JP3208185U - ガラリ - Google Patents

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Abstract

【課題】開口率と止水率の両方を向上させることができるガラリを提供する。【解決手段】縦羽根板15が見付方向に複数並設されたガラリ10であって、縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部CP1と第2の湾曲部CP2を有し、第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、第2の湾曲部は、見付け方向の他方側に凸面を有し、外見付部の内側には第1のビス孔形成部B1が設けられ、該第1のビス孔形成部には、第1の湾曲部の一方の端部が連接され、第1の湾曲部の他方の端部には、見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝S1aと第1の誘導フィンF1が形成された第1の止水部S1が設けられ、かつ、見付け方向の他方側に突出して、第2の止水溝S2aが形成された第2の止水部S2が設けられ、第1の湾曲部と、第1の止水部と、第2の止水部と、第2の湾曲部は、見込み方向に沿って連設されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、開口率と止水率の両方を向上させることができるガラリに関する。
従来、工場、発電所、体育館、倉庫、ビル、家屋等の建物の室内と室外の空気を入れ換えるために、建物の窓、ドア、外壁等に、複数の羽根板を所定形状の枠体に設けてなるガラリ(または、「換気ルーバ」ともいう。)が設置される。ガラリは、外側開口面と内側開口面を有し、外側開口面が建物外側を臨み、内側開口面が建物内側(例えば、室内)を臨む状態で設置される。羽根板には、横羽根板と縦羽根板があり、ガラリには、枠体に横羽根板だけ、又は、縦羽根板だけを設けた一層型ガラリと、枠体に横羽根板及び縦羽根板を設けた二層型ガラリがある。二層型ガラリの場合、通常、横羽根板が外側開口面側に設けられ、縦羽根板が内側開口面側に設けられる。複数の羽根板(横羽根板、縦羽根板)は、それぞれ、等間隔のピッチで見付け方向に並設され、隣接する羽根板同士の間には、換気のための換気孔が形成される。この換気孔の入り口を外側開口部、出口を内側開口部、内部を内部空間部という。なお、外側開口部と内側開口部を総称して、単に開口部ということがある。
ガラリは、上述したように換気を目的とするものであるが、単に開口部・内部空間部を広くして換気性能を向上させると、止水(「防水」、「漏水」ともいう。)性能が劣化してしまい、逆に、止水性能を上げようとして開口部を狭くしたり、内部空間部の止水部をむやみに大きくあるいは増やしたりすると、換気性能が劣化してしまうので、この相反する課題を同時に解決して、開口率と止水率を高めることは非常に困難であった。したがって、従来の技術において、開口率と止水率の両方を改善することが記載された特許文献は数少ない。
ここで、開口率の定義を示す。例えば、特許文献1には、「開口面3から開口空間6を通って他方の開口面3へ抜ける間の間隙」の「最小間隙をS1」、「ガラリの羽根ピッチをP」とすると、「概略による有効開口率Xa」は、「Xa=S1/P×100」で求めることができると記載されている(段落「0002」〜「0007」、図3、図4等参照。)。なお、「開口面3」、「開口空間6」、「他方の開口面3」は、それぞれ、上記の「外側開口部」、「内部空間部」、「内側開口部」に対応している。
上記特許文献1の「ガラリ」は、「横型羽根」のみで構成されているが、「有効開口率」(単に「開口率」ともいう。)は、「縦型羽根」のみの構成でも同様に考えればよい。つまり、羽根板が、横羽根板、縦羽根板に拘わらず、「開口面から開口空間を通って他方の開口面へ抜ける間の最小間隙をS1」、「ガラリの羽根ピッチをP」として、「概略による有効開口率Xa=S1/P×100」を求めればよい。なお、実際には、「有効開口率」は、特許文献1にも記載されているように「S1」、「P」以外のパラメータが考慮されることもあるが(特許文献1の段落「0005」、図4等参照。)、本考案においては、「概略による開口率Xa=S1/P×100」を、「開口率」と定義して説明する。
また、建築基準法では、居室の必要換気量が定められており、例えば、ある居室の必要換気量に対し、開口率の高いガラリは、開口率の低いガラリに対して、枠体を小さくすることができる。枠体が小さくなれば、コストも下がり、施工も簡単になる。しかしながら、上述したように、単に開口率を上げるだけでは、止水率が下がるという問題が発生する。また、横羽根板と縦羽根板から構成された二層型のガラリは、通常、横羽根板のみ、又は、縦羽根板のみのガラリに比べ、止水率は向上させることができるものの、構成が複雑になるので、ガラリの製造コスト及び販売価格が高くなる。一方、ガラリを建物等に設置した際に、縦羽根板のガラリよりも横羽根板のガラリの方が、美観的にユーザに好まれることは周知である。したがって、二層型のガラリの方が需要が多い。そこで、本考案では、一層型ガラリ及び二層型ガラリにおいて、開口率と止水率の両方を高め、さらに、二層型ガラリでも枠体サイズを小さくすることができるように鋭意工夫されている。
以下、従来技術としての、ガラリについて説明する。例えば、上記の特許文献1には、「羽根の開口遮蔽面を内方へ湾曲した弧状面としたことを特徴とするガラリの山形羽根」(「請求項1」、図1〜図3等参照。)が記載されている。
また、特許文献2には、「建物の通気口等に設置すべく、前記建物等の躯体に取付けられているガラリ枠体と、このガラリ枠体における左右の両縦枠間に、前記通気用の間隔を設け多数配設されている縦状の羽根板とを備える外装用縦型ガラリであり、前記各羽根板は、前記建物の外部から内部方向へ延びる羽根板の幅方向略中央部における頂部と、この頂部から建物外部方向および建物内部方向へそれぞれ延びる両斜面部とから略三角形状に形成され、また、各羽根板における建物外部側端部および建物内部側端部にはそれぞれビスホールが形成されていると共に、各羽根板における建物外部側および建物内部側の端面である表面が曲面で形成されており、前記頂部には建物外部側に開口する溝部が形成されていると共に、この溝部における建物外部側および建物内部側の表面が曲面で形成され、また、前記頂部から建物外部方向へ延びる斜面部は建物内部側への凹状に湾曲した曲面で形成されていると共に、頂部から建物内部方向へ延びる斜面部は建物外部側への凹状に湾曲した曲面で形成されていることを特徴とする外装用縦型ガラリ」(「請求項1」、図1参照。)が記載されている。
また、特許文献3には、「帯状の板体からなる羽根板部材の複数個を縦方向に配置してなる竪型防水ルーバにおいて、該羽根板部材を幅方向断面S字状に構成し、その幅方向の2箇所の屈曲部の背部に屋外側に向けた突片部を備え、且つ該両屈曲部の間にビス孔兼水受けを設けてなることを特徴とする竪型防水ルーバ。」(「請求項1」、図2〜図7参照。)が記載されている。
また、特許文献4には、「上下左右の枠で構成されたガラリ枠の内側に、長手方向が上下方向とされて取り付けられる羽根であって、外見付け面と内見付け面とをつなぐ見込み面に水返し部が突設されてなるガラリ用羽根において、上記水返し部が見込み方向中央より屋内側から略円弧状をなすように突出されて、その先端折り返し部が上記見込み方向中央より屋外側に位置するように構成されていることを特徴とするガラリ用羽根」(「請求項1」、図1参照。)、「上記外見付け面に上記長手方向に伸長する集水用の溝が形成されている(「請求項2」、図1〜図3等参照。)」が記載されている。
また、特許文献5には、「間隔を置いて平行に複数配設されている縦状の羽根板を備え、隣り合う羽根板間で連結して曲がった通風路が形成されていることを特徴とするガラリ」(「請求項1」、図2、図3参照。)、「縦状の羽根板には連続した捕水用の溝が形成されていることを」(「請求項2」、図2、図3)が記載されている。
また、特許文献6には、「第一湾曲部、第二湾曲部及びこの第一湾曲部とこの第二湾曲部とを連結する連結部を備えており、この第一湾曲部及びこの第二湾曲部が、見込み方向に並設されており、この第一湾曲部が、見付け方向一方側に向かって凸な形状を呈しており、この第二湾曲部が、見付け方向一方側に向かって凸な形状を呈しており、この第二湾曲部の外側端部が、この第一湾曲部よりも見付け方向一方側に突出しており、上記連結部が、この第一湾曲部の内側端部から見付け方向一方側に向かって延在しており、この第二湾曲部の内側端部が、この第一湾曲部の内側端部よりも内側に位置しており、この第一湾曲部の内側端部と、この第二湾曲部の外側端部と、この連結部とから、保水溝が形成されるガラリ用縦羽根板」(「請求項1」、図5参照。)が記載されている。
登録実用新案第3059810号公報 特許第2880914号公報 特開平11−166376号公報 特開2000−104462号公報 特開2002−081273号公報 特許第4177832号公報
上記特許文献1の「ガラリ」は、横羽根板で構成された一層型であり、「有効開口率は47%強」を実現することができ、「ガラリの有効開口率を向上させることができる」(段落「0017」、図参照。)と記載されている。しかしながら、特許文献1には、止水率については何ら記載がなく、例えば、特許文献3に「半ば伝統的に採られてきた羽根板材の設置方向を横方向にする形式のものについてよく観察すると、各羽根板で補集された雨水が順次下側の羽根板上に垂れ落ちて飛散し、ルーバ内に入り込み易いという弱点を有しており、また左右の横方向からの風雨に対する遮蔽効果も必ずしも充分ではなく」(段落「0002」参照。)と記載されているように、特許文献1記載の「ガラリ」は、95%以上の高い止水率を実現することができるかどうか不明である。
特許文献2に記載の「外装用縦型ガラリ1」は、「漏水率を低くするべく、各羽根板における頂部に溝部を設ける」(段落「0011」、図1参照。)、「この外装用縦型ガラリ1における各羽根板4の頂部7には建物外部5側に開口する溝部11が形成されている」(段落「0015」、図1参照。)、「この実施例での各羽根板4は、図1に示すように、頂部7と両斜面部8,9とからなる略三角形状の断面形状を有する」(段落「0016」等参照。)と記載されているように、「斜面部8」と「斜面部9」の間には、「頂部7」に「溝部11」が一つしか形成されていないので、自然換気状態での95%以上の高い止水率を実現することができるかどうか不明である。また、開口率については、何ら記載されていない。
特許文献3には、「本発明の羽根板部材は、その幅方向の断面がS字状であるため、その幅方向の2箇所(屈曲部)が断面湾曲状ないし断面円弧状に形成される。これらの2箇所の屈曲部の背部にそれぞれ突片部が設けられる。その突片部の腹部及び羽根板部材の背部により、上下方向に溝が形成され、これによって屋外から屋内への風雨の浸入を防ぎ、ここで雨滴を受止め、集めて流下させることができる」(段落「0016」、図2〜図4等参照。)、「本発明の竪型防水ルーバにおいては開口率を50%程度から65%程度というようにすることができるが、30〜50%というようにもできるとは勿論である」(段落「0023」参照。)と記載されており、開口率は向上しているものの、「屈曲部11及び12」には、止水のための構成としては、二つの「突片部13、15」しか設けられていないので、止水のための「溝部11」が一つのみの特許文献2の「外装用縦型ガラリ1」よりは、止水率が向上しているものの、95%以上の高い漏水率は期待できないものと推量される。
特許文献4に記載の「ガラリ」は、「より良好な防水性能を得られるようにしたガラリ用羽根を提供する」(段落「0007」参照。)という目的を実現するために、「上記のように、この例では水返し部38は中心線CLをよぎるように深く大きく設けられているため、図中、ハッチングで示した雨水が溜まる領域41は図6に示した従来の羽根16の雨水が溜まる領域24より格段に広く、よって防水性能が大幅に向上されたものとなっている」(段落「0011」、図1等参照。)ものである。ここで、「水返し部38」を大きくすれば、「防水性能」は当然に向上するが、「水返し部38」の突端と、隣接する「曲線部34」との「最小間隙(S1)」が狭くなるので、開口率は低下する。特許文献4の「ガラリ」において、この「最小間隙」を広くして開口率を高めようとすると、逆に「防水性能」は劣化する。特許文献4には、開口率と防水性能との関係については、何ら記載されていないので、防水性能を高めるために、開口率は小さくしているものと推量される。
特許文献5に記載の「縦型ガラリ」においても、「羽根板間の連続して曲がった通風路で風雨の勢いを弱めて、羽根板の溝で捕水して漏水しないガラリを提供する」(段落「0005」参照。)と記載されているように、「漏水率」の向上を目的としてものであり、「屋外部捕水壁21、中間部捕水壁22,23、屋内部捕水壁24の捕水溝25に雨水が捕水され再び飛散することがなく捕水溝25に沿って下方へ導びかれ速やかに屋外へ排水されるので屋内へ雨水が侵入することがない」(段落「0012」、図1〜図3参照。)との記載はあるものの、開口率については、何ら記載されていない。「中間部捕水壁22,23」が、隣接する「羽根板2」間に水平に伸びているので、「最小間隙」は狭くなって開口率は下がることが推量され、逆に、開口率を上げるためにこの「最小間隙」を広げようとすると、「漏水率」は低下することが推量される。また、「羽根板間の連続して曲がった通風路で風雨の勢いを弱め」ると、必要換気量を達成できなくなる虞がある。
上記の特許文献1〜特許文献5に記載の発明に対して、特許文献6に記載の「ガラリ」は、「前述のガラリ用縦羽板10においては、保水溝の数は2個であり、しかも略中央部に設けられている保水溝110は、V字形で奥行きが狭く、容量が小さいので、強い雨水が吹き付けられる場合、雨水が水返し部108からあふれ、屋内へ雨水が侵入するという問題がある。また、建物内に取り込まれる外気量も不十分である。本考案の目的は、良好な防水性能を有し、しかも換気機能も良好であるガラリ用縦羽板及びこれを用いたガラリの提供にある」(段落「0004」〜「0005」参照。)と記載されているように、一応、「止水率」と「開口率」の両方の向上を目的としたものであり、表1に、開口率、防水性試験の結果が、他社製品と比較して示され、特許文献6の図7に記載の「ガラリ用縦羽板8」を用いた「ガラリ」では、「開口率50%」、及び、「風速30(m/s)」において「漏水量0.51(l)」であることが記載されている。
ここで、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」は、開口率が40%であり、「第一湾曲部51」と「第二湾曲部52」は、曲面の曲がり方向が同一方向であるので、止水率をさらに高めるために保水溝、つまり、水返し部の数を増やそうとすると、水返し部の突端と隣接する湾曲部との最小間隙(S1)が狭くなり、開口率は40%より低下するものと推量される。そして、特許文献6の図7に記載の「ガラリ」は、「第一湾曲部51」及び「第二湾曲部52」と曲がり方向が逆となる「第4湾曲部85」及び「第5湾曲部86」をさらに設けることで、「保水溝」の数を増やすことで漏水量を小さくすることにより、開口率を50%に向上させることを実現しているものと推量される。しかしながら、仮に、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」の枠体と同サイズで図7に記載の「ガラリ」を構成しようとすると、各々の「湾曲部」、「保水溝」、「水返し部」のサイズも小さくなり、「漏水性能」が劣化してしまうので、特許文献6の図7に記載の「ガラリ」は、特許文献6の図5に記載の「ガラリ」よりも見込み方向寸法を大きくしているものと推量される。
そこで、本考案においては、開口率と止水率の両方を向上させることができるガラリを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の考案は、外見付け部と内見付け部とを有するガラリ用の縦羽根板が見付け方向に複数並設されたガラリであって、前記縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、前記外見付部の内側には第1のビス孔形成部が設けられ、該第1のビス孔形成部には、前記第1の湾曲部の一方の端部が連接され、前記第1の湾曲部の他方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝と第1の誘導フィンが形成された第1の止水部が設けられ、かつ、前記見付け方向の他方側に突出して、第2の止水溝が形成された第2の止水部が設けられ、前記第1の湾曲部と、前記第1の止水部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部は、見込み方向に沿って連設され、前記内見付け部には、第3の止水溝と第2の誘導フィンとが形成された第3の止水部と、第2のビス孔形成部とが、見付け方向に連接して設けられ、前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第2の止水部へ誘導可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のガラリであって、前記第2の湾曲部の内側端部には、前記見付け方向の他方側に突出して第4の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第4の止水部が連接され、前記第4の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、前記第3の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に並設された縦羽根板の前記第3の止水部へ誘導可能に構成され、前記第2の湾曲部と、前記第4の止水部と、前記第2のビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の考案は、請求項1に記載のガラリであって、前記第2の湾曲部の内側端部には、前記見付け方向の他方側に突出して第4の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第4の止水部が連設され、かつ、前記見付け方向の一方側に突出して、第5の止水溝が形成された第5の止水部が連接され、前記第5の止水部に連接して、前記見付方向の一方側に凸面を有する第3の湾曲部が形成され、該第3の湾曲部と前記第2のビス孔との間には、前記見付方向の一方側に突出して、第6の止水溝と第4の誘導フィンが形成された第6の止水部が設けられ、前記第4の止水溝、前記第5の止水溝、前記第6の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
前記第3の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に並設された縦羽根板の前記第5の止水部又は前記第6の止水部へ誘導可能に構成され、前記第4の誘導フィンは、前記第5の止水部又は前記第6の止水部で止水されなかった雨水を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第3の止水部へ誘導可能に構成され、前記第2の湾曲部と、前記第4の止水部と、前記第5の止水部と、前記第6の止水部と、前記第2のビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されている
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の考案は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラリであって、少なくとも、前記第1の湾曲部の凸面、又は、前記第2の湾曲部の凸面のいずれか一方に、止水溝を有する止水部が形成されていることを特徴とする
本考案のガラリによれば、開口率と止水率の両方を向上させることができる。
本考案の第一実施形態のガラリの縦羽根板の構成の説明図である。 本考案の第二実施形態のガラリの縦羽根板の構成の説明図である。 本考案の第三実施形態のガラリの縦羽根板の構成の説明図である。 本考案の第四実施形態のガラリの縦羽根板の構成の説明図である。 図1〜図4の縦羽根板の水滴誘導部の説明図である。 本考案のガラリの作用説明図である。 本考案の第一実施形態のガラリの縦断面図である。
以下、好適な実施の形態を用いて本考案をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本考案を具現化した例に過ぎず、本考案はこれに限定されるものではない。図中の矢印は、方向を示し、図の説明に記載の方向と対応している。
(第一実施形態)
本考案の第一実施形態のガラリ10の縦羽根板の構成について、図1を参照しながら説明する。図1では、縦羽根板の構成のみを示し、縦羽根板が取り付けられる矩形状のガラリ枠体(上枠、左枠、右枠、下枠)は図示していない。また、第一実施形態のガラリ10は、横羽根板と縦羽根板を備えた複層型(二層型ともいう。)のガラリであるが、縦羽根板に特徴があるので、横羽根板も図示していない。
図1に示すように、ガラリ10には、同一形状の縦羽根板15が、左右の縦枠(不図示)間の見付け方向に、等間隔のピッチで複数並設されている。図1の紙面上側が、ガラリ10が取付けられる建物等の外側であり、縦羽根板15の外側端部には、雨風の侵入を遮蔽する外見付け部11が形成されている。また、図1の紙面下側が、ガラリ10が取付けられる建物等の内側(例えば、室内側)であり、縦羽根板15の内側端部には内見付け部12が形成されている。
外見付け部11の外側の面、及び、内見付け部12の内側の面には、加工用の目印であるV溝が形成されている。外見付け部11、内見付け部12には、それぞれ、見込み方向のガラリ内部側に、第1のビス孔形成部B1、第2のビス孔形成部B2が形成されている。なお、ガラリ10の内部を、単に「内部」といい、ガラリ10の縦枠方向(図1の左右方向)の外部を、単に「外部」ということがある。第1のビス孔形成部B1のビス孔は、縦羽根板15の外側上端部と上枠をビスで螺設可能な螺孔であり、第2のビス孔形成部B2のビス孔は、縦羽根板15の内側上端部と、上枠とをビスで螺設可能な螺孔である。各ビス孔は、縦羽根板15の上下方向に連通しており、止水溝としても機能する。
図1において、隣接する縦羽根板15同士の間隙には換気のための換気孔が形成されており、外側開口面側には外側開口部ORが形成され、内側開口面側には内側開口部IRが形成され、内部には内部空間部ISが形成されている。縦羽根板15には、見込み方向に沿って第1の湾曲部CP1と第2の湾曲部CP2が設けられている。第1の湾曲部CP1は、見付け方向の左側に向かって膨出した円弧状の凸面を有しており、外側端部は第1のビス孔形成部B1に連結され、内側端部には、見付け方向の左側に向かって突出した第1の止水部S1が形成されている。また、第1の湾曲部CP1の内側端部には、見付方向の右側に向かって突出した第2の止水部S2が形成され、この第2の止水部S2には、見付け方向の右側に向かって膨出した円弧状の凸面を有する第2の湾曲部CP2が連設されている。つまり、縦羽根板本体部15は、第1の湾曲部CP1と第1の止水部S1と第2の止水部S2と第2の湾曲部CP2とが、見込み方向に沿って連設された構成となっている。
第1の止水部S1には、第1の湾曲部CP1の内側端部から左側に延出して形成された突片S1bと、突片S1bの先端に、一旦外側方向に延出した後、内側方向に折り返して形成された第1の誘導フィンF1とが設けられている。第1の湾曲部CP1と突片S1bと第1の誘導フィンF1とで第1の止水溝S1aを形成しており、第1の止水溝S1aは、見付け方向左側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GC(図5参照。詳細は後述する。)が形成されている。第1の止水溝S1aの左側の溝壁は、突片S1bと第1の誘導フィンF1を利用して形成されている。また、第1の止水溝S1aの右側の溝壁は、第1の湾曲部CP1の円弧状の突面を利用して形成されている。第1の止水部S1の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように、最適設計されている。
第2の止水部S2には、第1の湾曲部CP1の内側端部から右側に延出して形成された突片S2bと、突片S2bの先端に外側方向に延出して形成された水返し片S2cとが設けられている。第1の湾曲部CP1と突片S2bと水返し片S2cとで第2の止水溝S2aを形成しており、第2の止水溝S2aは、見付け方向右側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GC(図5参照。詳細は後述する。)が形成されている。第2の止水溝S2aの左側の溝壁は、第1の湾曲部CP1の円弧状の凹面を利用して形成されている。また、第2の止水溝S2aの右側の溝壁は、突片2bと水返し片S2cを利用して形成されている。この第2の止水溝S2aは、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率を高めることができる。第2の止水部S2の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように、最適設計されている。
内見付け部12の内部側には、第3の止水溝S3aを有する第3の止水部S3が突出して形成されている。第3の止水溝S3aは、内見付け部12の見付け方向から内部方向に折り返された二つの水返し片S3b,S3cを設けることで、第3の止水溝S3aを二つに分割して形成している。二つの水返し片S3b,S3cのうち、内見付け部12の右側端部に設けられた水返し片S3bは、第2の誘導フィンF2としての作用・機能を有する。第3の止水部S3に連接して第2のビス孔形成部B2が形成されている。第3の止水部S3は、第2のビス孔形成部B2よりも、見付け方向右側に突出している。
第3の止水部S3も、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第3の止水部S3の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように最適設計されている。
第一実施形態では、第1のビス孔形成部B1、第1の湾曲部CP1、第1の止水部S1、第2の止水部S2、第2の湾曲部CP2、第2のビス孔形成部B2が、見込み方向に沿って連設された構成である。なお、第7の止水部S7、第7の止水溝S7a、突片S7bについては後述する。
(第二実施形態)
次に、本考案の第二実施形態のガラリ20について、図2を参照しながら説明する。
第二実施形態のガラリ20は、羽根板として縦羽根板のみを備えた一層型ガラリである。第二実施形態の縦羽根板25の、第一実施形態の縦羽根板15との主な相違点は、第2の湾曲部CP2と第2のビス孔形成部B2との間に、第4の止水部S4が設けられている点である。以下、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
第二実施形態のガラリ20に備えられた縦羽根板25において、第2湾曲部CP2の内側端部には、見付け方向右側に突出して、第4の止水部S4が形成されている。第4の止水部S4には、第2の湾曲部CP2の内側端部から右側に延出して形成された突片S4bと、突片S4bの先端に内部方向に「くの字」状に折り返して形成された第3の誘導フィンF3とが設けられている。第2の湾曲部CP2と突片S4bと第3の誘導フィンF3とで第4の止水溝S4aを形成しており、第4の止水溝S4aは、見付け方向右側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GC(図5参照。詳細は後述する。)が形成されている。第4の止水溝S4aの左側の溝壁は、第2の湾曲部CP2の円弧状の凸面を利用して形成されている。また、第4の止水溝S4aの右側の溝壁は、突片S4bと第3の誘導フィンF3を利用して形成されている。第4の止水部S4は、第2のビス孔形成部B2に連接されている。第4の止水部S4も、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第4の止水部S4の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように最適設計されている。
また、第二実施形態では、第3の止水部S3は、第2のビス孔形成部B2よりも見付け方向左側に突出して設けられ、第3の止水溝S3aは、分割されず、一つの溝で形成されている。つまり、第3の止水溝S3aは、内見付け部12の見付け方向から内部方向に折り返された一つの水返し片S3bを設けることで、第3の止水溝S3aを形成している。水返し片S3bは、第2の誘導フィンF2としての作用・機能を有する。第3の止水部S3も、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第3の止水部S3の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように最適設計されている。
第二実施形態では、第1のビス孔形成部B1、第1の湾曲部CP1、第1の止水部S1、第2の止水部S2、第2の湾曲部CP2、第4の止水部S4,第2のビス孔形成部B2が、見込み方向に沿って連設された構成である。
(第三実施形態)
次に、本考案の第三実施形態のガラリ30について、図3を参照しながら説明する。第三実施形態のガラリ30は、羽根板として縦羽根板のみを備えた一層型ガラリである。第三実施形態の縦羽根板35の、第二実施形態の縦羽根板25との主な相違点は、第4の止水部S4と第2のビス孔形成部B2との間に、第5の止水部S5と、第3の湾曲部CP3と、第6の止水部S6が設けられている点である。以下、第二実施形態との相違点を中心に説明する。
第三実施形態のガラリ30に備えられた縦羽根板35において、第2湾曲部CP2の内側端部には、前述の第4の止水部S4に加え、さらに、見付け方向左側に突出して第5の止水部S5が形成されている。第5の止水部S5には、第2の湾曲部CP2の内側端部から左側に延出して形成された突片S5bと、突片S5bの先端に外側方向に延出して形成された水返し片S5cとが設けられている。第2の湾曲部CP2と突片S5bと水返し片S5cとで第5の止水溝S5aを形成しており、第5の止水溝S5aは、見付け方向左側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GC(図5参照。詳細は後述する。)が形成されている。第5の止水溝S5aの右側の溝壁は、第2の湾曲部CP2の円弧状の凹面を利用して形成されている。また、第5の止水溝S5aの左側の溝壁は、突片5bと水返し片S5cを利用して形成されている。
第5の止水部S5には、第1湾曲部CP1と同一方向に凸面を有する第3の湾曲部CP3が形成され、第3の湾曲部CP3の内側端部には、見付け方向左側に突出して第6の止水部S6が形成されている。第6止水部S6には、第3湾曲部CP3内側端部から左に延出して形成された突片S6bと、突片S6bの先端に内部方向に「逆くの字」状に折り返して形成された第4の誘導フィンF4とが設けられている。第3の湾曲部CP3と突片S6bと第4の誘導フィンF4とで第6の止水溝S6aを形成しており、第6の止水溝S6aは、見付け方向左側に開口されたU字状をなし、底部には、さらに、水滴誘導溝GC(図5参照。詳細は後述する。)が形成されている。第6の止水溝S6aの右側の溝壁は、第3の湾曲部CP3の円弧状の凸面を利用して形成されている。また、第6の止水溝S6aの左側の溝壁は、突片6bと第3の誘導フィンF4を路用して形成されている。第6の止水部S6は、第2のビス孔形成部B2に連接されている。
第5の止水部S5及び第6の止水部S6は、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第5の止水部S5、第6の止水部S6の大きさ、傾斜角度は、内部空間部ISの最小間隙が、開口寸法より小さくならないように設計されている。
第6の止水部S6には、第2のビス孔形成部B2が連接されている。第三実施形態では、第3の止水部S3は、第2のビス孔形成部B2よりも、見付け方向右側に突出しており、第3の止水溝S3aは、分割されずに、一つの止水溝で形成されている。
第三実施形態では、第1のビス孔形成部B1、第1の湾曲部CP1、第1の止水部S1、第2の止水部S2、第2の湾曲部CP2、第4の止水部S4、第5の止水部S5、第3の湾曲部CP3、第6の止水部S6、第2のビス孔形成部B2が、見込み方向に沿って連設された構成である。
なお、第二実施形態の第3の誘導フィンF3は、突片S4bの先端に略「くの字」状に折り返し片を設けて形成されているのに対し、第三実施形態の誘導フィンF3は、突片S4bの先端に、略「への字」状に折り返し片を設けて形成されているが、突片S4bの先端からどのように折返して誘導フィンを形成するかは、開口率、止水率等を考慮して最適設計される。
(第四実施形態)
次に、本考案の第四実施形態のガラリ40について、図4を参照しながら説明する。
第四実施形態のガラリ40は、羽根板として縦羽根板のみを備えた一層型ガラリである。第四実施形態の縦羽根板45の、第三実施形態の縦羽根板45との相違点は、第1の湾曲部CP1の凸面に第7の止水部S7を形成し、第2の湾曲部CP2の凸面に第8の止水部S8を形成した点にある。第7の止水部S7は、第1の湾曲部CP1の凸面上に外側方向に延出して形成された突片S7bと、第1の湾曲部CP1の凸面とで、第7の止水溝S7aを形成している。第8の止水部S8は、第2の湾曲部CP2の凸面上に外側方向に延出して形成された突片S8bと、第2の湾曲部CP2の凸面とで、第8の止水溝S8aを形成している。
第7の止水部S7、第8の止水部S8も、侵入した雨水の跳ね返りを低減して集水するために充分な大きさ・容量であり、止水率をさらに高めることができる。第7の止水部S7、第8の止水部S8の大きさ、傾斜角度は、最小間内部空間部IS隙が、開口寸法より小さくならないように、最適設計されている。第四実施形態の第7の止水部S7と同様の構成は、図1、図2に示すように、第1の実施形態の縦羽根板15、第2実施形態の縦羽根板25に形成されてもよい。
[水滴誘導溝の説明]
次に、さらに、止水率を向上させるために形成された水滴誘導溝GCについて説明する。水滴誘導溝GCは、第一〜第四実施形態に共通に用いられる。第1,第2,第4〜第6の止水部S1,S2,S4〜S6には、U字状の各止水溝S1a,S2a,S4a,S5a,S6aの底部に曲面状に水滴誘導溝GCが形成されている。図5は、第二実施形態の第4の止水部S4(第4の止水溝S4a)に設けられた水滴誘導溝GCを説明する拡大図である。図5(a)は、水滴誘導溝GCの横断面を示しており、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図である。図示するように、U字状の第4の止水溝S4aに流入した水滴状の雨水DWは、第2の湾曲部CP2の凸面を延長して形成された凹面を利用して形成される溝壁S4cと、突片S4b及び第3の誘導フィンF3で形成される溝壁S4dとに沿って集水されて重量が増加し、円弧状の曲面で形成された水滴誘導溝GCによって下方の排水口(不図示)への流下が加速される。これにより、溝壁S4c,S4dに雨水が溜まることが低減され、雨水の飛散が低減されるので、止水率が向上する。
図5は、第4の止水部S4を例にとって示したが、第1,第2,第5,第6の止水部S1,S2,S5,S6でも同様の作用を奏する。なお、第一〜第四実施形態では、複数の止水溝(U字状の曲面を有する止水溝)に水滴誘導溝GCを形成している。当然に、より多くの水滴誘導溝を形成した方が止水率は高くなるが、要求される止水率に応じて、どの止水溝に水滴誘導溝を設けるかは、適宜調整することができる。例えば、ガラリに備えられているいずれか一つの止水溝に水滴誘導溝を形成するようにしてもよい。なお、止水率向上のために、第3の止水溝S3aの底部に一つ以上の水滴誘導溝GCを形成してもよい。
[作用・機能の説明]
次に、本発明のガラリの作用・機能について第四の実施形態のガラリ45を中心に図6を参照しながら説明する。説明の便宜上、図示するように、着目する縦羽根板を45、縦羽根板45の左側に隣接する縦羽根板を45L、右側に隣接する縦羽根板を45Rとする。縦羽根板45,45L、45Rは、全て同一形状である。図6に示すように、隣接する縦羽根板45,45L間に形成された外側開口部ORから侵入する雨風は、まず、縦羽根板45の第1の湾曲部CP1の凸面に沿って誘導される。そして、雨水は、縦羽根板45の第7の止水部S7(第7の止水溝S7a)、及び、縦羽根板45の第1の止水部S1で受け止められる。第1の止水部S1の止水溝S1aはU字状に形成されているので、雨水を止水溝S1aで受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。第7の止水部S7、及び、第1の止水部S1で止水された雨水は、集水されてガラリ45の下端の排水口(不図示)へ流下されて排水される。
次に、縦羽根板45の第1の湾曲部CP1で誘導された雨風は、縦羽根板45の第1の誘導フィンF1で強制的に誘導されて、左側に隣接する縦羽根板45Lの第2の止水部S2で受け止められ、縦羽根板45の第7の止水部S7、第1の止水部S1で止水しきれなかった雨水は、縦羽根板45Lの第2の止水部S2で止水される。第2の止水部S2は、U字状に形成された第2の止水溝S2aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。縦羽根板45Lの第2の止水部S2で止水された雨水は、集水されて下端の排水口(不図示)へ流下されて排水される。
縦羽根板45Lの第2の止水部S2で止水しきれなかった雨水の一部は、縦羽根板45Lの第2の湾曲部CP2の凸面に沿って流れ、縦羽根板45Lの第8の止水部S8又は第4の止水部S4で受け止められ止水される。第4の止水部S4は、U字状に形成された第4の止水溝S4aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。縦羽根板45Lの第8の止水部S8及び第4の止水部S4で止水された雨水は、集水されて下端の排水口(不図示)へ流下されて排水される。
縦羽根板45の第1の誘導フィンF1で誘導された風は、縦羽根板45Lの第2の湾曲部CP2の凸面に沿って誘導された後、縦羽根板45Lの第4の止水部S4に設けられた第3の誘導フィンF3により、強制的に縦羽根板45の第5の止水部S5又は第6の止水部S6に誘導される。第5の止水部S5は、U字状に形成された第5の止水溝S5aを有し、第6の止水部S6は、U字状に形成された第6の止水溝S6aを有するので、雨水を受ける衝撃が緩和され、雨水が飛散せずに止水される。縦羽根板45の第7の止水部S7,第1の止水部S1、縦羽根板45Lの第2の止水部S2,第8の止水部S8,第4の止水部S4で止水しきれなかった雨水は、この縦羽根板45の二つの第5の止水部S5又は第6の止水部S6で止水、集水されて、下端の排水口(不図示)へ流下されて排水される。
縦羽根板45の第5,第6の止水部S5,S6で止水しきれなかった雨水は、縦羽根板45の第6の止水部S6の第4の誘導フィンF4で誘導され縦羽根板45Lの第3の湾曲部CP3の凹面に沿って流れ、縦羽根板45Lの第3の止水部S3で受け止められ止水される。実際には、この段階では、すでに外側開口部ORから流入した雨水は殆ど(95%以上)止水されており、換気用の風のみが内側開口部IRから室内に送られることになる。第2の誘導フィンF2は、前記換気用風を内側開口部IRへ誘導する機能を有している。
なお、第一〜第三実施形態のガラリ10,20,30の作用・機能については、上述した第四実施形態のガラリ40の作用・機能の説明から容易に理解できるので、説明を省略する。また、水滴誘導溝GCの作用・機能については、上記[水滴誘導溝の説明]を参照のこと。
以上のように、本発明の縦羽根板には、止水溝又は誘導フィンのいずれかが少なくとも一つ以上形成された止水部を備えており、従来のガラリに比べて止水率を非常に高くすることができる。
また、縦羽根板の形状が曲面の組み合わせのため、空気がスムーズに流れ、雨水が曲面に遠心力で押しつけられ、止水率が向上する。したがって、本発明のガラリが取付けられた建物の室内には、外部から侵入した雨風のうち雨(水滴)が確実に止水され、風のみが流入し、良好な換気を行うことができる。
なお、第一の実施形態のガラリ10は、複層型のガラリであり、横羽根板を有するので、横羽根板を通過後に縦羽根板15の外側開口部ORから流入する雨風は、第二〜第四実施形態の一層型のガラリ20,30,40に比べ、雨水の量が低減されているので、最終的な止水率は、第一〜第四実施形態のガラリ全てにおいて有意差はなく、95%以上の止水率を実現することができる。
[ガラリ枠体への取付け]
図7は、第一実施形態の二層型ガラリ10の縦断面図を説明する図である。矩形状のガラリ枠体を構成する左枠LF,右枠RFの間に、第一実施形態の縦羽根板15が複数並設されている。二層型ガラリでは、外側に横羽根板16、内側に縦羽根板15が配設される。横羽根板16、縦羽根板15は、適宜、ガラリ枠板を構成する上枠、左枠、右枠、下枠のいずれかにビス等の螺設手段によって着脱可能に取付らけれている。一層型ガラリの場合は、横羽根板は配設されず、羽根板としては、縦羽根板のみをガラリの見込み方向一杯に配設される。
以上説明したように、本考案のガラリによれば、開口率と止水率を同時に向上させることができる。
10,20、30,40 ガラリ
11 外見付け部
12 内見付け部
15,25,35,45,45L,45R 縦羽根板
16 横羽根板
B1 第1のビス孔形成部
B2 第2のビス孔形成部
CP1 第1の湾曲部
CP2 第2の湾曲部
CP3 第3の湾曲部
DW 雨水(水滴)
F1 第1の誘導フィン
F2 第2の誘導フィン
F3 第3の誘導フィン
F4 第4の誘導フィン
GC 水滴誘導溝
IR 内側開口部
IS 内部空間部
OR 外側開口部
LF 左枠
RF 右枠
S1 第1の止水部
S1a 第1の止水溝
S2 第2の止水部
S2a 第2の止水溝
S3 第3の止水部
S3a 第3の止水溝
S4 第4の止水部
S4a 第4の止水溝
S5 第5の止水部
S5a 第5の止水溝
S6 第6の止水部
S6a 第6の止水溝
S7 第7の止水部
S7a 第7の止水溝
S8 第8の止水部
S8a 第8の止水溝
S1b,S2b,S4b,S5b,S6b,S7b,S8b 突片
S2c,S3b,S3c,S5c 水返し片
S4c,S4d 溝壁

Claims (4)

  1. 外見付け部と内見付け部とを有するガラリ用の縦羽根板が見付け方向に複数並設されたガラリであって、
    前記縦羽根板は、少なくとも第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、前記第1の湾曲部は、見付け方向の一方側に凸面を有し、前記第2の湾曲部は、前記見付け方向の他方側に凸面を有し、
    前記外見付部の内側には第1のビス孔形成部が設けられ、該第1のビス孔形成部には、前記第1の湾曲部の一方の端部が連接され、
    前記第1の湾曲部の他方の端部には、前記見付け方向の一方側に突出して、第1の止水溝と第1の誘導フィンが形成された第1の止水部が設けられ、かつ、前記見付け方向の他方側に突出して、第2の止水溝が形成された第2の止水部が設けられ、
    前記第1のビス孔形成部と、前記第1の湾曲部と、前記第1の止水部と、前記第2の止水部と、前記第2の湾曲部は、見込み方向に沿って連設され、
    前記内見付け部には、第3の止水溝と第2の誘導フィンとが形成された第3の止水部と、第2のビス孔形成部とが、見付け方向に連接して設けられ、
    前記第1の止水溝、前記第2の止水溝、前記第3の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
    前記第1の誘導フィンは、前記第1の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第2の止水部へ誘導可能に構成されている
    ことを特徴とするガラリ。
  2. 前記第2の湾曲部の内側端部には、前記見付け方向の他方側に突出して第4の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第4の止水部が連接され、
    前記第4の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
    前記第3の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付け方向の他方側に並設された縦羽根板の前記第3の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第2の湾曲部と、前記第4の止水部と、前記第2のビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラリ。
  3. 前記第2の湾曲部の内側端部には、前記見付け方向の他方側に突出して第4の止水溝と第3の誘導フィンが形成された第4の止水部が連設され、かつ、前記見付け方向の一方側に突出して、第5の止水溝が形成された第5の止水部が連接され、
    前記第5の止水部に連接して、前記見付方向の一方側に凸面を有する第3の湾曲部が形成され、該第3の湾曲部と前記第2のビス孔との間には、前記見付方向の一方側に突出して、第6の止水溝と第4の誘導フィンが形成された第6の止水部が設けられ、
    前記第4の止水溝、前記第5の止水溝、前記第6の止水溝の底部には、曲面状に形成されて水滴状の雨水を集水可能な水滴誘導溝が形成され、
    前記第3の誘導フィンは、前記第2の湾曲部の曲面に沿って誘導された雨風を、前記見付方向の他方側に並設された縦羽根板の前記第5の止水部又は前記第6の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第4の誘導フィンは、前記第5の止水部又は前記第6の止水部で止水されなかった雨水を、前記見付方向の一方側に並設された縦羽根板の第3の止水部へ誘導可能に構成され、
    前記第2の湾曲部と、前記第4の止水部と、前記第5の止水部と、前記第6の止水部と、前記第2のビス孔形成部とは、見込み方向に沿って連設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラリ。
  4. 少なくとも、前記第1の湾曲部の凸面、又は、前記第2の湾曲部の凸面のいずれか一方に、止水溝を有する止水部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラリ。


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