JP5958058B2 - オイルシール構造及び過給機 - Google Patents

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本発明は、過給機のタービン側のオイルシール構造及び過給機に関する。
従来、舶用、自動車用等の内燃機関では、その排気エネルギーを利用して駆動させられ、内燃機関の給気圧力を高めて内燃機関の出力を増大させるターボチャージャ(過給機)が知られている。
過給機は、一般にベアリングハウジングを挟んで配置された圧縮機(コンプレッサ)とタービンとからなり、圧縮機はコンプレッサインペラを、タービンはタービンインペラをそれぞれ内蔵している。コンプレッサインペラとタービンインペラとは、ベアリングハウジングで支持された連結軸(シャフト)によって互いに連結されている。これにより、エンジン等の内燃機関の排ガスでタービンインペラが回転駆動され、この回転力が連結軸によってコンプレッサインペラに伝達され、コンプレッサインペラで空気が圧縮されて、内燃機関への給気圧力が高められるようになっている。すなわち、過給されるようになっている。
このような過給機では、軸受ユニットを潤滑する潤滑油がタービン側の排ガスに混入すると潤滑油が消耗し、さらに潤滑油が燃焼して白煙が発生する問題があった。そこで、過給機のオイルシール性能を向上し、油漏れを防止する手段として、例えばタービン軸に設けられた円板状のスリンガの上部に堰部を設け、これによって潤滑油がタービン側の排ガスに混入するのを防止したオイルシール構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−289052号公報
しかしながら、前記のオイルシール構造では、スリンガの上部のみに堰部を設けているので、軸受部から吹き出る潤滑油を防ぎきれず、タービンインペラまで潤滑油が漏れる可能性が高く、潤滑油の消耗、白煙の発生を十分に抑制できなかった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる、過給機のタービン側のオイルシール構造、及び過給機を提供することにある。
本発明のオイルシール構造は、タービンインペラを一端に有するタービン軸と、軸受を有し該軸受によって前記タービン軸を回転可能に支持するベアリングハウジングと、を備えた過給機のタービン側のオイルシール構造であって、
前記タービンインペラと前記ベアリングハウジングとの間に挿入されて、これらの間をシールする円環状のシールリングと、
前記タービンインペラの前記シールリングが挿入された位置より前記軸受側に設けられた円環状の鍔部と、
前記タービン軸の前記鍔部より前記軸受側に設けられた円環状のスリンガと、
前記ベアリングハウジングの、少なくとも前記鍔部から前記スリンガまでに対向する位置に形成されたオイル切り空間部と、
前記オイル切り空間部の前記スリンガ側の内側壁の外周側が前記鍔部側の内側壁側に突出したことにより、前記スリンガの少なくとも一部に対向する段差面を形成した第1堰部と、
前記オイル切り空間部の前記鍔部側の内側壁の内周側が前記スリンガ側の内側壁側に突出したことにより、前記オイル切り空間部の外周面に対向する段差面を形成するとともに、前記鍔部の少なくとも一部に対向する第2堰部と、を備えることを特徴とする。
また、前記オイルシール構造において、前記第2堰部の段差面は、前記第1堰部の段差面より前記タービン軸側に位置させられていることが好ましい。
また、前記オイルシール構造において、前記第2堰部には、その前記第1堰部側に向く面に、周方向に沿って凹部が形成されていることが好ましい。
本発明の過給機は、内燃機関から排出される燃焼ガスの流動エネルギーを回転駆動力に変換するタービン部と、該タービン部にタービン軸を介して接続されて、該タービン部の回転駆動力により駆動され気体を圧縮して前記内燃機関に供給する圧縮部とを備える過給機であって、前記オイルシール構造を備えることを特徴とする。
本発明のオイルシール構造によれば、鍔部からスリンガまでに対向する位置に形成されたオイル切り空間部に、スリンガの少なくとも一部に対向する段差面を形成した第1堰部と、オイル切り空間部の外周面に対向する段差面を形成するとともに、鍔部の少なくとも一部に対向する第2堰部とを備えているので、軸受側から漏れ出、スリンガの遠心力によってオイル切り空間部に飛散してきた潤滑油を、第1堰部の段差面で堰き止め、シールリング側に飛散するのを抑制することができる。また、第1堰部の外側を通ってオイル切り空間部内に流入した潤滑油については、特にオイル切り空間部の外周面に衝突し、跳ね返ってタービン軸側に飛散する潤滑油に対しては第2堰部の段差面でその勢いを弱め、シールリング側に飛散するのを抑制することができる。さらに、オイル切り空間部の外周面に衝突することなく、直接鍔部側に飛散してくる潤滑油に対しても、第2堰部が鍔部の少なくとも一部に対向し、したがって鍔部の外周を覆っているので、シールリング側に飛散するのを抑制することができる。
よって、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる。
また、本発明の過給機によれば、前記オイルシール構造を備えることにより、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる。
本発明に係るオイルシール構造を備えた過給機の概略構成図である。 図1の要部拡大図であり、本発明のオイルシール構造の第1実施形態を示す図である。 図2のA−A線矢視断面図である。 本発明のオイルシール構造の第2実施形態を示す要部拡大図である。 本発明のオイルシール構造の第3実施形態を示す要部拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るオイルシール構造及びこれを備えた過給機の実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明に係るオイルシール構造を備えた過給機の概略構成図であり、図1において符号10は過給機である。この過給機10は、内燃機関(図示せず)から排出される燃焼ガスの流動エネルギーを回転駆動力に変換し、この回転駆動力を用いて圧縮された空気を内燃機関に供給することで、内燃機関の性能(出力や燃費等)を向上させるものであり、タービン軸12、コンプレッサインペラ14、ベアリングハウジング16等を備えて構成されている。なお、図1では、タービンハウジング及びコンプレッサハウジングについては、図示を省略している。
タービン軸12は、タービンインペラ11を一端(図1中左端)に有した回転軸である。本実施形態では、タービンインペラ11はタービン軸12に一体的に形成されているが、本発明はこれに限定されず、タービンインペラ11を別に取り付ける構成であってもよい。
コンプレッサインペラ14は、タービン軸12の他端(図1中右端)に、軸端ナット(図示せず)によって一体に回転するよう、連結されている。
ベアリングハウジング16は、ラジアル軸受17(軸受)を有しており、該ラジアル軸受17によってタービン軸12を回転可能に支持している。ラジアル軸受17は、タービン側とコンプレッサ側の軸受メタルであり、好ましくは中空円筒形のフローティングメタル、又はセミフローティングメタルである。また、タービン軸12は、スラスト軸受20によって軸方向に移動しないように支持されている。スラスト軸受20は、タービン軸12と共に回転する円板状の1対のスラストカラー20aと、スラストカラー20aの間に把持されてベアリングハウジング16に固定されたスラストベアリング20bと、からなっている。
このような構成によって過給機10は、エンジン(内燃機関)の排ガスでタービンインペラ11を回転駆動し、この回転力をタービン軸12を介してコンプレッサインペラ14に伝達し、コンプレッサインペラ14で空気を圧縮してエンジンに過給するようになっている。
以下、コンプレッサ側の構造は説明を省略する。
図2は図1の要部拡大図であり、本発明のオイルシール構造の第1実施形態を示す図である。
ベアリングハウジング16には、タービン軸12を収容、保持するための内部孔16aが設けられており、この内部孔16aのタービンインペラ11側は、該タービンインペラ11とタービン軸12との連結部、すなわちタービン軸12の側端部を回転可能に収容するタービン側開口部16bとなっている。
このタービン側開口部16b内には、ベアリングハウジング16とタービンインペラ11の端部(タービン軸12側の端部)との間に、これらの間をシールする円環状のシールリング19が挿入されている。
また、タービンインペラ11の前記シールリング19が挿入された位置より前記ラジアル軸受17側、本実施形態ではタービン軸12の側端部に、タービン軸12の軸心を中心とする円環状の鍔部21が設けられている。
さらに、タービン軸12の、鍔部21より前記ラジアル軸受17側には、円環状のスリンガ22が設けられている。スリンガ22は、鍔部21に隣接して配置された外周溝形成部22aと、この外周溝形成部22aに連接し、かつタービン軸12の外径より大径の円環部22bとを有したもので、円環部22bの外周部が外周溝形成部22aより外側に位置するよう、円環部22bの方が外周溝形成部22aに比べて大径に形成されている。
また、ベアリングハウジング16には、前記タービン側開口部16bに隣接して、オイル切り空間部23が形成されている。オイル切り空間部23は、鍔部21からスリンガ22に至るまでの間、さらにスリンガ22よりさらにラジアル軸受17側までの一部の箇所に対向する位置に、形成された略円環状の空間部である。
このオイル切り空間部23は、スリンガ22よりさらにラジアル軸受17側に位置する箇所にて、ベアリングハウジング16の内部孔16aに連通している。したがって、ラジアル軸受17を潤滑する潤滑油が内部孔16aを通ってタービンインペラ11側に漏れ出ようとした際、潤滑油は、まずオイル切り空間部23に向かうようになっている。
オイル切り空間部23には、第1堰部24と第2堰部25とが設けられている。第1堰部24は、オイル切り空間部23のスリンガ22側に形成されたもので、スリンガ22側の内側壁23aの外周側(オイル切り空間部23の外周面23b側)が、鍔部21側の内側壁23c側に突出して形成された略環状の部位である。このようにスリンガ22側の内側壁23aの外周側が突出していることにより、この第1堰部24は、スリンガ22の半径方向外方に位置してこのスリンガ22の外周面、本実施形態ではスリンガ22の一部である円環部22bに対向する、段差面24aを形成している。
第2堰部25は、オイル切り空間部23の鍔部21側に形成されたもので、鍔部21側の内側壁23cの内周側(オイル切り空間部23の外周面23bと反対の側)が、スリンガ22側の内側壁23a側に突出して形成された略環状の部位である。このように鍔部21側の内側壁23cの内周側が突出していることにより、この第2堰部25は、オイル切り空間部23の外周面23bに対向する段差面25aを形成している。また、鍔部21の半径方向外方に位置して、この鍔部21の外周面の少なくとも一部に対向している。すなわち、この第2堰部25は、鍔部21の外周面に対して僅かな隙間をあけて配置されている。
ここで、本実施形態では、図2に示したように第2堰部25の段差面25aは、タービン軸12の半径方向において第1堰部24の段差面24aとほぼ同じレベル(距離)に形成されている。
オイル切り空間部23の下方は、図1に示すように潤滑油の排出流路15に開放されている。したがって、オイル切り空間部23に流入(飛散)した潤滑油のほとんどは、後述するようにオイル切り空間部23を流れ出て、排出流路15に排出されるようになっている。
なお、この過給機10では、シールリング19より半径方向外方において、タービンインペラ11とベアリングハウジング16の間に遮熱板26が設けられている。遮熱板26は、ベアリングハウジング16のタービンインペラ11側に向く面に取り付けられた円環状のもので、高熱のタービンハウジング側から、冷却されることで比較的低温となっているベアリングハウジング16側に熱が伝わるのを抑制するものである。
このような構成の過給機10におけるオイルシール構造にあっては、オイル切り空間部23に第1堰部24、第2堰部25を形成したことにより、ラジアル軸受17からタービン側へ漏れ出る潤滑油が、シールリング19を超えてタービン側へ漏れるのを確実に抑制することができる。
すなわち、ラジアル軸受17からタービン側へ漏れ出た潤滑油の大半は、内部孔16aを通ってスリンガ22の円環部22bに衝突し、この円環部22bの回転による遠心力によって半径方向外方、すなわちオイル切り空間部23に向けて飛散させられる。このようにしてオイル切り空間部23に飛散してきた潤滑油は、スリンガ22の円環部22bに対向する第1堰部24の段差面24aで堰き止められ、跳ね返されることにより、シールリング19側に飛散するのが抑制される。その結果、跳ね返された潤滑油は下方に落下し、オイル切り空間部23を流れ出て排出流路15に排出される。
また、円環部22bの回転による遠心力によってオイル切り空間部23に飛散した潤滑油の一部は、図2中矢印で示すように段差面24aに衝突することなく、したがってこれに跳ね返されることなくオイル切り空間部23の外周面23bにまで飛散する。そして、図2のA−A線矢視断面図である図3中に矢印で示すように、外周面23bで跳ね返され、再度タービン軸12側(鍔部21側)に飛散する。その際、跳ね返された潤滑油は、図2、図3中に矢印で示すように第2堰部25の段差面25aに衝突することにより、その勢いが弱められ、段差面25aの周方向に沿って流れ落ちることにより、シールリング19側に飛散するのが抑制される。その結果、段差面25aを流れ落ちた潤滑油は下方に落下し、オイル切り空間部23を流れ出て排出流路15に排出される。
さらに、オイル切り空間部23の外周面23bに衝突することなく、直接鍔部21側に飛散してくる潤滑油は、鍔部21とこれの外周を覆っている第2堰部25との間を通り抜けることなく、いずれかに衝突することにより、シールリング19側に飛散するのが抑制される。その結果、この潤滑油も下方に落下し、オイル切り空間部23を流れ出て排出流路15に排出される。
したがって、本実施形態のオイルシール構造によれば、オイル切り空間部23に第1堰部24と第2堰部25とを備えたことにより、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる。
また、このようなオイルシール構造を備えた過給機10にあっては、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる、優れたものとなる。
図4は、本発明のオイルシール構造の第2実施形態を示す要部拡大図である。
図4に示したオイルシール構造が、図2に示したオイルシール構造と異なるところは、図2に示したオイルシール構造では第2堰部25の段差面25aと第1堰部24の段差面24aとがほぼ同じレベルに形成されているのに対し、図4に示したオイルシール構造では、第2堰部30の段差面30aが、第1堰部24の段差面24aよりタービン軸12側に位置させられている点である。
すなわち、本実施形態では、図4に示すように第2堰部30が、図2に示した第2堰部25に比べ、鍔部11側の内側壁23cの、より内周側(オイル切り空間部23の外周面23bと反対の側)だけが突出して形成されている。このようにオイル切り空間部23の外周面23bと反対の側、すなわち鍔部21側に偏って形成されていることにより、第2堰部30の段差面30aは、第1堰部24の段差面24aよりタービン軸12側、つまり鍔部21側に位置させられている。
本実施形態のオイルシール構造にあっては、オイル切り空間部23に第1堰部24、第2堰部30を形成するとともに、第2堰部30の段差面30aを、第1堰部24aの段差面24aよりタービン軸12側(鍔部21側)に位置させているので、ラジアル軸受17からタービン側へ漏れ出る潤滑油が、シールリング19を超えてタービン側へ漏れるのをより確実に抑制することができる。
すなわち、オイル切り空間部23に飛散する潤滑油の一部は、第1堰部24の段差面24aで堰き止められ、跳ね返されるが、跳ね返された潤滑油の一部は、図4中矢印で示すようにオイル切り空間部23の内側壁23c側に飛散する。その際、第2堰部30の段差面30aが第1堰部24の段差面24aより鍔部21側に位置させられているので、内側壁23c側に飛散した潤滑油の一部は、第2堰部30の段差面30aに衝突する。その結果、段差面30aに衝突した潤滑油はその勢いが弱められ、シールリング19側に飛散するのが抑制される。これにより、段差面30aに衝突した潤滑油は例えば段差面30aを流れ落ちて下方に落下し、オイル切り空間部23を流れ出て排出流路15に排出される。
その他の潤滑油の流れは、第1実施形態と概ね同じである。
したがって、本実施形態のオイルシール構造によれば、オイル切り空間部23に第1堰部24、第2堰部30を形成するとともに、第2堰部30の段差面30aを、第1堰部24aの段差面24aよりタービン軸12側(鍔部21側)に位置させているので、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる。
また、このようなオイルシール構造を備えた過給機にあっては、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる、優れたものとなる。
なお、本実施形態では、第1実施形態に対して第2堰部30を鍔部21側に形成することにより、第2堰部30の段差面30aを第1堰部24の段差面24aより鍔部21側に位置させているが、逆に、第1実施形態に対して第1堰部をオイル切り空間部23の外周面23b側に形成することにより、第2堰部の段差面を第1堰部の段差面より鍔部21側に位置させるようにしてもよい。
図5は、本発明のオイルシール構造の第3実施形態を示す要部拡大図である。
図5に示したオイルシール構造が図2に示したオイルシール構造と異なるところは、図5に示したオイルシール構造では第2堰部25に凹部31が形成されている点である。
すなわち、本実施形態では、図5に示すように第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bに、その周方向、すなわち鍔部21の外周に沿うようにして、溝状の凹部31が形成されている。本実施形態では、図5に示すように凹部31の断面形状は半円状になっている。ただし、凹部31の断面形状は半円状に限ることなく、V字状やU字状など種々の形状が採用可能である。また、その開口幅については、特に限定されないものの、第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bの幅の、1/4〜1/2程度であるのが好ましい。また、深さについても特に限定されないものの、第2堰部25の突出高さの、1/10〜1/2程度であるのが好ましい。
本実施形態のオイルシール構造にあっては、オイル切り空間部23に第1堰部24、第2堰部30を形成するとともに、第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bに溝状の凹部31を形成しているので、ラジアル軸受17からタービン側へ漏れ出る潤滑油が、シールリング19を超えてタービン側へ漏れるのをより確実に抑制することができる。
すなわち、オイル切り空間部23に飛散する潤滑油の一部は、第1堰部24の段差面24aで堰き止められ、跳ね返されるが、跳ね返された潤滑油の一部は、図5中矢印で示すようにオイル切り空間部23の内側壁23c側に飛散し、第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bに衝突する。その際、面25bに衝突した潤滑油の一部は、該面25bに形成された凹部31内に衝突することでその勢いが弱められ、シールリング19側に飛散するのが抑制される。これにより、凹部31内に衝突した潤滑油は下方に落下し、オイル切り空間部23を流れ出て排出流路15に排出される。
その他の潤滑油の流れは、第1実施形態と概ね同じである。
したがって、本実施形態のオイルシール構造によれば、オイル切り空間部23に第1堰部24、第2堰部30を形成するとともに、第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bに溝状の凹部31を形成しているので、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる。
また、このようなオイルシール構造を備えた過給機にあっては、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量を大幅に低減することができる、優れたものとなる。
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に第2堰部25の段差面25aを第1堰部24の段差面24aとほぼ同じレベルに位置させているが、第2実施形態のように、第2堰部の段差面を第1堰部24の段差面24aより鍔部21側に位置させてもよい。また、図5中破線二点鎖線で示すように、逆に、第2堰部25の段差面25aを第1堰部24の段差面24aよりオイル切り空間部23の外周面23b側に位置させるようにしてもよい。
このように、第2堰部25の段差面25aを第1堰部24の段差面24aよりオイル切り空間部23の外周面23b側に位置させた場合には、凹部31についても、オイル切り空間部23の外周面23b側に位置させる。このように構成すると、オイル切り空間部23に飛散し、第1堰部24の段差面24aで堰き止められて跳ね返された潤滑油は、第2堰部25の第1堰部24側に向く面25bにより衝突し易くなり、凹部31内にもより衝突し易くなる。これにより、第1堰部24の段差面24aで堰き止められて跳ね返された潤滑油は、その多くが凹部31によって勢いが弱められ、シールリング19側に飛散するのが抑制される。よって、タービン側へ漏れ出る潤滑油の量が大幅に低減する。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、前記凹部31については、一つでなく、複数形成するようにしてもよい。また、前記面25bに独立した小さな凹部を多数形成し、これによって該面25bを凹凸面とすることで、該面25bに衝突する潤滑油の勢いを吸収し、シールリング19側に飛散するのを抑制するようにしてもよい。
10…過給機、11…タービンインペラ、12…タービン軸、16…ベアリングハウジング、17…ラジアル軸受(軸受)、19…シールリング、21…鍔部、22…スリンガ、23…オイル切り空間部、23a…スリンガ側の内側壁、23b…外周面、23c…鍔部側の内側壁、24…第1堰部、24a…段差面、25…第2堰部、25a…段差面、25b…面、30…第2堰部、30a…段差面、31…凹部

Claims (3)

  1. タービンインペラを一端に有するタービン軸と、軸受を有し該軸受によって前記タービン軸を回転可能に支持するベアリングハウジングと、を備えた過給機のタービン側のオイルシール構造であって、
    前記タービンインペラと前記ベアリングハウジングとの間に挿入されて、これらの間をシールする円環状のシールリングと、
    前記タービンインペラの前記シールリングが挿入された位置より前記軸受側に設けられた円環状の鍔部と、
    前記タービン軸の前記鍔部より前記軸受側に設けられた円環状のスリンガと、
    前記ベアリングハウジングの、少なくとも前記鍔部から前記スリンガまでに対向する位置に形成されたオイル切り空間部と、
    前記オイル切り空間部の前記スリンガ側の内側壁の外周側が前記鍔部側の内側壁側に突出したことにより、前記スリンガの少なくとも一部に対向する段差面を形成した第1堰部と、
    前記オイル切り空間部の前記鍔部側の内側壁の内周側が前記スリンガ側の内側壁側に突出したことにより、前記オイル切り空間部の外周面に対向する段差面を形成するとともに、前記鍔部の少なくとも一部に対向する第2堰部と、を備え
    前記第2堰部には、その前記第1堰部側に向く面に、周方向に沿って凹部が形成されていることを特徴とするオイルシール構造。
  2. 前記第2堰部の段差面は、前記第1堰部の段差面より前記タービン軸側に位置させられていることを特徴とする請求項1記載のオイルシール構造。
  3. 内燃機関から排出される燃焼ガスの流動エネルギーを回転駆動力に変換するタービン部と、該タービン部にタービン軸を介して接続されて、該タービン部の回転駆動力により駆動され気体を圧縮して前記内燃機関に供給する圧縮部とを備える過給機であって、
    請求項1又は2に記載のオイルシール構造を備えることを特徴とする過給機。
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