圧成分を有する。特定の駆動磁場コイルに対応する各駆動磁場に係る電圧成分は1つ以上のさらに小さな成分を有する。前記さらに小さな成分の各々は、各独立する電圧振幅及び各独立する振動周波数を有する。前記各独立する振動周波数は、前記特定の駆動磁場コイルの各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数に対応する。換言すると、各異なる駆動磁場に係る電流に対応する電圧の各異なる振動周波数について、対応する振動周波数を有するさらに小さな成分が、駆動磁場に係る電圧に供される。
好適には、前記駆動磁場信号発生装置は、前記駆動磁場に係る電圧を発生させる。それにより各駆動磁場に係る電圧成分は、余弦関数の形式を有して余弦の電圧振幅を有する第1のさらに小さな成分、及び、正弦関数の形式を有して正弦の電圧振幅を有する第2のさらに小さな成分を有する。前記第1のさらに小さな成分と第2のさらに小さな成分のいずれも同一の振動周波数を有する。たとえば実際の単純な実施例では、各駆動磁場に係る電圧は一般に次式で表される。
Figure 0005970470
ここで、m=x,y,zで、各対応する駆動磁場コイルに依存し、ωは各対応する振動周波数で、かつ、Umn01とUmn02(n=x,y,z)は、各対応する電圧振幅である。
この実施例では、各駆動磁場に係る電圧Um(t)は3つの成分を有する(3つの異なる駆動磁場コイルの3つの異なる駆動磁場に係る電流の3つの異なる振動周波数ωxyzの各々について1つの成分を有する)。たとえば振動周波数ωxの成分はUmx01cos(ωxt)+Umx02sin(ωxt)である。前記3つの成分の各々は、2つのさらに小さな成分を有する。前記2つのさらに小さな成分とは、振動周波数ωxであれば、Umx01cos(ωxt)とUmx02sin(ωxt)である。しかしたとえば方向x,y,zよりも多い方向数、x,y,zよりも少ない方向数、又は異なる方向について、3とは異なる駆動磁場コイル数が存在する場合、各駆動磁場に係る電圧も一般に、各対応する振動周波数を有する3以外の数の成分を有する。
この実施例によると、磁場がゼロの点(つまり前記第1領域)の所望の移動の軌跡−たとえばリサージュ軌跡−が容易に実現されうる。たとえば上述した他の軌跡を実現する他の実施例では、(各独立する振動周波数と電圧振幅を有する)さらに小さな成分の多くが一つになって、各駆動磁場に係る電圧成分に加えられる。3よりも多い駆動磁場コイルが用いられる場合、上式では、より多くの成分が加えられて良いことにさらに留意して欲しい。
本発明の実施例では、前記駆動磁場信号発生装置は、前記駆動磁場に係る電圧を発生させることで、少なくとも1つの駆動磁場に係る電圧−具体的には各駆動磁場に係る電圧−が、2つ以上のさらに小さな成分を有するように構成されることが提案される。ここで、前記第1のさらに小さな成分は、前記特定の駆動磁場コイルの各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数に対応する周波数を有する。また少なくとも1つの他のさらに小さな成分−具体的には各他のさらに小さな成分−は、各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数の各異なる倍数に対応する周波数を有する。この実施例では、本発明は、増幅される制御信号に高次高調波を加える。前記高次−好適には整数倍の−高調波が加えられる。その結果、前記増幅器に供給される制御信号の最大振幅は、前記増幅器の上限を超えなくなる。増幅後、フィルタが、前記の増幅された高次高調波をフィルタリングするのに用いられることが好ましい。その結果得られた信号は、あたかも前記増幅器が、本来の制御信号を増幅させたように見える(このとき前記最大振幅は前記増幅器の上限を超えている)。よって本発明は、増幅に用いられる増幅器の上限を超える信号の増幅を可能にする。
好適実施例によると、前記他のさらに小さな成分は、前記各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数の奇数倍大きくなった周波数に対応する周波数を有する。本発明の実施例では、前記さらに小さな成分は、同一の周期を有する他の関数によって置き換えられるべき正弦項と余弦項の組み合わせである。正弦関数は偶関数で、かつ、余弦関数は奇関数である。正弦関数と余弦関数をそれぞれ、周期が同一で偶関数と奇関数である他の関数によって置き換えることで、フーリエ解析の結果は、関数は、同一周波数の奇数倍の成分(奇数次高調波)のみを有することになる。しかし他の実施例−つまり偶数次高調波をも(又はのみを)用いる実施例も可能であることに留意して欲しい。
各駆動磁場に係る電圧成分は有利となるように、2〜10(特に3〜5)のさらに小さな成分の重ね合わせを有する。使用される増幅器は周波数の上限を有するので、高次のさらに小さな成分を加えることは一般に顕著な影響を有しない。
好適典型的実施例では、各駆動磁場に係る電圧Um(チルダ)(t)は一般に次式で表される。
Figure 0005970470
ここで各成分Umn(チルダ)(t)は次式で表される。
Figure 0005970470
Figure 0005970470
Figure 0005970470
ここでκは所謂補正パラメータである。
この実施例では、各駆動磁場に係る電圧成分Umn(チルダ)(t)は4つのさらに小さな成分を有する。前記4つのさらに小さな成分は、基本周波数のさらに小さな成分が1つ(ここではωnと呼ばれ、パラメータβに含まれる)と、前記基本周波数の高次高調波のさらに小さな成分が3つである。上述したように、成分数(ここでは3)は、駆動磁場コイルの数に依存して異なって良い。また各成分中のさらに小さな成分の数(ここでは4)もこととなって良く、かつ、成分毎に異なっても良い。とはいえさらに小さな成分の数は、各成分中で等しいことが好ましい。
この実施例では、前記補正パラメータκは、0〜1の範囲(特に0.3〜0.7の範囲)の値を有する。前記補正パラメータκは、すべてのさらに小さな成分について同一の値を有するか、又は、それぞれ異なるさらに小さな成分及び/又は前記さらに小さな成分のそれぞれ異なる項についてそれぞれ異なる値を有することが好ましい。
本発明の実施例では、前記駆動磁場信号発生装置はさらに、前記駆動磁場に係る電圧の生成を制御する駆動磁場発生装置制御ユニットを有する。それにより、特に前記駆動磁場に係る電圧の振幅が、所定の駆動磁場に係る電圧の閾値を超える場合に、前記各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数の各異なる倍数の周波数に対応する周波数を有する他のさらに小さな成分は、所定期間及び/又は所定条件下でのみ前記第1さらに小さな成分へ切り換え可能に加えられる。よって必要なときにのみ、係るさらに小さな成分は一般に基本周波数のさらに小さな成分に加えられる。
好適には前記駆動磁場発生装置制御ユニットは、1つ以上の他のさらに小さな成分の追加を切り換えるように構成される。前記の切り換えは、前記各対応するさらに小さな成分が、前記所望の駆動磁場に係る電流へのさらなる妨害効果−たとえば正しくない成分が加えられること−を回避するために実質的にゼロの関数値を有する時点で行われる。
本発明の装置によって、様々な応用が可能となる。たとえば磁性粒子を備える装置又は医療用プローブが、磁場を利用することによって操作(移動)可能となる。さらに可視化が実行されうる。この目的のため、当該装置はさらに受信手段を有する。前記受信手段は、検出信号を取得するため、少なくとも1つの信号受信装置と少なくとも1つの受信コイルを有する。前記検出信号は、前記視界内での磁化に依存する。前記磁化は、前記第1領域と前記第2領域の空間内での位置を変化させることによって誘起される。
MPI装置の第1実施例を表している。 図1に図示された装置によって生成される選択磁場パターンの例を示している。 MPI装置の第2実施例を表している。 本発明によるMPI装置のブロック図を示している。 駆動磁場に係る電源の典型的な出力電圧を表している。 パラメータλs3、λs5、λs7を補正パラメータκの関数として表している。 本発明の実施例による補正後の駆動磁場に係る電源の典型的な出力電圧を表している。
本発明の詳細について説明する前に、図1乃至4を詳細に参照して磁性粒子イメージングの基礎について説明する。具体的には、医療診断用MPIスキャナに係る2つの実施例について説明する。データ取得に関する簡単な説明も与えられる。2つの実施例の相似性と差異について指摘する。
図1に図示されたMPIスキャナの第1実施例は、同軸である複数の平行な環状コイルからなる3つの重要な対12,14,16を有する。これらの対は、図1に図示されているように配置されている。これらのコイル対12,14,16は、選択磁場としてのみならず駆動及び集束磁場としても機能する。3つのコイル対12,14,16の軸18,20,22は、相互に直交し、かつMPIスキャナ10のアイソセンター24とも呼ばれる単一の点で交わる。それに加えて、これらの軸18,20,22は、アイソセンター24に係る3Dのx-y-z座標系の軸としての役割を果たす。垂直軸20はy軸で、x軸とz軸は水平軸である。コイル対12,14,16もまた軸にちなんで名付けられる。たとえばyコイル対14は、スキャナの上部及び底部でコイルによって形成される。しかも正(負)のy座標を有するコイルはy+コイル(y-コイル)と呼ばれる。他のコイルも同様である。より簡便には、座標軸とコイルは、x,y,zではなくx1,x2,x3とラベル付けされる。
スキャナ10は、これらのコイル12,14,16の各々に、所定の時間依存する電流をいずれかの方向に流すように設定されて良い。電流が、コイルの周りを、このコイルの軸に沿って見たときに時計回りに流れる場合、その電流は正であり、さもなければ負である。静的な選択磁場を生成するため、一定の正の電流ISがz+コイルを流れ、かつ、電流-ISがz-コイルを流れる。よってzコイル対16は、反平行環状コイル対として機能する。
この実施例における軸の配置及びその軸に与えられる表記は、単なる例であり、他の実施例では異なって良いことに留意して欲しい。たとえば実際の実施例では、垂直軸は、本実施例のようなy軸ではなくz軸であると考えられる。しかしこのことは一般に、装置の機能及び動作並びに本発明の効果を変えるものではない。
一般には勾配磁場である選択磁場が、図2において磁力線50によって表されている。選択磁場は、選択磁場を発生させるzコイル対16の(垂直)z軸22の方向にほぼ一定の勾配を有し、かつ、この軸22上のアイソセンター24でゼロの値に到達する。この磁場の存在しない地点(図2では個別的に図示されていない)から開始すると、磁場の存在しない地点からの距離が増大することで、選択磁場50の磁場強度は、全空間方向において増大する。アイソセンター24の周辺の破線によって表される第1領域52では、磁場強度は小さすぎるので、第1領域52内に存在する粒子の磁化は飽和しない一方で、(領域52の外側である)第2領域54内に存在する粒子の磁化は飽和状態となる。スキャナの視界28の磁場の存在しない地点すなわち第1領域52は、空間的にコヒーレントな領域であることが好ましい。スキャナの視界28の磁場の存在しない地点すなわち第1領域52は、点状領域、線、又は面状領域であっても良い。第2領域54(つまり第1領域52の外部であるスキャナの視界28の残りの部分)では、選択磁場の磁場強度は、磁性粒子を飽和状態に維持するのに十分な程度に強い。
視界28内部で2つの領域52,54(磁場の存在しない地点を含む)の位置を変化させることによって、視界28での(全体的な)磁化は変化する。視界28での磁化又は該磁化によって影響を受ける物理パラメータを測定することによって、視界28での磁性粒子の空間分布についての情報を得ることができる。視界28での2つの領域52,54(磁場の存在しない地点を含む)の相対空間位置を変化させるため、さらなる磁場−つまり駆動磁場−及び印加可能であれば集束磁場が、選択磁場50に重ね合わせられる。
駆動磁場を発生させるため、時間依存電流ID 1は両方のxコイル12を流れ、時間依存電流ID 2は両方のyコイル14を流れ、かつ、時間依存電流ID 3は両方のzコイル16を流れる。よって3つのコイル対の各々は、平行な環状コイル対として機能する。同様に、集束磁場を発生させるため、時間依存電流IF 1は両方のxコイル12を流れ、時間依存電流IF 2は両方のyコイル14を流れ、かつ、時間依存電流IF 3は両方のzコイル16を流れる。
zコイル対16は特別であることに留意して欲しい。その理由は、zコイル対16は、駆動磁場と集束磁場だけではなく、選択磁場も共有するからである(当然のこととして、他の実施例では、別なコイルが供されても良い)。z±コイルを流れる電流は、ID 3+IF 3±ISである。残り2つのコイル対12,14を流れる電流は、ID k+IF k, k=1,2である。幾何学形状及び対称性に起因して、3つのコイル対12,14,16は可能な限り十分に分離しなければならない。しかし現実は大抵十分ではない。
反平行の環状コイル対によって生成されることで、選択磁場はz軸の周りで回転対称性を有し、かつz成分は、アイソセンター24の周囲の相当な大きさの体積内で、x方向及びy方向とは独立に、z方向においてほぼ線形である。特に選択磁場は、アイソセンターに磁場の存在しない地点(FFP)を有する。対照的に、平行の環状コイル対によって発生する駆動磁場及び集束磁場への寄与は、アイソセンター24の周辺の相当な大きさの体積内で空間的にほぼ均一であり、かつ各対応するコイル対の軸に対して平行である。3つの平行な環状コイル対のすべてによって一つになった状態で発生する駆動磁場及び集束磁場は、空間的にほぼ均一であり、かつ任意の方向及びある最大強度が与えられて良い。駆動磁場及び集束磁場はまた時間依存性を有する。集束磁場と駆動磁場との間の差異は、集束磁場は時間に対してゆっくり変化し、かつ大きな振幅を有する一方で、駆動磁場は、急激に変化し、かつ小さな振幅を有することである。これらの磁場についてそれぞれ異なる扱いをするのには物理的及び生物医学的な理由がある。大きな振幅を有する急激に変化する磁場は、発生させるのが難しく、かつ患者にとって有害である。
実際の実施例では、FFPは、磁場がゼロであると推定される数学上の点であると考えられる。磁場強度はFFPからの距離の増大に伴って増大する。増大率は、(装置の特別な設計に依存して)それぞれ方向毎に異なって良い。磁場強度が、磁性粒子を飽和状態するのに必要とされる磁場強度を下回っている限り、粒子は、当該装置によって測定される信号の信号発生に能動的に寄与する。さもなければ粒子は飽和し、信号を発生させない。
MPIスキャナの実施例10は、繰り返しになるがx,y,z軸に沿って配向する平行な環状コイルからなる少なくとも1つの別な対−好適には3つの別な対−を有する。図1には図示されていないこれらのコイル対は、受信コイルとして機能する。駆動磁場及び集束磁場についてのコイル対12,14,16と同様に、これらの受信コイル対を流れる一定電流によって発生する磁場は、視界内で空間的にほぼ均一で、かつ各対応するコイル対の軸に対して平行である。受信コイルは、十分分離していると考えられる。受信コイル内に誘起される時間依存電圧は、このコイルに取り付けられた受信機によって増幅及びサンプリングされる。より厳密には、この信号の非常に大きなダイナミックレンジに応えるため、受信機は、受信信号と参照信号との間の差異をサンプリングする。受信機の伝達関数は、ゼロヘルツ(DC)から最大で、予想された信号レベルが雑音レベル未満に落ち込む周波数までゼロではない。
図1に図示されたMPIスキャナの実施例10は、z軸22に沿った−つまり選択磁場の軸に沿った−円筒形ボア26を有する。すべてのコイルは、このボアの外側に設けられている。データ取得のため、イメージングされる患者(又は対象物)は、ボア26内に設けられることで、患者の関心体積−イメージング(又は処置)される患者(又は対象物)の体積−は、スキャナの視界28−スキャナがイメージングすることが可能なスキャナの内容物の体積−内に収まっている。患者(又は対象物)はたとえば、患者台上に設けられている。視界28は、ボア26の内部で、幾何学的に単純な等中心の体積−たとえば立方体、球体、又は円筒−である。立方体の視界28が図1に図示されている。
第1領域52のサイズが選択磁場の勾配強度に依存する一方で、飽和に必要な磁場の磁場強度にも依存する。つまりは第1領域52のサイズは磁性粒子に依存する。80A/mの磁場強度で磁性粒子を十分に飽和させ、かつ50×103A/m2に達する選択磁場の磁場強度の(所与の空間方向での)勾配のため、粒子の磁化が飽和しない第1領域52は、(所与の空間方向で)約1mmの寸法を有する。
患者の関心体積は、磁性ナノ粒子を含んでいると考えられる。特にたとえば腫瘍の診療上の処置を行う前に、磁性粒子は、たとえばその磁性粒子を有する液体を、患者(対象物)の体に注入するか、さもなければたとえば口を通じて患者に与えることによって、関心体積内に設けられる。
一般的には、磁性粒子を視界に運ぶ様々な方法が存在する。特に、患者の体内に磁性粒子が導入される場合、磁性粒子は、外科的方法及び非外科的方法を用いて収容されて良く、かつ、専門家(医療者)を必要とする方法と専門家を必要としない方法の両方が存在する。専門家を必要としない方法はたとえば、素人、当業者、又は患者自身によって実行されうる。これらの外科的方法の中には、潜在的に危険のない及び/又は安全な決まり切った処置−たとえば血管への造影剤の注入のような侵襲段階を含む(そのような注入が外科的処置と考えられる場合)−が存在する(つまり、実行するのに重大な専門的な医療経験を必要とせず、かつ、深刻な健康への危険性を含まない処置)。さらに飲み込みや吸入といった非外科的方法が適用されても良い。
一般的には、磁性粒子は、データ取得の実際の段階が実行される前に事前に供給すなわち事前に投与される。しかし本発明の実施例では、さらなる磁性粒子が、視界へ供給/投与されることも可能である。
磁性粒子の実施例はたとえば、厚さ5nmの鉄−ニッケル合金(たとえばパーマロイ)で構成される軟磁性層が供されたガラス製の球状基板を有する。この層はたとえば、化学的及び/又は物理的に侵襲性の環境−たとえば酸−から粒子を保護するコーティング層によって覆われて良い。磁性粒子の磁化の飽和に必要な選択磁場50の磁場強度は、様々なパラメータに依存する。様々なパラメータとはたとえば、粒径、磁性層に用いられた磁性材料、及び他のパラメータである。
たとえば粒径が10μmの場合では、約800A/mの磁場(ほぼ1mTの磁束密度に相当する)が必要となる。他方、粒径が100μmの場合では、低飽和磁化を有する材料のコーティングが選ばれるとき、又は層の厚さが減少するときに、さらに小さな値が得られる。
実際には、使用可能なリゾビスト(Resovist)(登録商標)の名前で市販されている磁性粒子が通常は用いられる。この磁性粒子は、磁性材料のコアを有し、又は、球の塊で構成され、かつ、nm範囲(たとえば40又は60nm)の直径を有する。
一般的に使用可能な磁性粒子及び粒子の組成物に関するさらなる詳細については、特許文献2乃至10を参照のこと。特許文献2乃至10では、一般的なMPI法についてのさらなる詳細も見つけることができる。
データ取得中、xコイル対12、yコイル対14、及びzコイル対16は、位置と時間に依存する磁場、印加磁場を発生させる。これは、磁場発生コイルに適切な電流を流すことによって実現される。効果として、駆動磁場及び集束磁場は選択磁場を周囲から押し、それによりFFPは、走査体積−視界の上位集合−を描く事前に選択されたFFP軌道に沿って移動する。印加磁場は、患者内の磁性ナノ粒子を配向させる。印加磁場が変化することで、その結果として生じる磁化も変化する。ただし磁化は印加磁場に対して非線形の応答を示す。変化した印加磁場及び変化した磁化の総和は、xk軸に沿って、受信コイル対の端部にわたって時間依存電圧Vkを誘起する。前記受信コイル対に係る受信機は、この電圧を信号Skに変換する。前記受信機は信号Sk(t)をさらに処理する。
図1に図示された第1実施例10と同様に、図3に図示されたMPIスキャナの第2実施例30は、環状でかつ互いに直交する3つのコイル対32,34,36を有する。しかしこれらのコイル対32,34,36は、選択磁場と集束磁場しか発生させない。繰り返しになるが選択磁場を発生させるzコイル36は強磁性材料37で充填されている。この実施例30のz軸42が垂直に配向する一方で、x軸38とy軸40は水平方向に配向する。スキャナのボア46は、x軸38に平行であるため、選択磁場の軸42に対して垂直である。駆動磁場は、x軸38に沿ったソレノイド(図示されていない)及び残り2つの軸40,42に沿ったサドルコイルの対(図示されていない)によって発生する。これらのコイルは、ボアを構成する管の周囲で巻かれている。駆動磁場コイルもまた受信コイルとして機能する。
係る実施例の典型的なパラメータをいくつか与える。選択磁場Gのz方向での勾配の強度G/μ0は2.5T/mである。ここでμ0は真空での透磁率である。駆動磁場の周波数の時間変化スペクトルは、約25kHz(最大で約150kHz)周辺の狭い帯域に集中する。受信された信号の有用な周波数スペクトルは、50kHz〜1MHz(最大でも約15MHz)に存在する。ボアは120mmの直径を有する。ボア46に適合する最大の立方体28は、120mm/√2≒84mmの端部長さを有する。
磁場発生コイルの構成は概ね当技術分野−たとえば磁気共鳴イメージング−において既知であるため、これ以上ここでは説明する必要はない。
選択磁場を発生させる他の実施例では、永久磁石(図示されていない)が用いられて良い。そのような(対向した)永久磁石(図示されていない)の2つの極間の空間内では、図2に図示された磁場−つまり対向する極が同一の極性を有するとき−と同様の磁場が形成される。他の代替実施例では、選択磁場は、少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つのコイルの結合体によって生成されて良い。
図4は、本発明によるMPI装置100の一般的なブロック図を表している。上述した磁性粒子イメージング及び磁気共鳴イメージングの一般的原理は有効で、かつ、特段の事情がない限り、この実施例にも同様に適用可能である。
図4に図示された装置100の実施例は、所望の磁場を発生させる複数のコイルからなる様々なコイルの組を有する。最初に、コイル及びMPIにおけるコイルの機能について説明する。
上で説明した選択磁場を発生させるため、一組の選択磁場コイル116−好適には少なくとも一対のコイル素子−を有する選択手段が供される。選択手段は、選択磁場信号発生装置110をさらに有する。選択磁場コイルの組116の各コイル素子(又はコイル素子の各対)に別個の発生装置が供されることが好ましい。前記選択磁場発生装置110は、制御可能な選択磁場電流源112(一般的には増幅器を含む)、及び、選択磁場電流を各対応する部分の磁場コイル素子に供することで、所望の方向において選択磁場の勾配強度を個別的に設定するフィルタ装置114を有する。しかし選択磁場は一般的には静的であるので、フィルタ装置114は省かれて良い。一定の電流が供されることが好ましい。選択磁場コイル素子が対向するコイルとして−たとえば対向する視界に−配置される場合、対向するコイルの選択磁場電流は対向するように流れることが好ましい。
選択磁場信号発生装置110は、制御装置150によって制御されて良い。制御ユニット150は、選択磁場に係る電流の発生110を制御することで、磁場強度の総和と選択磁場の全ての空間部分の勾配強度が、所定のレベルに維持されることが好ましい。この目的のため、制御ユニット150にも、MPI装置の所望の用途に従って、使用者による制御命令が供されて良い。しかしこれは、本発明によると省略されることが好ましい。
集束磁場を発生させるため、装置100は、一組の集束磁場コイル−好適には対向するように配置された集束磁場コイル素子126a,126b,126cの3つの対−を有する集束手段をさらに有する。前記集束磁場は一般的に第1領域と第2領域の空間内での位置を変化させるのに用いられる。集束磁場コイルは、集束磁場信号発生装置120によって制御される。好適には集束磁場信号発生装置120は、前記一組の集束磁場コイルの各コイル素子(又は少なくともコイル素子の各対)についての各独立した集束磁場信号発生装置を有する。前記集束磁場信号発生装置120は、集束磁場電流源122(好適には電流増幅器を有する)、及び、集束磁場を発生させるのに用いられるコイル126a,126b,126cの組の各対応するコイルに集束磁場電流を供するフィルタ装置124を有する。集束磁場信号発生装置120も制御装置150によって制御される。本発明では、フィルタ装置124は省略されても良い。
駆動磁場を発生させるため、装置100は、複数の駆動磁場コイルからなるコイルの組を有する駆動手段をさらに有する。好適には駆動磁場コイルの組は、3つの対向するように配置された駆動磁場コイル素子の対136a,136b,136cを有する。駆動磁場コイルは駆動磁場信号発生装置130によって制御される。好適には駆動磁場信号発生装置130は、前記一組の駆動磁場コイルの各コイル素子(又は少なくともコイル素子の各対)についての各独立した駆動磁場信号発生装置を有する。駆動磁場信号発生装置130は、駆動磁場に係る電源132(好適には電流増幅器を有する)、及び、各対応する駆動磁場コイルに駆動磁場に係る電流を供するフィルタ装置134(本発明では省略されて良い)を有する。駆動磁場に係る電源132は、時間依存性を有する電流を発生させ、かつ、制御ユニット150によって制御される。
図1に図示された装置10の実施例では、駆動磁場の発生と集束の磁場の発生に同一のコイルが用いられることが好ましいことに留意して欲しい。
信号を検出するため、受信手段148−具体的には受信コイル−、及び、前記受信手段148によって検出される信号を受信する信号受信装置140が供される。3つの受信コイル148と、1つの受信コイルにつき3つの受信装置140が実際には供されることが好ましい。しかし3つよりも多くの受信コイル148と受信装置140が用いられても良い。その場合、取得される検出信号は3次元ではなく、K次元となる。ここでKは受信コイルの数である。
前記信号受信装置140は、受信された検出信号をフィルタリングするフィルタ装置142を有する。このフィルタリングの目的は、他の干渉信号から、検査領域内での磁化によって生じ、かつ2つの部分領域(52,54)の位置変化によって影響を受ける測定値を分離することである。この目的のため、フィルタ装置142の設計はたとえば、受信コイル148が動作する時間周波数又はこれらの時間周波数の2倍よりも低い時間周波数を有する信号が、フィルタ装置142を通過しないようなものであって良い。続いて信号は、増幅器144を介して、アナログ/デジタル変換器146(ADC)へ伝送される。アナログ/デジタル変換器146によって生成されたデジタル化された信号は、像処理装置(再構成手段とも呼ばれる)152へ供給される。像処理装置152は、これらの信号及びこれらの信号に対応する位置から磁性粒子の空間分布を再構成する。これらの信号に対応する位置は、各対応する信号を受信する間には、検査領域内において、第1磁場の第1領域52内に存在すると推定され、かつ、像処理装置152が、制御装置150から得る位置である。磁性粒子の再構成された空間分布は最終的には、制御手段150を介してコンピュータ154へ伝送される。コンピュータ154は、前記空間分布をモニタ156上に表示する。よって、検査領域の視界内の磁性粒子の分布を示す像を表示することができる。
さらに入力装置158−たとえばキーボード−が供されて良い。従って使用者は、最高分解能の所望の方向を設定することが可能で、その設定後モニタ156上での作用領域の像を受信する。最高分解能が必要とされる重要な方向が、使用者によって設定された方向からずれている場合、その使用者は、分解能が改善された別な像を生成するため、方向を手動で変化させて良い。この分解能の改善処理もまた、制御装置150及びコンピュータ154によって自動的に行われて良い。本実施例の制御装置150は、勾配磁場を、自動的に推定され、又は使用者によって開始値として設定された第1方向に設定する。受信像の分解能−これはコンピュータ154によって比較される−が最大となり、これ以上改善されなくなるまで、勾配磁場の方向はステップ状に変化する。従って最高の可能な分解能を受信するため、最も重要な方向が発見され、自動的に適用することができる。
上述したように、MPIスキャナ内部では、選択磁場と駆動磁場とが重ね合わせられる。選択磁場は、磁場の存在しない点(FFP)を有する勾配磁場である。駆動磁場は様々な成分で構成される。最初の場合では、駆動磁場は、振動電流が流れる3つの磁気コイルによって生成される。これらの電流は各異なる周波数を有する。生成された磁場が振動することで、FFPは所定の軌跡−通常は3次元空間内のリサージュ軌跡−に沿って移動する。この移動を実現するため、駆動磁場コイル中での電流は以下の関係式を満たさなければならない。
Figure 0005970470
ここで周波数ωk及び振幅Ik01とIk02は、所望のリサージュ軌跡が得られるように選ばれなければならない。
複数の駆動磁場コイルは結合している。このことはたとえば、一旦周波数ωkの電流がxコイル中を流れると、同一周波数を有する(意図しない)電流も、他の2つの駆動磁場コイル内で測定されうることを意味する。制御として行われる処理は、これを補償することである。実際には、このことは、駆動磁場コイル136a,136b,136cを駆動させる駆動磁場に係る電源132によって生成される電圧が、各軸での3つすべての成分を含むことを意味する。たとえば本発明の実施例では、xコイル136aの駆動磁場に係る電源は、次式で表される駆動磁場に係る電圧を出力する。
Figure 0005970470
他の2つの駆動磁場コイル136bと136cについても同様の電圧Uy(t)とUz(t)が出力される。よって駆動磁場信号発生装置130は、駆動磁場コイル136a,136b,136cを駆動させるため、各対応する駆動磁場コイル毎に時間依存振動する駆動磁場に係る電流を供するように構成される。各駆動磁場に係る電流は、各独立する振動周波数と各独立する電流振幅を有し、かつ、駆動磁場コイル136a,136b,136c毎に、対応する駆動磁場に係る電圧によって生成される。(2)式で示されているように、各駆動磁場に係る電圧は、多数の駆動磁場にかかる電圧成分の重ね合わせによって生成される。前記多数の駆動磁場にかかる電圧成分は、各独立する電圧振幅を有して、前記駆動磁場コイルの駆動磁場に係る電流と同一の各独立する振動周波数を有する、駆動磁場コイル毎の駆動磁場に係る電圧成分を含む。各駆動磁場に係る電圧成分は、余弦関数の形式を有して余弦電圧振幅を有する第1のさらに小さな成分、及び、正弦関数の形式を有して正弦電圧振幅を有する第2のさらに小さな成分を有する。前記第1のさらに小さな成分と第2のさらに小さな成分のいずれも同一の振動周波数を有する。制御−特に制御ユニット150での−は、すべての振幅Umn0kを決定する。それにより(1)式で定義された所望の電流を測定することができる。
(2)式で与えられるような重ね合わせは、結果として得られる信号が、図5に表されているような強いうなりであることを意味する。駆動磁場に係る電源132内に供される増幅器は、最大出力と電圧Uk(t)の最大伸び(elongation)によって制限される。ここでk=x,y,zである。うなりは、期間中わずかな地点でしか最大に到達しない。従って結合が強い場合、これらのうなりの最大伸びが、駆動磁場の最大振幅を決定する。
この問題は、駆動磁場振幅の最大値を大きくする本発明の他の実施例によって緩和される。この実施例によると、駆動磁場に係る電源の出力で(2)式で定義された電圧信号のような電圧信号を発生させるため、高周波成分が加えられる。たとえば式Umn(t)=Umn01cos(ωnt)+Umn02sin(ωnt)の各項(駆動磁場に係る電圧成分とも呼ばれる)は、U(チルダ)mn(t)と表記される信号によって交換されて良い。U(チルダ)mn(t)の定義については、最初に角度αが次式のように導入される。
Figure 0005970470
ここで関数atan2は、C言語の規約に従っている。つまり2つの引数を有する関数atan2は逆正接関数の変形である。ゼロではない任意の実数の引数xとyについて、atan2(x,y)とは、ある面の正のx軸と、その面上の座標(x,y)によって与えられる点との間の角度(単位:ラジアン)である。その角度は、反時計回りでは正(上半分の面、y>0)で、時計回りでは負(下半分の面、y<0)である。atan2関数は、たとえばatan関数と比較して、結果の符号の自動的に正しくなるという利点を有する。
ここでU(チルダ)mn(t)の定義は以下のようになる。
Figure 0005970470
角度βは以下のように定義される。
Figure 0005970470
そして、
Figure 0005970470
Figure 0005970470
である。
ここでκは所謂補正パラメータである。
一般的には0≦κ<1で、かつ、κ=0は補正モードがオフになることと等価である。κの典型的な値は0.3〜0.7の範囲(たとえばκ=0.4又は0.55)である。図6は、λsk,k={3,5,7}をκの関数として表している。各異なる周波数の寄与及び/又は各異なる軸についてκの値は等しくなるように選ばれて良い。選ばれるκの値が小さければ小さいほど、各対応する増幅器の限界を超える最大うなり振幅を有するうなりの抑制効果が小さくなる。
上式では、角度アルファは、一般化された信号に対する正弦成分と余弦成分の寄与の相対位相を表す。関数U(チルダ)mn(t)は、Umn(t)に基づく特殊関数のフーリエ解析から得られる。これらの特殊関数はUmn(t)と同一だが、ある閾値よりも大きな絶対関数値については、その特殊関数はその閾値に設定される。上述のフーリエ級数を最大7項考慮し、かつ、第1項−つまり基本周波数の項−が、Umn(t)と同一の強度を有することを保証することで、(4)式が導かれる。補正パラメータκはその閾値に直接関連付けられる。
一般的には、関数U(チルダ)mn(t)は、次式のようにフーリエ級数で書くことができる。
Figure 0005970470
ここでgは、考慮すべきフーリエ成分の数を特定する整数である。フーリエ成分Vmnk1とVmnk2の強度は、U(チルダ)mn(t)が取りうる最善の方法で所望の目標を満足するように選ばれなければならない。特にこれらの成分は、得られた駆動磁場を発生させる電圧の最大伸びが減少するように選ばれなければならない。この意味では、フーリエ成分Vmnk1とVmnk2は、当業者が従来の知識−たとえば数学的解析又は数値計算−を利用することによって決定することができる。上述した特別な例((3)〜(7)式)では、正弦項と余弦項は、位相関係αを介して、単一の正弦と余弦の寄与となるように結合される。
従ってこの実施例によると、駆動磁場発生装置130は、駆動磁場に係る電圧を発生させる。それにより各駆動磁場に係る電圧成分は、2つ以上のさらに小さな成分の重ね合わせを含む。ここで、第1のさらに小さな成分は、前記特定の駆動磁場コイルの各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数に対応する周波数を有する。また少なくとも1つの他のさらに小さな成分−具体的には各他のさらに小さな成分−は、各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数の各異なる倍数に対応する周波数を有する。好適には、前記他のさらに小さな成分は、前記各対応する駆動磁場に係る電流の振動周波数の奇数倍大きくなった周波数に対応する周波数を有する。
上述の典型的な説明では、3つの高次高調波が、式(4)の基本項に加えられる。他の実施例では、3つ以外の高次高調波が加えられて良い。好適には、各駆動磁場に係る電圧成分は、2〜10(具体的には3〜5)のさらに小さな成分の重ね合わせを有する。しかしさらに高次高調波を加える効果は、その高調波の次数が大きくなるにつれて小さくなる。2〜4の高次高調波を加えることが最適であることが示された。さらに高次高調波を順序通りに(たとえば上で示されているような1次高調波、3次高調波、5次高調波)加える必要はなく、一般的には任意の高次高調波が加えられてよい(たとえば1次、5次、及び7次の高調波のみ、又は、3次と5次の高調波のみ…)。他の実施例では、奇数次の高調波のみならず、それに加えて偶数次の高調波(又はそれのみ)が基本項に加えられても良い。
(2)式のような重ね合わせにおいて(4)式のような式を用いる結果、図7で表されているように、最大伸びが顕著に減少するうなりとなる。増幅器の出力線は低パスフィルタに接続される。従って(4)式の高周波数成分は、磁場発生装置に入らない。同時に、(4)式の基本周波数成分は、(2)式の同一の強度を有する。
一の他の実施例では、別な周波数成分がほんの一時的に有効にされてよい。これは、(4)式の因子λが、うなりが非常に長い伸びである期間中のみゼロでなくなることを意味する。ゼロの寄与と非ゼロの寄与との切り換えは、関数値がゼロとなる時点で行われなければならない。一般的には、その切り換えは、所定の期間及び/又は所定の条件下で行われて良い。所定の期間及び/又は所定の条件下とはたとえば、具体的には各対応する駆動磁場コイルを駆動させるのに用いられる駆動磁場に係る電圧の振幅が、所定の駆動磁場に係る電圧の閾値を超える場合である。
まとめると、MPIは、様々な種類の磁場の重ね合わせを必要とする。とりわけ、駆動磁場は、最大周波数で振動する磁場である。駆動磁場の実現は、いくつかの技術的な課題を伴う。その理由は増幅器が、これらの周波数では十分な出力を有するように信号を発生させなければならないからである。しかも駆動磁場コイルは結合しており、その結合は制御機構によって補償されなければならない。補償とは、それぞれ周波数の異なる信号が各軸に加えられなければならないことを意味する。この結果、信号はうなりとなり、かつ、これらのうなりの最大伸びは、最大駆動磁場に係る振幅にとって制限因子となりうる。
駆動磁場コイル間の結合がかなり強い場合、駆動磁場コイルへの駆動信号を増幅する増幅器の出力は、その増幅器の入力と出力での信号の最大伸びによって制限される。本発明は、より大きな駆動磁場振幅の実現に利用可能な、これらの最大伸びを減少させることを可能にする。
一般的には、各異なる周波数の信号は、増幅器を駆動させるために加えられる。本発明の実施例では、これらの周波数の高次成分は、得られた信号の最大伸びを減少させるのに用いられる。好適には端部では、低パスフィルタは、これらの高次成分が磁場発生装置に入り込むのを防止する。

Claims (15)

  1. 視界内で磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する装置であって:
    選択磁場信号発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化が飽和しない小さな磁場強度の第1領域、及び、前記磁性粒子の磁化が飽和する大きな磁場強度の第2領域が、視界内に生成されるようなパターンを選択磁場強度空間内に有する選択磁場を発生させる選択磁場素子を有する選択手段;
    駆動磁場信号発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化は局所的に変化するように、駆動磁場によって前記視界内の2つの領域の空間内での位置を変化させる駆動磁場コイルを有する駆動手段;
    を有し、
    前記駆動磁場信号発生装置は、各駆動磁場コイルを駆動させるため、駆動磁場コイル毎に、時間依存振動する駆動磁場に係る電流を供し、
    各駆動磁場に係る電流は、1つ以上の個別の振動周波数と1つ以上の個別の電流振幅を有し、かつ、駆動磁場コイル毎の対応する駆動磁場に係る電圧によって生成され、
    各駆動磁場に係る電圧は、駆動磁場コイル毎の駆動磁場に係る電圧成分を含む多数の駆動磁場に係る電圧成分の重ね合わせによって生成され、
    特定の駆動磁場コイルに対応する駆動磁場に係る電圧成分は1つ以上のさらに小さな成分を含み、
    さらに小さな分は個別の電圧振幅を有し、かつ、前記特定の駆動磁場コイルの各駆動磁場に係る電流と同一の個別の振動周波数を有する、
    装置。
  2. 前記駆動磁場信号発生装置は、前記駆動磁場に係る電圧を発生させるように構成され、
    それにより各駆動磁場に係る電圧成分は、余弦関数の形式を有して余弦の電圧振幅を有する第1のさらに小さな成分、及び、正弦関数の形式を有して正弦の電圧振幅を有する第2のさらに小さな成分を有し、
    前記第1のさらに小さな成分と第2のさらに小さな成分のいずれも同一の振動周波数を有する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 各駆動磁場に係る電圧Um(t)は一般に次式で表され、
    Figure 0005970470
    ここで、m=x,y,zで、各駆動磁場コイルに依存し、ωは各振動周波数で、かつ、Umn01とUmn02(n=x,y,z)は、各電圧振幅である、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記駆動磁場信号発生装置は、前記駆動磁場に係る電圧を発生させることで、少なくとも1つの駆動磁場に係る電圧成分が、2つ以上のさらに小さな成分の重ね合わせを有するように構成され、
    1のさらに小さな成分は、前記特定の駆動磁場コイルの各駆動磁場に係る電流の振動周波数に対応する周波数を有し、
    少なくとも1つの他のさらに小さな成分は各駆動磁場に係る電流の振動周波数の異なる倍数に対応する周波数を有する、
    請求項1に記載の装置。
  5. 前記他のさらに小さな成分は、前記各駆動磁場に係る電流の振動周波数の奇数倍大きくなった周波数に対応する周波数を有する、請求項4に記載の装置。
  6. 各駆動磁場に係る電圧成分は、2〜10のさらに小さな成分の重ね合わせを有する、請求項4に記載の装置。
  7. 各駆動磁場に係る電圧Um(チルダ)(t)は一般に次式で表され、
    Figure 0005970470
    ここで各成分Umn(チルダ)(t)は次式で表され、
    Figure 0005970470
    Figure 0005970470
    Figure 0005970470
    ここでκは所謂補正パラメータである、
    請求項4に記載の装置。
  8. 前記補正パラメータκは、すべてのさらに小さな成分について同一の所定値を有するか、又は、それぞれ異なるさらに小さな成分及び/又は前記さらに小さな成分のそれぞれ異なる項についてそれぞれ異なる値を有する、
    請求項7に記載の装置。
  9. 前記駆動磁場信号発生装置はさらに、前記駆動磁場に係る電圧の生成を制御する駆動磁場発生装置制御ユニットを有し、
    それにより、前記各駆動磁場に係る電流の振動周波数の異なる倍数の周波数に対応する周波数を有する他のさらに小さな成分は、所定期間及び/又は所定条件下でのみ前記第1さらに小さな成分へ切り換え可能に加えられ、
    前記所定期間及び/又は所定条件下とは特に、前記駆動磁場に係る電圧の振幅が、所定の駆動磁場に係る電圧の閾値を超える場合である、
    請求項4に記載の装置。
  10. 前記駆動磁場発生装置制御ユニットは、1つ以上の他のさらに小さな成分の追加を切り換えるように構成され、
    前記の切り換えは、前記小さな成分が実質的にゼロの関数値を有する時点で行われる、
    請求項9に記載の装置。
  11. 前記駆動磁場信号発生装置が、前記駆動磁場に係る電圧を増幅する増幅器、及び、増幅後に前記他のさらに小さな成分をフィルタリングするフィルタを有する、請求項4に記載の装置。
  12. さらに受信手段を有する請求項1に記載の装置であって、
    前記受信手段は、検出信号を取得するため、少なくとも1つの信号受信装置と少なくとも1つの受信コイルを有し、
    前記検出信号は、前記視界内での磁化に依存し、
    前記磁化は、前記第1領域と前記第2領域の空間内での位置を変化させることによって誘起される、
    装置。
  13. 視界内で磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する方法であって:
    前記磁性粒子の磁化が飽和しない小さな磁場強度の第1領域、及び、前記磁性粒子の磁化が飽和する大きな磁場強度の第2領域が、視界内に生成されるようなパターンを選択磁場強度空間内に有する選択磁場を発生させる段階;
    前記磁性粒子の磁化は局所的に変化するように、駆動磁場コイルによる駆動磁場によって前記視界内の2つの領域の空間内での位置を変化させる段階;
    駆動磁場コイル毎に、時間依存振動する駆動磁場に係る電流を供することで、各駆動磁場コイルを駆動させる段階;
    を有し、
    各駆動磁場に係る電流は、1つ以上の個別の振動周波数と1つ以上の個別の電流振幅を有し、かつ、駆動磁場コイル毎の対応する駆動磁場に係る電圧によって生成され、
    各駆動磁場に係る電圧は、駆動磁場コイル毎の駆動磁場に係る電圧成分を含む多数の駆動磁場に係る電圧成分の重ね合わせによって生成され、
    特定の駆動磁場コイルに対応する駆動磁場に係る電圧成分は1つ以上のさらに小さな成分を含み、
    さらに小さな分は個別の電圧振幅を有し、かつ、前記特定の駆動磁場コイルの各駆動磁場に係る電流と同一の個別の振動周波数を有する、
    方法。
  14. コンピュータ上で実行されるときに、前記コンピュータに請求項1に記載の装置を制御させて、請求項1に記載の装置に請求項13の方法の段階を実行させる、プログラムコード手段を有する、コンピュータプログラム。
  15. 視界内で磁性粒子に影響を及ぼし、かつ/又は前記磁性粒子を検出する請求項1に記載の装置において用いられる駆動磁場信号発生装置であって、
    選択磁場信号発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化が飽和しない小さな磁場強度の第1領域、及び、前記磁性粒子の磁化が飽和する大きな磁場強度の第2領域が、視界内に生成されるようなパターンを選択磁場強度空間内に有する選択磁場を発生させる選択磁場素子を有する選択手段;
    駆動磁場信号発生装置、並びに、前記磁性粒子の磁化は局所的に変化するように、駆動磁場によって前記視界内の2つの領域の空間内での位置を変化させる駆動磁場コイルを有する駆動手段;
    を有し、
    前記駆動磁場信号発生装置は、各駆動磁場コイルを駆動させるため、駆動磁場コイル毎に、時間依存振動する駆動磁場に係る電流を供する手段を有し
    各駆動磁場に係る電流は、1つ以上の個別の振動周波数と1つ以上の個別の電流振幅を有し、かつ、駆動磁場コイル毎の対応する駆動磁場に係る電圧によって生成され、
    各駆動磁場に係る電圧は、駆動磁場コイル毎の駆動磁場に係る電圧成分を含む多数の駆動磁場に係る電圧成分の重ね合わせによって生成され、
    特定の駆動磁場コイルに対応する駆動磁場に係る電圧成分は1つ以上のさらに小さな成分を含み、
    さらに小さな分は個別の電圧振幅を有し、かつ、前記特定の駆動磁場コイルの各駆動磁場に係る電流と同一の個別の振動周波数を有する、
    装置で用いられる駆動磁場信号発生装置。
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