JP5960991B2 - 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕式(I)で表される塩。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
sは、0〜3の整数を表す。
R1は、sが1の場合、炭素数1〜6のアルキル基を表し、sが2又は3の場合、互いに独立して炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは同一の炭素元素に結合する2つのR1が該炭素原子とともにカルボニル基を形成してもよく、該アルキル基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。]
〔2〕前記L1が、*−CO−O−(CH2)u−(uは0〜6の整数を表す。*は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す。)である前記〔1〕記載の塩。
〔3〕前記Z+が、アリールスルホニウムカチオンである前記〔1〕又は前記〔2〕記載の塩。
〔4〕前記〔1〕〜前記〔3〕のいずれか一項記載の塩を有効成分として含有する酸発生剤。
〔5〕前記〔4〕記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
〔6〕さらに塩基性化合物を含有する前記〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕(1)前記〔5〕又は前記〔6〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものをも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち1価のものとしては、典型的にはアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基(C1)、エチル基(C2)、プロピル基(C3)、ブチル基(C4)、ペンチル基(C5)、ヘキシル基(C6)、ヘプチル基(C7)、オクチル基(C8)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
なお、上述した単環式及び多環式の脂肪族炭化水素基のうち、特に飽和の基を、場合により「飽和環状炭化水素基」という。また、上述した脂肪族炭化水素基のうち、特に飽和の基を、場合により「飽和炭化水素基」という。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、アルコキシ基の酸素原子が硫黄原子に置き換わったものが挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基及びドデシルチオ基などが挙げられる。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキサノイル基(C6)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの並びにベンゾイル基(C7)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C6)、ナフチルオキシ基(C10)、アントリルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C6)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。
芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。このような置換基は、特に限定されない限り、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。
本発明の塩は、式(I)で表される(以下、場合により「塩(I)」という)。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
sは、0〜3の整数を表す。
R1は、sが1の場合、炭素数1〜6のアルキル基を表し、sが2又は3の場合、互いに独立して炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは同一の炭素元素に結合する2つのR1が該炭素原子とともにカルボニル基を形成してもよく、該アルキル基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。]
以下の説明において、塩(I)のうち、正電荷を有するZ+で示される有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb7は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb9は、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb10は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
Lb11は、単結合又は炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb12は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb11及びLb12の合計炭素数の上限は14である。
特に、R1が2つ存在する場合(つまり、sが2の場合)には、互いに独立にアルキル基であってもよいし、その2つのR1が同一の炭素原子に結合する場合、2つのR1がその炭素原子とともにカルボニル基を形成してもよい。R1が3つ存在する場合(つまり、sが3の場合)には、互いに独立にアルキル基であってもよいし、そのうちの2つのR1が同一の炭素原子に結合するのであれば、その2つのR1がその炭素原子とともにカルボニル基を形成してもよく、残りの1つのR1がアルキル基であってもよい。なお、同一の炭素原子にR1が2つ以上結合して、互いに独立にアルキル基であってもよい。
Rb4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。Rb4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になって、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上である場合、複数のRb7は互いに同一であっても異なってもよく、n2が2以上である場合、複数のRb8は互いに同一であっても異なってもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9〜Rb11は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。該アルキル基の炭素数は1〜12が好ましい。該脂環式炭化水素基の炭素数は4〜12が好ましい。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb9とRb10及び/又はRb11とRb12は、それぞれ独立に、互いに結合して、それらが結合している原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は互いに同一であっても異なってもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は互いに同一であっても異なってもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb15は互いに同一であっても異なってもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は互いに同一であっても異なってもよい。
好ましい脂環式炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基である。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換されたアルキル基としては、例えばベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。
Rb11とRb12とが互いに結合して、それらが結合するメチン基及びカルボニル基それぞれの炭素原子とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
上述の有機対イオンの中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機対イオン〔以下、場合により「カチオン(b2−1−1)」という〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である)がさらに好ましい。
式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Rb19、Rb20及びRb21から選ばれる2つが一緒になって単結合、−O−又は炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基を表し、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。
また、脂環式炭化水素基は、炭素数4〜18が好ましく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
塩(I)としては、例えば、下記表1及び表2に記載の塩が挙げられる。
(式中、Q1、Q2、R1、s及びZ1+は、それぞれ上記と同じ意味を表す。)
式(b1−a)で表される塩は、例えば、特開2008−13551号公報に記載された方法で合成することができる。
ここでの溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。
式(b1−d)で表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられる。
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する。塩(I)は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。また、本発明の酸発生剤は、さらに、塩(I)以外の、酸発生剤として公知の塩(例えば、塩(I)に含まれる有機対イオン及び公知のアニオン(塩(I)に含まれるスルホン酸アニオン以外のアニオン)からなる塩並びに塩(I)に含まれるスルホン酸アニオン及び公知のカチオン(塩(I)に含まれる有機対イオン以外のカチオン)からなる塩等)を含んでいてもよい。以下、本発明の酸発生剤に含まれる塩(I)以外の塩を、場合により「酸発生剤(B)」という。
本発明のレジスト組成物は、本発明の酸発生剤と樹脂(以下、「樹脂(A)」という)とを含む。
樹脂(A)は、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸との作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂である。「酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる」とは、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。
このような樹脂(A)は、分子内にある親水性基の一部又は全部が、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、樹脂(A)が酸と接触すると該保護基が脱離して、親水性基が生成することにより、樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶な樹脂となる。該保護基により保護されている親水性基を、以下、場合により「酸不安定基」という。親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸不安定基を有するモノマー(以下、場合により「モノマー(a1)」という)を重合することによって製造できる。重合の際には、モノマー(a1)を1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
式(1)中、
Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、或いは、Ra1及びRa2は互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Ra1及びRa2が互いに結合して形成される環、該アルキル基又は該脂環式炭化水素基がメチレン基を有する場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Ra1及びRa2が互いに結合して環を形成する場合、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)基としては、下記に示すものが挙げられる。
なかでも、このような環は、好ましくは炭素数3〜12である。
1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3が全てアルキル基である基、このアルキル基のうち、1つはtert−ブトキシカルボニル基であると好ましい。)、
2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともにアダマンチル環を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び
1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
式(2)中、
Rb1及びRb2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rb3は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、或いは、Rb2及びRb3は互いに結合して、それらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Rb2及びRb3は互いに結合して形成される環又は該炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Rb2及びRb3が結合して形成する環は、上述したRa1及びRa2が互いに結合して形成する環の1つの炭素原子が1つの酸素原子と置き換わったものが挙げられる。
式(a1−1)及び式(a1−2)中、
La1及びLa2は、それぞれ独立に、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0又は1の整数を表す。
なお、式(a1−1)においてアダマンタン環にある「−(CH3)m1」の表記は、アダマンタン環に含まれるメチレン基及び/又はメチン基の水素原子が、メチル基に置き換わっており、アダマンタン環に結合しているメチル基の個数がm1個であることを意味する。
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が好ましい。これらのアルキル基は、好ましくは炭素数6以下の基である。Ra6又はRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下であり、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
*は、アダマンタン環又はシクロヘキサン環との結合手を表す。
式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシ基、シアノ基又は−COORa13を表す。
Ra13は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜8のアルキル基と炭素数3〜20の脂環式炭化水素基とからなる基を表し、アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、アルキル基及び脂環式炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Ra10〜Ra12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が互いに結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成しており、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Ra10及びRa11が互いに結合して形成される環として、好ましくは、脂肪族環であり、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環等がより好ましい。
式(a1−4)中、
Ra32は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は互いに同一であっても異なってもよい。
Ra34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基(−SO2−)又は−N(Rc)−で表される基で置き換わっていてもよい。ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ya3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基の各々に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよい。
Ra33としては、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
Ra34及びRa35としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基等が好ましい。
Xa2及びYa3の置換基としては、好ましくはヒドロキシ基である。
このようなその他の酸不安定モノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
本発明のレジスト組成物に用いる樹脂(A)としては、モノマー(a1)に加えて、酸不安定基を有さないモノマー(以下、場合により「酸安定モノマー」という)を用いて得られる共重合体であることが好ましい。また、レジスト組成物に用いる添加物として、酸安定モノマーから得られる樹脂を用いてもよい。
ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a2)」という)及び/又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a3)」という)に由来する構造単位を有する樹脂(A)は、樹脂(A)を含むレジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜又は塗布膜から得られる組成物層と基板との間の密着性に優れる。また、良好なフォーカスマージン(DOF)で、レジストパターンを製造することができる。
酸安定モノマー(a2)を樹脂(A)の製造に用いる場合、樹脂(A)を含むレジスト組成物からレジストパターンを得る際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定モノマー(a2)を1種又は2種以上用いることができる。
例えば、レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ露光(波長:248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合には、酸安定モノマー(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)〔例えば、ヒドロキシスチレン類等〕を樹脂(A)の製造に用いることが好ましい。
一方、短波長のArFエキシマレーザ露光(波長:193nm)を用いる場合は、酸安定モノマー(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定モノマーを樹脂(A)の製造に用いることが好ましい。
式(a2−0)中、
Ra30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一であっても異なってもよい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)は、ラクトン環を含有する酸安定モノマーである。ラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra21は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
p1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21は、互いに同一であっても異なってもよい。
Ra18及びRa21は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基であることが好ましい。
p1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a4)として、式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸及び式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a4−3)」という)などが挙げられる。
式(a4−3)中、
Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27を表すか、或いはRa25及びRa26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成する。
Ra27は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜8のアルキル基と炭素数3〜20の脂環式炭化水素基とからなる基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(例えば、Ra27は、第三級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,500以上であり、より好ましくは3,000以上である。該重量平均分子量の上限は50,000以下が好ましく、30,000以下がさらに好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有すことが好ましい。「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物(以下、場合により「クエンチャー」という)、特に、酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味する。
式(C2)及び式(C2−1)中、
Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
Rc5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。
Rc7は、アルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はニトロ基を表す。
これらアルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基にある水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。
アルキル基及びアルコキシ基は、好ましくは、炭素数1〜6である。
脂環式炭化水素基は、好ましくは、炭素数5〜10であり、さらに好ましくは、炭素数5〜10のシクロアルキル基である。
芳香族炭化水素基は、好ましくは、炭素数6〜10である。
式(C2−1)で表されるアニリン類は、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン及びジフェニルアミン等が挙げられる。
式(C3)〜式(C11)中、
Rc8、Rc20、Rc21、Rc23、Rc24、Rc25、Rc26、Rc27及びRc28は、互いに独立に、Rc7で説明したいずれかの基を表す。
Rc9、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13、Rc14、Rc16、Rc17、Rc18、Rc19及びRc22は、互いに同一でも異なってもよく、前記のRc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上であるとき、複数のRc20は互いに同一でも異なってもよく、p3が2以上であるとき、複数のRc21は互いに同一でも異なってもよく、q3が2以上であるとき、複数のRc24は互いに同一でも異なってもよく、r3が2以上であるとき、複数のRc25は互いに同一でも異なってもよく、s3が2以上であるとき、複数のRc26は互いに同一でも異なってもよく、t3が2以上であるとき、複数のRc27は互いに同一でも異なってもよく、u3が2以上であるとき、複数のRc28は互いに同一でも異なってもよい。
Rc15は、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基である)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基である)又はアルカノイル基(好ましくは、炭素数2〜6のアルカノイル基である)を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
Lc1及びLc2は、それぞれ独立に、アルカンジイル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基である)、カルボニル基、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−(但し、Rc3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、チオキシ基、ジスルフィド結合(−S−S−)又はこれらの組合せを表す。
アルカンジイル基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルカンジイル基である。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリン等が挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール及び4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン及び2,2’−ジピコリルアミン等が挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、溶剤(D)を含むことが好ましい。溶剤(D)は、用いる塩(I)の種類及びその量、樹脂(A)の種類及びその量、酸発生剤(B)の種類及びその量、さらに後述するレジストパターンの製造方法に応じて、基板上にレジスト組成物を塗布する際の塗布性を考慮して、適宜選択することができる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、塩(I)及び樹脂(A)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)、酸発生剤(B)及び塩基性化合物(C)以外のその他の成分(F)を含んでいてもよい。成分(F)としては、本技術分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、通常、溶剤(D)の存在下で、塩(I)及び樹脂(A)を混合することにより調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。塩基性化合物(C)を混合することが好ましい。その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる塩(I)等の種類や塩(I)等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
なお本明細書において「組成物の固形分」とは、後述する溶剤(D)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。例えば、溶剤(D)の含有量が90質量%である本発明のレジスト組成物において、レジスト組成物の固形分は10質量%に相当する。組成物の固形分及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
液体クロマトグラフィー等の公知の分析手段に供して求めることができる。
このように各成分を好ましい含有量で混合した後は、孔径0.01〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することにより、レジスト組成物を調製することができる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
マスクを介して露光することにより、組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では組成物層に含まれる塩(I)及び酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸との作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性を生じるため、露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
樹脂(A)の組成比(樹脂(A)製造に用いた各モノマーに由来する構造単位の、樹脂(A)に対する共重合比)は、重合終了後の反応液における未反応モノマー量を、液体クロマトグラフィーを用いて測定し、得られた結果から重合に用いられたモノマー量を求めることにより算出した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
式(I1−a)で表される塩5.00部及びクロロホルム25部を仕込み、30℃で30分間攪拌し、式(I1−b)で表される化合物1.83部を仕込み、60℃で1時間攪拌することにより、式(I1−c)で表される化合物を含む溶液を得た。
MS(ESI(−)Spectrum):M− 339.0
MS(ESI(−)Spectrum):M− 339.0
MS(ESI(−)Spectrum):M− 339.0
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらのモノマーを「モノマー(A)」〜「モノマー(F)」という。
モノマー(D)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(D):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)〕が、30:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを73℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約8.1×103である共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、モノマー(D)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマーに各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)〕が、30:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%との割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を3回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約7.8×103である共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)及びモノマー(C)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(B):モノマー(C)〕が、50:25:25となるように混合し、さらに、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を3回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約9.2×103である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。
<レジスト組成物の調製>
合成例1で得られた樹脂A1、樹脂A2又は樹脂A3と、以下に示す酸発生剤と、以下に示すクエンチャーとを表3に示す質量部で、以下に示す溶剤と混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
樹脂A1〜A3
<酸発生剤>
酸発生剤I1:式(I1)で表される塩
酸発生剤I13:式(I13)で表される塩
酸発生剤I69:式(I69)で表される塩
酸発生剤B1:特開2007−161707号の実施例に従って合成
クエンチャーC1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
12インチのシリコン製ウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成させた。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表3の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。このようにしてレジスト組成物膜を形成したウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表3の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
<フォーカスマージン評価(DOF)>
実効感度において、フォーカスを振った場合、線幅が50nm±5%の幅にある範囲(47.5〜52.5nm)を線幅指標とした。DOFが、
0.17μmを超えるものを◎◎、
0.14μmを超え、0.17μm以下のものを◎、
0.09μmを超え、0.14μm以下のものを○、
0.09μm以下であるものを×とした。
50nmのラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。図1に示すように、
(a)トップ形状及び裾形状が矩形に近く良好なものを○、
(b)トップ形状が丸い又は(c)T字型に近いものあるいは(d)裾引きが見られるものを×として判断した。
以上のようにして求められたフォーカスマージン評価(DOF)及び形状の結果を、上述の水準評価で表し、表4に示す。
Claims (6)
- 式(I)で表される塩。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
sは、0〜3の整数を表す。
R1は、sが1の場合、炭素数1〜6のアルキル基を表し、sが2又は3の場合、互いに独立して炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは同一の炭素元素に結合する2つのR1が該炭素原子とともにカルボニル基を形成してもよく、該アルキル基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Z+は、式(b2−c−31)〜式(b2−c−35)で表されるカチオンを表す。]
- 前記L1が、*−CO−O−(CH2)u−(uは0〜6の整数を表す。*は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す。)である請求項1記載の塩。
- 請求項1又は2記載の塩を有効成分として含有する酸発生剤。
- 請求項3記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
- さらに塩基性化合物を含有する請求項4記載のレジスト組成物。
- (1)請求項4又は5記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
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