JP5960655B2 - スポット・レーザ複合溶接継手 - Google Patents
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Description
板厚がt1およびt2の2枚の鋼板が重ね合わされて溶接された溶接継手であって、
前記2枚のうち少なくとも1枚の鋼板は、引張強度590MPa以上の高強度鋼板であり、
2つ以上のスポット溶接部を備えるとともに、
隣接する各2つのスポット溶接部の間に、合計で2mm2以上の溶接面積を有するとともに、前記2枚の鋼板の合計板厚(t1+t2)の80%以上の溶込み深さを有する、1つまたは2つ以上のレーザ溶接部を備え、
前記2つ以上のスポット溶接部のナゲット径が、いずれも4√{(t1+t2)/2}以上(ナゲット径、t1およびt2の単位はすべてmm)であり、
前記2つ以上のスポット溶接部のコロナボンド部の外側における、前記2枚の鋼板の間の隙間が、いずれも0.2mm以下である
ことを特徴とする。
本発明に係る溶接継手は、薄鋼板の接合を対象としており、2枚の鋼板1,2の板厚t1,t2は、同じでも、異なっていてもよいが、ともに0.1〜5.0mmの範囲、さらには、ともに0.2〜3.0mmの範囲とするのが推奨される。
本発明の作用効果は、低強度の鋼板(例えば軟鋼)同士のスポット・レーザ溶接継手に対しても発現するが、上述したように本発明の課題は、高強度鋼板のスポット・レーザ複合溶接で顕在化することから、本発明は、2枚の鋼板1,2のうち少なくとも1枚の鋼板が高強度鋼板の場合を対象とする。すなわち、2枚とも高強度鋼板であってもよいし、1枚は高強度鋼板、他の1枚は低強度の鋼板(例えば軟鋼)の組み合わせであってもよい。また、2枚とも高強度鋼板の場合は、同じ種類の鋼板同士であってもよいし、異なる種類の組み合わせであってもよい。高強度鋼板としては、自動車骨格部品の部品強度を維持・向上させつつ、軽量化を図るため、引張強度が590MPa以上、好ましくは780MPa以上、さらに好ましくは980MPa以上のものを用いる。なお、鋼板の種類としては、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、アルミめっき鋼板等、表面処理の有無、相違を問わない。
スポット溶接部3,3の間にレーザ溶接部を設けることで継手特性の向上効果を得るには、2mm2以上、好ましくは4mm2以上、さらに好ましくは4mm2以上の溶接面積で、2枚の鋼板1,2の合計板厚(t1+t2)の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の溶込み深さhMを確保することが必要である。また、レーザ溶接部の平面形状については、上記溶接面積が確保されれば、図1に例示するような円状に限らず、直線状、C字状、楕円状、螺旋状等、その形状は問わない。また、スポット溶接部3,3の間に設けるレーザ溶接部の個数(溶接点数)については、1つに限られず、溶接面積の合計(合計溶接面積)が上記値(2mm2以上、好ましくは4mm2以上、さらに好ましくは4mm2以上)を確保できるのであれば、2つ以上設けてもよい。
各スポット溶接部の強度を確保するには、十分な溶接面積を確保する必要があるため、ナゲット径dNは、4√{(t1+t2)/2}以上、好ましくは4.5√{(t1+t2)/2}以上、さらに好ましくは5√{(t1+t2)/2}以上とする。ここで、スポット溶接では継手強度をナゲット径で管理することが一般的に行われており、板厚t(単位:mm)の薄鋼板同士の重ね合わせスポット溶接では、ナゲット径を4√t以上あるいは5√t以上とすることが要求されている。本発明における上記ナゲット径dNの規定は、これに倣って4√t以上、好ましくは4.5√t以上、さらに好ましくは5√tとし、板厚tとして平均板厚(t1+t2)/2を採用したものである。
重ね合わせ部をレーザ溶接する場合、レーザ出力と送り速度で決まる入熱量が小さすぎると溶け込み不良により接合不足となり、大きすぎると溶け落ちが発生するため健全な溶接部が確保できず、適正範囲の入熱量で健全な接合が可能になる。板隙が大きくなりすぎると、接合不足となる入熱量の範囲が拡大して、適正範囲がなくなってしまうため継手特性が劣化する。また、板隙が中間的な大きさの領域では、入熱量の適正範囲が狭いため、健全な溶接部が得られたり、溶込み不良や溶け落ちが発生したりして継手特性のバラつきが大きくなる。そのため、スポット溶接部のナゲット31の周囲(コロナボンド部32の外側)に形成される板隙5は安定的にレーザ溶接部の継手強度が確保できるように0.2mm以下、好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下にする必要がある。
従来のように、DR型や先端平滑型などの通常の電極チップ(図2(a)参照)を用い、鋼板の重ね合わせ部を一対の電極チップで挟み込んでスポット溶接を行う場合、ナゲット径を大きくするために溶接電流を高めていくと、抵抗発熱により加熱されて溶融した領域が2枚の鋼板の重ね合わせ面に沿って外方向に向かって広がりながらナゲットが形成されるため、中チリが発生しやすくなり、接手強度が劣化してしまう。また、上記溶融領域を鋼板の重ね合わせ面から外方向に広がらせないようにしようとして、電極チップによる加圧力を高めると、電極チップの周りの2枚の鋼板の間が開いてしまい、その開いた隙間(板隙)を通じて溶融物が外方向にはみ出すため、却って中チリの発生につながり、接手強度が劣化してしまう問題がある。したがって、従来の電極チップを用い、溶接電流や加圧力を制御する方法では、本発明で規定するスポット溶接部のナゲット径とナゲット周囲の板隙の要件をともに満足させることは困難である。
3…スポット溶接部
31…ナゲット
32…コロナボンド部
4…レーザ溶接部
5…2枚の鋼板1,2の間の隙間(板隙)
t1、t2…板厚
dN…ナゲット径
hM…溶込み深さ
Claims (1)
- 板厚がt1およびt2の2枚の鋼板が重ね合わされて溶接された溶接継手であって、
前記2枚のうち少なくとも1枚の鋼板は、引張強度590MPa以上の高強度鋼板であり、
2つ以上のスポット溶接部を備えるとともに、
隣接する各2つのスポット溶接部の間に、合計で2mm2以上の溶接面積を有するとともに、前記2枚の鋼板の合計板厚(t1+t2)の80%以上の溶込み深さを有する、1つまたは2つ以上のレーザ溶接部を備え、
前記2つ以上のスポット溶接部のナゲット径が、いずれも4√{(t1+t2)/2}以上(ナゲット径、t1およびt2の単位はすべてmm)であり、
前記2つ以上のスポット溶接部のコロナボンド部の外側における、前記2枚の鋼板の間の隙間が、いずれも0.2mm以下である
ことを特徴とする継手強度に優れるスポット・レーザ複合溶接継手。
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