以下、携帯決済端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における、本実施の形態における携帯決済端末装置1を備えた決済システム1000のブロック図である。
決済システム1000は、1以上の携帯決済端末装置1と、1以上の音波出力装置5とを備える。図1では、説明の便宜上、携帯決済端末装置1と音波出力装置5とが1つである場合を示しているが、携帯決済端末装置1は複数であっても良い。また、音波出力装置5も複数であっても良い。
携帯決済端末装置1は、電子マネー格納部111、受信部112、送信部113、アプリ格納部114、領域情報格納部115、音波受信部116、位置情報取得部117、判断部118、実行部119、表示部120、操作受付部121を備える。
音波出力装置5は、音波出力部511を備える。
携帯決済端末装置1は、汎用性を有する情報処理端末であることが好ましく、例えば、いわゆるスマートフォンや携帯電話、タブレット型端末、ノート型コンピュータ等の、汎用性を備えた携帯情報端末や、移動体通信端末等であることが好ましい。汎用性を有する情報処理端末とは、例えば、様々な機能を実現する複数のアプリケーションプログラム等をインストールして実行可能な情報処理端末である。
電子マネー格納部111には、電子マネーが格納される。電子マネーとは、貨幣の価値(バリュー)を電子化した情報である。電子マネー格納部111に、電子マネーが格納されるということは、電子マネーの金額等のバリューが格納されることと考えても良い。なお、ここでは、電子マネーのバリューが、電子マネーの金額である場合を例に挙げて説明する。電子マネーが示す金額は、通常、実際の貨幣の金額と対応している。なお、電子マネーは、いわゆるポイント等も含むものと解してもよい。ここでのポイントとは、例えば、電子マネーと同様に、特定の店舗や店舗のアライアンス等で貨幣の代わりに利用可能なものであっても良いし、いわゆるマイル等のように商品やサービス、特典、ステータス等と交換可能なものであっても良い。本実施の形態における電子マネーは、例えば、いわゆるオンライン方式に対応した電子マネーであってもよく、いわゆるオフライン方式に対応した電子マネーであってもよく、いわゆる仮想マネー方式の電子マネーであっても良い。また、本実施の形態における電子マネーは、プリペイド方式の電子マネーでもよいし、ポストペイ方式の電子マネーでも良い。電子マネー格納部111には、例えば、後述する受信部112が受信した電子マネーが格納される。電子マネー格納部111には、例えば、後述する受信部112が受信した複数の電子マネーが示す金額の合計金額が格納される。例えば、受信部112が、電子マネーを新たに受信すると、新たな電子マネーの金額を加算した合計金額で、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーの金額が更新される。この合計金額は、電子マネーの残高と考えても良い。ただし、受信部112が受け取った電子マネーが、個別に、電子マネー格納部111に格納されていても良い。なお、電子マネー格納部111には、電子マネーが蓄積された金額とその時間とが対応付けられた受取履歴や、電子マネーが出力された金額と、その時間とが対応付けられた支払履歴等が格納されるようにしても良い。電子マネー格納部111は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
受信部112は、電子マネーを受信する。電子マネーを受信することは、電子マネーのバリューを示す情報を受信することと考えても良い。受信部112は、例えば、NFC(near field communication)等の近距離無線通信や赤外線通信等により、他の携帯決済端末装置1や、ICカード等から送信される電子マネーを受信する。なお、受信部112は、利用する電子マネーのシステム等によっては、図示しないサーバ等を介して、他の携帯決済端末装置1等から送信される電子マネーを間接的に受信しても良い。受信部112は、通常、無線の通信手段で実現されるが、有線の通信手段で実現されても良い。受信部112は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えても良い。
送信部113は、電子マネーを送信する。電子マネーを送信することは、電子マネーのバリューを示す情報を送信することと考えても良い。送信部113は、例えば、NFC等の近距離無線通信や赤外線通信等により、他の携帯決済端末装置1等に電子マネーを送信する。なお、送信部113は、利用する電子マネーのシステム等によっては、図示しないサーバ等を介して、他の携帯決済端末装置1等に対して、電子マネーを間接的に送信しても良い。送信部113は、通常、無線の通信手段で実現されるが、有線の通信手段で実現されても良い。送信部113は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えても良い。
なお、受信部112および送信部113は、通信デバイスであるRFIDタグリーダライタ(ICタグリーダライタ)と接続されていても良い。
また、受信部112は、送信部113から電子マネーを送信するために必要な情報を、適宜、他の携帯決済端末装置1や、いわゆる電子マネーカード等から受信しても良い。電子マネーを送信するために必要な情報とは、例えば、送信する金額を指定する情報や、送信を要求する情報等である。
また、送信部113は、受信部112が電子マネーを受信するために必要な情報を、適宜、他の携帯決済端末装置1や、電子マネーカード等に送信しても良い。電子マネーを受信するために必要な情報とは、例えば、送信する金額を指定する情報や、送信を要求する情報等である。
アプリ格納部114には、1または2以上の受取アプリが格納される。受取アプリは、受信部112を用いて電子マネーを受信して電子マネー格納部111に蓄積する処理を実行可能なアプリケーションプログラムである。受取アプリは、例えば、後述する実行部119により実行される。受取アプリは、例えば、後述する実行部119を、電子マネーの受取処理を行う処理部として機能させるためのプログラムである。電子マネーの受取処理を行うためのアプリケーションプログラム等は公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。アプリ格納部114には、複数の受取アプリが格納されていても良く、各アプリは、電子マネーを利用する店舗や企業ごとに個別に対応付けられたものであっても良い。電子マネーを電子マネー格納部111に格納する処理は、例えば、受信部112を用いて受信した電子マネーの金額を、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーの金額に加算することである。なお、受取アプリは、受信部112が受信した電子マネーの金額と、その受信日時とを対応付けて有する受取履歴を、電子マネー格納部111に蓄積しても良い。受取アプリは、図示しない受付部等を介してユーザが入力した金額を、送信元の携帯決済端末装置1等に受取を要求する金額として送信するようにしてもよい。
受取アプリは、例えば、受取アプリの識別情報である受取アプリ識別情報と対応付けてアプリ格納部114に格納されていてもよい。受取アプリ識別情報は、例えば、受取アプリ識別情報のプログラム名である。受取アプリ識別情報が受取アプリに対応付けられているということは、受取アプリが受取アプリ識別情報を有していることであっても良いし、図示しない記憶媒体等に格納されている管理情報であって、受取アプリと受取アプリ識別情報とを対応付けて管理する管理情報により、受取アプリと、受取アプリ識別情報との対応関係が管理されていることであってもよい。
また、アプリ格納部114には、1または2以上の支払アプリが更に格納されていてもよい。支払アプリは、電子マネー格納部111に格納される電子マネーを送信部113から送信する処理を実行可能なアプリケーションプログラムである。支払アプリは、例えば、後述する実行部119により実行される。支払アプリは、後述する実行部119を、電子マネーの送信処理を行う処理部として機能させるためのプログラムである。電子マネーの支払い処理を行うためのアプリケーションプログラム等は公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。例えば、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーを送信する処理は、例えば、送信する金額の電子マネーを送信部113から送信し、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーの金額から、送信した電子マネーの金額を減算することである。送信アプリが送信する金額は、図示しない受付部等を介してユーザが入力した金額であっても良いし、支払先の携帯決済端末装置1等の装置から受信した、送信を要求する金額であっても良い。なお、支払アプリは、送信部113が送信した電子マネーの金額と、その送信日時とを対応付けて有する送信履歴を、電子マネー格納部111に蓄積しても良い。また、支払アプリは、上述した受取アプリと同様に、支払アプリの識別情報である支払アプリ識別情報と対応付けてアプリ格納部114に格納されていてもよい。支払アプリ識別情報は、例えば、支払アプリ識別情報のプログラム名である。
なお、本発明においては、上述した受取アプリと支払アプリとが一のアプリを構成していてもよく、あるいは、これらが一のアプリに含まれていていても良い。このような場合、本願の受取アプリや支払アプリは、この一のアプリの、受取モジュールや、支払モジュール等の一の機能を実現する部分的なプログラムに相当すると考えて良い。また、この場合、受取アプリを実行すること(あるいは起動すること)は、受取モジュールを実行すること(あるいは起動すること)と考えても良い。また、この場合、支払モジュールを実行すること(あるいは起動すること)は、支払モジュールを実行すること(あるいは起動すること)と考えても良い。
アプリ格納部114は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
領域情報格納部115には、1または2以上の受取領域情報が格納される。受取領域情報は、例えば、受取アプリと対応付けられた領域を示す情報である。ここでの領域とは、具体的には地表上の領域である。受取領域情報は、領域を特定可能な情報であればどのような情報であっても良い。
受取領域情報は、例えば、領域内の1以上(好ましくは2以上)の地点(例えば、座標)を示す情報である。領域内の1以上の地点を示す情報とは、領域内の1以上の地点を示すことが可能な情報であればよく、例えば、領域内に含まれる全ての座標群であっても良い。受取領域情報は、高さの情報を有していても良い。例えば、受取領域情報は、地表上の緯度と経度と高さとを組みあわせた座標であっても良い。また、領域内の1以上の地点を示す情報は、領域の輪郭を示す情報であっても良い。領域の輪郭を示す情報とは、例えば、輪郭上の複数の座標を示す情報である。この場合、この輪郭内の各地点(座標)が領域内の地点となる。ここでの座標は、例えば、地球上の地点を特定可能な座標であればよく、例えば、緯度と経度とを組み合わせた座標である。また、受取領域情報に対応する領域が多角形の場合、受取領域情報は、多角形の領域の各角の座標群であっても良い。また、受取領域情報は、領域内に含まれる座標の範囲を示す情報でも良い。また、受取領域情報は、一の領域の、5階、12階等の高さを示す識別情報や、高さの範囲を示す情報を更に有していても良い。
また、受取領域情報は、領域を識別可能な領域の識別情報であっても良い。領域の識別情報は、例えば、受取領域情報が示す領域を含む場所(あるいは、領域に含まれる場所)を示す住所である。また、領域に対応付けられたコード等であってもよい。また、例えば、受取領域情報が示す領域が一の店舗(あるいは店舗群)内の領域を示す場合、領域の識別情報は、一の店舗(店舗群)の識別情報であっても良い。また、領域の識別情報は、領域に固有の属性値であっても良い。例えば、領域に固有の属性値とは、例えば、領域内で受信可能な領域固有の音波の1または2以上の周波数やスペクトル等である。
なお、一の受取領域情報が示す領域は、必ずしも連続した一の領域でなくても良く、例えば、距離を隔てて位置する不連続な複数の領域であっても良い。
なお、本実施の形態においては、受取領域情報が、領域の識別情報である場合を例に挙げて説明する。
受取領域情報と受取アプリとの対応付けはどのように管理されていても良い。例えば、上述したように、受取アプリに受取アプリ識別情報が対応付けられている場合、一の受取アプリに対応する領域を示す受取領域情報(あるいは受取領域情報の識別情報)と、この受取アプリの受取アプリ識別情報とを対応付けて有する管理情報により、受取領域情報と受取アプリとの対応付けが管理されていても良い。また、例えば、受取アプリに、受取領域情報を指定する情報(例えば、受取領域情報が格納されているファイルを指定する情報や、受取領域情報の識別情報)が対応付けられていても良い。また、例えば、アプリ格納部114と領域情報格納部115とを一の格納部により構成するようにし、受取アプリ内に、受取領域情報が含まれているようにしても良い。また、例えば、受取アプリと領域アプリとが一つずつしかアプリ格納部114と領域情報格納部115とに格納されてない場合、アプリ格納部114と領域情報格納部115とにそれぞれ格納されている受取アプリと領域アプリとが対応付けられていると考えても良い。なお、受取アプリと受取領域情報との対応付けは、通常は1対1であるが、多対1であっても、1対多であっても良い。
上述したアプリ格納部114に複数の受取アプリが格納されている場合、領域情報格納部115には、複数の各受取アプリと対応付けられた異なる領域を示す複数の受取領域情報が格納されていてもよい。つまり、アプリ格納部114には、異なる領域を示す複数の受取領域情報とそれぞれ対応付けられた複数の受取アプリが格納されていてもよい。ここでの異なる領域は、重ならない領域であることが好ましい。また、例えば、同じ領域上の建造物の異なるフロアを、異なる領域と考えてもよい。
また、領域情報格納部115には、1または2以上の支払領域情報が格納される。支払領域情報は、支払アプリと対応付けられた領域を示す情報である。支払領域情報は、受取アプリの代わりに支払アプリと対応付けられている点を除けば、上述した受取領域情報と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、一の受取アプリに対応付けられた受取領域情報は、一の受取アプリが受け取る電子マネーと対応付けられた受取領域情報と考えても良い。かかることは、支払アプリと対応付けられた支払領域情報についても同様である。
領域情報格納部115は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
音波受信部116は、音波を受信する。例えば、後述する音波出力装置5が出力する音波を受信する。ここでの音波は、例えば、可聴域の音波であっても良いし、超音波であっても良い。音波受信部116が受信する音波は、例えば、予め指定された領域に特有の音波である。領域に固有の音波とは、例えば、領域ごとに予め指定された周波数成分やスペクトルを有する音波である。また、領域ごとに予め指定された音楽や、効果音、1以上の文字を発声した音声等を示す音波であっても良い。音波受信部116が受信する音波は、一の周波数のみの音波であっても良いし、複数の周波数を含む音波であっても良い。また、複数の波長の音波は、経時的に波長が変化する音波であっても良い。
音波受信部116は、マイクロフォン等の音波を受信するデバイスを備えていても良いし、備えていなくても良い。なお、音波を受信するための構成等については、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
位置情報取得部117は、位置を特定する情報である位置情報を取得する。位置情報は、具体的には、携帯決済端末装置1(即ち、自装置)の位置情報である。あるいは、携帯決済端末装置1を所持する、あるいは利用するユーザの位置情報と考えても良い。位置情報取得部117が取得する位置情報は、例えば、一の地点を特定可能な情報である。例えば、位置情報取得部117が取得する位置情報は、緯度と経度との組み合わせ等で示された一の地点の座標である。また、位置情報取得部117が取得する位置情報は、上記の受取領域情報において説明したような領域の識別情報であっても良い。位置情報は更に高さの情報を有していても良い。例えば、位置情報は、地表上の緯度と経度と高さとを組みあわせた座標であっても良い。また、位置情報は、7階、12階等の高さを示す情報を有していても良い。
ここでは、位置情報取得部117が、音波受信部116が受信した音波を用いて領域の識別情報である位置情報を取得する場合の例について説明する。
(1)周波数成分から位置情報を取得
位置情報取得部117は、音波受信部116が受信した音波から、周波数成分を取得する。例えば、音波受信部116が受信した音波の周波数のスペクトルを取得し、音波の周波数毎の強さを取得する。そして、例えば、強さが予め指定された閾値以上の1以上の周波数を取得する。そして、予め図示しない記憶媒体等に蓄積されている1以上の周波数の組合せと、位置情報である位置の識別情報とを対応付けて有する1以上の管理情報から、上記で取得した1以上の周波数の組合せと一致する周波数の組合せと対応付けられた位置情報を取得する。あるいは、受信した音波の周波数を取得して、この周波数と一致する周波数と対応付けられた位置情報を取得するようにしてもよい。音波の周波数を取得する処理は、例えばフーリエ変換等を用いた処理や、スペクトル解析等として公知の技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。なお、ここでの一致は、例えば類似度が予め指定された値以上高いことと考えても良い。かかることは、以下においても同様である。
なお、周波数成分から位置情報を取得する場合、例えば、音波受信部116が受信した音波が、音波を受信した領域に対応した周波数成分等を有するものであることが前提となる。
なお、受取領域情報や支払領域情報として領域の識別情報を用いる場合において、特に、領域の識別情報として1以上の周波数で構成される周波数群を用いるようにしてもよい。この場合、位置情報取得部117は、音波受信部116が受信した音波から取得した周波数成分をそのまま位置情報として取得しても良い。
(2)音波が示す文字列を位置情報として取得
位置情報取得部117は、音波受信部116が受信した音波から、文字列を取得する。そして、文字列と位置情報である位置の識別情報とを対応付けて有する管理情報から、取得した文字列に対応する位置情報を取得する。管理情報は、例えば、予め図示しない記憶媒体等に格納されている。音波受信部116が受信した音波が、位置情報を示す文字列である場合、取得した文字列をそのまま位置情報として取得してもよい。なお、音声データから文字列を取得する処理は、音声認識装置等として公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、この場合、例えば、音波受信部116が受信した音波が、音波を受信した領域に対応した文字列を示す音波(例えば、文字列を読み上げた音声データを示す音波)であることが前提となる。
(3)音波が示す音楽から位置情報を取得
例えば、位置情報取得部117は、音楽の情報と位置情報とを対応付けた1以上の情報から、音楽の情報を順次取得し、取得した音楽の情報が示す音声データが、音波受信部116が受信した音波が示す音声データと一致するか否かを判断し、一致すると判断した場合に、この音楽の情報に対応する位置情報を取得する。音楽の情報と位置情報とを対応付けた1以上の情報は、図示しない記憶媒体等に予め格納されている。ここでの音楽の情報は、音声データであっても良いし、音楽を示す音声を取得することが可能な音楽の楽譜の情報や、音楽のシークエンス等を記録した情報であっても良い。また、ここでの一致は、音楽の特徴点の一致等であっても良い。なお、音声データが一致するか否かを判断する処理等は、音声認識装置等として公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、この場合、例えば、音波受信部116が受信した音波が、音波を受信した領域に対応した音声データであることが前提となる。
(4)音波のパターンから位置情報を取得
位置情報取得部117は、音波受信部116が受信した音波から、音波の強弱等の断続的なパターンを取得し、予め図示しない記憶媒体等に格納されている、音波のパターンと位置情報である位置の識別情報とを対応付けて有する管理情報から、取得したパターンに対応する位置情報を取得する。音波の断続的なパターンとは、例えばモールス信号等であってもよいし、音波の強弱を2値化のデータとして扱うデータであっても良い。音波の強弱のパターンを取得する処理は公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、これらの場合、例えば、音波受信部116が受信した音波が、音波を受信した領域に対応した音波のパターンを有するものであることが前提となる。
なお、位置情報取得部117は、上記以外の方法により位置情報を取得しても良い。例えば、音波に重畳された位置情報を、分離して取得しても良い。または、音波に重畳された情報を取得し、この情報に対応付けられた位置情報を、重畳される情報と、位置情報とを対応付けて管理する情報等から取得するようにしても良い。なお、このような場合、例えば、音波受信部116が受信した音波が、音波を受信した領域に対応した位置情報、または、この位置情報に対応した情報が重畳された音波であることが前提となる。
位置情報取得部117は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。位置情報取得部117の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が、受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する。例えば、判断部118は、位置情報が取得した位置情報が、アプリ格納部114に格納されている受取アプリのうちの、実行部119が実行する一の受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する。実行部119が実行する一の受取アプリとは、例えば、後述する操作受付部121等を介して起動操作や起動指示を受け付けた受取アプリや、実行中の受取アプリである。
以下、本実施の形態においては、位置情報および受取領域情報が領域の識別情報であり、判断部118がこれらの位置情報、および受取領域情報を用いて、位置情報が受取領域情報の示す領域内の位置を示すか否かの判断処理を行う場合について説明する。位置情報および受取領域情報が領域の識別情報である場合、例えば、判断部118は、位置情報が受取領域情報の示す領域内の位置を示すか否かを、位置情報と受取領域情報とが一致するか否かで判断する。ここでの一致は、完全一致であっても良いし、部分一致であっても良い。ここでの部分一致は、受取領域情報に含まれる複数の領域の識別情報の一つと、位置情報が示す領域の識別情報とが一致することも含む概念である。例えば、判断部118は、位置情報と受取領域情報とが一致する場合、位置情報が受取領域情報の示す領域内の位置を示すと判断し、一致しない場合、領域内の位置を示さないと判断する。あるいは、領域の識別情報が階層関係を有している場合、位置情報である領域の識別情報が受取領域情報である領域の識別情報の下位の階層の識別情報であるか否かにより、位置情報が受取領域情報の示す領域内の位置を示すか否か判断してもよい。例えば、下位の階層の識別情報である場合、領域内の位置を示すと判断し、下位の階層の識別情報でない場合、領域内の位置を示さないと判断する。
なお、受取領域情報が領域内の1以上の地点を示す情報(例えば、領域の輪郭を示す情報)であり、位置情報が地点を示す情報である場合の判断部118の判断処理については、後述する。
また、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が、支払アプリに対応付けられた支払領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断するようにしてもよい。例えば、判断部118は、位置情報が取得した位置情報が、アプリ格納部114に格納されている受取アプリのうちの、実行部119が実行する一の受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する。なお、支払アプリに対する判断処理や判断タイミング等は、受取アプリが支払アプリに代わる点を除けば、上述した受取アプリに対する判断処理や判断タイミング等と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。なお、ここでは、位置情報および支払領域情報が領域の識別情報であり、判断部118がこれらの位置情報、および支払領域情報を用いて、位置情報が支払領域情報の示す領域内の位置を示すか否かの判断処理を行う場合について説明する。
判断部118は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部118の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
実行部119は、受取アプリを実行する。実行部119は、例えば、後述する操作受付部121等を介して受け付けたユーザの操作や指示等に応じて、アプリ格納部114に格納されている1以上の受取アプリを実行する。実行部119は、受取アプリを実行することにより、受信部112等を用いて電子マネーを受け取る処理を行う。そして、受け取った電子マネーを電子マネー格納部111に蓄積する。実行部119による電子マネーを受け取る処理は、通常の電子マネーを受け取る処理と同様の処理である。通常の電子マネーを受け取る処理は、携帯決済端末装置1が扱う電子マネーの方式により異なる。例えば、実行部119は、オンライン方式、オフライン方式、仮想マネー方式等の方式に応じた電子マネーを受け取る処理を行う。電子マネーを受け取る処理は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が、受取領域情報が示す領域内の位置を示すと判断部118が判断しなかった場合に、受取アプリを実行しないようにする。例えば、実行部119は、位置情報取得部117が取得した現在の位置情報が、実行部119が実行する一の受取アプリに対応した受取領域情報が示す領域内の位置を示さない場合に、この一の受取アプリを実行しないようにする。実行する受取アプリとは、実行部119が実行指示(例えば、起動指示)を受けた受取アプリであっても良いし、実行部119が実行している受取アプリであっても良い。受取アプリを実行しないようにするということは、例えば、受取アプリを起動しないということであっても良いし、実行中の受取アプリを停止、あるいは終了することであっても良い。また、受取アプリに対する入力を受け付けない、あるいは受け付けた入力破棄することであっても良い。位置情報取得部117の取得した位置情報が、受取領域情報が示す領域内の位置を示すと判断部118が判断した場合には、実行部119は、例えば、ユーザの操作や指示等に応じて、受取アプリを実行してよい。
例えば、実行部119は、受取アプリの実行中に、判断部118が実行条件を満たさないと判断した場合に、受取アプリの実行を中止するようにしてもよい。例えば、受取アプリの実行の中止とは、例えば、実行部119が、実行中の受取アプリを停止、あるいは終了することである。また、実行を中止するということは、受取アプリの初期画面(例えばログイン画面)に戻ることや、携帯決済端末装置1の初期画面(例えば、他のアプリケーションプログラム等の画面が非表示である状態の画面)や起動直後の画面等に戻ることであっても良い。また、受取アプリが、起動時にユーザ認証を必要とするものである場合、受取アプリのユーザ認証の画面等を表示するようにしても良い。なお、ここでの、実行を中止する、ということは、実行を中止するか否かを選択するための画面や、ダイヤログ等を含む画面を表示することで、携帯決済端末装置1のユーザに問い合わせることであっても良い。
また、実行部119は、支払アプリを実行してもよい。実行部119は、例えば、後述する操作受付部121等を介して受け付けたユーザの操作や指示等に応じて、アプリ格納部114に格納されている1以上の支払アプリを実行する。実行部119は、受取アプリを実行させることにより、送信部113等を用いて電子マネーを支払う処理を行う。実行部119による電子マネーを支払う処理は、通常の電子マネーを支払う処理と同様の処理である。通常の電子マネーを支払う処理は、携帯決済端末装置1が扱う電子マネーの方式により異なる。例えば、実行部119は、オンライン方式、オフライン方式、仮想マネー方式等の方式に応じた電子マネーを支払う処理を行う。電子マネーを支払う処理は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が、支払領域情報が示す領域内の位置を示すと判断部118が判断しなかった場合に、支払アプリを実行しないようにしてもよい。この処理は、上述した位置情報が、受取領域情報が示す領域内の位置を示すと判断部118が判断しなかった場合の処理において、受取領域情報の代わりに、実行する支払アプリに対応する支払領域情報を用いるようにした処理に相当するものであり、ここでは説明は省略する。
例えば、携帯決済端末装置1は、実行部119が受取アプリおよび支払アプリをそれぞれ実行することにより、受信部112および送信部113が、他の携帯決済端末装置1との間で電子マネーの受信および送信を行う。これにより、例えば、決済システム1000を構成する2以上の携帯決済端末装置1間や、電子マネーカード等との間で、電子マネーの支払、受取が可能となる。
なお、受取アプリと支払アプリとが一のプログラム等を構成している場合、受取アプリを実行するということは、一のプログラムの受取アプリに相当するモジュールを実行するということであってもよい。支払アプリを実行することも同様である。
実行部119は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。実行部119の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、実行部119がソフトウェアで実現される場合、実行部119は、OS(オペレーティングシステム)の一部であっても良いし、OSとは別の実行モジュール等であっても良い。また、実行部119は、受取アプリや、支払アプリ等を含むアプリケーションプログラムの一部(例えば、モジュール等)であってもよい。
表示部120は、例えば、実行部119が実行しているアプリケーションソフトウェア(例えば、受取アプリや支払アプリ)の処理画面等を表示する。処理画面は、例えば、入力インターフェースを示す画面や、処理結果等を示す画面等である。
表示部120は、ディスプレイデバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。表示部120は、ディスプレイデバイスのドライバーソフトまたは、ディスプレイデバイスのドライバーソフトとディスプレイデバイス等で実現され得る。
操作受付部121は、ユーザ等による携帯決済端末装置1に対する操作を受け付ける。操作を受け付けるということは操作に応じた指示を受け付けることも含む概念であると考えても良い。操作の受け付けは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。操作受付部121は、テンキーやキーボード、タッチパネル等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
音波出力装置5は、音波を出力する装置である。音波出力装置5は、音波が発声可能な装置であればどのような装置であってもよく、例えば、超音波発生器等の音波発生器や、オーディオ装置等である。
音波出力部511は、音波を出力する。音波出力装置5は、例えば、音波の出力先となる1以上の領域に対して、この領域を識別可能な音波を出力する。領域を識別可能な音波とは、例えば、領域を示す位置情報と関連付けられた音波である。音波出力部511は、例えば、音波の出力先の領域ごとに予め指定された1以上の周波数の音波を出力する。音波出力部511は、音波の出力先の領域ごとに予め指定された周波数成分を有する音波を出力しても良い。また、音波出力部511は、音波の出力先の領域ごとに予め指定された音声データである音波を出力しても良い。この音声データは音楽のデータであることが好ましい。また、音波出力部511は、音波の出力先の領域ごとに予め指定された文字列を示す音波を出力しても良い。例えば、出力先の領域に対して予め指定された文字列を読み上げた音波を出力しても良い。この文字列は、店舗名等の位置情報であっても良い。また、音波出力部511は、音波の出力先の領域ごとに予め指定されたパターン(例えば、断続的なパターン)を有する音波を出力しても良い。また、音波出力部511は、音波の出力先の領域に対応する位置情報(または位置情報に対応する情報)を重畳した音波を出力しても良い。
なお、決済システム1000が音波出力装置5を複数備えている場合においては、位置情報の取得に利用される音波として異なる音波を出力する音波出力装置5は、異なる領域に設置されることが好ましい。
音波出力部511は、例えば、図示しない記憶媒体等に格納されている音声データや、音楽のデータ等を用いて取得した音声データを音波に変換して出力する。また、予め指定された周波数の音波を生成して出力しても良い。
音波出力部511は、スピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。音波出力装置5は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、決済システム1000の携帯決済端末装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)携帯決済端末装置1は、操作受付部121等が、一の受取アプリの起動指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS102に進み、受け付けていない場合、ステップS112に進む。
(ステップS102)携帯決済端末装置1は、実行部119が実行する一の受取アプリ(ここでは起動指示に対応した受取アプリ)について位置による判断処理を行う。この処理の詳細については後述する。
(ステップS103)実行部119は、ステップS102の処理において判断部118が取得した判断結果が、位置情報取得部117の取得した位置情報が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果であるか否かを判断する。領域内の位置であることを示す判断結果を取得した場合、ステップS104に進み、取得しなかった場合、ステップS101に戻る。
(ステップS104)実行部119は、ステップS101で受け付けた起動指示に対応する受取アプリを起動する。
(ステップS105)携帯決済端末装置1は、実行部119が実行する一の受取アプリ(ここでは、実行中の受取アプリ)について位置による判断処理を行う。この処理は、上記のステップS102の判断処理と同様の判断処理である。
(ステップS106)実行部119は、ステップS105の処理において判断部118が取得した判断結果が、位置情報取得部117の取得した位置情報が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果であるか否かを判断する。領域内の位置であることを示す判断結果を取得した場合、ステップS107に進み、取得しなかった場合、ステップS111に進む。
(ステップS107)実行部119は、図示しない受付部等が受取アプリの終了指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS111に進み、受け付けていない場合、ステップS108に進む。
(ステップS108)実行部119は、図示しない受付部等が、他の携帯決済端末装置1等からの電子マネーの支払いを受取る操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS109に進み、受け付けていない場合、ステップS105に戻る。
(ステップS109)受信部112は、ステップS108により受け付けた操作に応じて、他の携帯決済端末装置1等が送信する電子マネーを受信する。
(ステップS110)受信部112は、受信した電子マネーを、電子マネー格納部111に蓄積する。そして、ステップS105に戻る。
(ステップS111)実行部119は、受取アプリの実行を中止する。例えば、受取アプリを終了する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS112)携帯決済端末装置1は、操作受付部121等が、一の支払アプリの起動指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS113に進み、受け付けていない場合、ステップS101に戻る。
(ステップS113)携帯決済端末装置1は、実行部119が実行する一の支払アプリ(ここでは起動指示に対応した受取アプリ)について位置による判断処理を行う。この処理は、上記のステップS102の処理において、例えば、受取領域情報の代わりに、一の支払アプリに対応する支払領域情報を用いるようにし、受取領域情報が示す領域内であるか否かを示す判断結果を取得する代わりに、支払領域情報が示す領域内であるか否かを示す判断結果を取得するようにしたものである。
(ステップS114)実行部119は、ステップS113の処理において判断部118が取得した判断結果が、位置情報取得部117の取得した位置情報が、実行部119が実行する支払アプリに対応する支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果であるか否かを判断する。領域内の位置であることを示す判断結果を取得した場合、ステップS115に進み、取得しなかった場合、ステップS101に戻る。
(ステップS115)実行部119は、ステップS112で受け付けた起動指示に対応する支払アプリを起動する。
(ステップS116)携帯決済端末装置1は、実行部119が実行する一の支払アプリ(ここでは、実行中の支払アプリ)について位置による判断処理を行う。この処理は、上記のステップS113の判断処理と同様の判断処理である。
(ステップS117)実行部119は、ステップS116の処理において判断部118が取得した判断結果が、位置情報取得部117の取得した位置情報が、実行部119が実行する支払アプリに対応する支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果であるか否かを判断する。領域内の位置であることを示す判断結果を取得した場合、ステップS118に進み、取得しなかった場合、ステップS122に進む。
(ステップS118)実行部119は、操作受付部121等が支払アプリの終了指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS122に進み、受け付けていない場合、ステップS119に進む。
(ステップS119)実行部119は、図示しない受付部等が、他の携帯決済端末装置1等に電子マネーを支払う操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS120に進み、受け付けていない場合、ステップS116に戻る。
(ステップS120)受信部112は、ステップS119により受け付けた操作に応じて、他の携帯決済端末装置1等に電子マネーを送信する。
(ステップS121)送信部113は、ステップS120において送信した分の金額を、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーから減額する。そして、ステップS116に戻る。
(ステップS122)実行部119は、支払アプリの実行を中止する。例えば、支払アプリを終了する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS106とステップS107との処理を、ステップS108とステップS109との間の処理に変更するようにしても良い。同様に、ステップS117とステップS118との処理を、ステップS119とステップS120との処理の間の処理に変更するようにしても良い。
上記のように、本実施の形態においては、ステップS102において、受取アプリの起動前に、位置情報が示す自装置(あるいはユーザ)の位置が、受取アプリに対応する領域内の位置であるか否かを判断して、受取アプリを起動するか否かを決定するとともに、受取アプリの起動後も、ステップS106とステップS107との処理により位置情報が示す位置が受取アプリに対応する領域内の位置であるか否かを判断して、受取アプリの実行を中止するか否かを決定するようにしたことにより、受取アプリの起動時にこの受取アプリに対応する領域内に自装置(即ち携帯決済端末装置1)が位置しない場合には、このアプリを起動しないとともに、起動時には、受取アプリに対応する領域内に自装置が位置した場合であっても、その後に、自装置が、受取アプリに対応する領域内に位置しないようになった場合には、受取アプリの実行を中止することができ、自装置の位置による受取アプリの実行の制御を、確実に行うことが可能となる。
次に、携帯決済端末装置1の実行条件を満たすか否かの判断処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図2のステップS102およびステップS108の処理に相当するものである。
(ステップS201)音波受信部116は、音波を受信したか否かを判断する。例えば、一の音波出力装置5が出力する音波を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS202に進み、受信していない場合、ステップS206に進む。
(ステップS202)位置情報取得部117は、ステップS201で取得した音波を用いて位置情報を取得する。例えば、位置の識別情報である位置情報を取得する。なお、音波に対応する位置情報が取得できなかった場合には、ステップS206に進むようにして良い。
(ステップS203)判断部118は、実行部119が実行する受取アプリ(例えば、起動する指示を受け付けた受取アプリや、実行中の受取アプリ)に対応した受取領域情報を、領域情報格納部115から取得する。
(ステップS204)判断部118は、ステップS202で取得した位置情報と、ステップS203で取得した受取領域情報とが一致するか否かを判断する。一致する場合、ステップS205に進み、一致しない場合、ステップS207に進む。
(ステップS205)判断部118は、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS206)判断部118は、タイムアウトであるか否かを判断する。具体的には、ステップS201に対応する音波の受信を開始してからの経過時間が、予め指定された時間を超えたか否かを判断し、超えた場合、タイムアウトであると判断し、超えていない場合、タイムアウトでないと判断する。タイムアウトであると判断した場合、ステップS207に進み、タイムアウトでないと判断した場合、ステップS201に戻る。
(ステップS207)判断部118は、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。そして、上位の処理にリターンする。
なお、図2に示したフローチャートのステップS113およびステップS116の処理は、上記において図3を用いて説明した処理において、ステップS203の処理を、受取領域情報を取得する代わりに、実行部119が実行する支払アプリに対応した支払領域情報を取得する処理に変更し、ステップS204の処理を、位置情報と支払領域情報とが一致するか否かの判断する処理に変更し、ステップS205の処理を、実行部119が実行する支払アプリに対応する支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する処理に変更し、ステップS207の処理を、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する処理に変更したものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
以下、音波出力装置5の動作について、簡単に説明すると、音波出力部511は、予め指定された音波を出力する。
以下、本実施の形態における決済システム1000の具体的な動作について説明する。
図4は、決済システム1000の概念図である。ここでは、一例として、携帯決済端末装置1が1台であり、2台の音波出力装置5が異なる領域に配置されている場合について説明する。携帯決済端末装置1は、例えば、いわゆるスマートフォンと呼ばれる多機能携帯通信端末であるとする。ここでは、2台の音波出力装置5を、音波出力装置5a、5bとしている。例えば、音波出力装置5aは、携帯決済端末装置1を所持する店員Gが午前中勤務している商品等を販売する店舗Aに設置されており、音波出力装置5bは、携帯決済端末装置1のユーザが午後に勤務している商品等を販売する店舗Bに設置されているものとする。音波出力装置5aは、店舗A内のみに、周波数「f1」の超音波を連続的に出力しているものとする。また、音波出力装置5bは、店舗B内のみに、周波数「f2」の超音波を連続的に出力しているものとする。
図5は、この具体例の携帯決済端末装置1の外観を示す図である。携帯決済端末装置1は、例えば、いわゆるスマートフォンと呼ばれる多機能携帯通信端末であるとする。携帯決済端末装置1は、モニタ120aを備えており、このモニタ120a上には、操作デバイスとして図示しないタッチパネルが配置されているものとする。また、携帯決済端末装置1は、音波を受信するマイク116aを備えているものとする。
ここでは、店員Gの携帯決済端末装置1には、アプリ格納部114内に、店舗Aでの決済専用の受取アプリおよび支払アプリと、店舗Bでの決済専用の受取アプリ及び支払アプリがそれぞれ格納されている(インストールされている)ものとする。店舗Aでの決済専用の受取アプリの識別情報(以下、受取アプリIDと称す)は「R01A」、店舗Aでの決済専用の支払アプリの識別情報(以下、支払アプリIDと称す)は「P01A」、店舗Bでの決済専用の受取アプリの受取アプリIDは「R01B」、店舗Bでの決済専用の支払アプリの支払アプリIDは「P01B」であるとする。
店員Gが午前中勤務している店舗Aに顧客Cが来店し、商品の購入を電子マネーカード(例えば、電子マネーが格納されたICカード等)で行う旨を店員Gに伝えたとする。
店員Gは、電子マネーでの支払を受取るために、店舗Aの受取アプリである「R01A」という受取アプリIDの受取アプリを起動する操作を行ったとすると、操作受付部121は、受取アプリIDが「R01A」である受取アプリ(以下、受取アプリ「R01A」と称す。かかることは、他の受取アプリや支払アプリに関しても同様である。)の起動指示を受け付ける。受取アプリ「R01A」を起動する操作は、例えば、モニタ120aに表示されている受取アプリ「R01A」のアイコン125上のタッチパネルを指でタップ(軽く叩く)する操作である。
操作受付部121が受取アプリ「R01A」の起動指示を受け付けると、音波受信部116は、音波の受信を開始する。音波受信部116は、マイク116aを介して音波を受信したか否かの判断処理を繰り返す。携帯決済端末装置1の現在位置は店舗A内であり、店舗A内においては、音波出力装置5aが周波数「f1」の音波を出力しているため、音波受信部116は、音波出力装置5aが出力する周波数「f1」の音波を受信する。
図6は、音波の周波数と、位置情報とを対応付けて管理する音波位置管理情報を示す図である。音波位置管理情報は、「周波数」と「位置情報」という項目を有している。「周波数」は、音波の周波数である。「位置情報」は、位置情報である。ここでは、位置情報が、位置の識別情報である店舗名であるとする。
位置情報取得部117は、音波出力装置5が取得した音波の周波数を取得する。ここでは、音波に対してフーリエ変換を行い、ピークとなる位置の周波数を取得する。ここでは、周波数として「f1」を取得したとする。
次に、位置情報取得部117は、図6に示した音波位置管理情報から、「周波数」の値が、「f1」と一致するレコード(行)を検出し、検出したレコードに含まれる「位置情報」を取得する。ここでは、「店舗A」という位置情報を取得する。
図7は、領域情報格納部115に格納されている受取領域情報を管理する受取領域管理情報である。受取領域管理情報は、「受取アプリID」と、「受取領域情報」という項目を有している。「受取アプリID」は、受取アプリIDである。また、「受取領域情報」は、受取領域情報であり、ここでは、店舗名であるとする。
判断部118は、起動指示を受け付けた受取アプリの受取アプリIDである「R01A」を、例えば、操作受付部121が受け付けた操作指示等から取得し、図7に示した受取領域管理情報から、「受取アプリID」が「R01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「受取領域情報」である「店舗A」を取得する。
判断部118は、上記で取得した位置情報「店舗A」と、受取領域情報「店舗A」とが一致するか否かを判断する。ここでは一致するため、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、受取アプリIDが「R01A」である受取アプリに対応した受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する。
実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が示す位置が、起動指示の対象となる受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を判断部118が取得したため、受取アプリ「R01A」を起動する。
店員Gが、携帯決済端末装置1で実行中の受取アプリAの、請求金額を入力するフィールド等(図示せず)に、顧客Cが購入する商品の代金「500円」を入力し、図示しない受取開始ボタンを押したとする。そして、店員Gの携帯決済端末装置1と、顧客Cの電子マネーカード(図示せず)とを、通信が可能な近距離に近づけると、携帯決済端末装置1の送信部113が、上記で図示しないフィールドに入力された、請求金額が「500円」であることを示す情報を電子マネーカードに送信する。そして、電子マネーカードから送信される「500円」分の電子マネーを携帯決済端末装置1の受信部112が受信し、受信した電子マネーを電子マネー格納部111に蓄積する。ここでは、例えば、既に「3250円」分の電子マネーが格納されていたとすると、この「3250円」に受信した「500円」を加算した金額「3750円」で、電子マネー格納部111に格納されている電子マネーの値(残高)を更新する。
携帯決済端末装置1は、受取アプリの実行中には、上述したように、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置が、実行中の受取アプリ「R01A」に対応する受取領域情報が示す領域内であるか否かの判断処理を繰り返し実行する。
ここで、受取アプリAの実行中に、店員Gが、店舗Aの店内から店外へ移動したとする。音波受信部116が、店舗Aの音波出力装置5aから出力される音波を受信できなくなり、他の音波も受信できなくなったとする。この場合、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置が、受取アプリIDが「R01A」である受取アプリに対応した受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。そして、実行部119は、この判断結果に応じて、実行中の受取アプリ「R01A」を終了する。
店員Gが午後になって、午後の勤務先である店舗Bに移動し、店舗Bで勤務を始めたとする。この時点では、例えば全ての受取アプリや支払アプリは終了しているものとする。
店員Gが勤務している店舗Bに顧客Dが来店し、商品の購入を電子マネーカード(例えば、電子マネーが格納されたICカード等)で行う旨を店員Gに伝えたとする。
店員Gは、電子マネーでの支払を受取るために、受取アプリの起動操作を行ったが、誤って、店舗Aの受取アプリである「R01A」という受取アプリIDの受取アプリを起動する操作を行ってしまったとする。
操作受付部121が受取アプリ「R01A」の起動指示を受け付けると、音波受信部116は、音波の受信を開始する。音波受信部116は、マイク116aを介して音波を受信したか否かの判断処理を繰り返す。携帯決済端末装置1が現在存在する位置は店舗B内の位置であり、店舗B内においては、音波出力装置5bが周波数「f2」の音波を出力しているため、音波受信部116は、音波出力装置5bが出力する周波数「f2」の音波を受信する。
位置情報取得部117は、上記と同様に、音波出力装置5が取得した音波の周波数を取得する。ここでは、周波数として「f2」を取得する。
次に、位置情報取得部117は、図6に示した音波位置管理情報から、「周波数」の値が、「f2」と一致するレコード(行)を検出し、検出したレコードに含まれる「位置情報」を取得する。ここでは、「店舗B」という位置情報を取得する。
判断部118は、起動指示を受け付けた受取アプリの受取アプリIDである「R01A」を取得し、図7に示した受取領域管理情報から、「受取アプリID」が「R01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「受取領域情報」である「店舗A」を取得する。
判断部118は、上記で取得した位置情報「店舗B」と、受取領域情報「店舗A」とが一致するか否かを判断する。ここでは一致しないため、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、受取アプリIDが「R01A」である受取アプリに対応した受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。
実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が示す位置が、起動指示の対象となる受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を判断部118が取得したため、受取アプリ「R01A」を起動しない。なお、この場合、現在位置が、受取アプリ「R01A」を起動できる位置でない旨を通知するメッセージ等を表示部120が、モニタ120a等に表示するようにしても良い。
ユーザGが、受取アプリ「R01B」を起動する操作を受け付けた場合には、店舗Aにいる場合と同様に、店舗B内において、実行部119に受取アプリ「R01B」を起動させ、決済処理を行うことが可能となる。
このように、位置情報が示す位置が、実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置でない場合には、受取アプリを実行できないようにすることで、受取アプリを、予め指定された領域以外の領域では実行できないようにして、電子マネーを用いた誤った決済や、電子マネーを用いた決済の悪用を防ぐことができる。例えば、店舗A専用の受取アプリを用いた決済を、異なる店舗で行えないようにすることができる。
また、仮に、顧客Gが、店舗A内での勤務中に、顧客に返金を行うために、店舗Aの支払アプリである「P01A」という受取アプリIDの受取アプリを起動する操作を行ったとする。
操作受付部121が受取アプリ「R01A」の起動指示を受け付けると、音波受信部116は、音波の受信を開始し、音波出力装置5aが出力する周波数「f1」の音波を受信する。そして、位置情報取得部117は、受信した音波から周波数「f1」を取得し、位置情報取得部117は、図6に示した音波位置管理情報から、この周波数「f1」に対応する「店舗A」という位置情報を取得する。
図8は、領域情報格納部115に格納されている支払領域情報を管理する支払領域管理情報である。支払領域管理情報は、「支払アプリID」と、「支払領域情報」という項目を有している。「支払アプリID」は、支払アプリIDである。また、「支払領域情報」は、支払領域情報であり、ここでは、店舗名であるとする。
判断部118は、起動指示を受け付けた支払アプリの支払アプリIDである「P01A」を、例えば、操作受付部121が受け付けた操作指示等から取得し、図8に示した支払領域管理情報から、「支払アプリID」が「P01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「支払領域情報」である「店舗A」を取得する。
判断部118は、上記で取得した位置情報「店舗A」と、支払領域情報「店舗A」とが一致するか否かを判断する。ここでは一致するため、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、支払アプリIDが「P01A」である支払アプリに対応した支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する。
実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が示す位置が、起動指示の対象となる支払アプリ「P01A」に対応した支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を判断部118が取得したため、支払アプリ「P01A」を起動する。そして、支払アプリを操作すること等により、携帯決済端末装置1から、電子マネーカード等に対して電子マネーの支払を行うことが可能となる。
携帯決済端末装置1は、支払アプリの実行中には、上述したように、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置が、実行中の支払アプリ「P01A」に対応する支払領域情報が示す領域内であるか否かの判断処理を繰り返し実行する。
ここで、支払アプリAの実行中に、店員Gが、店舗Aの店内から店外へ移動したとする。音波受信部116が、店舗Aの音波出力装置5aから出力される音波を受信できなくなり、他の音波も受信できなくなったとする。この場合、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置が、支払アプリIDが「P01A」である支払アプリに対応した支払領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。
また、仮に、店員Gが、店舗Bにおいて電子マネーでの支払を行う際に、誤って、店舗Aの支払アプリ「P01A」を起動する操作を行ったとする。
操作受付部121が支払アプリ「P01A」の起動指示を受け付けると、音波受信部116は、音波出力装置5bが出力する周波数「f2」の音波を受信する。
位置情報取得部117は、上記と同様に、音波出力装置5が取得した音波の周波数を取得する。ここでは、周波数として「f2」を取得し、図6に示した音波位置管理情報から、「周波数」の値「f2」と対応する位置情報である「店舗B」を取得する。
判断部118は、図8に示した支払領域管理情報から、「支払アプリID」が「P01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「支払領域情報」である「店舗A」を取得する。
判断部118は、上記で取得した位置情報「店舗B」と、支払領域情報「店舗A」とが一致するか否かを判断する。ここでは一致しないため、判断部118は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、支払アプリIDが「P01A」である支払アプリに対応した支払領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。
実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が示す位置が、起動指示の対象となる支払アプリ「P01A」に対応した支払領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を判断部118が取得したため、支払アプリ「P01A」を起動しない。なお、この場合、現在位置が、支払アプリ「P01A」を起動できる位置でない旨を通知するメッセージ等を表示部120が、モニタ120a等に表示するようにしても良い。
ユーザGが、支払アプリ「P01B」を起動する操作を受け付けた場合には、店舗Aにいる場合と同様に、店舗B内において、実行部119に支払アプリ「P01B」を起動させ、決済処理を行うことが可能となる。
このように、位置情報が示す位置が、実行する支払アプリに対応する支払領域情報が示す領域内の位置でない場合には、支払アプリを実行できないようにすることで、支払アプリを、予め指定された領域以外の領域では実行できないようにして、電子マネーを用いた誤った決済や、電子マネーを用いた決済の不正利用を防ぐことができる。例えば、店舗A専用の支払アプリを用いた決済を、異なる店舗で行えないようにすることができる。
以上、本実施の形態によれば、受取アプリや支払アプリを実行できる領域を制限することができ、受取アプリや支払アプリが予め指定された領域以外で実行されないようにして、受取アプリや支払アプリの誤った利用や不正な利用を防ぐことできる。これにより、電子マネーを用いた決済のセキュリティを向上させることができる。
また、音の到達範囲を領域に指定できるため、受取アプリや支払いアプリの起動可能な領域の指定が容易である。
なお、本実施の形態によれば、位置情報に応じて受取アプリと支払アプリのそれぞれの実行を判断するようにしたが、一方だけの実行を判断するようにしてもよい。この場合、実行の判断を行わない受取アプリに対応した受取領域情報、または実行の判断を行わない支払アプリに対応した支払領域情報は省略しても良い。かかることは他の実施の形態においても同様である。
また、上記の具体例においては、アプリ格納部114には、受取アプリと支払アプリとが格納されている場合について説明したが、受取アプリまたは支払アプリのいずれか一方だけが格納されているようにしても良い。受取アプリが格納されていない場合、領域情報格納部115には、受取領域情報が格納されていなくて良い。また、支払アプリが格納されていない場合、領域情報格納部115には、支払領域情報が格納されていなくて良い。かかることは他の実施の形態においても同様である。
(実施の形態2)
本実施の形態にかかる携帯決済端末装置2は、上記携帯決済端末装置1において、音波によって、領域の識別情報である位置情報を取得する代わりに、GPS等を用いて、地点を示す情報である位置情報を取得するようにしたものである。
図9は、本実施の形態における携帯決済端末装置2のブロック図である。
携帯決済端末装置2は、電子マネー格納部111、受信部112、送信部113、アプリ格納部114、領域情報格納部215、位置情報取得部217、判断部218、実行部119、表示部120、操作受付部121を備える。
電子マネー格納部111、受信部112、送信部113、アプリ格納部114、実行部119、表示部120、操作受付部121の構成については、上記実施の形態1と同様であるのでここでは詳細な説明は省略する。
領域情報格納部215には、1または2以上の受取領域情報が格納される。また、領域情報格納部215には、1または2以上の支払領域情報が格納される。本実施の形態においては、受取領域情報および支払領域情報が、上記実施の形態1において説明した領域内の1以上の地点を示す情報である場合について説明する。特に、以下の説明においては、領域内の1以上の地点を示す情報が、領域の輪郭を示す情報である場合を例に挙げて説明する。他の構成については、上記実施の形態1の領域情報格納部115と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
位置情報取得部217は、位置を特定する情報である位置情報を取得する。この位置情報は、具体的には、携帯決済端末装置2の位置情報である。あるいは、携帯決済端末装置2を所持する、あるいは利用するユーザの位置情報と考えても良い。ここでは、位置情報取得部217が取得する位置情報が、地点を示す情報である場合について説明する。地点を示す情報とは、例えば、一の地点を特定可能な情報であり、例えば、緯度と経度との組み合わせ等で示された一の地点の座標である。また、位置情報は、さらに高さの情報を有していても良い。位置情報取得部217は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて位置情報、具体的には一の地点の座標を取得する。なお、ここでは、GPSと同様の技術を用いて、屋内の位置情報を取得するシステムも、ここでは、便宜上GPSであると考える。また、携帯電話の位置検出等に用いられる無線を使った位置検出システムが利用可能である。無線を使った位置検出の仕組み等については、以下の非特許文献を参考にされたい。(非特許文献:小野昌之、他5名"無線を使った位置検出"、[online]、[平成12年6月18日検索]、インターネット<URL:http://www.oki.com/jp/Home/JIS/Books/KENKAI/n204/pdf/204_R06.pdf>)。なお、予め指定された領域内であるか否かの判断は、上記以外の手段を用いて行うようにしても良い。
位置情報取得部217は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。位置情報取得部217の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、位置情報取得部217は、GPS受信機等を有していると考えても良いし、有していないと考えても良い。
判断部218は、位置情報取得部217が取得した位置情報が、受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する。例えば、判断部218は、位置情報が取得した位置情報が、アプリ格納部114に格納されている受取アプリのうちの、実行部119が実行する一の受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する。
例えば、位置情報取得部217が取得する位置情報が、地点を示す情報であり、領域情報格納部115に格納されている受取領域情報が、領域の輪郭を示す情報であるとすると、判断部218は、位置情報が示す地点(例えば、座標)が、受取領域情報が示す領域内の地点(例えば、座標)であるか否かを判断し、領域内の地点(例えば、座標)であれば、位置情報が、受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すと判断する。また、領域内の地点(例えば、座標)でなければ、位置情報が、受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示さないと判断する。
同様に、判断部218は、位置情報取得部217が取得した位置情報が、支払アプリに対応付けられた支払領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断するようにしてもよい。この場合、上記の判断部218の処理において、受取アプリに対応付けられた受取領域情報を取得する代わりに、支払アプリに対応付けられた支払領域情報を取得するようにすればよい。
なお、受取領域情報および支払領域情報が、領域に含まれる全ての地点を示す情報、例えば、領域に含まれる全ての座標群である場合、位置情報が示す座標と一致する座標が、この受取領域情報または支払領域情報が示す座標群の中に含まれるか否かを判断するようにすればよい。
なお、上記以外の判断部218の構成や処理等は、上記実施の形態1の判断部118と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、携帯決済端末装置2の動作について説明する。携帯決済端末装置2の動作は、図2に示したフローチャートにおいて、ステップS102、ステップS105、ステップS113、およびステップS116に示した位置情報が示す位置による判断処理を、位置情報取得部217が取得した位置情報を用いて行うようにしたものである。これらのステップ以外の処理は、上記実施の形態1の携帯決済端末装置1と同様である。
このため、ここでは、まず、図2に示したステップS102、およびステップS105に相当する本実施の形態の詳細な処理を、図10に示したフローチャートを用いて説明する。
(ステップS301)位置情報取得部217は、GPS等を用いて位置情報を取得したか否かを判断する。取得した位置情報は、例えば、緯度と経度とで示される座標である。取得した場合、ステップS302に進み、受信していない場合、ステップS305に進む。
(ステップS302)判断部218は、実行部119が実行する受取アプリ(例えば、起動する指示を受け付けた受取アプリや、実行中の受取アプリ)に対応した受取領域情報を、領域情報格納部215から取得する。ここでの受取領域情報は、例えば、領域の輪郭を示す情報である。
(ステップS303)判断部218は、ステップS301で取得した位置情報が示す位置が、ステップS302で取得した受取領域情報が示す領域内の位置であるか否かを判断する。例えば、位置情報が示す座標が、領域情報が示す輪郭内の座標であるか否かを判断する。領域内の位置である場合、ステップS304に進み、一致しない場合、ステップS306に進む。
(ステップS304)判断部218は、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS305)判断部218は、タイムアウトであるか否かを判断する。具体的には、ステップS301に対応する位置情報の取得を開始してからの経過時間が、予め指定された時間を超えたか否かを判断し、超えた場合、タイムアウトであると判断し、超えていない場合、タイムアウトでないと判断する。タイムアウトであると判断した場合、ステップS306に進み、タイムアウトでないと判断した場合、ステップS301に戻る。
(ステップS306)判断部218は、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。そして、上位の処理にリターンする。
なお、図2に示したステップS113およびステップS116に相当する本実施の形態2の処理は、上記において図10を用いて説明した処理において、ステップS302の処理を、受取領域情報を取得する代わりに、実行部119が実行する支払アプリに対応した支払領域情報を取得する処理に変更し、ステップS303の処理を、位置情報が支払領域情報の示す領域内の位置であるか否かを判断する処理に変更し、ステップS304の処理を、実行部119が実行する支払アプリに対応する支払領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する処理に変更し、ステップS306の処理を、位置情報の示す位置が、実行部119が実行する受取アプリに対応する受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する処理に変更したものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
以下、本実施の形態における携帯決済端末装置2の具体的な動作について説明する。携帯決済端末装置2の概念図は、図4に示した図において、携帯決済端末装置1の代わりに携帯決済端末装置2を用いるようにし、音波出力装置5を省略したものであるとする。
また、携帯決済端末装置2は、携帯決済端末装置1と同様に、モニタ120aを備えており、このモニタ120a上には、操作デバイスとして図示しないタッチパネルが配置されているものとする。また、携帯決済端末装置2は、図示しないGPS受信機を備えているものとする。なお、位置情報取得部217がGPS受信機であっても良い。また、携帯決済端末装置2のアプリ格納部114には、実施の形態1の具体例と同様の受取アプリと支払アプリが格納されているものとする。
店員Gが、電子マネーでの支払を受取るために、店舗Aの受取アプリである「R01A」という受取アプリIDの受取アプリを起動する操作を行ったとすると、操作受付部121は、受取アプリ「R01A」の起動指示を受け付ける。
操作受付部121が受取アプリ「R01A」の起動指示を受け付けると、位置情報取得部217は、図示しないGPS受信機を用いて、位置情報の取得を開始する。そして、位置情報取得部217が、現在の位置情報を取得する。位置情報取得部217が取得した位置情報は、ここでは、(X1,Y1)であったとする。なお、ここでのX1等の値は任意の緯度の値、Y1等の値は任意の経度の値であるとする。
図11は、領域情報格納部215に格納されている受取領域情報を管理する受取領域管理情報である。受取領域管理情報は、「受取アプリID」と、「受取領域情報」という項目を有している。「受取アプリID」は、受取アプリIDである。また、「受取領域情報」は、受取領域情報であり、ここでは、領域の輪郭を示す座標群であるとする。ここでのx1等は、任意の緯度の値、y1等は任意の経度の値であるとする。
判断部218は、起動指示を受け付けた受取アプリの受取アプリIDである「R01A」を、例えば、操作受付部121が受け付けた操作指示等から取得し、図7に示した受取領域管理情報から、「受取アプリID」が「R01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「受取領域情報」である「(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)…」を取得する。
判断部218は、上記で取得した位置情報が示す座標が、上記で取得した受取領域情報が示す輪郭の座標が示す輪郭で示される領域内の座標であるか否かを判断する。一の座標が、領域内の座標であるか否かの判断処理は公知の技術であるため、ここでは説明を省略する。ここでは、位置情報が示す座標が、ここでは輪郭で示される領域内の座標であったとすると、判断部218は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を取得する。
実行部119は、位置情報取得部117の取得した位置情報が示す位置が、起動指示の対象となる受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置であることを示す判断結果を判断部118が取得したため、受取アプリ「R01A」を起動する。
受取アプリの起動後の処理は、上記実施の形態1の具体例と同様である。
また、受取アプリAの実行中に、店員Gが、店舗Aの店内から店外へ移動したとすると、判断部118は、位置情報取得部217が取得する位置情報である座標が、受取アプリ「R01A」に対応する受取領域情報が示す領域内の座標でない、と判断し、受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。そして、実行部119は、この判断結果に応じて、実行中の受取アプリ「R01A」を終了する。
店員Gが、午後の勤務先である店舗Bにおいて、電子マネーでの支払を受取るために、受取アプリの起動操作を行ったが、誤って、店舗Aの受取アプリである「R01A」という受取アプリIDの受取アプリを起動する操作を行ってしまったとする。
位置情報取得部217は、現在の位置情報(X2,Y2)を取得する。また、判断部218は、起動指示を受け付けた受取アプリの受取アプリIDである「R01A」を、例えば、操作受付部121が受け付けた操作指示等から取得し、図7に示した受取領域管理情報から、「受取アプリID」が「R01A」と一致するレコードを検出し、検出したレコードに対応する「受取領域情報」である「(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)…」を取得する。
判断部218は、上記で取得した位置情報が示す座標が、上記で取得した受取領域情報が示す輪郭の座標が示す輪郭で示される領域内の座標であるか否かを判断する。ここでは、位置情報が示す座標が、ここでは輪郭で示される領域内の座標でなかったとすると、判断部218は、位置情報取得部117が取得した位置情報が示す位置、即ち携帯決済端末装置1の現在位置が、受取アプリ「R01A」に対応した受取領域情報が示す領域内の位置でないことを示す判断結果を取得する。
このため、実行部119は、受取アプリ「R01A」の起動を行わない。
また、支払アプリを起動させる場合等についての処理についても、受取領域情報の代わりに、実行する支払アプリに対応する支払領域情報を用いる点等を除けば、上記の処理と同様であり、ここでは説明は省略する。
以上のように、本実施の形態によれば、受取アプリや支払アプリを実行できる領域を制限することができ、受取アプリや支払アプリが予め指定された領域以外で実行されないようにして、受取アプリや支払アプリの誤った利用や不正な利用を防ぐことできる。これにより、電子マネーを用いた決済のセキュリティを向上させることができる。
また、本実施の形態においては、音波出力装置5を、受取アプリ等の実行を許可する領域に設置する必要がないため、利便性が高い。
また、受取アプリや支払いアプリを実行可能な領域を、地点や輪郭で指定できるため、領域を正確に、かつ自由な平面形状に指定でき、領域を指定する際の自由度が高い。
また、本実施の形態においては、音波を用いないため、外的な環境、例えば、周囲の雑音等の影響を受けにくく、高精度に受取アプリ等を実行する下位中藤の判断処理を行うことができる。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態では、携帯決済端末装置がスタンドアロンである場合について説明したが、携帯決済端末装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
なお、上記各実施の形態における携帯決済端末装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、電子マネーが格納される電子マネー格納部と、電子マネーを受信して電子マネー格納部に蓄積する処理を実行可能なアプリケーションプログラムである受取アプリが格納されるアプリ格納部と、受取アプリと対応付けられた領域を示す情報である受取領域情報が格納される領域情報格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、受取アプリの実行時に電子マネーを受信する受信部と、位置を特定する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、受取アプリを実行する実行部と、位置情報取得部が取得した位置情報が、受取アプリに対応付けられた受取領域情報が示す領域内の位置を示すか否かを判断する判断部として機能させるためのプログラムであって、実行部は、判断部が領域内の位置を示すと判断しなかった場合に、受取アプリを実行しないプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図12は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による携帯決済端末装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図12において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図13は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図13において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による携帯決済端末装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による携帯決済端末装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。