JP5962159B2 - 感温素子の固定構造 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る感温素子の固定構造として、空気調和装置の熱交換器の温度を検知するための感温素子の固定構造について説明する。図1は、空気調和装置の概要を示す回路図である。空気調和装置1は、利用側ユニットとして例えば室内に設置される室内ユニット3と、熱源側ユニットとして例えば室外に設置される室外ユニット2とを備えている。この空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって建物内の各室の冷暖房に使用される装置である。
(2−1)室内ユニット
室内ユニット3は、室内の壁面に壁掛け等により、又は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により設置される。室内ユニット3は、室内熱交換器4と、室内ファン5とを有している。室内熱交換器4は、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されており、冷媒連絡管6,7を介して室内に設置される室内ユニット3に接続される。室外ユニット2は、図2及び図3に示されているように、略直方体状のユニットケーシング20を備えている。図3に示されているように、室外ユニット2は、ユニットケーシング20の内部空間を鉛直方向に延びる仕切板28で二つに分割することによって送風機室S1と機械室S2とを形成した構造を有するものである。送風機室S1には、図3に示されているように、室外熱交換器13及び室外ファン16などが配置される。また、機械室S2には、図3に示されている圧縮機11やアキュムレータ15や電装品箱19及び、図3では図示を省略されている四路切換弁12や膨張弁14や液冷媒側閉鎖弁17やガス冷媒側閉鎖弁18などが配置される。
次に、図4、図5及び図6を用いて室外熱交換器13の構成について詳細に説明する。アルミニウム製の熱交換器は、アルミニウム製の伝熱フィン32とアルミニウム製の扁平多穴管33とアルミニウム製のヘッダ集合管34,35により構成されている。室外熱交換器13は、室外空気と冷媒との熱交換を行わせる熱交換部31を備えており、この熱交換部31がアルミニウム製の多数の伝熱フィン32とアルミニウム製の多数の扁平多穴管33とで構成されている。熱交換部31は、凝縮器として機能するときに、多数の扁平多穴管33のうちガス冷媒あるいは気液二層状態の冷媒を流すためのガス冷媒用扁平多穴管33aが配置されている上部熱交換部31aと、多数の扁平多穴管33のうち気液二層状態の冷媒あるいは液冷媒を流すための液冷媒用扁平多穴管33bが接続される下部熱交換部31bとを有している。
図7には温度センサ50が示されており、図7(a)は温度センサの外観を示す斜視図であり、図7(b)は温度センサの構成の概要を示す模式的な断面図である。温度センサ50は、主に、サーミスタなどの感温素子51と、リード線52と、ハーネスなどの電線53と、アルミニウム製のハウジング54と、モールド樹脂55とで構成されている。感温素子51にはリード線52が接続されており、温度によって変換する信号がリード線52に伝達される。リード線52が電線53に接続されており、電線53を通じて温度に応じた信号が室外ユニット2の制御部90に伝送される。感温素子51やリード線52や電線53は、エポキシなどのモールド樹脂55によって円筒状のアルミニウム製のハウジング54に封入されている。
図8は、温度センサの固定構造を示す断面図である。図9は固定部材の構造を示す断面図であり、図10は図9のI−I線断面図である。固定部材60は、アルミニウム製の室外熱交換器13のヘッダ集合管35に温度センサ50を固定する。固定部材60による温度センサ50の固定は即ち固定部材60による感温素子51の固定であるから、以下においては固定部材60による温度センサ50の固定について説明する。
(3−1)変形例A
上記実施形態では、ヘッダ集合管35や温度センサ50のハウジング54がアルミニウムである場合について説明したが、ヘッダ集合管35や温度センサ50のハウジング54はアルミニウム合金製であってもよく、アルミニウム製のヘッダ集合管35や温度センサ50のハウジング54に代えてアルミニウム合金製のヘッダ集合管やハウジングを用いても同様の効果を奏する。
上記実施形態では、固定部材60を構成するための弾性を有する高分子材料にゴムを用いる場合について説明した。しかし、ゴムよりも弾性変形し難くなるが、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂を用いることもできる。また、ゴムと樹脂とを接合して固定部材60を構成することもできる。あるいはゴムや樹脂と他の材料とを組み合わせても構わない。その場合に他の材料は、例えばアルミニウムなど、アルミニウム製のヘッダ集合管35やハウジング54に接触しても構わない材料の中から選択され、挟持部62a,62bや収納部63以外の部分に用いられる。ただし、上記実施形態のように高分子材料のみで固定部材60が形成される場合、金型などを用いてモールド成形により固定部材60を成形できるので、安価に固定部材60を製造することができる。なお、ゴムや樹脂には、例えばその耐久性を向上させるためにカーボンなどの添加剤を入れてもよい。なお、添加剤を用いる場合に重要な点は、アルミニウム製のヘッダ集合管35やアルミニウム製の温度センサ50のハウジング54又はアルミニウム合金製のそれらを侵食しない化学組成を持つ添加剤を選択することである。
上記実施形態では、感温素子51を固定するアルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器が室外熱交換器13である場合について説明したが、例えば室内熱交換器4がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器であれば本発明の感温素子の固定構造を適用することができる。このように、本発明の感温素子の固定構造を適用で切る熱交換器は、室外熱交換器13に限られるものではない。
上記実施形態では、ヘッダ集合管35に固定部材60の弾性変形のみで固定する場合について説明したが、図11及び図12に示されているタイラップ(登録商標)やインシュロック(登録商標)などの結束バンド70により固定部材60の外周面60aに取り付けられる。結束バンド70は、固定部材60が弾性変形する程度に締め付ける。それにより、固定部材60がヘッダ集合管35を締め付ける力が強くなるとともに、固定部材60が温度センサ50をヘッダ集合管35に押し付ける力が強くなる。
(4−1)
上述の感温素子51を収納するハウジング54がアルミニウム製である。そのため、ハウジング54をヘッダ集合管35に熱的に接触させた状態で固定部材60により固定しても、ヘッダ集合管35とハウジング54との間では、アルミニウムと異種金属との間で発生するような腐蝕が防止される。また、高分子材料からなる収納部と挟持部とがヘッダ集合管35及びハウジング54に接触しても異種金属との間で発生する腐蝕が防止される。従って、固定部材60による固定でヘッダ集合管35やハウジング54に腐蝕が発生することが抑制される。さらには、固定部材のうちのハウジングやヘッダ集合管と接触する部分を撥水性のある高分子材料とすることで固定部材に起因してヘッダ集合管やハウジングが腐蝕するのを抑制することができる。上記実施形態のように、固定部材60のうちハウジング54やヘッダ集合管35と接触する部分を撥水性のあるゴム製とすることで固定部材60に結露水などが溜まってヘッダ集合管35やハウジング54が腐蝕するのを抑制することができる。
固定部材60の挟持部62a,62bがヘッダ集合管35の側面から嵌め込み可能な断面C字形の形状に成形されているので、固定部材60の固定時に、扁平多穴管33が邪魔にならない。そのため、固定部材60をヘッダ集合管35に確実に固定でき、感温素子51の取り付け作業の効率が向上する。そして、開口部64の幅がヘッダ集合管35の直径よりも小さいため、ヘッダ集合管35の側面から嵌め込んだときに、挟持部62a,62bをヘッダ集合管35から引き抜く方向の力が掛かっても外れ難くなる。
固定部材60即ち挟持部62a,62bの内周面60bには、内面がゴムで覆われた凹部60cが形成されている。固定部材60の収納部63は、内周面60bの凹部60cに設けられており、固定部材60がヘッダ集合管35に固定された状態で、収納部63がハウジング54に押されて弾性変形する状態を保つ構造を持つ。ここでは、ハウジング54の直径よりも収納部62(凹部60c)の深さが小さくなるように設定されているので、ハウジング54をしっかりとヘッダ集合管35に押し付けることができる。また、ハウジング54やヘッダ集合管35を包む挟持部62a,62bの内周面60bの保温効果によって、室外熱交換器13を通過する空気などによってハウジング54から熱が奪われ難くなり、感温素子51による温度検知の精度を向上させることができる。
ハウジング54は、ヘッダ集合管35の長手方向に沿って延びるように配置され、固定部材60の収納部63は、ハウジング54を支持するために長手方向のハウジングの上面側(一端)と下面側(他端)に当接する凸部60c1の下面(第1弾性壁)及び凸部60c2の上面(第2弾性壁)を持っている。そのため、ハウジング54を収納部63に取り付けたときに、凸部60c1の下面(第1弾性壁)及び凸部60c2の上面(第2弾性壁)がハウジング54の上面側と下面側に当接して弾性変形し、しっかりと保持することになる。このように、固定部材60にハウジング54を保持した状態で固定部材60をハンドリングでき、固定部材60をヘッダ集合管35に取り付け易くなる。
結束バンド70(締結部材)で固定部材60の周囲を締め付けることにより、固定部材60のゴムからなる挟持部62a,62bや収納部の弾性変形をさらに強くして、固定部材60によってハウジング54をヘッダ集合管35に確実に固定することができ、感温素子51の取り付けにともなうコストの上昇を抑制することができる。
13 室外熱交換器
34,35 ヘッダ集合管
40 ブラケット
50 温度センサ
51 感温素子
53 電線
54 ハウジング
60 固定部材
61 基部
62a,62b 挟持部
63 凹部
64 開口部
70 結束バンド
Claims (5)
- アルミニウム又はアルミニウム合金製の熱交換器(13)のヘッダ集合管(35)に感温素子(51)を固定するための感温素子の固定構造であって、
前記感温素子を収納するアルミニウム又はアルミニウム合金製のハウジング(54)と、
前記ハウジングを収納する弾性を有するゴムからなる収納部(63)と前記ヘッダ集合管を挟持する弾性を有するゴムからなる挟持部(62a,62b)とを有し、前記ハウジングを前記ヘッダ集合管に熱的に接触させた状態で固定する固定部材(60)と
を備え、
前記ハウジングは、前記ヘッダ集合管の長手方向に沿って延びるように配置され、
前記固定部材の前記収納部は、前記ハウジングを支持するために前記長手方向の前記ハウジングの一端と他端に当接する第1弾性壁及び第2弾性壁を持つ、感温素子の固定構造。 - 前記固定部材の前記挟持部は、前記ヘッダ集合管の側面から嵌め込み可能な断面C字形の形状に成形されている、
請求項1に記載の感温素子の固定構造。 - 前記固定部材の前記挟持部は、凹部(60c)が形成されている内周面(60b)を持ち、
前記固定部材の前記収納部は、前記内周面の前記凹部に設けられており、前記固定部材が前記ヘッダ集合管に固定された状態で前記ハウジングに押されて弾性変形する状態を保つ構造を有する、
請求項1又は請求項2に記載の感温素子の固定構造。 - 前記ヘッダ集合管に取り付けられている前記固定部材の周囲を締め付ける締結部材(70)をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の感温素子の固定構造。 - 前記固定部材は、前記熱交換器が取り得る温度範囲よりも広い範囲で使用可能な耐熱性及び耐寒性を有するゴムからなる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の感温素子の固定構造。
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