JP5968569B1 - ガラリ用縦羽根板及びガラリ - Google Patents

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Abstract

【課題】、開口率と止水率の両方を向上させることができるガラリ用羽根板、及び、この羽根板を用いたガラリを提供することを目的とする。【解決手段】外見付け部と内見付け部とを有するガラリ用の縦羽根板であって、前記縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、前記第1の湾曲部の一方の端部には、前記前記見付け方向の一方側に突出して、止水溝と誘導フィンが形成された第1の止水部が設けられ、前記第1の湾曲部の一方の端部の内側延長部には、止水溝が形成された第2の止水部が設けられ、前記第1の湾曲部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部は、見込み方向に沿って連設されていることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、室内と室外の空気を入れ換えるために建物の窓、戸、外壁等に設置されるガラリ、及び、このガラリに用いられるガラリ用縦羽根板に関する。
従来、工場、発電所、体育館、倉庫、ビル、家屋等の建物の室内と室外の空気を入れ換えるために、建物の窓、ドア、外壁等に、複数の羽根板を所定形状の枠体に設けてなるガラリ(または、「換気ルーバ」ともいう。)が設置される。ガラリは、外側開口面と内側開口面を有し、外側開口面が建物外側を臨み、内側開口面が建物内側(例えば、室内)を臨む状態で設置される。羽根板には、横羽根板と縦羽根板があり、ガラリには、枠体に横羽根板だけ、又は、縦羽根板だけを設けた一層型ガラリと、枠体に横羽根板及び縦羽根板を設けた二層型ガラリがある。二層型ガラリの場合、通常、横羽根板が外側開口面側に設けられ、縦羽根板が内側開口面側に設けられる。複数の羽根板(横羽根板、縦羽根板)は、それぞれ、等間隔のピッチで見付け方向に並設され、隣接する羽根板同士の間には、換気のための換気孔が形成される。この換気孔の入り口を外側開口部、出口を内側開口部、内部を内部空間部という。なお、外側開口部と内側開口部を総称して、単に開口部ということがある。
ガラリは、上述したように換気を目的とするものであるが、単に開口部・内部空間部を広くして換気性能を向上させると、止水(「防水」、「漏水」ともいう。)性能が劣化してしまい、逆に、止水性能を上げようとして開口部を狭くしたり、内部空間部の止水部をむやみに大きくあるいは増やしたりすると、換気性能が劣化してしまうので、この相反する課題を同時に解決して、開口率と止水率を高めることは非常に困難であった。したがって、従来の技術において、開口率と止水率の両方を改善することが記載された特許文献は数少ない。
ここで、開口率の定義を示す。例えば、特許文献1には、「開口面3から開口空間6を通って他方の開口面3へ抜ける間の間隙」の「最小間隙をS1」、「ガラリの羽根ピッチをP」とすると、「概略による有効開口率Xa」は、「Xa=S1/P×100」で求めることができると記載されている(段落「0002」〜「0007」、図3、図4等参照。)。なお、「開口面3」、「開口空間6」、「他方の開口面3」は、それぞれ、上記の「外側開口部」、「内部空間部」、「内側開口部」に対応している。
上記特許文献1の「ガラリ」は、「横型羽根」のみで構成されているが、「有効開口率」は、「縦型羽根」のみの構成でも同様に考えればよい。つまり、羽根板が、横羽根板、縦羽根板に拘わらず、「開口面から開口空間を通って他方の開口面へ抜ける間の最小間隙をS1」、「ガラリの羽根ピッチをP」として、「概略による有効開口率Xa=S1/P×100」を求めればよい。なお、実際には、「有効開口率」は、特許文献1にも記載されているように「S1」、「P」以外のパラメータが考慮されることもあるが(段落「0005」、図4等参照。)、本願発明においては、「概略による開口率Xa=S1/P×100」を、「有効開口率」と定義して説明する。以下、「有効開口率」を、単に「開口率」という。二層型ガラリの開口率は、横羽根板の開口率と、縦羽根板の開口率の小さい方で決定される。
また、建築基準法では、居室の必要換気量が定められており、例えば、ある居室の必要換気量に対し、開口率の高いガラリは、開口率の低いガラリに対して、枠体を小さくすることができる。枠体が小さくなれば、コストも下がり、施工も簡単になる。しかしながら、上述したように、単に開口率を上げるだけでは、止水率が下がるという問題が発生する。また、横羽根板と縦羽根板から構成された二層型のガラリは、通常、横羽根板のみ、又は、縦羽根板のみのガラリに比べ、止水率は向上させることができるものの、構成が複雑になるので、ガラリの製造コスト及び販売価格が高くなる。一方、ガラリを建物等に設置した際に、縦羽根板のガラリよりも横羽根板のガラリの方が、美観的にユーザに好まれることは周知である。したがって、二層型のガラリの方が需要が多い。そこで、本願発明では、一層型ガラリ及び二層型ガラリにおいて、開口率と止水率の両方を高め、さらに、二層型ガラリでも枠体サイズを小さくすることができるように鋭意工夫されている。
以下、従来技術としての、ガラリについて説明する。例えば、上記の特許文献1には、「羽根の開口遮蔽面を内方へ湾曲した弧状面としたことを特徴とするガラリの山形羽根」(「請求項1」、図1〜図3等参照。)が記載されている。
また、特許文献2には、「建物の通気口等に設置すべく、前記建物等の躯体に取付けられているガラリ枠体と、このガラリ枠体における左右の両縦枠間に、前記通気用の間隔を設け多数配設されている縦状の羽根板とを備える外装用縦型ガラリであり、前記各羽根板は、前記建物の外部から内部方向へ延びる羽根板の幅方向略中央部における頂部と、この頂部から建物外部方向および建物内部方向へそれぞれ延びる両斜面部とから略三角形状に形成され、また、各羽根板における建物外部側端部および建物内部側端部にはそれぞれビスホールが形成されていると共に、各羽根板における建物外部側および建物内部側の端面である表面が曲面で形成されており、前記頂部には建物外部側に開口する溝部が形成されていると共に、この溝部における建物外部側および建物内部側の表面が曲面で形成され、また、前記頂部から建物外部方向へ延びる斜面部は建物内部側への凹状に湾曲した曲面で形成されていると共に、頂部から建物内部方向へ延びる斜面部は建物外部側への凹状に湾曲した曲面で形成されていることを特徴とする外装用縦型ガラリ」(「請求項1」、図1参照。)が記載されている。
また、特許文献3には、「帯状の板体からなる羽根板部材の複数個を縦方向に配置してなる竪型防水ルーバにおいて、該羽根板部材を幅方向断面S字状に構成し、その幅方向の2箇所の屈曲部の背部に屋外側に向けた突片部を備え、且つ該両屈曲部の間にビス孔兼水受けを設けてなることを特徴とする竪型防水ルーバ。」(段落「請求項1」、図2〜図7参照。)が記載されている。
また、特許文献4には、「上下左右の枠で構成されたガラリ枠の内側に、長手方向が上下方向とされて取り付けられる羽根であって、外見付け面と内見付け面とをつなぐ見込み面に水返し部が突設されてなるガラリ用羽根において、上記水返し部が見込み方向中央より屋内側から略円弧状をなすように突出されて、その先端折り返し部が上記見込み方向中央より屋外側に位置するように構成されていることを特徴とするガラリ用羽根」(「請求項1」、図1参照。)、「上記外見付け面に上記長手方向に伸長する集水用の溝が形成されている(「請求項2」、図1〜図3等参照。)」が記載されている。
また、特許文献5には、「間隔を置いて平行に複数配設されている縦状の羽根板を備え、隣り合う羽根板間で連結して曲がった通風路が形成されていることを特徴とするガラリ」(「請求項1」、図2、図3参照。)、「縦状の羽根板には連続した捕水用の溝が形成されていることを」(「請求項2」、図2、図3)が記載されている。
また、特許文献6には、「第一湾曲部、第二湾曲部及びこの第一湾曲部とこの第二湾曲部とを連結する連結部を備えており、この第一湾曲部及びこの第二湾曲部が、見込み方向に並設されており、この第一湾曲部が、見付け方向一方側に向かって凸な形状を呈しており、この第二湾曲部が、見付け方向一方側に向かって凸な形状を呈しており、この第二湾曲部の外側端部が、この第一湾曲部よりも見付け方向一方側に突出しており、上記連結部が、この第一湾曲部の内側端部から見付け方向一方側に向かって延在しており、この第二湾曲部の内側端部が、この第一湾曲部の内側端部よりも内側に位置しており、この第一湾曲部の内側端部と、この第二湾曲部の外側端部と、この連結部とから、保水溝が形成されるガラリ用縦羽根板」(「請求項1」、図5参照。)が記載されている。
登録実用新案第3059810号公報 特許第2880914号公報 特開平11−166376号公報 特開2000−104462号公報 特開2002−081273号公報 特許第4177832号公報
上記特許文献1の「ガラリ」は、横羽根板で構成された一層型であり、「有効開口率は47%強」を実現することができ、「ガラリの有効開口率を向上させることができる」(段落「0017」、図参照。)と記載されている。しかしながら、特許文献1には、止水率については何ら記載がなく、例えば、特許文献3に「半ば伝統的に採られてきた羽根板材の設置方向を横方向にする形式のものについてよく観察すると、各羽根板で補集された雨水が順次下側の羽根板上に垂れ落ちて飛散し、ルーバ内に入り込み易いという弱点を有しており、また左右の横方向からの風雨に対する遮蔽効果も必ずしも充分ではなく」(段落「0002」参照。)と記載されているように、特許文献1記載の「ガラリ」は、95%以上の高い止水率を実現することができるかどうか不明である。
特許文献2に記載の「外装用縦型ガラリ1」は、「漏水率を低くするべく、各羽根板における頂部に溝部を設ける」(段落「0011」、図1参照。)、「この外装用縦型ガラリ1における各羽根板4の頂部7には建物外部5側に開口する溝部11が形成されている」(段落「0015」、図1参照。)、「この実施例での各羽根板4は、図1に示すように、頂部7と両斜面部8,9とからなる略三角形状の断面形状を有する」(段落「0016」等参照。)と記載されているように、「斜面部8」と「斜面部9」の間には、「頂部7」に「溝部11」が一つしか形成されていないので、自然換気状態での95%以上の高い止水率を実現することができるかどうか不明である。また、開口率については、何ら記載されていない。
特許文献3には、「本発明の羽根板部材は、その幅方向の断面がS字状であるため、その幅方向の2箇所(屈曲部)が断面湾曲状ないし断面円弧状に形成される。これらの2箇所の屈曲部の背部にそれぞれ突片部が設けられる。その突片部の腹部及び羽根板部材の背部により、上下方向に溝が形成され、これによって屋外から屋内への風雨の浸入を防ぎ、ここで雨滴を受止め、集めて流下させることができる」(段落「0016」、図2〜図4等参照。)、「本発明の竪型防水ルーバにおいては開口率を50%程度から65%程度というようにすることができるが、30〜50%というようにもできるとは勿論である」(段落「0023」参照。)と記載されており、開口率は向上しているものの、「屈曲部11及び12」には、止水のための構成としては、二つの「突片部13、15」しか設けられていないので、止水のための「溝部11」が一つのみの特許文献2の「外装用縦型ガラリ1」よりは、止水率が向上しているものの、95%以上の高い漏水率は期待できないものと推量される。
特許文献4に記載の「ガラリ」は、「より良好な防水性能を得られるようにしたガラリ用羽根を提供する」(段落「0007」参照。)という目的を実現するために、「上記のように、この例では水返し部38は中心線CLをよぎるように深く大きく設けられているため、図中、ハッチングで示した雨水が溜まる領域41は図6に示した従来の羽根16の雨水が溜まる領域24より格段に広く、よって防水性能が大幅に向上されたものとなっている」(段落「0011」、図1等参照。)ものである。ここで、「水返し部38」を大きくすれば、「防水性能」は当然に向上するが、「水返し部38」の突端と、隣接する「曲線部34」との「最小間隙(S1)」が狭くなるので、開口率は低下する。特許文献4の「ガラリ」において、この「最小間隙」を広くして開口率を高めようとすると、逆に「防水性能」は劣化する。特許文献4には、開口率と防水性能との関係については、何ら記載されていないので、防水性能を高めるために、開口率は小さくしているものと推量される。
特許文献5に記載の「縦型ガラリ」においても、「羽根板間の連続して曲がった通風路で風雨の勢いを弱めて、羽根板の溝で捕水して漏水しないガラリを提供する」(段落「0005」参照。)と記載されているように、「漏水率」の向上を目的としてものであり、「屋外部捕水壁21、中間部捕水壁22,23、屋内部捕水壁24の捕水溝25に雨水が捕水され再び飛散することがなく捕水溝25に沿って下方へ導びかれ速やかに屋外へ排水されるので屋内へ雨水が侵入することがない」(段落「0012」、図1〜図3参照。)との記載はあるものの、開口率については、何ら記載されていない。「中間部捕水壁22,23」が、隣接する「羽根板2」間に水平に伸びているので、「最小間隙」は狭くなって開口率は下がることが推量され、逆に、開口率を上げるためにこの「最小間隙」を広げようとすると、「漏水率」は低下することが推量される。また、「羽根板間の連続して曲がった通風路で風雨の勢いを弱め」ると、必要換気量を達成できなくなる虞がある。
上記の特許文献1〜特許文献5に記載の発明に対して、特許文献6に記載の「ガラリ」は、「前述のガラリ用縦羽板10においては、保水溝の数は2個であり、しかも略中央部に設けられている保水溝110は、V字形で奥行きが狭く、容量が小さいので、強い雨水が吹き付けられる場合、雨水が水返し部108からあふれ、屋内へ雨水が侵入するという問題がある。また、建物内に取り込まれる外気量も不十分である。本発明の目的は、良好な防水性能を有し、しかも換気機能も良好であるガラリ用縦羽板及びこれを用いたガラリの提供にある」(段落「0004」〜「0005」参照。)と記載されているように、一応、「止水率」と「開口率」の両方の向上を目的としたものであり、表1に、開口率、防水性試験の結果が、他社製品と比較して示され、特許文献6の図7に記載の「ガラリ用縦羽板8」を用いた「ガラリ」では、「開口率50%」、及び、「風速30(m/s)」において「漏水量0.51(l)」であることが記載されている。
ここで、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」は、開口率が40%であり、「第一湾曲部51」と「第二湾曲部52」は、曲面の曲がり方向が同一方向であるので、止水率をさらに高めるために保水溝、つまり、水返し部の数を増やそうとすると、水返し部の突端と隣接する湾曲部との最小間隙(S1)が狭くなり、開口率は40%より低下するものと推量される。そして、特許文献6の図7に記載の「ガラリ」は、「第一湾曲部51」及び「第二湾曲部52」と曲がり方向が逆となる「第4湾曲部85」及び「第5湾曲部86」をさらに設けることで、「保水溝」の数を増やすことで漏水量を小さくすることにより、開口率を50%に向上させることを実現しているものと推量される。しかしながら、仮に、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」の枠体と同サイズで図7に記載の「ガラリ」を構成しようとすると、各々の「湾曲部」、「保水溝」、「水返し部」のサイズも小さくなり、「漏水性能」が劣化してしまうので、特許文献6の図7に記載の「ガラリ」は、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」よりも見込み方向寸法を大きくしているものと推量される。
そこで、本発明においては、開口率と止水率の両方を向上させることができるガラリ用縦羽根板、及び、この縦羽根板を用いたガラリを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外見付け部(10)と内見付け部(11)とを有するガラリ用の縦羽根板が見付方向に複数並設(・・・,5a,5,5a,・・・)されたガラリ(1)であって、前記縦羽根板(5)は、少なくとも第1の湾曲部(14)と第2の湾曲部(15)を有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、前記第1の湾曲部の一方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝(16a)第1の誘導フィン(F1)が形成された第1の止水部(16)が設けられ、前記第1の湾曲部の一方の端部の内側延長部には、ビス孔を形成せずに、第2の止水溝(17a)が形成された第2の止水部(17)が設けられ、前記第2の湾曲部の内側端部には、第3の止水溝(18a)と第2の誘導フィン(F2)が形成された第3の止水部(18)が連設され、前記第1の湾曲部の凸面略中央部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第4の止水溝(19a)が形成された第4の止水部(19)が設けられ、前記内見付け部には、前記見込み方向の一方側に突出して、第5の止水溝(20a)と第3の誘導フィン(F3)が形成された第5の止水部(20)が設けられ、前記第1の止水溝、前記第5の止水溝のそれぞれは、集水可能な複数の止水溝に分割されて形成され、前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板(「左側」の5a)の第2止水部へ誘導可能に構成され、前記第2の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に併設された縦羽根板(「右側」の5a)の第5の止水部へ誘導可能に構成され、前記内見付部には、前記第5の止水部とビス孔形成部(13)とが、前記見付方向に連設して備えられ、前記第1の湾曲部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部と、前記第3の止水部と、前記ビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、外見付け部(10)と内見付け部(11)とを有するガラリ用の縦羽根板が見付方向に複数並設(・・・,105a,105,105a,・・・)されたガラリ(100)であって、前記縦羽根板(105)は、少なくとも第1の湾曲部(114)と第2の湾曲部(115)とを有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、前記第1の湾曲部の一方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝(116a)と第1の誘導フィン(F1)が形成された第1の止水部(116)が設けられ、前記第1の湾曲部の一方の端部の内側延長部には、ビス孔を形成せずに、第2の止水溝(117a)が形成された第2の止水部(117)が設けられ、前記第2の湾曲部の内側端部には、第3の止水溝(118a)と第2の誘導フィン(F102)が形成された第3の止水部(118)が連設され、前記第1の湾曲部の凸面略中央部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第4の止水溝(119a)が形成された第4の止水部(119)が設けられ、前記内見付け部には、前記見込み方向の他方側に突出して、第5の止水溝(120a)と第3の誘導フィン(F3)が形成された第5の止水部(120)が設けられ、前記第3の止水部に連設して、前記見付け方向の他方側に凸面を有する第3の湾曲部が形成され、該第3の湾曲部と前記第5の止水部との間には、前記見込み方向の一方側に突出して、第6の止水溝(123a)と第4の誘導フィン(F4)が形成された第6の止水部(123)が設けられ、前記第1の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の止水溝のそれぞれは、集水可能な複数の止水溝に分割されて形成され、前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の止水溝、前記第6の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板(「左側」の105a)の第2止水部へ誘導可能に構成され、前記第2の誘導フィンは、第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に並設された縦羽根板(「右側」の105a)の第6の止水部へ誘導可能に構成され、前記第4の誘導フィンは、前記第6の止水部で止水されなかった雨水を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板(「左側」の105a)の第5の止水部へ誘導可能に構成され、前記内見付部には、前記第5の止水部とビス孔形成部(13)とが、前記見付方向に連設して備えられ、前記第1の湾曲部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部と、前記第3の止水部と、前記第3の湾曲部と、前記第6の止水部と、前記ビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガラリであって、ガラリ外側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された外側開口部と、ガラリ内側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された内側開口部とを備え、前記外側開口部の開口寸法と、前記内側開口部の開口寸法とが等しく構成され、前記外側開口部から内部空間部を通って前記内側開口部へ抜ける間の最小間隙が、外側開口部の開口寸法以上及び内側開口部の開口寸法以上に構成されていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガラリであって、ガラリ外側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された外側開口部と、ガラリ内側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された内側開口部とを備え、前記外側開口部の開口寸法と、前記内側開口部の開口寸法とが等しく構成され、前記外側開口部の開口寸法を直径とする円が、該外側開口部から内部空間部を通過して前記内側開口部へ抜けるまで、前記縦羽根板に突出して形成された止水部が、前記円と離間するか、又は、前記円の円周に接し、かつ、前記円と交差しないように構成されていることを特徴とする。
本発明のガラリ用縦羽根板、及び、この縦羽根板を用いたガラリによれば、開口率と止水率の両方を向上させることができる。
本発明の第一実施形態のガラリの正面図である。 図1の縦断面図である。 図1の横断面図である。 図3の縦羽根板の要部拡大図である。 図3の縦羽根板の要部拡大斜視図である。 図3の縦羽根板の要部拡大図である。 図3の縦羽根板の水滴誘導部の説明図である。 本発明の第二実施形態のガラリの横断面図である。 図8の縦羽根板の要部拡大図である。 図8の縦羽根板の要部拡大図である。 図8の縦羽根板の要部拡大図である。 本発明の第三実施形態のガラリの縦断面図である。 本発明の第三実施形態のガラリの横断面図である。 図13の縦羽根板の要部拡大図である。 本発明の縦羽根板の設計方法を説明する図である。
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。図中の矢印は、方向を示し、図の説明に記載の方向と対応している。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態のガラリについて、図1〜図7、図15を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一実施形態のガラリ1の正面図であり、図2は、図1のガラリ1の縦断面図であり、図3は、図1のガラリ1の横断面図であり、図4は、図3の縦羽根板の要部拡大図である。ガラリ1は、建物等に取付けられたときに、建物外側からは図1に示すような外観を示す。ガラリ1は、羽根板として縦羽根板5のみを有する一層型ガラリであり、上枠2、下枠3、一対の縦枠4からなる矩形状の枠体と、所定数の縦羽根板5を備えている。枠体には、外側開口面8、内側開口面9が形成されている。上枠2、下枠3、縦枠4、縦羽根板5は、アルミニウム製である。
図2に示すように、縦羽根板5の上端部は上部取付け部6とビス50で螺設され、下端部は下部取付け部7とビス50で螺設されている。上部取付け部6には嵌入片6aが形成されており、嵌入片6aが上枠2内に設けられた嵌入溝2aに嵌入されることで、縦羽根板5が上枠2に固定される。また、下部取付け部7には、突片7aが設けられ、下枠3には、突片3aが設けられ、突片7aと突片3aとがビス50で螺設されることで、縦羽根板5が下枠3に固定される。下部取付け部7と下枠3との間には、縦羽根板5で止水・集水した水を排出するための排水口3bが開口されている。上枠2、下枠3には、それぞれ、縦枠4とビスで螺設されるためのビス孔51が形成されている。また、上枠2と下枠3との間の外側面には、外側開口面8が形成され、内側面には、内側開口面9が形成されている。
図3に示すように、縦羽根板5は、縦枠4,4間の見付け方向に、等間隔のピッチPで複数並設されている。図3の紙面上側が、ガラリ1が取付けられる建物等の外側であり、縦羽根板5の外側端部には、雨風の侵入を遮蔽する外見付け部10が形成されている。また、図3の紙面下側が、ガラリ1が取付けられる建物等の内側(例えば、室内側)であり、縦羽根板5の内側端部には内見付け部11が形成されている。
外見付け部10の外側の面、及び、内見付け部11の内側の面には、加工用の目印であるV溝が形成されている。外見付け部10、内見付け部11には、それぞれ、見込み方向のガラリ内部側に、外側ビス孔形成部12、内側ビス孔形成部13が連結されている。なお、ガラリ1の内部を、単に「内部」といい、ガラリ1の縦枠4方向(図3、図4の左右方向)の外部を、単に「外部」ということがある。外側ビス孔形成部12のビス孔は、縦羽根板5の上端部と前述の上部取付け部6とをビス50で螺設するための螺孔であり、内側ビス孔形成部13のビス孔は、縦羽根板5の下端部と、前述の下部取付け部7とをビス50で螺設するための螺孔である。各ビス孔は、縦羽根板5の上下方向に連通しており、止水溝としても機能する。
図3、図4において、隣接する縦羽根板5同士の間隙には換気のための換気孔が形成されており、外側開口面8側には外側開口部ORが形成され、内側開口面9側には内側開口部IRが形成され、内部には内部空間部ISが形成されている。外側開口部ORの開口寸法WRと、内側開口部IRの開口寸法WIとは、等しく設計されているので、外側開口部ORの開口寸法WR及び内側開口部IRの開口寸法WIは、単に、開口寸法Wと表記する。
ここで、縦羽根板5から、外見付け部10、外側ビス孔形成部12、内側ビス孔形成部13、内見付け部11を除いた部分の構成を縦羽根板本体部5Tと称する。縦羽根板本体部5Tは、見込み方向に第1の湾曲部14、第2の湾曲部15、複数の止水部16,17,18,19,20を備えている。
第1の湾曲部14は、見付け方向の左側に向かって膨出した円弧状の凸面を有しており、外側端部は外側ビス孔形成部12に連結され、内側端部には、見付け方向の左側に向かって突出した第1の止水部16が形成されている。また、第1の湾曲部14の内側端部には第2の止水部17が連設され、この第2の止水部17には、見付け方向の左側に向かって膨出した円弧状の凸面を有する第2の湾曲部15が連設されている。つまり、縦羽根板本体部5Tは、第1の湾曲部14と第2の止水部17と第2の湾曲部15とが連設された構成となっている。
第1の止水部16には、第1の湾曲部14の内側端部から左側に延出して形成された突片16bと、突片16bの先端に、一旦外側方向に延出した後内側方向に折り返して形成された第1の誘導フィンF1とが設けられている。第1の湾曲部14と突片16bと第1の誘導フィンF1とで第1の止水溝16aを形成しており、第1の止水溝16aは、見付け方向左側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GCが形成されている(詳細は後述する。)。この第1の止水溝16は、突片16bの中間部に見込み方向外側に延出して形成された水返し片16cによって、二つの止水溝に分割されている。分割されたそれぞれの止水溝は、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、第1の止水部16の止水溝が一つの場合よりも止水率をさらに高めることができる。第1の止水部16を構成する突片16b、水返し片16c、第1の誘導フィンF1の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙S1が、開口寸法Wより小さくならないように、後述する設計方法によって最適設計されている。
第2の止水部17には、見付け方向右側に開口されたU字状の曲面を有する第2の止水溝17aが形成され、この第2の止水溝17aの左側の溝壁17bは、第1の湾曲部14の円弧状の曲面を延長して形成されている。また、第2の止水溝17aの右側の溝壁17cは、水返し片17dで形成され、この水返し片17dに第2の湾曲部15が連設されている。第2の止水溝17aのU字状の曲面の底部には、前述した水滴誘導溝GCが形成されている。この第2の止水溝17aは、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率を高めることができる。第2の止水溝17aの大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙S1が、開口寸法Wより小さくならないように、後述する設計方法によって設計されている。
第2湾曲部15の内側端部には、見付け方向右側に開口されたU字状の曲面を有する第3の止水溝18a及び第2の誘導フィンF2を有する第3の止水部18が連設されている。U字状の第3の止水溝18aは、第2の湾曲部15の内側端部に連設される溝壁18bと、右側に延出した突片18dとで形成され、U字状の曲面の底部には水滴誘導溝GCが形成されている。突片18dの先端には、内部方向に折り返し片が設けられ、第2の誘導フィンF2として形成されている。第3の止水部18は、内側ビス孔形成部13に連設されている。
第1の湾曲部14の中央部には、第4の止水部19が形成されている。第4の止水部19は、外側方向に延出して形成された突片19bと、第1の湾曲部14とで、第4の止水溝19aを形成している。
内見付け部11の内部側には、第5の止水溝20aを有する第5の止水部20が形成されている。第5の止水溝20aには、内見付け部11の見付け方向から内部方向に折り返された二つの水返し片20b,20cを設けることで、第5の止水溝20aを二つに分割して形成している。二つの水返し片20b,20cのうち、内見付け部11の左側端部に設けられた水返し片20bは、第3の誘導フィンF3としての作用・機能を有する。
第3,第4,第5の止水部18,19,20も、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第3,第4,第5の止水部18,19,20の大きさ、傾斜角度は、最小間隙S1が、開口寸法Wより小さくならないように、後述する設計方法によって設計されている。
以上説明したような縦羽根板5を用いた図1〜図4のガラリ1は、見込み寸法(幅)Dが70mm、縦羽根板5のピッチPが30mmで、開口寸法Wが12mm、外側開口部ORから内部空間部ISを通って内側開口部IRへ抜ける間の最小間隙S1が12mmであり、開口率Xaが40%であり、止水率が95%以上である。なお、上述の縦羽根板5は、見込み寸法Dが100mm、ピッチPが30mm、開口率Xaが40%の二層型ガラリとしても使用可能である。この場合の最小間隙S1も12mmである。
[縦羽根板の設計方法]
ここで、本発明のガラリ用縦羽根板の設計方法について図15を参照して説明する。図1〜図4で説明したものと同様の構成、同様の機能を有するものには、同一の符号を付している。前述したように、図15のガラリ1は、縦羽根板5のみの一層型ガラリであり、縦羽根板5の開口寸法Wは12mm、ピッチPは30mm、目標とする開口率Xaは40%であり、止水率は95%以上を目標とする。また、ガラリ1の見込み寸法Dは70mmであり、枠体の厚みを考慮すると、縦羽根板5の寸法L1は59mmになる。縦羽根板5は、主として外見付け部10、縦羽根板本体部5T、内見付け部11で構成され、外見付け部10、及び、内見付け部11には、外・内側ビス孔形成部12,13が連設される。したがって、縦羽根板5の寸法59mmから、外・内側ビス孔形成部12,13の寸法L2,L3(図15では、それぞれ、8mm)を差し引いた寸法43mmが、縦羽根板本体部5Tの寸法L4となり、この寸法L4以内で、縦羽根板本体部5Tの形状を設計する必要がある。上述したように、縦羽根板本体部5Tは、止水率を高めるためには、有効な止水機能を有する止水部の数を増やす必要があり、このため、縦羽根板本体部5Tは、例えば、上記の特許文献に記載された「くの字」や「円弧」のような見付け方向の一方側に凸面(または、凹面)を有する湾曲形状ではなく、見込み方向に、少なくとも見付け方向の一方側に凸面(または凹面)を有する湾曲形状と、見付け方向の他方側に凸面(または凹面)を有する湾曲形状とを有するように設計される。このとき、例えば単なるS字形状にするのではなく、一定の設計手順で設計される。
説明の便宜上、図15には、隣接して並設された2つの縦羽根板5,5aを示す。
図15(a)に示すように、複数の縦羽根板を枠体に所定のピッチPで見付け方向に並設した際に、隣接する縦羽根板5,5a同士の間隙には、外側開口面8側と内側開口面9側に、それぞれ、外側開口部ORと内側開口部IRが形成される。外側開口部ORは、ガラリ1が取り付けられる建物の外部側の開口部であり、内側開口部IRは、ガラリ1が取り付けられる建物の内部側、つまり、室内側の開口部である。また、隣接する縦羽根板5,5a間には内部空間部ISが形成される。本発明では、外側開口部ORから内部空間部ISを通って内側開口部IRへ抜ける間の最小間隙S1が開口寸法Wより短くならないように設計される。図15(a)の状態では、開口寸法Wが最小間隙S1となる。
図15において、縦羽根板本体部5Tの設計手順は、以下のようになる。
最初に、基準縦羽根板本体部5Rを設計する。
まず、図15(a)に示すように、基準縦羽根板本体部5Rの見込み方向の外側・内側の両端部は、それぞれ、外側ビス孔形成部12と基準縦羽根板本体部5Rとの第1の連結点CN1、及び、内側ビス孔形成部13と基準縦羽根板本体部5Rとの第2の連結点CN2になる。そして、基準縦羽根板本体部5Rは、見付け方向の左側に膨出した円弧状の凸面を有する第1の基準湾曲部14Rと、見付け方向の右側に膨出した円弧状の凸面を有する第2の基準湾曲部15Rとが第1の屈曲点T1で連接された構成となるよう設計する。第1の屈曲点T1は、第1の基準湾曲部14Rの内側端部になる。また、この時点では、第1の屈曲点T1は、第2の基準湾曲部15Rの外側端部であるが、後述するように、第2の基準湾曲部15Rの第1の屈曲点T1近傍部分は加工されて、この部分には、止水部が形成されることになる。
ここで、第1の基準湾曲部14Rと第2の基準湾曲部15Rとは、第1の屈曲点T1を基準にして点対称になるよう設計される。そして、第1の屈曲点T1が、変曲点IPとなるように第1の基準湾曲部14Rと第2の基準湾曲部15Rとを設計する。つまり、第1の基準湾曲部14Rは、第1の半径r1を有し第1の屈曲点T1と第1の連結点CN1を通過する第1の円弧AC1であって、第2の基準湾曲部15Rは、第2の半径r2を有し第1の屈曲点T1と第2の連結点CN2とを通過する第2の円弧AC2であって、第1の屈曲点T1が、第1の円弧AC1と第2の円弧AC2で形成される曲線の変曲点IPとなるよう設計される。すなわち、第1の円弧AC1は、見付け方向左側に膨出した凸面を有し、見付け方向右側に第1の円中心CC1を有しており、第2の円弧AC2は、見付け方向右側に膨出した凸面を有し、見付け方向左側に第2の円中心CC2を有しており、第1の屈曲点T1(変曲点IP)で、第1の円弧AC1、及び、第2の円弧AC2に接線を引いたときに、第1の円弧AC1は、見付け方向右側にあり、第2の円弧AC2は、見付け方向左側にあるように設計される。このようにして、基準縦羽根板本体部5Rが設計されるが、この基準縦羽根板本体部5Rが、ピッチPで見付け方向に複数並設されると仮定すると、このままでは、換気孔を形成する湾曲部(14R,15R)だけであるので、止水率は低い。なお、第1の半径r1と第2の半径r2は、等しく設計されている。
止水率を高めるためには、基準縦羽根板本体部5Rに止水効果が有効な止水部をできる限り数多く設ける必要があるが、単に数を多くするだけでは、個々の止水部の大きさが小さくなるので、止水効果は上がらない。なお、「止水部」とは、少なくとも一つの「止水溝」を有する構成をいい、複数の「止水溝」、「誘導フィン」等を含むことがある。また、単に大きな止水部を形成すると、「最小間隙S1」が開口寸法Wより短くなり、開口率Xaが、当初の設計目標値よりも小さくなってしまう。したがって、最大の止水効果を上げるための最適な大きさ、及び、最適な数の止水部を形成する必要がある。そこで、止水部の設計には、以下のような最適設計工程を設ける。
図15(a)に示すように、内部空間部ISには、外側開口部OR及び内側開口部IRよりも広い空間部が、特に第1の屈曲点T1(つまり、変曲点IP)の近傍に存在するので、第1の屈曲点T1の近傍に止水部が形成可能であることが予想される。また、第1の屈曲点T1の近傍に止水部を設けずに、第1の屈曲点T1に対向する隣接縦羽根板5aに止水部を形成可能であることも予想される。そこで、図15(b)に示すように、まず、第1の屈曲点T1、つまり、第1の湾曲部14Rの内側端部から左側に突片16bを延出して形成し、突片16bの先端に、一旦外側方向に延出した後内側方向に折り返して第1の誘導フィンF1を形成して、第1の止水部16を構成する。第1の止水部16は、U字状の曲面を有する止水溝16aで形成され、図示するように、水返し片16cを設けて止水溝を二つに分割してもよい。
また、第1の屈曲点T1を基準にして、第2の基準湾曲部15Rを見付け方向右側に所定距離平行移動すると同時に、第2の基準湾曲部15Rの円弧形状を回転する(つまり、第2の円弧AC2の第2の円中心CC2を移動することになる。)等の加工修正を試みる。そうすると、第1の基準湾曲部14Rの内側延長上(内側接線方向)に空間部が生成されるので、この空間部に、第2の止水部17を形成する。第2の止水部17は、止水効果を高めるため、U字状の曲面を有する止水溝17aで形成され、U字状の一方の溝壁17bは、第1の基準湾曲部14Rの曲面(第1の円弧AC1)を延長されて形成され、U字状の他方の溝壁17cは、加工修正された第2の基準湾曲部15Rに連接される。このとき、第1の止水部16及び第2の止水部17は、互いに逆方向の内部空間IS側に突出することになるので、両側の内部空間部ISの「最小間隙S1」が開口寸法Wより短くなることを防ぐ必要がある。
このため、上述した、最適設計工程においては、開口寸法W1を直径φ1とする円C1が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、全ての湾曲部及び全ての止水部が、円C1と離間するか、又は、円C1の円周CL1に接し、かつ、円C1と交差しないように検証しながら上記の最適設計を行う。
以下、第1の基準湾曲部14Rを第1の湾曲部14、加工修正された第2の基準湾曲部15Rを第2の湾曲部15と表記する。
このような、最適設計工程を繰り返すことで、第2の湾曲部15の内側端部に第3の止水部18を設けることができる。また、第1の湾曲部14の中央部に、左側に突出した第4の止水部19を設けることができる。第3の止水部18を形成する第3の止水溝18aの突片18dの先端部には、突片18dの延長線上から折り返された水返し片を形成し、第2の誘導フィンF2とすることができる。また、内見付け部11の内部側には、第5の止水溝20aを有する第5の止水部20が設けられる。第5の止水溝20aは、略中央部に二つの水返し片20b,20cを設けることで、二つの止水溝に分割される。
図15(c)は、縦羽根板5の最終的な検証の結果を示している。図15(c)に示すように、開口寸法Wを直径φ1とする円C1が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1〜第5の止水部が、円C1と離間するか、又は、円C1の円周CL1に接し、かつ、円C1と交差しないことが検証されている。この結果、外側開口部ORの開口寸法Wと内側開口部IRの開口寸法Wとが等しく、かつ、外側開口部ORから内部空間部ISを通って内側開口部IRへ抜ける間の最小間隙S1が開口寸法Wより短くならないように縦羽根板5を設計することができ、Xa=40%の開口率で、かつ、95%以上の高い止水率を実現することができる。第1〜第5の止水部16〜20は、止水率を高めるために充分な形状・大きさ・容量を備え、第1の誘導フィンF1は、雨風の流れを対向する第2の止水部17に誘導し、第2の誘導フィンF2は、雨風の流れを対応する第5の止水部20に誘導して止水率を高めることができる。
このようにして形成された止水部の数(5個)は、従来技術と比べて格段に多く、従来技術の設計方法で実現することは不可能である。なお、図15は、縦羽根板5の断面図で説明しているので、便宜的に円C1を用いているが、円C1の代わりに球を用いてもよい。
図15では、縦羽根板本体部5Tが、二つの湾曲部(第1の湾曲部14、第2の湾曲部15)を備えた例を示したが、例えば、ガラリの見込み方向の寸法が大きくなったときは、さらに第3の湾曲部を設けてもよい。この場合、第3の湾曲部は、上述した設計方法に基づいて最適設計される。
なお、上記の設計方法では、第1の基準湾曲部14Rには、内側端部及び中央部に第1及び第4の止水部16,19を設け、曲面(第1の円弧AC1)の形状・寸法は加工していないが、ガラリへの要求仕様(換気量、見込み寸法、羽根板の層構成、開口率等)に応じて、第1基準湾曲部14Rの曲面は適宜、加工されてよい。
以下、第一実施形態の縦羽根板の構成、作用・機能の説明に戻る。
図5は、図3の縦羽根板5の要部拡大斜視図であり、図6は、図3の縦羽根板5の要部拡大図であり、それぞれ、外部から侵入する雨風の流れと、水滴の止水の作用等を説明する図である。図5及び図6に示す縦羽根板5と縦羽根板5aは、同一の形状であり、同一の作用・効果を奏するが、説明の便宜上、符号を変えている。
図5及び図6に示すように、縦羽根板5と、隣接する縦羽根板5aとの間に形成された外側開口部ORから侵入する雨風は、まず、縦羽根板5の第1の湾曲部14の曲面に沿って誘導される。そして、雨水は、縦羽根板5の第4の止水部19(第4の止水溝19a)、及び、縦羽根板5の第1の止水部16で受け止められる。第1の止水部16は、第1の止水溝16aが二つの止水溝に分割されており、特に、一方側の止水溝は、U字状に形成されているので、雨水を止水溝で受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。また、二つの止水溝に分割したことで溝壁が増え、雨水の飛散をさらに低減することができる。第4の止水部19、及び、第1の止水部16で止水された雨水は、集水されてガラリ1の下端の排水口3bへ流下されて排水される。
次に、縦羽根板5の第1の湾曲部14で誘導された雨風は、縦羽根板5の第1の誘導フィンF1で強制的に誘導されて、隣接する縦羽根板5aの第2の止水部17で受け止められ、縦羽根板5の第4及び第1の止水部19,16で止水しきれなかった雨水は、縦羽根板5aの第2の止水部17で止水される。第2の止水部17は、U字状に形成された第2の止水溝17aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。第2の止水部17で止水された雨水は、集水されてガラリ1の下端の排水口3bへ流下された排水される。
縦羽根板5aの第2の止水部17で止水しきれなかった雨水の一部は、縦羽根板5aの第2の湾曲部15の曲面に沿って流れ、縦羽根板5aの第3の止水部18で受け止められ止水される。第3の止水部18は、U字状に形成された第3の止水溝18aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。第3の止水部18で止水された雨水は、集水されてガラリ1の下端の排水口3bへ流下されて排水される。
縦羽根板5の第1の誘導フィンF1で誘導された風は、縦羽根板5aの第2の湾曲部15の曲面に沿って誘導された後、縦羽根板5aの第3の止水部18に設けられた第2の誘導フィンF2により、強制的に縦羽根板5の第5の止水部20に誘導する。第5の止水部20には、二つの止水溝が設けられており、第1〜第4の止水部で止水しきれなかった雨水は、この二つの止水溝で止水、集水されて、ガラリ1の下端の排水口3bへ流下されて排水される。
以上のように、本発明の縦羽根板には、止水溝又は誘導フィンのいずれかが少なくとも一つ以上形成された第1〜第5の止水部16〜20を備えており、従来のガラリに比べて止水率を非常に高くすることができる。
また、縦羽根板の形状が曲面の組み合わせのため、空気がスムーズに流れ、雨水が曲面に遠心力で押しつけられ、止水率が向上する。したがって、本発明のガラリ1が取付けられた建物の室内には、外部から侵入した雨風のうち雨(水滴)が確実に止水され、風のみが侵入し、良好な換気を行うことができる。
次に、さらに、止水率を向上させるために形成された水滴誘導溝GCについて説明する。第1〜第3、第5の止水部16〜18,20には、U字状の各止水溝16a,17a,18a,20aの底部に曲面状に水滴誘導溝GCが形成されている。図7は、第3の止水部18(第3の止水溝18a)に設けられた水滴誘導溝GCを説明する拡大図である。図7(a)は、水滴誘導溝GCの横断面を示しており、図7(b)は、図7(a)のA−A線断面図である。図示するように、U字状の第3の止水溝18aに流入した水滴状の雨水DWは溝壁18b,18cに沿って集水されて重量が増加し、円弧状の曲面で形成された水滴誘導溝GCによって下方の排水口3bへの流下が加速される。これにより、溝壁18b,18cに雨水が溜まることが低減され、雨水の飛散が低減されるので、止水率が向上する。
図7では、第3の止水部18を例にとって示したが、第1、第2の止水部16,17でも同様の作用を奏する。なお、第一の実施形態、及び、後述する第二、第三の実施形態では、複数の止水溝(U字状の曲面を有する止水溝)に水滴誘導溝を形成している。当然に、より多くの水滴誘導溝を形成した方が止水率は高くなるが、要求される止水率に応じて、どの止水溝に水滴誘導溝を設けるかは、適宜調整することができる。例えば、ガラリに備えられているいずれか一つの止水溝に水滴誘導溝を形成するようにしてもよい。
以上のように、最適設計、構成された本発明の第一実施形態の縦羽根板5の開口率の検証結果について、図15(b)及び図15(c)を用いて説明する。図15(b)及び図15(c)は、図3の縦羽根板5の要部拡大図である。縦羽根板5の開口寸法Wは12mmであり、ピッチPは30mmである。この時点では、目標の開口率Xaは、40%(Xa=12/30×100)であり、この開口率を最終的に達成するためには、外側開口部ORの開口寸法Wを直径φ1とする円C1が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1〜第5の止水部16〜20が、円C1と離間するか、又は、円周CL1に接し、かつ、円C1と交差しないことが検証されなければならない。図15(c)では、開口寸法Wが12mmであり、この開口寸法Wと同じ12mmの直径φ1の円C1が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1〜第5の止水部16〜20のいずれもが、円周CL1に接しており、かつ、円C1と交差しないことが検証されており、開口率40%を達成していることがわかる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態のガラリ用縦羽根板について、図8〜図11を参照しながら説明する。
第二実施形態のガラリ100は、羽根板として縦羽根板のみを備えた一層型ガラリであり、見込み寸法(幅)Dが100mm、縦羽根板105のピッチPが30mmで、開口寸法Wが15mm、外側開口部ORから内部空間部ISを通って内側開口部IRへ抜ける間の最小間隙S1が15mmであり、開口率Xaが50%である。第二実施形態のガラリ100設計方法は、第一実施形態のガラリ1と同じである。
図8は、本発明の第二実施形態のガラリ100の横断面図であり、図9は、図8の要部拡大図である。ガラリ100の縦羽根板105は、ガラリ1の縦羽根板5と同様に、第1の湾曲部114、第2の湾曲部115、第1〜第5の止水部116〜120を備え、さらに、第2の湾曲部114と同一方向に凸面を有する第3の湾曲部122、この第3の湾曲部122の内側端部に形成された第6の止水部123、第6の止水部123と内側ビス孔形成部13とを連結する連結片124を備えている。ガラリ100では、ガラリ1に対し、内見付け部の内側ビス孔形成部13と第5の止水部120との位置関係が見付け方向で逆の位置になっている。
以下、ガラリ100のガラリ1との構成上の主な相異点について説明する。
第1の湾曲部114は、完全な円弧形状ではなく、第4の止水部119の形成位置で僅かに窪みを有するように加工されている。第2の湾曲部115は、第2止水部117のU字形状の第2止水溝117aの底部中央部と連結されている。第3の止水部118のU字形状の第3の止水溝118aは、水返し片118eで二つの止水溝に分割されており、第2の誘導フィンF102は、突片118dの先端から一旦外側に延出し、その後内部方向に折り返されている。第6の止水部123は、第3の止水部118の底部中央部と連結され、U字形状の第6の止水溝123aを備えている。第6の止水溝123aの先端には、第4の誘導フィンF4が設けられている。第6の止水溝は、溝壁123b,123cを有し、底部には、水滴誘導溝GCが設けられている。以上述べたガラリ100のガラリ1との主な相異点は、ガラリ1と同様の設計手順に基づいて、開口率50%を維持するための最適設計の結果である。
図10は、図8の要部拡大斜視図であり、外部から侵入する雨風の流れと、水滴の止水の作用等を説明する図である。第一の実施形態と同様に、縦羽根板105と隣接する縦羽根板105aを用いて説明する。
第1及び第2の湾曲部114,115、第1〜第4の止水部116〜119の作用は、ガラリ1と同様である。ただし、第3の止水部118は、第3の止水溝118aが二つに分割されているので、止水効果はより向上している。
縦羽根板105aの第3の止水部118で止水しきれなかった雨水は、縦羽根板105a第2の誘導フィンF102、及び、縦羽根板105の第2の湾曲部115の曲面で強制的に誘導され、縦羽根板105の第6の止水部123で受け止められ止水される。第6の止水部123は、U字状に形成された第6の止水溝123aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。第6の止水部123で止水された雨水は、集水されてガラリ1の下端の排水口3bへ流下されて排水される。
縦羽根板105の第6の止水部123で止水しきれなかった雨水は、縦羽根板105の第4の誘導フィンF4、及び、縦羽根板105aの第3の湾曲部122の曲面で強制的に誘導され、縦羽根板105aの第5の止水部120で受け止められ止水、集水されて下方の排水口3bへ流下される。第5の止水部120は、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。なお、その他の構成は、ガラリ1の説明と重複するか、又は、ガラリ1の説明から容易に理解できるので省略する。
以上のように、最適設計、構成された本発明の第二実施形態の縦羽根板105の開口率の検証結果について説明する。図11は、図8の縦羽根板105の要部拡大図である。縦羽根板105の開口寸法Wは15mmであり、ピッチPは30mmである。この時点では、目標の開口率Xaは、50%(Xa=15/30×100)であり、この開口率を最終的に達成するためには、外側開口部ORの開口寸法Wを直径φ2とする円C2が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1〜第6の止水部が、円C2と離間するか、又は、円周CL2に接し、かつ、円C2と交差しないことが検証されなければならない。図11では、開口寸法Wが15mmであり、このWと同じ15mmの直径の円C2が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1〜第6の止水部116〜120,123のいずれもが、円周CL2に接しており、かつ、円C2と交差しないことが検証されており、開口率50%を達成していることがわかる。止水率は、95%以上を実現することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態のガラリ用縦羽根板について、図12〜図14を参照しながら説明する。図12は、ガラリ200の縦断面図であり、図13は、ガラリ200の横断面図であり、図14は、図13の要部拡大図である。第三実施形態のガラリ200は、羽根板として横羽根板230及び縦羽根板205を備えた二層型ガラリであり、見込み寸法(幅)Dが70mm、縦羽根板205のピッチPが27.5mmで、開口寸法Wが14mm、外側開口部ORから内部空間部ISを通って内側開口部IRへ抜ける間の最小間隙S1が14mmであり、開口率Xaが50%である。第三実施形態のガラリ200設計方法は、第一実施形態のガラリ1と同じである。なお、止水率は、横羽根板230と縦羽根板205を組み合わせたことで、95%以上を実現することができる。
以下、ガラリ200のガラリ1、ガラリ100との構成上の主な相異点について説明する。ガラリ200は、二層型のガラリであり、横羽根板230が建物の外側を臨むように、また、縦羽根板205が建物内部を臨むように構成されている。横羽根板230は、図12の縦断面図に示すように、中央部に横ビス孔形成部231を有し、横ビス孔形成部231の頂部に突片232が形成され、横ビス孔形成部231から外側下方に第1の傾斜片233が形成され、傾斜片の先端には第1の垂下片234が連設されている。また、横ビス孔形成部231から内側下方に第2の傾斜片235が形成され、第2の傾斜片235の先端には第2の垂下片236が連設されている。このように形成された横羽根板230が、ガラリ200の枠体上下方向に、等間隔のピッチで複数配設されている。
ガラリ200の縦羽根板205は、ガラリ1の縦羽根板5に対して、第3の止水部18が設けられていない点が大きく異なっている。つまり、第2の湾曲部215は、直接、内ビス形成部13に連設されている。ただし、止水率は95%以上を実現することができるので、第3の止水部を設けていなくても、止水の効果は第一実施形態のガラリ1,第二実施形態のガラリ100と同程度である。また、第1の止水部216の第1の止水溝216aは、分割されず、一つである。第5の止水部220は、第二実施形態のガラリ100の第5の止水部120と同様である。
第2の湾曲部215は、ガラリ1と異なるが、ガラリ200と同様に、第2の止水部217の底部中央部に連結されている。
なお、その他の構成は、ガラリ1又はガラリ100の説明と重複するか、ガラリ1又はガラリ100の説明から容易に理解できるので省略する。また、第三の実施形態のガラリ200の開口率の検証結果については、図14に簡略的に示すように、ガラリ1,100と同様に、外側開口部ORの開口寸法W(14mm)を直径φ3とする円C3が、外側開口部ORから内部空間部ISを通過して内側開口部IRへ抜けるまで、第1,第2,第4,第5の止水部216,217,219,220が、円C3と離間するか、又は、円周CL3に接し、かつ、円C3と交差しないことが確認されている。
以上説明したように、本発明のガラリ、及び、ガラリ用縦羽根板によれば、開口率と止水率を同時に向上させることができる。また、二層型ガラリで、見込み寸法Dが70mmであり、従来の技術で実現できなかった小型軽量のガラリを実現することができる。
1,100,200 ガラリ
2 上枠
2a 嵌入溝
3 下枠
3a 突片
3b 排水口
4 縦枠
5,5a,105,105a,205 縦羽根板
5R 基準縦羽根板本体部
5T 縦羽根板本体部
6 上部取付け部
6a 嵌入片
7 下部取付け部
7a 突片
8 外側開口面
9 内側開口面
10 外見付け部
11 内見付け部
12 外側ビス孔形成部
13 内側ビス孔形成部
14,114,214 第1の湾曲部
14R 第1の基準湾曲部
15,115,215 第2の湾曲部
15R 第2の基準湾曲部
16,116,216 第1の止水部
16a,116a,216a 第1の止水溝
16b 突片
16c 水返し片
17,117 第2の止水部
17a,117a 第2の止水溝
17b,17c 溝壁
17d 水返し片
18,118 第3の止水部
18a,118a 第3の止水溝
18b,18c 溝壁
18d,118d 突片
118e 水返し片
19,119 第4の止水部
19a 第4の止水溝
19b 突片
20,120,220 第5の止水部
20a 第5の止水溝
20b,20c 水返し片
50 ビス
51 ビス孔
122 第3の湾曲部
123 第6の止水部
123a 第6の止水溝
123b、123c 溝壁
124 連結片
230 横羽根板
231 横ビス孔形成部
232 突片
233 第1の傾斜片
234 第1の垂下片
235 第2の傾斜片
236 第2の垂下片
AC1 第1の円弧
AC2 第2の円弧
C1,C2,C3 円
CL1、CL2,CL3 円周
CC1 第1の円中心
CC2 第2の円中心
D 見込み寸法
DW 雨水(水滴)
F1 第1の誘導フィン
F2,F102 第2の誘導フィン
F3 第3の誘導フィン
F4 第4の誘導フィン
GC 水滴誘導溝
IP 変曲点
IR 内側開口部
IS 内部空間部
L1 縦羽根板の寸法
L2 外側ビス孔形成部の寸法
L3 内側ビス孔形成部の寸法
L4 縦羽根板本体部の寸法
OR 外側開口部
P ピッチ
r1 第1の半径
r2 第2の半径
S1 最小間隙
T1 第1の屈曲点
W 開口寸法
WI 内側開口部IRの開口寸法
WR 外側開口部ORの開口寸法

Claims (4)

  1. 外見付け部と内見付け部とを有するガラリ用の縦羽根板が見付方向に複数並設されたガラリであって、
    前記縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、
    前記第1の湾曲部の一方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝と第1の誘導フィンが形成された第1の止水部が設けられ、
    前記第1の湾曲部の一方の端部の内側延長部には、ビス孔を形成せずに、第2の止水溝が形成された第2の止水部が設けられ、
    前記第2の湾曲部の内側端部には、第3の止水溝と第2の誘導フィンが形成された第3の止水部が連設され、
    前記第1の湾曲部の凸面略中央部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第4の止水溝が形成された第4の止水部が設けられ、
    前記内見付け部には、前記見込み方向の一方側に突出して、第5の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第5の止水部が設けられ、
    前記第1の止水溝、前記第5の止水溝のそれぞれは、集水可能な複数の止水溝に分割されて形成され、
    前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
    前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第2の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第2の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に併設された縦羽根板の第5の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記内見付部には、前記第5の止水部とビス孔形成部とが、前記見付方向に連設して備えられ、
    前記第1の湾曲部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部と、前記第3の止水部と、前記ビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されている
    ことを特徴とするガラリ。
  2. 外見付け部と内見付け部とを有するガラリ用の縦羽根板が見付方向に複数並設されたガラリであって、
    前記縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部と第2の湾曲部とを有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、
    前記第1の湾曲部の一方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝と第1の誘導フィンが形成された第1の止水部が設けられ、
    前記第1の湾曲部の一方の端部の内側延長部には、ビス孔を形成せずに、第2の止水溝が形成された第2の止水部が設けられ、
    前記第2の湾曲部の内側端部には、第3の止水溝と第2の誘導フィンが形成された第3の止水部が連設され、
    前記第1の湾曲部の凸面略中央部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第4の止水溝が形成された第4の止水部が設けられ、
    前記内見付け部には、前記見込み方向の他方側に突出して、第5の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第5の止水部が設けられ、
    前記第3の止水部に連設して、前記見付け方向の他方側に凸面を有する第3の湾曲部が形成され、該第3の湾曲部と前記第5の止水部との間には、前記見込み方向の一方側に突出して、第6の止水溝と第4の誘導フィンが形成された第6の止水部が設けられ、
    前記第1の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の止水溝のそれぞれは、集水可能な複数の止水溝に分割されて形成され、
    前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝、前記第5の止水溝、前記第6の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
    前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第2の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第2の誘導フィンは、第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に並設された縦羽根板の第6の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第4の誘導フィンは、前記第6の止水部で止水されなかった雨水を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第5の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記内見付部には、前記第5の止水部とビス孔形成部とが、前記見付方向に連設して備えられ、
    前記第1の湾曲部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部と、前記第3の止水部と、前記第3の湾曲部と、前記第6の止水部と、前記ビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されている
    ことを特徴とするガラリ。
  3. ラリ外側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された外側開口部と、
    ガラリ内側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された内側開口部とを備え、
    前記外側開口部の開口寸法と、前記内側開口部の開口寸法とが等しく構成され、
    前記外側開口部から内部空間部を通って前記内側開口部へ抜ける間の最小間隙が、外側開口部の開口寸法以上及び内側開口部の開口寸法以上に構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラリ。
  4. ラリ外側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された外側開口部と、
    ガラリ内側開口面側の前記複数の縦羽根板間に形成された内側開口部とを備え、
    前記外側開口部の開口寸法と、前記内側開口部の開口寸法とが等しく構成され、
    前記外側開口部の開口寸法を直径とする円が、該外側開口部から内部空間部を通過して前記内側開口部へ抜けるまで、前記縦羽根板に突出して形成された止水部が、前記円と離間するか、又は、前記円の円周に接し、かつ、前記円と交差しないように構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラリ。
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