JP5954072B2 - コネクタ端子用材料、コネクタ端子、及びコネクタ端子用材料の製造方法 - Google Patents

コネクタ端子用材料、コネクタ端子、及びコネクタ端子用材料の製造方法 Download PDF

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本発明は、コネクタ端子用材料、それを用いて形成されるコネクタ端子及びコネクタ端子用材料の製造方法に関し、さらに詳しくはアルミニウム又はアルミニウム合金よりなるコネクタ端子用材料、コネクタ端子、及びコネクタ端子の製造方法に関する。
アルミニウム及びアルミニウム合金は、他の金属種と比較して軽量であり、資源量も比較的豊富であるという特長を有しているため、自動車用配線等に使用されるコネクタ端子の材料として使用される。しかし、アルミニウム及びアルミニウム合金の表面には、化学的、物理的に安定で非常に硬い酸化被膜が厚く形成されるため、表面に電解めっきを施すことが困難である。従って、他の導電部材と電気的に接触する接点部の表面における電気的特性など、要求される特性を付与するために、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に他種の金属よりなる被覆層を形成することが簡単には行えない。
アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に他の金属よりなる層を形成する方法としては、脱脂、酸洗処理によって酸化被膜を除去した後、亜鉛の化学めっき(ジンケート処理)を行ったうえで、亜鉛層の表面に電解めっきによって、所望の金属よりなる層を形成する方法が知られている。また、特許文献1においては、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる基材の表面にアルミニウム、ニオブ、クロム、チタンのいずれかを主成分とする層とパラジウムを主成分とする層をスパッタ法等の気相法によって形成し、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面の改質を図っている。
特開2010−131884号公報
アルミニウム合金には多様な種類が存在し、アルミニウムに種々の元素を添加することで、アルミニウムに多様な特性が付与されている。そこで、純アルミニウム及び種々のアルミニウム合金より選択される複数の材料を複合させて使用することで、それらの特性を兼ね備える材料を形成することができると期待される。しかしながら、上記のように、アルミニウム及びアルミニウム合金の表面に他の金属種よりなる層を形成することは困難であるので、純アルミニウム及び他のアルミニウム合金から選択される複数の層を有する材料を形成することは単純には行えない。
このように純アルミニウム及びアルミニウム合金より選択される複数の材料を複合する方法としては、上記のように、脱脂、酸洗を施した第一の材料の表面にジンケート処理を行い、その上に第二の材料のめっき層を形成するという方法が考えられる。しかし、この工程は非常に煩雑であるうえ、第一の材料がアルミニウム合金である場合に、脱脂、酸洗の工程で、合金を形成する成分元素の一部が、最表面に高濃度で残存したり、又は過剰に溶出したりする場合がある。すると、第一層の最表面の化学組成が、層内部の化学組成からずれ、最表面の物性が第一層を形成する本来のアルミニウム合金のものから変化してしまう可能性がある。また、第二の材料がアルミニウム合金である場合、めっき法によって形成した層において、構成元素比を所望の合金の理想的な組成比に一致するように高精度に調整することは、通常は困難である。
あるいは、特許文献1の方法のように、第一の材料の表面に第二の材料を気相法により形成することにより、純アルミニウム及びアルミニウム合金より選択される複数の材料を複合することも考えられる。しかし、気相法には真空装置を使用する必要があり、生産効率が低いうえ、高いコストも要する。
本発明が解決しようとする課題は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる複数の層を有するコネクタ端子用材料において、簡便に製造され、合金組成比の理想的な値からのずれ、及び層表面と層内部での合金組成比のずれがないコネクタ端子用材料を提供すること、そして、そのような材料を用いたコネクタ端子及びそのような材料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるコネクタ端子用材料は、純アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる金属層を少なくとも2種接合した板状のクラッド材よりなることを要旨とする。
ここで、コネクタ端子が他の導電部材と接触する接点部が形成される表面に露出して、純度99質量%以上の純アルミニウム層が形成されていることが好適である。
さらに、2000系アルミニウム合金、3000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金のいずれか1つよりなる層が前記純アルミニウム層と接合されているとよい。
また、前記純アルミニウム層の厚さは、前記コネクタ端子用材料全体の厚さの1%以下であるとよい。
そして、前記純アルミニウム層の厚さは0.5〜5μmの範囲にあることが好ましい。
また、純アルミニウム層中のシリコン原子の含有量が0.5質量%以下であるとよい。
本発明にかかるコネクタ端子は、上記のコネクタ端子用材料を使用して製造されていることを要旨とする。
本発明にかかるコネクタ端子用材料の製造方法は、純アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる少なくとも2種の金属材料をクラッド法により層状に接合することを要旨とする。
上記発明にかかるコネクタ端子用材料によると、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる層が、圧延を主な工程とするクラッド法によって接合されているので、接合に際し、表面の化学処理や真空装置の使用が必要なく、簡便に製造される。さらに、組成の規定された合金材料を圧延によって層状に接合するので、めっき法等によって合金層を形成する場合とは異なり、理想的な合金組成からのずれが発生しない。また、各層の表面に化学処理を施さないことから、表面の合金組成が層内部の組成からずれることもない。
ここで、コネクタ端子が他の導電部材と接触する接点部が形成される表面に露出して、純度99質量%以上の純アルミニウム層が形成されていると、純アルミニウムは、アルミニウム合金とは異なり、脱脂、酸洗処理を行っても、アルミニウム以外の金属が表面に偏在するという事態が発生せず、表面に偏在する金属によるめっき層の密着性の低下という問題が起こらないので、脱脂、酸洗、ジンケート処理を行った上で、さらにその表面にスズ層等の他種金属を形成することが行いやすい。接点部にスズ等よりなる層を形成することで、接点部における電気的接触特性を向上させることができる。
さらに、2000系アルミニウム合金、3000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金のいずれか1つよりなる層が前記純アルミニウム層と接合されていると、これらの合金は非常に高い機械的強度を有するため、比較的機械的強度の低い純アルミニウム層と複合されることで、高い機械的強度と、上記の最表面が純アルミニウム層であることの利点を兼ね備えた端子用材料を得ることができる。
また、前記純アルミニウム層の厚さが、前記コネクタ端子用材料全体の厚さの1%以下であると、機械的強度が比較的低い純アルミニウムが厚さ全体に占める割合が、低く抑えられているので、純アルミニウムの使用によって、端子用材料の機械的強度が低くなることが回避される。
そして、前記純アルミニウム層の厚さは0.5〜5μmの範囲にあると、最表面に脱脂、酸洗処理を施しても、十分な厚さの純アルミニウム層が残存するうえ、クラッド法によって、容易に形成することができる。また、純アルミニウム層が厚すぎて端子用材料全体の機械的強度が低くなりすぎるということもない。
また、純アルミニウム層中のシリコン原子の含有量が0.5質量%以下であると、脱脂、酸洗処理を行った場合に、最表面にめっき層の密着の妨げとなるシリコン原子が偏在するということがほとんど起こらないので、シリコン酸化物をフッ酸等を使用して除去する工程を経ることなく、端子用材料最表面にスズ等の他種金属よりなる層を形成することができる。
上記コネクタ端子は、以上のような材料で形成され、純アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される異なる2種以上が複合された材料よりなるので、それらの特性を兼ね備えたコネクタ端子となる。とりわけ、高強度のアルミニウム合金の表面に純アルミニウム層が積層された端子用材料よりなる場合には、アルミニウム合金の有する高強度と、純アルミニウム表面へのスズ等の金属層の形成しやすさの両方を備えるコネクタ端子を得ることができる。
上記コネクタ端子用材料の製造方法によると純アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる金属層を少なくとも2種接合した板状のクラッド材を、簡便に、そして合金層の組成の理想的な値からのずれも、層表面と層内部での組成のずれも発生させずに形成することができる。
本発明にかかる2層構成のコネクタ端子用材料の構成を示す模式図であり、(a)は断面図(b)は斜視図である。 本発明にかかる3層構成のコネクタ端子用材料の構成を示す模式図であり、(a)は断面図(b)は斜視図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明にかかるコネクタ端子用材料10は、複数の金属層が積層されてなるものであり、各層がクラッド法によって積層されたクラッド材として形成されている。各層はいずれも、純アルミニウム及びアルミニウム合金(以下、まとめてアルミニウム系材料と称する場合がある)より選択される1種よりなる。構成層の数は、2層以上であれば、任意の数とすることができる。図1のように2層よりなる場合は、第一層1と第二層2は、相互に化学組成の異なるアルミニウム系材料よりなる。図2のように3層又はそれ以上よりなる場合には、隣接する層の化学組成が相互に異なっていれば、それ以外の層の化学組成が同じであってもよい。つまり、図2の3層構成の場合、第一層1、第二層2、第三層3の組成が全て異なっていてもよいし、第一層1と第三層3の組成が同じで、第二層2がそれらと異なる組成を有していてもよい。
クラッド材は、異種金属を積層し、圧延、熱処理等の工程を施すことで、異種金属層が接合されたものである。金属層の種類の組み合わせによらず金属層を接合することができるので、いかなるアルミニウム系材料を選択しても、それらが層状に接合されたコネクタ端子用材料をクラッド材として得ることができる。これにより、任意の複数のアルミニウム系材料の特性を兼ね備えるコネクタ端子用材料を得ることができる。
クラッド材は、あらかじめ組成の定まった材料を圧延して形成されるので、アルミニウム合金層を形成する場合にも、めっき法や真空蒸着など、一旦形成された材料を溶解又は昇華させてから金属層を形成する方法とは異なり、層形成の工程で合金組成が変化する要素がない。また、アルミニウム系材料の最表面には、厚い酸化被膜が形成されるが、クラッド材の形成工程においては、圧延工程で酸化被膜が断裂され、露出した金属層同士が接合されるので、アルミニウム系材料に異種金属層を電解めっき法によって形成する場合のように、酸化被膜を除去したり、ジンケート処理を行ったりという前処理が基本的には必要ない。よって、コネクタ端子用材料が簡便に製造できるうえ、前処理工程によって、各層の表面の組成が変化することもない。例えば合金層に脱脂、酸洗処理を行うと、アルミニウム酸化物のエッチング過程において、合金成分の一部がエッチングされずに最表面に高濃度で偏在したり、逆に過剰に溶出したりという事態が発生してしまう。
一般的な単層よりなる薄板状のアルミニウム系材料は、圧延工程による薄板化を経て製造されることが多い。複数の層を有するクラッド材を製造する場合、複数の材料を積層して圧延すればよいので、単層よりなる薄板材を形成する場合に比べ、工程数が殆ど増加しない。図2のように3層以上を積層する場合にも、各層の材料を積層し、一度に圧延を行えば、層数に応じて工程数が増加するようなことはない。各層の厚さは、圧延を行う前に積層する材料の量を調整することで、規定することができる。
コネクタ端子用材料10の各層の具体的な組成及び厚さは、各層に求められる役割等を考慮して、任意に定めることができる。例えば、比較的厚い第二層2を高強度のアルミニウム合金より形成し、薄い第一層1を純アルミニウムより形成する場合を例示することができる。この構成によれば、アルミニウム合金の有する高い強度と、純アルミニウムが提供するめっき工程の利便性を両立するコネクタ端子材料を得ることができる。以下に詳細を説明する。
コネクタ端子においては、相手方コネクタ端子等、他の導電部材と電気的に接触する接点部において、接触特性を向上させる目的で、スズよりなる層を最表面に形成することが一般的である。スズは抵抗率が低いうえ、非常に軟らかく、最表面に形成される酸化物層も破壊されやすいからである。アルミニウム系材料の表面は、化学的、物理的に安定な硬い酸化物被膜に厚く覆われているため、アルミニウム系材料の表面にスズ層を一般的な電解めっき法によって形成する場合には、酸化被膜をアルカリ溶液による脱脂、酸洗によってある程度除去したうえで、ジンケート処理を施し、アルミニウム表面へのスズ層の密着性を高めるためのニッケル層とスズ層を順に電解めっきによって形成するという手順が必要となる。
もし、コネクタ端子用材料の最表面にアルミニウム合金又はその酸化物が露出していれば、この脱脂、酸洗工程において、合金を形成する元素の一部がエッチングされずに残存し、最表面に偏在する可能性がある。すると、偏在した元素が、ニッケル層及び/又はスズ層のアルミニウム系材料への密着性を低下させるおそれがある。しかし、最表面が純アルミニウムで形成されていれば、脱脂、酸洗を経た場合にも、このような事態が発生するおそれがない。
つまり、上記のように、コネクタ端子用材料10の第一層1を純アルミニウムより形成し、この面にコネクタ端子の接点部を形成するようにすれば、脱脂、酸洗等の工程を経たうえでスズ層を最表面に形成し、良好な接点特性を実現することができる。純アルミニウムのこのような利点を利用するだけならば、端子用材料全体を純アルミニウムで形成すればよいことになるが、純アルミニウムは、種々のアルミニウム合金と比較して機械的強度において劣り、端子用材料として十分な機械的強度が達成されない。しかし、コネクタ端子用材料10において、厚いアルミニウム合金層の表面に薄い純アルミニウム層を形成しておけば、純アルミニウム層が有する上記のような利点と、アルミニウム合金の強度を両立することができる。
純アルミニウムとしては、アルミニウム純度が99%(質量%;以下同じ)以上のものが好ましく、さらに好ましくは99.5%以上である。すると、上記のようなアルミニウム以外の金属の偏在が脱脂、酸洗時に起こることが効果的に回避される。また、脱脂、酸洗時の偏在によってその上に形成しためっき層の密着性を低下させる主な添加元素としては、シリコンが挙げられる。シリコンが最表面に偏在すると、非常に安定な酸化物が形成され、有害で取り扱い及び廃棄が困難なフッ酸を使用して除く必要があるので、純アルミニウム層におけるシリコン含有量は特に少ない方が望ましい。具体的には、含有量を0.5%以下としておくことが望ましい。
純アルミニウムの代わりに、添加元素の含有量が非常に少ないアルミニウム合金を使用することも可能である。具体的には、1000系アルミニウム合金を挙げることができる。中でも、上でとりわけ好ましいアルミニウム純度として挙げた99.5%とのアルミニウム濃度を有するA1050合金を、代表例として挙げることができる。
純アルミニウム層と複合され、コネクタ端子用材料10に機械的強度を付与するアルミニウム合金としては、種々のアルミニウム合金の中でもとりわけ高い機械的強度を有するという観点から、2000系(Al−Cu系)、3000系(Al−Mn系)、6000系(Al−Mg−Si系)のアルミニウム合金を例示することができる。特に、加工性と機械的強度のバランスという観点から、オス型端子用材料としては、3000系又は6000系、メス型端子用材料としては2000系又は6000系が好適である。
コネクタ端子の接点部が1箇所しかない場合、又は複数の接点部が薄板材の片面にのみ形成される場合には、コネクタ端子用材料10を図1に示す2層構成とし、上記のように薄い第一層1を純アルミニウム、厚い第二層2をアルミニウム合金より形成すればよい。一方、相手方端子との接触箇所及び電線導体との接触箇所のように複数の接点部が同一のコネクタ端子内に形成される場合に、それらが薄板材の両面に形成されるならば、図2のようにコネクタ端子用材料10を3層構成とし、アルミニウム合金よりなる厚い第二層2の両面に、薄い純アルミニウムよりなる第一層1及び第三層3を形成すればよい。
コネクタ端子用材料10を構成する各層の厚さは、各層の機能を十分に発揮できる程度に厚く、かつ別の層の機能を阻害することがないように選択すればよい。具体的には、上記のように、純アルミニウム層とアルミニウム合金層を接合する場合、純アルミニウム層の厚さは、0.1μm以上であればよい。アルミニウム系材料の脱脂、酸洗工程では、一般的に0.1μm程度の深さまでエッチングを行うからである。ただし、クラッド法で一般的に形成可能な層の厚さを考慮すると、0.5μm以上とすることが現実的である。一方、純アルミニウム層が厚すぎると、その機械的強度の低さのために、アルミニウム合金によって付与される高い機械的強度が損なわれることになるので、純アルミニウム層の厚さは、全板厚の1%以下とすることが好ましい。一般的な端子用材料の厚さは0.2〜0.5mm(多くは0.25mm又は0.3mm)であるので、純アルミニウム層の厚さは、5μm以下であることが好ましい。ここで、図2の3層構成の第一層1及び第三層3を純アルミニウム層とする場合のように、純アルミニウム層が複数存在する場合には、それらの合計の厚さが全板厚の1%以下であることが好ましい。つまり、全板厚が0.2mmの場合に、純アルミニウム層が1層の場合は、その厚さが2μm以下であることが好ましく、同じ厚さの純アルミニウム層が2層形成される場合には、各純アルミニウム層の厚さが1μm以下であることが好ましい。
以上のように薄い純アルミニウム層と2000系、3000系、6000系から選択されるアルミニウム合金の厚い層を接合する場合以外に、好ましい積層構造の例として、薄い3000系合金層と厚い2000系合金層を接合する構成を挙げることができる。3000系合金層は比較的添加元素の含有量が少ないうえ、純アルミニウムよりは機械的強度に優れている一方、2000系アルミニウム合金は非常に機械的強度に優れている。これらを複合することで、非常に高い機械的強度を有し、表面に密着性の高いめっき層を形成できる可能性もある程度有するコネクタ端子用材料を得ることができる。
本発明にかかるコネクタ端子は、上記のような本発明にかかるコネクタ端子材料より形成される。オス型端子、メス型端子のいずれであってもよく、任意の形状をとることができる。上記のようなコネクタ端子材料をコネクタ端子の展開形状に打ち抜き、折り曲げ等を経て、端子形状を形成すればよい。展開形状の打ち抜きに際しては、コネクタ端子用材料の面の方向に注意する必要があり、例えば、薄い純アルミニウム層を厚い合金層の片面に形成したコネクタ端子用材料を使用する場合には、接点部が純アルミニウム層側の面に形成されるようにする必要がある。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 第一層
2 第二層
3 第三層
10 コネクタ端子用材料

Claims (8)

  1. コネクタ端子が他の導電部材と接触する接点部を構成する部位が、アルミニウム合金よりなる合金層と、前記合金層の表面に接合された純度99質量%以上でシリコン原子の含有量が0.5質量%以下である純アルミニウムよりなる純アルミニウム層と、を有する板状のクラッド材を基材としてなり、
    前記純アルミニウム層の表面を被覆するアルミニウムおよびアルミニウム合金以外の金属よりなる他種金属層を有することを特徴とするコネクタ端子用材料。
  2. 前記合金層が、2000系アルミニウム合金、3000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金のいずれか1つよりなることを特徴とする請求項に記載のコネクタ端子用材料。
  3. 前記他種金属層の最表面を構成する層がスズ層であることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ端子用材料。
  4. 前記純アルミニウム層の厚さは、前記クラッド材全体の厚さの1%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のコネクタ端子用材料。
  5. 前記純アルミニウム層の厚さは0.5〜5μmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ端子用材料。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載のコネクタ端子用材料よりなるコネクタ端子。
  7. アルミニウム合金と、純度99質量%以上でシリコン原子の含有量が0.5質量%以下である純アルミニウムとをクラッド法により層状に接合したうえで、
    前記純アルミニウムより形成された層の表面に、脱脂と酸洗を施し、さらにアルミニウムおよびアルミニウム合金以外の金属よりなる他種金属層を形成することを特徴とするコネクタ端子用材料の製造方法。
  8. 前記他種金属層の最表面を構成する層は、電解めっきによって形成されるスズ層であることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ端子用材料の製造方法。
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