以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返されない。
図1は、この発明の実施の形態による電源装置が適用される車両の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態における車両は、たとえば、エンジンとモータジェネレータとを駆動源とするハイブリッド車両を一例として説明するが、特にエンジンとモータジェネレータとを駆動源とするハイブリッド車両に限定されるものではなく、たとえば、モータジェネレータのみを駆動源とするハイブリッド車両あるいは電動車両であってもよい。
図1を参照して、車両1は、エンジン2と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する。)3と、動力分割装置4と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する。)5と、車輪6と、インバータ8と、コンバータ10と、第1バッテリ50と、第1システムメインリレー(以下、第1SMRと記載する。)52と、第2バッテリ60と、第2システムメインリレー(以下、第2SMRと記載する。)62と、充電リレー(以下、CHRと記載する)72と、制御装置100と、電流センサ302,452,502,602と、電圧センサ304,306,454,504,604と、温度センサ308,310と、充電装置450と、コンデンサC1,C2と、ダイオードD3と、正極ラインPL1,PL2,PL3,PL4と、負極ラインNL1,NL2,NL3と、補機負荷802とを含む。
車両1は、エンジン2および第2MG5を動力源として走行する。動力分割装置4は、エンジン2と第1MG3と第2MG5とに結合されて、これらの間で動力を分割する。動力分割装置4は、たとえばサンギヤ、キャリアおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構からなり、この3つの回転軸がエンジン2、第1MG3および第2MG5の回転軸にそれぞれ接続される。
なお、第1MG3のロータを中空にして、その中心にエンジン2のクランク軸を通すことにより、エンジン2、第1MG3および第2MG5を動力分割装置4に機械的に接続することができる。また、第2MG5の回転軸は、図示されない減速ギヤあるいは差動ギヤによって車輪6に結合される。第1MG3は、エンジン2によって駆動される発電機として動作し、かつエンジン2の始動を行ない得る電動機として動作するものとして、車両1に組込まれる。第2MG5は、車輪6を駆動する電動機として車両1に組込まれる。
エンジン2は、ガソリン等の燃料を燃焼させることにより、第2MG5と並列的に、あるいはそれのみで車両1を走行させることができる。
第1バッテリ50および第2バッテリ60の各々は充放電可能な蓄電装置であり、たとえばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。なお、第1バッテリ50および第2バッテリ60のうちのいずれか、あるいは、すべてに代えて大容量のキャパシタを用いてもよい。
第1バッテリ50は、車両1の駆動時にコンバータ10へ電力を供給し、また電力回生時にはコンバータ10から電力が供給されて充電される。第1バッテリ50とコンバータ10とは、正極ラインPL1と負極ラインNL1とによって接続される。
正極ラインPL1の一方端は、第1バッテリ50の正極端子に接続される。正極ラインPL1の他方端は、コンバータ10に接続される。負極ラインNL1の一方端は、第1バッテリ50の負極端子に接続される。負極ラインNL1の他方端は、コンバータ10を経由してインバータ8に接続される。第1バッテリ50とコンバータ10との間の、正極ラインPL1および負極ラインNL1上の所定の位置には、第1SMR52が設けられる。
第1SMR52は、制御装置100から受信する信号に応じて、第1バッテリ50とコンバータ10との間を導通状態(オン状態)および非導通状態(オフ状態)のうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。
第1SMR52がオン状態になると、第1バッテリ50とコンバータ10との間で正極ラインPL1および負極ラインNL1を経由した電力の授受が可能な状態になる。一方、第1SMR52がオフ状態になると、第1バッテリ50がコンバータ10から切り離されることにより、第1バッテリ50とコンバータ10との間で電力の授受が不可能な状態になる。
第1SMR52は、第1SMRB54と、第1SMRP56と、第1SMRG58と、制限抵抗RAとを含む。第1SMRB54は、正極ラインPL1に設けられ、正極ラインPL1を導通状態および非導通状態のうちの少なくともいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。第1SMRG58は、負極ラインNL1に設けられ、負極ラインNL1を導通状態および非導通状態のうちの少なくともいずれか一方の状態から他方の状態に切
り換える。第1SMRP56は、制限抵抗RAと直列に接続される。第1SMRP56および制限抵抗RAは、負極ラインNL1に対して第1SMRG58に並列に接続される。
第1SMR52がオフ状態からオン状態に切り換えられる場合には、第1SMR52がオン状態になった直後に大電流が流れて第1SMR52の構成部品に溶着が発生することを防止するために、まず、第1SMRB54と第1SMRP56との各々がオフ状態からオン状態になるように切り換えられる。第1SMRB54および第1SMRP56の各々がオン状態になることにより第1バッテリ50からコンバータ10への出力電流が生じる。
このとき、第1SMRP56に直列に接続される制限抵抗RAによって出力電流が過大となることが抑制される。このため、コンデンサC2の端子間の電圧VLは、徐々に上昇することとなる。電圧VLが上昇して第1バッテリ50の電圧とほぼ等しくなると、第1SMRPがオフ状態になるように切り換えられるとともに第1SMRG58がオン状態になるように切り換えられる。第1SMR52がオン状態からオフ状態に切り換えられる場合には、第1SMRB54および第1SMRG58の各々がオン状態からオフ状態に切り換えられる。
第2バッテリ60は、電気負荷(インバータ8、第1MG3および第2MG5)に対してコンバータ10と並列に接続される。電気負荷とコンバータ10とは、正極ラインPL2と負極ラインNL1とによって接続される。
第2バッテリ60の正極端子には、正極ラインPL3の一方端が接続される。正極ラインPL3の他方端は、正極ラインPL2上に位置する第1接続ノードaに接続される。第2バッテリ60の負極端子には、負極ラインNL2の一方端が接続される。負極ラインNL2の他方端は、負極ラインNL1上に位置する第2接続ノードbに接続される。正極ラインPL3および負極ラインNL2上の所定の位置には、第2SMR62が設けられる。
第2SMR62は、制御装置100から受信する信号に応じて第2バッテリ60と第1接続ノードaおよび第2接続ノードbとの間を導通状態(オン状態)および非導通状態(オフ状態)のうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。
第2SMR62がオン状態になると、第2バッテリ60と第1接続ノードaおよび第2接続ノードbとの間で正極ラインPL3および負極ラインNL2を経由した電力の授受が可能な状態になる。
一方、第2SMR62がオフ状態になると、第2バッテリ60が第1接続ノードaおよび第2接続ノードbから切り離されて、第2バッテリ60と第1接続ノードaおよび第2接続ノードbとの間で電力の授受が不可能な状態になる。
第2SMR62は、第2SMRB64と、第2SMRG66とを含む。第1SMRB64は、正極ラインPL3に設けられ、正極ラインPL3を導通状態および非導通状態のうちの少なくともいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。第2SMRG66は、負極ラインNL2に設けられ、負極ラインNL2を導通状態および非導通状態のうちの少なくともいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。
第2SMR62がオフ状態からオン状態に切り換えられる場合には、第2SMRB64と第2SMRG66とがいずれもオン状態なるように切り換えられる。また、第2SMR62がオン状態からオフ状態に切り換えられる場合には、第2SMRB64と第2SMRG66とがいずれもオフ状態になるように切り換えられる。
ダイオードD3は、第1接続ノードaと第2SMRB64との間に設けられる。ダイオ
ードD3のアノードは、第2SMRB64に接続される。ダイオードD3のカソードは、第1接続ノードaに接続される。ダイオードD3は、コンバータ10あるいは電気負荷側から第2バッテリ60への電力供給を抑制する。
第1バッテリ50と第2バッテリ60とは、たとえば同時使用することによって電気負荷(インバータ8および第2MG5)に許容された最大パワーを出力可能になるように、各々の放電可能容量が設定される。これによりエンジン2を使用しないEV(Electric Vehicle)走行において最大パワーの走行が可能である。
第2バッテリ60に蓄積された電力が消費されてしまったら第1バッテリ50の電力に加えてエンジン2の動力を使用することによって第2バッテリ60を使用しなくとも最大パワーの走行を可能とすることができる。
ここで、第1バッテリ50は、第2バッテリ60よりも出力パワーが高い、いわゆる高出力型バッテリである。これにより、必要に応じて第1バッテリ50から第2MG5へ高パワーを供給することができ、ユーザのアクセル操作に対応した加速性能を速やかに確保することができる。
一方、第2バッテリ60は、第1バッテリ50よりも蓄積エネルギが高い、いわゆる高容量型バッテリである。これにより、高容量の第2バッテリ60に蓄積されたエネルギを長時間に亘って使用することができ、電気エネルギによる走行距離を延ばすことができる。
このように第1バッテリ50および第2バッテリ60を用いることによって、高容量かつ高出力の直流電源を構成することができる。また、第2バッテリ60の電圧は、第1バッテリ50の電圧よりも高い。
コンバータ10は、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて第1バッテリ50から供給される電力の電圧レベルを目標レベルまで昇圧し、目標レベルまで昇圧した電圧を正極ラインPL2へ出力する。また、コンバータ10は、インバータ8から正極ラインPL2を経由して供給される回生電力、あるいは、第2バッテリ60または充電装置450から正極ラインPL3,PL2を経由して供給される充電電力の電圧レベルを、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて第1バッテリ50の電圧レベルまで降圧し、第1バッテリ50を充電する。
さらに、コンバータ10は、MG−ECU300から動作停止を示す指令信号を受信するとスイッチング動作を停止させる。さらに、コンバータ10は、MG−ECU300から上アームをオン状態にする指令信号を受けると、コンバータ10に含まれる上アームおよび下アームをオン状態およびオフ状態にそれぞれ固定する。
コンバータ10は、電力用半導体スイッチング素子(以下の説明においては、単にスイッチング素子と記載する。)Q1,Q2と、ダイオードD1,D2と、リアクトルL1とを含む。
本実施の形態において、スイッチング素子Q1,Q2としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が適用されるものとするが、指令信号によってオン・オ
フ制御が可能であれば任意のスイッチング素子を適用可能である。たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)あるいはバイポーラトランジスタ等も適用可能である。
スイッチング素子Q1,Q2は、正極ラインPL2と負極ラインNL1との間に直列に接続される。ダイオードD1,D2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2に逆並列に接続される。リアクトルL1の一方端は、スイッチング素子Q1,Q2の接続ノードに接続され、リアクトルL1の他方端は、正極ラインPL1に接続される。スイッチング素子Q1がコンバータ10の上アームに対応し、スイッチング素子Q2がコンバータ10の下アームに対応する。
コンバータ10は、チョッパ回路により構成される。コンバータ10は、MG−ECU300から受信する指令信号Cmdに基づいて、正極ラインPL1の電圧を、リアクトルL1を用いて昇圧し、その昇圧した電圧を正極ラインPL2へ出力する。
このとき、コンバータ10は、スイッチング素子Q1および/またはスイッチング素子Q2のオン・オフ期間比(デューティ)を指令信号Cmdに基づいて制御することによって、第1バッテリ50からの出力電圧の昇圧比を制御する。
一方、コンバータ10は、MG−ECU300から受信する指令信号Cmdに基づいて、正極ラインPL2の電圧を降圧し、その降圧した電圧を正極ラインPL1へ出力する。
このとき、コンバータ10は、スイッチング素子Q1および/またはスイッチング素子Q2のオン・オフ期間比(デューティ)を指令信号Cmdに基づいて制御することによって、正極ラインPL2の電圧の降圧比を制御する。
コンデンサC1は、正極ラインPL2と負極ラインNL1との間に接続され、正極ラインPL2と負極ラインNL1との間の電圧変動を平滑化する。コンデンサC2は、正極ラインPL1と負極ラインNL1との間に接続され、正極ラインPL1と負極ラインNL1との間の電圧変動を平滑化する。
インバータ8は、第1MG3の駆動時には、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて正極ラインPL2からの直流電圧を三相交流電圧に変換し、その変換した交流電圧を第1MG3へ出力する。
また、インバータ8は、第1MG3の発電時には、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて、エンジン2の動力を用いて第1MG3が発電した三相交流電圧を、直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極ラインPL2へ出力する。
インバータ8は、さらに、EV走行時には、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて正極ラインPL2からの直流電圧を三相交流電圧に変換し、その変換した交流電圧を第2MG5へ出力する。
また、インバータ8は、車両1の回生制動時には、MG−ECU300から受信する指令信号に基づいて車輪6から入力される回転力によって第2MG5が発生させる三相交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極ラインPL2へ出力する。
第1MG3および第2MG5の各々は三相交流回転電機であり、たとえば三相交流同期電動発電機からなる。第1MG3は、エンジン2の動力を用いて発電した三相交流電圧をインバータ8へ出力する。また、第1MG3は、エンジン2の始動時にインバータ8によって駆動させられて、エンジン2をクランキングする。
第2MG5は、インバータ8によって駆動されて、車両1を駆動するための駆動力を発生する。また、第2MG5は、車両1の回生制動時に、車輪6から受ける回転力を用いて発電した三相交流電圧をインバータ8へ出力する。
電流センサ302は、コンバータ10のリアクトルL1に流れる電流ILを検出してMG−ECU300へ出力する。電圧センサ304は、コンデンサC2の端子間の電圧VLを検出してMG−ECU300へ出力する。電圧センサ306は、コンデンサC1の端子間の電圧VHを検出してMG−ECU300へ出力する。MG−ECU300は、電流ILに電圧VLを乗算することによってコンバータ10の出力電力Poutを取得する。
温度センサ308は、コンバータ10の温度(以下、コンバータ温度と記載する。)CTを検出して、検出されたコンバータ温度CTをMG−ECU300へ出力する。コンバータ温度CTは、たとえば、リアクトルL1を除く、スイッチング素子Q1またはQ2等のコンバータ10を構成する構成要素の温度である。温度センサ310は、リアクトルL1の温度(以下、リアクトル温度と記載する。)LTを検出して、検出されたリアクトル温度LTをMG−ECU300へ出力する。
電流センサ452は、正極ラインPL4に流れる電流Ichgを検出して充電装置450およびMG−ECU300へ出力する。電圧センサ454は、正極ラインPL4と負極ラインNL3との間の電圧Vchgを検出して充電装置450およびMG−ECU300へ出力する。MG−ECU300は、電流Ichgに電圧Vchgを乗算することによって充電装置450の出力電力Pcを取得する。電圧センサ458は、充電装置450に入力される交流電圧VACを検出して充電装置450へ出力する。充電装置450は、受信した検出結果を制御装置100に出力する。
電流センサ502は、正極ラインPL1に流れる電流IB1を検出してB1監視ユニット500へ出力する。電圧センサ504は、第1バッテリ50の電圧VB1を検出してB1監視ユニット500へ出力する。
電流センサ602は、正極ラインPL3に流れる電流IB2を検出してB2監視ユニット600およびMG−ECU300へ出力する。電圧センサ604は、第2バッテリ60の電圧VB2を検出してB2監視ユニット600およびMG−ECU300へ出力する。MG−ECU300は、電流IB2に電圧VB2を乗算することによって第2バッテリ60の入出力電力PB2を取得する。なお、入出力電力PB2は、第2バッテリ60から電力が出力される方向を正方向とする。
正極ラインPL1および負極ラインNL1には、補機負荷802が接続される。補機負荷802は、DC/DCコンバータおよび電動エアコンなどである。DC/DCコンバータは、制御装置100から受信する信号に応じて正極ラインPL1の直流電圧を降圧して補機バッテリを充電する。補機バッテリは、車両1に搭載される補機に対して電力を供給する。補機は、たとえば、ヘッドライト、時計、オーディオ機器、各種ECU等であるが、その種類は限定されるものではない。補機バッテリは、充放電可能な蓄電装置であり、たとえば鉛蓄電池である。
充電装置450は、コンバータ10に対して第2バッテリ60と並列に接続される。充電装置450の正極端子には、正極ラインPL4の一方端が接続される。正極ラインPL4の他方端は、正極ラインPL3上に位置する第3接続ノードcに接続される。充電装置450の負極端子には、負極ラインNL3の一方端が接続される。負極ラインNL3の他方端は、負極ラインNL2上に位置する第4接続ノードdに接続される。
充電装置450は、制御装置100から受信する指令信号に応じて、車両1の外部の電源(以下の説明において外部電源と記載する。)710から供給される電力を用いて第1バッテリ50および第2バッテリ60のうちの少なくともいずれか一方を充電したり、その充電を停止したりする。
充電装置450には、インレット456が接続される。インレット456は、車両1の側部に設けられ、充電ケーブル700の一方端に設けられるコネクタ702と接続可能な形状を有する。充電ケーブル700の他方端には、プラグ706が設けられる。プラグ706は、外部電源710に設けられるコンセント708が接続される。
外部電源710は、たとえば、交流電源である。交流電源は、たとえば、電力会社から家屋に供給される商用電源である。
インレット456と外部電源710とが充電ケーブル700によって接続される場合に、外部電源710の交流電力が充電装置450に供給可能な状態になる。外部電源710
から供給される交流電力は、充電装置450によって直流電力に変換されて正極ラインPL4および負極ラインNL3に出力される。
コネクタ702には、スイッチが設けられる。コネクタ702がインレット456に接続されるとスイッチが閉じた状態となる。このとき、スイッチが閉じた状態であることを示す信号がスイッチから制御装置100に送信される。制御装置100は、スイッチが閉じた状態であることを示す信号を受信することによって、インレット456にコネクタ702が接続された状態であると判定する。なお、スイッチは、インレット456に接続された状態でコネクタ702の位置を制限する制限部材に連動して開閉する。
プラグ706は、家屋に設けられるコンセント708に接続可能な形状を有する。コンセント708には、外部電源710からの交流電力が供給される。
充電ケーブル700は、コネクタ702およびプラグ706に加えてCCID(Charging Circuit Interrupt Device)704をさらに含む。
CCID704は、リレーおよびコントロールパイロット回路を有する。リレーが開いた状態では、外部電源710からインレット456への電力を供給する経路が遮断される。リレーが閉じた状態では、外部電源710からインレット456へ電力が供給可能になる。リレーの状態は、コネクタ702がインレット456に接続された状態で制御装置100により制御される。
コントロールパイロット回路は、プラグ706がコンセント708に接続され、かつコネクタ702がインレット456に接続された状態において、コントロールパイロット線にパイロット信号(方形波信号)CPLTを送る。コントロールパイロット回路内に設けられた発信器によって、パイロット信号CPLTは周期的に変化する。
プラグ706がコンセント708に接続され、かつ、コネクタ702がインレット456に接続されると、コントロールパイロット回路は、予め定められたパルス幅(デューティサイクル)のパイロット信号CPLTを生成する。パイロット信号CPLTのパルス幅は、充電ケーブルの種類毎に定められる。
生成されたパイロット信号CPLTは、HV−ECU200に送信される。パイロット信号CPLTは、たとえば、CCID704からコネクタ702、充電装置450および充電装置マイコンを経由してHV−ECU200に送信されてもよい。HV−ECU200は、受信したパイロット信号CPLTのパルス幅により、充電ケーブル700から車両1に対して供給可能な電流容量を判定する。
CHR72は、正極ラインPL4および負極ラインNL3に設けられる。CHR72は、制御装置100から受信する信号に応じて充電装置450と第3接続ノードcおよび第4接続ノードdとの間を導通状態(オン状態)および遮断状態(オフ状態)のうちの少なくともいずれか一方の状態から他方の状態に切り換える。
インレット456と外部電源710とが充電ケーブル700によって接続された状態において、CHR72がオン状態になると、外部電源710から供給された電力がインレット456および充電装置450を経由して正極ラインPL4およぶ負極ラインNL3間に出力可能な状態になる。CHR72がオフ状態になると、充電装置450の正極端子および負極端子と第3接続ノードcおよび第4接続ノードdとの間がぞれぞれ電力遮断状態になる。
CHR72は、第1SMR52と同様の構成を有する。すなわち、上述の第1SMR52の構成における第1バッテリ50を充電装置450に置き換え、第1SMRB54,第1SMRP56,第1SMRG58および制限抵抗RAをCHRB74,CHRP76,CHRG78および制限抵抗RCにそれぞれ置き換えた構成がCHR72の構成に対応する。
CHR72がオフ状態からオン状態に切り換えられる場合には、CHRB74とCHRP76との各々がオフ状態からオン状態になるように切り換えられる。その後に、CHRP76がオン状態からオフ状態に切り換えられるとともに、CHRG78がオフ状態からオン状態に切り換えられる。
制御装置100は、インバータ8、コンバータ10、第1SMR52、第2SMR62、CHR72および充電装置450を制御するための指令信号を生成して、制御対象となる機器に対して生成した指令信号を出力する。制御装置100は、HV−ECU200と、MG−ECU300と、充電装置マイコン400と、B1監視ユニット500と、B2監視ユニット600とを含む。
B1監視ユニット500は、電流センサ502からの電流IB1の検出値と、電圧センサ504からの電圧VB1の検出値とを受信する。B1監視ユニット500は、これらの検出値をHV−ECU200に送信する。また、B1監視ユニット500は、たとえば、これらの検出値から第1バッテリ50の残存容量を示すSOC(State Of Charge)を
算出し、算出されたSOCをHV−ECU200に送信してもよい。
SOCは、たとえば蓄電装置が満充電状態であるときに100%であると定義され、蓄電装置が完全に放電した状態であるときに0%であると定義される。なお、残存容量は、蓄電装置の電圧や充放電電流、蓄電装置の温度などを用いて種々の公知の手法により算出することができるので、ここでは詳細な説明を行なわない。以下の説明においては、第1バッテリ50のSOCをSOC1と記載し、第2バッテリ60のSOCをSOC2と記載する。
B1監視ユニット500は、たとえば、SOC1、電流IB1、電圧VB1、第1バッテリ50の電池温度あるいは外気温度等から第1バッテリ50の充電電力の制限値Win1(以下、単にWin1とも記載する。)および第1バッテリ50の放電電力の制限値Wout1(以下、単にWout1とも記載する。)を算出し、算出されたWin1およびWout1をHV−ECU200に送信してもよい。なお、SOC1、Win1およびWout1は、たとえば、HV−ECU200によって算出されてもよい。
B2監視ユニット600は、電流センサ602からの電流IB2の検出値と、電圧センサ604からの電圧VB2の検出値とを受信する。B2監視ユニット600はこれらの検出値をHV−ECU200に送信する。また、B2監視ユニット600は、たとえば、これらの検出値からSOC2を算出し、算出されたSOC2をHV−ECU200に送信してもよい。
B2監視ユニット600は、たとえば、SOC2、電流IB2、電圧VB2、第2バッテリ60の電池温度あるいは外気温度等から第2バッテリ60の充電電力の制限値Win2(以下、単にWin2と記載する。)および第2バッテリ60の放電電力の制限値Wout2(以下、単にWout2と記載する。)を算出し、算出されたWin2およびWout2をHV−ECU200に送信してもよい。なお、SOC2、Win2およびWout2は、たとえば、HV−ECU200によって算出されてもよい。
以上のような構成において、制御装置100は、外部電源710からの電力を、コンバータ10を介して第1バッテリ50へ供給することによって、第1バッテリ50を充電する充電制御を実行する。以下、この充電制御の内容を説明する。
図2は、図1に示す制御装置100が実行する充電制御における電力の流れを説明する図である。図2を参照して、充電制御においては、矢印A3で示される充電装置450から出力される電力と、矢印A2で示される第2バッテリ60から出力される電力との合計電力がコンバータ10へ入力される。そして、矢印A1で示される電力がコンバータ10から出力されることによって、第1バッテリ50が充電される。ここで、矢印A1〜A3で示される各電力は、コンバータ10および充電装置450によって制御される。
再び図1を参照して、充電制御が開始されると、HV−ECU200は、B1監視ユニット500およびB2監視ユニット600から受信する第1バッテリ50および第2バッテリ60の情報に基づいて、充電装置450の制御要求量Pchg(すなわち、充電装置450からの充電電力の要求量)およびコンバータ10の制御要求量Preq(すなわち、コンバータ10の要求出力電力)を算出する。なお、HV−ECU200は、制御要求量Pchgおよび制御要求量Preqを補機負荷802の消費電力とは独立して設定することによって、通信遅れや応答遅れなどに起因する電力制御の制御干渉を回避することができる。
なお、制御要求量Pchgが制御要求量Preqよりも小さいときは、第2バッテリ60からコンバータ10へ不足分の電力が供給される。一方、制御要求量Pchgが制御要求量Preqよりも大きいときは、充電装置450からの余剰電力によって第2バッテリ60が充電される。制御要求量Pchgが制御要求量Preqに等しいときは、第2バッテリ60は充放電されない。このように、外部電源710によって第1バッテリ50が充電されるときに、第2バッテリ60は、充電電力の変動を吸収するバッファとして機能する。
なお、第1バッテリ50を充電する場合において、HV−ECU200は、第2バッテリ60の充電電力の許容値を超えないように充電装置450を制御することができる。さらに、HV−ECU200は、第2バッテリ60の放電電力の許容値を超えないようにコンバータ10を制御することができる。
HV−ECU200は、算出された充電装置450の制御要求量Pchgを充電装置マイコン400に送信する。HV−ECU200は、算出されたコンバータ10の制御要求量PreqをMG−ECU300に送信する。
充電装置マイコン400は、HV−ECU200から受信する制御要求量Pchgに基づいて充電装置450を制御するための指令信号を生成し、生成した指令信号を充電装置450に送信する。
MG−ECU300は、HV−ECU200から受信するコンバータ10の制御要求量Preqに基づいてコンバータ10を制御するための指令信号Cmdを生成し、コンバータ10に送信する。具体的には、MG−ECU300は、電圧VLに電流ILを乗算して得られた電力Poutが制御要求量Preqに近づくように指令信号Cmdを算出する。
ここで、電圧VLを検出する電圧センサ304および電流ILを検出する電流センサ302に特性ずれがあると、これらに基づいて算出される電力Poutに検出誤差が発生する。これにより、第1バッテリ50の充電電力の制御精度が悪化する。この制御精度の悪化により、第1バッテリ50が過充電される可能性がある。
特に、電圧センサ304および電流センサ302は、車両1の走行時に出力される大電力を検出することができるように、広い検出範囲を有するように設定される。一方、充電制御時における充電電力は、車両1の走行時に出力される電力も小さい。このため、充電制御時における小電力を検出するときには、電圧センサ304および電流センサ302の特性ずれの影響が大きくなる。
一方、第2バッテリ60の入出力電力PB2を検出するための電圧センサ604および電流センサ602、ならびに充電装置450の出力電力Pcを検出するための電圧センサ454および電流センサ452は、電圧センサ304および電流センサ302に比べて検出精度が高いという特性がある。すなわち、出力電力Pcおよび入出力電力PB2は、出力電力Poutよりも精度良く検出される。しかしながら、出力電力Poutは、出力電力Pcおよび入出力電力PB2よりも検出の応答性が高い。
そこで、MG−ECU300は、第2バッテリ60の入出力電力PB2(図2の矢印A2)および充電装置450の出力電力Pc(図2の矢印A3)の合計値と、コンバータ10の出力電力Pout(図2の矢印A1)との偏差に基づいて学習値Lnを算出し、コンバータ10を制御するための指令信号Cmdを、算出された学習値に基づいて補正する。
より具体的には、MG−ECU300は、次式に基づいて偏差dPを算出する。
dP=Pout−(Pc+PB2+Ln) …(1)
MG−ECU300は、算出された偏差dPになまし処理を施すことによってなまし値を取得する。MG−ECU300は、取得されたなまし値が零に近づくように学習値Lnを更新する。なお、なまし処理とは、予め定められた時定数をもつローパスフィルタによって処理することである。MG−ECU300は、学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。
このように、出力電力Pcおよび入出力電力PB2を用いることによって、コンバータ10による充電制御に用いられる出力電力Poutの検出誤差の影響を抑制することができる。したがって、第1バッテリ50を精度良く充電することができる。
図3および図4は、図1に示す制御装置100が実行する充電制御の動作を示すタイミングチャートである。図3においては、コンバータ10の出力電力Poutが実際の出力電力よりも大きく検出される場合が示される。図4においては、コンバータ10の出力電力Poutが実際の出力電力よりも小さく検出される場合が示される。なお、図3および図4に示す例においては、制御装置100は、充電装置450の出力電力がコンバータ10の出力電力に一致するように(すなわち、第2バッテリ60の入出力電力が零となるように)コンバータ10を制御しているものとする。
図3および図4においては、横軸には時間が示され、縦軸には充電装置450の出力電力Pc、第2バッテリ60の入出力電力PB2、コンバータ10への入力電力Pin、コンバータ10の出力電力Pout、偏差dP、学習値Ln、指令信号Cmdが上から順に示される。なお、第2バッテリ60が放電する場合に、入出力電力PB2が正の値となり、第2バッテリ60が充電される場合に、入出力電力PB2が負の値となるものとする。
入力電力Pinは、出力電力Pcと入出力電力PB2との合計値を示す。すなわち、入力電力Pinは、出力電力Pcおよび入出力電力PB2に基づいて算出されるコンバータ10への入力電圧である。
偏差dPの破線は、上記式(1)に従って得られる値を示す。偏差dPの実線は、上記式(1)に従って得られた値になまし処理を施して得られる値を示す。指令信号Cmdの実線は、学習値Lnに基づいて指令信号Cmdが補正された値を示す。指令信号Cmdの一点鎖線は、学習値Lnに基づいて指令信号Cmdが補正されない値を示す。
図3を参照して、第1バッテリ50への充電が実行されている場合において、学習値の算出処理が開始される(時刻T0)。この時点では、入力電力Pinが出力電力Poutよりも小さい値となっている。すなわち、出力電力Poutが制御要求量Preqに一致するようにコンバータ10が制御されるが、センサ誤差に起因して、実際には制御要求量Preqよりも小さい電力がコンバータ10から出力されている。言い換えると、コンバータ10の出力が要求電力に対して不足している状態である。このため、充電装置450からの余剰電力によって第2バッテリ60が充電される。
制御装置100は、時刻T0において初期値を零として偏差dPのなまし処理を開始する。時刻T0から所定時間が経過した時刻T1において、制御装置100は、なまし処理によって得られたなまし値が学習値Lnに加算される。すなわち、学習値Lnは、所定時間毎に更新される。学習値Lnが更新されると、制御装置100は、初期値を零として再びなまし処理を開始する。
制御装置100は、更新された学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。具体的には、制御装置100は、学習値Lnに所定のゲインを乗算して得られた値を指令信号Cmdに加算することによって、指令信号Cmdを補正することができる。
制御装置100は、補正された指令信号Cmdをコンバータ10へ出力する。すると、指令信号Cmdが上昇することによって、コンバータ10の出力電力が上昇する。これにより、実際のコンバータ10の出力電力が制御要求量Preqに近づくこととなる。
同様に、時刻T1から所定時間が経過した時刻T2において、制御装置100は、再び学習値Lnを更新し、更新された学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。すると、指令信号Cmdが再び上昇することによって、コンバータ10の出力電力がさらに上昇する。これにより、実際のコンバータ10の出力電力が制御要求量Preqにさらに近づくこととなる。これにより、第2バッテリ60の入出力電力が目標である零に近づく。
このように、所定時間毎に学習値Lnの更新を繰り返すことによって、実際のコンバータ10の出力電力が制御要求量Preqに徐々に一致する。これにより、制御装置100は、実際にコンバータ10から出力される電力が制御要求量Preqに一致するようにコンバータ10を制御することができる。したがって、第1バッテリ50の充電精度を向上することができる。なお、上記所定時間およびゲインの少なくとも一方を適宜設定することによって、学習値Lnが過学習されることを防止することができる。
図4を参照して、第1バッテリ50への充電が実行されている場合において、学習値の算出処理が開始される(時刻T3)。この時点では、図3に示される場合とは反対に、入力電力Pinが出力電力Poutよりも大きい値となっている。すなわち、センサ誤差に起因して、実際には制御要求量Preqよりも大きい電力がコンバータ10から出力されている。言い換えると、コンバータ10の出力が過多な状態である。このため、不足する電力が第2バッテリ60から出力される。
制御装置100は、時刻T3において初期値を零として偏差dPのなまし処理を開始する。時刻T3から所定時間が経過した時刻T4において、制御装置100は、なまし処理によって得られたなまし値が学習値Lnに加算される。学習値Lnが更新されると、制御装置100は、初期値を零として再びなまし処理を開始する。
制御装置100は、学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。制御装置100は、補正された指令信号Cmdをコンバータ10へ出力する。すると、指令信号Cmdが低下することによって、コンバータ10の出力電力が低下する。これにより、実際のコンバータ10の出力電力が制御要求量Preqに近づくこととなる。
同様に、時刻T4から所定時間が経過した時刻T5において、制御装置100は、再び学習値Lnを更新し、更新された学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。すると、指令信号Cmdが再び低下することによって、コンバータ10の出力電力がさらに低下する。これにより、実際のコンバータ10の出力電力が制御要求量Preqにさらに近づくこととなる。これにより、第2バッテリ60の入出力電力が目標である零に近づく。
図5は、図1に示す制御装置100の充電制御に関する機能ブロック図である。図5を参照して、制御装置100は、接続判定部202と、充電制御部204と、学習部206とを含む。
接続判定部202は、充電ケーブル700のコネクタ702がインレット456に接続されたか否かを判定する。接続判定部202は、コネクタ702がインレット456に接続されているか否かを示す信号を充電制御部204へ出力する。
充電制御部204は、コネクタ702がインレット456に接続されている場合に、第1バッテリ50の充電を開始する。具体的には、充電装置450の制御要求量Pchgおよびコンバータ10の制御要求量Preqを算出する。そして、充電制御部204は、制御要求量Pchgに基づいて充電装置450を制御するための指令信号を生成し、生成した指令信号を充電装置450に送信する。さらに、充電制御部204は、制御要求量Preqに基づいてコンバータ10を制御するための指令信号Cmdを生成し、コンバータ10に送信する。
学習部206は、充電が開始されて充電状態が安定すると、偏差dPのなまし処理を開始する。学習部206は、なまし処理を開始してから所定時間が経過すると、学習値Lnを更新する。学習部206は、更新された学習値Lnを充電制御部204へ出力する。
充電制御部204は、学習部206から受けた学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。充電制御部204は、補正された指令信号Cmdをコンバータ10へ出力する。
図6は、図1に示す制御装置100が実行する充電制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。なお、図6に示されるフローチャート中の各ステップについては、制御装置100に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期もしくは所定の条件が成立したことに応答して実行されることによって実現される。あるいは、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図6を参照して、制御装置100は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、充電ケーブル700のコネクタ702がインレット456に接続されたか否かを判定する。コネクタ702がインレット456に接続されていないと判定された場合は(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
コネクタ702がインレット456に接続されたと判定された場合は(S100にてYES)、制御装置100は、CHR72をオフ状態からオン状態に切り換える(S102)。
続いてS104にて、制御装置100は、第1バッテリ50の充電を開始する。具体的には、制御装置100は、充電装置450の制御要求量Pchgおよびコンバータ10の制御要求量Preqを算出する。そして、制御装置100は、制御要求量Pchgに基づいて充電装置450を制御するための指令信号を生成し、生成した指令信号を充電装置450に送信する。さらに、制御装置100は、制御要求量Preqに基づいてコンバータ10を制御するための指令信号Cmdを生成し、コンバータ10に送信する。
続いてS106にて、制御装置100は、充電状態が安定しているか否かを判定する。具体的には、第1バッテリ50の充電を開始してから所定時間が経過したとき、または充電装置450およびコンバータ10によって充電電力が制御されているときなどに、制御装置100は、充電状態が安定していると判定する。充電状態が安定していないと判定された場合は(S106にてNO)、処理はS106に戻される。
充電状態が安定していると判定された場合は(S106にてYES)、制御装置100は、偏差dPのなまし処理を開始する(S108)。
続いてS110にて、制御装置100は、なまし処理を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。なまし処理を開始してから所定時間が経過していないと判定された場合は(S110にてNO)、処理はS110に戻される。
なまし処理を開始してから所定時間が経過したと判定された場合は(S110にてYES)、制御装置100は、学習値Lnを更新する(S112)。制御装置100は、更新された学習値Lnに基づいて指令信号Cmdを補正する。制御装置100は、補正された指令信号Cmdをコンバータ10へ出力する。
続いてS114にて、制御装置100は、充電終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、第1バッテリ50のSOCが所定値を上回ったときに、制御装置100は、充電終了条件が成立したと判定する。充電終了条件が成立していないと判定された場合は(S114にてNO)、処理はS108に戻される。
充電終了条件が成立したと判定された場合は(S114にてYES)、制御装置100は、第1バッテリ50の充電を終了する(S116)。具体的には、制御装置100は、コンバータ10および充電装置450の動作を停止するとともに、CHR72をオフ状態にする。
以上のように、この実施の形態においては、入出力電力PB2および出力電力Pcの合計値と、出力電力Pcとの偏差に基づいて学習値Lnが算出される。そして、コンバータ10を制御するための制御信号が学習値Lnにより補正される。これにより、電流センサ302および電圧センサ304の検出誤差の影響を抑制することができる。したがって、この実施の形態によれば、第1バッテリ50の充電の精度を向上することができる。なお、学習値Lnによる上記制御信号の補正は、指令信号Cmdを補正することによって実行されるが、コンバータ10を制御するためのセンサ値を補正することにより実行されてもよい。
また、この実施の形態においては、補機負荷802は、コンバータ10に対して第1バッテリ50と並列に接続される。これにより、補機負荷802が電力を消費する場合であっても、外部電源710によって第1バッテリ50を精度良く充電することができる。
なお、この実施の形態においては、コンバータ10の出力電力が予め定められた値よりも大きいときに、学習値Lnを更新してもよい。この場合、コンバータ10の出力電力が低い場合におけるセンサ誤差の影響の拡大を抑制することができる。
なお、この実施の形態においては、第1バッテリ50の押し込み充電が実行されているとき、または車両に搭載された電動エアコンが作動しているときに、学習値の更新を停止してもよい。この場合、コンバータ10の出力電力が低い場合および出力電力の変動がある場合のセンサ誤差の拡大を抑制することができる。
なお、この実施の形態においては、所定時間毎に学習値を更新するものとしたが、なまし値が所定値を上回ったときに学習値を更新するものとしてもよい。
なお、上記において、第1バッテリ50は、この発明における「第1の蓄電装置」に対応し、第2バッテリ60は、この発明における「第2の蓄電装置」に対応する。また、電流センサ302および電圧センサ304は、この発明における「第1の検出部」に対応し、電流センサ602および電圧センサ604は、この発明における「第2の検出部」に対応する。また、電流センサ452および電圧センサ454は、この発明における「第3の検出部」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。