JP5965420B2 - ウインドレギュレータ - Google Patents
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Description
本発明は、車両のドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータに関する。
車両のドアには、モータの駆動力によって窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが用いられている。従来の一般的なウインドレギュレータは、車両の右側のドア用のものと左側のドア用のものがあり、それぞれのドア用のものが所謂勝手違いに構成されている。
特許文献1に記載のウインドレギュレータは、車両の右側のドアにも左側のドアにも適用可能とすることにより、部品の共用化によって製造コストを削減することを意図したものであり、両端にローラが配置された誘導装置(ガイドレール)と、電動機によりローラの周りを周回するケーブル(ワイヤ)と、ケーブルにより誘導装置に沿って滑るすべり装置(キャリヤプレート)とを具備し、誘導装置及びローラが誘導装置の中間点にとった垂直軸に対して対称に構成されている。
特許文献1に記載のウインドレギュレータは、誘導装置及びローラを垂直軸に対して上下対称とすることで車両の右側及び左側のドアへの共用化が図られているが、ドアへの固定点の位置及び形状については垂直軸に対して上下対称ではない。このため、ドアへの固定構造が左右のドアで異なり、組み付け性の低下を招来していた。
そこで、本発明は、車両の右側のドア及び左側のドアへ適用可能であり、かつ右側及び左側のドアへの固定構造をも共通化することが可能なウインドレギュレータを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、前記移動体は、前記ワイヤの一部が巻き回されたドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生するモータと、前記ドラム及び前記モータを保持するハウジングとを有し、前記ガイドレールを前記ドアに固定するための固定部が前記ガイドレールの長手方向に沿う対称軸に対して対称形状に形成されている、ウインドレギュレータを提供する。
本発明によれば、車両の右側のドア及び左側のドアへ適用可能であり、かつ右側及び左側のドアへの固定構造をも共通化することが可能となる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1から図9を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態について、図1から図9を参照して説明する。
図1及び図2は、第1の実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びこのウインドレギュレータが設けられる車両(乗用車)のドアを示す概略図である。図1では、ウインドレギュレータが車両の右後席のドアに適用された場合を示し、図2では、ウインドレギュレータが車両の左後席のドアに適用された場合を示している。また、図1及び図2では、ドアの輪郭及び窓枠を仮想線(二点鎖線)で示し、かつウインドレギュレータの窓ガラスの内側(車室側)に配置される部分を破線で示している。
このウインドレギュレータ1は、右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用可能である。以下、右後席のドア9R及び左後席のドア9Lをドア9と総称する。ウインドレギュレータ1は、車両のドア9に設けられ、ドア9の窓ガラス90を昇降させる。窓ガラス90は、図略のガラスガイドに案内され、上下方向に移動する。
ウインドレギュレータ1は、窓ガラス90の移動方向に沿って配置されるガイドレール20と、ガイドレール20の長手方向の端部に配置された第1ワイヤ支持部材21及び第2ワイヤ支持部材22と、ガイドレール20の長手方向に沿って架張されたワイヤ3と、ガイドレール20に案内されて窓ガラス90と共に移動する移動体4とを備えている。移動体4は、ワイヤ3の一部が巻き回されたドラム40(後述する図5に示す)と、ドラム40を回転駆動する駆動力を発生するモータ5と、ドラム40及びモータ5を保持するハウジング6と、ハウジング6と窓ガラス90とを結合するための結合部材71,72とを有している。移動体4の構成の詳細については後述する。
本実施の形態では、ガイドレール20の上端部に第1ワイヤ支持部材21が配置され、ガイドレール20の下端部に第2ワイヤ支持部材22が配置されている。第1ワイヤ支持部材21及び第2ワイヤ支持部材22は、ワイヤ3の端部を支持している。
図3は、ウインドレギュレータ1が配置されたドア9(右後席のドア9R)の内部を図1のA−A線断面で示す概略図である。
ウインドレギュレータ1は、ドア9の外壁91と内壁92との間に配置されている。内壁92における車室側(外壁91とは反対側)の面は、例えば樹脂からなる図略の内張りによって覆われる。外壁91は、高さ方向の中央部が車幅方向の外側に膨らむように湾曲している。また、窓ガラス90も、外壁91と同様に、高さ方向の中央部が車幅方向の外側に膨らむように湾曲している。ガイドレール20は、この窓ガラス90に沿うように、弓状に湾曲している。
ガイドレール20は、第1ワイヤ支持部材21を挿通するボルト26(図1,図2に示す)、及び第2ワイヤ支持部材22を挿通するボルト26によってドア9に固定される。ボルト26の先端部は、内壁92を貫通して内壁92の車室側に配置されるナット93に螺合する。
モータ5は、ドア9内において、ガイドレール20よりも車幅方向の外側に配置され、ガイドレール20と外壁91との間には、移動体4の移動を妨げない幅の空間が形成されている。
次に、ウインドレギュレータ1の各部の構成について、図4乃至図9を参照して詳細に説明する。図4は、ウインドレギュレータ1の全体を示す全体図である。図5は、ウインドレギュレータ1の分解斜視図である。図6は、ドラムハウジング61を示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は下面図である。図7は、図4のB−B線断面図である。図8は、ガイドレール20の下端部における第2ワイヤ支持部材22及びその周辺を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はC−C線断面図、(d)はD−D線断面図、(e)はE−E線断面図、(f)はF−F線断面図、(g)はピストン部材28の断面図である。図9は、第1ワイヤ支持部材21を示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)下面図、(g)は斜視図である。なお、以下の説明において、「上」又は「下」とは、ウインドレギュレータ1がドア9に取り付けられた状態における「上」又は「下」をいうものとする。
図4及び図5に示すように、ハウジング6は、ドラム40を収容するドラムハウジング61と、後述するウォームギヤ機構80(図9に示す)を収容するギヤハウジング62とからなる。ドラムハウジング61とギヤハウジング62とは、複数のボルト63及びナット64(図5に示す)によって相互に締結されている。ドラムハウジング61及びギヤハウジング62は、共に樹脂からなる。より具体的には、ドラムハウジング61は例えばポリアセタール(POM)からなり、ギヤハウジング62は例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる。
図5及び図6に示すように、ドラムハウジング61には、ドラム40を収容する収容空間61aが形成されている。また、ドラムハウジング61には、ワイヤ3を収容空間61aに導く第1ガイド溝611及び第2ガイド溝612が形成されている。第1ガイド溝611は、収容空間61aの上方に形成され、第1ワイヤ支持部材21に向かって開口している。第2ガイド溝612は、収容空間61aの下方に形成され、第2ワイヤ支持部材22に向かって開口している。第1ガイド溝611及び第2ガイド溝612は、収容空間61aの中心部よりもガイドレール20側に片寄った位置に開口している。
また、ドラムハウジング61には、図4に示すように、車両の前後方向の両端部に貫通孔613,614が形成されている。この貫通孔613,614をそれぞれ挿通するボルト711,721(図1に示す)によって、ドラムハウジング61に結合部材71,72(図1に示す)が固定される。すなわち、貫通孔613,614は、ハウジング6に結合部材71,72が結合される一対の結合部材固定部の一態様である。
図4に示すように、貫通孔613,614は、ガイドレール20の中心線Cに対して対称な位置に設けられている。中心線Cは、ガイドレール20の長手方向に直交する幅方向の中心点を通る線である。本実施の形態では、この中心線Cを対称軸として、貫通孔613,614が対称な位置に設けられている。つまり、ガイドレール20の長手方向が鉛直方向に沿うように配置されたウインドレギュレータ1を図4に示すように正面から見た場合に、貫通孔613,614は、上記対称軸に対して左右対称な位置に設けられており、貫通孔613の中心点613cと貫通孔614の中心点614cとを結ぶ線分Sは、水平方向となる。
また、本実施の形態では、中心線Cから貫通孔613の中心点613cまでの距離と中心線Cから貫通孔614の中心点614cまでの距離とが同じである。ただし、貫通孔613,614の少なくとも一方が長孔である場合には、貫通孔613,614の開口範囲のうち、一部が対称軸に対して対称な位置に設けられていればよい。
上記のように構成されたドラムハウジング61は、上下方向に沿って延びるように形成されたレール溝610(図6に示す)にガイドレール20が遊嵌され、ガイドレール20に案内されて上下方向に移動する。
図5に示すように、ドラム40は円筒状であり、その外周面には螺旋状の溝41が形成されている。また、ドラム40の中心孔42の内周面には、ドラム40の軸方向に延びる内周スプライン42aが形成されている。
ワイヤ3は、第1ワイヤ支持部材21及び第2ワイヤ支持部材22に保持されたバネ23,24(図4に示す)により張力を付与されている。これにより、ワイヤ3は、第1ワイヤ支持部材21と第2ワイヤ支持部材22との間において弛むことなく架張されている。
ワイヤ3の配策経路を、第1ワイヤ支持部材21側の端部を始点とし、第2ワイヤ支持部材22側の端部を終点として説明すると、第1ワイヤ支持部材21から導出されたワイヤ3は、ガイドレール20に沿って下方に延び、ドラムハウジング61の第1ガイド溝611を経由して収容空間61a内に導かれる。収容空間61a内に導かれたワイヤ3は、ドラム40の溝41に収容されてドラム40の外周面を複数回にわたって周回し、第2ガイド溝612を経由してドラムハウジング61の外部に導出される。第2ガイド溝612から導出されたワイヤ3は、ガイドレール20に沿って下方に延びて第2ワイヤ支持部材22に支持される。
第1ワイヤ支持部材21とドラムハウジング61との間におけるワイヤ3を上部ワイヤ3aとし、第2ワイヤ支持部材22とドラムハウジング61との間におけるワイヤ3を下部ワイヤ3bとすると、ドラム40の回転により、上部ワイヤ3a及び下部ワイヤ3bの長さが変化する。つまり、移動体4の上昇時におけるドラム40の回転方向を正方向とし、移動体4の下降時におけるドラム40の回転方向を逆方向とすると、ドラム40が正方向に回転することにより、上部ワイヤ3aの長さが短くなると共に下部ワイヤ3bの長さが長くなる。また、ドラム40が逆方向に回転することにより、上部ワイヤ3aの長さが長くなると共に下部ワイヤ3bの長さが短くなる。この上部ワイヤ3a及び下部ワイヤ3bの長さの変化に応じて、移動体4がガイドレール20に対して上下方向に移動する。
モータ5の回転子の回転は、図7に示すウォームギヤ機構80によって減速され、ウォームギヤ機構80の出力軸81を介してドラム40に伝達される。出力軸81の一端部における外周面には、ドラム40の中心孔42の内周面に形成された内周スプライン42aに係合する外周スプライン81aが形成されている。出力軸81は、外周スプライン81aがドラム40の内周スプライン42aにスプライン係合することで、ドラム40と相対回転不能に連結されている。
ウォームギヤ機構80は、モータ5の回転子と一体に回転するウォーム50と、ウォーム50に噛み合うウォームホイール82と、ゴム等の弾性体からなる複数のダンパ83と、複数のダンパ83を介してウォームホイール82からの回転力を受け、出力軸81と一体に回転するハブ84とを有している。
出力軸81は、ギヤハウジング62から突出した大径部811と、大径部811よりも小径の小径部812とを一体に有している。ドラム40の内周スプライン42aとスプライン係合する外周スプライン81aは、大径部811の外周面に形成されている。また、小径部812における大径部811とは反対側の端部には、ハブ84とスプライン係合する外周スプライン81bが形成されている。
ウォームホイール82は、中心部に出力軸81を挿通させる挿通孔821aが形成された円板状の底部821と、底部821の外周縁に沿って軸方向に突出して形成された外周壁部822と、外周壁部822の内面から内方に突出した複数の内壁部823とを一体に有している。なお、図7には、複数の内壁部823のうち、1つの内壁部823のみを図示している。
外周壁部822の外周面には、ウォーム歯822aが形成されている。底部821における挿通孔821aの内径は、出力軸81の小径部812の外径よりも大きく形成され、挿通孔821aの内周面と出力軸81の小径部812の外周面との間には、僅かな隙間が形成されている。
ハブ84は、中心部に出力軸81の小径部812を挿通させる挿通孔841aが形成された円盤状の本体部841と、本体部841からウォームホイール82の底部821に向かって突出した複数の突起842とを一体に有している。挿通孔841aの内周面には、出力軸81の小径部812における外周スプライン81bとスプライン係合する内周スプライン841bが形成されている。ハブ84は、出力軸81の小径部812に嵌着されたスナップリング85によって、出力軸81との相対移動が規制されている。
ダンパ83は、ウォームホイール82の内壁部823とハブ84の突起842との間に挟まれて配置されている。ダンパ83は、モータ5のトルクの脈動を吸収し、出力軸81の回転を円滑にする機能を有している。ウォームホイール82とハブ84とは、ダンパ83が弾性変形して圧縮される範囲で相対回転可能である。以上の構成により、ウォームギヤ機構80は、モータ5の回転子の回転を減速し、かつトルクの脈動を抑制して出力軸81に伝達する。
ドラムハウジング61には、収容空間61aを形成する底部615の中心部に貫通孔615aが形成されている。また、底部615における貫通孔615aの周囲には、円筒状の突部615bが形成されている。突部615bの内側には、出力軸81の先端部から突出した被支持部810が挿入されている。これにより、被支持部810がドラムハウジング61に軸支され、出力軸81が回転可能に支持されている。
ドラム40の中心孔42の内周面におけるドラムハウジング61の底部615側の端部には、内方に突出する内鍔部43が形成されている。内鍔部43の先端面は、突部615bの外周面に僅かな隙間を介して対向している。これにより、ドラム40が収容空間61a内に回転可能に支持されている。ドラム40の外周面は、底部615と共に収容空間61aを形成する周壁部616に対向している。
次に、図8を参照してガイドレール20の下端部における第2ワイヤ支持部材22の構成について説明する。
第2ワイヤ支持部材22には、ガイドレール20をドア9に対して固定するための固定具としてのボルト26を挿通させる挿通孔221と、ガイドレール20の下端部が嵌合する嵌合凹部222と、バネ24を収容する収容孔223と、収容孔223に沿って延在するスリット224と、ゴム等の弾性部材からなるストッパ体25を固定するためのストッパ体固定部225とが形成されている。
この第2ワイヤ支持部材22は、嵌合凹部222がガイドレール20の下端部が嵌合することでガイドレール20に対して固定され、バネ24によるワイヤ3の張力によって抜け止めされている。本実施の形態では、バネ24がばね鋼等の弾性に優れた線状の金属を円筒状に螺旋巻きしたコイルバネからなる。なお、ワイヤ3に張力を付与するための弾性体としては、コイルバネに限らず、板バネ等の種々のバネやゴム等を用いてもよい。
バネ24を収容する収容孔223は、車両の下方に向かって開口している。バネ24は、この開口223aから収容孔223内に収容される。また、収容孔223内には、バネ24と共にピストン部材28が収容される。ピストン部材28は、図8(g)に示すように、バネ24の内側に配置される円筒状の軸部281と、軸部281から外方に張り出した張出部282とを有し、軸部の中心部には貫通孔280が形成されている。貫通孔280は、張出部282側に形成された大径部280aと、大径部280aよりも小径の小径部280bとからなる。
ワイヤ3の端部には、ワイヤエンド31が固定されている。ワイヤエンド31は、例えば金属からなり、ワイヤ3の端部に加締めにより圧着されている。このワイヤエンド31は、ピストン部材28の貫通孔280における大径部280aに収容され、大径部280aと小径部280bとの間の段差面280cに当接する。ワイヤ3は、小径部280bを挿通している。
ピストン部材28の張出部282の外径はバネ24の外径よりも大きく、張出部282はバネ24の一端部に当接する。バネ24の他端部は、収容孔223の底面223bに当接する。つまり、バネ24は、ピストン部材28の張出部282と収容孔223の底面223bとの間に挟まれ、軸方向に圧縮された状態で配置されている。これにより、ピストン部材28は、バネ24から収容孔223の開口223a側に向かって押し付けられている。
ワイヤ3は、ピストン部材28がバネ24によって押し付けられることにより、張力を付与されている。これにより、下部ワイヤ3b(図4に示す)の弛みが抑制されている。
ストッパ体25は、第2ワイヤ支持部材22のストッパ体固定部225に固定されている。ストッパ体25は、第2ワイヤ支持部材22の上端面22aから上方に向かって突出している。本実施の形態では、ストッパ体固定部225が、第2ワイヤ支持部材22の上端面22aから下方に向かって形成された凹部からなる。ストッパ体25は、移動体4が第2ワイヤ支持部材22に向かって下方に移動した際に、ハウジング6のドラムハウジング61に接触することで、移動体4の下方へのさらなる移動を規制する。
第2ワイヤ支持部材22は、挿通孔221に挿通されたボルト26によってドア9の内壁92(図3に示す)に固定される。より具体的には、ボルト26はドア9の外壁91側から内壁92側に向かって挿通孔221に挿通され、多角形状のボルト頭部261が挿通孔221内に収容される。挿通孔221は、その一部がボルト頭部261の形状に適合した断面多角形状の凹部として形成され(図8(c)参照)、ボルト26は、ボルト頭部261が挿通孔221内に収容されることで回り止めされている。ボルト26の軸部262は、内壁92を貫通し、第2ワイヤ支持部材22の内側端面22bとの間に取付部材922の内壁92を挟むナット93に螺合する。
第1ワイヤ支持部材21は、ストッパ体25が設けられていない他は、第2ワイヤ支持部材22と同様に構成されている。第1ワイヤ支持部材21には、図9に示すように、ガイドレール20をドア9に対して固定するための固定具としてのボルト26を挿通させる挿通孔211と、ガイドレール20の上端部が嵌合する嵌合凹部212と、バネ23を収容する収容孔213と、収容孔213に沿って延在するスリット214とが形成されている。
収容孔213内には、コイルバネからなるバネ23(図4に示す)が収容される。また、収容孔213内には、図7を参照して説明したものと同様のピストン部材28が収容される。またさらに、収容孔213内に収容されるワイヤの端部には、図7を参照して説明したものと同様のワイヤエンド31が固定される。これらの構成により、バネ23が軸方向に圧縮された状態で第1ワイヤ支持部材21の収容孔213内に配置され、ワイヤ3に張力が付与される。これにより、上部ワイヤ3a(図4に示す)の弛みが抑制される。
なお、移動体4がストロークエンドまで上方に移動した際には、窓ガラス90がドア9の窓枠に設けられた図略のガラスランに当接して移動が規制されるので、第1ワイヤ支持部材21にはストッパ体25が不要である。
第1ワイヤ支持部材21の挿通孔211、及び第2ワイヤ支持部材22の挿通孔221は、ガイドレール20をドア9に固定するために形成された固定部の一例である。この固定部としての挿通孔211,221は、図4に示すように、ガイドレール20の長手方向に沿う対称軸(中心線C)に対して対称形状に形成されている。本実施の形態では、ウインドレギュレータ1を図4に示す方向(車幅方向)から見た場合に、挿通孔211,221の中心が対称軸上に存在する。この構成により、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rに適用した場合にも左後席のドア9Lに適用した場合にも、ドラムハウジング61の貫通孔613,614とガイドレール20との相対的な位置関係が一定に保たれる。これにより、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用することが可能となっている。
以上のように構成されたウインドレギュレータ1は、モータ5が回転することにより、モータ5の回転力がウォームギヤ機構80により減速されてドラム40に伝達される。このドラム40の回転により、ドラム40が正方向に回転した場合には、上部ワイヤ3a側のワイヤ3がドラム40に巻き取られると共に収容空間61aから下部ワイヤ3b側に送り出され、ハウジング6がガイドレール20に案内されて窓ガラス90と共に上方に移動する。また、ドラム40が逆方向に回転した場合には、下部ワイヤ3b側のワイヤ3がドラム40に巻き取られると共に収容空間61aから上部ワイヤ3a側に送り出され、ハウジング6がガイドレール20に案内されて窓ガラス90と共に下方に移動する。これにより、窓ガラス90が昇降する。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用することが可能となる。また、ウインドレギュレータ1は、ボルト26を挿通させる貫通孔613,614の形状がガイドレール20の長手方向に沿う対称軸に対して対称形状であるので、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rの内壁92に固定する際の固定構造と、ウインドレギュレータ1を左後席のドア9Lの内壁92に固定する際の固定構造とが共通となる。これにより、ウインドレギュレータ1を左右のドア9に組み付ける際の組み付け作業を共通化でき、組み付け性の向上を図ることができる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用することが可能となる。また、ウインドレギュレータ1は、ボルト26を挿通させる貫通孔613,614の形状がガイドレール20の長手方向に沿う対称軸に対して対称形状であるので、ウインドレギュレータ1を右後席のドア9Rの内壁92に固定する際の固定構造と、ウインドレギュレータ1を左後席のドア9Lの内壁92に固定する際の固定構造とが共通となる。これにより、ウインドレギュレータ1を左右のドア9に組み付ける際の組み付け作業を共通化でき、組み付け性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、2つのボルト26のみでウインドレギュレータ1を左右のドア9に組み付けることができる。これにより、組み付け性がより一層向上する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図10から図14を参照して説明する。図10から図14において、第1の実施の形態について説明したものと機能及び構成が共通する部材等については、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号又は対応する符号を付して、その重複した説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図10から図14を参照して説明する。図10から図14において、第1の実施の形態について説明したものと機能及び構成が共通する部材等については、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号又は対応する符号を付して、その重複した説明を省略する。
図10は、車両の右後席のドア9Rに適用された本実施の形態に係るウインドレギュレータ1Aを示す概略図である。図11は、左後席のドア9Lに適用された本実施の形態に係るウインドレギュレータ1Aを示す概略図である。図12は、ウインドレギュレータ1Aの全体を示す全体図である。図13は、ウインドレギュレータ1Aの分解斜視図である。図14は、ドラムハウジング61Aを示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は下面図である。
第1の実施の形態では、ウインドレギュレータ1が右後席のドア9Rに適用された場合と左後席のドア9Lに適用された場合とで、ウインドレギュレータ1の上下方向の配置は不変であったが、本実施の形態では、ウインドレギュレータ1Aが右後席のドア9Rに適用された場合と左後席のドア9Lに適用された場合とで、ウインドレギュレータ1Aの上下方向の配置が反転する。つまり、ウインドレギュレータ1Aが右後席のドア9Rに適用された場合には、第1ワイヤ支持部材21がガイドレール20の上端部に位置し、第2ワイヤ支持部材22がガイドレール20の下端部に位置するが、ウインドレギュレータ1Aが左後席のドア9Lに適用された場合には、第1ワイヤ支持部材21がガイドレール20の下端部に位置し、第2ワイヤ支持部材22がガイドレール20の上端部に位置する。
第1の実施の形態に係るウインドレギュレータ1と第2の実施の形態に係るウインドレギュレータ1Aとは、ドラムハウジング61,61Aの形状が異なる他は、同様に構成されている。より詳細には、第1の実施の形態に係るドラムハウジング61は、結合部材71,72を固定するための結合部材固定部(貫通孔613,614)が2箇所に形成されていたが、第2の実施の形態に係るウインドレギュレータ1Aのドラムハウジング61Aは、結合部材71,72を固定するための結合部材固定部(貫通孔613a,613b,614a,614b)が4箇所に形成されている。このドラムハウジング61Aは、ギヤハウジング62と共にハウジング6Aを構成する。
ウインドレギュレータ1Aが右後席のドア9Rに適用された場合には、ドラムハウジング61Aの貫通孔613a及び貫通孔614aに結合部材71,72を固定するためのボルト711,721が挿通される。また、ウインドレギュレータ1Aが左後席のドア9Lに適用された場合には、ドラムハウジング61Aの貫通孔613b及び貫通孔614bに結合部材71,72を固定するためのボルト711,721が挿通される。
図12に示すように、貫通孔613aと貫通孔613bは、上記対称軸(中心線C)に直交する直交対称軸Rに対して対称な位置に設けられている。またさらに、貫通孔614aと貫通孔614bは、直交対称軸Rに対して対称な位置に設けられている。
この構成により、ウインドレギュレータ1Aを右後席のドア9Rに適用した場合にも左後席のドア9Lに適用した場合にも、ドラムハウジング61Aの貫通孔613a,614aとガイドレール20との相対的な位置関係、及びドラムハウジング61Aの貫通孔613b,614bとガイドレール20との相対的な位置関係が一定に保たれる。これにより、ウインドレギュレータ1Aを右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用することが可能となっている。
また、本実施の形態では、貫通孔613a,614aがガイドレール20の中心線Cに対して対称な位置に設けられている。同様に、貫通孔613b,614bは、ガイドレール20の中心線Cに対して対称な位置に設けられている。つまり、貫通孔613b,614b、及び貫通孔613a,614aは、中心線Cを対称軸として対称な位置に設けられている。このため、第1の実施の形態に係るウインドレギュレータ1と同様に、ウインドレギュレータ1Aの上下方向の配置を変えることなく、ウインドレギュレータ1Aを右後席のドア9Rにも左後席のドア9Lにも適用することも可能である。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することが可能となる。
以上、本発明を第1及び第2の実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、第1及び第2の実施の形態では、ウインドレギュレータ1,1Aを車両(乗用車)の右後席のドア9R及び左後席のドア9Lに適用した場合について説明したが、右前席のドアや左前席のドアに適用してもよい。また、乗用車以外の車両、例えばトラック等のドアにウインドレギュレータ1,1Aを適用してもよい。
1,1A…ウインドレギュレータ、3…ワイヤ、3a…上部ワイヤ、3b…下部ワイヤ、4…移動体、5…モータ、6,6A…ハウジング、9…ドア、9L…左後席のドア、9R…右後席のドア、20…ガイドレール、21…第1ワイヤ支持部材、22…第2ワイヤ支持部材、22a…上端面、22b…内側端面、23,24…バネ、25…ストッパ体、26…ボルト、28…ピストン部材、31…ワイヤエンド、40…ドラム、41…溝、42…中心孔、42a…内周スプライン、43…内鍔部、50…ウォーム、61,61A…ドラムハウジング、61a…収容空間、62…ギヤハウジング、63…ボルト、64…ナット、71,72…結合部材、80…ウォームギヤ機構、81…出力軸、81a,81b…外周スプライン、82…ウォームホイール、83…ダンパ、84…ハブ、85…スナップリング、90…窓ガラス、91…外壁、92…内壁、93…ナット、211,221…挿通孔、212…嵌合凹部、213…収容孔、214…スリット、222…嵌合凹部、223…収容孔、223a…開口、223b…底面、224…スリット、225…ストッパ体固定部、261…ボルト頭部、262…軸部、280…貫通孔、280a…大径部、280b…小径部、280c…段差面、281…軸部、282…張出部、610…レール溝、611…第1ガイド溝、612…第2ガイド溝、613,614…貫通孔、613a,613b,614a,614b…貫通孔、613c,614c…中心点、615…底部、615a…貫通孔、615b…突部、616…周壁部、711,721…ボルト、810…被支持部、811…大径部、812…小径部、821…底部、821a…挿通孔、822…外周壁部、822a…ウォーム歯、823…内壁部、841…本体部、841a…挿通孔、841b…内周スプライン、842…突起、922…取付部材、C…中心線、R…直交対称軸、S…線分
Claims (5)
- 車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記移動体は、前記ワイヤの一部が巻き回されたドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生するモータと、前記ドラム及び前記モータを保持するハウジングとを有し、
前記ガイドレールを前記ドアに固定するための固定部が前記ガイドレールの長手方向に沿う対称軸に対して対称形状に形成されている、
ウインドレギュレータ。 - 前記固定部は、前記ガイドレールの長手方向の端部に配置されて前記ワイヤの端部を支持するワイヤ支持部材に形成された、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。 - 前記固定部は、前記ワイヤ支持部材に形成された挿通孔であり、
前記ガイドレールは、前記挿通孔に挿通される固定具によって前記ドアに固定される、
請求項2に記載のウインドレギュレータ。 - 前記ハウジングには、前記ハウジングと前記窓ガラスとを結合するための結合部材が固定される一対の結合部材固定部が、前記対称軸に対して対称な位置に設けられた、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のウインドレギュレータ。 - 前記ハウジングには、前記ハウジングと前記窓ガラスとを結合するための結合部材が固定される複数の結合部材固定部が、前記対称軸に直交する直交対称軸に対して対称な位置に設けられた、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のウインドレギュレータ。
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