JP5959143B2 - 衣類用のボタン及び衣類 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類用のボタン及び衣類に関し、特に指先の円滑な動作が困難な高齢者等にとって取扱いが容易な優しいボタン、及び当該ボタンが用いられる肌着やパジャマ等の衣類に関する。
掛け外しのための動作が容易に行なえるボタンとして、特許文献1には、平面視円形のボタンの裏面に、底面部と、底面部からボタンの外周縁に向かってボタンの厚さが減少する傾斜面部が設けられ、底面部に対する傾斜面部の傾斜角度が15°から50°の範囲であるボタンが提案されている。
特許文献1によれば、人差し指をボタンの表側傾斜面部の一部に当接させて、ボタンの周縁を布地側に押し付けると、押し付けた部分と反対側の周縁が布地に対して持ち上がり、ボタンの周縁と布地との間の隙間が拡大することを利用して、ボタンと布地との隙間に指先を入れ易くして、親指をボタンの裏面側傾斜面部に当接させることにより、ボタンを親指と人差し指とで容易に摘むことができる。
しかし、上述のボタンは、人差し指でボタンの周縁を布地側に押し付け、押し付けた部分と反対側の周縁に親指の指先を挿入してボタンを摘むという複数の動作が必要となり、指先の円滑な動作が困難な高齢者等にとって必ずしも容易な動作ではなかった。また、摘んだボタンの姿勢をボタンホールに向けて調整して掛け通す操作や、掛け通したボタンをボタンホールから外す操作も必要となるが、指先の円滑な動作が困難な人にとって、平面視円形のボタンをそのボタンの直径よりやや大きな長さに切り込まれたボタンホールに挿通、離脱させるのは容易くないという問題もあった。
そこで、特許文献2には、掛け通しが非常に容易なユニバーサルデザインのボタンを提供することを目的として、ボタン形状を略三角形とし、ボタンを留める際に一辺を押すので面積が大きく押し易く、挿入側が尖った形状のためにボタンホールへの挿入がやり易い事により、ボタンの掛け通し作業が非常に容易なボタンが提案されている。
また、特許文献3には、雌雄留具を片手でも容易に係止できる衣類として、左右前身頃の何れか一方の裏面側に、雌雄何れか一方の留具を設けている一方、左右前身頃の何れか他方の表面側に留具支持布を取り付け、該留具支持布の表面側に雌雄何れか他方の留具を設け、かつ、これら留具位置で留具支持布を、指挿入部をあけて左右身頃から遊離させている衣類が提案されている。
特開2004−024771号公報 特開2006−288993号公報 特開2002−173810号公報
しかし、特許文献2に記載された従来のボタンは、ボタンホールからボタンを外す際に、ボタンとボタンホールの相対動作位置が逆になり、三角形の一辺がボタンホールの切れ目に沿う姿勢となるため、平面視円形のボタンよりもボタンを外す際の操作が困難になるという問題があった。
また、特許文献3に記載された衣類によれば、留具を係止する操作は容易になるが、係合力が小さい雌雄スナップを用いると、体勢の変化によってスナップが係合状態から離脱状態に容易く変化するため、係合力が強固な雌雄スナップを用いる必要がある。そのような係合力が強い雌雄スナップを用いると、係止された留具を離脱させるために、左右の前身頃の合せ目から一方の身頃を片手で大きく引き離すという大きな力を伴なった操作が必要となるばかりか、布地が傷む虞もあるという問題があった。
また、一方の面に突起が形成され、他方の面に突起が係止されるループ部を備えた面ファスナーを留具として用いると、係止操作時に上下左右何れかに係止面がずれ易く、位置ずれが生じると着心地が悪くなるという問題や、繰り返し使用すると係止面に綿埃や糸屑等が付着して係合力が低下するという問題もあった。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、指先の円滑な動作が困難な高齢者等にとって取扱いが容易で繰り返し安定して使用可能な衣類用のボタン及び衣類を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による衣類用のボタンの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、平面視で楕円形状の輪郭を備え、中心部に短軸方向に沿って二つの糸通し孔が形成され、少なくとも長軸方向の両端部側で、表面が水平面より上方に突出する傾斜面に形成されるとともに表面と裏面の厚みが次第に薄くなるように形成され、表面と裏面が繋がる端縁が各面と交差する略平坦な帯状の面に形成され、長軸方向に沿った一方の端部を指で水平になるように摘むことにより、シーソーのように他方の端部が上方に浮び上がるように構成されている点にある。
布地に縫着されたボタンの端部を親指と人差し指で摘む場合、平面視で楕円形状の輪郭を備えたボタンであれば、曲率が小さな短軸方向の端部よりも曲率が大きな長軸方向の端部の方が中心からの距離が長くなり、それだけ広い摘み代が確保できるために、通常の円形状の輪郭を備えたボタンよりも摘み易くなる。そして、長軸方向の両端部側で表面が水平面より上方に突出する傾斜面に形成されるとともに表面と裏面の厚みが次第に薄くなるように形成されているため、長軸方向の両端部が布地から上方に浮び上がり、指先で摘み易い姿勢が確保でき、長軸方向に沿った一方の端部を親指と人差し指で摘むことにより、シーソーのように他方の端部がより大きく上方に浮び上がるようになる。
このようにして浮び上がらせた他方の端部は、大きな曲率で先が尖っているため、ボタンホールに向けて押圧することにより、容易にボタンホールに挿入でき、指を離してもその挿入状態を維持できるようになる。さらに、その状態で他方の端部を指で摘み上げることによりボタンをボタンホールに掛け通すことができるのである。
逆に、ボタンをボタンホールから離脱させる際には、当該他方の端部を指で摘み上げて一方の端部を下方に傾斜させることにより、一方の端部をボタンホールから容易に離脱させることができ、その後に、当該他方の端部をボタンホールに向けて押圧することにより、ボタンホールから容易く離脱させることができるようになる。
従って、ボタンホールに対してボタンを片手で容易に掛け外すことができるようになる。このとき、ボタンの摘み操作を行なう手とは異なる他方の手を用いる必要は無いが、少なくともボタンホールが形成された前身頃を腕先で押さえる等の支持動作ができればさらに容易に掛け外し操作ができるようになる。
尚、ボタンホールの切り込み長さを、通常設定されるボタンの直径とボタンの厚みの加算値にさらに数mmの余裕分を加算した値よりも大きく設定すれば、つまり、この場合ではボタンの短軸の長さとボタンの厚みの加算値にさらに数mmの余裕分を加算した値よりも大きく設定すれば、ボタンホールが大きく開口して、上述の掛け通し操作や離脱操作の際に、ボタンをボタンホールに挿入し、或はボタンをボタンホールから離脱させ易くなる。その場合でもボタンホールにボタンを掛け通した状態では、長軸方向のボタン長さがボタンホールに形成されるスリット幅よりも十分に長いため、自然にボタンがボタンホールから離脱するようなことが無い。
このように、指先の円滑な動作が困難な高齢者等であっても、比較的容易な指先の動作によってボタンを掛け外すことができ、このようなボタンの掛け外し操作を繰り返すことにより指先の動作のリハビリテーション効果が得られるようにもなる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、表面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が2°〜10°の範囲に設定され、裏面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が当該角度より大きな値に設定されている点にある。
表面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が10°より大きくなると、端部が布地よりも大きく上方に浮び上がり、ボタンの周辺の他の衣類や寝具と当接して引っ掛かる等の不都合が生じたり、ボタン付近に手を接触させたときにボタンに手が引っ掛かり着心地が悪くなるといった違和感が生じる。しかし、当該角度を2〜10°の範囲に設定すれば、そのような違和感を与えることなく、布地に縫着されたボタンの端部を親指と人差し指で極めて容易に摘むことができるようになる。
そして、裏面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が当該角度より大きな値に設定されているので、長軸方向に沿った一方の端部を、親指と人差し指で自然に摘めば、摘み姿勢を変える等を意識しなくても、他方の端部が極めて容易に大きく上方に浮び上がるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、裏面のうち、前記糸通し孔の周部が水平面と平行な平面に形成されている点にある。
糸通し孔の周部が水平面と平行な平面に形成されていれば、布地の面に対して糸通し孔の軸心が垂直姿勢となるようにボタンを布地上に載置できるので、縫着用の機械で布地にボタンを自動縫着する場合であっても、ボタンが縫着用の針で破損するような事態を招くことなく常に適切に縫着できるようになる。
本発明による衣類の第一の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、左右前身頃の合せ目の一方に備えたボタンを他方に備えたボタンホールに掛け通して固定する衣類であって、上述した第一から第三の何れかの特徴構成を備えたボタンを取り付ける細長のボタン支持布が、前身頃の布地とボタン支持布との間に指を挿入可能な状態で一方の前身頃の合せ目に沿って縫着され、他方の前身頃の合せ目に前記ボタンの長軸方向と交差する方向に切り込まれたボタンホールが形成されている点にある。
上述したようなボタンの端部と布地との間の隙間を利用して親指と人差し指でボタンを摘むような操作が比較的困難な人であっても、前身頃の布地と、ボタンを取り付けたボタン支持布との間に、隙間ができるので、この隙間に例えば親指を挿入して、ボタン支持布を介してボタンの長軸側の端部に親指を宛がい、ボタンの上方から人差し指を宛がうことによって、極めて容易にボタンの端部を摘むことができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記ボタンの長軸方向が横向き姿勢で前記ボタン支持布に縫着されている点にある。
上述した構成によれば、指先でボタンを摘む際に、指先が最初にボタンに触れるボタンの長軸側の端部を摘んだ状態で、左右方向にボタンを押圧操作するという極めてシンプルな操作でボタンホールにボタンを掛け通すことができる。
同第三の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記ボタン支持布に長手方向に沿って前記ボタンが複数縫着され、各ボタンの縫着部位間の中央位置で前記ボタン支持布と前記前身頃の布地とが、袋状に縫着されている点にある。
上述の構成によれば、ボタンをボタンホールに掛け通した状態で、ボタン支持布が身頃の合せ目から浮き上がり、着心地が悪化するような状態が解消される。
以上説明した通り、本発明によれば、ボタンホールにボタンを掛け通し、或はボタンホールからタンを離脱させる際の操作が極めて容易に行なえる衣類用のボタン及び衣類を提供することができるようになった。
(a)は本発明による衣類用のボタンの平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図 本発明による衣類用のボタンの掛け通し操作の説明図で、(a)はボタンを摘む前の説明図、(b)はボタンの端部を摘んだ状態の説明図、(c)はボタンホールにボタンを挿入操作する状態の説明図 本発明のボタンを用いたパジャマの説明図で、(a)は布地へのボタンの取付姿勢とボタンホールの姿勢の説明図、(b)はボタンの布地への縫着構造の説明図 (a)はボタンの掛け通し操作の説明図、(b)は要部の説明図 (a)はボタンの掛け通し操作の説明図、(b)は布地へのボタンの取付姿勢とボタンホールの姿勢の別実施形態の説明図
以下、本発明による衣類用のボタン及び衣類を説明する。
図1(a)から(c)に示すように、本発明による衣類用のボタン1は、主に肌着やパジャマ等に用いられ、平面視で長軸a,短軸bの楕円形状を呈した輪郭10を備え、中心部に二つの糸通し孔2が形成され、裏面12のうち糸通し孔2の周部を含む円形領域が水平面Hと平行な平面13に形成されている。また、表面11の一対の糸通し孔2間には溝状の窪み3が形成されている。
当該ボタン1は、少なくとも長軸a方向の両端部11a,11b側で、糸通し孔2近傍の表面を延長した水平面Hより上方に突出する傾斜面に形成されるとともに表面11と裏面12の厚みdが次第に薄くなるように形成されている。
ボタン1の裏面12は、上述した平面13から長軸a方向の両端部11a,11b側にかけて平面状または曲面状の傾斜面に形成され、これによって表面11と裏面12の厚みdが次第に薄くなる。
このような形状を備えているため、図2(a)に示すように、長軸a方向の両端部11a,11bがボタン1を縫着した布地4から上方に浮び上がり、それにより布地4との間に形成される空間Sに指を挿入することによって、当該両端部11a,11bの何れかを摘み易い姿勢が確保できる。
図2(b)に示すように、長軸a方向に沿った一方の端部11aを親指と人差し指で水平になるように摘むことにより、シーソーのように他方の端部11bがより大きく上方に浮び上がるようになる。
図2(c)に示すように、このようにして浮び上がらせた他方の端部11bは大きな曲率で先が尖っているため、ボタン1の端部11aを摘んだ状態でボタンホール8に向けてボタン1を押圧することにより、容易にボタンホール8に挿入でき、指を離してもその挿入状態を維持できるようになる。その状態で他方の端部11bを指で摘み上げることによりボタン1をボタンホール8に掛け通すことができるようになる。
ボタン1をボタンホール8から離脱させる際には、当該他方の端部11bを指で摘み上げて一方の端部11aを下方に傾斜させることにより、一方の端部11aをボタンホール8から容易に離脱させることができ、その後に、当該他方の端部11bをボタンホール8に向けて押圧することにより、ボタンホール8から容易く離脱させることができるようになる。
上述のボタン1であれば、指先の円滑な動作が困難な高齢者等であっても、比較的容易な指先の動作によってボタン1を掛け外すことができ、このようなボタン1の掛け外し操作を繰り返すことにより指先の動作のリハビリテーション効果が得られるようにもなる。
尚、ボタンホールの切り込み長さを、通常設定されるボタンの直径とボタンの厚みの加算値にさらに数mmの余裕分を加算した値よりも大きく設定すれば、つまり、この場合ではボタン1の短軸bの長さとボタンの厚みの加算値にさらに数mmの余裕分を加算した値よりも大きく設定すれば、ボタンホールが大きく開口して、上述の掛け通し操作や離脱操作の際に、ボタン1をボタンホール8に挿入し、或はボタン1をボタンホール8から離脱させ易くなる。その場合でもボタンホール8にボタン1を掛け通した状態では、長軸a方向のボタン長さがボタンホール8に形成される1〜2mm程度のスリット幅よりも十分に長いため、ボタン1がボタンホール8から自然に離脱するようなことが無い。
図1(a),(b)に示すように、当該ボタン1の表面11の中心から長軸a方向の端部を結ぶ線分L1と、糸通し孔2近傍の表面を延長した水平面Hとのなす角度θが2°〜10°の範囲に設定されるとともに、裏面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が当該角度より大きな値に設定され、布地4に縫着されたボタン1の端部11aを親指と人差し指で極めて容易に摘むことができるように構成されている。
この角度θは3°〜5°の範囲がより好ましい。ボタン1の周辺の他の衣類や寝具と当接して引っ掛かる等の不都合が生じたり、ボタン1付近に手を接触させたときにボタンに手が引っ掛かり着心地が悪くなるといった違和感が解消されるからである。
当該傾斜面は、平面状に形成されていても曲面状に形成されていてもよい。傾斜面が少なくとも長軸a方向の両端部11a,11b側に設けられていればよく、ボタン1の中心部から長軸aに沿う両端部にかけて全面が傾斜面に形成されてもよい。
短軸b方向の両端部も同様に水平面Hより上方に突出する傾斜面に形成され、表面11の中心部が周部よりも凹んだ凹面に形成されてもよい。
裏面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度φが当該角度θより大きな値に設定されているので、長軸a方向に沿った一方の端部11aを、親指と人差し指で自然に摘めば、摘み姿勢を変える等、何ら意識しなくても、他方の端部が極めて容易に大きく上方に浮び上がるようになる。当該角度φは5°〜15°の範囲に設定されていることが好ましい。
ボタン1の表面11及び裏面12のうち中心から短軸b方向に沿う領域は、その両端部に沿って水平面Hと平行な平面形状に形成されてもよいし、水平面Hよりも下方に突出する傾斜面に形成されていてもよい。後者の場合、ボタンホールにボタン1が掛け通した状態で下方に突出する傾斜面がボタンホールのエッジに当接して、抜け止め効果が得られる。
ボタン1に形成される二つの糸通し孔2は、中心部に短軸b方向に沿って形成されることが好ましい。長軸a方向に沿った一方の端部11aを親指と人差し指で水平になるように摘んだときに、布地に縫着された部位を支点にして、容易に他方の端部11bがより大きく上方に浮び上がるようになるからである。
しかし、糸通し孔2の配列はそのような配列に限るものではなく、中心部に長軸a方向に沿って形成されていてもよい。また、長軸a方向または短軸b方向に沿って二列形成された四つの糸通し孔を備えていてもよい。
ボタン1のサイズは使用される衣類によって適宜設定される値で特に制限されるのもではないが、長軸aと短軸bの比率b/aは、1/1.1〜1/1.8の範囲であることが好ましく、1/1.2から1/1.5の範囲であることがより好ましい。通常、径が15mm〜20mm程度の丸ボタンが主に使用されるパジャマを例にとると、本発明によるボタンであれば、短軸b方向の長さが15mmから20mm、長軸a方向の長さが20mmから30mm程度が好ましい。
ボタン1の厚みは、ボタン1のサイズにより多少異なるが、強度を確保する観点から、概ね最大厚みが2mmから5mmの範囲が好ましく、長軸a方向に沿った端部11a,11bで1mmから2mm程度が好ましい。
ボタン1の材質、製法に関しては公知の技術を用いることができる、例えば、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂を用い、シリコンゴム製の型を用いたキャスティングによってボタン1を製造することができる。また、断面が楕円形の所定サイズの管の中に着色した液状の不飽和ポリエステル樹脂を流し込み、硬化させた後にカットする棒管法を用いて製造した平坦なボタンブランクを本発明の形状に切削加工してもよい。
また、熱可塑性樹脂であるナイロン樹脂を用い、硬質ゴム型や金型を用いて射出成型することによりボタン1を製造することも可能である。ボタン1の原料として他にアクリル、ABS樹脂等を用いることも可能である。
図3(a),(b)には、布地4の前身頃の合せ目7に上述したボタン1が縫着された衣類の例としてパジャマが示されている。合せ目7のうち右前身頃6に備えたボタン1を左前身頃5に備えたボタンホール8に掛け通して固定する男性用の左前のパジャマであるが、右前の女性用のパジャマであっても左右の違いを除き同様である。
細長のボタン支持布9が、右前身頃6の布地4とボタン支持布9との間に指を挿入可能な状態となるように、右前身頃6の合せ目に沿って端部P1側で縫着されている。当該ボタン支持布9には、上述した本発明による複数個のボタン1が、その長軸方向が横向き姿勢となるように縫着され、左前身頃5の合せ目7には、ボタン1の長軸方向と交差する方向に切り込まれた複数のボタンホール8が形成されている。
各ボタン1の縫着部位間の中央位置P2で、ボタン支持布9と右前身頃6の布地4とが横方向に縫着され、ボタン1毎にボタン支持布9が袋状に縫着されている。図3(b)の破線は、縫着位置を示すものである。
尚、ボタン支持布9は、前身頃6の布地4と同じデザインの同じ布地を用いればよく、また、別途のボタン支持布9を準備しなくとも、前身頃6の合せ目7側の端部を折り返して、その折り返し部をボタン支持布9として機能させてもよい。
図2(a)で説明したボタン1の端部と前身頃6の布地4との間の隙間Sを利用して親指と人差し指でボタン1を摘むような操作が比較的困難な人であっても、図4(a),(b)に示すように、前身頃6の布地4と、ボタン1を取り付けたボタン支持布9との間に、袋状の空間Pができるので、この空間Pに例えば親指を挿入して、ボタン支持布9を介してボタン1の長軸側の端部11aに親指を宛がい、ボタン1の上方から人差し指を宛がうことによって、極めて容易にボタンの端部を摘むことができるようになる。図5(a)には、このようにしてボタン1の長軸側の端部11aを親指と人差し指で摘む動作が示されている。
また、図5(b)には、別の態様が示されている。ボタン支持布9に、上述した本発明による複数個のボタン1が、その長軸方向が縦向き姿勢となるように縫着され、左前身頃5の合せ目7には、ボタン1の長軸方向と交差する方向に切り込まれた複数のボタンホール8が形成されている。このような構成であっても、本発明の作用効果が奏される。
本発明によるボタンは、男女を問わず、ボタンの容易な掛け外し操作が必要されるような使用者、例えば指先の円滑な動作が困難な高齢者、幼児、障害者等に好適で、肌着やパジャマばかりでなく、上着等の衣服に広く用いることができる。
1:ボタン
2:糸通し孔
3:糸通し孔間の溝状の窪み
4:布地
5:左前身頃
6:右前身頃
7:合せ目
8:ボタンホール
9:ボタン支持布
10:輪郭
11:表面
11a,11b:長軸方向の端部
12:裏面
13:平面
a:長軸
b:短軸
d:厚み
S,P:空間

Claims (6)

  1. 平面視で楕円形状の輪郭を備え、
    中心部に短軸方向に沿って二つの糸通し孔が形成され、
    少なくとも長軸方向の両端部側で、表面が水平面より上方に突出する傾斜面に形成されるとともに表面と裏面の厚みが次第に薄くなるように形成され、
    表面と裏面が繋がる端縁が各面と交差する略平坦な帯状の面に形成され、
    長軸方向に沿った一方の端部を指で水平になるように摘むことにより、シーソーのように他方の端部が上方に浮び上がるように構成されている衣類用のボタン。
  2. 表面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が2°〜10°の範囲に設定され、裏面の中心から長軸方向の端部を結ぶ線分と水平面とのなす角度が当該角度より大きな値に設定されている請求項1記載の衣類用のボタン。
  3. 裏面のうち前記糸通し孔の周部が、水平面と平行な平面に形成されている請求項1または2記載の衣類用のボタン。
  4. 左右前身頃の合せ目の一方に備えたボタンを他方に備えたボタンホールに掛け通して固定する衣類であって、
    請求項1から3の何れかに記載のボタンを取り付ける細長のボタン支持布が、前身頃の布地とボタン支持布との間に指を挿入可能な状態で一方の前身頃の合せ目に沿って縫着され、他方の前身頃の合せ目に前記ボタンの長軸方向と交差する方向に切り込まれたボタンホールが形成されている衣類。
  5. 前記ボタンの長軸方向が横向き姿勢で前記ボタン支持布に縫着されている請求項4記載の衣類。
  6. 前記ボタン支持布に長手方向に沿って前記ボタンが複数縫着され、各ボタンの縫着部位間の中央位置で前記ボタン支持布と前記前身頃の布地とが、袋状に縫着されている請求項4または5記載の衣類。
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