JP5955662B2 - 拡張現実システム - Google Patents
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Description
このため、カメラや自動車の位置や向きが変化している期間中には、情報表示範囲に含まれる施設が変化するために、短時間しか情報表示範囲内に留まらない施設が発生する。そして、このような施設については、その情報が短時間しか表示されないこととなり、ユーザの情報内容の認識に支障が生じる。
なお、このような拡張現実システムは自動車に搭載されたシステムであって良く、この場合には、前記視界範囲は、前記自動車前方の範囲としてよい。
これらのような拡張現実システムによれば、情報を風景またはその映像上に重畳表示できる実空間の範囲である視界範囲に短時間しか留まらない施設であっても、所定期間は必ず、その情報が表示されることを担保することができる。また、視界範囲外の施設の情報については、表示画面外の位置を吹き出し元とする吹き出し図形の当該表示画面内の部分を表す図形内に表した形態で表示することにより当該情報が視界範囲外の施設についての情報であることを、ユーザが直感的に把握できるようにすることができる。
図1aに本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、車載システム1は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)101、操作部102、自動車の前方の風景を撮影するカメラ103、GPS受信機104、自動車の車速や角速度を計測する車両状態センサ105、制御部106、ナビゲーション部107、AR表示部108、記憶装置109、スマートフォンなどの外部装置を無線または有線で接続するための外部インタフェース110とを備えている。
また、このような車載システム1には、外部インタフェース110を用いてスマートフォン2などを接続することができる。
次に、車載システム1の記憶装置109の記憶内容について説明する。
図2に示すように、記憶装置109には、地図データ、ARデータベース、表示候補ARデータテーブルが格納される。
ここで、地図データは、道路地図を表すデータであり予め記憶装置109に記憶される。
また、ARデータベースは、施設の情報を表すARデータを蓄積したものであり、各ARデータは、ARデータの識別子であるARデータ識別子、ARデータが情報を表す施設の種別を示す情報種別、ARデータが情報を表す施設の実空間上の位置を表す対象物座標、拡張現実のためにカメラ103が撮影した映像上に表すARタグの内容を表すARタグデータ、ARデータが情報を表す施設についての詳細な情報である詳細情報とを有する。ここで、本実施形態では、一例として、ARタグとしてARデータが情報を表す施設の施設名を用いる場合について示す。ただし、ARタグとしては、施設の種別を示す図形であるアイコン/ランドマークなどを用いるようにすることもできる。
図3に、このARタグ表示処理を示す。
図示するように、この処理では、まず、ナビゲーション部107が上述のように算出している現在位置と現在の前方方向とより、運転者がヘッドアップディスプレイ101の透明スクリーン1011越しに見ることのできる実空間の範囲を視界範囲として算出する(ステップ302)。
次に、対応するARデータ識別子が登録されているエントリが表示候補ARデータテーブルに存在するARデータである表示候補ARデータのうち、ステップ304で視界範囲内ARデータとして抽出されておらず、表示候補ARデータテーブルの対応するエントリに登録されている表示開始時刻が過去T秒(たとえば、4秒)以内の表示候補ARデータを視界範囲外ARデータとして抽出する(ステップ306)。ここで、初期状態において表示候補ARデータに設定されているARデータは無い。
すなわち、ここでは、視界範囲内ARデータとなっているARデータのうち、表示候補ARデータとなっていないARデータの各々に対応するエントリを表示候補ARデータテーブルに作成し、各エントリに対応するARデータのARデータ識別子を登録すると共に、現在時刻を表示開始時刻として登録する。
当該更新においては、当該更新前に当該表示候補ARデータテーブルのエントリに登録されていた対象物位置よりも、今回、当該表示候補ARデータについて求めた表示基準位置が、左側にあれば逸脱予測方向を左に更新し、右側にあれば逸脱予測方向を右に更新することにより行う。また、当該更新においては、今回、当該表示候補ARデータについて求めた表示基準位置に、対象物位置を更新する。
以上、ARタグ表示処理について説明した。
以下、このようなARタグ表示処理の処理例について示す。
いま、図4eに示すように、自動車が地点461から地点462に直進して進んだものとする。
そして、地点461では、視界範囲、すなわち、運転者がヘッドアップディスプレイ101の透明スクリーン1011越しに見ることのできる実空間の範囲内に位置するARデータが設定された施設としてAビル、Bビル、Cビル、Dビルが存在するものとする。
この場合、図4cに示すように、実空間の風景中のAビル、Bビル、Cビル、Dビルの位置から吹き出す吹き出し図形411-414が、実空間の風景上に重畳表示され、各吹き出し図形411-414中に、Aビル、Bビル、Cビル、Dビルの施設名称(ARタグデータの内容)が表示される。ここで、このようなAビル、Cビルの施設名称の表示開始からT秒以内に自動車は地点462に進んだものとする。
この場合、図4dに示すように、実空間の風景中のBビル、Dビルの位置から吹き出す吹き出し図形421-422が、実空間の風景上に重畳表示され、各吹き出し図形421-422内に、Bビル、Dビルの施設名称(ARタグデータの内容)が表示される。
また、視界範囲から逸脱したAビル、Cビルの施設名称は、過去T秒内に表示を開始したものであるので、部分吹き出し図形423-424が、あたかも、透明スクリーン1011外の位置をクチバシの先端とする吹き出しの、透明スクリーン1011上の部分だけが表示されているかのように表示され、各部分吹き出し図形423-424内にAビル、Cビルの施設名称が表示される。ここで、Aビルは左方向に視界範囲から逸脱しているので、透明スクリーン1011外の逸脱予測方向側の位置をクチバシの先端とする吹き出しの透明スクリーン1011上の部分だけが表示されているかのようにAビルの部分吹き出し図形423は配置され、cビルは右方向に視界範囲から逸脱しているので、透明スクリーン1011外の逸脱予測方向側の位置をクチバシの先端とする吹き出しの透明スクリーン1011上の部分だけが表示されているかのようにCビルの部分吹き出し図形424は配置される。
そして、地点501では、視界範囲内に位置するARデータが設定された施設としてAビル、Cビルが存在するものとする。
この場合、図5bに示すように、実空間の風景中のAビル、Cビルの位置から吹き出す吹き出し図形511-512が、実空間の風景上に重畳表示され、各吹き出し図形511-512中に、Aビル、Cビルの施設名称(ARタグデータの内容)が表示される。ここで、このようなAビル、Cビルの施設名称の表示開始からT秒以内に自動車は地点502に進んだものとする。
この場合、図5cに示すように、実空間の風景中のEビル、Fビルの位置から吹き出す吹き出し図形513-514が、実空間の風景上に重畳表示され、各吹き出し図形513-514内に、Eビル、Fビルの施設名称(ARタグデータの内容)が表示される。
また、視界範囲から逸脱したAビル、Cビルの施設名称は、過去T秒内に表示を開始しているので、部分吹き出し図形515-516が、あたかも、透明スクリーン1011外の位置をクチバシの先端とする吹き出しの、透明スクリーン1011上の部分だけが表示されているかのように表示され、各部分吹き出し図形515-516内にAビル、Cビルの施設名称が表示される。ここで、Aビル、Cビル共に、自動車の方向転換に伴って左方向に視界範囲から逸脱しているので、透明スクリーン1011外の逸脱予測方向側の位置をクチバシの先端とする吹き出しの透明スクリーン1011上の部分だけが表示されているかのようにAビル、Cビルの部分吹き出し図形515-516は配置される。
ところで、以上の実施形態では、ヘッドアップディスプレイ101を用いて、ARタグデータを実空間の風景上に直接重畳表示する場合について説明したが、本実施形態は、カメラ103で撮影した実空間の風景の映像上に、ARタグデータを畳表示する場合についても同様に適用することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ARタグデータの内容を風景上に重畳表示できる実空間の範囲である視界範囲に短時間しか留まらない施設であっても、所定期間は必ず、ARタグデータの内容は表示されることを担保することができる。また、視界範囲外の施設のARタグデータの内容については、表示画面外の位置を吹き出し元とする吹き出しの当該表示画面内の部分を表す部分吹き出し図形450に表した形態で表示することにより、当該ARタグデータの内容が視界範囲外の施設についての情報であることを、ユーザは直感的に把握できるようになる。また、この場合に、表示画面外の位置を逸脱方向側の位置とすることにより、当該情報が左右のどちら側にあった施設の情報であるかも、ユーザは直感的に把握できるようになる。
Claims (5)
- 実空間の風景上に映像を重畳表示するヘッドアップディスプレイを備えた拡張現実システムであって、
施設に関係づけられた当該関係づけられた施設の情報を表す拡張現実情報に基づいて、前記ヘッドアップディスプレイが映像を風景上に重畳表示可能な実空間の範囲である視界範囲に含まれる施設に関係づけられた拡張現実情報が表す情報を、当該拡張現実情報が関係づけられた施設に重なる位置である表示基準位置に関連づけた形態で前記ヘッドアップディスプレイに表示する視界範囲内施設情報表示手段と、
前記視界範囲内施設情報表示手段が過去の所定期間内に情報の表示を開始した拡張現実情報に関係づけられた、当該情報の表示を開始した時点で前記視界範囲に含まれていた施設であって、当該情報の表示を開始した後に前記視界範囲内に含まれなくなった施設について、当該情報の表示を開始した時点から前記所定期間が経過するまで、当該施設に関係づけられた拡張現実情報が表す情報を、前記ヘッドアップディスプレイの表示画面外の位置を吹き出し元とする吹き出し図形の当該表示画面内の部分を表す図形内に表した形態で前記ヘッドアップディスプレイに表示する視界範囲外施設情報表示手段とを有することを特徴とする拡張現実システム。 - 実空間の風景を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像である撮影画像を表示するディスプレイを備えた拡張現実システムであって、
施設に関係づけられた当該関係づけられた施設の情報を表す拡張現実情報に基づいて、前記カメラが撮影する実空間の範囲である視界範囲に含まれる施設に関係づけられた拡張現実情報が表す情報を、当該拡張現実情報が関係づけられた施設に対応する撮影画像上の位置である表示基準位置に関連づけた形態で、前記ディスプレイに表示されている前記撮影画像上に重畳して表示する視界範囲内施設情報表示手段と、
前記視界範囲内施設情報表示手段が過去の所定期間内に情報の表示を開始した拡張現実情報に関係づけられた、当該情報の表示を開始した時点で前記視界範囲に含まれていた施設であって、当該情報の表示を開始した後に前記視界範囲内に含まれなくなった施設について、当該情報の表示を開始した時点から前記所定期間が経過するまで、当該施設に関係づけられた拡張現実情報が表す情報を、前記ディスプレイの表示画面外の位置を吹き出し元とする吹き出し図形の当該表示画面内の部分を表す図形内に表した形態で、前記ディスプレイに表示されている前記撮影画像上に重畳して表示する視界範囲外施設情報表示手段とを有することを特徴とする拡張現実システム。 - 請求項1または2記載の拡張現実システムであって、
前記視界範囲外施設情報表示手段は、前記視界範囲内施設情報表示手段が過去の前記所定期間内に情報の表示を開始した拡張現実情報に関係づけられた、当該情報の表示を開始した時点で前記視界範囲に含まれていた施設であって、当該情報の表示を開始した後に前記視界範囲内に含まれなくなった施設が前記視界範囲から逸脱していった左右方向を逸脱方向として、当該情報の表示を開始した時点から前記所定期間が経過するまで、当該施設に関係づけられた拡張現実情報が表す情報を、前記表示画面外の当該施設の前記逸脱方向側の位置を吹き出し元とする吹き出し図形の当該表示画面内の部分を表す図形内に表した形態で表示することを特徴とする拡張現実システム。 - 請求項1、2または3記載の拡張現実システムであって、
前記視界範囲内施設情報表示手段は、前記情報を前記表示基準位置を吹き出し元とする吹き出し図形内に配置した形態で表示することを特徴とする拡張現実システム。 - 請求項1、2または3記載の拡張現実システムであって、
当該拡張現実システムは自動車に搭載されたシステムであり、
前記視界範囲は、前記自動車前方の範囲であることを特徴とする拡張現実システム。
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