JP5957588B1 - 縦型セラミック押出成形機 - Google Patents
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Abstract
【課題】押出シリンダーが多数のセラミック供給口を有するセラミック押出成形機において、押出シリンダー内のセラミック坏土の密度不均一を低減し、これにより当該密度不均一によるセラミック成形品の歪み・変形を可及的に低減して、成形品の押出成形精度を大幅に向上させる方法の提供。【解決手段】セラミック押出成形機のセラミック導入路1と各セラミック供給口11、12とを繋ぐセラミック流通路を構成する分岐路と枝路に各々流動抵抗体A〜Fを設け、流動抵抗体A〜Fが各々調整手段5を備え、調整手段5により流動抵抗体A〜Fによる流動抵抗を調整することで各セラミック供給口11,12におけるセラミック坏土の流速を調整でき、金型から押し出される成形体の表面を目視しながら流動抵抗体A〜Fの調整手段を操作して流動抵抗体A〜Fによりセラミック流れに与える流動抵抗を調整し、これにより押出シリンダー内の坏土の密度不均一を低減する方法。【選択図】図2
Description
この出願の発明(本願発明)はセラミック押出成形装置の縦型セラミック押出成形機に関するものでありセラミック成形品を安定的に連続成形できるものであって、押出シリンダーのシリンダー(押出室)内セラミック坏土、殊に、スクリューを備えていないシリンダー内セラミック坏土の密度の不均一を低減し、当該密度不均一による成形品の歪み・変形を小さくして成形精度を高めることができるものである。
セラミック押出成形品は、押出シリンダーのシリンダー内セラミック坏土の密度が部分的に不均一であると、押出成形時に歪み・変形を生じ、また乾燥時に歪み・変形を生じ、さらに焼成時にも歪み・変形を生じる。そして、これが押出成型品の成形精度に係わる大きな問題である。
スクリューを備えていない縦型セラミック押出成形機について、セラミック坏土が単一の供給口から上記シリンダー(押出し室)に供給されることによって生じるシリンダー内セラミック坏土の密度不均一の問題、この密度不均一による成形品の歪み・変形の問題を、多数の供給口を設けて多方向から供給するようにして低減する発明(本出願人の特許出願に係るもの)が特許文献1に記載されている。
本願発明は、上記特許文献1に記載されている発明(従来技術)を前提として、これを改良したものである。
スクリューを備えていない縦型セラミック押出成形機について、セラミック坏土が単一の供給口から上記シリンダー(押出し室)に供給されることによって生じるシリンダー内セラミック坏土の密度不均一の問題、この密度不均一による成形品の歪み・変形の問題を、多数の供給口を設けて多方向から供給するようにして低減する発明(本出願人の特許出願に係るもの)が特許文献1に記載されている。
本願発明は、上記特許文献1に記載されている発明(従来技術)を前提として、これを改良したものである。
ところで、スクリューによる混練装置で混練されたセラミック坏土を押出成形機に供給してセラミック成形体を押出成形するセラミック押出成形機には縦型のものと横型のものがあり、これは押出シリンダーの下端の金型から押し出されたセラミック成形体が垂直方向下方に伸びていくので、横型のもののように自重で自然に歪み・変形する(曲がる等)という問題はない。
近年、押出成形機によるセラミック成形品について高い成形精度が求められるようになってきたが、その成形精度を左右する一つの原因として金型から押し出されるシリンダー内セラミック坏土の密度の部分的な不均一がある。そしてまた、セラミック坏土の密度の部分的不均一のためにセラミック成形体(以下、単に成形体ともいう)の歪み・変形が生じ、そしてまた当該セラミック成形体から切り出されたセラミック成形品(以下、成形品ともいう)におけるセラミック密度の不均一のために成形品の乾燥工程、焼成工程で歪み・変形を生じ、このために成形品の形状の精度が大きく損なわれるという問題がある。このようなことから、シリンダー(図4参照)内セラミック坏土の密度を均一にして、密度が均一で高精度の押出成形品を成形することが強く求められている。
〔用語の説明〕
本願発明の詳細説明に先だって本願明細書における主要な用語について説明する。
1)セラミック導入路:セラミック混練装置から押出成形機のセラミック供給路にセラミック坏土を圧入する導入路
2)セラミック供給路:セラミック導入路とセラミック供給口とを結ぶ流路であって、分岐路2と半径方向流路30及び枝路30a又は30b等とによるもの(図6(a)参照)。
3)分岐路:セラミック導入路から二股に分岐された流路
4)枝路:分岐路の端末から半径方向流路(押出シリンダーの水平断面における半径方向の流路)を介して枝分かれしていて1つのセラミック供給口まで延びている流路
5)セラミック供給口:押出シリンダーのシリンダーに開口していて当該シリンダーにセラミック坏土を供給する供給口
6)セラミック流通径路:セラミック導入路から各セラミック供給口に至るセラミックの流通径路(図6(b)参照)。すなわち、図6(b)におけるf0→f→f1の経路、f0→f→f2の経路、g0→g→g1の経路、g0→g→g2の経路等。
7)流動抵抗体:セラミック流路にその先端部が突出してセラミック坏土の流れに抵抗を与える抵抗体
8)抵抗ピン:流動抵抗体の先端のピン状凸部であって、セラミック流路に突出するもの
9)堰板:流動抵抗体の先端の堰板であって、セラミック流路に突出するもの
10)供給口のセラミック流速:供給口からシリンダーに流入するセラミック流の流速
11)供給口のセラミック流速の不均一:多数の供給口のセラミック流速間の不均一
11)密度分布:一断面内での密度分布
12)流速分布:一断面内での流速分布
13)密度の不均一:密度が均一でない有様
14)流速の不均一:流速が均一でない有様
15)セラミック成形体:金型から押し出されて所定形状に成形された成形体
16)セラミック成形品:成形体を切断して切り出された所定長さの成形品
本願発明の詳細説明に先だって本願明細書における主要な用語について説明する。
1)セラミック導入路:セラミック混練装置から押出成形機のセラミック供給路にセラミック坏土を圧入する導入路
2)セラミック供給路:セラミック導入路とセラミック供給口とを結ぶ流路であって、分岐路2と半径方向流路30及び枝路30a又は30b等とによるもの(図6(a)参照)。
3)分岐路:セラミック導入路から二股に分岐された流路
4)枝路:分岐路の端末から半径方向流路(押出シリンダーの水平断面における半径方向の流路)を介して枝分かれしていて1つのセラミック供給口まで延びている流路
5)セラミック供給口:押出シリンダーのシリンダーに開口していて当該シリンダーにセラミック坏土を供給する供給口
6)セラミック流通径路:セラミック導入路から各セラミック供給口に至るセラミックの流通径路(図6(b)参照)。すなわち、図6(b)におけるf0→f→f1の経路、f0→f→f2の経路、g0→g→g1の経路、g0→g→g2の経路等。
7)流動抵抗体:セラミック流路にその先端部が突出してセラミック坏土の流れに抵抗を与える抵抗体
8)抵抗ピン:流動抵抗体の先端のピン状凸部であって、セラミック流路に突出するもの
9)堰板:流動抵抗体の先端の堰板であって、セラミック流路に突出するもの
10)供給口のセラミック流速:供給口からシリンダーに流入するセラミック流の流速
11)供給口のセラミック流速の不均一:多数の供給口のセラミック流速間の不均一
11)密度分布:一断面内での密度分布
12)流速分布:一断面内での流速分布
13)密度の不均一:密度が均一でない有様
14)流速の不均一:流速が均一でない有様
15)セラミック成形体:金型から押し出されて所定形状に成形された成形体
16)セラミック成形品:成形体を切断して切り出された所定長さの成形品
〔従来技術〕
この発明の前提となる上記従来技術は、図4、図5、図6に記載されているものである。これは押出シリンダーがスクリュー等の攪拌手段を備えていないので、セラミック坏土は、混練装置からシリンダーに供給されてからは攪拌されることなしにそのまま金型から押し出されることになる。したがって、セラミック供給口から供給されたセラミック坏土のシリンダー内での密度が部分的に不均一であれば、不均一のままで金型から押し出されることになる。そこで、シリンダー内セラミック坏土の密度不均一を低減するために、セラミック供給口を多数にして押出シリンダーの全周から均等にセラミックが供給されるようにすることによって、シリンダー内セラミック坏土の密度分布を改善したのがこの従来技術である(特許文献1)。
この発明の前提となる上記従来技術は、図4、図5、図6に記載されているものである。これは押出シリンダーがスクリュー等の攪拌手段を備えていないので、セラミック坏土は、混練装置からシリンダーに供給されてからは攪拌されることなしにそのまま金型から押し出されることになる。したがって、セラミック供給口から供給されたセラミック坏土のシリンダー内での密度が部分的に不均一であれば、不均一のままで金型から押し出されることになる。そこで、シリンダー内セラミック坏土の密度不均一を低減するために、セラミック供給口を多数にして押出シリンダーの全周から均等にセラミックが供給されるようにすることによって、シリンダー内セラミック坏土の密度分布を改善したのがこの従来技術である(特許文献1)。
そしてこの従来技術におけるシリンダーs(図5参照)へのセラミック供給路は図5に示しているとおりである。そして、これはセラミック導入路1から二股に分岐された分岐路2(又は分岐路3。以下同じ)と、当該分岐路2の端末の半径方向流路30(又は半径方向流路40)と、当該半径方向流路2から枝分かれした枝路30a,30b(又は枝路40a,40b。以下同じ)によるものであり、上記枝路30a,30bの端末にそれぞれセラミック供給口31,32(又は供給路41,42。以下同じ)がある。そして、セラミック導入路1から圧入されたセラミック坏土は分岐路2、半径方向流路30(又は半径方向流路40。以下同じ)、枝路30a,30b(又は枝路40a,40b)を経てセラミック供給口31,32(又はセラミック供給口41,42。以下同じ)からシリンダーsに所定圧力で供給される。
なお、この従来技術ではセラミック供給口31,32(又はセラミック供給口41,42)の縦幅w2(枝路内の流れ方向の幅)が半径方向流路30の縦幅w1(分岐路内の流れ方向)に比して著しく広くなっている。このためにセラミック供給口31,32からシリンダーsに供給されるセラミック流れh,iの幅は広く、その分だけ流速が低下されており、4方からの流れh,i,l,mが比較的低速(幅が狭いものに比して低速)でシリンダーに流入して拡散しながらシリンダーsの中心に向かって流れる。
〔従来技術の問題点〕
従来技術の押出成形機における分岐路2のセラミック流れ(図6(a),(b)参照)の内側(半径方向内側)の流れf0は半径方向流路30の内側(折れ曲がりの内側)の流れfとなって枝路30aに入り、そして、枝路30aの内側(供給口に向かう折れ曲がりの内側)の流れf2は流れh1となって供給口31からシリンダーsに流入し、他方、枝路30aの外側の流れf1は流れh2となって供給口31からシリンダーsに流入する。
また、分岐路2の外側の流れg0は半径方向流路30の外側の流れgとなって枝路30bに入り、そして、枝路30bの内側の流れg2は流れi1となって供給口32からシリンダーsに流入し、他方、枝路30bの外側の流れg1は流れi2となって供給口32からシリンダーsに流入する。
このものでは供給口31,32(又は41,42)の周方向の縦幅w2が広いために枝路30aの上流側の流れh1と下流側の流れh2と(又は他の供給口41,42の流れi1とi2)とではその流通経路が大きく異なり、このためにその流速が互いに大きく相違する。
従来技術の押出成形機における分岐路2のセラミック流れ(図6(a),(b)参照)の内側(半径方向内側)の流れf0は半径方向流路30の内側(折れ曲がりの内側)の流れfとなって枝路30aに入り、そして、枝路30aの内側(供給口に向かう折れ曲がりの内側)の流れf2は流れh1となって供給口31からシリンダーsに流入し、他方、枝路30aの外側の流れf1は流れh2となって供給口31からシリンダーsに流入する。
また、分岐路2の外側の流れg0は半径方向流路30の外側の流れgとなって枝路30bに入り、そして、枝路30bの内側の流れg2は流れi1となって供給口32からシリンダーsに流入し、他方、枝路30bの外側の流れg1は流れi2となって供給口32からシリンダーsに流入する。
このものでは供給口31,32(又は41,42)の周方向の縦幅w2が広いために枝路30aの上流側の流れh1と下流側の流れh2と(又は他の供給口41,42の流れi1とi2)とではその流通経路が大きく異なり、このためにその流速が互いに大きく相違する。
したがって、セラミック供給口31又は32からシリンダーsに供給されるセラミック坏土は大きく異なる流通経路を経て流れ、そして異なる流速でシリンダーsに供給されることになる。また、他の分岐路3のセラミック坏土も上記と同様にして半径方向流路40、枝路40a,40bを経て供給口41又は42からシリンダーsに供給されるが、この場合も供給口41又は42から全く異なる流通経路を経て流れ、異なる流速でシリンダーsに供給されることになる。
また、分岐路2、半径方向流路30、枝路30a,30bによるセラミック供給路と、分岐路3、半径方向流路40、枝路40a,40bによる他のセラミック供給路とは、その設計、加工方法は相違しないが、しかし、分岐路2と分岐路3及びその先の枝路等によるセラミック供給路の加工精度等の違いや当該供給路を流れるセラミック坏土の密度の違い等から、上記両供給路における流動抵抗は必ずしも同じでない。このために分岐路2又は3による上記両供給路の流速に微妙な違いが生じることになる。
また、セラミック供給路における流速分布は、その中央(横幅中央)の流速が速く、両壁面近傍が遅い(図6−1(a)参照)。また半径方向流路30(又は40)での流速分布は、分岐路2(又は3)から当該半径方向流路30(又は40)への流れfと流れgの経路及びその距離(流れfと流れgの経路の長さ)が著しく違うために、これらの流速の違いが著しい(図6−1(b)参照)。
そしてまた、セラミック坏土は粘性が高くて壁面との摩擦も大きいが内部摩擦が大きく、また、違う流通経路における流動抵抗が違うために、各セラミック供給口31,32,41,42へのそれぞれの流路における摩擦損失が大きく相違する。このために4つのセラミック供給口31,32,41,42からシリンダーsに供給されるセラミック坏土の速度が不均一であって、各供給口から供給されるセラミック坏土の密度が著しく不均一になる。
そして、多数の供給口から供給されたシリンダーs内セラミックの密度が不均一であるとこのために成形精度が著しく損なわれるのは当業者の技術常識であり、この現象については概略的に次のように言える。
すなわち、上記の流速、密度は、同じ流れにおける相対的な流速、密度のことであり、例えば、拡散や内部摩擦などで流速が低下すると、この流速低下が著しいほど密度の低下が著しくなる。例えば、特許文献2の従来技術では、そのシリンダーに流入したセラミック坏土は拡散しながらその中央に向かって流れるが、拡散して流速が低くなって密度が低くなるのはこのためであり、また、分流した2つの流れの一方が他方よりも流速が低くなると一方の密度が他方より密度が低くなるのもこのためである。そして、流速の差が大きいほどそのセラミック坏土の密度差は大きくなる。
そして、シリンダー内のセラミック坏土の密度が低い部分ほど金型からの押出抵抗は小さいので密度が低い部分ほど押出速度が速い。そして押出速度の差が大きいほどセラミック成形体に生じる歪みや変形は大きい。このような現象の詳細については必要なら一例として特許文献2を参照されたい)。
そして、シリンダー内のセラミック坏土の密度が低い部分ほど金型からの押出抵抗は小さいので密度が低い部分ほど押出速度が速い。そして押出速度の差が大きいほどセラミック成形体に生じる歪みや変形は大きい。このような現象の詳細については必要なら一例として特許文献2を参照されたい)。
従来技術における上記問題、即ち、『多数の供給口からシリンダーsに供給されるセラミック坏土の流速に大きなバラツキを生じることが避けられず、このためにシリンダーs内のセラミック坏土の密度が部分的に不均一になり、この密度不均一のためにセラミック成形品に歪みが生じる』という問題を容易に低減できるようにすることを目的とし、そのために、本発明は、上記従来技術における押出シリンダー51の多数のセラミック流通径路(例えば、セラミック分岐路2、半径方向流路30、及び枝路30a,30bによる供給口31,32への流通径路)における流動抵抗を調整できるようにして、これによって多数の各供給口からシリンダーsに供給されるセラミック流れの流速を容易に調整してシリンダーs内のセラミック坏土の密度の不均一を可及的に低減できるようにすること、これがこの発明の技術的課題である。
(1)技術手段
上記課題を解決するための手段は、押出シリンダーの上端に4つの供給口を備えている上記の縦型セラミック押出成形機を前提として、次の(イ)(ロ)及び(ハ)によるものである。
(イ)セラミック押出成形機のセラミック供給路の分岐路に流動抵抗体をそれぞれ設けていること、
(ロ)押出シリンダーのセラミック供給路の枝路に流動抵抗体をそれぞれ設けていること、
(ハ)上記流動抵抗体の先端部の流路への突出長さを調整する調整手段を備えていること。
上記課題を解決するための手段は、押出シリンダーの上端に4つの供給口を備えている上記の縦型セラミック押出成形機を前提として、次の(イ)(ロ)及び(ハ)によるものである。
(イ)セラミック押出成形機のセラミック供給路の分岐路に流動抵抗体をそれぞれ設けていること、
(ロ)押出シリンダーのセラミック供給路の枝路に流動抵抗体をそれぞれ設けていること、
(ハ)上記流動抵抗体の先端部の流路への突出長さを調整する調整手段を備えていること。
(1)−1.作用
セラミック導入路1から分岐された分岐路2(又は分岐路3)における流動抵抗体を上記調整手段で調整することにより当該分岐路2の流速が2段階で調整され、また、上記の枝路における流動抵抗体を上記調整手段で調整することによって枝路10a(又は10b)の流速が調整される(図2(a)参照)。このことによって各供給口からシリンダーsへの流速が容易かつ適切に調整されてその不均一化が図られる。
そして、流動抵抗体によるセラミック坏土の流れに対する流動抵抗の大きさは上記調整手段によって容易かつ適切に加減されるので、セラミック坏土の物性、成形金型、押出成形速度等の押出成形条件が変更されたときは、これに容易かつ適切に対応できる。したがって、安定的に高い成形精度を常に維持することができる。
セラミック導入路1から分岐された分岐路2(又は分岐路3)における流動抵抗体を上記調整手段で調整することにより当該分岐路2の流速が2段階で調整され、また、上記の枝路における流動抵抗体を上記調整手段で調整することによって枝路10a(又は10b)の流速が調整される(図2(a)参照)。このことによって各供給口からシリンダーsへの流速が容易かつ適切に調整されてその不均一化が図られる。
そして、流動抵抗体によるセラミック坏土の流れに対する流動抵抗の大きさは上記調整手段によって容易かつ適切に加減されるので、セラミック坏土の物性、成形金型、押出成形速度等の押出成形条件が変更されたときは、これに容易かつ適切に対応できる。したがって、安定的に高い成形精度を常に維持することができる。
なお、押出シリンダーの上端に多数の供給口があって互いに均一な流速で供給されるので、シリンダー内のセラミック坏土は上記供給口からの供給圧力によってシリンダー内を一様な速さで押し下げられる。したがって、押出シリンダーにスクリュー等の攪拌手段がなくてもセラミック坏土がシリンダー内の一部で停滞してしまうことはなく、したがって、局部的な停滞に伴って生じるセラミック成形体の品質の低下も避けられる。
なお、押出成型機の設計仕様や使用条件の如何によっては、分岐路2、分岐路3の流動抵抗体は必ずしも必要でない場合もあり得る。
しかし、一般的にはセラミック押出成形装置は、多様なセラミック坏土、多様な金型による押出成形、多様な押出速度等の多様な使用条件で使用に供されるものであるから、各供給口からの供給速度(流速)を容易にかつ精緻に調整できる構成であることが必要である。
したがって、上記のように分岐路と枝路の流動抵抗体によって2段階調整される構成であることが必要でありまた望ましい。
なお、押出成型機の設計仕様や使用条件の如何によっては、分岐路2、分岐路3の流動抵抗体は必ずしも必要でない場合もあり得る。
しかし、一般的にはセラミック押出成形装置は、多様なセラミック坏土、多様な金型による押出成形、多様な押出速度等の多様な使用条件で使用に供されるものであるから、各供給口からの供給速度(流速)を容易にかつ精緻に調整できる構成であることが必要である。
したがって、上記のように分岐路と枝路の流動抵抗体によって2段階調整される構成であることが必要でありまた望ましい。
(2)実施態様
(2)−1.実施態様1
実施態様1は、流動抵抗体が複数の細径ピンによる抵抗ピンを備えているものである。
〔作用〕
実施態様1はセラミック供給路の分岐路又は枝路に流動抵抗体の複数の細径ピンを突出させて流動抵抗を与え、セラミック坏土の高い粘性を利用してセラミック流れに流動抵抗を与えてセラミック坏土の流速を調整するという態様である。このものではセラミック流れに対する抵抗が比較的深い範囲まで与えられる。
そして、セラミック坏土の流れに対する抵抗ピンの進入深さの変化(調整ストローク)に対する流動抵抗の変化が比較的小さいので、調整操作に対する感度を鈍くすることができる。したがって、セラミック坏土の密度の均一化のための調整操作を比較的簡単容易にすることができる。
また、流路内の流れは壁側よりも中央が速いが、流路中央での抵抗ピンによる抵抗を大きくすることによって中央の流速と壁側の流速の差違を小さくすることができる。
(2)−1.実施態様1
実施態様1は、流動抵抗体が複数の細径ピンによる抵抗ピンを備えているものである。
〔作用〕
実施態様1はセラミック供給路の分岐路又は枝路に流動抵抗体の複数の細径ピンを突出させて流動抵抗を与え、セラミック坏土の高い粘性を利用してセラミック流れに流動抵抗を与えてセラミック坏土の流速を調整するという態様である。このものではセラミック流れに対する抵抗が比較的深い範囲まで与えられる。
そして、セラミック坏土の流れに対する抵抗ピンの進入深さの変化(調整ストローク)に対する流動抵抗の変化が比較的小さいので、調整操作に対する感度を鈍くすることができる。したがって、セラミック坏土の密度の均一化のための調整操作を比較的簡単容易にすることができる。
また、流路内の流れは壁側よりも中央が速いが、流路中央での抵抗ピンによる抵抗を大きくすることによって中央の流速と壁側の流速の差違を小さくすることができる。
また、抵抗ピンがセラミック流れに進入してこれに抵抗を与えるものであるから、セラミック流れはその一部が抵抗ピンに当たり、これを迂回するようにして流れる。したがって、複数のピンの間隔が小さければ細径ピンの間でその流れの一部が遅滞して滞留部分を生じる可能性がある。そしてこの傾向が著しいと滞留部分で密度が変化するので、そのために成形品の品質が低下することもあり得る。
抵抗ピンの構造設計においては上記のことを考慮して細径ピンの太さや間隔、その断面形状等を工夫する必要がある。
抵抗ピンの構造設計においては上記のことを考慮して細径ピンの太さや間隔、その断面形状等を工夫する必要がある。
〔実施態様1の形態〕
複数の細径ピンによるものである場合は、それを一つの調整手段で調整する構成が望ましいが、複数のピンを個別に調整できるようにしてもよい。前者は比較的狭い流路に適し後者は比較的広い流路に適している。
なお、ピンが4つ以上の場合は、ピンと側壁との間の隙間を中央のピンとピンの間の隙間よりも広くすることで、抵抗ピンによる両側部の流動抵抗を中央の流動抵抗よりも小さくすることができる。
複数の細径ピンによるものである場合は、それを一つの調整手段で調整する構成が望ましいが、複数のピンを個別に調整できるようにしてもよい。前者は比較的狭い流路に適し後者は比較的広い流路に適している。
なお、ピンが4つ以上の場合は、ピンと側壁との間の隙間を中央のピンとピンの間の隙間よりも広くすることで、抵抗ピンによる両側部の流動抵抗を中央の流動抵抗よりも小さくすることができる。
また、実施態様1では流動抵抗体を分岐路2(又は分岐路3)の上流側(セラミック導入路1側)に設ける形態と、下流側(半径方向流路側)に設ける形態とがある。
そして、後者の形態では、分岐路2の幅方向中央よりもその半径方向(シリンダーの半径方向)内周側における流動抵抗体による抵抗を大きくすれば、半径方向流路10における流れfと流れg(図5参照)の流速の違いを調整することもできる。
すなわち、分岐路2の外周側の流れは半径方向流路の流れgとなり、内周側の流れは半径方向流路の流れfとなって枝路30a,30b(同図参照)に流入するが、分岐路2の上記外周側の流れは同内周側の流れに比してその径路が長く、他方、それが枝路30bに流れ込む流れは枝路30aに流れ込む流れに比してその曲がりが緩やかであるので、半径方向流路10における流れfと同流れgの流速とは異なる。
なお、上記流れfは分岐路2から半径方向流路10の流れへの湾曲の内側の流れ(分岐路2の流れの上流側の流れ)であり、また流れgは同流れの湾曲の外側の流れ(分岐路2の流れの下流側の流れ)である。
そして、後者の形態では、分岐路2の幅方向中央よりもその半径方向(シリンダーの半径方向)内周側における流動抵抗体による抵抗を大きくすれば、半径方向流路10における流れfと流れg(図5参照)の流速の違いを調整することもできる。
すなわち、分岐路2の外周側の流れは半径方向流路の流れgとなり、内周側の流れは半径方向流路の流れfとなって枝路30a,30b(同図参照)に流入するが、分岐路2の上記外周側の流れは同内周側の流れに比してその径路が長く、他方、それが枝路30bに流れ込む流れは枝路30aに流れ込む流れに比してその曲がりが緩やかであるので、半径方向流路10における流れfと同流れgの流速とは異なる。
なお、上記流れfは分岐路2から半径方向流路10の流れへの湾曲の内側の流れ(分岐路2の流れの上流側の流れ)であり、また流れgは同流れの湾曲の外側の流れ(分岐路2の流れの下流側の流れ)である。
(2)−2.実施態様2
実施態様2は、流動抵抗体が先端部に堰板を備えているものである。
〔作用〕
実施態様2は堰板を上記調整手段によって昇降させてその流路断面積を加減することによって当該流路内流れの流速を調整するという態様である。
この態様では流動抵抗体によってセラミック流れに対してその中央と両側においてほぼ一様の抵抗を与えることもできるが、堰板の先端の形状を工夫することによって横幅方向中央とその両側とで異なる抵抗を与えることもできる。
実施態様2は、流動抵抗体が先端部に堰板を備えているものである。
〔作用〕
実施態様2は堰板を上記調整手段によって昇降させてその流路断面積を加減することによって当該流路内流れの流速を調整するという態様である。
この態様では流動抵抗体によってセラミック流れに対してその中央と両側においてほぼ一様の抵抗を与えることもできるが、堰板の先端の形状を工夫することによって横幅方向中央とその両側とで異なる抵抗を与えることもできる。
〔実施態様2の形態〕
実施態様2では堰板の先端が直線的である形態と凸凹である形態があり、また、下方に凸の円弧状である形態がある。
〔作用〕
そして、凸凹である形態では、堰板による流動抵抗を流路幅方向において異ならせることができ、これによって、流路内における流速分布を調整することができる。例えば、凸凹の高さをその幅方位置によって違えること、又は凸凹の間隔を違えることで流動抵抗を部分的に違えることができる。
実施態様2では堰板の先端が直線的である形態と凸凹である形態があり、また、下方に凸の円弧状である形態がある。
〔作用〕
そして、凸凹である形態では、堰板による流動抵抗を流路幅方向において異ならせることができ、これによって、流路内における流速分布を調整することができる。例えば、凸凹の高さをその幅方位置によって違えること、又は凸凹の間隔を違えることで流動抵抗を部分的に違えることができる。
従来技術におけるセラミック供給路(分岐路、半径方向流路及び枝路等による流路)は複雑であるので多数の供給口の流速が不均一になるが、その原因はセラミック流の曲がりによって経路の長さに違いを生じることであり、また流路の壁面・底面との摩擦抵抗が異なることであり、さらに、セラミック流の内部摩擦が流れの部分部分で異なること等である。
この発明は、分岐路2,3と枝路10a,10b,20a,20bに流動抵抗体を設けて各流動抵抗体による抵抗を調整することにより、各供給口間の流速不均一を容易に且つ効果的に低減することができる。
この発明は、分岐路2,3と枝路10a,10b,20a,20bに流動抵抗体を設けて各流動抵抗体による抵抗を調整することにより、各供給口間の流速不均一を容易に且つ効果的に低減することができる。
したがって、例えば、成形金型が変更されたとき、あるいは成形材料が変更されたとき等、流速の不均一が著しくなった場合などに、その原因の如何に関わらず、流動抵抗体を調整することによって各供給口のセラミック流速の不均一を容易に且つ効果的に調整することができる。
上記のように、各供給口の流速不均一に伴うシリンダーs内のセラミック密度の不均一を低減し、当該密度の不均一によって生じる成形品の歪み・変形を減少させて成形精度を向上させることができる。これがこの発明の大きな利点である。
上記のように、各供給口の流速不均一に伴うシリンダーs内のセラミック密度の不均一を低減し、当該密度の不均一によって生じる成形品の歪み・変形を減少させて成形精度を向上させることができる。これがこの発明の大きな利点である。
供給口から供給されたシリンダーs内のセラミック坏土の密度の不均一がスクリュー等の攪拌手段によって完全に解消されることはないので、この場合でも、シリンダーs内のセラミック坏土の密度は均一であることが望ましい。したがって、押出シリンダー51が攪拌手段を有するか否かに関わらず、この発明は上記効果が生じる。また、この発明の効果は押出ピストンの有無にかかわらず、また、セラミック坏土の物性(粘性、硬さ等)の如何に関わらず生じるが、攪拌手段を有しない押出シリンダーにおいて殊に顕著である。この場合は、セラミック坏土はシリンダーsに供給されたままで供給圧力で押し下げられ金型から押し出されることになるからである。
また、この発明によれば、流動抵抗体の先端形状を工夫することによって、
流路壁面の摩擦抵抗による流路内流速の不均一(図6−1(a)(b))をも含めて当該流速不均一を低減して成形精度を向上させることができる。この点もこの発明の大きな効果である。
流路壁面の摩擦抵抗による流路内流速の不均一(図6−1(a)(b))をも含めて当該流速不均一を低減して成形精度を向上させることができる。この点もこの発明の大きな効果である。
この実施形態は図1、図1−1及び図2に示すものであり、セラミック押出成形機50は押出スクリュー等の攪拌手段を備えておらず、またピストン等の加圧手段も備えていない。
セラミック混練装置90で混練されたセラミック坏土がセラミック押出成形機50の押出シリンダー51の上端部50tのセラミック導入路1に所定圧力で押し込まれる。圧入されたセラミック坏土は押出シリンダー51のシリンダーs内を押し下げられ、金型55から押し出されて所定の成形体に成形される。金型55から押し出されたセラミック成形体は下方に伸長し、切断装置60で一定の長さで切断されて成形品pになってセッター(又はトレー)で受けられ、成形品pはセッターとともにコンベア80で次の工程に移送される。
以上がこの実施形態のセラミック押出成形装置の基本的構成である。
セラミック混練装置90で混練されたセラミック坏土がセラミック押出成形機50の押出シリンダー51の上端部50tのセラミック導入路1に所定圧力で押し込まれる。圧入されたセラミック坏土は押出シリンダー51のシリンダーs内を押し下げられ、金型55から押し出されて所定の成形体に成形される。金型55から押し出されたセラミック成形体は下方に伸長し、切断装置60で一定の長さで切断されて成形品pになってセッター(又はトレー)で受けられ、成形品pはセッターとともにコンベア80で次の工程に移送される。
以上がこの実施形態のセラミック押出成形装置の基本的構成である。
上記押出シリンダー51の縦断面形状は図1のとおりであり、押出シリンダー51の上端部51tは円筒形でありその内径は120mmである。そしてその上端に縦長の4つのセラミック供給口11,12,21,22が設けられている。
このもののセラミック供給路は分岐路2,3、半径方向流路10,20、枝路10a,10b,20a,20bによるものであり、枝路10a,10b,20a,20bの末端に上記供給口11,12,21,22がそれぞれ設けられている。そして、分岐路2,3はセラミック導入路1から分岐されているものであり、導入路1にセラミック混練装置90が接続されていて当該セラミック混練装置90から混練されたセラミック坏土が圧入される。
このもののセラミック供給路は分岐路2,3、半径方向流路10,20、枝路10a,10b,20a,20bによるものであり、枝路10a,10b,20a,20bの末端に上記供給口11,12,21,22がそれぞれ設けられている。そして、分岐路2,3はセラミック導入路1から分岐されているものであり、導入路1にセラミック混練装置90が接続されていて当該セラミック混練装置90から混練されたセラミック坏土が圧入される。
上記導入路1はその内径D1が70mmの円形流路であり、他方、分岐路2,3は横幅w3が25mm、深さd3が70mmの四角の流路である。また、分岐路2,3の端末にある半径方向流路10は横幅が25mm(分岐路2,3の幅W3と同じ)、縦幅(流れ方向幅)が70mmの四角の開口である。そしてまた、枝路10a,10bは横幅が20mm、深さが70mmの四角の流路である。供給口(11,12,21,22)は当該枝路の端末にあり、枝路の横幅と同じ20mm、高さd6(図1−1参照。枝路の深さと同じ)は70mm、縦幅w6(図1−1参照。流れ方向幅)が20mmの四角の開口である。
以上は、特許文献1の従来技術と違いがない。
以上は、特許文献1の従来技術と違いがない。
セラミック押出成形機50の押出シリンダー51へのセラミック供給路の構造は従来技術のセラミック供給路(図5)と違いはないが、セラミック供給口11,12(又は21,22)の縦幅w6(図1−1参照。周方向幅)が半径方向流路10(又は20)の縦幅(流れ方向幅)とほぼ等しく、従来技術における同供給口31,32(又は41,42)の縦幅w2(図6)に比して著しく小さいので、供給口11(又は12)の上流側の流れ(図6における上流側の流れh1(又はi1))と下流側の流れ(同下流側の流れh2(又はi2))の流速差は、従来技術に比して小さい。
セラミック押出成形機50の押出シリンダー51へのセラミック供給路の分岐路2,3、枝路10a,10b,20a,20bに図示のように流動抵抗体(A〜F)を設け、当該流動抵抗体A〜Fの先端の流路への突出長さを調整手段5によって加減して4つの供給口のセラミック流れ(図5のセラミック流れf,hを参照)の流速を調整する。これによって押出シリンダー51のシリンダーs内のセラミック密度の不均一(横断面内の密度の不均一)が低減される。
この実施形態は流動抵抗体の先端部の流路内への突出長さを調整する手段(調整手段)として調整ねじを採用している。この調整手段5(図2(b))は流動抵抗体Bの軸6のネジ7にナット8が螺合しているものであり、当該ナット8を緩めることでコイルばね9で押し下げられ、又はナット8を締めることでコイルばね9に抗して引き上げられ、これによって上記調整がなされる。
調整手段5は要するに外部操作で微調整できるものであればよく、そして無段階調整できるものであることが好ましいので、ネジによるものが簡便で使用し易い。例えばカムなど他の手段によるものでもよい。
調整手段5は要するに外部操作で微調整できるものであればよく、そして無段階調整できるものであることが好ましいので、ネジによるものが簡便で使用し易い。例えばカムなど他の手段によるものでもよい。
なお、上記供給口におけるセラミック流速を計測してこれを直接調整することは実際上できないので、金型55から押し出されたセラミック成形体の外表面を目視観察しながら流動変抵抗体の調整手段5を操作して上記調整をする。
密度の部分的な不均一があると押し出されたセラミック成形体pの表面に薄い縦縞模様q(密度の違い、押出抵抗の部分的な違いに伴って生じた表面のつやの違いによる薄い縦縞模様。図9(a)(b)における符合q参照)が現れるので、この薄い縦縞模様qが無くなるように上記調整手段5を操作して調整し、それによって、成形体の歪み・変形が低減されるようにする。そして、流動抵抗体の調整位置が一旦設定されればそれで押出成形を継続することができる。
密度の部分的な不均一があると押し出されたセラミック成形体pの表面に薄い縦縞模様q(密度の違い、押出抵抗の部分的な違いに伴って生じた表面のつやの違いによる薄い縦縞模様。図9(a)(b)における符合q参照)が現れるので、この薄い縦縞模様qが無くなるように上記調整手段5を操作して調整し、それによって、成形体の歪み・変形が低減されるようにする。そして、流動抵抗体の調整位置が一旦設定されればそれで押出成形を継続することができる。
また、密度不均一のために金型の成形面との摩擦抵抗が部分的に違い、押出速度に違いを生じてセラミック成形体pにねじれが生じるが、このとき、上記縦縞模様は緩やかな螺旋状の縞模様(図9(b))になる。そしてこれは成形体が捩れながら伸長していることを示している。
例えば所定の基準位置でセラミック成形体pの外表面にマーカー(例えばマジック)を当てて、セラミック成形体pを伸長させれば、その外表面に同様の螺旋状マーカー線yが明瞭に描かれる(図8(a)参照)ので、当該マーカー線を基準としてこれを目視しながらこれがまっすぐになるように、上記調整手段を操作してその調整を行うことができる。
なお、これらの調整は経験的感覚的に行われる。
例えば所定の基準位置でセラミック成形体pの外表面にマーカー(例えばマジック)を当てて、セラミック成形体pを伸長させれば、その外表面に同様の螺旋状マーカー線yが明瞭に描かれる(図8(a)参照)ので、当該マーカー線を基準としてこれを目視しながらこれがまっすぐになるように、上記調整手段を操作してその調整を行うことができる。
なお、これらの調整は経験的感覚的に行われる。
セラミック坏土が変更されてその物性(粘性、硬さ等)が大きく変わったり、あるいは金型55が取り替えられる等によって成形条件が変更され、その結果、各供給口(11,12,21,22)の流速が大きく変わって成形体に歪み・変形を生じるようになれば、その都度、流動抵抗体を操作して調整すればよい。
〔セラミック供給路等の詳細〕
分岐路2,3の横幅w3は25mm、深さd3は70mm、半径方向流路10,20の横幅w4(周方向幅。図示略)は25mm、深さd4(図示略)は分岐路2,3の深さd3と同じ70mm、枝路10a,10b,20a,20bの横幅w5(図示略)は20mm、深さd5(図示略)は70mmである。
そして、供給口11,12(又21,22)の横幅w6(図示省略)は20mmであり、高さd6(図1−1参照)は70mm(導入路1の内径D1と同じ)である。
そして分岐路2(又は分岐路3)の分岐点の近傍に流動抵抗体A,Bが設けられており、また、枝路10a,10b(又は枝路20a,20b)の下流(供給口11,12の近傍)に流動抵抗体C,D(又は流動抵抗体E,F)が設けられている。
分岐路2,3の横幅w3は25mm、深さd3は70mm、半径方向流路10,20の横幅w4(周方向幅。図示略)は25mm、深さd4(図示略)は分岐路2,3の深さd3と同じ70mm、枝路10a,10b,20a,20bの横幅w5(図示略)は20mm、深さd5(図示略)は70mmである。
そして、供給口11,12(又21,22)の横幅w6(図示省略)は20mmであり、高さd6(図1−1参照)は70mm(導入路1の内径D1と同じ)である。
そして分岐路2(又は分岐路3)の分岐点の近傍に流動抵抗体A,Bが設けられており、また、枝路10a,10b(又は枝路20a,20b)の下流(供給口11,12の近傍)に流動抵抗体C,D(又は流動抵抗体E,F)が設けられている。
〔実施例1〕
分岐路2,3の流動抵抗体A,Bは先端に抵抗ピンaを備えているものであり、当該抵抗ピンaは4つの細径ピンa1(直径5mm)を流路の幅方向に並べたもので、中央の細径ピンa1の長さkは7mmであり、これよりも左右の細径ピンは短い。分岐路2,3の横幅w3は25mmで、流動抵抗体A,Bの先端部の幅(抵抗ピンaの幅)は24mmである。
また、枝路10a,10b(又は20a,20b)の流動抵抗体C,D(又はE,F)は同様の構造を有するものであり、先端に複数の細径ピンを備えている。そして、その細径ピンの直径は5mmで、中央の細径ピンの長さは7mmである。
枝路(10a)の横幅は70mmであって分岐路2の横幅よりも狭いので、流動抵抗体C,Dの抵抗ピンの幅は19mmであって上記流動抵抗体A,Bの抵抗ピンaの幅よりも狭い。
上記のとおりの抵抗ピンaを昇降させることによって流路内のセラミック坏土の流速が加減され、そしてまた、抵抗ピンaによる流動抵抗は流路の中央部と両側部とで異なるので、流路中央と両側の流速の違い(図6−1(a)の流速分布参照)も低減される。
分岐路2,3の流動抵抗体A,Bは先端に抵抗ピンaを備えているものであり、当該抵抗ピンaは4つの細径ピンa1(直径5mm)を流路の幅方向に並べたもので、中央の細径ピンa1の長さkは7mmであり、これよりも左右の細径ピンは短い。分岐路2,3の横幅w3は25mmで、流動抵抗体A,Bの先端部の幅(抵抗ピンaの幅)は24mmである。
また、枝路10a,10b(又は20a,20b)の流動抵抗体C,D(又はE,F)は同様の構造を有するものであり、先端に複数の細径ピンを備えている。そして、その細径ピンの直径は5mmで、中央の細径ピンの長さは7mmである。
枝路(10a)の横幅は70mmであって分岐路2の横幅よりも狭いので、流動抵抗体C,Dの抵抗ピンの幅は19mmであって上記流動抵抗体A,Bの抵抗ピンaの幅よりも狭い。
上記のとおりの抵抗ピンaを昇降させることによって流路内のセラミック坏土の流速が加減され、そしてまた、抵抗ピンaによる流動抵抗は流路の中央部と両側部とで異なるので、流路中央と両側の流速の違い(図6−1(a)の流速分布参照)も低減される。
流動抵抗体A,Bを調整して流路2,3のセラミック坏土の流れが調整され、また流動抵抗体C〜Fを調整して枝路10a,10b,20a,20bのセラミック坏土の流れが調整されるので、これによって4つの供給口11,12,21,22からのセラミック坏土の流速が均一(厳密な意味での均一ではない)
に調整される。
に調整される。
なお、枝路10a,10b,20a,20bの流動抵抗体C〜Fだけでも4つの供給口11,12,21,22からのセラミック坏土の流速が均一に調整されるので、これら流動抵抗体C〜Fの少しの昇降で足りる場合はこれだけでも十分であるが、この流動抵抗体C〜Fを大きく昇降させる必要がある場合は、流動抵抗体A,Bを調整し、流動抵抗対C〜Fをも調整して供給口11,12,21,22からのセラミック坏土の流速を容易かつ精密に調整することができる。
〔実施例1の効果の確認〕
次いで、上記実施例1による押出成形品を乾燥行程で乾燥させて円筒状試験片p1としてその歪み・変形を測定した。試験片の数はそれぞれ5個である。
この場合の歪み・変形は、捩れと曲がりである。
捩れは円筒状試験片(成形品と同じ)p1の上端と下端との間の捩れであり、撓みは試験片p1の全体的な曲がりである。
そして、円筒状試験片p1のサイズは 長さイ:200mm、外径ロ:13.9mm、内径ハ:8.8mmである(図7)。
次いで、上記実施例1による押出成形品を乾燥行程で乾燥させて円筒状試験片p1としてその歪み・変形を測定した。試験片の数はそれぞれ5個である。
この場合の歪み・変形は、捩れと曲がりである。
捩れは円筒状試験片(成形品と同じ)p1の上端と下端との間の捩れであり、撓みは試験片p1の全体的な曲がりである。
そして、円筒状試験片p1のサイズは 長さイ:200mm、外径ロ:13.9mm、内径ハ:8.8mmである(図7)。
〔試験片の作成〕
円筒状成形品を試験片p1としたが、断面円筒状の成形品の場合はシリンダーs内のセラミック坏土の密度の不均一(バラツキ)が著しいほどその捩れが著しくそれが顕著に外表に現れ、また、全ての試験片がほぼ一定の方向に曲がりかつその測定が容易である。したがって、シリンダー内セラミック坏土の密度のバラツキによる歪み・変形の大きさを測定するのに最も適当であると思われる。これが円筒状成形品を試験片とした理由である。
試験片の作成方法は次のとおりである。
平均粒径10μmのコーディライト粉末にYB−155(成形助剤。ユケン工業株式会社)を12重量%、水を28重量%添加し、脱気装置で脱気し、スクリュー式セラミック混練機90で混練して硬度:6(株式会社日本碍子製、CLAY HARDNESS TESTER)のセラミック坏土を作成し、これを押出成型機50のセラミック導入路1に圧入する。
円筒状成形品を試験片p1としたが、断面円筒状の成形品の場合はシリンダーs内のセラミック坏土の密度の不均一(バラツキ)が著しいほどその捩れが著しくそれが顕著に外表に現れ、また、全ての試験片がほぼ一定の方向に曲がりかつその測定が容易である。したがって、シリンダー内セラミック坏土の密度のバラツキによる歪み・変形の大きさを測定するのに最も適当であると思われる。これが円筒状成形品を試験片とした理由である。
試験片の作成方法は次のとおりである。
平均粒径10μmのコーディライト粉末にYB−155(成形助剤。ユケン工業株式会社)を12重量%、水を28重量%添加し、脱気装置で脱気し、スクリュー式セラミック混練機90で混練して硬度:6(株式会社日本碍子製、CLAY HARDNESS TESTER)のセラミック坏土を作成し、これを押出成型機50のセラミック導入路1に圧入する。
セラミック坏土のシリンダーs内の押出圧力は、試験片p1を押出成形する場合、は1.3MPaであり、押出速度は、250mm/分である。
押出圧力、押出速度はセラミック混練装置90のスクリュー回転速度を調整することによって調整される。
以上のようにして押出成形し、長さ200mmの成形品を20時間自然乾燥させてこれを試験片p1とした。
押出圧力、押出速度はセラミック混練装置90のスクリュー回転速度を調整することによって調整される。
以上のようにして押出成形し、長さ200mmの成形品を20時間自然乾燥させてこれを試験片p1とした。
〔試験片の自然乾燥について〕
上記の自然乾燥は次のようにして行った。
すなわち、円筒状の成形体を横にした状態で乾燥させると、受け皿に接している下面は乾燥が遅く乾燥過程で大きく曲がるので、全体が均等に乾燥されるようにする必要があり、そのために縦に吊り下げた状態(縦吊り状態)で乾燥させた。
上記の自然乾燥は次のようにして行った。
すなわち、円筒状の成形体を横にした状態で乾燥させると、受け皿に接している下面は乾燥が遅く乾燥過程で大きく曲がるので、全体が均等に乾燥されるようにする必要があり、そのために縦に吊り下げた状態(縦吊り状態)で乾燥させた。
〔曲がりの測定について〕
また、曲がりの測定は、長さ200mmの円筒状試験片p1全体の曲がりの測定である。
長さを200mm としたのは、自重による影響を可及的に低減するとともに、曲がりを高精度で測定するのに必要な長さにするためである。そしてまた、同じ試験片を用いて捩れをも測定することにした関係から比較対象の捩れ角度(最大値)が90度を越えない範囲に止まる長さにするためである(90度以下が捩れ角度の測定が容易な範囲)。
なお、硬さがあって保形性がなければならないので乾燥した成形品を円筒状試験片p1としたが、それは乾燥した成形品が必要な保形性を有するからである。
また、曲がりの測定は、長さ200mmの円筒状試験片p1全体の曲がりの測定である。
長さを200mm としたのは、自重による影響を可及的に低減するとともに、曲がりを高精度で測定するのに必要な長さにするためである。そしてまた、同じ試験片を用いて捩れをも測定することにした関係から比較対象の捩れ角度(最大値)が90度を越えない範囲に止まる長さにするためである(90度以下が捩れ角度の測定が容易な範囲)。
なお、硬さがあって保形性がなければならないので乾燥した成形品を円筒状試験片p1としたが、それは乾燥した成形品が必要な保形性を有するからである。
〔測定方法〕
(1)円筒状試験片p1について
(1)−1.捩れ
各円筒状成形体pの押出成形時にその外表面の基準位置xに設けたマーカ(具体的にはマジックペン)を当てて成形体pが伸長することでその外表面にマーキング線yが表記されるようにし、所定長さに伸長したところで切断して長さ200mmの成形品p1を作成しこれを乾燥させて試験片とする。そして、当該試験片p1の外表面に表記されたマーキング線yの上端と下端の捩れ角度(上下両端間のマーキング線yの捩れ角度)θを測定して(図8(b)参照)これを捩れ角度とした。
(1)円筒状試験片p1について
(1)−1.捩れ
各円筒状成形体pの押出成形時にその外表面の基準位置xに設けたマーカ(具体的にはマジックペン)を当てて成形体pが伸長することでその外表面にマーキング線yが表記されるようにし、所定長さに伸長したところで切断して長さ200mmの成形品p1を作成しこれを乾燥させて試験片とする。そして、当該試験片p1の外表面に表記されたマーキング線yの上端と下端の捩れ角度(上下両端間のマーキング線yの捩れ角度)θを測定して(図8(b)参照)これを捩れ角度とした。
(1)−2.曲がり
曲がりは、長さ200mmの上記試験片p1全体の曲がりである。
図8(b)に模式的に示すように、試験片p1の端部外側面(試験片の上端側の外側面)を定盤に密着させて垂直方向上方に反らせた状態にして(図8(b))他方の端部下側面までの反り高さを測定する。
上記のようにして定盤上に置かれた長さ200mmの試験片p1の反り上がった上端下側面までの高さをノギスで測定(1/100mm単位)してこれを曲がりの計測値とした。
セラミック坏土の密度不均一によって、押し出される成形体pは密度が高い方に曲がっていく(密度が高い方が金型の成形面との摩擦が大きく、密度が低い方に比して押出速度が遅くなるため)ので、成形体pが伸長するにつれてその曲がりは徐々に大きくなる。
曲がりは、長さ200mmの上記試験片p1全体の曲がりである。
図8(b)に模式的に示すように、試験片p1の端部外側面(試験片の上端側の外側面)を定盤に密着させて垂直方向上方に反らせた状態にして(図8(b))他方の端部下側面までの反り高さを測定する。
上記のようにして定盤上に置かれた長さ200mmの試験片p1の反り上がった上端下側面までの高さをノギスで測定(1/100mm単位)してこれを曲がりの計測値とした。
セラミック坏土の密度不均一によって、押し出される成形体pは密度が高い方に曲がっていく(密度が高い方が金型の成形面との摩擦が大きく、密度が低い方に比して押出速度が遅くなるため)ので、成形体pが伸長するにつれてその曲がりは徐々に大きくなる。
他方、試験片p1全体の曲がりは押出成形時に自重による影響を受けてその曲がりが自然と幾分矯正される。したがって、試験片p1の曲がりの計測値はセラミック坏土の密度不均一による押出成形時の自然な曲がり量そのものでは必ずしもない。しかし、押出成形時の曲がりに対する自重による自然な矯正は試験片p1個々で違いはなくてほぼ一定であるから、曲がりの測定値は押出成形時の自然な曲がりの大きにほぼ比例する。そして、このことは比較例の曲がりについてもほぼ同じである。
したがって、この曲がりの測定値の大きさはセラミック坏土の密度の部分的不均一(密度のバラツキ)による自然な曲がりの大きさを現しているとみなすことができる。
したがって、この曲がりの測定値の大きさはセラミック坏土の密度の部分的不均一(密度のバラツキ)による自然な曲がりの大きさを現しているとみなすことができる。
〔測定結果〕
測定値
試験片 捩れ角度θ 曲がり(mm)
(1) 3 3.30
(2) 3 3.56
(3) 4 4.33
(4) 2 1.66
(5) 2 3.18
平均値 2.8 3.20
測定値
試験片 捩れ角度θ 曲がり(mm)
(1) 3 3.30
(2) 3 3.56
(3) 4 4.33
(4) 2 1.66
(5) 2 3.18
平均値 2.8 3.20
〔評価〕
1. 捩れ 本発明 比較例
平均 2.8 55
最大 4.0 73
最小 2.0 44
最大最小の差 2.0 29
2.曲がり 本発明 比較例
平均 3.20 7.11
最大 4.33 8.84
最小 1.66 4.49
最大最小の差 2.67 4.35
3.総合評価
試験片p1についての捩れの測定値は、その平均値が比較例に対して1/19.6、最大値が1/18.25、最小値が1/22、最大最小の差が1/14.5である。このことから捩れが極めて小さく、そのバラツキも極めて小さくて安定していることが明らかである。
また、試験片p1についての曲がりについての測定値は、その平均値が比較例の1/2.22、最大値が1/2.04、最小値が1/2.70、最大最小の差が1/1.62である。このことから曲がりが極めて小さくバラツキも極めて小さくて安定していることが明らかである。
なお、比較例の測定値については段落0059の〔比較試験〕の項の記載を参照されたい。
1. 捩れ 本発明 比較例
平均 2.8 55
最大 4.0 73
最小 2.0 44
最大最小の差 2.0 29
2.曲がり 本発明 比較例
平均 3.20 7.11
最大 4.33 8.84
最小 1.66 4.49
最大最小の差 2.67 4.35
3.総合評価
試験片p1についての捩れの測定値は、その平均値が比較例に対して1/19.6、最大値が1/18.25、最小値が1/22、最大最小の差が1/14.5である。このことから捩れが極めて小さく、そのバラツキも極めて小さくて安定していることが明らかである。
また、試験片p1についての曲がりについての測定値は、その平均値が比較例の1/2.22、最大値が1/2.04、最小値が1/2.70、最大最小の差が1/1.62である。このことから曲がりが極めて小さくバラツキも極めて小さくて安定していることが明らかである。
なお、比較例の測定値については段落0059の〔比較試験〕の項の記載を参照されたい。
〔実施例2〕
実施例2の流動抵抗体の構造は図3(a)に示すような堰板a’によるものである。当該堰板a’は先端が凸凹であり、その凸部a’1は中央で長く左右両側で短い。そしてこの堰板a’は調整ネジの下端に固着されていて、当該調整ネジによって昇降される。
堰板a’はステンレス鋼板であり、その幅は分岐路2,3、又は枝路10a,10bの幅に等しく、厚さは10mmであり、長さk’は7mmである。
実施例2の流動抵抗体の構造は図3(a)に示すような堰板a’によるものである。当該堰板a’は先端が凸凹であり、その凸部a’1は中央で長く左右両側で短い。そしてこの堰板a’は調整ネジの下端に固着されていて、当該調整ネジによって昇降される。
堰板a’はステンレス鋼板であり、その幅は分岐路2,3、又は枝路10a,10bの幅に等しく、厚さは10mmであり、長さk’は7mmである。
これによれば、流路2,3のセラミック坏土の流れに対する堰板a’による抵抗が流路中央で大きくて左右両側で小さいので、これによって同流路の流速分布(図6−1(a))が、堰板a’による流路中央と左右両側における抵抗の差違によって平均化される。
又、枝路10a,10b,20a,20bの流動抵抗体C〜Fは先端に同様の堰板を備えているものであり、当該堰板の幅は19mmで、中央の凸部の長さk’は7mmであって長く、両側の凸部の長さは5mmであって短い。
枝路(10a)の横幅は20mmであって分岐路2の横幅よりも狭いので、流動抵抗体C〜Fの堰板の幅は19mmであって流動抵抗体A,Bの堰板a’の幅よりも狭い。
堰板a’による流動抵抗は流路中央で大きく両側で小さいので、実施例1の抵抗ピンによる場合と同様の効果を奏する。
枝路(10a)の横幅は20mmであって分岐路2の横幅よりも狭いので、流動抵抗体C〜Fの堰板の幅は19mmであって流動抵抗体A,Bの堰板a’の幅よりも狭い。
堰板a’による流動抵抗は流路中央で大きく両側で小さいので、実施例1の抵抗ピンによる場合と同様の効果を奏する。
なお、実施例2の堰板a’は上記のとおりであるが、堰板の変形例として図3(b)の堰板a’’がある。これは先端の中央が下方に凸の円弧状のものである。
これによるときも上記の凸凹の堰板によるものと同様の効果を奏することができる。
これによるときも上記の凸凹の堰板によるものと同様の効果を奏することができる。
〔実施例2の効果の確認〕
上記実施例2(堰板a’)による円筒状試験片p1による効果確認試験は特に行わなかったが、実施例1と同様に調整可能であるから、実施例1の試験片P1についての結果と同様の結果が得られると推測される。
堰板a’による場合は、流動抵抗体と流路壁面との間に隙間がないので、この隙間によって流れに著しい乱れを生じることはなく、流動抵抗体の近傍においてセラミック坏土の流れが大きく乱されることはない。したがって、流れの乱れによる著しい流動抵抗を生じることはない。これが実施例2の顕著な利点である。
上記実施例2(堰板a’)による円筒状試験片p1による効果確認試験は特に行わなかったが、実施例1と同様に調整可能であるから、実施例1の試験片P1についての結果と同様の結果が得られると推測される。
堰板a’による場合は、流動抵抗体と流路壁面との間に隙間がないので、この隙間によって流れに著しい乱れを生じることはなく、流動抵抗体の近傍においてセラミック坏土の流れが大きく乱されることはない。したがって、流れの乱れによる著しい流動抵抗を生じることはない。これが実施例2の顕著な利点である。
〔比較試験について〕
比較試験のための試験片は上記試験片p1と同一の円筒状試験片であるが、流動抵抗体A〜Fを備えていない押出成形機(具体的には、実施例1の押出成形機から本発明の流動抵抗体を取り除いたものに相当)を用いて作成したものである。その作成方法は実施例1の試験片p1と同じであり試験片の数も同じであり、さらに、測定方法も実施例1のそれと同じである。
比較試験のための試験片は上記試験片p1と同一の円筒状試験片であるが、流動抵抗体A〜Fを備えていない押出成形機(具体的には、実施例1の押出成形機から本発明の流動抵抗体を取り除いたものに相当)を用いて作成したものである。その作成方法は実施例1の試験片p1と同じであり試験片の数も同じであり、さらに、測定方法も実施例1のそれと同じである。
〔測定結果〕
測定値
試験片 捩れ角度θ 曲がり(mm)
(1) 73 8.84
(2) 44 4.49
(3) 48 7.41
(4) 67 8.47
(5) 47 6.34
平均 55 7.11
測定値
試験片 捩れ角度θ 曲がり(mm)
(1) 73 8.84
(2) 44 4.49
(3) 48 7.41
(4) 67 8.47
(5) 47 6.34
平均 55 7.11
1:セラミック導入路
2,3:分岐路
5:調整手段
6:軸
7:ねじ
8:ナット
9:コイルばね
10,20:半径方向流路
10a,10b,20a,20b:枝路
11,12,21,22:シリンダーsへのセラミック供給口
50:セラミック押出成形機
51:押出シリンダー
51t:押出シリンダーの上端部
55:金型
60:切断装置
70:受取装置
80:コンベア
A,B:分岐路の流動抵抗体
C〜F:枝路の流動抵抗体
a:抵抗ピン
a1:細径ピン
a’:堰板
a’1:凸部
d3:分岐路3の深さ
k:細径ピンの長さ
k’:凸部の長さ
w1:半径方向流路30の縦幅(周方向幅又はセラミックの流れ方向幅)
w2:セラミック供給口の縦幅(周方向幅又はセラミックの流れ方向幅)
w3:分岐路の横幅
f:半径方向流路30における内側の流れ
g:半径方向流路30における外側の流れ
h1:セラミック供給口31におけるセラミックの内側の流れ
i1:セラミック供給口32におけるセラミックの内側の流れ
h2:セラミック供給口31におけるセラミックの外側の流れ
i2:セラミック供給口32におけるセラミックの外側の流れ
q:縦縞模様
x:基準点
y:マーキング線
2,3:分岐路
5:調整手段
6:軸
7:ねじ
8:ナット
9:コイルばね
10,20:半径方向流路
10a,10b,20a,20b:枝路
11,12,21,22:シリンダーsへのセラミック供給口
50:セラミック押出成形機
51:押出シリンダー
51t:押出シリンダーの上端部
55:金型
60:切断装置
70:受取装置
80:コンベア
A,B:分岐路の流動抵抗体
C〜F:枝路の流動抵抗体
a:抵抗ピン
a1:細径ピン
a’:堰板
a’1:凸部
d3:分岐路3の深さ
k:細径ピンの長さ
k’:凸部の長さ
w1:半径方向流路30の縦幅(周方向幅又はセラミックの流れ方向幅)
w2:セラミック供給口の縦幅(周方向幅又はセラミックの流れ方向幅)
w3:分岐路の横幅
f:半径方向流路30における内側の流れ
g:半径方向流路30における外側の流れ
h1:セラミック供給口31におけるセラミックの内側の流れ
i1:セラミック供給口32におけるセラミックの内側の流れ
h2:セラミック供給口31におけるセラミックの外側の流れ
i2:セラミック供給口32におけるセラミックの外側の流れ
q:縦縞模様
x:基準点
y:マーキング線
Claims (7)
- セラミック坏土がスクリュー式のセラミック混練機で混練され加圧されて押出シリンダーの上端部のセラミック導入路に導入されるセラミック押出成形装置の縦型セラミック押出成形機であり、上記押出シリンダーが4つの供給口を備えていて、導入されたセラミック坏土がセラミック供給路を介して上記供給口からシリンダーに供給される縦型セラミック押出成形機において、
上記セラミック供給路が分岐路と半径方向流路と枝路によるものであり、上記枝路に流動抵抗体がそれぞれ設けられており、
上記流動抵抗体がその先端部の流路への突出長さを調整する調整手段を備えていることを特徴とする縦型セラミック押出成形機。 - セラミック坏土がスクリュー式のセラミック混練機で混練され加圧されて押出シリンダーの上端部のセラミック導入路に導入されるセラミック押出成形装置の縦型セラミック押出成形機であり、上記押出シリンダーが4つの供給口を備えていて、導入されたセラミック坏土がセラミック供給路を介して上記供給口からシリンダーに供給される縦型セラミック押出成形機において、
上記セラミック供給路が分岐路と半径方向流路と枝路によるものであり、上記分岐路に流動抵抗体がそれぞれ設けられ、また上記枝路に流動抵抗体がそれぞれ設けられており、
上記流動抵抗体がその先端部の流路への突出長さを調整する調整手段を備えていることを特徴とする縦型セラミック押出成形機。 - 上記押出シリンダーがスクリュー又はピストン等の加圧手段を備えていないものである請求項1又は請求項2の縦型セラミック押出成形機。
- 上記流動抵抗体が抵抗ピンを備えており、当該抵抗ピンが複数ピンによるものであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の縦型セラミック押出成形機。
- 上記抵抗ピンの中央のピンよりも両側のピンが短い請求項4の縦型セラミック押出成形機。
- 上記流動抵抗体が堰板を備えており、当該堰板の先端が複数の凸部による凸凹であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の縦型セラミック押出成形機。
- 上記堰板の中央の凸部よりも両側の凸部が短いことを特徴とする請求項6の縦型セラミック押出成形機。
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS61125805A (ja) * | 1984-11-24 | 1986-06-13 | 松下電工株式会社 | 無機質シ−ト状物の押し出し成形用金型の構造 |
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-
2015
- 2015-10-30 JP JP2015215113A patent/JP5957588B1/ja active Active
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