JP5953904B2 - 画像記録装置、画像記録方法、プログラム、プログラム記録媒体 - Google Patents

画像記録装置、画像記録方法、プログラム、プログラム記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、記録媒体に対して画像を記録する技術に関し、特に記録媒体へ与えるテンションを制御する技術に関する。
特許文献1には、搬送されるシートに対して画像を記録する画像記録装置が記載されている。具体的には、シートを張架する2本の駆動ローラーが回転することで、シートが搬送される。そして、これら駆動ローラーの間で記録媒体に対向する記録ヘッドが、搬送経路の上流側から下流側へと搬送されるシートに対して画像を記録する。また、特許文献1では、上流側の駆動ローラーによる用紙搬送速度が、下流側の駆動ローラーによる用紙搬送速度よりも速く設定されている。これによって、シートが下流側の駆動ローラーに引っ張られて、シートにテンションが付与される。
また、特許文献2では、特許文献1とは異なる手法で、搬送されるシートへテンションを与える巻出繰出装置が記載されている。この巻出繰出装置では、シートの両端が巻出軸および巻取軸に巻き付けられており、巻出軸および巻取軸が回転することで、シートが巻出軸から巻取軸へ搬送される。そして、巻出軸のトルクを調整することで、シートへテンションが付与される。特に特許文献2では、シートのテンションを検出した結果に基づいて、巻出軸のトルクを調整することで、シートのテンションが制御される。
特開2005−074773号公報 特開平04−094357号公報
ところで、特許文献1の画像記録装置のように、2本の駆動ローラーの搬送速度に差を設けることで記録媒体(シート)にテンションを与える構成では、下流側の駆動ローラーと記録媒体の間に滑りが発生して、記録媒体が上下にばたつきやすい。そして、記録媒体に画像が記録されるプロセス領域で、このようなばたつきが発生すると、記録媒体へ画像を適切に記録できない。そこで、特許文献1の画像記録装置に特許文献2の技術を適用することが考えられる。つまり、プロセス領域で記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて駆動ローラーのトルクを調整することで、上記のばたつきを抑えつつ、プロセス領域で記録媒体にテンションを付与できると期待できる。
しかしながら、このように特許文献1、2の技術の組み合わせを試みた場合、プロセス領域で記録媒体のテンションが不安定になるおそれがあった。つまり、駆動ローラーに対してトルク制御を行なう構成では、駆動ローラーを挟む2つの領域間でテンション変動が相互に伝達しうる。したがって、駆動ローラーにトルク制御を適用したために、プロセス領域より駆動ローラーの逆側で発生した記録媒体のテンション変動が、プロセス領域の記録媒体まで伝達するようになる。この際、駆動ローラーの逆側で発生した高周波のテンション変動がプロセス領域に伝わって、プロセス領域でのテンション制御を乱すことで、プロセス領域における記録媒体のテンションが振動して不安定になり、延いては、記録媒体への画像記録が適切に行なえないおそれがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体への画像の記録が実行される領域における記録媒体のテンションを安定化させて、適切な画像記録を実行可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明にかかる画像記録装置は、上記目的を達成するために、第1領域で記録媒体に画像を記録する記録部と、記録媒体を搬送する駆動ローラーを有し、第1領域で記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて駆動ローラーのトルクを調整することで第1領域における記録媒体のテンションを制御する第1制御部と、駆動ローラーに対して記録部の逆側の第2領域における記録媒体のテンションを検出した結果に応じて第2領域における記録媒体のテンションを制御する第2制御部とを備え、第1領域で生じたテンション変動に対する第1制御部の周波数応答特性よりも、第2領域で生じたテンション変動に対する第2制御部の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答することを特徴としている。
この発明にかかる画像記録方法は、上記目的を達成するために、記録媒体に画像を記録する画像記録方法において、記録媒体への画像の記録が実行される第1領域における記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて、記録媒体を搬送する駆動ローラーのトルクを調整することで、第1領域における記録媒体のテンションを制御する第1制御工程と、駆動ローラーに対して記録部の逆側の第2領域における記録媒体のテンションを検出した結果に応じて第2領域における記録媒体のテンションを制御する第2制御工程とを備え、第1制御工程におけるテンション制御が第1領域で生じたテンション変動に対して示す周波数応答特性よりも、第2制御工程におけるテンション制御が第2領域で生じたテンション変動に対して示す周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答することを特徴としている。
この発明にかかるプログラムは、上記目的を達成するために、記録媒体に画像を記録する画像記録装置を制御するコンピューターに用いられるプログラムにおいて、記録媒体への画像の記録が実行される第1領域における記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて、記録媒体を搬送する駆動ローラーのトルクを調整することで、第1領域における記録媒体のテンションを制御する第1制御部と、駆動ローラーに対して記録部の逆側の第2領域における記録媒体のテンションを検出した結果に応じて第2領域における記録媒体のテンションを制御する第2制御部として前記コンピューターを機能させるとともに、第1領域で生じたテンション変動に対する第1制御部の周波数応答特性よりも、第2領域で生じたテンション変動に対する第2制御部の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答するように、コンピューターを機能させることを特徴としている。
この発明にかかるプログラム記録媒体は、上記プログラムが記録されており、コンピューターにより読み取りが可能であることを特徴としている。
このように構成された発明(画像記録装置、画像記録方法、プログラム、プログラム記録媒体)では、記録媒体への画像の記録が実行される第1領域(すなわち、プロセス領域)における記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて、駆動ローラーのトルクが調整されて、第1領域での記録媒体のテンションが制御される。また、駆動ローラーより記録部の逆側の第2領域(すなわち、駆動ローラーよりプロセス領域の逆側の領域)における記録媒体のテンションを検出した結果に応じて、第2領域における記録媒体のテンションが調整される。つまり、駆動ローラーを挟む第1領域および第2領域のそれぞれにおいて、記録媒体のテンションを検出した結果に応答して、記録媒体のテンション制御が実行される。
そして、本発明では、第1領域に対するテンション制御の周波数応答特性よりも、第2領域に対するテンション制御の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答するように構成されている。したがって、第1領域に対する応答特性の遅いテンション制御は、高周波のテンション変動に応答せず、第2領域に対する応答特性の速いテンション制御のみが高周波のテンション変動に応答するといった制御を実行できる。よって、駆動ローラーの逆側(第2領域)で発生した高周波のテンション変動が第1領域(プロセス領域)に伝わっても、このテンション変動が第1領域に対するテンション制御を乱すことを抑制でき、その結果、第1領域における記録媒体のテンションが振動するといった状況の発生を抑制できる。こうして、記録媒体への画像の記録が実行される領域(第1領域)における記録媒体のテンションを安定化させて、適切な画像記録を実行することが可能となる。
また、第2領域における記録媒体のテンションが周期的に変動する周期変動成分を有する画像記録装置に対して本発明を適用するように構成しても良い。これによって、第2領域で記録媒体のテンションに発生する周期変動成分の影響を抑えて、第1領域における記録媒体のテンションを安定化させ、適切な画像記録を実行することが可能となる。
この際、第1制御部の周波数応答特性は、周期変動成分の周波数のテンション変動に対して応答しないように画像記録装置を構成しても良い。このような構成では、第2領域で記録媒体のテンションに発生する周期変動成分が第1領域の記録媒体に伝達しても、第1領域に対するテンション制御はこの周期変動成分に応答しない。したがって、この周期変動成分が第1領域に対するテンション制御を乱すことで、第1領域における記録媒体のテンションが振動するといった状況の発生を効果的に抑制できる。
また、第2制御部の周波数応答特性は、周期変動成分の周波数のテンション変動に対して応答するように画像記録装置を構成しても良い。このような構成では、第2領域で記録媒体のテンションに発生する周期変動成分を、第2領域に対するテンション制御により適切に抑え込むことができ、第2領域における記録媒体のテンションを安定化できる。
また、駆動ローラーは、第1領域から第2領域へ記録媒体を搬送する画像記録装置であって、第2領域で記録媒体を回転しつつ巻き取る巻取軸をさらに備え、第2領域における記録媒体のテンションは、巻取軸の回転周期で変動する周期変動成分を有する画像記録装置に対して、上記構成を適用しても良い。
あるいは、駆動ローラーは、第2領域から第1領域へ記録媒体を搬送する画像記録装置であって、第2領域で記録媒体を回転しつつ繰り出す繰出軸をさらに備え、第2領域における記録媒体のテンションは、繰出軸の回転周期で変動する周期変動成分を有する画像記録装置に対して、上記構成を適用しても良い。
また、第1領域で記録部に画像が形成される記録媒体に接しつつ、搬送される記録媒体に従動して回転する従動回転部材をさらに備えるように画像記録装置を構成しても良い。このように、搬送される記録媒体に従動して回転する従動回転部材によって、第1領域の記録媒体を支持することで、第1領域での記録媒体のテンションをより安定化させることができる。
この際、第1制御部は、従動回転部材と駆動ローラーの間で記録媒体のテンションを検出するように画像記録装置を構成しても良い。
ところで、この発明では、第1領域に対するテンション制御の周波数応答特性よりも、第2領域に対するテンション制御の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答するといった構成を備える。かかる構成を実現する具体的機構としては、種々の態様を採用できる。
そこで、積分動作、比例動作および微分動作のうち、第1制御部は、記録媒体のテンション変動の検出結果に対して積分動作のみを行なって第1領域における記録媒体のテンションを制御し、第2制御部は、記録媒体のテンション変動の検出結果に対して積分動作のほかの動作を行なって第2領域における記録媒体のテンションを制御するように画像記録装置を構成しても良い。
あるいは、第1制御部は、記録媒体のテンション変動の検出結果を駆動ローラーのトルクへ帰還する帰還ループに、所定周波数以下の周波数帯域のみを伝達するフィルターを有するように画像記録装置を構成しても良い。
本発明を適用可能なプリンターが備える装置構成の一例を模式的に示す図。 図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に示す図。 シートのテンション制御を実行する第1実施形態の構成を示す図。 PID制御のゲインの設定値を表として示す図。 テンション制御部の周波数応答特性を表すボード線図を示す図。 シートのテンション制御を実行する第2実施形態の構成を示す図。
第1実施形態
図1は、本発明を適用可能なプリンターが備える装置構成の一例を模式的に示す正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のシートS(ウェブ)が、繰出軸20と巻取軸40の間に張架されており、シートSはこうして張架された経路Pcに沿って、繰出軸20から巻取軸40へと搬送される。そして、プリンター1では、この搬送経路Pcに沿って搬送されるシートSに対して画像が記録される。シートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からシートSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたシートSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたシートSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、シートSは、繰出軸20に着脱自在な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のシートSが使い切られた際には、ロール状のシートSが巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のシートSを取り換えることが可能となっている。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSをプラテンドラム30で支持しつつ、プラテンドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、シートSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、プラテンドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSがプラテンドラム30に支持されて、画像記録を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを搬送経路の下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
プラテンドラム30は図示を省略する支持機構により回転自在に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。このプラテンドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、シートSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、プラテンドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31とプラテンドラム30の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、プラテンドラム30と後駆動ローラー32の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、プラテンドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでシートSを折り返すことで、プラテンドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、プラテンドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、プラテンドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、プラテンドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の記録ヘッド51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個の記録ヘッド51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各記録ヘッド51は、プラテンドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるシートSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出することで、シートSの表面にカラー画像が形成される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UVランプ61、62(光照射部)が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の記録ヘッド51の各間には、仮硬化用のUVランプ61が配置されている。つまり、UVランプ61は弱い紫外線を照射することで、インクの形状が崩れない程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを完全に硬化させるものではない。一方、複数の記録ヘッド51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUVランプ62が設けられている。つまり、UVランプ62は、UVランプ61より強い紫外線を照射することで、インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。
このように、複数の記録ヘッド51の各間に配置されたUVランプ61が、搬送方向Dsの上流側の記録ヘッド51からシートSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一の記録ヘッド51がシートSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一の記録ヘッド51に隣接する記録ヘッド51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数の記録ヘッド51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、シートSにカラー画像を形成する。さらに、複数の記録ヘッド51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUVランプ62が設けられている。そのため、複数の記録ヘッド51により形成されたカラー画像は、UVランプ62により本硬化されてシートSに定着する。
さらに、UVランプ62に対して搬送方向Dsの下流側には、記録ヘッド52が設けられている。この記録ヘッド52は、プラテンドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でシートSの表面に吐出する。つまり、4色分の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、記録ヘッド52に対して搬送方向Dsの下流側には、UVランプ63が設けられている。このUVランプ63は強い紫外線を照射することで、記録ヘッド52が吐出した透明インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。これによって、透明インクをシートS表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、プラテンドラム30の外周部に巻き掛けられるシートSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でシートSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたシートSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、シートSは、巻取軸40に着脱自在な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたシートSが満杯になった際には、芯管42ごとシートSを取り外すことが可能となっている。
以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1を制御する電気的構成について説明を行なう。図2は、図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に示すブロック図である。上述したプリンター1の動作は、図2に示すホストコンピューター10によって制御される。ホストコンピューター10では、制御動作を統括するホスト制御部100がCPU(Central Processing Unit)やメモリーにより構成されている。また、ホストコンピューター10にはドライバー120が設けられており、このドライバー120がメディア122からプログラム124を読み出す。なお、メディア122としては、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリー等の種々のものを用いることができる。そして、ホスト制御部100は、メディア122から読み出したプログラム124に基づいて、ホストコンピューター10の各部の制御やプリンター1の動作の制御を行なう。
さらに、ホストコンピューター10には作業者とのインターフェースとして、液晶ディスプレー等で構成されるモニター130と、キーボードやマウス等で構成される操作部140とが設けられている。モニター130には、印刷対象の画像の他にメニュー画面が表示される。したがって、作業者は、モニター130を確認しつつ操作部140を操作することで、メニュー画面から印刷設定画面を開いて、印刷媒体の種類、印刷媒体のサイズ、印刷品質等の各種の印刷条件を設定することができる。なお、作業者とのインターフェースの具体的構成は種々の変形が可能であり、例えばタッチパネル式のディスプレーをモニター130として用い、このモニター130のタッチパネルで操作部140を構成しても良い。
一方、プリンター1では、ホストコンピューター10からの指令に応じてプリンター1の各部を制御するプリンター制御部200が設けられている。そして、記録ヘッド、UVランプおよびシート搬送系の装置各部はプリンター制御部200によって制御される。これら装置各部に対するプリンター制御部200の制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部200は、カラー画像を形成する各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを、シートSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、プラテンドラム30の回転軸に取り付けられて、プラテンドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、プラテンドラム30はシートSの搬送に伴って従動回転するため、プラテンドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、シートSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部200は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを制御することで、各記録ヘッド51が吐出したインクを搬送されるシートSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。
また、記録ヘッド52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部200により制御される。これによって、複数の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。さらに、UVランプ61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部200によって制御される。
また、プリンター制御部200は、図1を用いて詳述したシートSの搬送を制御する機能を司る。つまり、シート搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部200はこれらのモーターを回転させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、シートSの搬送を制御する。このシートSの搬送制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部200は、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20を回転させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にシートSを供給する。この際、プリンター制御部200は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのシートSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS21の検出結果に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、シートSの繰出テンションTaを調整する。
この際、プリンター制御部200は、繰出軸20から前駆動ローラー31へ供給されるシートSの幅方向(図1の紙面の直交方向)の位置を調整しつつ、シートSの繰り出しを行う。つまり、プリンター1には、繰出軸20および従動ローラー21それぞれを軸方向(言い換えればシートSの幅方向)に変位させるステアリングユニット7が設けられている。また、従動ローラー21と前駆動ローラー31の間にはシートSの幅方向への端を検出するエッジセンサーSeが配置されている。このエッジセンサーSeは、例えば超音波センサー等の距離センサーで構成することができる。そして、プリンター制御部200は、エッジセンサーSeの検出結果に基づいて、ステアリングユニット7をフィードバック制御して、シートSの幅方向への位置を調整する。これによって、シートSの幅方向への位置が適切化されて、シートSの蛇行等の搬送不良が抑制される。
また、プリンター制御部200は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回転させる。これによって、繰出部2から繰り出されたシートSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部200は、前駆動モーターM31のエンコーダー出力に基づいて、前駆動モーターM31の回転速度を一定に調整する。これによって、シートSは、前駆動ローラー31によって一定速度で搬送される。
一方、プリンター制御部200は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのシートSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、プラテンドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS34の検出結果に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、シートSのプロセステンションTbを調整する。
また、プリンター制御部200は、巻取軸40を駆動する巻取モーターM40を回転させて、後駆動ローラー32が搬送するシートSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部200は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのシートSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS41の検出結果に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、シートSの巻取テンションTcを調整する。
以上が、プリンター1を制御する電気的構成の概要である。上述のとおり、前駆動ローラー31は所定の速度で回転し、これによってシートSが搬送経路Pcに沿って一定速度で搬送される。そして、プリンター制御部200は、こうしてシートSの搬送速度を定速に制御した上で、シートSに与えるテンションTa、Tb、Tcの調整を行なう。各領域Ta、Tb、Tcに対して実行されるテンション制御について、図1、図2を用いてさらに詳述する。
繰出テンションTaの調整は、繰出軸20のトルクを調整することで実行される。具体的には、繰出軸20から前駆動ローラー31へシートSが引き出される方向(搬送方向)に対して逆向きの力F20をシートSに作用させながら、繰出軸20は図1の時計回りに回転する。この際、力F20は、繰出モーターM20の出力トルクtm20と、繰出軸20に巻き付けられたシートSからなるロールの半径Raとの間に次の関係
F20=tm20/Ra
を有する。したがって、テンションセンサーS21の検出する繰出テンションTaの値に基づいて繰出モーターM20の出力トルクtm20をフィードバック制御することで、シートSに作用する力F20を調整して、繰出テンションTaを調整することができる。
なお、前駆動ローラー31の回転速度が一定に調整されているため、前駆動ローラー31より搬送経路Pcの下流側のシートSに作用する力は、繰出テンションTaには影響しない。したがって、繰出テンションTaは、力F20に等しい値となる。すなわち、次式
Ta=F20=tm20/Ra …式1
が満たされる。
プロセステンションTbの調整は、後駆動ローラー32のトルクを調整することで実行される。具体的には、シートSの搬送方向に向く力F32をシートSに作用させながら、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転する。この際、力F32は、後駆動モーターM32の出力トルクtm32と、後駆動ローラー32の半径Rbとの間に次の関係
F32=tm32/Rb
を有する。したがって、テンションセンサーS34の検出するプロセステンションTbの値に基づいて後駆動モーターM32の出力トルクtm32をフィードバック制御することで、シートSに作用する力F32を調整して、プロセステンションTbを調整することができる。
なお、前駆動ローラー31の回転速度が一定に調整されているため、前駆動ローラー31より搬送経路Pcの上流側のシートSに作用する力は、プロセステンションTbには影響しない。ただし、次に説明するように、後駆動ローラー32より搬送経路Pcの下流側では巻取軸40がシートSに力F40を作用させており、この力F40はプロセステンションTbに影響する。具体的には、プロセステンションTbは、力F32に力F40を合成した値となる。すなわち、次式
Tb=F32+F40=tm32/Rb+F40 …式2
が満たされる。
巻取テンションTcの調整は、巻取軸40のトルクを調整することで実行される。具体的には、シートSの搬送方向に向く力F40をシートSに作用させながら、巻取軸40は図1の時計回りに回転する。この際、力F40は、巻取モーターM40の出力トルクtm40と、巻取軸40に巻き付けられたシートSからなるロールの半径Rcとの間に次の関係
F40=tm40/Rc
を有する。したがって、テンションセンサーS41の検出する巻取テンションTcの値に基づいて、巻取モーターM40の出力トルクtm40をフィードバック制御することで、シートSに作用する力F40を調整して、巻取テンションTcを調整することができる。これによって、巻取テンションTcは、力F40に等しい値となる。すなわち、次式
Tc=F40=tm40/Rc …式3
が満たされる。
ところで、上記のようなプリンター1においてシートSに適切に画像を記録するためには、画像記録が実行されるプロセス部3のプロセステンションTbが安定していることが重要となる。したがって、プロセステンションTbへの外乱の影響を抑えてプロセステンションTbを安定化させることが求められる。しかしながら、上記の式2、式3から理解できるように、プロセス部3のテンションTbは、トルク制御が実行される後駆動ローラー32を挟んで隣接する巻取部4のテンションTcと相関する(Tb=F32+Tc)。そのため、巻取部4で発生した外乱による影響を、プロセステンションTbが受けてしまうことが考えられる。
特に巻取部4では、巻取軸40の回転に起因した比較的速い周期(巻取軸40の回転周期pr)の周期変動成分が巻取テンションTcに生じやすい。この周期変動成分の発生要因の一例としては、巻取軸40への芯管42の取り付け状態が挙げられる。具体的には、芯管42が巻取軸40との間に働く応力で変形したり、芯管42と巻取軸40との中心軸がずれたり、芯管42が巻取軸40に対して傾いたりといった取り付け状態によって、巻取テンションTcに周期変動成分が生じうる。そして、この周期変動成分がプロセス領域TbのシートSに伝わって、プロセス部3におけるシートSのテンション制御を乱すことで、プロセステンションTbが振動して不安定になる(換言すれば発振する)おそれがあった。そこで、この実施形態では、プロセス部3および巻取部4に対するテンション制御の周波数応答特性が、以下に説明するように設定されている。
図3は、プロセス部および巻取部に対してシートのテンション制御を実行する第1実施形態の構成を模式的に示す図である。図3に示すように、プロセス部3へのテンション制御に対しては、プロセステンション制御部210が設けられ、巻取部4へのテンション制御に対しては、巻取テンション制御部220が設けられている。なお、これらのテンション制御部210、220はプリンター制御部200(図2)に内蔵されている。
プロセステンション制御部210は、テンションセンサーS34が検出したプロセステンションTbの値Tbrと、プロセステンションTbの目標値Tboとの差分ΔTb(=Tbr−Tbo)を求める。また、プロセステンション制御部210のPID制御器211は、この差分ΔTbに基づいてPID(Proportinal Integral Differential)制御を行なう。つまり、PID制御器211は、差分ΔTbに比例ゲインKpを乗じた値と、差分ΔTbを積分回路で時間積分して積分ゲインKiを乗じた値と、差分ΔTbを時間微分して微分ゲインKdを乗じた値とを加算して、モーター制御信号Qbを生成する。そして、後駆動モーターM32がモーター制御信号Qbに応じたトルクを後駆動ローラー32に与えて、プロセステンションTbが調整される。このようにプロセステンション制御部210は、プロセステンションTbを調整する後駆動ローラー32のトルクに、プロセステンションTbの検出値をフィードバックして、プロセステンションTbを制御する。
巻取テンション制御部220は、テンションセンサーS41が検出した巻取テンションTcの値Tcrと、巻取テンションTcの目標値Tcoとの差分ΔTcを求める。また、巻取テンション制御部220のPID制御器221は、この差分ΔTcに基づいてPID制御を実行して、モーター制御信号Qcを生成する。そして、巻取モーターM40がモーター制御信号Qcに応じたトルクを巻取軸40に与えて、巻取テンションTcが調整される。このように巻取テンション制御部220は、巻取テンションTcを調整する巻取軸40のトルクに、巻取テンションTcの検出値をフィードバックして、巻取テンションTcを制御する。
そして、この実施形態では、PID制御器211、221のゲインKp、Ki、Kdの設定によって、各テンション制御部210、221の周波数応答特性が調整されている(図4)。ここで、図4は、PID制御のゲインの設定値を表として示す図である。同図に示す各値Bi、Cp、Ciはいずれもゼロとは異なる有限の値である。
図4の表に示すように、プロセス部3のPID制御器211では、比例ゲインKpおよび微分ゲインKdはいずれもゼロに設定されており、積分ゲインKiのみが正の値Bi(=2)に設定されている。したがって、プロセステンション制御部210は、積分動作、比例動作および微分動作のうちの積分動作のみをプロセステンションTbの検出値に対して行って、プロセステンションTbを制御する。したがって、プロセステンション制御部210は、低い帯域を持つ周波数応答特性を示し、急峻なテンション変動に対しては応答しない。
一方、巻取部4のPID制御器221では、微分ゲインKdはゼロに設定されているが、比例ゲインKpおよび積分ゲインKiはそれぞれ正の値に設定される。具体的には、比例ゲインKpは値Cp(=10)に設定され、積分ゲインKiは値Ci(=40>Bi)に設定される。このように比例ゲインKpが正の値Cpに設定されており、巻取テンション制御部220は、積分動作のほかに比例動作も巻取テンションTcの検出値に対して行って、巻取テンションTcを制御する。したがって、巻取テンション制御部220は、高い帯域を持つ周波数応答特性を示し、急峻なテンション変動に対しても応答する。
このように設定された結果、この実施形態では、プロセス部3で生じたテンション変動に対するプロセステンション制御部210の周波数応答特性よりも、巻取部4で生じたテンション変動に対する巻取テンション制御部220の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答する。このようなテンション制御部210、220の周波数応答特性について、図5を用いて説明する。
図5は、テンション制御部の周波数応答特性を表すボード線図を示す図である。同図において、プロセステンション制御部210の周波数応答特性は上段に示され、巻取テンション制御部220の周波数応答特性は下段に示されている。同図に示すように、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlの遮断周波数flは、巻取テンション制御部220の周波数応答特性RPhの遮断周波数fhより低い(fl<fh)。そのため、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlは、遮断周波数fl未満の低帯域Wlのテンション変動に対しては応答するが、遮断周波数flから遮断周波数fhまでの高帯域Whのテンション変動に対しては応答しない。一方、巻取テンション制御部220の周波数応答特性RPhは、低帯域Wlおよび高帯域Whいずれのテンション変動に対しても応答する。
また、この高帯域Whは、上述した巻取軸40の回転に起因した周期変動成分の周波数fr(=1/pr)を含むように設定されている。したがって、巻取テンション制御部220は、巻取テンションTcに発生した周波数frの周期変動成分に応答して、巻取テンションTcを制御する。一方、プロセステンション制御部210は、プロセステンションTbに周波数frの周期変動成分が発生しても、これに応答しない。
以上に説明したように、この実施形態では、シートSへの画像記録が実行されるプロセス部3におけるシートSのテンションTbを検出した結果に基づいて、後駆動ローラー32のトルクが調整されて、プロセス部3でのシートSのテンションTbが制御される。また、後駆動ローラー32よりプロセス部3の逆側の巻取部4におけるシートSのテンションTcを検出した結果に応じて、巻取部4におけるシートSのテンションTcが調整される。つまり、後駆動ローラー32を挟むプロセス部3および巻取部4のそれぞれにおいて、シートSのテンションを検出した結果に応答して、シートSのテンション制御が実行される。
そして、この実施形態では、プロセス部3に対するテンション制御の周波数応答特性RPlよりも、巻取部4に対するテンション制御の周波数応答特性RPhのほうが、より高い周波数帯域Whのテンション変動に応答するように構成されている。したがって、プロセス部3に対する応答特性の遅いテンション制御は、高周波のテンション変動に応答せず、巻取部4に対する応答特性の速いテンション制御のみが高周波のテンション変動に応答するといった制御を実行できる。よって、巻取部4で発生した高周波のテンション変動がプロセス部3に伝わっても、このテンション変動がプロセス部3に対するテンション制御を乱すことを抑制でき、その結果、プロセス部3におけるシートSのテンションTbが振動するといった状況の発生を抑制できる。こうして、シートSへの画像の記録が実行されるプロセス部3におけるシートSのテンションTbを安定化させて、適切な画像記録を実行することが可能となる。
また、この実施形態では、巻取部4におけるシートSのテンションTcが周期的に変動する周期変動成分を有するプリンター1に対して、本発明が適用されている。これによって、巻取部4でシートSのテンションTcに発生する周期変動成分の影響を抑えて、プロセス部3におけるシートSのテンションTbを安定化させ、適切な画像記録を実行することが可能となる。
特に、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlは、周期変動成分の周波数frのテンション変動に対して応答しないように構成されている。そのため、巻取部4でシートSのテンションTcに発生する周期変動成分がプロセス部3のシートSに伝達しても、プロセス部3に対するテンション制御はこの周期変動成分に応答しない。したがって、この周期変動成分がプロセス部3に対するテンション制御を乱すことで、プロセス部3におけるシートSのテンションが振動するといった状況の発生を効果的に抑制できる。
また、巻取テンション制御部220の周波数応答特性RPhは、周期変動成分の周波数frのテンション変動に対して応答するように構成されている。そのため、巻取部4でシートSのテンションTcに発生する周期変動成分を、巻取部4に対するテンション制御により適切に抑え込むことができ、巻取部4におけるシートSのテンションを安定化できる。
また、この実施形態では、プロセス部3で記録ヘッド51によって画像が形成されるシートSに接しつつ、搬送されるシートSに従動して回転するプラテンドラム30が設けられている。このように、搬送されるシートSに従動して回転するプラテンドラム30によって、プロセス部3のシートSを支持することで、プロセス部3でのシートSのテンションTbをより安定化させることができる。
第2実施形態
上述の第1実施形態では、前駆動モーターM31に対して速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してトルク制御が実行されていた。これに対して、第2実施形態では、前駆動モーターM31に対してトルク制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対して速度制御が実行される。第2実施形態と第1実施形態との主な差異は駆動モーターM31、M32に対する速度・トルク制御の関係にあるため、以下ではこの差異部分を中心に説明することとし、共通部分については相等符号を付して説明を適宜省略する。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と共通の構成を具備することで、同様の効果が奏されることは言うまでもない。
上述のとおり第2実施形態では、前駆動ローラー31に対してトルク制御が実行されている。したがって、プロセス部3のテンションTbは、トルク制御が実行される前駆動ローラー31を挟んで隣接する繰出部2のテンションTaと相関する。そのため、繰出部2で発生した外乱による影響を、プロセステンションTbが受けてしまうことが考えられる。特に繰出部2では、繰出軸20に芯管22を取り付けた構成を有するため、上述の巻取軸40と同様の理由により、繰出軸20の回転に起因した比較的速い周期(繰出軸20の回転周期pr)の周期変動成分が繰出テンションTaに生じやすい。そして、この周期変動成分がプロセス部3のシートSに伝わって、プロセス部3におけるシートSのテンション制御を乱すことで、プロセステンションTbが振動して不安定になる(換言すれば発振する)おそれがあった。そこで、この実施形態では、プロセス部3および繰出部2に対するテンション制御の周波数応答特性が、以下に説明するように設定されている。
図6は、プロセス部および繰出部に対してシートのテンション制御を実行する第2実施形態の構成を模式的に示す図である。図6に示すように、プロセス部3へのテンション制御に対しては、プロセステンション制御部210が設けられ、繰出部2へのテンション制御に対しては、繰出テンション制御部230が設けられている。なお、これらのテンション制御部210、230はプリンター制御部200(図2)に内蔵されている。
この実施形態では、ロードセル等で構成されたテンションセンサーS33が従動ローラー33に取り付けられており、プロセステンションTbはこのテンションセンサーS33により検出される。そして、プロセステンション制御部210は、テンションセンサーS33が検出したプロセステンションTbの値Tbrと、プロセステンションTbの目標値Tboとの差分ΔTb(=Tbr−Tbo)を求める。また、プロセステンション制御部210のPID制御器211は、この差分ΔTbに基づいて、第1実施形態と同様のPID制御を行なって、モーター制御信号Qbを生成する。そして、前駆動モーターM31がモーター制御信号Qbに応じたトルクを前駆動ローラー31に与えて、プロセステンションTbが調整される。このようにプロセステンション制御部210は、プロセステンションTbを調整する前駆動ローラー31のトルクに、プロセステンションTbの検出値をフィードバックして、プロセステンションTbを制御する。
繰出テンション制御部230は、テンションセンサーS21が検出した繰出テンションTaの値Tarと、繰出テンションTaの目標値Taoとの差分ΔTaを求める。また、繰出テンション制御部230のPID制御器231は、この差分ΔTaに基づいてPID制御を実行して、モーター制御信号Qaを生成する。そして、繰出モーターM20がモーター制御信号Qaに応じたトルクを繰出軸20に与えて、繰出テンションTaが調整される。このように繰出テンション制御部230は、繰出テンションTaを調整する繰出軸20のトルクに、繰出テンションTaの検出値をフィードバックして、繰出テンションTaを制御する。
そして、この実施形態においても、PID制御器211、231のゲインKp、Ki、Kdの設定によって、各テンション制御部210、230の周波数応答特性が調整されている。具体的には、プロセス部3のPID制御器211におけるゲインKp、Ki、Kdの設定値は、第1実施形態と同じである。また、繰出部2のPID制御器231におけるゲインKp、Ki、Kdの設定値は、第1実施形態のPID制御器221におけるゲインKp、Ki、Kdと同じである。このように設定された結果、プロセステンション制御部210の周波数応答特性は、第1実施形態のそれと同様であるとともに、繰出テンション制御部230の周波数応答特性は、第1実施形態での巻取テンション制御部220の周波数応答特性と同様となる。
したがって、この実施形態では、プロセス部3で生じたテンション変動に対するプロセステンション制御部210の周波数応答特性よりも、繰出部2で生じたテンション変動に対する繰出テンション制御部230の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答する。また、第2実施形態におけるテンション制御部210、230の周波数応答特性は、図5を用いて次のように説明できる。つまり、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlの遮断周波数flは、繰出テンション制御部230の周波数応答特性RPhの遮断周波数fhより低い(fl<fh)。そのため、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlは、遮断周波数fl未満の低帯域Wlのテンション変動に対しては応答するが、遮断周波数flから遮断周波数fhまでの高帯域Whのテンション変動に対しては応答しない。一方、繰出テンション制御部230の周波数応答特性RPhは、低帯域Wlおよび高帯域Whいずれのテンション変動に対しても応答する。
また、この高帯域Whは、上述した繰出軸20の回転に起因した周期変動成分の周波数fr(=1/pr)を含むように設定されている。したがって、繰出テンション制御部230は、繰出テンションTaに発生した周波数frの周期変動成分に応答して、繰出テンションTaを制御する。一方、プロセステンション制御部210は、プロセステンションTbに周波数frの周期変動成分が発生しても、これに応答しない。
以上に説明したように、この実施形態では、シートSへの画像記録が実行されるプロセス部3におけるシートSのテンションTbを検出した結果に基づいて、前駆動ローラー31のトルクが調整されて、プロセス部3でのシートSのテンションTbが制御される。また、前駆動ローラー31よりプロセス部3の逆側の繰出部2におけるシートSのテンションTaを検出した結果に応じて、繰出部2におけるシートSのテンションTaが調整される。つまり、前駆動ローラー31を挟むプロセス部3および繰出部2のそれぞれにおいて、シートSのテンションを検出した結果に応答して、シートSのテンション制御が実行される。
そして、この実施形態では、プロセス部3に対するテンション制御の周波数応答特性RPlよりも、繰出部2に対するテンション制御の周波数応答特性RPhのほうが、より高い周波数帯域Whのテンション変動に応答するように構成されている。したがって、プロセス部3に対する応答特性の遅いテンション制御は、高周波のテンション変動に応答せず、繰出部2に対する応答特性の速いテンション制御のみが高周波のテンション変動に応答するといった制御を実行できる。よって、繰出部2で発生した高周波のテンション変動がプロセス部3に伝わっても、このテンション変動がプロセス部3に対するテンション制御を乱すことを抑制でき、その結果、プロセス部3におけるシートSのテンションTbが振動するといった状況の発生を抑制できる。こうして、シートSへの画像の記録が実行されるプロセス部3におけるシートSのテンションTbを安定化させて、適切な画像記録を実行することが可能となる。
また、この実施形態では、繰出部2におけるシートSのテンションTaが周期的に変動する周期変動成分を有するプリンター1に対して、本発明が適用されている。これによって、繰出部2でシートSのテンションTaに発生する周期変動成分の影響を抑えて、プロセス部3におけるシートSのテンションTbを安定化させ、適切な画像記録を実行することが可能となる。
特に、プロセステンション制御部210の周波数応答特性RPlは、周期変動成分の周波数frのテンション変動に対して応答しないように構成されている。そのため、繰出部2でシートSのテンションTaに発生する周期変動成分がプロセス部3のシートSに伝達しても、プロセス部3に対するテンション制御はこの周期変動成分に応答しない。したがって、この周期変動成分がプロセス部3に対するテンション制御を乱すことで、プロセス部3におけるシートSのテンションが振動するといった状況の発生を効果的に抑制できる。
また、繰出テンション制御部230の周波数応答特性RPhは、周期変動成分の周波数frのテンション変動に対して応答するように構成されている。そのため、繰出部2でシートSのテンションTaに発生する周期変動成分を、繰出部2に対するテンション制御により適切に抑え込むことができ、繰出部2におけるシートSのテンションを安定化できる。
その他
以上のように、上記実施形態では、プリンター1が本発明の「画像記録装置」に相当し、ホストコンピューター10が本発明の「コンピューター」に相当し、プログラム124が本発明の「プログラム」に相当し、メディア122が本発明の「プログラム記録媒体」に相当し、シートSが本発明の「記録媒体」に相当し、プラテンドラム30が本発明の「従動回転部材」に相当する。また、上記第1実施形態では、プロセス部3が本発明の「第1領域」に相当し、後駆動ローラー32が本発明の「駆動ローラー」に相当し、プロセステンション制御部210とテンションセンサーS34が協働して本発明の「第1制御部」として機能し、巻取部4が本発明の「第2領域」に相当し、巻取テンション制御部220とテンションセンサーS41が協働して本発明の「第2制御部」として機能する。また、上記第2実施形態では、プロセス部3が本発明の「第1領域」に相当し、前駆動ローラー31が本発明の「駆動ローラー」に相当し、プロセステンション制御部210とテンションセンサーS33が協働して本発明の「第1制御部」として機能し、繰出部2が本発明の「第2領域」に相当し、繰出テンション制御部230とテンションセンサーS21が協働して本発明の「第2制御部」として機能する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、トルク制御がされる駆動ローラー31、32を挟んでプロセス部3に伝わる外乱として、巻取部4や繰出部2で発生する周期変動成分が想定されていた。しかしながら、これら以外の外乱を想定して、例えば当該外乱の周波数が上記高帯域Wに含まれるように、シートSのテンション制御を行なっても良い。この際、巻取部4や繰出部2で発生する周期変動成分の影響が小さい場合は、この周期変動成分の周波数が上記高帯域Wから外れるように、シートSのテンション制御を行なっても良い。
また、PID制御のために各PID制御器211、221、231に設定された各ゲインKp、Ki、Kdについても、適宜変更が可能である。そこで例えば、巻取テンション制御部220あるいは繰出テンション制御部230のPID制御器221、231に対して、正の微分ゲインKdを設定したり、ゼロの比例ゲインKpを設定しても良い。
ところで、上記実施形態では、プロセス部3に対するテンション制御の周波数応答特性RPlよりも、巻取部4や繰出部2に対するテンション制御の周波数応答特性RPhのほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答するといった構成を備える。そして、かかる構成を実現する具体的機構としては、上述のものに限られず、種々の態様を採用できる。
そこで、テンション変動の検出結果を駆動ローラー31、32のトルクへ帰還する帰還ループに、所定周波数(例えば、上記の周波数fl)以下の周波数帯域のみを伝達するロー・パス・フィルターを有するようにプロセステンション制御部210を構成しても良い。あるいは、テンションセンサーS33、S34が、所定周波数(例えば、上記の周波数fl)より大きい周波数帯域のテンション変動を検出しないように構成しても良い。このような構成によっても、プロセス部3の周波数応答特性RPlの帯域を、上述と同様に低く設定することができる。
1…プリンター1、 10…ホストコンピューター、 122…メディア、 124…プログラム、 2…繰出部、 20…繰出軸、 22…芯管、 3…プロセス部、 30…プラテンドラム、 31…前駆動ローラー、 32…後駆動ローラー、 4…巻取部、
40…巻取軸、 42…芯管、 51…記録ヘッド、 52…記録ヘッド、 M20…繰出モーター、 M31…駆動モーター、 M31…前駆動モーター、 M32…後駆動モーター、 M40…巻取モーター、 S21…テンションセンサー、 S33…テンションセンサー、 S34…テンションセンサー、 S41…テンションセンサー、 S…シート、 200…プリンター制御部、 210…プロセステンション制御部、 211…PID制御器、 220…巻取テンション制御部、 221…PID制御器、 230…繰出テンション制御部、 231…PID制御器、 RPl…周波数応答特性、 RPh…周波数応答特性、 Wl…低帯域、 Wh…高帯域、 fr…周期変動成分の周波数

Claims (11)

  1. 第1領域で記録媒体に画像を記録する記録部と、
    前記記録媒体を搬送する駆動ローラーを有し、前記第1領域で前記記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて前記駆動ローラーのトルクを調整することで前記第1領域における前記記録媒体のテンションを制御する第1制御部と、
    前記駆動ローラーに対して前記記録部の逆側の第2領域における前記記録媒体のテンションを検出した結果に応じて前記第2領域における前記記録媒体のテンションを制御する第2制御部と
    を備え、
    前記第1領域で生じたテンション変動に対する前記第1制御部の周波数応答特性よりも、前記第2領域で生じたテンション変動に対する前記第2制御部の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答し
    前記第2領域における前記記録媒体のテンションは、周期的に変動する周期変動成分を有し、
    前記第1制御部の周波数応答特性は、前記周期変動成分の周波数のテンション変動に対して応答しないことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記第2制御部の周波数応答特性は、前記周期変動成分の周波数のテンション変動に対して応答する請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記駆動ローラーは、前記第1領域から前記第2領域へ前記記録媒体を搬送する請求項1または2に記載の画像記録装置であって、
    前記第2領域で前記記録媒体を回転しつつ巻き取る巻取軸をさらに備え、
    前記第2領域における前記記録媒体のテンションは、前記巻取軸の回転周期で変動する前記周期変動成分を有する画像記録装置。
  4. 前記駆動ローラーは、前記第2領域から前記第1領域へ前記記録媒体を搬送する請求項1または2に記載の画像記録装置であって、
    前記第2領域で前記記録媒体を回転しつつ繰り出す繰出軸をさらに備え、
    前記第2領域における前記記録媒体のテンションは、前記繰出軸の回転周期で変動する前記周期変動成分を有する画像記録装置。
  5. 前記第1領域で前記記録部に画像が形成される前記記録媒体に接しつつ、搬送される前記記録媒体に従動して回転する従動回転部材をさらに備える請求項1ないしのいずれか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記第1制御部は、前記従動回転部材と前記駆動ローラーの間で前記記録媒体のテンションを検出する請求項に記載の画像記録装置。
  7. 積分動作、比例動作および微分動作のうち、前記第1制御部は、前記記録媒体のテンション変動の検出結果に対して前記積分動作のみを行なって前記第1領域における前記記録媒体のテンションを制御し、前記第2制御部は、前記記録媒体のテンション変動の検出結果に対して前記積分動作のほかの動作を行なって前記第2領域における前記記録媒体のテンションを制御する請求項1ないしのいずれか一項に記載の画像記録装置。
  8. 前記第1制御部は、前記記録媒体のテンション変動の検出結果を前記駆動ローラーのトルクへ帰還する帰還ループに、所定周波数以下の周波数帯域のみを伝達するフィルターを有する請求項1ないしのいずれか一項に記載の画像記録装置。
  9. 記録媒体に画像を記録する画像記録方法において、
    前記記録媒体への画像の記録が実行される第1領域における前記記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて、前記記録媒体を搬送する駆動ローラーのトルクを調整することで、前記第1領域における前記記録媒体のテンションを制御する第1制御工程と、
    前記駆動ローラーに対して前記記録部の逆側の第2領域における前記記録媒体のテンションを検出した結果に応じて前記第2領域における前記記録媒体のテンションを制御する第2制御工程と
    を備え、
    前記第1制御工程におけるテンション制御が前記第1領域で生じたテンション変動に対して示す周波数応答特性よりも、前記第2制御工程におけるテンション制御が前記第2領域で生じたテンション変動に対して示す周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答し、
    前記第2領域における前記記録媒体のテンションは、周期的に変動する周期変動成分を有し、
    前記第1制御工程におけるテンション制御の周波数応答特性は、前記周期変動成分の周波数のテンション変動に対して応答しないことを特徴とする画像記録方法。
  10. 記録媒体に画像を記録する画像記録装置を制御するコンピューターに用いられるプログラムにおいて、
    前記記録媒体への画像の記録が実行される第1領域における前記記録媒体のテンションを検出した結果に基づいて、前記記録媒体を搬送する駆動ローラーのトルクを調整することで、前記第1領域における前記記録媒体のテンションを制御する第1制御部と、
    前記駆動ローラーに対して前記記録部の逆側の第2領域における前記記録媒体のテンションを検出した結果に応じて前記第2領域における前記記録媒体のテンションを制御する第2制御部と
    して前記コンピューターを機能させるとともに、
    前記第1領域で生じたテンション変動に対する前記第1制御部の周波数応答特性よりも、前記第2領域で生じたテンション変動に対する前記第2制御部の周波数応答特性のほうが、より高い周波数帯域のテンション変動に応答するように、前記コンピューターを機能させ
    前記第2領域における前記記録媒体のテンションが有する周期的に変動する周期変動成分に対して、前記第1制御部の周波数応答特性を応答させないことを特徴とするプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムが記録されており、コンピューターにより読み取りが可能であることを特徴とするプログラム記録媒体。
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