以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る検証システム10は、図1に示すように、診療実績の登録を行う登録システム20、及び診療報酬の会計を行う会計システム30と、ネットワークを介して通信可能に構成されている。また、登録システム20と会計システム30とは、ネットワークを介して通信可能に構成されている。
登録システム20は、図1に示すように、会計システム30から入院中の患者の基本情報を受信する。医師等は、例えば、患者の傷病名情報、及び患者に対して投入された医療資源情報を登録システム20に登録する。なお、「医療資源」とは、患者に施される薬剤、手術、及びその他検査等の処置である。登録システム20は、登録された傷病名及び各医療資源情報に基づいて、患者の診断群分類情報及び診療録情報を生成する。登録システム20は、傷病名及び各医療資源情報、並びに診断群分類情報を会計システム30に送信し、診療録情報を検証システム10に送信する。ここで、「診断群分類」は、傷病等に基づいて患者毎に決定される分類であり、「DPC(Diagnosis Procedure Combination)」とも称される。「診療録情報」は、一般に「様式1ファイル」と称されるファイルに記憶される情報である。診療録情報の内容については、後で詳細に説明する。
会計システム30は、上述したように、患者の基本情報を登録システム20に送信し、登録システム20から、傷病名及び各医療資源情報、並びに診断群分類情報を受信する。会計システム30は、これらの情報に基づき、出来高レセプト情報及び包括レセプト情報を生成して検証システム10に送信する。また、会計システム30は、出来高レセプト情報及び包括レセプト情報に基づいて請求書を発行する。ここで、「出来高レセプト情報」は、一般に「EF統合ファイル」と称されるファイルに記憶される情報である。「包括レセプト情報」は、一般に「Dファイル」と称されるファイルに記憶される情報である。出来高レセプト情報及び包括レセプト情報の内容については、後で詳細に説明する。
検証システム10は、図1に示すように、登録システム20及び会計システム30と通信可能なサーバ1、及びサーバ1と通信可能な表示装置2を備えている。サーバ1は、記憶部11と、病院登録情報取得部12と、標準傷病推定部13と、個別傷病推定部14と、過去傷病取得部15と、分類付与部16と、を備えている。表示装置2は、表示部21を備えている。
記憶部11は、登録システム20から受信した診療録情報を記憶する。具体的には、記憶部11は、図2に示すように、診療録テーブルT1の形式で診療録情報を記憶する。診療録テーブルT1は、診療年月情報d01、病院等の施設を一意に識別するための施設コード情報d02、患者を一意に識別するためのデータ識別番号情報d03、及びこれらに対応づけられた傷病情報d04を格納している。特に図示しないが、診療録テーブルT1は、これらの情報以外にも、例えば、厚生労働省が定める解釈番号(KCD)情報や、手術名及びその回数等を含む手術情報等、一般に様式1ファイルに記憶される情報を格納している。
図2の例では、傷病情報d04は、複数の傷病名情報d04a、及び各傷病名情報d04aに対応づけられたICD情報d04bを含んでいる。傷病名情報d04aとしては、例えば、主たる傷病名(主傷病名)の情報、入院の契機となった傷病名(入院契機傷病名)の情報、最も多くの医療資源が投入された傷病名(資源最投傷病名)の情報、及び入院時においてこれらと併存していた傷病名(併存傷病名1及び2)の情報等が挙げられる。ここで、「ICD」は、傷病を一意に識別するコードであり、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類に準じて定められている。
記憶部11は、会計システム30から受信した出来高レセプト情報を記憶する。具体的には、記憶部11は、図3に示すように、出来高レセプトテーブルT2の形式で出来高レセプト情報を記憶する。出来高レセプトテーブルT2は、診療年月情報d01、施設コード情報d02、データ識別番号情報d03、及びこれらに対応づけられた診療行為情報d05を格納している。特に図示しないが、出来高レセプトテーブルT2は、これらの情報以外にも、一般にEF統合ファイルに記憶される情報を格納している。
図3の例では、診療行為情報d05は、明細番号情報d05a、データ区分情報d05b、RCD情報d05c、KCD情報d05d、診療明細名称情報d05e、明細金額情報d05f、行為回数d05g、及び実施年月日情報d05hを含んでいる。ここで、「データ区分」は、例えば、検査、薬剤、及び手術等の診療区分を表すものである。「RCD」は、レセプト電算処理システム用コードと称されるものであり、厚生労働省のレセプト電算処理システムに参加する医療機関が、審査支払機関に提出する磁気レセプトにおいて使用する9桁のコードである。なお、以下の説明では、明細金額情報d05fを点数情報d05fという。「点数」は、診療行為毎に定められた診療報酬点数である。
また、記憶部11は、会計システム30から受信した包括レセプト情報を記憶する。具体的には、記憶部11は、図4に示すように、包括レセプトテーブルT3の形式で包括レセプト情報を記憶する。包括レセプトテーブルT3は、診療年月情報d01、施設コード情報d02、データ識別番号情報d03、及びこれらに対応づけられた請求診断群分類情報d06を格納している。特に図示しないが、包括レセプトテーブルT3は、これらの情報以外にも、一般にDファイルに記憶される情報を格納している。
記憶部11は、患者の現在傷病情報及び過去傷病情報を記憶する。具体的には、記憶部11は、図5に示すように、傷病テーブルT4の形式で患者の現在傷病情報及び過去傷病情報を記憶する。傷病テーブルT4は、患者及び入院毎に付与される入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08を格納している。ここで、入院ID情報d07は、入院年月(YYMM)と任意の4桁の数字を組み合わせたコードで表されている。種別情報d08は、後述の傷病名情報d09の種別を表すコード情報であり、例えば、請求用の診断群分類の傷病には「0」、主傷病には「1」、入院契機傷病名には「2」、資源最投傷病名には「3」、資源2番目投傷病名には「4」、併存傷病名1及び2にはそれぞれ「6」及び「7」が割り当てられている。
また、傷病テーブルT4は、入院ID情報d07及び種別情報d08に対応づけられた傷病名情報d09と、傷病名情報d09に対応するICD情報d10と、ICD情報d10に対応する診断群分類(6桁)情報d11と、を格納している。傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11は、傷病テーブルT4に登録されるICD情報d10を検索条件として、後述する傷病−診断群分類マスタM4から取得された情報である。診断群分類(6桁)情報d11は、厚生労働省が定める14桁の診断群分類コードの先頭6桁の文字列である。
さらに、傷病テーブルT4は、傷病名情報d09に対応する金額情報d12を格納している。金額情報d12には、薬剤の金額情報d12a、手術の金額情報d12b、及びその他の処置の金額情報d12cが含まれる。
傷病テーブルT4は、診療報酬請求の対象となっている患者の現在の傷病情報だけでなく、過去に入院した際の傷病情報も格納している。図5に示す例では、入院ID情報d07が「12090029」であるレコード群r41は、患者の現在の傷病情報であり、入院ID情報d07が「12060028」であるレコード群r42は、過去に入院した際の傷病情報である。なお、本実施形態において、現在傷病情報には、レコード群r41の傷病名情報d09及びICD情報d10が含まれ、過去傷病情報には、レコード群r42の傷病名情報d09及びICD情報d10が含まれる。
記憶部11は、患者の入院情報を記憶している。具体的には、図6に示すように、記憶部11は、入院テーブルT5の形式で傷病情報を記憶している。この入院テーブルT5は、入院ID情報d07、診療年月情報d01、データ識別番号d03、入院年月日情報d13、退院年月日情報d14、及び包括レセプトテーブルT3と同一の請求診断群分類情報d06を格納している。
入院テーブルT5は、現在の入院情報だけでなく、過去の入院情報も格納している。図6に示す例では、入院ID情報d07が「12090029」であるレコードr51は、患者の現在の入院情報であり、入院ID情報d07が「12060028」であるレコードr52は、同じ患者の過去の入院情報である。
記憶部11は、各診療行為に対応づけられた傷病情報を記憶する。具体的には、図7〜図9に示すように、記憶部11は、薬剤用傷病マスタM1、手術用傷病マスタM2、及び処置用傷病マスタM3の形式で、各診療行為に対応づけられた標準傷病情報及び個別傷病情報を記憶している。
薬剤用傷病マスタM1は、図7に示すように、薬剤用のRCD情報d15と、RCD情報d15に対応づけられたICD情報d10、診断群分類(6桁)情報d11、及び設定区分情報d16と、を格納している。設定区分情報d16は、各レコードが、一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)等によって標準化された規則に準じて設定されたものであるか、病院によって独自に設定されたものであるかを示す区分である。図7に示す例では、標準化された規則に準じて設定されたレコードの場合、設定区分情報d16を「標準」に設定し、病院によって独自に設定されたレコードの場合、設定区分情報d16を「病院」に設定している。なお、「RCD」は各診療行為に対応づけて定められているため、各傷病マスタM1〜M3において、ICD情報d10をRCD情報d15に対応づけることにより、傷病情報であるICD情報d10が診療行為に対応づけられる。
手術用傷病マスタM2は、図8に示すように、手術用のRCD情報d15と、RCD情報d15に対応づけられたICD情報d10、診断群分類(6桁)情報d11、及び設定区分情報d16と、を格納している。
処置用傷病マスタM3は、図9に示すように、処置用のRCD情報d15と、RCD情報d15に対応づけられたICD情報d10、診断群分類(6桁)情報d11、及び設定区分情報d16と、を格納している。
なお、図7〜図9の各傷病マスタM1〜M3において、設定区分情報d16が「標準」に設定されたレコードは、標準傷病情報に含まれ、設定区分情報d16が「病院」に設定されたレコードは、個別傷病情報に含まれる。
また、記憶部11は、各傷病に対応づけられた診断群分類情報を記憶する。具体的には、図10に示すように、記憶部11は、傷病−診断群分類マスタM4の形式で診断群分類情報を記憶している。この傷病−診断群分類マスタM4は、ICD情報d10と、ICD情報d10に対応づけられた傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11と、を格納している。
図1に戻って、サーバ1の各機能の説明を続ける。病院登録情報取得部12は、表示装置2から検証対象の患者の情報を受信した際、入院テーブルT5から、検証対象の患者に対応する請求診断群分類情報d06を取得する。また、病院登録情報取得部12は、傷病テーブルT4から、検証対象の患者に対応するICD情報d10を取得し、このICD情報d10に基づいて診断群分類情報を付与する。病院登録情報取得部12の処理については、後で詳しく説明する。
標準傷病推定部13は、薬剤用傷病マスタM1、手術用傷病マスタM2、及び処置用傷病マスタM3と出来高レセプトテーブルT2とをRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「標準」に設定され、且つ検証対象の患者に対応する情報を取得する。標準傷病推定部13は、取得した情報に基づいて標準推定傷病情報を生成し、これを傷病テーブルT4及び後述の傷病推定テーブルT6に登録する。標準傷病推定部13の処理については、後で詳しく説明する。
個別傷病推定部14は、薬剤用傷病マスタM1、手術用傷病マスタM2、及び処置用傷病マスタM3と出来高レセプトテーブルT2とをRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「病院」に設定され、且つ検証対象の患者に対応する情報を取得する。個別傷病推定部14は、取得した情報に基づいて個別推定傷病情報を生成し、これを傷病テーブルT4及び後述の傷病推定テーブルT6に登録する。個別傷病推定部14の処理については、後で詳しく説明する。
過去傷病取得部15は、検証対象の患者について、傷病テーブルT4から過去傷病情報を取得する。また、過去傷病取得部15は、検証対象の患者について、傷病テーブルT4から現在傷病情報を取得するとともに、入院テーブルT5から請求診断群分類情報d06を取得する。過去傷病取得部15は、現在の傷病情報の中に過去傷病情報が含まれていない場合、過去傷病情報に対して診断群分類情報を付与する。過去傷病取得部15は、請求診断群分類情報d06及び過去傷病情報の診断群分類情報に基づき、過去の傷病が現在の傷病の副傷病となり得るかどうかを判断する。過去傷病取得部15の処理については、後で詳しく説明する。
表示部21は、現在傷病情報、各推定傷病情報、及び現在の傷病の副傷病となり得る過去傷病情報を表示する。分類付与部16は、ユーザが表示部21上で推定傷病情報を選択した際、選択された推定傷病情報に対して診断群分類情報を付与する。また、分類付与部16は、現在傷病情報及びこれの副傷病候補である過去傷病情報をユーザが表示部21上で選択した際、選択された過去傷病情報を現在傷病情報の副傷病とした場合における診断群分類の付与を行う。分類付与部16の処理については、後で詳しく説明する。
次に、上述のように構成された検証システム10における処理、及び検証システム10を用いた診断群分類の検証方法について説明する。
図11及び図12に示すように、検証システム10を用いて診断群分類の検証を行う場合、ユーザは、表示装置2において、検証対象の患者の一覧画面SC1を起動して表示部21に表示させる(ステップS01)。ユーザは、一覧画面SC1において、リストボックスl11を用いて検索対象期間の開始日を選択し、リストボックスl12を用いて検索対象期間の終了日を選択する。また、ユーザは、必要に応じて、検索条件フィールドf12に表示されている期間以外の検索条件を変更する。具体的には、ユーザは、検索条件設定ボタンb12を押下することによって、検索条件を変更するための画面(図示省略)を起動し、この画面上で検索対象とする病棟、診療科、及び患者の種別等を入力する。その後、ユーザが患者検索ボタンb11を押下すると、指定した検索条件に合致する患者の情報が対象患者フィールドf12に一覧表示され、対象患者フィールドf12に表示された患者の情報の件数が件数フィールドf13に表示される。
次に、ユーザは、一覧画面SC1上で診断群分類の検証を行いたい患者を選択する(ステップS02)。具体的には、対象患者フィールドf12内のチェックボックスc11をチェックすることで検証対象の患者を選択し、検証ボタンb13を押下する。対象患者フィールドf12において、以前検証を行った患者については、「済」の文字が表示されているが、再度選択することが可能である。なお、全選択ボタンb14を押下すると、対象患者フィールドf12に表示されている患者全てについてチェックボックスc11がチェックされ、選択クリアボタンb15を押下すると、全てのチェックボックスc11のチェックが解除される。
一覧画面SC1において検証ボタンb13が押下されると、表示装置2は、サーバ1に対し、検証対象の患者の情報を送信する。送信される患者の情報には、入院ID情報及びデータ識別番号情報が含まれている。なお、一覧画面SC1の対象患者フィールドf12において、各患者の入院ID情報は、図12に示すように非表示であってもよいが、表示されていてもよい。
サーバ1の病院登録情報取得部12は、表示装置2から検証対象の患者の情報を受信すると、その患者について既に検証を行っているか否かを判断する(ステップS03)。その患者について検証を行ったことがない場合、病院登録情報取得部12、標準傷病推定部13及び14、並びに過去傷病取得部15によって、ステップS04〜ステップS07の処理が行われる。その患者について既に検証が行われている場合、ステップS04〜ステップS07の処理は行われず、ステップS08の処理が行われる。なお、検証済みか否かの判断の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ある患者について検証を行った時点でその患者のデータを傷病推定テーブルT6とは別の分析テーブル(図示省略)に登録するように検証システム10を構成すれば、検証対象の患者の入院ID情報に対応するデータが分析テーブルに存在する場合、その患者については既に検証を行ったと判断することができる。
検証対象とされた患者について検証を行ったことがない場合、病院登録情報取得部12は、入院テーブルT5(図6)から、検証対象の患者に対応する請求診断群分類情報d06を取得する。また、病院登録情報取得部12は、傷病テーブルT4(図5)から、検証対象の患者に対応するICD情報d10を取得し、このICD情報d10に基づいて診断群分類情報を付与する(ステップS04)。さらに、病院登録情報取得部12は、各診断群分類情報に対応する請求金額情報を算出する。
詳述すると、病院登録情報取得部12は、傷病テーブルT4及び入院テーブルT5を入院ID情報d07で結合し、この結合テーブルから、表示装置2から受信した入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が請求用の診断群分類の傷病であることを示すレコードを抽出する。図5に示す例では、請求用の診断群分類の傷病であることを示す種別情報d08は、「0」である。このレコードには、傷病名情報d09、ICD情報d10、及び請求診断群分類情報d06が含まれている。病院登録情報取得部12は、取得した請求診断群分類情報d06に対応する1日当たりの点数に検証対象の患者の在院日数及び医療機関別係数を乗じ、これを金額に換算することによって、取得した請求診断群分類情報d06に対応する請求金額情報を算出する。なお、各診断群分類情報に対応づけられた1日当たりの点数は記憶部11に記憶されており、病院登録情報取得部12は、請求金額情報の算出に際し、請求診断群分類情報d06に対応する1日当たりの点数を記憶部11から取得する。
また、病院登録情報取得部12は、傷病テーブルT4から、入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報に一致し、且つ種別情報d08が請求用の診断群分類の傷病ではないことを示す(種別情報d08が「0」以外である)レコードを抽出する。このレコードには、傷病名情報d09及びICD情報d10が含まれている。病院登録情報取得部12は、傷病−診断群分類マスタM4を参照して、取得したICD情報d10に対応する診断群分類(6桁)情報d11を取得する。その後、病院登録情報取得部12は、厚生労働省によって定められた規則に従って、取得した診断群分類(6桁)情報d11から14桁の診断群分類情報を生成する。病院登録情報取得部12は、この診断群分類情報に対応する1日当たりの点数を記憶部11から取得する。病院登録情報取得部12は、取得した点数に検証対象の患者の在院日数及び医療機関別係数を乗じ、金額に換算することによって、取得したICD情報d10の診断群分類情報に対応する請求金額情報を算出する。
次に、標準傷病推定部13が、実際に行われた診療行為情報、及び標準化された規則に準じて各診療行為情報に対応づけられた傷病情報に基づいて、検証対象の患者の傷病を推定する(ステップS05)。
ここで、図13を参照して、ステップS05の処理の詳細について説明する。
まず、標準傷病推定部13は、薬剤用傷病マスタM1(図7)及び出来高レセプトテーブルT2(図3)をRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「標準」に設定され、且つデータ識別番号情報d03が表示装置2から受信したデータ識別番号情報に一致するレコードを抽出する。あるいは、出来高レセプトテーブルT2を月単位に分割し、且つ入院ID情報d07を持たせたテーブル(図示省略)を作成し、このテーブルから、入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報に一致するレコードを抽出してもよい。これにより、検証対象の患者に施された診療行為情報に対応し且つ薬剤に関連する傷病情報が取得される(ステップS05a)。なお、図7〜図9の各傷病マスタM1〜M3及び図3の出来高レセプトテーブルT2において、対応づけが可能なレコードの例示は省略する。
標準傷病推定部13は、ステップS05aで取得した出来高レセプトテーブルT2の各診療行為情報d05について、点数情報d05fに行為回数情報d05gを乗じ、必要に応じて、これを金額情報に換算する。標準傷病推定部13は、金額情報をICD情報d10毎に集計することによって、薬剤について傷病情報毎の集計金額情報を算出する(ステップS05b)。
次に、標準傷病推定部13は、手術用傷病マスタM2(図8)及び出来高レセプトテーブルT2(図3)をRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「標準」に設定され、且つデータ識別番号情報d03が表示装置2から受信したデータ識別番号情報に一致するレコードを抽出する。あるいは、出来高レセプトテーブルT2を月単位に分割し、且つ入院ID情報d07を持たせたテーブル(図示省略)を作成し、このテーブルから、入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報に一致するレコードを抽出してもよい。これにより、検証対象の患者に施された診療行為情報に対応し且つ手術に関連する傷病情報が取得される(ステップS05c)。
標準傷病推定部13は、ステップS05cで取得した出来高レセプトテーブルT2の各診療行為情報d05について、点数情報d05fに行為回数情報d05gを乗じ、必要に応じて、これを金額情報に換算する。標準傷病推定部13は、金額情報をICD情報d10毎に集計することによって、手術について傷病情報毎の集計金額情報を算出する(ステップS05d)。
さらに、標準傷病推定部13は、処置用傷病マスタM3(図9)及び出来高レセプトテーブルT2(図3)をRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「標準」に設定され、且つデータ識別番号情報d03が表示装置2から受信したデータ識別番号情報に一致するレコードを抽出する。あるいは、出来高レセプトテーブルT2月単位に分割し、且つ入院ID情報d07を持たせたテーブル(図示省略)を作成し、このテーブルから、入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報に一致するレコードを抽出してもよい。これにより、検証対象の患者に施された診療行為情報に対応し且つ処置に関連する傷病情報が取得される(ステップS05e)。
標準傷病推定部13は、ステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2の各診療行為情報d05について、点数情報d05fに行為回数情報d05gを乗じ、必要に応じて、これを金額情報に換算する。標準傷病推定部13は、金額情報をICD情報d10毎に集計することによって、処置について傷病情報毎の集計金額情報を算出する(ステップS05f)。
このように、薬剤、手術、及び処置について傷病情報毎の集計金額情報を算出した後、標準傷病推定部13は、薬剤、手術、及び処置の集計金額情報をICD情報d10毎に合計し、傷病情報毎の合計金額情報を算出する(ステップS05g)。
次に、標準傷病推定部13は、ステップS05a、ステップS05c、及びステップS05eで抽出されたレコード群を、合計金額情報が大きいICD情報d10の順にソートする(ステップS05h)。また、標準傷病推定部13は、合計金額情報の出力基準額情報を決定する(ステップS05i)。具体的には、予め合計金額情報の出力数を定めておき、その出力数番目に大きい合計金額情報を出力基準額情報とする。
標準傷病推定部13は、ステップS05a、ステップS05c、及びステップS05eで抽出されたレコード群について、ICD情報d10毎に、合計金額情報が大きい順でステップS05jの処理を行う。すなわち、標準傷病推定部13は、まず、上記レコード群のうち、合計金額情報が最も大きいICD情報d10を有する1以上のレコードについて、合計金額情報が出力基準額情報以上であるか否かを判断し、合計金額情報が出力基準額情報以上である場合、処理対象の各レコードに含まれる情報に基づいて、推定傷病情報及びこの推定傷病情報に対応づけられた1以上の推定傷病明細情報を生成する。標準傷病推定部13は、推定傷病情報を傷病テーブルT4に、推定傷病明細情報を後述の傷病推定テーブルT6に登録する。その後、合計金額情報が大きいICD情報d10の順にステップS05jの処理が繰り返される。合計金額情報が出力基準額情報を下回った時点でステップS05jの処理は終了する。
ここで、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6に登録される標準推定傷病情報及び標準推定傷病明細情報について、図15及び図16を参照して説明する。
図15に例示するように、傷病テーブルT4には、薬剤、手術、及び処置等の医療資源の種類にかかわらず推定された傷病の情報として、レコード群r43が登録される。レコード群r43において、種別情報d08には、医療資源の種類にかかわらず傷病を推定したことを示す数値情報が、予め割り当てられた範囲内において連番で格納される。本実施形態では、この数値情報の範囲として「21」〜「5000」が割り当てられている。レコード群r43のICD情報d10には、ステップS05jの処理の対象となっているICD情報d10が格納される。レコード群r43の傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11には、このICD情報d10を検索条件として傷病−診断群分類マスタM4から取得した傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11が格納される。また、レコード群r43の薬剤の金額情報d12a、手術の金額情報d12b、及び処置の金額情報d12cには、ステップS05gにおいて合計金額情報の算出に用いた薬剤、手術、及び処置の各集計金額情報が格納される。レコード群r43の入院ID情報d07には、表示装置2から受信した検証対象の患者の入院ID情報が格納される。レコード群r43の診療年月情報d01には、ステップS05a、ステップS05c、及びステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療年月情報d01が格納される。
図16に例示するように、傷病推定テーブルT6には、傷病テーブルT4に登録された各傷病情報の明細情報として、レコード群r63が登録される。レコード群r63において、入院ID情報d07、診療年月情報d01及び種別情報d08には、傷病テーブルT4のレコード群r43と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08が格納される。レコード群r63のRCD情報d15には、ステップS05a、ステップS05c、及びステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2のRCD情報d05cが格納される。また、レコード群r63の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fには、ステップS05a、ステップS05c、及びステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fが格納される。
なお、上述した通り、傷病テーブルT4に登録されるのは推定傷病情報であり、傷病推定テーブルT6に登録されるのは推定傷病情報の明細情報である。このため、傷病テーブルT4においては、入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08毎に1件のレコードが登録されるが、傷病推定テーブルT6においては、傷病テーブルT4と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08毎に1件以上のレコードが登録される。
図13に戻って、標準傷病推定部13の処理についての説明を続ける。標準傷病推定部13は、ステップS05aで抽出されたレコード群を、ステップS05bで算出した集計金額情報が大きいICD情報d10の順にソートする(ステップS05k)。また、標準傷病推定部13は、集計金額情報の出力基準額情報を決定する(ステップS05l)。出力基準額情報の決定方法は、ステップS05iと同様である。
標準傷病推定部13は、ステップS05aで抽出されたレコード群について、ICD情報d10毎に、薬剤の集計金額情報が大きい順でステップS05mの処理を行う。すなわち、標準傷病推定部13は、まず、上記レコード群のうち、薬剤の集計金額情報が最も大きいICD情報d10を有する1以上のレコードについて、この集計金額情報が出力基準額情報以上であるか否かを判断し、集計金額情報が出力基準額情報以上である場合、処理対象の各レコードに含まれる情報に基づいて、薬剤の推定傷病情報及び推定傷病明細情報を生成する。標準傷病推定部13は、推定傷病情報を傷病テーブルT4に、推定傷病明細情報を後述の傷病推定テーブルT6に登録する。その後、薬剤の集計金額情報が大きいICD情報d10の順にステップS05mの処理が繰り返される。集計金額情報が出力基準額情報を下回った時点でステップS05mの処理は終了する。
ここで、ステップS05mにおいて登録される薬剤の標準推定傷病情報及び標準推定傷病明細情報について、図15及び図16を参照して説明する。
図15に例示するように、傷病テーブルT4には、薬剤に関連して推定された傷病の情報として、レコード群r44が登録される。レコード群r44において、種別情報d08には、薬剤に関連して傷病を推定したことを示す数値情報が、予め割り当てられた範囲内において連番で格納される。本実施形態では、この数値情報の範囲として「5001」〜「10000」が割り当てられている。レコード群r44のICD情報d10には、ステップS05mの処理の対象となっているICD情報d10が格納される。レコード群r44の傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11には、このICD情報d10を検索条件として、傷病−診断群分類マスタM4から取得した傷病名情報d09及び薬剤用傷病マスタM1から取得した診断群分類(6桁)情報d11が格納される。また、レコード群r44の薬剤の金額情報d12aには、ステップS05bにおいて算出され、且つステップS05mの処理の対象となっているRCD情報d15及びICD情報d10に対応する薬剤の集計金額情報が格納される。なお、レコード群r44の手術の金額情報d12b及び処置の金額情報d12cには、「0」が格納される。レコード群r44の入院ID情報d07及び診療年月情報d01には、レコード群r43と同じ情報が格納される。
図16に例示するように、傷病推定テーブルT6には、薬剤に関連して推定された傷病の明細情報として、レコード群r64が登録される。レコード群r64において、入院ID情報d07、診療年月情報d01及び種別情報d08には、傷病テーブルT4のレコード群r44と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08が格納される。レコード群r64のRCD情報d15には、ステップS05aで取得した出来高レセプトテーブルT2のRCD情報d05cが格納される。また、レコード群r64の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fには、ステップS05aで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fが格納される。
図14を参照し、標準傷病推定部13の処理についての説明を続ける。標準傷病推定部13は、ステップS05cで抽出されたレコード群を、ステップS05dで算出した集計金額情報が大きいICD情報d10の順にソートする(ステップS05n)。また、標準傷病推定部13は、集計金額情報の出力基準額情報を決定する(ステップS05o)。出力基準額情報の決定方法は、ステップS05iと同様である。
標準傷病推定部13は、ステップS05cで抽出されたレコード群について、ICD情報d10毎に、手術の集計金額情報が大きい順でステップS05pの処理を行う。すなわち、標準傷病推定部13は、まず、上記レコード群のうち、手術の集計金額情報が最も大きいICD情報d10を有する1以上のレコードについて、この集計金額情報が出力基準額情報以上であるか否かを判断し、集計金額情報が出力基準額情報以上である場合、処理対象の各レコードに含まれる情報に基づいて、手術の推定傷病情報及び推定傷病明細情報を生成する。標準傷病推定部13は、推定傷病情報を傷病テーブルT4に、推定傷病明細情報を後述の傷病推定テーブルT6に登録する。その後、手術の集計金額情報が大きいICD情報d10の順にステップS05pの処理が繰り返される。集計金額情報が出力基準額情報を下回った時点でステップS05pの処理は終了する。
ここで、ステップS05pにおいて登録される手術の標準推定傷病情報及び標準推定傷病明細情報について、図15及び図16を参照して説明する。
図15に例示するように、傷病テーブルT4には、手術に関連して推定された傷病の情報として、レコード群r45が登録される。レコード群r45において、種別情報d08には、手術に関連して傷病を推定したことを示す数値情報が、予め割り当てられた範囲内において連番で格納される。本実施形態では、この数値情報の範囲として「10001」〜「15000」が割り当てられている。レコード群r45のICD情報d10には、ステップS05pの処理の対象となっているICD情報d10が格納される。レコード群r45の傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11には、このICD情報d10を検索条件として、傷病−診断群分類マスタM4から取得した傷病名情報d09及び手術用傷病マスタM2から取得した診断群分類(6桁)情報d11が格納される。また、レコード群r45の手術の金額情報d12aには、ステップS05dにおいて算出され、且つステップS05pの処理の対象となっているRCD情報d15及びICD情報d10に対応する手術の集計金額情報が格納される。なお、レコード群r45の薬剤の金額情報d12a及び処置の金額情報d12cには、「0」が格納される。レコード群r45の入院ID情報d07及び診療年月情報d01には、レコード群r43と同じ情報が格納される。
図16に例示するように、傷病推定テーブルT6には、手術に関連して推定された傷病の明細情報として、レコード群r65が登録される。レコード群r65において、入院ID情報d07、診療年月情報d01及び種別情報d08には、傷病テーブルT4のレコード群r45と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08が格納される。レコード群r65のRCD情報d15には、ステップS05cで取得した出来高レセプトテーブルT2のRCD情報d05cが格納される。また、レコード群r65の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fには、ステップS05cで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fが格納される。
図14に戻って、標準傷病推定部13の処理についての説明を続ける。標準傷病推定部13は、ステップS05eで抽出されたレコード群を、ステップS05fで算出した集計金額情報がICD情報d10の順にソートする(ステップS05q)。また、標準傷病推定部13は、集計金額情報の出力基準額情報を決定する(ステップS05r)。出力基準額情報の決定方法は、ステップS05iと同様である。
標準傷病推定部13は、ステップS05eで抽出されたレコード群について、ICD情報d10毎に、処置の集計金額情報が大きい順でステップS05sの処理を行う。すなわち、標準傷病推定部13は、まず、上記レコード群のうち、処置の集計金額情報が最も大きいICD情報d10を有する1以上のレコードについて、この集計金額情報が出力基準額情報以上であるか否かを判断し、集計金額情報が出力基準額情報以上である場合、処理対象の各レコードに含まれる情報に基づいて、処置の推定傷病情報及び推定傷病明細情報を生成する。標準傷病推定部13は、推定傷病情報を傷病テーブルT4に、推定傷病明細情報を後述の傷病推定テーブルT6に登録する。その後、処置の集計金額情報が大きいICD情報d10の順にステップS05sの処理が繰り返される。集計金額情報が出力基準額情報を下回った時点でステップS05sの処理は終了する。
ここで、ステップS05sにおいて登録される処置の標準推定傷病情報及び標準推定傷病明細情報について、図15及び図16を参照して説明する。
図15に例示するように、傷病テーブルT4には、処置に関連して推定された傷病の情報として、レコード群r46が登録される。レコード群r46において、種別情報d08には、処置に関連して傷病を推定したことを示す数値情報が、予め割り当てられた範囲内において連番で格納される。本実施形態では、この数値情報の範囲として「15001」〜「20000」が割り当てられている。レコード群r46のICD情報d10には、ステップS05sの処理の対象となっているICD情報d10が格納される。レコード群r46の傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11には、このICD情報d10を検索条件として、傷病−診断群分類マスタM4から取得した傷病名情報d09及び処置用傷病マスタM3から取得した診断群分類(6桁)情報d11が格納される。また、レコード群r46の処置の金額情報d12aには、ステップS05fにおいて算出され、且つステップS05sの処理の対象となっているRCD情報d15及びICD情報d10に対応する処置の集計金額情報が格納される。なお、レコード群r46の薬剤の金額情報d12a及び手術の金額情報d12bには、「0」が格納される。レコード群r46の入院ID情報d07及び診療年月情報d01には、レコード群r43と同じ情報が格納される。
図16に例示するように、傷病推定テーブルT6には、処置に関連して推定された傷病の明細情報として、レコード群r66が登録される。レコード群r66において、入院ID情報d07、診療年月情報d01及び種別情報d08には、傷病テーブルT4のレコード群r46と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08が格納される。レコード群r66のRCD情報d15には、ステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2のRCD情報d05cが格納される。また、レコード群r66の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fには、ステップS05eで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fが格納される。
図11に戻って、サーバ1における処理の説明を続ける。標準傷病推定部13によるステップS05の処理が終了すると、個別傷病推定部14は、実際に行われた診療行為情報、及び病院によって独自に各診療行為に対応づけられた傷病情報に基づいて、検証対象の患者の傷病を推定する(ステップS06)。
ここで、図17を参照して、ステップS06の処理の詳細について説明する。
まず、個別傷病推定部14は、各傷病マスタM1〜M3(図7〜図9)及び出来高レセプトテーブルT2(図3)をRCD情報d05c、d15で結合し、この結合テーブルから、設定区分情報d16が「病院」に設定され、且つデータ識別番号情報d03が表示装置2から受信したデータ識別番号情報に一致するレコードを抽出する。これにより、検証対象の患者に施された診療行為情報に対応し且つ病院独自の設定に基づいた傷病情報が取得される(ステップS06a)。
個別傷病推定部14は、ステップS06aで取得した出来高レセプトテーブルT2の各診療行為情報d05について、点数情報d05fに行為回数情報d05gを乗じ、必要に応じて、これを金額情報に換算する。個別傷病推定部14は、金額情報をICD情報d10毎に集計することによって、個別推定傷病情報の集計金額情報を算出する(ステップS06b)。
次に、個別傷病推定部14は、ステップS06aで取得したレコード群を、集計金額情報が大きいICD情報d10の順にソートする(ステップS06c)。
個別傷病推定部14は、ステップS06aで抽出されたレコード群について、ICD情報d10毎に、集計金額情報が大きい順でステップS06dの処理を行う。すなわち、個別傷病推定部14は、まず、上記レコード群のうち、集計金額情報が最も大きいICD情報d10を有する1以上のレコードについて、各レコードに含まれる情報に基づき推定傷病情報及び推定傷病明細情報を生成する。個別傷病推定部14は、推定傷病情報を傷病テーブルT4に、推定傷病明細情報を傷病推定テーブルT6に登録する。その後、集計金額情報が大きいICD情報d10の順に、ステップS06dの処理が繰り返される。ステップS06dの処理は、全てのレコードに対して行われる。
ここで、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6に登録される個別推定傷病情報及び個別推定傷病明細情報について、図18及び図19を参照して説明する。
図18に例示するように、傷病テーブルT4には、病院独自の設定に基づいて推定された傷病の情報として、レコード群r47が登録される。レコード群r47において、種別情報d08には、病院独自の設定に基づいて傷病を推定したことを示す数値情報が、予め割り当てられた範囲内において連番で格納される。本実施形態では、この数値情報の範囲として「20001」〜「25000」が割り当てられている。レコード群r47のICD情報d10には、ステップS06dの処理の対象となっているICD情報d10が格納される。レコード群r47の傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11には、このICD情報d10を検索条件として傷病−診断群分類マスタM4から取得した傷病名情報d09及び診断群分類(6桁)情報d11が格納される。レコード群r47の入院ID情報d07及び診療年月情報d01には、レコード群r43と同じ情報が格納される。
また、レコード群r47の金額情報d12には、ステップS06bで算出され且つ処理対象のICD情報d10に対応する集計金額情報の内訳が格納される。すなわち、集計金額情報は、出来高レセプトテーブルT2の診療行為情報d05に基づいて算出された各金額情報をICD情報d10毎に集計したものであるが、この金額情報は、対応する診療行為情報d05のRCD情報d05cが薬剤用傷病マスタM1に登録されている場合、薬剤の金額情報とされる。この薬剤の金額情報をICD情報d10毎に集計したものが、レコード群r47の薬剤金額情報d12aに格納される。同様に、金額情報に対応するRCD情報d05cが手術用傷病マスタM2に登録されている場合、金額情報は手術の金額情報とされ、この手術の金額情報をICD情報d10毎に集計したものが、レコード群r47の手術金額情報d12bに格納される。金額情報に対応するRCD情報d05cが処置用傷病マスタM3に登録されている場合、金額情報は処置の金額情報とされ、この処置の金額情報をICD情報d10毎に集計したものが、レコード群r47の処置金額情報d12cに格納される。
図19に例示するように、傷病推定テーブルT6には、病院独自の設定に基づいて推定された傷病の明細情報として、レコード群r67が登録される。レコード群r67において、入院ID情報d07、診療年月情報d01及び種別情報d08には、傷病テーブルT4のレコード群r47と同一の入院ID情報d07、診療年月情報d01、及び種別情報d08が格納される。レコード群r67のRCD情報d15には、ステップS06aで取得した出来高レセプトテーブルT2のRCD情報d05cが格納される。また、レコード群r67の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fには、ステップS06aで取得した出来高レセプトテーブルT2の診療明細名称情報d05e及び点数情報d05fが格納される。
図11に戻って、サーバ1における処理の説明を続ける。個別傷病推定部14によるステップS06の処理が終了すると、過去傷病取得部15によって、検証対象の患者について、現在の傷病の副傷病となる可能性がある過去の傷病情報が取得される(ステップS07)。
ここで、図20を参照して、ステップS07の処理の詳細について説明する。
過去傷病取得部15は、傷病テーブルT4及び入院テーブルT5を入院ID情報d07で結合し、この結合テーブルから、データ識別番号情報d03が表示装置2から受信したデータ識別番号情報に一致し、且つ入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報に一致しないレコードを抽出する(ステップS07a)。表示装置2から受信した入院ID情報は、現在の入院に対して付与されたものであるため、傷病テーブルT4及び入院テーブルT5において、入院ID情報d07が表示装置2から受信した入院ID情報と一致しないレコードは、患者の過去の入院に関する情報であると判断できる。
過去傷病取得部15は、ステップS07aにおいてレコードが抽出されなかった場合、処理を終了する(ステップS07b)。
ステップS07aにおいてレコードを抽出することができた場合(ステップS07b)、過去傷病取得部15は、図11のステップS04で取得した検証対象の患者のICD情報d10(現在傷病情報)の中に、ステップS07aで取得したICD情報d10(過去傷病情報)が含まれているかどうか判断する(ステップS07c)。現在傷病情報の中に過去傷病情報が含まれていない場合、過去傷病取得部15は、ステップS07の処理を終了する。
現在傷病情報の中に過去傷病情報が含まれていた場合、過去傷病取得部15は、過去傷病情報に対して診断群分類情報を付与する(ステップS07d)。具体的には、過去傷病取得部15は、傷病−診断群分類マスタM4(図10)を参照して、ステップS07aで取得したICD情報d10に対応する診断群分類(6桁)情報d11を取得する。その後、過去傷病取得部15は、厚生労働省によって定められた規則に従って、取得した診断群分類(6桁)情報d11から14桁の診断群分類情報を生成する。
次に、過去傷病取得部15は、診断群分類情報が付与された過去傷病情報が、ステップS04で取得した現在傷病情報の副傷病情報となり得るか否かを判断する(ステップS07e)。
具体的には、過去傷病取得部15は、ステップS04で取得した請求診断群分類情報d06及び生成した各診断群分類情報(現在傷病情報の診断群分類情報)の13桁目を確認し、全ての診断群分類情報の13桁目が「x」の場合、現在の傷病には副傷病が存在しないと判断して処理を終了する。
現在傷病情報の診断群分類情報のうち、13桁目が「x」以外の診断群分類情報が存在する場合、過去傷病取得部15は、現在の傷病には副傷病が存在するものがある、と判断する。この場合、過去傷病取得部15は、現在傷病情報の診断群分類情報のうち13桁目が「x」以外のものについて、ステップS07dで過去傷病情報に付与された診断群分類情報を副傷病として対応づけることが可能か否かを判断する。なお、ある診断群分類に対し、副傷病として対応づけることが可能な診断群分類については、厚生労働省によって標準で定められている。
過去傷病取得部15は、現在傷病情報の診断群分類情報の中に、過去傷病情報の診断群分類情報を副傷病として対応づけることができるものがあると判断した場合、ステップS07aで取得した過去傷病情報をその現在傷病情報の副傷病候補として決定する(ステップS07f)。過去傷病取得部15は、過去傷病情報の診断群分類情報を、いずれの現在傷病情報の診断群分類情報にも副傷病として対応づけることができないと判断した場合、処理を終了する。
図11に戻って説明を続ける。サーバ1によるステップS03〜ステップS07の処理が終了すると、表示装置2において、図21に示す検証画面SC2が表示部21に表示される(ステップS08)。検証画面SC2は、基本情報タブtb21が開いた状態で起動される。
図21に示すように、検証画面SC2は、病院登録情報フィールドf21及び検証情報フィールドf22を有する。基本情報タブtb21は、患者の基本情報フィールドf23を有しており、基本情報フィールドf23には、一覧画面SC1の対象患者フィールドf12に表示されていた情報等が表示される。また、基本情報タブtb21は、診療録関連情報フィールドf24〜f26、及び出来高レセプト情報フィールドf27を有する。
病院登録情報フィールドf21には、ステップS04で取得した情報が一覧表示される。
具体的には、図21に示すように、病院登録情報フィールドf21の最上行には、入院テーブルT5(図6)から取得した請求診断群分類情報d06と、これに対応する傷病名情報d09及び請求金額情報が表示される。また、病院登録情報フィールドf21には傷病の種別が表示されており、最上行においては、請求用の診断群分類に対応する傷病であることを示す「請求」の文字が表示されている。
病院登録情報フィールドf21の2行目以降には、傷病テーブルT4(図5)から取得した傷病名情報d09、傷病名情報d09に基づいて付与された診断群分類情報、及びこれに対応する請求金額情報が表示される。また、病院登録情報フィールドf21の2行目以降には、傷病の種別として、併存傷病であることを示す「併存1」及び「併存2」の文字が表示されている。傷病の種別は、傷病テーブルT4の種別情報d08に応じて表示され、その他の例としては、「主傷病」、「契機」、及び「最投」等が挙げられる。
なお、病院登録情報フィールドf21には、必要に応じて、傷病名情報、診断群分類情報、及び請求金額情報以外の情報を表示してもよい。例えば、図21における病院登録情報フィールドf21には、診断群分類情報に基づいて算出された請求金額情報が表示されているが、これに加えて、請求金額を出来高金額に換算した出来高金額情報や、請求金額と出来高金額との差額情報等を表示することもできる。
検証画面SC2の起動時には、検証情報フィールドf22には、項目名のみが表示されている。後述する診断群分類の検証を行った後、検証情報フィールドf22には検証結果が表示される。
診療録基本情報フィールドf24には、診療録テーブルT1(図2)を参照して取得される、検証対象の患者に対応する診療年月情報d01及び施設コード情報d02が表示されている。特に図示しないが、診療録基本情報フィールドf24には、診療録テーブルT1に格納されているその他の情報が表示されていてもよく、例えば、診療科情報や、患者の性別及び生年月日等が表示されていてもよい。
診療録傷病情報フィールドf25には、診療録テーブルT1を参照して取得される、検証対象の患者に対応する傷病情報d04が表示される。また、診療録傷病情報フィールドf25には、傷病情報d04のICD情報d04bを検索条件として傷病−診断群分類マスタM4(図10)から取得した、診断群分類(6桁)情報d11が表示される。
診療録テーブルT1において、検証対象の患者に対応するレコードに手術情報が含まれている場合、診療録手術情報フィールドf26には、この手術情報が表示される。
出来高レセプト情報フィールドf27には、検証対象の患者に対応する出来高レセプトテーブルT2のレコードにおける診療行為情報d05が表示される。図21の例では、診療行為情報d05のうち、データ区分情報d05b、実施年月日d05h、KCD情報d05d、及び診療明細名称情報d05eが表示されているが、必要に応じてその他の情報が表示されてもよい。
(傷病推定)
次に、検証画面SC2上で、検証対象の患者について、図11のステップS05及びステップS06で推定された傷病に基づく診断群分類と現在の傷病に基づく診断群分類とを比較することによって診断群分類の検証を行う方法について説明する。
まず、ユーザは、図22に示すように、傷病推定タブtb22をクリックして開き、資源投入ボタンb21a、薬剤ボタンb21b、手術ボタンb21c、処置ボタンb21d、及び病院設定ボタンb22のいずれかを押下する。
図22に示すように、傷病推定タブtb22において、ユーザが資源投入ボタンb21aをクリックすると、図13のステップS05jで傷病テーブルT4に登録された推定傷病情報(図15のレコード群r43)、及び傷病推定テーブルT6に登録された推定傷病明細情報(図16のレコード群r63)が、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。具体的には、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6が種別情報d08で結合され、この結合テーブルから、検証対象の患者の入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が医療資源の種類にかかわらず傷病を推定したことを示すレコードが抽出される。抽出されたレコードは、金額合計が大きい順にソートされ、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。推定傷病情報フィールドf28における金額合計は、傷病テーブルT4の薬剤金額情報d12a、手術金額情報d12b、及び処置金額情報d12cを合計した値である。なお、本実施形態では、医療資源の種類にかかわらず傷病を推定したことを示す種別情報d08は、「21」〜「5000」で表される。
図23に示すように、傷病推定タブtb22において、ユーザが薬剤ボタンb21bをクリックすると、図13のステップS05mで傷病テーブルT4に登録された推定傷病情報(図15のレコード群r44)、及び傷病推定テーブルT6に登録された推定傷病明細情報(図16のレコード群r64)が、推定傷病情報フィールドf28に表示される。具体的には、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6が種別情報d08で結合され、この結合テーブルから、検証対象の患者の入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が薬剤に関連して傷病を推定したことを示すレコードが抽出される。抽出されたレコードは、薬剤金額情報d12aが大きい順にソートされ、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。なお、本実施形態では、薬剤に関連して傷病を推定したことを示す種別情報d08は、「5001」〜「10000」で表される。
図24に示すように、傷病推定タブtb22において、ユーザが手術ボタンb21cをクリックすると、図14のステップS05pで傷病テーブルT4に登録された推定傷病情報(図15のレコード群r45)、及び傷病推定テーブルT6に登録された推定傷病明細情報(図16のレコード群r65)が、推定傷病情報フィールドf28に表示される。具体的には、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6が種別情報d08で結合され、この結合テーブルから、検証対象の患者の入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が手術に関連して傷病を推定したことを示すレコードが抽出される。抽出されたレコードは、手術金額情報d12bが大きい順にソートされ、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。なお、本実施形態では、手術に関連して傷病を推定したことを示す種別情報d08は、「10001」〜「15000」で表される。
図25に示すように、傷病推定タブtb22において、ユーザが処置ボタンb21dをクリックすると、図14のステップS05sで傷病テーブルT4に登録された推定傷病情報(図15のレコード群r46)、及び傷病推定テーブルT6に登録された推定傷病明細情報(図16のレコード群r66)が、推定傷病情報フィールドf28に表示される。具体的には、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6が種別情報d08で結合され、この結合テーブルから、検証対象の患者の入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が処置に関連して傷病を推定したことを示すレコードが抽出される。抽出されたレコードは、処置金額情報d12cが大きい順にソートされ、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。なお、本実施形態では、処置に関連して傷病を推定したことを示す種別情報d08は、「15001」〜「20000」で表される。
図26に示すように、傷病推定タブtb22において、ユーザが病院設定ボタンb22をクリックすると、図17のステップS06dで傷病テーブルT4に登録された推定傷病情報(図18のレコード群r47)、及び傷病推定テーブルT6に登録された推定傷病明細情報(図19のレコード群r67)が、推定傷病情報フィールドf28に表示される。具体的には、傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6が種別情報d08で結合され、この結合テーブルから、検証対象の患者の入院ID情報に入院ID情報d07が一致し、且つ種別情報d08が病院独自の設定に基づいて傷病を推定したことを示すレコードが抽出される。抽出されたレコードは、金額合計が大きい順にソートされ、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示される。推定傷病情報フィールドf28における金額合計は、傷病テーブルT4の薬剤金額情報d12a、手術金額情報d12b、及び処置金額情報d12cを合計した値である。なお、本実施形態では、病院独自の設定に基づいて傷病を推定したことを示す種別情報d08は、「20001」〜「25000」で表される。
次に、ユーザは、図22〜図26において推定傷病情報フィールドf28に一覧表示された推定傷病情報の中から、ダブルクリック等で推定傷病情報を選択する。そうすると、選択された推定傷病情報が表示装置2からサーバ1に送信され、分類付与部16は、この推定傷病情報に含まれるICD情報に対応する診断群分類(6桁)情報d11を傷病−診断群分類マスタM4から取得し、取得した診断群分類(6桁)情報d11に基づいて診断群分類情報を付与する。また、分類付与部16は、病院登録情報取得部12と同様の方法で、付与された診断群分類情報に対応する仮請求金額情報を算出する。
例えば、図22及び図27に示すように、ユーザが、医療資源の種類にかかわらず推定された傷病情報を検証画面に表示させ(図22)、表示された複数の推定傷病情報から1つの推定傷病情報を選択した場合、選択された推定傷病情報の傷病名情報、分類付与部16によって付与された診断群分類情報、及び分類付与部16によって算出された仮請求金額情報が検証情報フィールドf22に表示される(図27)。また、検証情報フィールドf22には、傷病の種別が表示される。図27の例では、傷病の種別として「資推」の文字が表示されており、この表示は、医療資源の種類にかかわらず推定された傷病であることを意味している。
図22及び図27を用いて説明した上記操作を行った後に、図26及び図28に示すように、ユーザが、病院独自の設定に基づいて推定された傷病情報を検証画面に表示させ(図26)、表示された複数の推定傷病情報から1つの推定傷病情報を選択すると、検証情報フィールドf22において、選択された推定傷病情報の傷病名情報、分類付与部16によって付与された診断群分類情報、及び分類付与部16によって算出された仮請求金額情報が、医療資源の種類にかかわらず推定された傷病の情報の下に追加表示される(図28)。図28の例では、検証情報フィールドf22の傷病の種別として「病推」の文字が表示されており、この表示は、病院独自の設定に基づいて推定された傷病であることを意味している。
検証情報フィールドf22も、病院登録情報フィールドf21と同様に、請求金額を出来高金額に換算した出来高金額情報や、請求金額と出来高金額との差額情報等、傷病名情報、診断群分類情報、及び仮請求金額情報以外の情報を表示することができる。
上述の推定傷病情報に診断群分類情報を付与する処理は、図23〜図25において推定傷病情報フィールドf28に表示された推定傷病情報についても行うことができる。この場合、図23〜図25において、推定傷病情報フィールドf28に一覧表示された推定傷病情報を選択する毎に、選択された推定傷病情報に関する情報が検証情報フィールドf22に追加表示される(図示省略)。推定傷病情報フィールドf28の傷病の種別としては、薬剤に関連する推定傷病情報については「薬推」の文字、手術に関連する推定傷病情報については「手推」の文字、処置に関連する推定傷病情報については「処推」の文字がそれぞれ表示されればよい。
なお、推定傷病情報の選択数は特に限定されるものではなく、ユーザは、図22〜図26において推定傷病情報フィールドf28に一覧表示された推定傷病情報の中から、少なくとも1つの推定傷病情報を選択すればよい。また、推定傷病情報の種別毎の選択数は複数であってもよく、例えば、医療資源の種類にかかわらず推定された傷病情報(図22)において、1つの推定傷病情報を選択し、図27に示すように検証情報フィールドf22に表示させた後、別の推定傷病情報を選択して検証情報フィールドf22に追加表示させることもできる。さらに、推定傷病情報の選択順序も特に限定されるものではない。
また、一旦診断群分類情報が付与された推定傷病情報について、再度診断群分類情報の付与処理を行うことも可能である。
ユーザは、病院登録情報フィールドf21に表示されている内容と検証情報フィールドf22に表示された内容を比較し、病院登録情報フィールドf21の診断群分類情報及び検証情報フィールドf22の診断群分類情報のどちらが診療報酬の算出に用いる診断群分類として適切であるかを検討する。
(副傷病選択)
次に、検証画面SC2上で、検証対象の患者について過去の傷病を確認し、過去の傷病を副傷病とした場合の診断群分類と現在の診断群分類とを比較することによって診断群分類の検証を行う場合について説明する。
図29に示すように、まず、ユーザは、病院登録情報フィールドf21に表示された傷病情報をダブルクリックすること等によって、病院登録情報フィールドf21に表示された傷病情報のうち、副傷病情報を付与することが可能な情報を選択する。副傷病情報を付与することができる傷病情報とは、病院登録情報フィールドf21に表示された診断群分類情報の13桁目が「x」ではない情報である。なお、病院登録情報フィールドf21において、副傷病情報を付与することができる傷病情報については、背景に着色を施すこと等によって、副傷病情報を付与することができることをユーザが認識できるように表示されていることが好ましい。
次に、ユーザは、副傷病選択タブtb23をクリックして開く。副傷病選択タブtb23は傷病情報フィールドf29及び副傷病情報フィールドf30を有する。傷病情報フィールドf29には、ユーザが病院登録情報フィールドf21から選択した傷病情報が表示される。副傷病情報フィールドf30には、傷病情報フィールドf29の傷病情報に副傷病情報として付与することができる傷病情報が一覧表示されている。副傷病情報フィールドf30に表示される傷病情報には、図20のステップS07fにおいて、副傷病候補として決定された過去傷病情報、及び過去傷病情報以外に副傷病情報として付与することが可能な傷病情報が含まれる。図29の副傷病情報フィールドf30において、種別に「過去」の文字が表示されている傷病情報が、副傷病候補として決定された過去傷病情報である。また、図29の例では、副傷病情報フィールドf30において、ステップS05(図11)において医療資源の種類にかかわらず推定された傷病情報のうち、副傷病情報として付与することが可能な傷病情報(種別に「資推5」「資推6」の文字が表示されている傷病情報)も表示されているが、これ以外の傷病情報が表示されていてもよい。
ユーザは、副傷病情報フィールドf30に表示された過去傷病情報の中から、ダブルクリック等によって1つの傷病情報を選択する。本実施形態では、種別が「過去」の傷病情報、すなわち過去傷病情報が選択される。そうすると、選択された過去傷病情報及び傷病情報フィールドf29の傷病情報が表示装置2からサーバ1に送信され、分類付与部16は、傷病情報フィールドf29の傷病情報について、選択された過去傷病情報を副傷病とした場合の診断群分類情報を付与する。また、分類付与部16は、病院登録情報取得部12と同様の方法で、付与された診断群分類情報に対応する仮請求金額情報を算出する。
傷病情報フィールドf29に表示された傷病情報の傷病名情報と、分類付与部16によって付与された診断群分類情報及び算出された仮請求金額情報とは、図30に示すように、検証情報フィールドf22に表示される。また、検証情報フィールドf22には、傷病の種別として、「請求副あり」の文字が表示されている。この表示は、請求用の傷病情報に副傷病が付与されたことを意味している。なお、上述した傷病推定において生成された情報が検証情報フィールドf22に既に表示されている場合(図27及び図28)、副傷病が付与された傷病情報は、この情報の下に追加表示される。
ユーザは、病院登録情報フィールドf21に表示されている内容と検証情報フィールドf22に表示された内容を比較し、病院登録情報フィールドf21の診断群分類情報及び検証情報フィールドf22の診断群分類情報のどちらが診療報酬の算出に用いる診断群分類として適切であるかを検討する。
ユーザは、上述した傷病推定及び副傷病選択のいずれか一方のみを行うこともできるし、傷病推定及び副傷病選択の双方を行うこともできる。また、ユーザは、傷病推定の後に副傷病選択を行ってもよいし、副傷病選択の後に傷病推定を行うこともできる。
本実施形態で説明したサーバ1及び表示装置2における各処理は、この処理内容が記述されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行させることによって、実現してもよい。サーバ1及び表示装置2は、CPU(中央処理装置)や、メモリ又はハードディスクといった、プログラム等が記憶される記憶媒体等、一般的なコンピュータが備えるハードウェア資源を備えている(図示省略)。そして、サーバ1及び表示装置2は、これらのハードウェア資源を用いて、上述した処理の内容を実行する。
以上のように、本実施形態に係る検証システム10は、検証画面SC2において、病院登録情報フィールドf21に検証対象の患者の現在の傷病情報及び診断群分類情報を表示するとともに、推定傷病情報フィールドf28に患者に対して施された診療行為情報に基づいて推定された傷病情報を表示する。また、検証システム10は、推定された傷病情報に基づいて診断群分類情報を決定し、この診断群分類情報を検証情報フィールドf22に表示する。これにより、ユーザは、検証対象の患者について、現在の傷病の他にも推定される傷病が存在することを認識することができ、現在の傷病に基づく診断群分類及び推定された傷病に基づく診断群分類のいずれが適切であるか検討することができる。
また、本実施形態に係る検証システム10では、一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)等によって標準化された規則に準じて傷病推定が行われるだけでなく、病院独自の設定に基づいて傷病推定が行われる。そして、病院独自の設定に基づいて推定された傷病情報は、傷病毎の集計金額情報の値にかかわらず、全てが検証画面SC2の推定傷病情報フィールドf28に表示される(図26)。このため、ユーザは、標準化された規則に準じた傷病推定のみを行った場合よりも多くの推定傷病を、診断群分類の決定に使用し得る傷病の候補として認識することができる。この結果、ユーザは、多くの推定傷病を比較して、診断群分類の決定に使用する傷病として適切な推定傷病を検討及び選択することができる。
さらに、本実施形態に係る検証システム10は、検証画面SC2において、副傷病選択タブtb23に、検証対象の患者の過去の傷病情報であって現在の傷病情報に副傷病情報として対応づけることができるものを表示する。検証システム10は、現在の傷病情報について、過去の傷病情報を副傷病情報とした場合の診断群分類情報を付与し、この診断群分類情報を検証情報フィールドf22に表示する。これにより、ユーザは、過去の傷病を副傷病としない場合の診断群分類と、過去の傷病を副傷病とした場合の診断群分類とを比較することができ、いずれが適切であるかを検討することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、検証画面SC2の病院登録情報フィールドf21及び検証情報フィールドf22には、様々な情報が表示されていたが、少なくとも傷病名情報が表示されていればよい。
検証画面SC2の推定傷病情報フィールドf28においては、金額の大きい順に推定傷病情報が一覧表示されていたが、推定傷病情報を表示する順番は特に限定されるものではない。また、推定傷病情報フィールドf28には、様々な情報が表示されていたが、少なくとも傷病名情報が表示されていればよい。
また、上記実施形態では、図11のステップS05において、傷病情報毎の合計金額情報、薬剤の集計金額情報、手術の集計金額情報、及び処置の集計金額情報それぞれが出力基準額以上の傷病情報のみ、推定傷病情報及び推定傷病明細情報を傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6に登録していたが、金額情報にかかわらず、全ての傷病情報を傷病テーブルT4及び傷病推定テーブルT6に登録してもよい。
また、ステップS05においては、医療資源の種類にかかわらず傷病を推定する処理、薬剤に関連して傷病を推定する処理、手術に関連して傷病を推定する処理、及び処置に関連して傷病を推定する処理を行っていたが、この4つの処理全てを行う必要はなく、上記4つの処理のうち少なくとも1つを行えばよい。
また、上記実施形態において、検証システム10は、過去傷病取得部15及び分類付与部16を備えていたが、過去傷病取得部15及び/又は分類付与部16を備えなくてもよい。検証システム10が過去傷病取得部15を備えない場合、検証画面SC2において、副傷病選択タブtb23は不要である。検証システム10が分類付与部16を備えない場合、検証画面SC2の検証情報フィールドf22には診断群分類情報及び仮請求金額情報は表示されない。
また、上記実施形態においては、サーバ1の記憶部11に各種情報が記憶されていたが、これらの情報は、外部の記憶媒体に記憶されていてもよい。