JP5968757B2 - 歩行運動補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、装着者の歩行運動を補助する装置に関する。
動物(装着者)に作用させる補助力により当該動物(装着者)の円滑な歩行運動を促すため、歩行運動周期における当該補助力の強弱を制御する技術的手法が提案されている(特許文献1参照)。
具体的には、脚体の着床状態かつ伸展運動状態において当該脚体の伸展運動が比較的強い力で補助され、その結果としてこの脚体が比較的強い床反力を受ける。この床反力が着床状態の脚体を介して胴体に伝わることにより、胴体の前方への並進が促される。さらに、脚体が補助力によって着床状態において伸張されたことによる反射(伸張反射)により、この着床状態に続く離床状態において当該脚体の屈曲運動(前方運動)が促される。したがって、動物(装着者)の着床状態の脚体の伸展運動(後方運動)のみならず、離床状態の脚体の円滑な屈曲運動(前方運動)を促すようにこの動物(装着者)の周期的な歩行運動が補助される。
特許第4271713号公報
しかし、装着者の左右対をなす脚体のそれぞれの運動の連関性の観点からは歩行運動補助の態様になおも改良の余地が残されている。
そこで、本発明は、装着者の左右対をなす脚体のそれぞれの運動状態の連関性に鑑みて、この装着者の姿勢の安定化を図りながらその歩行運動を補助することができる装置を提供することを解決課題とする。
本発明は、装着者の左右対をなす脚体のそれぞれに装着されるように構成されている装具と、前記装具に動力を伝達するように構成されている一対のアクチュエータと、前記一対のアクチュエータのそれぞれの動作を制御するように構成されている制御装置とを備え、前記装具を介して前記一対のアクチュエータの動力を前記装着者に作用させることにより前記装着者の歩行運動を補助する装置に関する。
本発明の歩行運動補助装置は、前記制御装置が、前記左右対をなす脚体のうち立脚状態にある一方の脚体の伸展方向に補助力を作用させ、かつ、遊脚状態にある他方の脚体の屈曲方向に補助力を作用させる場合、前記一方の脚体に作用させる補助力が前記他方の脚体に作用させる補助力よりも強い第1指定期間と、当該第1指定期間に続く、前記他方の脚体に作用させる補助力が前記一方の脚体に作用させる補助力よりも強い第2指定期間とのそれぞれの長短を調節するように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成され、さらに前記脚体の遊脚期間における補助力または仕事が、当該脚体が屈曲運動状態から伸展運動状態に遷移してから立脚状態になるまでの期間である第3指定期間において最大値または極大値を示すように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることを特徴とする。
本発明の歩行運動補助装置によれば、第1指定期間において、装着者の重心をその本来の位置よりも立脚状態にあって伸展運動している一方の脚体の側に変位させ、その結果、他方の脚体の屈曲運動を促進させることができる。重心の本来の位置は、装着者が左右対をなす脚体を前後方向にそろえて起立かつ静止している状態における重心の位置を意味する。
その一方、第1指定期間に続く第2指定期間において、装着者の重心を遊脚状態にあって屈曲運動している他方の脚体の側、すなわち本来の位置に向かって変位させ、その結果、装着者の重心変位量が制限され、その姿勢が不安定になる事態を回避することができる。
このため、第1指定期間および第2指定期間のそれぞれの長短が調節されるように一対のアクチュエータのそれぞれの動作が制御されることにより、装着者の重心の左右方向への揺動範囲が姿勢の安定化の観点から適当に制限されながら、その歩行運動の円滑化が図られる。さらに、一方の脚体の第3指定期間において、当該一方の脚体に作用する床反力に由来する胴体の並進が遊脚期間の他の期間と比較して大きく促される。これにより、一方の脚体の第3指定期間に連続する第1指定期間の開始直後において当該一方の脚体に作用する床反力の増大が図られ、当該第1指定期間における前記のような胴体の並進がさらに大きく促進され、他方の脚体の円滑な屈曲運動がさらに促進される。制御方法としては、フィードバック制御が採用され、たとえば装着者の重心の左右方向への揺動範囲の、許容範囲からの逸脱量に適当なゲイン係数が乗じられた結果が、アクチュエータの動力の振幅および位相のうち一方または両方に対して加算または減算されてもよい。また、フィードバック制御ではなく、許容範囲からの逸脱量を評価関数として、その評価関数を小さくするようにアクチュエータの動力の振幅および位相のうち一方または両方を勾配法を利用して最適化してもよい。
前記制御装置が、前記一方の脚体が右脚体であり、かつ、前記他方の脚体が左脚体である場合と、前記一方の脚体が左脚体であり、かつ、前記他方の脚体が右脚体である場合とにおいて、前記第1指定期間および前記第2指定期間のそれぞれが異なる長さになるように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることが好ましい。
当該構成の歩行運動補助装置によれば、装着者の重心の左右方向への揺動態様の対称性または非対称性が制御されうる。たとえば、左右対をなす脚体の運動能力が異なる場合でも、装着者の重心の左右方向への揺動態様が対称に制御されうるので、この装着者の姿勢の安定化を図りながら、その歩行運動の円滑化が図られる。
前記制御装置が、前記脚体の立脚期間における補助力または仕事が、前記第1指定期間において最大値または極大値を示すように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることが好ましい。
本発明の歩行運動補助装置によれば、装着者の左右対をなす脚体のうち一方の脚体の第1指定期間(立脚期間前期)において、当該一方の脚体に作用する床反力に由来する胴体の並進が立脚期間の他の期間と比較して大きく促される。一方の脚体の第1指定期間は、他方の脚体が立脚状態から遊脚状態に遷移した直後の期間に重複しているので、この胴体の並進に追従するように当該他方の脚体の円滑な屈曲運動が促進される。
前記制御装置が、前記脚体の立脚期間における補助力または仕事が、前記第2指定期間において所定値に収束または漸近するように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることが好ましい。
当該構成の歩行運動補助装置によれば、一方の脚体の立脚期間の中期または後期において当該一方の脚体はアクチュエータの動作に束縛されずに運動可能な状態となる。このため、他方の脚体の第1指定期間において、前記のように胴体の並進が比較的大きく促進されたことに追従して、当該一方の脚体の円滑な屈曲運動が促進される。
前記制御装置が、前記装着者の左右対をなす脚体のそれぞれの立脚期間の重複期間がゼロに近づくように、前記第1指定期間における補助力または仕事の最大値または極大値を調節するように構成されていることが好ましい。
当該構成の歩行運動補助装置によれば、胴体の並進に伴う脚体の離床動作の追従性が左右非対称または装着者の個体差等に由来して異なっていても、両方の脚体が立脚状態である両脚支持期間の一律的な短縮が図られる。このため、一方の脚体の立脚期間において、他方の脚体の離床が遅れたために、当該他方の脚体がひきずられるような事態が回避される。
本発明の一施形態としての歩行運動補助装置の構成説明図。 制御装置の構成説明図。 歩行運動状態の遷移に関する説明図。 重心位置の時間変化態様に関する説明図。 補助力の時間変化態様に関する説明図。 実施例1〜4における股関節角度の時間変化態様に関する説明図。 実施例1〜4における重心位置軌跡に関する説明図。 実施例5〜7における股関節角度の時間変化態様に関する説明図。 実施例5〜7における重心位置軌跡に関する説明図。 実施例5〜7における補助力の時間変化態様に関する説明図。 実施例5〜7における重心位置の時間変化態様に関する説明図。
(構成)
本発明の一実施形態としての図1に示されている歩行運動補助装置10は、装着者としての人間Pの胴体に装着される第1装具111と、人間Pの各脚体に装着される第2装具112と、アクチュエータ12と、アクチュエータ12の動作を制御するように構成されている制御装置14と、股関節角度センサ142と、バッテリ16と、を備えている。
歩行運動補助装置10は、制御装置14の構成を除き、前記特許文献1に記載されている装置とほぼ同様の構成を有するので、当該同様の構成に関する説明を省略する。歩行運動補助装置10は、第1装具111および第2装具112を介して、バッテリ16を電源とするアクチュエータ12の動力を人間Pに作用させることにより、当該人間Pの歩行運動を補助するように構成されている。
図2に示されている制御装置14はコンピュータにより構成され、アクチュエータの動作、ひいては人間Pに作用させる補助力の制御処理を実行するように構成されている。制御装置14が所定の演算処理を実行するように構成されているとは、制御装置14を構成する演算処理装置(CPU)が、記憶装置(メモリ)から必要なデータおよびアプリケーションソフトウェアを読み取り、当該ソフトウェアにしたがって当該所定の演算処理を実行するようにプログラムされていることを意味する。
脚体等の左右を区別するために符号「L」および「R」を用いるが、左右を区別する必要がない場合や左右成分を有するベクトルを表現する場合には当該符号を省略する。また、脚体(具体的には大腿部)の屈曲運動(前方運動)および伸展運動(後方運動)を区別するために符号「+」および「−」を用いる。
装着者が四足動物である場合、左右の前脚および左右の後脚のうち一方または両方についても、人間Pの左右の脚体の運動補助方法が適用されうる。
(機能)
歩行運動補助装置10を装着した状態で人間Pが歩行運動することにより、図3に示されているように各歩行運動周期における当該人間Pの歩行運動状態が遷移する。
具体的には、t=t0において、右脚体(黒)が遊脚状態から立脚状態に遷移する。t=t1において、立脚状態において伸展運動している右脚体の姿勢が基準前額面より後側に変化する。t=t2において、左脚体(白)が遊脚状態において屈曲運動を終える。t=t3において、左脚体が遊脚状態において伸展運動しながら立脚状態に遷移する。t=t4において、立脚状態において伸展運動している左脚体の姿勢が基準前額面より後側に変化する。そして、t=t5において、右脚体が遊脚状態において屈曲運動を終える。その後、t=t6においてt=t0と同様の状態が再現される。
図4に示されているように、前方(+X方向)に並進するように歩行運動している人間Pの重心PGは、左右方向(±Y方向)に揺動する。
期間t=t0〜t3が右脚体の「立脚期間」および左脚体の「遊脚期間」に相当し、その他の期間t3〜t6が右脚体の「遊脚期間」および左脚体の「立脚期間」に相当する。右脚体について立脚期間の前期t=t0〜t1が「第1指定期間」に相当し、立脚期間の中期t=t1〜t2が「第2指定期間」に相当し、かつ、遊脚期間の後期t=t5〜t6が「第3指定期間」に相当する。左脚体について立脚期間の前期t=t3〜t4が「第1指定期間」に相当し、立脚期間の中期t=t4〜t5が「第2指定期間」に相当し、かつ、遊脚期間の後期t=t2〜t3が「第3指定期間」に相当する。
股関節角度センサ142から、対応する股関節角度φを表わす信号が出力され、制御装置14に入力される。股関節角度φは、人間Pを矢状面の法線方向から見た場合に、基本前額面を表わす直線線分と、大腿部を表す直線線分とがなす角度として定義される。股関節角度φは、大腿部が基本前額面より前側にある場合は正(+)である一方、大腿部が基本前額面より後側にある場合は負(−)であると定義される。右股関節角度φR(t)は、たとえば図5に実線で示されているように時間変化する。
図5に示されている横軸における複数の時点t0〜t6のそれぞれは、図3および図4に示されている歩行運動状態のそれぞれに対応している。各時点t=t0〜t6の相互の時間間隔は、図示した縮尺と相違していてもよい。
制御装置14は、股関節角度φ(t)に基づき、所定のアルゴリズムfにしたがって補助力T(t)=f(φ(t))を設定し、かつ、当該補助力T(t)に応じて、バッテリ16からアクチュエータ12に対する供給電力E(t)=g(T(t))を制御する。右脚体の補助力TRおよび左脚体の補助力TLは、たとえば図5に一点鎖線および二点鎖線のそれぞれにより示されているように流動的に設定される。所定のアルゴリズムは、股関節角度φk、若しくは当該加速度センサから出力される人間Pの前後左右上下の重心軌道、又はその両方に基づいて補助力Tk=f(φk)が一義的に定められるような計算式またはテーブルなどにより定義され、制御装置14を構成する記憶装置に保存されている。アルゴリズムfは、たとえば前記特許文献1に記載されているように、振動子を補助力Tの生成基礎とするアルゴリズムが採用されてもよい。
制御装置14は、股関節角度φ(t)の時間変化態様に基づき、各脚体の屈曲運動状態および伸展運動状態の別、ならびに、立脚状態および遊脚状態の別が判定される。各足底に接触センサが設けられ、当該接触センサから出力される、当該足底と床との接触の有無に応じた信号に基づいて各脚体の立脚状態および遊脚状態の別が判定されてもよい。第1装具111に加速度センサが設けられ、当該加速度センサから出力される、人間Pの鉛直方向の加速度に応じた信号の時間変化態様に基づいて各脚体の立脚状態および遊脚状態の別が判定されてもよい。
具体的には、立脚状態の右脚体の伸展方向に補助力TRを作用させ、かつ、遊脚状態の左脚体の屈曲方向に補助力TLを作用させる(t=t0〜t2参照)。この際、第1指定期間t=t0〜t1と、これに続く第2指定期間t=t1〜t2とのそれぞれの長短が調節される。たとえば、|t1−t0|=α|t2−t0|、かつ、|t2−t1|=(1−α)|t2−t0|(0<α<0.5)に設定される。
右脚体が立脚状態であり、かつ、左脚体が遊脚状態である場合の第1指定期間t=t0〜t1は、右脚体に作用させる伸展補助力TRが左脚体に作用させる屈曲補助力TLよりも強い状態が継続している期間である。この場合の第2指定期間t=t1〜t2は、左脚体に作用させる屈曲補助力TLが右脚体に作用させる伸展補助力TRよりも強い状態が継続する期間である。
同様に、遊脚状態の右脚体の屈曲方向に補助力TRを作用させ、かつ、立脚状態にある左脚体の伸展方向に補助力TLを作用させる(t=t3〜t5参照)。この際、第1指定期間t=t3〜t4と、これに続く第2指定期間t=t4〜t5とのそれぞれの長短が調節される。たとえば、|t4−t3|=β|t5−t3|、かつ、|t5−t4|=(1−β)|t5−t3|(0<β<0.5)に設定される。
左脚体が立脚状態であり、かつ、右脚体が遊脚状態である場合の第1指定期間t=t3〜t4は、左脚体に作用させる伸展補助力TLが右脚体に作用させる屈曲補助力TRよりも強い状態が継続している期間である。この場合の第2指定期間t=t4〜t5は、右脚体に作用させる屈曲補助力TRが左脚体に作用させる伸展補助力TLよりも強い状態が継続する期間である。
αおよびβの値は等しくても異なっていてもよい。αおよびβの値が差別化されることにより、右脚体が立脚状態である場合と、左脚体が立脚状態である場合とにおいて、第1指定期間および第2指定期間のそれぞれが異なる長さになるようにアクチュエータ12の動力の時間変化態様が制御される。
右脚体の立脚期間t=t0〜t3における補助力TRが、第1指定期間t=t0〜t1において最大値または極大値を示すようにアクチュエータ12Rの動力の時間変化態様が制御される。左脚体の立脚期間t=t3〜t6における補助力TLが、第1指定期間t=t3〜t4において最大値または極大値を示すようにアクチュエータ12Lの動力の時間変化態様が制御される。
右脚体の立脚期間t=t0〜t3における補助力が、第2指定期間t=t1〜t2において所定値(本実施形態においてはゼロ)に収束または漸近するようにアクチュエータ12Lの動力の時間変化態様が制御される。左脚体の立脚期間t=t3〜t6における補助力が、第2指定期間t=t4〜t5において所定値(本実施形態においてはゼロ)に収束または漸近するようにアクチュエータ12Rの動力の時間変化態様が制御される。
各脚体のそれぞれの立脚期間の重複期間がゼロになるように、第1指定期間t=t0〜t1およびt3〜t4のそれぞれにおける補助力Tの最大値または極大値が調節されている。
右脚体の遊脚期間t=t3〜t6における補助力TRが、第3指定期間t=t5〜t6において最大値または極大値を示すようにアクチュエータ12Rの動力の時間変化態様が制御されてもよい(破線参照)。第3指定期間t=t5〜t6は、右脚体が屈曲運動状態から伸展運動状態に遷移してから立脚状態になるまでの期間である。
左脚体の遊脚期間t=t0〜t3における補助力TLが、第3指定期間t=t2〜t3において最大値または極大値を示すようにアクチュエータ12Rの動力の時間変化態様が制御されてもよい(破線参照)。第3指定期間t=t2〜t3は、左脚体が屈曲運動状態から伸展運動状態に遷移してから立脚状態になるまでの期間である。
補助力Tに代えて、仕事(補助力(トルク)と股関節角度の変化量との積)が、前記の態様にしたがって時間変化するように制御されてもよい。
(効果)
本発明の歩行運動補助装置10によれば、第1指定期間t=t0〜t1(またはt3〜t4)と、第2指定期間t=t1〜t2(またはt=t4〜t5)とのそれぞれの長短が調節される(図5/一点鎖線および二点鎖線参照)。これにより、第1指定期間t=t0〜t1において、人間Pの重心PGをその本来の位置(人間座標系のXY平面(水平面)における原点位置)よりも右側に変位させ(図4/t=t1参照)、その結果、左脚体の屈曲運動を促進させることができる(図3/t=t1参照)。同様に、第1指定期間t=t3〜t4において、人間Pの重心PGをその本来の位置よりも左側に変位させ(図4/t=t4参照)、その結果、右脚体の屈曲運動を促進させることができる(図3/t=t4参照)。
その一方、第2指定期間t=t1〜t2において、人間Pの重心PGを左側、すなわち本来の位置に向かって変位させることができる(図4/t=t2参照)。同様に、第2指定期間t=t4〜t5において、人間Pの重心PGを右側、すなわち本来の位置に向かって変位させることができる(図4/t=t2参照)。これらの結果、装着者の重心変位量が制限され、その姿勢が不安定になる事態が回避されうる。
このため、第1指定期間t=t0〜t1(またはt3〜t4)および第2指定期間t=t1〜t2(またはt=t4〜t5)のそれぞれの長短が調節されるように一対のアクチュエータ12のそれぞれの動作が制御されることにより、人間Pの重心PGの左右方向への揺動範囲が姿勢の安定化の観点から適当に制限されながら、その歩行運動の円滑化が図られる。
右脚体が立脚状態であり、かつ、左脚体が遊脚状態である場合と、左脚体が立脚状態であり、かつ、右脚体が遊脚状態である場合とにおいて、第1指定期間および第2指定期間のそれぞれが異なる長さに調節されうる。これにより、人間Pの重心PGの左右方向への揺動態様の対称性または非対称性が制御されうる(図4参照)。たとえば、左右対をなす脚体の運動能力が異なる場合でも、人間Pの重心PGの左右方向への揺動態様が対称に制御されうるので、この人間Pの姿勢の安定化を図りながら、その歩行運動の円滑化が図られる。
人間Pの右脚体の第1指定期間において、右脚体に作用する床反力に由来する胴体の並進が立脚期間の他の期間と比較して大きく促される(図3および図5/t=t0〜t=t1参照)。人間Pの左脚体の第1指定期間において、左脚体に作用する床反力に由来する胴体の並進が立脚期間の他の期間と比較して大きく促される(図3および図5/t=t3〜t=t4参照)。一方の脚体の第1指定期間は、他方の脚体が立脚状態から遊脚状態に遷移した直後の期間に重複しているので、この胴体の並進に追従するように当該他方の脚体の円滑な屈曲運動が促進される。
右脚体の立脚期間の中期または後期t=t1〜t2において右脚体はアクチュエータ12Rの動作に束縛されずに運動可能な状態となる(図5/一点鎖線参照)。同様に、左脚体の立脚期間の中期または後期t=t4〜t5において左脚体はアクチュエータ12Lの動作に束縛されずに運動可能な状態となる(図5/二点鎖線参照)。このため、各脚体の第1指定期間t=t0〜t1またはt=t3〜t4において、前記のように胴体の並進が比較的大きく促進されたことに追従して、当該各脚体の円滑な屈曲運動が促進される(図3/t=t0〜t1およびt=t3〜t4参照)。
脚体のそれぞれの立脚期間の重複期間がゼロに近づくように、第1指定期間t=t0〜t1またはt=t3〜t4における補助力Tの最大値または極大値が調節される。これにより、胴体の並進に伴う脚体の離床動作の追従性が左右非対称または装着者の個体差等に由来して異なっていても、両方の脚体が立脚状態である両脚支持期間の一律的な短縮が図られる。このため、一方の脚体の立脚期間において、他方の脚体の離床が遅れたために、当該他方の脚体がひきずられるような事態が回避される。
右脚体の遊脚期間における補助力TRが第3指定期間t=t5〜t6において最大値または極大値を示すように調節される(図5/破線参照)。左脚体の遊脚期間における補助力TLが第3指定期間t=t2〜t3において最大値または極大値を示すように調節される(同)。これにより、一方の脚体の第3指定期間において、当該一方の脚体に作用する床反力に由来する胴体の並進が遊脚期間の他の期間と比較して大きく促される。その結果、一方の脚体の第3指定期間に連続する第1指定期間の開始直後において当該一方の脚体に作用する床反力の増大が図られ、当該第1指定期間における前記のような胴体の並進がさらに大きく促進され、他方の脚体の円滑な屈曲運動がさらに促進される。
(実施例)
(実施例1〜4)
図6(a)〜(d)のそれぞれには、実施例1〜4のそれぞれにおける、歩行運動補助装置10の補助力Tを受けて歩行運動している被験者(人間P)の股関節角度φの時間変化態様の測定結果が示されている。図7(a)〜(d)のそれぞれには、細線でその際の被験者の重心位置の前額面への投影位置の軌跡の測定結果が示され、太線で重心位置の主要な存在範囲が示されている。
実施例1〜4のそれぞれにおいて、表1に示されているように左脚体の補助力TLと左股関節角度φLとの目標位相差δLおよび右脚体の補助力TRと右股関節角度φRとの目標位相差δRのそれぞれが制御された。実施例2〜4のそれぞれでは被験者の右足首に3[kg]の錘が装着されたのに対して、実施例1では被験者に当該錘は装着されなかった。
補助力Tと股関節角度φとの位相差δは、たとえば、補助力Tが伸展側(または屈曲側)に最大値を示す時点と、股関節角度φが伸展側(または屈曲側)に最大値を示す時点との差または当該差の平均値が、人間Pの歩行運動周期Sにわたる位相変化量2π[rad]を基準として換算された結果として定義される。当該位相差δは、補助力Tが股関節角度φより位相が進んでいる場合には負値(−)に定義される一方、補助力Tが股関節角度φより位相が遅れている場合には正値(+)に定義される。
図6から、被験者の右股関節角度φR(一点鎖線参照)と左股関節角度φL(二点鎖線参照)との振幅の差は、被験者の右足首に錘が装着されていない実施例1(図6(a)参照)よりも、被験者の右足首に錘が装着されている実施例2〜4(図6(b)〜(d)参照)のほうが大きいことがわかる。図7から、被験者の右足首に錘が装着されている実施例2(図7(b)参照)は、被験者に錘が装着されていない実施例1(図7(a)参照)と比較して、重心位置が左側に集中しており(細線で示す軌跡が左側に集中し、かつ太線がいびつな形になっている)、右脚体の持ち上げが劣っている。このことは、錘が装着されている側の伸展タイミングを早めた実施例3(図7(c)参照)においても変わらない。その一方で、錘が装着されている側の伸展タイミングを遅らせた実施例4(図7(d)参照)は、実施例2及び3と比較して重心位置の偏りが少なくなっており(細線で示す軌跡の偏りが少なくなり、かつ太線が左右対称形に近くなっている)、右脚体の持ち上げが若干改善されている。また、いずれも横方向の重心位置pos_ydが、一定の範囲(-0.015〜+0.015[m])に収まるように制御されている。
(実施例5〜7)
図8(a)〜(c)のそれぞれには、実施例5〜7のそれぞれにおける、歩行運動補助装置10の補助力Tを受けて歩行運動している被験者の股関節角度φの時間変化態様の測定結果が示されている。図9(a)〜(c)のそれぞれには、細線でその際の被験者の重心位置の前額面への投影位置の軌跡の測定結果が示され、太線で重心位置の主要な存在範囲が示されている。図10(a)〜(c)のそれぞれには、被験者の横方向の重心位置pos_ydの測定結果が示されている。
実施例5〜7のそれぞれにおいて、左脚体の伸展補助力TLおよび右脚体の屈曲補助力Tと左股関節角度φLとの目標位相差δLが−0.4[rad]に制御され、右脚体の伸展補助力TRおよび左脚体の屈曲補助力Tと右股関節角度φRとの目標位相差δRが+0.4[rad]に制御された。被験者の右足首に錘が装着された。被験者に対して付与される補助力Tが、図11に示されている時間変化態様で制御された。
実施例5は、タイミングの制御に加えて、アシストトルク振幅に左右差をつけた例である。図11(a)に示されているように錘が装着されている右脚体の屈曲運動補助力TR(>0)の振幅が、錘が装着されていない左脚体の屈曲運動補助力TL(>0)の振幅よりも大きい一方、右脚体の伸展運動補助力TR(<0)の振幅が、左脚体の伸展運動補助力TL(<0)の振幅よりも小さくなるように補助力Tが制御されている。これにより、タイミング制御だけでは回復できなかった錘の右脚体の運動に対する影響(図6(d)参照)が軽減され、図8(a)に示されているように被験者の右股関節角度φR(一点鎖線参照)と左股関節角度φL(二点鎖線参照)との振幅の差は無視できる程度に小さい。
実施例6では、図11(b)に示されているように錘が装着されている右脚体の屈曲運動補助力TRの振幅が、錘が装着されていない左脚体の屈曲運動補助力TLの振幅よりも小さい一方、右脚体の伸展運動補助力TRの振幅が、左脚体の伸展運動補助力TLの振幅よりも大きくなるように補助力Tが制御されている。これにより、錘の右脚体の運動に対する影響が増幅され、図8(b)に示されているように被験者の右股関節角度φRの振幅が、左股関節角度φLの振幅より小さくなっている。
実施例7では、図11(c)に示されているように各脚体の屈曲運動および伸展運動の補助力Tの振幅が同程度になるように補助力Tが制御されている。これにより、錘の右脚体の運動に対する影響が直接的に反映、図8(c)に示されているように被験者の右股関節角度φRの振幅が、左股関節角度φLの振幅より若干小さくなっている。当該偏差は、実施例6よりも小さい。
図9から、錘の影響が軽減されるように補助力Tが制御されている実施例5(図9(a)参照)は、実施例4と同様に、重心位置の偏りが少なく、右脚体の持ち上げが若干改善されている。一方、錘の影響が増幅またはそのまま反映されるように補助力Tが制御されている実施例6および7(図9(b)(c)参照)は、実施例5と比較すると、重心位置が左側に集中しており、右脚体の持ち上げが劣っている。また、図10(a)〜(c)に示されているように実施例5〜7のいずれにおいても横方向の重心位置pos_ydが、一定の範囲(-0.015〜+0.015[m])に収まるように制御されている。
10‥歩行運動補助装置、111‥第1装具、112‥第2装具、12‥アクチュエータ、14‥制御装置。

Claims (5)

  1. 装着者の左右対をなす脚体のそれぞれに装着されるように構成されている装具と、前記装具に動力を伝達するように構成されている一対のアクチュエータと、前記一対のアクチュエータのそれぞれの動作を制御するように構成されている制御装置とを備え、前記装具を介して前記一対のアクチュエータの動力を前記装着者に作用させることにより前記装着者の歩行運動を補助する装置であって、
    前記制御装置が、前記左右対をなす脚体のうち立脚状態にある一方の脚体の伸展方向に補助力を作用させ、かつ、遊脚状態にある他方の脚体の屈曲方向に補助力を作用させる場合、前記一方の脚体に作用させる補助力が前記他方の脚体に作用させる補助力よりも強い第1指定期間と、当該第1指定期間に続く、前記他方の脚体に作用させる補助力が前記一方の脚体に作用させる補助力よりも強い第2指定期間とのそれぞれの長短を調節するように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成され、さらに前記脚体の遊脚期間における補助力または仕事が、当該脚体が屈曲運動状態から伸展運動状態に遷移してから立脚状態になるまでの期間である第3指定期間において最大値または極大値を示すように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることを特徴とする歩行運動補助装置。
  2. 請求項1記載の歩行運動補助装置において、
    前記制御装置が、前記一方の脚体が右脚体であり、かつ、前記他方の脚体が左脚体である場合と、前記一方の脚体が左脚体であり、かつ、前記他方の脚体が右脚体である場合とにおいて、前記第1指定期間および前記第2指定期間のそれぞれが異なる長さになるように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることを特徴とする歩行運動補助装置。
  3. 請求項1または2記載の歩行運動補助装置において、
    前記制御装置が、前記脚体の立脚期間における補助力または仕事が、前記第1指定期間において最大値または極大値を示すように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることを特徴とする歩行運動補助装置。
  4. 請求項3記載の歩行運動補助装置において、
    前記制御装置が、前記脚体の立脚期間における補助力または仕事が、前記第2指定期間において所定値に収束または漸近するように前記アクチュエータの動力の時間変化態様を制御するように構成されていることを特徴とする歩行運動補助装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の歩行運動補助装置において、
    前記制御装置が、前記左右対をなす脚体のそれぞれの立脚期間の重複期間がゼロに近づくように、前記第1指定期間における補助力または仕事の最大値または極大値を調節するように構成されていることを特徴とする歩行運動補助装置。
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