JP5959402B2 - 固定装置、固定方法、及び流量計測装置 - Google Patents
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Description
としての特性、すなわち計測精度に影響を及ぼすことが懸念される。
表面温度との温度差を一定にすれば、放熱量から流体の流速を算出することが可能となる。そこで、処理部では、例えば伝熱部が加える放熱量から配管を流れる流体の流速を算出し、算出した流速と配管の断面積とを掛け合わせることで、流体の流量の算出が可能となる。
図1は、第一実施形態に係る固定装置の斜視図を示す。図2は、第一実施形態に係る固定装置により、ヒータ2、及び第二温度センサ9を固定する様子を示す。第一実施形態に係る固定装置200は、アングル201、プレート状のベース部材202、テープ203を備え、テープ203の裏面側でヒータ2を押さえて、ヒータ2を配管10に固定する。テープ201の裏面側とは、配管10側の面を意味する。アングル201とプレート状のベース部材202は、本発明の本体部を構成する。アングル201、プレート状のベース部材202、及びテープ203は、本発明の固定治具を構成する。
く、例えばフィルムヒータ或いはラバーヒータによって構成することができる。
次に固定方法について説明する。固定装置200を配管10に固定する際は、アングル201の長手方向と配管10の長手方向が一致するようにする。これにより、テープ203に発生する反力が一定となり、再現性が確保される。ここで、図5は、固定装置の固定状態を説明する図を示す。図5(a)は、正常に固定した状態、すなわち、テープ203が配管10の曲面に沿って変形してヒータ2を配管10表面に密着させた状態を示し、図5(b)は、正常に固定できなかった状態を示す。図5(a)に示すように、アングル201の長手方向と配管10の長手方向が一致するように固定した状態が正常に固定した状態である。一方で、図5(b)に示すように、アングル201の長手方向と配管10の長手方向が一致していない状態が正常に固定できなかった状態である。この場合、固定装置200のアングル201が配管10の表面から浮いてしまい安定しなくなる。換言すると、固定装置200を配管10に固定する際、固定装置200が正常に固定されているかどうかは、固定装置200が安定し、ぐらつきが無いかどうかを確認することで判断することができる。なお、ヒータ2は、予めテープ203の裏面に取り付けておくことが好ましいが、配管10の表面に配置しておいてもよい。固定装置200を配管に固定したら、固定状態を維持できるよう、粘着テープ204等により固定する。以上により、固定装置200を配管に固定することができる。
第一実施形態に係る固定装置200によれば、テープ203の張力を利用してヒータ2を配管10の表面に固定することができる。テープ203の張力を利用してヒータ2を固定することで、テープ203の面で、ヒータ2を押さえることができ、ヒータ2が配管10の表面と密着する。そのため、ヒータ2からの熱が効率よく配管10の表面に伝達され、ヒータ2による加熱後の温度の安定性を確保することができる。また、テープ203は薄く、露出する表面積も多いことから、ヒータ2の停止後における放熱を効率よく行うことができる。また、テープ203の面でヒータ2を押さえることで、ヒータ2から配管10への圧力を一定化することができる。更に、使用者は、アングル201の長手方向と配管10の長手方向とを一致させた状態でテープ203を配管10の表面に押さえつけるだけでよいことから、温度の安定性、放熱性、圧力の一定性を含む特性が使用者の熟練度に
よって変化することもない。換言すると、第一実施形態に係る固定装置200は、再現性にも優れている。
[構成]
第二実施形態では、第一実施形態に係る固定装置200を流量計測装置に用いる場合について説明する。図6は、第二実施形態に係る流量計測装置の概略構成を示す。第二実施形態に係る流量計測装置103は、固定装置200´、第一温度センサ1、ヒータ2、第二温度センサ9、電流計3、出力調整器8、処理装置20を備える。この流量計測装置103は、固定装置200´が鋼鉄製の配管10に設置され、配管10を流れる流体(冷水、温水)の流量を計測する。配管10の断面形状は、円形に限定されず、例えば矩形であってもよい。また、流体は、水以外の液体、又は気体でもよい。
少するのを抑制する。保温材205を貼り付ける場合、アングル201の高さは、保温材205がプレート状のベース部材202に干渉しない高さとすることが好ましい。これにより、十分な中空部を確保することができ、保温材が自由に変形でき、ヒータ2と配管10の表面を十分に密着させることができる。保温材205には、固定装置200´を配管10に設置した際のテープ203の変形に伴って変形可能なように柔軟性を有し、熱伝導率の低い材質であることが好ましく、ペフ(登録商標)、エアロフレックス(登録商標)が例示される。厚さについては、結露を防止できる程度に設定すればよいが、厚くしすぎるとヒータ2の停止後における放熱の効率が低下するのでなるべく薄くすることが好ましく、1〜5mm程度、本実施の形態では3mmとした。また、保温材205は少なくともヒータ2の上面を覆って貼り付けてあればよい。保温材205を貼り付けることで、テープ203の表面の結露の発生を抑制することができる。その結果、結露の発生により配管10側に伝わる熱量が減少するのを抑制することができ、計測精度をより向上することができる。また、加熱時におけるヒータ2によって付与される熱のテープ203表面側からの放熱を抑制することができる。その結果、より効率よく配管へ熱を伝達することができる。
成することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラム、すなわち流量算出プログラムに基づいて、配管10を流れる流体の流量を算出する。算出結果は、表示部に表示することができる。表示部には、ヒータ2により加算する温度や、第一温度センサ1及び第二温度センサ9による計測結果を表示することもできる。ヒータ2により加算する温度は、例えば操作部(テンキー、キーボード、スイッチなど)を介して設定することができる。流体の流量の算出処理の詳細については、後述する。
次に計測処理について説明する。図7は、第二実施形態に係る流量計測装置100における計測処理の概要を示す。図8は、第二実施形態に係る流量計測装置100で実行される計測処理フローを示す。なお、図7では、説明の便宜上、第二温度センサ9が強調して記載されている。実際には、第二温度センサ9の厚みは、ヒータ2よりも大幅に薄くすることができる。
タ2の電流値が取得され、処理装置20のメモリに格納されたプログラムにより配管10を流れる流体の流量が算出される。
加算温度を取得すると、ステップ03へ進む。加算温度は、配管内を流れる流体によって熱が奪われた上で配管温度を所定温度上昇させられるだけの熱量を、ヒータ2の能力で賄うことが可能な温度であればよい。
度(A)を用いている。
Q=(Th−Tw)/R
Th:ヒータの温度(℃)
Tw:流体の温度(℃)
R:熱抵抗(K/W)
R=1/πrih+1/πλs×ln(ro/ri)
熱伝達 熱伝導
ri:配管内径(m)
h:熱伝達率(W/m2・K)
λs:配管の熱伝導率(W/m・K)
ro:配管外径(m)
h=Nu×λw/ri
Nu:ヌセルト数
λw:流体の熱伝導率(W/m・K)
ri:配管内径(m)
Nu=f(Re,Pr)=0.023×Re0.8×Pr0.4
Re=V×ri/ν
V:流速(m/s)
ri:配管内径(m)
ν:動粘性係数(m2/s)
次に計測方法について説明する。まず、固定装置200´が配管10に取り付けられる。固定装置200´が配管10に取り付けられたら、上述した計測処理を実行する。すなわち、流量計測装置100をONにし、流量計測装置100に上述したステップ01から08の処理を実行させる。計測が終了したら、流量計測装置100をOFFにし、固定装置200´を配管10から取り外す。以上により、流量計測装置100による計測が完了する。
第二実施形態に係る流量計測装置103によれば、配管10の外部から配管10を流れる流体の流量を計測することができる。そのため、測定用の配管や、測定用のバイパス管を別途設ける必要はなく、また測定のために配管10に孔をあける必要もない。したがって、流量計測装置103では、配管自体を加工することなく、配管10を流れる流体の流量を計測することができる。また、テープ203に、第一温度センサ1、第二温度センサ9、ヒータ2が設けられ、これらは配管10の形状に応じて変形自在であるため、配管1
0の表面に密着させて取り付けることができる。
次に、第一実施形態に係る固定装置200の温度特性について、実験結果に基づいて説明する。本実験では、配管の表面に実際にヒータを設置し、ヒータ加熱後の温度の安定性、電源切断後の配管側への放熱性の検証を行った。検証は、第一実施形態に係る固定装置200、独立気泡構造を有し弾力性を有する断熱材(厚さ:25mm)でヒータを固定する比較例1、及び一方の面に粘着面を有するアルミテープでヒータを固定する比較例2について行った。比較例1、2共に、第二温度センサ9は、予めヒータ2の下部にアルミテープで固定した。
上述した実施形態におけるヒータ2(加熱器)に代えて、ペルチェ素子などの冷却器を用いてもよい。
2・・・ヒータ
3・・・電流計
6・・・磁石
8・・・出力調整器
9・・・第二温度センサ
10・・・配管
20・・・処理装置
103・・・流量計測装置
200、200´・・・固定装置
201・・・アングル
202・・・プレート状の筐体
203・・・テープ
205・・・保温材
Claims (5)
- 配管の長手方向に沿って設置され、当該長手方向と直交する方向において所定の間隔を空けて対向する対向部と、当該対向部を支持する支持部を含む本体部と、
前記対向部の配管側の端部に、当該対向部を跨ぐように張られた、伸縮性のあるテープ状の伸縮部であって、前記配管の表面に熱を付与することで配管内を流れる流体に熱を伝達する伝熱部を前記配管の表面に固定する伸縮部と、を含む固定治具と、
前記固定治具が前記配管の表面に取り付けられた状態で、当該固定治具を前記配管に対して取り外し自在に保持する保持具と、を備える固定装置。 - 前記伸縮部の表面を覆う保温部を更に備える、請求項1に記載の固定装置。
- 前記本体部は、その内部に中空部を有する、請求項1又は2に記載の固定装置。
- 配管の表面に熱を付与することで配管内を流れる流体に熱を伝達する伝熱部を固定する固定方法であって、
前記配管の長手方向に沿って設置され、当該長手方向と直交する方向において所定の間隔を空けて対向する対向部の配管側の端部に、当該対向部を跨ぐように伸縮性のあるテープ状の伸縮部を張り、当該伸縮部で前記伝熱部を押さえて当該伝熱部を固定し、前記伝熱部が前記配管の表面に固定された状態で、前記対向部と前記伸縮部を含む固定治具を前記配管に対して取り外し自在に保持する、固定方法。 - 配管を流れる流体の流量を計測する流量計測装置であって、
前記配管を流れる流体の温度を計測する第一温度センサと、
前記第一温度センサよりも流体の流れの下流側、かつ該第一温度センサと所定の間隔を空けて設けられ、前記配管の表面に熱を付与することで配管内を流れる流体に熱を伝達する伝熱部と、
前記配管の表面の前記伝熱部設置位置における温度を計測する第二温度センサと、
前記伝熱部が前記配管の表面に付与した熱量と、前記第一温度センサにより計測された温度と前記第二温度センサにより計測された温度との温度差と、に基づいて前記配管を流れる流体の流量を算出する処理部と、
前記配管の長手方向に沿って設置され、当該長手方向と直交する方向において所定の間隔を空けて対向する対向部と、当該対向部を支持する支持部を含む本体部と、
前記対向部の配管側の端部に、当該対向部を跨ぐように張られた、伸縮性のあるテープ状の伸縮部であって、少なくとも前記伝熱部を前記配管の表面に固定する伸縮部と、を含む固定治具と、
前記固定治具が前記配管の表面に取り付けられた状態で、当該固定治具を前記配管に対して取り外し自在に保持する保持具と
を備える流量計測装置。
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