JP5969135B2 - タッチパネルコントローラ、タッチセンサシステム、および電子機器 - Google Patents

タッチパネルコントローラ、タッチセンサシステム、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネルコントローラ、ならびに、タッチパネルコントローラを備えたタッチセンサシステムおよび電子機器に関する。
タッチセンサシステムは、PC(Personal Computer)、携帯電話機、およびタブレット等の様々な電子機器において、広く利用されている。タッチセンサシステムにおいては、ユーザが自身の指またはタッチペンを、タッチパネルへ接触させることにより、タッチパネルへの入力操作が行われる。
例えば、静電容量方式のタッチセンサシステムでは、ユーザの指またはタッチペンがタッチパネルに接触することによって生じた、タッチパネルにおける静電容量(信号値)の変化が検出される。そして、タッチパネルにおいて静電容量の変化が生じた位置が、タッチパネルに対する入力位置として認識される。
近年、タッチセンサシステムにおける入力位置の検出を高精度化するために、様々な技術が提案されている。特許文献1には、タッチパネルに対する入力操作が行われた時点において算出される入力位置の座標を、タッチパネルに対する入力操作が行われる以前の静電容量値の分布によって規定される各位置の座標を用いて補正するタッチセンサシステムが開示されている。
また、タッチパネルに撓みが生じる、または、タッチパネルが電磁波に暴露される等の外的要因(すなわち、タッチパネルに対する入力操作とは異なる要因)により、タッチパネルにおいて静電容量の変化が生じることが知られている。特許文献2には、タッチパネルの撓みによる静電容量の変化の影響を排除するために、タッチパネルが撓んでいるか否かを判定するタッチセンサシステムが開示されている。
ここで、図49の(a)および(b)を参照し、タッチパネルの撓みによる静電容量の変化について説明する。図49の(a)は、タッチパネルの中央付近が押下され、タッチパネルに撓みが生じた場合の静電容量の分布の一例を示す図である。また、図49の(b)は、図49の(a)に示された静電容量の分布を、タッチパネルの中央付近において拡大した図である。なお、図49の(a)および(b)における静電容量の値は、所定の値(例えば、静電容量の最大値)を基準値として規格化された相対値として示されている。
ここで、タッチパネルの中央付近では、タッチパネルの撓みが特に大きいため、図49の(b)に示されるように、静電容量の値に特に大きいオフセットが付加されている。従って、タッチパネルの撓みによって生じるオフセットの量が、タッチパネルへの入力操作によって生じる静電容量と同程度の大きさである場合、実際には入力操作が行われていない位置において、入力が行われたと誤って認識される等、入力位置の検出精度が悪化する可能性がある。
なお、一般的なタッチセンサシステムでは、入力操作の有無、および入力位置の座標を検出するために、キャリブレーション(校正)を施した静電容量の値を用いている。キャリブレーションとは、静的な状態(例えば、タッチパネルが筐体に組み込まれた状態)における静電容量の値を基準値として、(i)タッチセンサシステムにおいて検出された静電容量と、(ii)基準値との差の値を、算出する処理を意味する。キャリブレーションが施されることにより、タッチパネルが筐体に組み込まれた状態において生じる撓み等の、静的な影響(すなわち、同一の状況下において生じ続ける影響)が補正される。
しかし、タッチセンサシステムでは、ユーザがタッチパネルを押下することにより、時間変化に応じて、タッチパネルの撓み量が変化する。以降、この状況を、タッチパネルが動的に撓むと呼称する。タッチパネルが動的に撓む場合、キャリブレーションが施されることによって、入力位置の検出精度が悪化する可能性がある。
特許文献2に開示されたタッチセンサシステムは、タッチパネルが動的に撓んでいる場合の入力操作を無視することにより、タッチパネルの撓みによる静電容量の変化の影響を排除している。
国際公開WO2009/063817号公報(2009年5月22日公開) 日本国公開特許公報「特開2011−76484号公報(2011年4月14日公開)」
特許文献1に開示されたタッチセンサシステムは、タッチパネルに対する入力操作が行われる以前の静電容量値の分布に基づき、タッチパネルへの入力位置の座標を補正する。従って、特許文献1に開示されたタッチセンサシステムでは、リアルタイムでの補正を行うことができないという問題がある。また、特許文献1は、タッチパネルの撓み等の外的要因によって生じる静電容量の変化に対処する方法については、開示も示唆もしていない。
特許文献2に開示されたタッチセンサシステムは、タッチパネルが撓んでいるか否かを判定する機能を有している。タッチセンサシステムは、所定の閾値(たわみ閾値)以上の値の静電容量が、所定の数(例えば10個)以上存在する場合に、タッチパネルが撓んでいると判定する。
そして、タッチパネルが撓んでいると判定された場合、タッチセンサシステムは、静電容量値の分布の重心位置を算出し、当該重心位置を示す座標を、タッチパネルへの入力位置の座標の候補から除外する。
しかし、特許文献2に開示されたタッチセンサシステムは、タッチパネルの撓みによって、比較的大きい量の静電容量の変化が生じる場合を想定している。このため、タッチパネルへの入力操作によって生じる静電容量の変化量に対して、タッチパネルの撓みによって生じる静電容量の変化量が微小である場合には、当該タッチセンサシステムを適用することが難しいという問題がある。また、当該タッチセンサシステムは、タッチパネルが撓んでいる状態において、入力位置の座標を検出することができないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、タッチパネルの撓み等の外的要因による信号値の変化の影響を、効果的に排除することが可能なタッチパネルコントローラを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラは、m本のセンスラインとn本のドライブラインとの交点に(mおよびnは、いずれも3以上の整数)、複数の信号値がマトリクス状に形成されたタッチパネルにおける、上記信号値の分布を示す第1信号値マップを出力する第1信号値マップ生成部と、記タッチパネルへの入力を検出するタッチ認識部と、を備えたタッチパネルコントローラであって、上記タッチパネルコントローラは、上記第1信号値マップ内において、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる範囲よりも、さらに広い範囲である領域を設定し、上記領域において、タッチパネルへの入力操作とは異なる外的要因に起因する信号値の変化を相殺する補正計算を行うことによって生成した第2信号値マップを、上記タッチ認識部へ与える第2信号値マップ生成部を、さらに備え、上記領域は、矩形として表され、上記センスラインが配置された方向を上下方向とし、かつ、上記ドライブラインが配置された方向を左右方向として、上記第2信号値マップ生成部は、上記領域における上記信号値の平均値Cmと、上記領域における上下方向の上記信号値の変化量を表す上下傾斜αと、上記領域における左右方向の上記信号値の変化量を表す左右傾斜βと、を用いて補正計算を行い、上記タッチ認識部は、上記第2信号値マップに基づき、上記タッチパネルへの入力を検出する
本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラによれば、外的要因による信号値の変化の影響を、効果的に排除することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態1に係るタッチセンサシステムにおける、第1容量分布補正部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態1に係る外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る第1静電容量マップにおける着目点(X,Y)および領域Aを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る第1静電容量マップおよび領域Aを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る平均値算出部および傾斜算出部の動作を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量分布と、補正後の静電容量分布とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量分布と、補正後の静電容量分布とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量分布と、補正後の静電容量分布とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係るタッチセンサシステムにおける、入力位置の座標を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係るタッチセンサシステムにおける、各静電容量値を補正する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る補正前の静電容量を示す行列と、静電容量分布とを例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算とは異なる補正計算の結果として得られた静電容量を示す行列を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算とは異なる補正計算の結果として得られた静電容量を示す行列を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算とは異なる補正計算の結果として得られた静電容量を示す行列を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算の結果として得られた静電容量を示す行列を例示する図である。 図16〜図19における各行列によって示される補正後の静電容量分布を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算の効果を例示する図である。 本発明の実施形態1に係る補正計算の効果を例示する図である。 本発明の実施形態2に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態2に係るタッチセンサシステムにおける、第1容量分布補正部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態2に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態2に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態2に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 本発明の実施形態2に係る補正前の静電容量を示す行列と、補正後の静電容量を示す行列とを例示する図である。 25〜図28における各行列によって示される補正後の静電容量分布を例示する図である。 本発明の実施形態2に係るタッチセンサシステムにおける、各静電容量値を補正する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態3に係るタッチセンサシステムにおける、第1容量分布補正部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態3に係るタッチセンサシステムにおける、各静電容量値を補正する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係るタッチセンサシステムにおける、補正要否の判定結果を例示する図である。 本発明の実施形態3に係るタッチセンサシステムの効果を例示する図である。 本発明の実施形態4に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態4に係るタッチセンサシステムにおける、入力位置の座標を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態5に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態5に係るタッチセンサシステムにおける、第1容量分布補正部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態5に係る平均値算出部および傾斜算出部の動作を例示する図である。 本発明の実施形態6に係るタッチセンサシステムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態6に係るタッチセンサシステムにおける、第1容量分布補正部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態6に係る差分計算および積分計算を例示する図である。 本発明の実施形態6に係る補正計算を例示する図である。 本発明の実施形態6に係るタッチセンサシステムにおける、入力位置の座標を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態6に係るタッチセンサシステムの効果を例示する図である。 本発明の実施形態6に係る静電容量を示す行列Cと、差分計算を施された行列Cdifとを例示する図である。 本発明の実施形態7に係る携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。 タッチパネルの中央付近が押下され、タッチパネルに撓みが生じた場合の静電容量分布を例示する図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1〜図22に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(タッチセンサシステム100の構成)
図1は、本実施形態のタッチセンサシステム100の構成を示す機能ブロック図である。タッチセンサシステム100は、タッチパネルコントローラ1およびタッチパネル10を備えている。
(タッチパネル10)
タッチパネル10は、例えば、静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル10は、水平方向(左右方向)に沿って互いに平行に配置された、n(nは、3以上の整数)本のドライブラインHL1〜HLnと、垂直方向(上下方向)に沿って互いに平行に配置された、m(mは、3以上の整数)本のセンスラインVL1〜VLmとを備えている。
そして、タッチパネル10において、(m×n)個の静電容量C1,1〜Cm,nが、ドライブラインHL1〜HLnとセンスラインVL1〜VLmとの各交点に形成される。ここで、静電容量Cm,nは、センスラインVLmと、ドライブラインHLnとの交点に形成された静電容量の値(信号値)を表す。静電容量Cm,nは、タッチパネル10においてマトリクス状に分布している。
(タッチパネルコントローラ1)
タッチパネルコントローラ1は、ドライバ11、センスアンプ12、AD(Analog-Digital)変換器13、タイミングジェネレータ14、第1容量分布計算部15(第1信号値マップ生成部)、第1容量分布補正部16(第2信号値マップ生成部)、第2容量分布記憶部17、タッチ認識部18、および入力位置計算部19を備えている。
タッチパネルコントローラ1は、タッチパネル10と接続されている。また、タッチパネルコントローラ1は、タッチセンサシステム100の外部に設けられたホスト装置110と接続されている。
(ドライバ11)
ドライバ11は、符号系列に基づき、ドライブラインHL1〜HLnを駆動する。ドライブラインL1〜HLnが駆動されることにより、静電容量C1,1〜Cm,nが、タッチパネル10において、それぞれ形成される。
(センスアンプ12)
センスアンプ12は、電圧信号としての線形和信号を、センスラインVL1〜VLmからアナログ信号として読み出す。線形和信号とは、ドライバ11がドライブラインHL1〜HLnを駆動することによって形成された、静電容量C1,1〜Cm,nに対応する電圧の線形和として示される信号である。ここでは、(m×n)個の静電容量C1,1〜Cm,nに対応するm個の線形和信号Y1〜Ymが、アナログ信号として読み出される。
そして、センスアンプ12は、アナログ信号としての線形和信号Y1〜Ymを、AD変換器13に与える。
(AD変換器13)
AD変換器13は、センスアンプ12から与えられた、アナログ信号としての線形和信号Y1〜YmにAD変換を施す。そして、AD変換器13は、デジタル化された線形和信号Y1〜Ymを、第1容量分布計算部15に与える。
線形和信号Y1〜Ymが、デジタル信号として、AD変換器13から第1容量分布計算部15へ与えられることにより、第1容量分布計算部15による、タッチパネル10に形成された静電容量C1,1〜Cm,nの分布を計算するための各種演算が容易化される。
(タイミングジェネレータ14)
タイミングジェネレータ14は、ドライバ11、センスアンプ12、およびAD変換器13のそれぞれの動作を規定する制御信号を生成し、ドライバ11、センスアンプ12、およびAD変換器13にそれぞれ与える。
(第1容量分布計算部15)
第1容量分布計算部15は、AD変換器13から与えられた、デジタル化された線形和信号Y1〜Ymに基づき、タッチパネル10における静電容量C1,1〜Cm,nの分布を示す第1静電容量マップを計算する。そして、第1容量分布計算部15は、第1静電容量マップを、第1容量分布補正部16に与える。
なお、第1静電容量マップにおける各静電容量C1,1〜Cm,nの値は、m行n列の行列(マトリクス)Cの各成分として表される。すなわち、行列Cのx行y列目の成分をC[x][y]とすれば、C[x][y]=Cx,yである。
また、以降では、静電容量Cx,yが形成されているタッチパネル10の位置を示す座標を、第1静電容量マップ上の座標(x,y)として表す。
(第1容量分布補正部16)
第1容量分布補正部16は、第1容量分布計算部15から与えられた第1静電容量マップに対して、外的要因に起因する静電容量の分布の変化を排除するための補正計算を行う。そして、第1容量分布補正部16は、上述の補正計算の結果として、第2静電容量マップを生成する。
第1容量分布補正部16は、第2静電容量マップを、第2容量分布記憶部17に与える。なお、第1容量分布補正部16の詳細な構成、および第1容量分布補正部16における補正計算の処理の詳細については、後述する。
(第2容量分布記憶部17)
第2容量分布記憶部17は、第1容量分布補正部16から与えられた第2静電容量マップを記憶する。第2容量分布記憶部17において記録された第2静電容量マップは、タッチ認識部18によって読み出される。
(タッチ認識部18)
タッチ認識部18は、第2容量分布記憶部17から、第2静電容量マップを読み出す。続いて、タッチ認識部18は、第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたか否かを判定する。
そして、タッチ認識部18は、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたと判定した場合に、第2静電容量マップを、入力位置計算部19に与える。
(入力位置計算部19)
入力位置計算部19は、タッチ認識部18から与えられた第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対する入力が与えられた位置を示す、入力位置の座標を計算する。そして、入力位置計算部19は、入力位置の座標を、タッチセンサシステム100の外部に設けられたホスト装置110に与える。
(ホスト装置110)
ホスト装置110は、タッチセンサシステム100の外部に設けられたプロセッサであり、入力位置計算部19から与えられた入力位置の座標に基づき、アプリケーションソフトの処理を実行する。
(第1容量分布補正部16の構成)
以下、図2を参照して、第1容量分布補正部16の構成について説明する。図2は、第1容量分布補正部16の詳細な構成を示す機能ブロック図である。第1容量分布補正部16は、領域設定部161、平均値算出部162、傾斜算出部163、および補正計算部164を備えている。
(領域設定部161)
領域設定部161は、第1容量分布計算部15から第1静電容量マップを与えられる。そして、領域設定部161は、第1静電容量マップ上における1点を、着目点として特定する。以降、第1静電容量マップ上の着目点を、座標(X,Y)として表す。着目点(X,Y)は、例えば、第1静電容量マップにおける極大値が存在する位置(または、極大値が存在する位置の付近の点)を示す座標として特定されてよい。
続いて、領域設定部161は、第1静電容量マップに対する補正計算を行うべき領域Aを設定するために、4つの外的要因エリアパラメータU、D、L、Rを用いる。外的要因エリアパラメータU、D、L、Rは、いずれも1以上の整数である。
図3は、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値を例示する表である。本実施形態では、図3に示されているように、U=D=L=R=3の場合を想定し、説明を行う。なお、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値は、タッチセンサシステム100の製造時点において、あらかじめ定められた固定の値であってもよいが、ホスト装置110によって変更可能な値であることが好ましい。
領域設定部161は、着目点(X,Y)に対して、4つの点(X−L,Y−D)、(X−L,Y+U)、(X+R,Y−D)、(X+R,Y+U)を特定する。そして、領域設定部161は、4つの点(X−L,Y−D)、(X−L,Y+U)、(X+R,Y−D)、(X+R,Y+U)をそれぞれ頂点とする矩形によって表される領域を、第1静電容量マップに対する補正計算が行われる領域Aとして設定する。領域設定部161は、第1静電容量マップに加え、着目点(X,Y)の座標、および領域Aを示す情報を、平均値算出部162に与える。
図4は、第1静電容量マップにおける着目点(X,Y)および領域Aを例示する図である。ここでは、U=D=L=R=3であり、領域Aの4つの頂点は、(X−3,Y−3)、(X−3,Y+3)、(X+3,Y−3)、(X+3,Y+3)として、それぞれ表される。
(平均値算出部162)
平均値算出部162は、領域設定部161から、第1静電容量マップに加え、着目点(X,Y)の座標、および領域Aを示す情報を取得する。
図5は、第1静電容量マップおよび領域Aを例示する図である。ここで、図5に示された第1静電容量マップを、第1静電容量マップMAP1と呼称する。第1静電容量マップMAP1は、10行8列の行列として表されている。
第1静電容量マップMAP1において、静電容量の極大値「10032」が、5行5列目に格納されている。従って、領域設定部161において、着目点(X,Y)=(5,5)として、第1静電容量マップMAP1における着目点の座標が特定されている。なお、ここでは、着目点(5,5)は、タッチ入力に起因する静電容量が存在する位置を想定している。
そして、U=D=L=R=3であるから、領域設定部161において、領域Aは、第1静電容量マップMAP1における4つの点(2,2)、(2,8)、(8,2)、(8,8)を頂点としてそれぞれ有する矩形として設定されている。従って、領域Aは、7行7列の行列によって表すことができる。以降、領域Aにおける静電容量の分布を示す行列を、行列C1と呼称する。
なお、領域Aにおける静電容量の分布を示す行列C1と、第1静電容量マップMAP1における静電容量の分布を示す行列Cとの間の関係は、以下の式
C1[i][j]=C[i+X][j+Y]
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)
によって表される。
すなわち、第1静電容量マップMAP1における着目点(X,Y)を基準位置として、領域Aにおける原点(0,0)が設定されている。従って、領域Aにおいて、4つの頂点の座標は、(−3,−3)、(−3,3)、(3,−3)、(3,3)として表される。
図6は、領域Aにおける平均値算出部162および傾斜算出部163の動作を例示する図である。はじめに、図6を参照し、平均値算出部162の動作について説明する。
平均値算出部162は、領域Aの全体における静電容量の平均値Cmを、以下の式(1)により計算する。
Cm=(行列C1の全成分の和)/(行列C1の全成分数) …(1)
図6に示された領域Aの場合、平均値算出部162は、式(1)を適用することにより、Cm=3609を算出する。
次に、平均値算出部162は、(i)領域Aの最上辺(最上行)における静電容量の平均値Cu、(ii)領域Aの最下辺(最下行)における静電容量の平均値Cd、(iii)領域Aの最左辺(最左行)における静電容量の平均値Cl、(iv)領域Aの最右辺(最右行)における静電容量の平均値Crを、以下の式(2)〜(5)により、それぞれ計算する。
Cu=(行列C1の最上辺の成分の和)/(行列C1の最上辺の成分数) …(2)
Cd=(行列C1の最下辺の成分の和)/(行列C1の最下辺の成分数) …(3)
Cl=(行列C1の最左辺の成分の和)/(行列C1の最左辺の成分数) …(4)
Cr=(行列C1の最右辺の成分の和)/(行列C1の最右辺の成分数) …(5)
図6に示された領域Aの場合、平均値算出部162は、式(2)〜(5)をそれぞれ適用することにより、Cu=1333、Cd=4218、Cl=1064、Cr=4513を算出する。
そして、平均値算出部162は、第1静電容量マップMAP1、着目点(X,Y)の座標、および領域Aを示す情報に加え、Cm、Cu、Cd、Cl、Crの値を、傾斜算出部163へ与える。
(傾斜算出部163)

傾斜算出部163は、領域設定部161から取得したCm、Cu、Cd、Cl、Crの値を用いて、上下傾斜αおよび左右傾斜βを、以下の式(6)および(7)により、それぞれ計算する。
α=(Cu−Cd)/(U+D) …(6)
β=(Cl−Cr)/(L+R) …(7)
図6に示された領域Aの場合、傾斜算出部163は、式(6)および(7)をそれぞれ適用することにより、α=−480、β=−574を算出する。上下傾斜αは、領域Aにおける上下方向の静電容量値の変化量を表している。また、左右傾斜βは、領域Aにおける左右方向の静電容量値の変化量を表している。
そして、傾斜算出部163は、第1静電容量マップMAP1、着目点(X,Y)の座標、領域Aを示す情報、Cm、Cu、Cd、Cl、Crの値に加え、αおよびβの値を、補正計算部164へ与える。
(補正計算部164)
補正計算部164は、以下の式(8)により、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分を計算する。
C2[i][j]=C1[i][j]−Cm+j×α+i×β
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)…(8)
そして、補正計算部164は、式(8)によりC2[i][j]の全ての成分を計算した後に、行列C2によって表される静電容量の分布を示す、第2静電容量マップMAP2を生成する。
式(8)の右辺第2項および右辺第3項は、領域A内の点(i,j)が、原点(0,0)(すなわち、第1静電容量マップMAP1における着目点(X,Y))から遠ざかるにつれて、行列C[i][j]に対して、より大きい量の補正が行われることを示している。
式(8)の右辺第3項に係るjは、上下位置補正係数とも称される。上下位置補正係数は、原点(0,0)において0である。そして、上下位置補正係数は、点(i,j)の位置が、原点(0,0)から上方向(下方向)に1ずつ離れるごとに、その値が1ずつ減少(増加)する。
また、式(8)の右辺第4項に係るiは、左右位置補正係数とも称される。左右位置補正係数は、原点(0,0)において0である。そして、左右位置補正係数は、点(i,j)の位置が、原点(0,0)から左方向(右方向)に1ずつ離れるごとに、その値が1ずつ減少(増加)する。
図7の(a)は、式(8)の右辺第1項における行列C1を示している。行列C1の各成分C[i][j]は、領域Aにおける、補正前の静電容量の値といえる。図7の(b)は、式(8)の左辺第1項における行列C2を示している。行列C2の各成分C2[i][j]は、領域Aにおける、補正後の静電容量の値といえる。従って、第2静電容量マップMAP2は、領域Aにおける、補正後の静電容量の分布を表している。
図8の(a)は、領域Aにおける静電容量分布を例示する三次元のグラフである。図8の(a)では、タッチパネル10が撓んでいることにより、静電容量の浮き上がりが生じている場合が例示されている。
図8の(b)は、第2静電容量マップMAP2を例示するグラフである。図8の(b)では、図8の(a)において生じていた静電容量の浮き上がりが、有効に抑制されていることが示されている。
補正計算部164は、第2静電容量マップMAP2を、第2容量分布記憶部17に与える。そして、上述したように、タッチパネルコントローラ1において、第2静電容量マップMAP2を用いて、入力位置の座標が算出される。
図9および図10は、本実施形態の補正の有効性を示す図である。図9の(a)には、第1静電容量マップMAP1における着目点として、(X,Y)=(5,6)が選択された場合が例示されている。この場合、U=D=L=R=3であるから、第1静電容量マップMAP1における4つの点(2,3)、(2,9)、(8,3)、(8,9)を頂点としてそれぞれ有する矩形として、領域Aqが設定される。領域Aqにおける静電容量の分布を示す行列を、行列Cqと呼称する。行列Cqにおいて、Cu=2239、Cd=4130、Cl=1290、Cr=5207、α=−315、β=−653である。
図9の(b)には、領域Aqにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2qが示されている。行列C2qによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2qと呼称する。
図10の(a)は、領域Aqにおける静電容量分布を例示する三次元のグラフである。図10の(a)においても、図8の(a)と同様に、タッチパネル10が撓んでいることにより、静電容量の浮き上がりが生じている場合が例示されている。
図10の(b)は、第2静電容量マップMAP2qを例示するグラフである。図10の(b)においても、図8の(b)と同様に、静電容量の浮き上がりが有効に抑制されていることが示されている。
また、図11の(a)には、第1静電容量マップMAP1における着目点として、(X,Y)=(4,4)が選択された場合が例示されている。この場合、U=D=L=R=3であるから、第1静電容量マップMAP1における4つの点(1,1)、(1,7)、(7,1)、(7,7)を頂点としてそれぞれ有する矩形として、領域Arが設定される。領域Arにおける静電容量の分布を示す行列を、行列Crと呼称する。行列Crにおいて、Cu=578、Cd=3826、Cl=572、Cr=3453、α=−541、β=−480である。
図11の(b)には、領域Arにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2rが示されている。行列C2rによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2rと呼称する。
図12の(a)は、領域Arにおける静電容量分布を例示する三次元のグラフである。図12の(a)においても、図8の(a)と同様に、タッチパネル10が撓んでいることにより、静電容量の浮き上がりが生じている場合が例示されている。
図12の(b)は、第2静電容量マップMAP2rを例示するグラフである。図12の(b)においても、図8の(b)と同様に、静電容量の浮き上がりが有効に抑制されていることが示されている。
(タッチセンサシステム100における入力位置の座標を算出する処理の流れ)

以下、図13を参照して、タッチセンサシステム100における入力位置の座標を算出する処理の流れについて説明する。図13は、タッチセンサシステム100における入力位置の座標を算出する処理の流れを例示するフローチャートである。
はじめに、タッチセンサシステム100を起動させるために、タッチセンサシステム100の電源を投入する(処理S1)。続いて、第1容量分布補正部16は、外的要因容量補正値を初期化する(処理S2)。
ドライバ11は、ドライブラインHL1〜HLnを駆動する(処理S3)。続いて、センスアンプ12は、センスラインVL1〜VLmから、タッチパネル10において形成された、(m×n)個の静電容量C1,1〜Cm,nに対応する、m個の線形和信号Y1〜Ymをアナログ信号として読み出し、AD変換器13に与える。
AD変換器13は、アナログ信号としての線形和信号Y1〜Ymに対して、AD変換を行い、デジタル化された線形和信号Y1〜Ymを、第1容量分布計算部15に与える(処理S4)。
第1容量分布計算部15は、デジタル化された線形和信号Y1〜Ymに基づき、タッチパネル10における静電容量の分布を示す第1静電容量マップを計算する(処理S5)。続いて、第1容量分布計算部15は、第1静電容量マップを、第1容量分布補正部16に与える。
第1容量分布補正部16は、第1静電容量マップにおいて、補正計算を行うべき領域Aを設定する。そして、領域A内の静電容量に対する補正計算に用いる各種パラメータ(上述のCm、Cu、Cd、Cl、Cr、α、β)を計算する(処理S6)。
続いて、第1容量分布補正部16は、領域A内の各静電容量に対して、上述の式(8)による補正計算を行う(処理S7)。なお、処理S6およびS7の詳細については、図14を参照し後述する。
そして、第1容量分布補正部16は、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S6およびS7が行われたか否かを確認する(処理S8)。第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S6およびS7が行われていない場合には(処理S8においてNO)、処理S6に戻り、第1容量分布補正部16における処理S6およびS7が繰り返される。
そして、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S6およびS7が行われることにより(処理S8においてYES)、第1容量分布補正部16において、第2静電容量マップが生成される(処理S9)。第2静電容量マップは、第2容量分布記憶部17を介して、タッチ認識部18に与えられる。
タッチ認識部18は、第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたか否かを判定する。そして、タッチ認識部18は、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたと判定した場合に、第2静電容量マップを、入力位置計算部19に与える。
入力位置計算部19は、タッチ認識部18から与えられた第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対する入力が与えられた位置を示す、入力位置の座標を計算する(処理S10)。そして、入力位置計算部19は、入力位置の座標を、タッチセンサシステム100の外部に設けられたホスト装置110に与える(処理S11)。
上述の処理S1〜S11によって、タッチセンサシステム100における入力位置の座標が算出され、ホスト装置110に与えられる。そして、処理S11の終了後は、処理S3に戻り、タッチセンサシステム100の電源が投入されている期間に亘り、処理S3〜処理S11が繰り返される。
(第1容量分布補正部16における静電容量値を補正する処理の流れ)
図14は、図13に示された、第1容量分布補正部16における処理S6およびS7(すなわち、第1静電容量マップ上の各静電容量値を補正する処理)の詳細を例示するフローチャートである。以下、第1容量分布補正部16が備える各部の処理の流れについて、説明する。
領域設定部161は、第1静電容量マップ上における1点を、着目点(X,Y)として特定する。そして、領域設定部161は、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値を用いて、第1静電容量マップに対する補正計算が行われる領域A(図4および図5を参照)を設定する(処理S21)。
続いて、平均値算出部162は、(i)領域Aの全体における静電容量の平均値Cmを、式(1)により計算(処理S22)し、(ii)領域Aの最上辺における静電容量の平均値Cuを、式(2)により計算し(処理S23)、(iii)領域Aの最下辺における静電容量の平均値Cdを、式(3)により計算し(処理S24)、(iv)領域Aの最左辺における静電容量の平均値Clを、式(4)により計算し(処理S25)、(v)領域Aの最右辺における静電容量の平均値Crを、式(5)により計算する(処理S26)(図6を参照)。
なお、Cm、Cu、Cd、Cl、Crの値をそれぞれ計算するための処理S22〜処理S26の順序は、これに限らず、適宜変更されてよい。例えば、処理S26→処理S25→処理S24→処理S23→処理S22という順序であってもよい。
続いて、傾斜算出部163は、(i)上下傾斜αを、式(6)により計算し(処理S27)、(ii)左右傾斜βを、式(7)により計算する(処理S28)(図6を参照)。なお、処理S27および処理S28の順序は、これに限らない。従って、処理S28→処理S27という順序によって、上下傾斜αおよび左右傾斜βの値を計算してもよい。
続いて、式(8)におけるC2[i][j]を計算するためのループ条件が、補正計算部164において設定される。すなわち、for(i=−L、i≦R、i++)、かつ、for(j=−U、−j≦D、j++)として、ループ条件が設定される。そして、ループ条件が満たされているi、jの範囲において、処理S30が行われる(処理S29)。
補正計算部164は、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分C2[i][j]を、式(8)により計算する(処理S30)。i、jに関するループ条件が満たされている場合(S29においてYES)、処理S30が繰り返し実行される。
そして、全てのi、jに対して処理S30が行われ、i、jに関するループ条件が満たされなくなると(S29においてNO)、行列C2の全ての成分C2[i][j]が計算される。続いて、図13の処理S8以降の処理が実行される。
(タッチセンサシステム100における補正の有効性)
以下、図15〜図20を参照し、本実施形態のタッチセンサシステム100における、式(8)を用いた補正の有効性について示す。
図15の(a)は、第1静電容量マップMAP1pを例示する図である。第1静電容量マップMAP1pでは、静電容量の極大値「18523」が、7行7列目に格納されており、第1静電容量マップMAP1pにおける着目点の座標は、(X,Y)=(7,7)である。また、第1静電容量マップMAP1pにおける4つの点(4,4)、(4,10)、(10,4)、(10,10)を頂点としてそれぞれ有する矩形として、領域Apが設定される。
ここで、第1静電容量マップMAP1pにおける静電容量の分布を示す行列を、行列Cpと呼称し、また、領域Apにおける静電容量の分布を示す行列を、行列Cp1と呼称する。図15の(b)は、領域Apにおける静電容量分布を例示する三次元のグラフである。以下、領域Apにおける種々の補正計算について説明する。
図16は、第1静電容量マップMAP1p内の全体の静電容量の平均値Cmaを用いた補正を例示する図である。図16に示されている補正は、全体的なオフセットを行う補正といえる。図16の(a)は、図15の(a)と同様の図であり、補正計算が行われる前の静電容量CpおよびCp1が示されている。
そして、図16の(b)には、領域Apにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2paが示されている。行列C2paによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2paと呼称する。
図16の(b)における、補正後の静電容量の分布を示す行列C2paの各成分は、以下の式(9)によって計算されている。
C2pa[i][j]=Cp1[i][j]−Cma
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)…(9)
なお、図16において、Cma=12232である。
図17は、領域Ap内の全体の静電容量の平均値Cmを用いた補正を例示する図である。図17に示されている補正は、部分的なオフセットを行う補正といえる。図17の(a)は、図15の(a)と同様の図であり、補正計算が行われる前の静電容量CpおよびCp1が示されている。
そして、図17の(b)には、領域Apにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2pbが示されている。行列C2pbによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2pbと呼称する。
図17の(b)における、補正後の静電容量の分布を示す行列C2pbの各成分は、以下の式(10)によって計算されている。
C2pb[i][j]=Cp1[i][j]−Cm
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)…(10)
なお、図17において、Cm=13985である。
図18は、領域Ap内の全体の静電容量の平均値Cm、および上下傾斜αを用いた補正を例示する図である。図18に示されている補正は、部分的なオフセットに加えて、タッチパネル10のドライブ方向に着目したオフセットを行う補正といえる。図18の(a)は、図15の(a)と同様の図であり、補正計算が行われる前の静電容量CpおよびCp1が示されている。
そして、図18の(b)には、領域Apにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2pcが示されている。行列C2pcによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2pcと呼称する。
図18の(b)における、補正後の静電容量の分布を示す行列C2pcの各成分は、以下の式(11)によって計算されている。
C2pc[i][j]=Cp1[i][j]−Cm+j×α
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)…(11)
なお、図18において、Cm=13985、α=−932である。
他方、図19は、式(8)による補正、すなわち、領域Ap内の全体の静電容量の平均値Cm、上下傾斜α、および左右傾斜βを用いた補正を例示する図である。図19の(a)は、図15の(a)と同様の図であり、補正計算が行われる前の静電容量CpおよびCp1が示されている。
そして、図19の(b)には、領域Apにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2pが示されている。行列C2pによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2pと呼称する。図19の(b)における、補正後の静電容量の分布を示す行列C2pの各成分は、上述の式(8)によって計算されている。なお、図19において、Cm=13985、α=−932、β=−1077である。
図20は、上述のそれぞれの補正の効果を対比するための図である。図20の(a)には、第2静電容量マップMAP2paが、図20の(b)には、第2静電容量マップMAP2pbが、図20の(c)には、第2静電容量マップMAP2pcが、図20の(d)には、第2静電容量マップMAP2pが、静電容量分布を表す三次元のグラフとして例示されている。
図20の(d)を参照すると、図15の(b)に示された静電容量分布は、特に、式(8)による補正によって、静電容量の浮き上がりが抑制されており、ピークが区別しやすい分布となっている。従って、式(8)による補正によって、静電容量分布が最も有効に補正されているといえる。
一般的に、タッチパネル10に撓みが生じた場合の静電容量の変化の範囲は、タッチパネル10に指またはペンによるタッチ入力が行われた場合の静電容量の変化の範囲に比べて、さらに広いと考えられる。
従って、タッチパネル10にタッチ入力が行われた場合の静電容量の変化の範囲に比べてさらに広い範囲が、補正を行うべき領域Aとして設定されるように、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値を好適に選択することにより、式(8)による補正が、特に有効であると理解される。
式(8)による補正によれば、タッチパネル10のタッチ入力が行われたことによって生じた静電容量の変化の範囲りもさらに広い、タッチパネル10に撓みが生じた場合の静電容量の変化の範囲に対して、静電容量の値を補正することができる。従って、タッチパネル10の撓みに起因する静電容量の変化を打ち消し、かつ、タッチパネル10へのタッチ入力に起因する静電容量の変化を保持することができる。
なお、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値は、比較的小さい値とすることが好ましい。これは、領域Aをより狭い範囲とすることにより、補正計算の精度がより向上することが期待されるためである。
従って、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの値は、領域Aの広さが、タッチパネル10にタッチ入力が行われた場合の静電容量の変化の範囲を内包する最小限の広さとなるように、選択されることが好ましい。U=D=L=R=3は、外的要因エリアパラメータU、D、L、Rの好適な値の一例である。
なお、一般的に、タッチパネル10が電磁波等のノイズに暴露された場合の静電容量の変化の範囲は、タッチパネル10に指またはペンによるタッチ入力が行われた場合の静電容量の変化の範囲に比べて、さらに狭いと想定されている。従って、式(8)による補正は、タッチパネルの撓みに起因する静電容量の変化に対する補正計算として、特に有効であると言える。
図21は、第1静電容量マップMAP1pにおいて、図19と異なる着目点を用いた場合における、補正計算の結果を例示する図である。図21の(a)は、第1静電容量マップMAP1pを例示する図である。ここでは、第1静電容量マップMAP1pにおける着目点の座標として、(X,Y)=(4,6)が選択された場合を考える。図21の(a)における着目点には、静電容量値として、「8462」が格納されている。
図21の(a)では、第1静電容量マップMAP1pにおける4つの点(1,3)、(1,9)、(7,3)、(7,9)を頂点としてそれぞれ有する矩形として、領域Apxが設定される。ここで、領域Apxにおける静電容量の分布を表す行列を、行列Cpx1と呼称する。
図21の(b)は、行列Cpx1に対して、式(8)による補正計算が施された結果として生成された、補正後の行列C2pxを例示している。なお、図21において、Cm=8809、α=−1088、β=−1800である。行列C2pxによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2pxと呼称する。
図21の(c)は、第2静電容量マップMAP2pxを例示している。第2静電容量マップMAP2pxにおける静電容量分布のピークは、点(3,1)(すなわち、第1静電容量マップMAP1pにおける点(7,7)に対応する位置)に存在していることが示されている。従って、第2静電容量マップMAP2pxにおける点(0,0)は、入力位置ではないとして判断される。
また、図22は、第1静電容量マップMAP1pにおいて、図19と異なる着目点を用いた場合における、補正計算の結果を例示する図である。図22の(a)は、第1静電容量マップMAP1pを例示する図である。ここでは、第1静電容量マップMAP1pにおける着目点の座標として、(X,Y)=(10,10)が選択された場合を考える。図22の(a)における着目点には、静電容量値として、「18138」が格納されている。
図22の(a)では、第1静電容量マップMAP1pにおける4つの点(7,7)、(7,13)、(13,7)、(13,13)を頂点としてそれぞれ有する矩形として、領域Apyが設定される。ここで、領域Apyにおける静電容量の分布を表す行列を、行列Cpy1と呼称する。
図22の(b)は、行列Cpy1に対して、式(8)による補正計算が施された結果として生成された、補正後の行列C2pyを例示している。なお、図22において、Cm=18550、α=−526、β=−594である。行列C2pyによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2pyと呼称する。
図22の(c)は、第2静電容量マップMAP2pyを例示している。第2静電容量マップMAP2pyにおける静電容量分布のピークは、点(−3,−3)(すなわち、第1静電容量マップMAP1pにおける点(7,7)に対応する位置)に存在していることが示されている。従って、第2静電容量マップMAP2pにおける点(0,0)は、入力位置ではないとして判断される。
それゆえ、図19、図21、および図22を参照すれば、式(8)による補正計算によって、極大値「18523」が存在している、第1静電容量マップMAP1pの点は、入力位置ではないとして判断されることが理解される。
特に、図20および図22を参照すれば、本実施形態の補正方法を用いることにより、静電容量分布のピーク値と近い値が存在している点が、入力位置として誤って判定されることを抑制することが可能であることが理解される。
(タッチセンサシステム100の効果)
本実施形態のタッチセンサシステム100によれば、図8の(b)、図10の(b)、図12の(b)、および図20の(d)に示されるように、タッチパネル10の撓みに起因する静電容量の浮き上がりが抑制された、第2静電容量マップ(例えば、第2静電容量マップMAP2)が得られる。
そして、例えば、第2静電容量マップMAP2を用いて、入力位置の座標を算出することにより、タッチパネルが動的に撓んでいる場合であっても、入力位置を精度よく検出することができるという効果を奏する。
また、タッチセンサシステム100において、第1容量分布補正部16は、第1静電容量マップMAP1を表す行列Cの各成分に対応する、(m×n)個の第2信号値マップをそれぞれ生成する。従って、第1容量分布補正部16により、タッチパネル10に分布している(m×n)個の信号値のそれぞれに対応する第2信号値マップが生成される。
このため、タッチパネル10における複数の位置に、それぞれ入力が与えられた場合においても、各入力位置の付近において、個別に補正計算を行うことが可能となるという効果を奏する。
なお、一般的に、タッチパネル10において、ドライブラインHL1〜HLnの間隔、およびセンスラインVL1〜VLmの間隔は、指またはペンのサイズに比べて十分に小さい。従って、タッチパネル10の複数の位置における入力操作が、同一の静電容量Cm,nに対応付けられることはないと言える。それゆえ、本実施形態のタッチセンサシステム100は、上述のように、各入力位置の付近において、個別に補正計算を行うことができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図23〜図30に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(タッチセンサシステム200の構成)

図23は、本実施形態のタッチセンサシステム200の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のタッチセンサシステム200は、(i)実施形態1のタッチセンサシステム100が備えるタッチパネルコントローラ1を、タッチパネルコントローラ2によって置き換え、かつ、(ii)実施形態1のタッチパネルコントローラ1が備える第1容量分布補正部16を、第1容量分布補正部26(第2信号値マップ生成部)によって置き換えることにより得られる構成である。
なお、本実施形態のタッチセンサシステム200が有するその他の部材は、実施形態1のタッチセンサシステム100が有する各部材と同様であるため、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(第1容量分布補正部26の構成)
図24は、第1容量分布補正部26の詳細な構成を示す機能ブロック図である。第1容量分布補正部26は、領域設定部161、平均値算出部162、傾斜算出部163、補正計算部164、および倍率設定部265を備えている。従って、本実施形態の第1容量分布補正部26は、実施形態1の第1容量分布補正部16に、倍率設定部265を付加した構成であると言える。
(倍率設定部265)
倍率設定部265は、補正倍率Kを用いて、Cm、α、βの値を修正する機能を有する。なお、補正倍率Kの値は、タッチセンサシステム200の製造時点において、あらかじめ定められた固定の値であってもよいが、ホスト装置110によって変更可能な値であることが好ましい。
第1容量分布補正部26の処理の開始に先立ち、倍率設定部265における倍率設定を行うか否かが、あらかじめ設定される。この設定は、ホスト装置110を介して、ユーザが任意に行うことができる。以降、倍率設定部265における倍率設定が行われる場合の動作について説明する。
倍率設定部265は、設定された補正倍率Kの値を用いて、以下の式(12)〜(14)によって、Cm、αf、βfをそれぞれ計算する。
Cmf=K×Cm …(12)
αf=K×α …(13)
βf=K×β …(14)
ここで、Cmfを修正平均値、αfを修正上下傾斜、βfを修正左右傾斜とそれぞれ呼称する。
倍率設定部265は、修正平均値Cmf、修正上下傾斜αf、修正左右傾斜βfの値を、補正計算部164に与える。この場合、補正計算部164は、以下の式(15)により、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分を計算する。
C2[i][j]=C1[i][j]−Cmf+j×αf+i×βf
=C1[i][j]−K×(Cm+j×α+i×β)
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)…(15)
式(15)の右辺第2項〜第4項は、式(8)の右辺第2項〜右辺第4項を、K倍したものである。従って、補正倍率Kは、静電容量の補正量を調整するパラメータであると言える。

なお、倍率設定部265における倍率設定が行われないように設定されている場合には、倍率設定部265は、K=1として処理を行う。すなわち、倍率設定部265は、Cmf=C、αf=α、βf=βの値を、補正計算部164に与える。この場合、補正計算部164は、実施形態1と同様に、式(8)により、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分を計算する。
図25〜図28は、本実施形態の補正を例示する図である。図25は、補正倍率K=1.2とした場合の補正を例示する図である。図25の(a)は、図7の(a)と同様の図であり、領域Aにおいて補正計算が行われる前の静電容量C1が示されている。そして、図25の(b)には、領域Aにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2faが示されている。行列C2faによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2faと呼称する。
図26は、補正倍率K=1.1とした場合の補正を例示する図である。図26の(a)は、図7の(a)と同様の図であり、領域Aにおいて補正計算が行われる前の静電容量C1が示されている。そして、図26の(b)には、領域Aにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2fbが示されている。行列C2fbによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2fbと呼称する。
図27は、補正倍率K=0.9とした場合の補正を例示する図である。図27の(a)は、図7の(a)と同様の図であり、領域Aにおいて補正計算が行われる前の静電容量C1が示されている。そして、図27の(b)には、領域Aにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2fcが示されている。行列C2fcによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2fcと呼称する。
図28は、補正倍率K=0.8とした場合の補正を例示する図である。図28の(a)は、図7の(a)と同様の図であり、領域Aにおいて補正計算が行われる前の静電容量C1が示されている。そして、図28の(b)には、領域Aにおける補正計算の結果として得られた、補正後の静電容量C2fdが示されている。行列C2fdによって示される静電容量の分布を示す静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2fdと呼称する。
図29は、上述のそれぞれの補正の効果を示す図である。図29の(a)には、第2静電容量マップMAP2faが、図29の(b)には、第2静電容量マップMAP2fbが、図29の(c)には、第2静電容量マップMAP2fcが、図29の(d)には、第2静電容量マップMAP2fdが、静電容量分布を表す三次元のグラフとして例示されている。
(第1容量分布補正部26における静電容量値を補正する処理の流れ)
本実施形態のタッチセンサシステム200の処理の全体的な流れは、実施形態1のタッチセンサシステム100の場合と同様に、図13によって表される。
ここでは、図30を用いて、第1容量分布補正部26における処理S6およびS7(すなわち、第1静電容量マップ上の各静電容量値を補正する処理)の流れについて説明する。図30は、第1容量分布補正部26が備える各部の処理の流れを例示するフローチャートである。図30には、処理S41〜S53が示されている。
なお、図30の処理S41〜S48は、図14の処理S21〜S28と同様である。また、図30の処理S52は、図14の処理S29と同様である。従って、処理S49〜S51、および処理S53についてのみ説明する。
倍率設定部265は、倍率設定を行うか否かを確認する(処理S49)。倍率設定が行われる場合(S49においてYES)、倍率設定部265は、設定された補正倍率Kの値(例えば、K=1.2)を用いて、修正平均値Cmf、修正上下傾斜αf、修正左右傾斜βfを計算する。そして、倍率設定部265は、修正平均値Cmf=K×Cm、修正上下傾斜αf=K×α、修正左右傾斜βf=K×βの値を、補正計算部164に与える(処理S50)。
他方、倍率設定が行われない場合(S49においてNO)、倍率設定部265は、補正倍率Kの値として、K=1を適用する。そして、倍率設定部265は、修正平均値Cmf=Cm、修正上下傾斜αf=α、修正左右傾斜βf=βの値を、補正計算部164に与える(処理S51)。
そして、補正計算部164は、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分C2[i][j]を、式(15)により計算する(処理S53)。i、jに関するループ条件が満たされている場合(S52においてYES)、処理S53が繰り返し実行される。
全てのi、jに対して処理S53が行われ、i、jに関するループ条件が満たされなくなると(S52においてNO)、行列C2の全ての成分C2[i][j]が計算される。続いて、図13の処理S9以降の処理が実行される。
(タッチセンサシステム200の効果)
本実施形態のタッチセンサシステム200によれば、図29に示されているように、補正倍率Kの値に応じて、静電容量の補正量を調整することができるという効果を奏する。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図31〜図35に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(タッチセンサシステム300の構成)
図31は、本実施形態のタッチセンサシステム300の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のタッチセンサシステム300は、(i)実施形態1のタッチセンサシステム100が備えるタッチパネルコントローラ1を、タッチパネルコントローラ3によって置き換え、かつ、(ii)実施形態1のタッチパネルコントローラ1が備える第1容量分布補正部16を、第1容量分布補正部36(第2信号値マップ生成部)によって置き換えることにより得られる構成である。
なお、本実施形態のタッチセンサシステム300が有するその他の部材は、実施形態1のタッチセンサシステム100が有する各部材と同様であるため、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(第1容量分布補正部36の構成)
図32は、第1容量分布補正部36の詳細な構成を示す機能ブロック図である。第1容量分布補正部36は、領域設定部161、平均値算出部162、傾斜算出部163、補正計算部164、および補正要否判定部365を備えている。従って、本実施形態の第1容量分布補正部36は、実施形態1の第1容量分布補正部16に、補正要否判定部365を付加した構成であると言える。
(補正要否判定部365)
補正要否判定部365は、領域Aにおける静電容量の分布を示す行列C1の各成分C1[i][j]の値と、判定値Vとの大小を比較する。なお、判定値V、タッチセンサシステム300の製造時点において、あらかじめ定められた固定の値であってもよいが、ホスト装置110によって変更可能な値であることが好ましい。
補正要否判定部365は、行列C1の各成分C1[i][j]が、以下の補正候補条件
C1[i][j]>V …(補正候補条件)
を満たしているか否かを判定する。
そして、補正要否判定部365は、行列C1の各成分C1[i][j]が、補正候補条件を満たしているか否かを示す補正要否情報を生成し、補正計算部164へ与える。
補正計算部164は、補正要否情報を参照し、補正候補条件を満たすC1[i][j]についてのみ、式(8)により、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の各成分C2[i][j]を計算する。
(第1容量分布補正部36における静電容量値を補正する処理の流れ)
本実施形態のタッチセンサシステム300の処理の全体的な流れは、実施形態1のタッチセンサシステム100の場合と同様に、図13によって表される。
ここでは、図33を用いて、第1容量分布補正部36における処理S6およびS7(すなわち、第1静電容量マップ上の各静電容量値を補正する処理)の流れについて説明する。図33は、第1容量分布補正部36が備える各部の処理の流れを例示するフローチャートである。図33には、処理S61〜S71が示されている。
なお、図33の処理S61〜S69は、図14の処理S21〜S29と同様である。従って、処理S70およびS71についてのみ説明する。
補正要否判定部365は、行列C1の各成分C1[i][j]が、補正候補条件を満たすか否かを判定する。そして、補正要否判定部365は、行列C1の各成分C1[i][j]が、補正候補条件を満たしているか否かを示す補正要否情報を、補正計算部164へ与える(処理S70)。
なお、図32では、補正要否判定部365が、補正計算部164の直前に設けられる構成が例示されているが、補正要否判定部365は、領域設定部161の直前に設けられる構成であってもよい。
補正要否判定部365を、領域設定部161の直前に設ける構成とした場合、処理S70を処理S61の直前に行うことができる。従って、行列C1の成分C1[i][j]に対する補正計算を行う必要が無い場合に、静電容量値の各平均値を算出する処理(S62〜S66)、ならびに、上下傾斜および左右傾斜を算出する処理(S67〜S68)を省略することができる。
行列C1の成分C1[i][j]が、補正候補条件を満たしている場合(S70においてYES)、補正計算部164は、式(8)により、補正後の静電容量の分布を示す行列C2の成分C2[i][j]を計算する(処理S71)。
処理S69〜S71によれば、行列C1の成分C1[i][j]の値が判定値V以下の場合に、補正計算が行われない。このため、良好な補正計算の効果が得られないケース、または、判定値Vに近い行列C1の成分C1[i][j]の値に対して、いびつな補正計算が行われるケースが想定される。この問題は、処理S70の位置を変更することによって、解消することができる。
すなわち、本実施形態におけるメモリ削減のための方法としては、C1[i][j]>Vを満たす場合(つまり、補正候補条件を満たす場合)にのみ、領域Aの全ての点に対して補正計算を行い、行列C2を作成するとよい。
従って、C1[i][j]>Vを満たさない場合(つまり、補正候補条件を満たさない場合)には、領域Aの全ての点に対して補正計算が行われず、C2=C1となる。それゆえ、行列C2を保存するためのメモリ領域を準備する必要がなく、メモリ容量を削減することができる。
なお、C1[i][j]>Vを満たさない場合には、行列C1によって表される第1静電容量マップを用いて、タッチ認識部18以降の処理が行われる。
他方、行列C1の各成分C1[i][j]が、補正候補条件を満たしていない場合(S70においてNO)、処理S69に戻る。従って、補正計算部164における計算は行われない。そして、処理S69においてi、jの値が更新された後に、処理S70における補正候補条件の判定が行われる。
そして、i、jに関するループ条件が満たされている場合(S69においてYES)、処理S70が繰り返し実行される。
全てのi、jに対して処理S70が行われ、i、jに関するループ条件が満たされなくなると(S69においてNO)、補正候補条件を満たす行列C1の全ての成分C1[i][j]に対応する、補正後の行列C2の成分C2[i][j]が計算される。続いて、図13の処理S9以降の処理が実行される。
(タッチセンサシステム300の効果)
以下、図34および図35を用いて、本実施形態のタッチセンサシステム300の効果について説明する。
図34の(a)は、領域Asを例示する図である。ここで、領域Asにおける静電容量の分布を示す行列を、行列Cs1と呼称する。行列Cs1は、13行13列の行列であり、169(=13×13)個の成分を有している。
また、図34の(b)は、領域Asにおける静電容量分布を例示する三次元のグラフである。図34の(b)は、座標(0,0)において、タッチパネル10に対する入力操作が行われた場合を例示している。
タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力操作が行われた場合、指またはペンのタッチによって生じたと判断される、所定の閾値程度の静電容量の変化量に比べて、比較的小さい静電容量の変化量は、指またはペンのタッチに起因するものである可能性が低い。このため、タッチパネル10に対する入力を検出するためには、比較的大きい静電容量の値にのみ注目すればよいと言える。
例えば、タッチセンサシステム300において、判定値V=4000と設定されている場合を考える。この場合、図34の(a)に示されるように、行列Cs1において、Cs1[i][j]>4000(補正候補条件)を満たす成分の個数は、6個である。
従って、タッチセンサシステム300においては、行列Cs1の169個の成分のうち、補正候補条件を満たす6個の成分についてのみ、補正計算が行われる。従って、本実施形態のタッチセンサシステム300によれば、行列Cs1の全ての成分に対して補正計算を行っていた、実施形態1および2のタッチセンサシステム100および200に比べて、必要なメモリ容量を削減することができるという効果を奏する。
図35は、補正計算に必要なメモリ容量を例示する図である。いま、10行10列の行列として表される第1静電容量マップMAP1Aを考える。第1静電容量マップMAP1Aは、10×10=100個の成分(成分「A1」〜成分「10」)を有している。
ここで、第1静電容量マップMAP1Aから生成され得る第2静電容量マップの数は、第1静電容量マップMAP1Aの成分の個数と等しい数となる。
例えば、図35の場合、
第1静電容量マップMAP1Aの1行1列目の成分「A1」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A1、
第1静電容量マップMAP1Aの1行2列目の成分「B1」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A2、
…(中略)…
第1静電容量マップMAP1Aの1行列目の成分「H1」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A
第1静電容量マップMAP1Aの1行9列目の成分「I1」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A9、
第1静電容量マップMAP1Aの1行10列目の成分「J1」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A10、
第1静電容量マップMAP1Aの2行1列目の成分「A2」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A11、
…(中略)…
第1静電容量マップMAP1Aの10行10列目の成分「10」を着目点として生成される第2静電容量マップMAP2A100、
の、100個の第2静電容量マップが、第1静電容量マップMAP1Aから生成され得る。なお、第2静電容量マップMAP2A1〜MAP2A100のそれぞれは、7行7列の行列として表される。また、図35に示されているように、第2静電容量MAP2A1〜MAP2A100のマップのそれぞれは、部分的に重なっている。
静電容量の補正計算においては、複数の第2静電容量マップが生成される場合が想定されるので、第2静電容量マップを保存するために必要なメモリ容量は、第1静電容量マップを保存するために必要なメモリ容量に比べて、十分大きいといえる。
例えば、図35の場合、第1静電容量マップMAP1Aを保存するためには、100個の成分を保存するためのメモリ容量を確保すればよいが、第2静電容量マップMAP2A1〜MAP2A100を保存するためには、7×7×100=4900個の成分を保存するためのメモリ容量を確保する必要がある。従って、例えば実施形態1のタッチセンサシステム100において、第2静電容量マップを保存するためには、第1静電容量マップを保存するためのメモリ容量に比べて、49倍のメモリ容量を確保する必要がる。
それゆえ、本実施形態のタッチセンサシステム300は、第2静電容量マップを保存するために必要なメモリ容量を削減することができるという点において、有用である。
例えば、第2静電容量マップMAP2A1〜MAP2A100のそれぞれにおいて、補正候補条件を満たす成分の数が、全成分数の1/10であると仮定すると、本実施形態のタッチセンサシステム300において、第2静電容量マップMAP2A1〜MAP2A100を保存するためには、7×7×100×(1/10)=490個の成分を保存するためのメモリ容量が確保されていればよい。すなわち、第2静電容量マップを保存するために必要なメモリ容量を、実施形態1のタッチセンサシステム100の場合の1/10に削減することができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図36〜図37に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(タッチセンサシステム400の構成)
図36は、本実施形態のタッチセンサシステム400の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のタッチセンサシステム400は、(i)実施形態1のタッチセンサシステム100が備えるタッチパネルコントローラ1を、タッチパネルコントローラ4によって置き換えることにより得られる構成である。
また、本実施形態のタッチセンサシステム400が有する各部材は、実施形態1のタッチセンサシステム100が有する各部材と同様であるため、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
なお、本実施形態のタッチパネルコントローラ4は、実施形態1のタッチパネルコントローラ1と同様の構成であり、一部の処理の順序のみが異なる。従って、タッチセンサシステム400における処理の流れについて、以下に説明する。
(タッチセンサシステム400における入力位置の座標を算出する処理の流れ)
本実施形態のタッチセンサシステム400の処理の全体的な流れは、図37によって表される。図37は、タッチセンサシステム400における入力位置の座標を算出する処理の流れを例示するフローチャートである。図37には、処理S81〜S91が示されている。
なお、図37の処理S81〜S87は、図13の処理S1〜S7と同様であり、その順序もまた同様である。従って、処理S88〜S91についてのみ説明する。
領域A内の全ての静電容量に対して、処理S86およびS87が行われることにより、第2静電容量マップが生成される(処理S88)。第2静電容量マップは、第2容量分布記憶部17を介して、タッチ認識部18に与えられる。
続いて、タッチ認識部18は、第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたか否かを判定する。そして、タッチ認識部18は、タッチパネル10に対して、指またはペンのタッチによる入力が与えられたと判定した場合に、第2静電容量マップを、入力位置計算部19に与える。
入力位置計算部19は、タッチ認識部18から与えられた第2静電容量マップに基づき、タッチパネル10に対する入力が与えられた位置を示す、入力位置の座標を計算する(処理S89)。
そして、第1容量分布補正部16は、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S86〜S89が行われたか否かを確認する(処理S90)。第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S86〜S89が行われていない場合には(処理S90においてNO)、処理S86に戻り、第1容量分布補正部16における処理S86〜S89が繰り返される。
そして、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S86〜S89が行われた場合(処理S90においてYES)、入力位置計算部19は、入力位置の座標を、タッチセンサシステム400の外部に設けられたホスト装置110に与える(処理S91)。
処理S81〜S91によって、タッチセンサシステム400における入力位置の座標が算出され、ホスト装置110に与えられる。そして、処理S91の終了後は、処理S83に戻り、タッチセンサシステム400の電源が投入されている期間に亘り、処理S83〜処理S91が繰り返される。
(タッチセンサシステム400の効果)
実施形態1のタッチセンサシステム100は、処理S8のループ外において、第2静電容量マップに基づき、入力位置の座標を計算していた(図13の処理S10を参照)。他方、本実施形態のタッチセンサシステム400は、処理S90のループ内において、第2静電容量マップに基づき、入力位置の座標を計算している(図37の処理S89を参照)。
タッチセンサシステム400における処理の流れによれば、処理S89において第2静電容量マップが生成された直後に、入力位置の座標を計算することができる。従って、処理S90のループごとに、メモリに保存された第2静電容量マップを上書きすることが許容される。
従って、本実施形態のタッチセンサシステム400によれば、第2静電容量マップを上書きすることが許容されない、実施形態1〜3のタッチセンサシステム100〜300に比べて、必要なメモリ容量を削減することができるという効果を奏する。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図38〜図40に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(タッチセンサシステム500の構成)
図38は、本実施形態のタッチセンサシステム500の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のタッチセンサシステム500は、(i)実施形態1のタッチセンサシステム100が備えるタッチパネルコントローラ1を、タッチパネルコントローラ5によって置き換え、かつ、(ii)実施形態1のタッチパネルコントローラ1が備える第1容量分布補正部16を、第1容量分布補正部56(第2信号値マップ生成部)によって置き換えることにより得られる構成である。
なお、本実施形態のタッチセンサシステム500が有するその他の部材は、実施形態1のタッチセンサシステム100が有する各部材と同様であるため、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(第1容量分布補正部56の構成)
図39は、第1容量分布補正部56の詳細な構成を示す機能ブロック図である。第1容量分布補正部56は、領域設定部161、平均値算出部562、傾斜算出部563、および補正計算部164を備えている。従って、本実施形態の第1容量分布補正部56は、実施形態1の第1容量分布補正部16が備える平均値算出部162および傾斜算出部163を、平均値算出部562および傾斜算出部563によって、それぞれ置き換えることにより得られる構成である。
(平均値算出部562)
平均値算出部562は、領域Aの全体における静電容量の平均値Cmを、式(1)により計算する。この処理は、実施形態1の平均値算出部162と同様である。
平均値算出部562は、4つのパラメータKu、Kd、Kl、Krを用いて、以下の計算を行う。なお、Ku、Kd、Kl、Krの値は、タッチセンサシステム500の製造時点において、あらかじめ定められた固定の値であってもよいが、ホスト装置110によって変更可能な値であることが好ましい。
すなわち、平均値算出部562は、(i)領域Aの最上辺(最上行)からKu行における静電容量の平均値Cu、(ii)領域Aの最下辺(最下行)からKd行における静電容量の平均値Cd、(iii)領域Aの最左辺(最左)からKlにおける静電容量の平均値Cl、(iv)領域Aの最右辺(最右)からKrにおける静電容量の平均値Crを、以下の式(16)〜(19)により、それぞれ計算する。
Cu=(行列C1の最上辺からKu行の成分の和)/(行列C1の最上辺からKu行の成分数) …(16)
Cd=(行列C1の最下辺からKd行の成分の和)/(行列C1の最下辺からKd行の成分数) …(17)
Cl=(行列C1の最左辺からKlの成分の和)/(行列C1の最左辺からKlの成分数) …(18)
Cr=(行列C1の最右辺からKrの成分の和)/(行列C1の最右辺からKrの成分数) …(19)
なお、実施形態1の式(2)〜(5)は、式(16)〜(19)において、Ku=1、Kd=1、Kl=1、Kr=1と設定されている場合に相当する。
図40は、平均値算出部562および傾斜算出部563の処理を例示する図である。図40には、図6と同様の領域Aが示されている。
図40では、Ku=2、Kd=2、Kl=1、Kr=1の場合が示されている。この場合、平均値算出部562は、式(16)〜(19)をそれぞれ適用することにより、Cu=1786、Cd=4368、Cl=1064、Cr=4513を算出する。
(傾斜算出部563)
傾斜算出部563は、Cm、Cu、Cd、Cl、Crの値に加えて、4つのパラメータKu、Kd、Kl、Krを用いて、上下傾斜αおよび左右傾斜βを、以下の式(20)および(21)により、それぞれ計算する。
α=(Cu−Cd)/{(U−(Ku−1))+(D−(Kd−1))} …(20)
β=(Cl−Cr)/{(L−(Kl−1))+(R−(Kr−1))} …(21)
なお、実施形態1の式(6)および(7)は、式(20)〜(21)において、Ku=1、Kd=1、Kl=1、Kr=1と設定されている場合に相当する。
図40の場合、Ku=2、Kd=2、Kl=1、Kr=1であるから、傾斜算出部563は、式(20)および(21)をそれぞれ適用することにより、α=−645、β=−574を算出する。
(タッチセンサシステム500の効果)
本実施形態のタッチセンサシステム500は、領域Aの静電容量分布を示す行列C1の最外周の成分のみならず、最外周を含んだ複数周の成分を用いて、上下傾斜αおよび左右傾斜βを算出する。
従って、第1静電容量マップにおける静電容量値のSN比が低い場合等の、行列C1の最外周の成分の値の信頼性が低い場合にも、補正計算の精度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
〔実施形態6〕
本発明の他の実施形態について、図41〜図47に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(タッチセンサシステム600の構成)
図41は、本実施形態のタッチセンサシステム600の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のタッチセンサシステム600は、(i)実施形態1のタッチセンサシステム100が備えるタッチパネルコントローラ1を、タッチパネルコントローラ6によって置き換え、かつ、(ii)実施形態1のタッチパネルコントローラ1が備える第1容量分布補正部16を、第1容量分布補正部66(第2信号値マップ生成部)によって置き換えることにより得られる構成である。
なお、本実施形態のタッチセンサシステム600が有するその他の部材は、実施形態1のタッチセンサシステム100が有する各部材と同様であるため、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(第1容量分布補正部66の構成)
図42は、第1容量分布補正部66の詳細な構成を示す機能ブロック図である。第1容量分布補正部66は、領域設定部161、平均値算出部162、傾斜算出部163、補正計算部164に加えて、差分計算部665および積分計算部666を備えている。従って、本実施形態の第1容量分布補正部66は、実施形態1の第1容量分布補正部16に、差分計算部665および積分計算部666を付加することにより得られる構成である。
(差分計算および積分計算について)
差分計算部665は、静電容量分布を示す行列に対して、差分計算を行う。他方、積分計算部666は、静電容量分布を示す行列に対して、積分計算を行う。はじめに、差分計算部665および積分計算部666の動作の説明に先立ち、差分計算および積分計算について、図43を参照して説明する。
図43は、差分計算および積分計算を例示する図である。図43の(a)には、図5と同様の第1静電容量マップMAP1の静電容量分布を表す行列Cが示されている。
図43の(b)には、行列Cに対して差分計算を行うことによって生成された行列Cdifが示されている。以降、行列Cdifを、差分行列と呼称する。ここで、行列Cから差分行列Cdifを生成するための差分計算は、以下の式(22)によって行われる。
Cdif[i][j]=C[i][j]−C[i−1][j] …(22)
なお、式(22)の差分計算は、微分計算と称されてもよい。
図43の(c)には、行列Cdifに対して積分計算を行うことによって生成された行列Cintが示されている。以降、行列Cintを、積分行列と呼称する。ここで、行列Cdifから積分行列Cintを生成するための分計算は、以下の式(23)によって行われる。
Cint[i][j]=Cint[i−1][j]Cdif[i][j] …(23)
図43の(a)および(c)により、積分行列Cintは、行列Cと同一の行列であることが示されている。従って、式(22)の差分計算と、式(23)の積分計算とは、互いに逆演算の関係にあると言える。それゆえ、式(23)の積分計算は、式(22)による差分計算の結果として得られた差分行列Cdifを、元の行列Cに復元するための処理であると考えてもよい。
(差分計算部665)
差分計算部665は、第1容量分布計算部15から、第1静電容量マップMAP1を取得する。そして、差分計算部665は、第1静電容量マップにおける静電容量の分布を表す行列C1の各成分C1[i][j]に対して、差分計算を施す。すなわち、差分計算部665は、式(22)によって、行列C1から、差分行列C1difを生成する。
差分計算部665は、差分行列C1difを領域設定部161に与える。以降、領域設定部161から補正計算部164までを通じて、差分行列C1difに対する補正計算が行われる。以降、差分行列C1difに対して、式(8)による補正計算によって生成される行列を、行列C2difと呼称する。そして、行列C2difに対応する静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2difと呼称する。
図44には、図5の領域Aにおける静電容量の分布を表す行列C1に対して、第1容量分布補正部66による処理が行われる場合が例示されている。
図44の(a)には、領域Aにおける差分行列C1difが、図44の(b)には、第2静電容量マップMAP2difにおける行列C2difが、それぞれ例示されている。なお、図44の(a)に示された差分行列C1difにおいて、Cu=542、Cd=−300、Cl=279、Cr=716、Cm=489、α=140、β=−72である。
(積分計算部666)
積分計算部666は、差分計算部665において差分計算が施された静電容量の分布を、復元するために設けられている。
積分計算部666は、補正計算部164から、行列C2difおよび第2静電容量マップMAP2difを与えられる。そして、積分計算部666は、式(23)によって、行列C2difから、積分行列C2Iを生成する。ここで、積分行列C2Iに対応する静電容量マップを、第2静電容量マップMAP2Iと呼称する。
図44の(c)には、第2静電容量マップMAP2Iにおける積分行列C2Iが、図44の(d)には、第2静電容量マップMAP2Iにおける静電容量分布を表す三次元のグラフが、それぞれ例示されている。図44の(d)によれば、上述の実施形態1〜5と同様に、静電容量が有効に補正されていることが示されている。
(タッチセンサシステム600における入力位置の座標を算出する処理の流れ)
本実施形態のタッチセンサシステム600の処理の全体的な流れは、図45によって表される。図45は、タッチセンサシステム600における入力位置の座標を算出する処理の流れを例示するフローチャートである。図45には、処理S101〜S113が示されている。
なお、図45の処理S101〜S105、処理S107〜S108、および、処理S110〜S113は、図13の処理S1〜S5、処理S6〜S7、および処理S8〜S11とそれぞれ同様である。従って、図45の処理は、図13の処理に、処理S106およびS109を付加した処理であると言える。以下、処理S106およびS109、ならびに、その周辺の処理についてのみ説明する。
差分計算部665は、式(22)によって、第1静電容量マップにおける静電容量の分布を表す行列C1から、差分行列C1difを生成する(処理S106)。
続いて、処理S107およびS108を通じて、式(8)による、差分行列C1difに対する補正計算が行われ、行列C2difが生成される。
積分計算部666は、式(23)によって、行列C2difから、積分行列C2Iを生成する(処理S109)。
そして、第1容量分布補正部66は、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S106〜S109が行われたか否かを確認する(処理S110)。第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S106〜S109が行われていない場合には(処理S110においてNO)、処理S106に戻り、第1容量分布補正部66における処理S106〜S109が繰り返される。
そして、第1静電容量マップ内の全ての静電容量に対して、処理S106〜S109が行われた場合(処理S110においてYES)、第1容量分布補正部66において、第2静電容量マップが生成される(処理S111)。
以降、処理S111〜S113が、図13の処理S9〜S11と同様に行われ、タッチセンサシステム600における入力位置の座標が算出され、ホスト装置110に与えられる。そして、処理S113の終了後は、処理S103に戻り、タッチセンサシステム600の電源が投入されている期間に亘り、処理S103〜処理S113が繰り返される。
(タッチセンサシステム600の効果)
以下、図46および図47を用いて、本実施形態のタッチセンサシステム600の効果について説明する。
図46は、領域Aにおける補正前の静電容量の分布(すなわち、行列C1を表す分布)、実施形態1の補正計算によって得られた補正後の静電容量の分布(すなわち、行列C2を表す分布)、および、本実施形態の補正計算によって得られた補正後の静電容量の分布(すなわち、行列C2Iを表す分布)が、一次元のグラフとして例示されている。図44には、本実施形態の補正計算によって、実施形態1の補正計算よりも、さらに静電容量分布のばらつきが有効に抑制されていることが示されている。
図47は、本実施形態の補正計算である、差分行列を用いた補正計算の有効性を説明するための図である。図47の(a)には、静電容量の分布を示す行列としての行列Cが例示されている。また、図47の(b)には、行列Cから生成された差分行列Cdifが例示されている。
図47によれば、差分行列Cdifは、行列Cに比べて、静電容量分布における静電容量値の変化の度合いを、さらに詳細に表していることが理解される。従って、差分行列Cdifによれば、行列Cに比べて、(i)負の値が存在する領域、(ii)0付近の値が存在する領域、および、(iii)正の値が存在する領域を、より明確に区分することができる。
それゆえ、差分行列Cdifによれば、(i)負の値が存在する領域、(ii)0付近の値が存在する領域、および、(iii)正の値が存在する領域において、それぞれ個別に補正計算を施すことができるため、行列Cに対して補正計算を施す場合よりも、さらに高精度な補正計算が行われる。
また、差分行列Cdifの各成分の大きさ(絶対値)は、行列Cの各成分の大きさ(絶対値)に比べて、より小さいことが一般的である。従って、差分行列Cdifに対する補正計算を行うことにより、行列Cに対する補正計算を行う場合に比べて、補正計算において生じる誤差が、より小さくなることが期待される。
それゆえ、本実施形態の補正計算が、実施形態1の補正計算に比べて、さらに有効な補正計算であることは、一般的な傾向であるとして考えることができる。
また、本実施形態のタッチセンサシステム600によれば、キャリブレーション(校正)が施された静電容量値についても、補正計算を行うことができる。ここで、キャリブレーションとは、静的な状態(例えば、タッチパネルが筐体に組み込まれた状態)における静電容量の値を基準値として、(i)タッチセンサシステムにおいて検出された静電容量と、(ii)基準値との差の値を、算出する処理を意味する。
〔変形例〕
なお、実施形態1〜6では、静電容量方式のタッチパネルとしてのタッチパネル10を想定して説明を行っているが、本発明は、静電容量方式のタッチパネルに限定されない。本発明は、タッチパネルに設けられたセンサ(例えば、センスラインVL1〜VLm)からの信号値をマトリクス状に読み取ることが可能な他の方式のタッチパネル(例えば、マトリクス状に分布した複数の電気抵抗値を読み取ることが可能な抵抗膜式のタッチパネル)に適用してもよい。
なお、実施形態6において、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムは、キャリブレーションが施された静電容量値に対する補正計算を行うことが可能であることが示されている。本発明の一態様に係るタッチセンサシステムは、キャリブレーションに限らず、その他の信号処理(例えば、静電容量値に一定のオフセット値を加算する処理)が施された静電容量値に対する補正計算を行うことも可能である。
〔実施形態7〕
本発明の他の実施形態について、図48に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図48は、実施形態1に記載のタッチセンサシステム100を備えた電子機器の一例としての携帯電話機3000(電子機器)の構成を示す機能ブロック図である。
携帯電話機3000は、CPU(Central Processing Unit)310、カメラ313、マイクロフォン314、スピーカ315、操作部316、表示パネル318、表示制御回路309、ROM(Read Only Memory)311、RAM(Random Access Memory)312、およびタッチセンサシステム100を備えている。
携帯電話機3000が備える各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。なお、図48には示されていないが、携帯電話機3000が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェースを備える構成としてもよい。
CPU310は、携帯電話機3000の動作を制御する。CPU310は、たとえばROM311に格納されたプログラムを実行する。操作部316は、携帯電話機3000のユーザによる指示の入力を受け付ける入力デバイスであり、例えば各種の操作キーまたはボタンである。
ROM311は、EPROM(Erasable Programmable ROM)またはフラッシュメモリ等の書込みおよび消去が可能なROMであり、データを不揮発的に格納する。RAM312は、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作部316を介して入力されたデータを揮発的に格納する。
カメラ313は、ユーザによる操作部316の操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM312または外部メモリ(例えば、メモリカード)に格納される。
マイクロフォン314は、ユーザの音声の入力を受付ける。携帯電話機3000は、当該入力されたアナログデータとしての音声信号をデジタル化する。そして、携帯電話機3000は、通信対象(例えば、他の携帯電話機)に、デジタル化信号としての音声信号を送る。スピーカ315は、例えば、RAM312に記憶された音楽データ等に基づき、アナログ信号としての音声信号を出力する。
表示パネル318は、表示制御回路309により、ROM311、RAM312に格納されている画像を表示する。表示パネル318は、タッチパネル10に重ねられていてもよいし、または、タッチパネル10を内蔵していてもよい。なお、タッチパネルコントローラ1において生成されたタッチパネル10上のタッチ位置を示すタッチ認識信号に、操作部316が操作されたことを示す信号と同じ役割を持たせることもできる。
タッチセンサシステム100は、タッチパネルコントローラ1およびタッチパネル10を有している。タッチセンサシステム100の動作は、CPU310によって制御されている。
実施形態1のホスト装置110は、CPU310によって実現されてもよい。また、デジタル化された線形和信号に基づき、タッチパネル10に対する入力操作が行われた位置を検出する処理は、タッチパネルコントローラ1の外部に設けられたCPU310によって実行されてもよい。
すなわち、実施形態1においてタッチパネルコントローラ1が備えていた、第1容量分布計算部15、第1容量分布補正部16、第2容量分布記憶部17、タッチ認識部18、および入力位置計算部19は、CPU310に設けられてもよい。
この場合、タッチパネルコントローラ1は、デジタル化された線形和信号を、AD変換器13から、CPU310に設けられた第1容量分布計算部15に与える。
そして、CPU310は、第1容量分布計算部15、第1容量分布補正部16、第2容量分布記憶部17、タッチ認識部18、および入力位置計算部19のそれぞれにおいて、実施形態1と同様の処理を行う。
なお、実施形態1のタッチセンサシステム100に替えて、実施形態2〜6のタッチセンサシステム200〜600のいずれか1つを、携帯電話機3000に備えてもよい。
本実施形態において、タッチセンサシステム100を備えた電子機器の一例としての携帯電話機3000は、カメラ付き携帯電話機またはスマートフォン等であるが、タッチセンサシステム100を備えた電子機器はこれらに限定されない。例えば、タブレット等の携帯端末装置、または、PCモニタ、サイネージ、電子黒板、インフォメーションディスプレイ等の情報処理装置もまた、タッチセンサシステム100を備えた電子機器に含まれる。
〔実施形態8〕
携帯電話機3000の制御ブロック(特にCPU310)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、携帯電話機3000は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROMまたは記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM等を備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークまたは放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るタッチパネルコントローラ(1)は、m本のセンスライン(VL1〜VLm)とn本のドライブライン(HL1〜HLn)との交点に(mおよびnは、いずれも3以上の整数)、複数の信号値がマトリクス状に形成されたタッチパネル(10)における、上記信号値の分布を示す第1信号値マップ(例えば、第1静電容量マップMAP1)を出力する第1信号値マップ生成部(第1容量分布計算部15)と、上記信号値基づき、上記タッチパネルへの入力を検出するタッチ認識部(18)と、を備えたタッチパネルコントローラであって、上記タッチパネルコントローラは、上記第1信号値マップ内において、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる範囲よりも、さらに広い範囲である領域(A)を設定し、上記領域において、タッチパネルへの入力操作とは異なる外的要因に起因する信号値の変化を相殺する補正計算を行うことによって生成した第2信号値マップ(例えば、第2静電容量マップMAP2)を、上記タッチ認識部へ与える第2信号値マップ生成部(第1容量分布補正部)を、さらに備えている。
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラにおいて、第2信号値マップ生成部は、第1静電容量マップにおいて生成された第1信号値マップに対する補正計算を行う。
すなわち、第2信号値マップ生成部は、第1信号値マップ内における補正計算を行うべき領域Aとして、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる範囲よりも、さらに広い範囲を設定する。そして、領域Aにおいて、タッチパネルへの入力操作とは異なる外的要因に起因する信号値の変化を相殺する補正計算を行うことによって、第2信号値マップを生成する。
そして、タッチ認識部には、第2信号値マップ生成部から、第2信号値マップが与えられる。従って、タッチ認識部は、信号値の分布を示す第2信号値マップを用いて、タッチパネルへの入力を検出することができる。
従って、タッチパネルの撓み等による外的要因により、第1信号値マップが影響を受けている場合であっても、補正計算が施された第2信号値マップを用いることによって、外的要因の影響を排除し、タッチパネルへの入力を検出することが可能となる。
また、本発明の態様2に係るタッチパネルコントローラは、上記態様1において、上記領域は、矩形として表され、上記センスラインが配置された方向を上下方向とし、かつ、上記ドライブラインが配置された方向を左右方向として、上記第2信号値マップ生成部は、上記領域における上記信号値の平均値Cmと、上記領域における上下方向の上記信号値の変化量を表す上下傾斜αと、上記領域における左右方向の上記信号値の変化量を表す左右傾斜βと、を用いて補正計算を行ってもよい。
上記の構成によれば、第2信号値マップ生成部における補正計算は、矩形領域Aにおける信号値の平均値Cmに加え、上下傾斜αと、左右傾斜βとを用いて行われる。
従って、図20の(d)に示されるように、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる位置の近傍では、信号値が大きい値として保持される一方で、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる位置から離れた位置では、信号値が小さい値となるように、補正計算が行われる。それゆえ、外的要因の影響を有効に排除する補正計算が可能となる。
また、本発明の態様3に係るタッチパネルコントローラは、上記態様1または2において、上記第1信号値マップは、m行n列の行列Cによって表され、上記第2信号値マップ生成部は、領域設定部(161)と、平均値算出部(162)と、傾斜算出部(163)と、補正計算部(164)と、を備え、上記領域設定部は、上記行列CのX行Y列目(1<X<m、1<Y<n)の成分C[X][Y]に対応する上記第1信号値マップ上の点(X,Y)に対して、4つの点(X−L,Y−D)、(X−L,Y+U)、(X+R,Y−D)、(X+R,Y+U)を頂点とする矩形によって、上記領域を設定し(L、R、U、およびDは、いずれも1以上の整数)、上記平均値算出部は、上記領域における上記信号値の分布を示す(L+R+1)行(D+U+1)列の行列C1における、(i)全成分の平均値Cm、(ii)最上行からKu行の行方向の各成分の平均値Cu、(iii)最下からKdの行方向の各成分の平均値Cd、(iv)最左からKlの列方向の各成分の平均値Cl、(v)最右からKrの列方向の各成分の平均値Crを算出し(Ku、Kd、Kl、およびKrは、いずれも1以上の整数)、上記傾斜算出部は、
α=(Cu−Cd)/{(U−(Ku−1))+(D−(Kd−1))}
β=(Cl−Cr)/{(L−(Kl−1))+(R−(Kr−1))}
によって、上下傾斜αおよび左右傾斜βを算出し、
上記補正計算部は、
C2[i][j]=C1[i][j]−Cm+j×α+i×β
(但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)
によって、上記第2信号値マップを表す行列C2を算出してもよい。
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラにおいて、領域設定部は、第1信号値マップMAP1を表す行列CのX行Y列目(1<X<m、1<Y<)の成分C[X][Y]に対応する上記第1信号値マップMAP1上の点(X,Y)に対して、原点(0,0)とは異なる4つの点(X−L,Y−D)、(X−L,+U)、(X+R,Y−D)、(X+R,Y+U)を頂点とする矩形によって、領域Aを設定する。
ここで、L、R、U、およびDは、外的要因エリアパラメータと呼称され、いずれも1以上の整数である。これらの外的要因エリアパラメータは、領域Aが、タッチパネルに対する入力操作によって信号値の変化が生じる範囲よりも、さらに広い範囲となるように、適宜設定されることが好ましい。
平均値算出部は、領域Aにおける上記信号値の分布を示す(L+R+1)行(D+U+1)の行列C1において、上述の式(1)によって、平均値Cmを算出する。そして、平均値算出部は、上述の式(16)〜(19)によって、平均値Cu、Cd、Cl、およびCrを算出する。なお、特にKu=Kd=Kl=Kr=1の場合には、上述の式(2)〜(5)によって、平均値Cu、Cd、Cl、およびCrが算出される。
傾斜算出部は、上述の式(20)および式(21)によって、Cm、Cu、Cd、Cl、およびCrの値を用いて、上下傾斜αおよび左右傾斜βを算出する。なお、特にKu=Kd=Kl=Kr=1の場合には、上述の式(6)および(7)によって、上下傾斜αおよび左右傾斜βが算出される。
補正計算部は、上述の式(8)によって、第2信号値マップMAP2を表す行列C2を算出する。すなわち、補正計算部によって行列C1が補正された結果として、行列C2が得られる。
従って、タッチパネルの撓み等による外的要因により、第1信号値マップが影響を受けている場合であっても、補正計算が施された第2信号値マップを用いることによって、外的要因の影響を排除し、タッチパネルへの入力を検出することが可能となる。
また、本発明の態様4に係るタッチパネルコントローラは、上記態様3において、上記領域設定部は、上記第1信号値マップにおける極大値が存在する点の付近に、上記第1信号値マップ上の点(X,Y)を設定してもよい。
一般的に、タッチパネルへの入力が行われた位置の付近に、タッチパネルに分布している信号値の極大値が生じることが期待される。従って、上記の構成によれば、タッチパネルへの入力が行われた位置の付近における補正計算を行うことが可能となる。
また、本発明の態様5に係るタッチパネルコントローラは、上記態様4において、上記第2信号値マップ生成部は、上記行列Cの各成分に対応する、(m×n)個の上記第2信号値マップをそれぞれ生成してもよい。
上記の構成によれば、第2信号値マップ生成部により、タッチパネルに分布している(m×n)個の信号値のそれぞれに対応する第2信号値マップが生成される。従って、タッチパネルにおける複数の位置に、それぞれ入力が与えられた場合においても、各入力位置の付近において、個別に補正計算を行うことが可能となる。
また、本発明の態様6に係るタッチパネルコントローラは、上記態様3から5のいずれか1つにおいて、上記第2信号値マップ生成部は、倍率設定部(265)をさらに備え、上記倍率設定部は、上記平均値Cm、上記上下傾斜α、および上記左右傾斜βのそれぞれを、所定の補正倍率(K)を乗算した値に更新してもよい。
上記の構成によれば、補正計算部は、上述の式(15)によって、第2信号値マップMAP2を表す行列C2を算出する。従って、倍率設定部を設けることによって、補正倍率Kを用いて、信号値の補正量を調整することが可能となる。
また、本発明の態様7に係るタッチパネルコントローラは、上記態様3から6のいずれか1つにおいて、上記第2信号値マップ生成部は、補正要否判定部(365)をさらに備え、上記補正要否判定部は、上記行列C1において、所定の判定値(V)よりも大きい信号値を有する成分C1[i][j]を特定し、上記補正計算部は、上記補正要否判定部において特定された成分C1[i][j]に対して、上記行列C2の成分C2[i][j]を算出してもよい。
上記の構成によれば、補正計算部は、判定値Vよりも大きい信号値を有する成分C1[i][j]に対してのみ、上述の式(8)または式(15)による補正計算を行うことができる。
従って、タッチパネルへの入力が行われた場合に生じる信号値の大きさに比べて、十分小さい量を除外できる程度の値として、判定値V設定することにより、補正計算部における処理に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
また、本発明の態様8に係るタッチパネルコントローラは、上記態様3から7のいずれか1つにおいて、上記第2信号値マップ生成部は、差分計算部(665)をさらに備え、上記差分計算部は、上記第1信号値マップを表す上記行列Cに差分計算を施すことによって生成した差分行列(Cdif)を、上記領域設定部に与えてもよい。
上記の構成によれば、第2信号値マップ生成部は、第1信号値マップMAP1を表す行列Cから生成された差分行列Cdifに対する、補正計算を行うことができる。なお、差分計算部は、上述の式(22)に示された差分計算によって、行列Cから差分行列Cdifを生成する。
一般的に、差分行列Cdifは、行列Cに比べて静電容量分布における静電容量値の変化の度合いを、さらに詳細に表していると理解される。従って、差分行列Cdifに対する補正計算を行うことによって、行列Cに対する補正計算に比べて、さらに高精度な補正計算を行うことが可能となる。
また、本発明の態様9に係るタッチパネルコントローラは、上記態様8において、上記第2信号値マップ生成部は、積分計算部(666)をさらに備え、上記積分計算部は、上記差分行列を上記行列Cに復元するための積分計算を行ってもよい。
上記の構成によれば、積分計算部は、上記差分行列Cdifを上記行列Cに復元するための積分計算、すなわち、上述の式(23)に示された積分計算を行う。
従って、積分計算部を設けることによって、差分行列Cdifに対する補正計算の結果として得られた行列を、差分計算が施されていない行列Cと同様の補正後の行列として、復元することが可能となる。
また、本発明の態様10に係るタッチパネルコントローラは、上記態様1から9のいずれか1つにおいて、上記信号値が、静電容量値であってもよい。
上記の構成によれば、本発明を静電容量方式のタッチパネルに適用することが可能となる。
また、本発明の態様11に係るタッチセンサシステムは、上記態様1から10のいずれか1つに係るタッチパネルコントローラと、複数の信号値がマトリクス状に分布したタッチパネルと、を備えていてもよい。
また、本発明の態様12に係る電子機器は、上記態様11に係るタッチセンサシステムを含んでいてもよい。
また、上記態様12に係る電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器が備える各部として動作させることにより上記電子機器をコンピュータにて実現させる電子機器の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムは、マトリクス状に配置された複数のセンサからなるタッチパネルと、上記タッチパネルで検出した信号により、第1の容量分布を作成する容量分布計算部と、第1の容量分布から、上記タッチパネルに接触する物体の応力により発生する容量変化を補正して、第2の容量分布を作成する、容量分布補正部と、第2の容量分布を使用して、タッチ認識を行う、タッチ認識部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムは、マトリクス状に配置された複数のセンサからなるタッチパネルと、上記タッチパネルで検出した信号により、(m×n)の第1の容量分布を作成する容量分布計算部(m、nは、3以上の整数)と、第1の容量分布から着目点座標(X,Y)を選択し(X、Yは、1<X<m、かつ、1<Y<nの整数)、座標LD(X−L,Y−D)、LU(X−L,Y+U)、RU(X+R,Y+U)、RD(X+R,Y−U)により、外的要因エリアを選択し(U,D,L,Rは、1以上の整数)、上記外的要因エリアに含まれる全センサが計測する容量値の平均である領域平均値を算出し、上記外的要因エリアの最上行から上辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最下行から下辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最左列から左辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最右列から右辺平均値を算出し、
(上辺平均−下辺平均)/(U+D)により上下傾斜を算出し、
(左辺平均−右辺平均)/(L+R)により左右傾斜を算出し、
上記着目点を0とし、着目点からy方向に1つ離れると+1され、−y方向に1つ離れると−1される上下位置補正係数を設定し、上記着目点を0とし、着目点からx方向に1つ離れると+1され、−x方向に1つ離れると−1される左右位置補正係数を設定し、上記外的要因エリアの各座標点のセンサで測定された元の容量値に対して、
元の容量値+(上下傾斜×上下位置補正係数)+(左右傾斜×左右位置補正係数)−(領域全体の平均値)
により補正後の容量値を算出し、上記着目点に対する第2の容量分布を作成する、容量分布補正部と、第2の容量分布を使用して、タッチ認識を行う、タッチ認識部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムにおいて、上記容量分布補正部は、上記左右位置補正係数および上下位置補正係数に一定係数を乗算して、補正後の容量値を算出する。
また、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムにおいて、上記容量分布補正部は、上記外的要因エリアの最上行からK行にて上辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最下行からK行にて下辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最左列からK列にて左辺平均値を算出し、上記外的要因エリアの最右列からK列にて右辺平均値を算出し(Kは1以上の整数)、
(上辺平均−下辺平均)/{(U−(K−1))+(D−(K−1))}により上下傾斜を算出し、
(左辺平均-右辺平均)/{(L−(K−1))+(R−(K−1))}により左右傾斜を算出する。
また、本発明の一態様に係るタッチセンサシステムにおいて、第1の容量分布の値は、センサからの信号を加工した値である。
本発明は、タッチパネルコントローラ、ならびに、タッチパネルコントローラを備えたタッチセンサシステムおよび電子機器に利用することができる。
1,2,3,4,5,6 タッチパネルコントローラ
15 第1容量分布計算部(第1信号値マップ生成部)
16,26,36,56,66 第1容量分布補正部(第2信号値マップ生成部)
18 タッチ認識部
100,200,300,400,500,600 タッチセンサシステム
161 領域設定部
162,562 平均値算出部
163,563 傾斜算出部
164 補正計算部
265 倍率設定部
365 補正要否判定部
665 差分計算部
666 積分計算部
3000 携帯電話機(電子機器)
C1,1〜Cm,n 静電容量(信号値)
C、C1、C2 行列(静電容量分布を表す行列)
VL1〜VLm センスライン
n 整数(センスラインの本数を示す整数)
HL1〜HLn ドライブライン
m 整数(ドライブラインの本数を示す整数)
A 領域(補正計算を行うべき領域)
MAP1 第1静電容量マップ(第1信号値マップ)
MAP2 第2静電容量マップ(第2信号値マップ)
K 補正倍率
V 判定値
L,R,U,D 外的要因エリアパラメータ
α 上下傾斜
β 左右傾斜

Claims (5)

  1. m本のセンスラインとn本のドライブラインとの交点に(mおよびnは、いずれも3以上の整数)、複数の信号値がマトリクス状に形成されたタッチパネルにおける、上記信号値の分布を示す第1信号値マップを出力する第1信号値マップ生成部と、
    記タッチパネルへの入力を検出するタッチ認識部と、を備えたタッチパネルコントローラであって、
    上記タッチパネルコントローラは、
    上記第1信号値マップ内において、タッチパネルへの入力操作に起因する信号値の変化が生じる範囲よりも、さらに広い範囲である領域を設定し、
    上記領域において、タッチパネルへの入力操作とは異なる外的要因に起因する信号値の変化を相殺する補正計算を行うことによって生成した第2信号値マップを、上記タッチ認識部へ与える第2信号値マップ生成部を、さらに備え、
    上記領域は、矩形として表され、
    上記センスラインが配置された方向を上下方向とし、かつ、上記ドライブラインが配置された方向を左右方向として、
    上記第2信号値マップ生成部は、
    上記領域における上記信号値の平均値Cmと、
    上記領域における上下方向の上記信号値の変化量を表す上下傾斜αと、
    上記領域における左右方向の上記信号値の変化量を表す左右傾斜βと、を用いて補正計算を行い、
    上記タッチ認識部は、上記第2信号値マップに基づき、上記タッチパネルへの入力を検出することを特徴とするタッチパネルコントローラ。
  2. 上記第1信号値マップは、m行n列の行列Cによって表され、
    上記第2信号値マップ生成部は、領域設定部と、平均値算出部と、傾斜算出部と、補正計算部と、を備え、
    上記領域設定部は、上記行列CのX行Y列目(1<X<m、1<Y<n)の成分C[X][Y]に対応する上記第1信号値マップ上の点(X,Y)に対して、4つの点(X−L,Y−D)、(X−L,Y+U)、(X+R,Y−D)、(X+R,Y+U)を頂点とする矩形によって、上記領域を設定し(L、R、U、およびDは、いずれも1以上の整数)

    上記平均値算出部は、上記領域における上記信号値の分布を示す(L+R+1)行(D+U+1)列の行列C1における、(i)全成分の平均値Cm、(ii)最上行からKu行の行方向の各成分の平均値Cu、(iii)最下行からKd行の行方向の各成分の平均値Cd、(iv)最左からKlの列方向の各成分の平均値Cl、(v)最右からKrの列方向の各成分の平均値Crを算出し(Ku、Kd、Kl、およびKrは、いずれも1以上の整数)、
    上記傾斜算出部は、
    α=(Cu−Cd)/{(U−(Ku−1))+(D−(Kd−1))}
    β=(Cl−Cr)/{(L−(Kl−1))+(R−(Kr−1))}
    によって、上下傾斜αおよび左右傾斜βを算出し、
    上記補正計算部は、
    C2[i][j]=C1[i][j]−Cm+j×α+i×β
    (但し、−L≦i≦R、−U≦j≦D)
    によって、上記第2信号値マップを表す行列C2を算出することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
  3. 上記第2信号値マップ生成部は、差分計算部をさらに備え、
    上記差分計算部は、上記第1信号値マップを表す上記行列Cに差分計算を施すことによって生成した差分行列を、上記領域設定部に与えることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネルコントローラ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のタッチパネルコントローラと、
    複数の信号値がマトリクス状に分布したタッチパネルと、を備えていることを特徴とするタッチセンサシステム。
  5. 請求項4に記載のタッチセンサシステムを含んでいることを特徴とする電子機器。
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