[参考実施例]
本発明に係る実施形態を説明する前に、まず、本発明の技術的範囲には属さないが、本発明に関連する参考実施例を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10(以下、単に、遊技機10という。)は、遊技板11の前面に、ガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域R1を備えている。
遊技板11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右端部には発射用ハンドル28が設けられている。そして、発射用ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
上皿26の上部には、遊技者が押し下げ可能な操作ボタン29が備えられている。操作ボタン29は、本発明の「操作部」に相当し、次述する表示画面30Gで行われる演出に伴って、適宜、使用される。
遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技板表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技板表示窓11Hに遊技板11の裏面側から表示装置30が対向している。表示装置30は、例えば、液晶モジュールで構成され、表示装置30の前面に形成された表示画面30Gには、遊技に関する演出が表示される。
遊技板11の前面中央には、表示画面30Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技板表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが、上下に間隔を開けて並べて配置され、第1の始動入賞口14Aの右側には、大入賞口15が備えられている。また、遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B及び大入賞口15のほかに、複数の一般入賞口20が備えられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技板11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、図示しない普通図柄表示部にて判定結果が表示される。
第1の始動入賞口14Aは、一般入賞口20と同様に、ポケット構造になっていて、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。また、第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、回動扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球が規制されている。回動扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当たりとなったときに、所定時間だけ前側に倒れる。そして、可動扉14Tが前側に倒れている間、第2の始動入賞口14Bへの遊技球の入球が許容される。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。即ち、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球することで、特別図柄に関する判定権利が発生する。特別図柄当否判定の判定結果は、判定権利の使用に伴って、表示画面30Gにて報知される。詳細には、判定権利が用いられると、表示画面30Gでは、判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した判定演出が行われる。そして、判定結果が当りの場合には、判定演出の終了後、大当り遊技状態となって大当り遊技が実行される。これに対し、判定結果が外れの場合には、大当り遊技状態ではない通常遊技状態が続く。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、通常遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。大当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入球可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、例えば、1個の入球につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
表示画面30Gには、上述したように、特別図柄当否判定に関連した判定演出が表示される。具体的には、表示画面30Gの中央部には、3つの特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A〜32Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A〜32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、これら3つの特別図柄32A〜32Cが、変動表示(例えば、上下方向にスクロール表示)され、所定時間経過後に、例えば、左、右、中の順に停止表示される。そして、停止した特別図柄32A〜32Cの組合せにより、特別図柄当否判定の判定結果を報知するようになっていて、例えば、特別図柄32A〜32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、外れであることを示すようになっている。
ここで、判定演出の最中又は大当り遊技中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球した場合、その入球に起因した判定権利は、例えば、4回分まで保留され、各判定権利に対する判定結果及び判定演出に関する情報が保留記憶される。そして、実行中の判定演出又は大当り遊技が終了すると、再び、判定権利が用いられ、その判定権利に対応した判定演出が行われる。このとき、判定権利は、原則として、発生順に用いられる。
図2(A)に示すように、判定権利が保留されると、その判定結果の報知待ちの判定権利(以下、「保留権利」という。)に対応した保留表示体33が表示画面30Gに表示される。これにより、保留権利が何個存在するかを遊技者に認識させることができる。
具体的には、表示画面30Gの下部には、例えば、4つの保留表示部34が横並びに表示され、保留権利が発生すると、左側の保留表示部34から順番に保留表示体33が表示されていく(図2(A)から図2(B)への変化を参照)。従って、保留権利が複数存在する場合には、一番左の保留表示部34の保留表示体33が、一番古い保留権利に対応したものとなっている。保留権利が発生順に用いられると、一番左の保留表示体33が、表示画面30Gの左下部に設けられた演出中保留表示部35に移動して、その判定権利に対応する判定演出が開始され、判定結果の報知待ちの保留権利に対応する保留表示体33が、1つ左の保留表示部34へ移動する。なお、図3(A)から図3(B)の変化及び図3(C)から図3(D)への変化では、保留権利が2つ用いられた場合の変化が示されている。
ところで、本実施形態の遊技機10では、保留表示体33の表示態様によってその保留表示体33に対応する保留権利の判定結果や判定演出の内容を示唆する保留演出が実行されることがある。以下、この保留演出について、図2及び図3に基づいて説明する。
保留演出が実行されるためには、まず、条件(A)「保留権利が予め定められた保留演出条件を満たす第1保留権利であること」が必要となっている。なお、本実施形態では、条件(A)を満たすためには、条件(A1)「保留権利が3番目の保留権利であること」、及び、条件(A2)「保留権利に対する判定結果が、特別図柄32Aと特別図柄32Cが同じ図柄である、即ち、リーチであること」が必要となっている。
図2(B)に示すように、発生した保留権利が第1保留権利であると、その第1保留権利に対応する保留表示体33A(以下、「第1保留表示体33A」という。)は、「?」という文字が付された態様で表示される。これにより、保留演出の対象となり得る保留権利の存在を遊技者に認識させて、遊技者に保留演出への期待を付与すること可能となる。なお、保留表示体33は、通常は、例えば、白色で文字等が付されない態様で表示され、この表示態様が本発明の「通常の表示態様」に相当する。また、第1保留表示体33Aの表示態様、即ち、「?」が付された表示態様は、本発明の「特別な表示態様」に相当する。
本実施形態では、保留演出が実行されるには、条件(A)に加えて、条件(B)「保留演出を実行するか否かについての予備抽選に当選すること」が必要となっている。この予備抽選が行われるには、条件(B1)「第1保留権利とは異なる第2保留権利が存在すること」が必要となっている。本実施形態では、第2保留権利は、1番目と2番目の保留権利となっている。従って、条件(B1)は、上述の条件(A1)を満たす場合、必然的に満たされる。
また、予備抽選が行われるには、上記条件(B1)に加えて、条件(B2)「促し報知に従って操作ボタン29が操作されること」が必要となっている。ここで、促し報知は、条件(B1)を満たす場合に操作ボタン29の操作を遊技者に促す演出であって、以下のようにして行われる。即ち、第1保留権利と第2保留権利の両方が存在すると、図2(B)に示すように、第2保留権利に対応する第2保留表示体33Bが表示されている保留表示部34の下に、操作ボタン29を模した形状に「押」という文字が付された促し報知体38が表示され、この促し報知体38の表示をもって操作ボタン29の押圧操作を遊技者に促す。即ち、促し報知体38の表示が「促し報知」に相当する。
予備抽選は以下のようにして行われる。即ち、促し報知に従って操作ボタン29が操作されると、その操作に起因して、予備抽選乱数が取得される。そして、この予備抽選乱数に基づいて、予備抽選の当り外れが判定される。ここで、促し報知体38は、当該促し報知体38が表示されたときに実行中の判定演出が終了すると、消失する。従って、上述の「促し報知に従って操作ボタン29を操作される」とは、促し報知体38が表示されている間に操作ボタン29が操作されることを意味する。なお、促し報知体38が消失すると、第1保留表示体33Aの「?」の文字が消失して、第1保留表示体33Aが通常の表示態様に戻るようになっている(図2(D)参照)。
本実施形態では、促し報知は、2つの第2保留権利(1番目と2番目の第2保留権利)のそれぞれに対して行われる。そして、それら促し報知に対する各予備抽選の両方に当選したときに、保留演出が実行される。具体的には、2つの予備抽選は、以下のようにして行われる。
図2(B)に示すように、1回目の促し報知が行われると、1番目の第2保留権利に対応する第2保留表示体33B(図2(B)では、左側の第2保留表示体33B。以下、1番目の第2保留表示体33Bという。)に対応して促し報知体38が表示される。1番目の第2保留表示体33Bに対する促し報知(1回目の促し報知)に従って操作ボタン29が操作されると、1回目の予備抽選が行われる。そして、この1回目の予備抽選に当選すると、図2(B)から図2(C)への変化に示すように、促し報知体38が「OK」という文字に変化して1回目の予備抽選に当たったことを報知し、2番目の第2保留権利に対応する第2保留表示体33B(図2(B)では、右側の第2保留表示体33B。以下、2番目の第2保留表示体33Bという。)に対して促し報知体38が表示される。一方、1回目の予備抽選に外れると、図2(B)から図2(D)への変化に示すように、1番目の第2保留表示体33Bに対する促し報知体38が「NG」という文字に変化して予備抽選に外れたことを報知し、その後、「NG」の文字が消失する。なお、予備抽選に外れると、第1保留表示体33Aは通常の表示態様に戻る。
2番目の第2保留表示体33Bに対する促し報知(2回目の促し報知)に従って操作ボタン29が操作されると、2回目の予備抽選が行われる。2回目の予備抽選に外れた場合には、1回目の予備抽選のときと同様に、促し報知体38が「NG」という文字に変化して予備抽選に外れたことを報知し(図2(C)から図3(C)への変化を参照)、その後、「NG」の文字が消失する。なお、1回目の予備抽選に当たったことを示す「OK」の文字は、2回目の予備抽選に外れたことを示す「NG」の文字の消失と同時に消失する。また、2回目の予備抽選の場合についても、予備抽選に外れると、第1保留表示体33Aは通常の表示態様に戻る。本実施形態では、予備抽選が行われなかった場合、又は、予備抽選に外れた場合であっても、第1保留権利に対する判定結果及び判定演出の内容は、そのまま変更されることなく保留記憶される。
2回目の予備抽選に当たった場合には、1回目の予備抽選のときと同様に、促し報知体38が「OK」という文字に変化して予備抽選に当たったことを報知し、保留演出が実行される。本実施形態では、保留演出が行われると、図2(C)から図3(A)への変化に示すように、第1保留表示体33Aの「?」が「好機」という文字に変更される。この「好機」の文字は、例えば、青、緑、赤の3種類で表示されるようになっていて、青<緑<赤の順番で、第1保留権利に対する判定結果が当りであることへの信頼度が高くなるように設定されている。即ち、本実施形態の保留演出では、第1保留表示体33Aを、「好機」の文字を付した態様で表示することで、第1保留権利に対する判定結果を示唆するようになっている。なお、「好機」の文字は、第1保留権利に対する判定結果の報知が完了するまで表示される。
このように、本実施形態では、複数の予備抽選を経て保留演出の実行が決定されるので、保留演出の実行へ向けて段階的に近づく印象を遊技者に付与することが可能となる。なお、1回目と2回目の促し報知における促し報知体38は何れも、1回目の促し報知に対する促し報知体38が表示されたときに実行中の判定演出が終了すると、消失する。即ち、2回の予備抽選は、1回の判定演出(1回の特別図柄32A〜32Cの変動)の間に行われることになる。
ところで、本実施形態では、図2及び図3に示すように、1回目の予備抽選の当選確率が1/4となっていて、2回目の予備抽選の当選確率が1/2となっている。このように、本実施形態の遊技機10では、1回目と2回目の予備抽選で当選確率が異なるので、予備抽選についての趣向性を向上させることが可能となる。しかも、1回目の予備抽選よりも2回目の予備抽選の方が当選確率が高くなっているので、1回目の予備抽選に当選すれば2回目の予備抽選にも当選し易くなり、2回の予備抽選によって保留演出実行の機会が極端に低減されることを抑制可能となる。
図4には、遊技機10の電気的な構成が示されている。同図における符号51は、主制御回路51であって、CPU51A、RAM51B、ROM51C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口等が接続された中継回路57及び払出制御回路58等を結ぶ入出力回路とを備え、大当りに関する当否判定等、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、各種制御データ等が書き込まれている他、当否判定の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路52は、主制御回路51と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路51を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54、音声制御回路55及びランプ制御回路56、操作ボタン29等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54及びランプ制御回路56、音声制御回路55等へ出力(送信)可能に構成されている。また、CPU52Aは、操作ボタン29からの信号を受信して、各種処理を実行する。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述する保留演出処理S10(図5及び図6参照)のプログラムや各種演出のデータ等が記憶されている。
表示制御回路54は、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成して表示装置30に出力する。制御用データを受信した表示装置30は、表示画面30Gで表示する画像データを作成して、表示画面30Gに画像を出力する。
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、その音声を制御する。
ランプ制御回路56は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づいて、装飾ランプや演出用役物(図示せず)等に実装された複数のLEDをオンオフ制御する。
なお、各制御回路51,52,54〜58は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
本実施形態では、主制御回路51が、大当りについての判定を行う構成となっていて、本発明の「当否判定手段」に相当する。また、主制御回路51は、大当りや判定演出に関する情報をRAM51Bに記憶する構成となっていて、本発明の「保留手段」にも相当する。また、本実施形態では、サブ制御回路52が、表示制御回路54を介して表示画面30Gの表示、具体的には、特別図柄32A〜32Cの表示や保留表示体33の表示を制御する構成となっていて、本発明の「判定結果報知手段」及び「保留表示手段」に相当する。また、サブ制御回路52は、本発明の「保留演出手段」にも相当し、一定の周期(例えば、10m秒)で図5〜図6に示す保留演出処理S10を実行することにより、上述した保留演出(図2〜図3参照)を実行する。以下、サブ制御回路52が行う保留演出処理S10について説明する。
図5に示すように、保留演出処理S10では、まず、3番目の保留権利が発生したときに実行されていた判定演出がまだ実行中であるか否かが判断される(S11)。判定演出が実行中でない場合には(S11でNo)、この処理(S10)を終了する。判定演出が実行中である場合には(S11でYes)、次いで、3番目の保留権利に対する判定結果がリーチであるか否かが判断される(S12)。なお、リーチである場合には、最終的な特別図柄当否判定の判定結果が当りの場合と外れの場合の両方が含まれる。
3番目の保留権利に対する判定結果がリーチとならない場合には(S12でNo)、この保留演出処理(S10)を終了する。一方、判定結果がリーチとなる場合には(S12でYes)、さらに、3番目の保留権利を保留演出の対象とするか否かが抽選により判断され(S13)、保留演出の対象とすると判断された場合には(S13でYes)、次のステップS14を実行し、保留演出の対象とすると判断されなかった場合には(S13でNo)、この処理(S10)を終了する。このように、本実施形態では、上述の条件(A1)、(A2)を満たすことに加えて、抽選に当ったときに、第1保留権利が発生する。
ステップS14では、3番目の保留権利を第1保留権利と、1番目と2番目の保留権利を第2保留権利として、第1保留権利に対応する第1保留表示体33Aに「?」を付して特別な表示態様に変更すると共に、1番目の第2保留権利に対応する第2保留表示体33B(1番目の第2保留表示体33B)の下に促し報知体38を表示する(図2(B)参照)。
ステップS14が終了すると、次いで、3番目の保留権利(第1保留権利)が発生したときに実行されていた判定演出が終了したか否かが判断される(S15)。そして、判定演出が終了した場合には(S15でYes)、第1保留表示体33Aを通常の表示態様に戻すと共に促し報知体38を消し(S16)、この保留演出処理(S10)を終了する。一方、判定演出が終了していない場合には(S15でNo)、操作ボタン29が押されたか否かが判断される(S17)。
操作ボタン29が押された場合には(S17でYes)、第1予備抽選乱数Aを0〜99の中から1つ取得する(S18)。一方、操作ボタン29が押されていない場合には(S17でNo)、ステップS15に戻って、3番目の保留権利(第1保留権利)が発生したときに実行されていた判定演出が終了したか否かが判断される。
第1予備抽選乱数Aが取得されると、その第1予備抽選乱数Aが当り乱数0〜24であるか否かが判断される(S19)。そして、第1予備抽選乱数Aが当り乱数0〜24でない場合には(S19でNo)、促し報知体38を「NG」という表示に変更すると共に、第1保留表示体33Aを通常の表示態様に戻し、その後、「NG」表示を消して(S20)、この保留演出処理(S10)を終了する。一方、第1予備抽選乱数Aが当り乱数0〜24である場合には(S19でYes)、促し報知体38を「OK」という表示に変更すると共に、2番目の第2保留権利に対応する第2保留表示体33Bの下に促し報知体38を表示する(S21)。
ステップS21が終了すると、図6に示すように、3番目の保留権利(第1保留権利)が発生したときに実行されていた判定演出が終了したか否かが再び判断される(S22)。そして、判定演出が終了した場合には(S22でYes)、第1保留表示体33Aを通常の表示態様に戻すと共に促し報知体38及び「OK」の文字を消し(S23)、この保留演出処理(S10)を終了する。一方、判定演出が終了していない場合には(S22でNo)、操作ボタン29が押されたか否かが判断される(S24)。
操作ボタン29が押された場合には(S24でYes)、第2予備抽選乱数Bを0〜99の中から1つ取得する(S25)。一方、操作ボタン29が押されていない場合には(S24でNo)、ステップS22に戻って、3番目の保留権利(第1保留権利)が発生したときに実行されていた判定演出が終了したか否かが判断される。
第2予備抽選乱数Bが取得されると、その第2予備抽選乱数Bが当り乱数0〜49であるか否かが判断される(S26)。そして、第2予備抽選乱数Bが当り乱数0〜49でない場合には(S26でNo)、促し報知体38を「NG」という表示に変更すると共に、第1保留表示体33Aを通常の表示態様に戻し、その後、「NG」表示を消して(S27)、この保留演出処理(S10)を終了する。一方、第2予備抽選乱数Bが当り乱数0〜49である場合には、促し報知体38を「OK」という表示に変更すると共に、第1保留表示体33Aの「?」を「好機」に変更して(S28)、この保留演出処理(S10)を終了する。なお、第1保留表示体33Aの「?」を「好機」に変更する際、第1保留権利の判定結果に基づいて、「好機」の文字が、赤、緑、青の何れかの色で表示される。
なお、本実施形態では、保留演出処理(S10)におけるステップS14,S21を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「促し報知手段」に相当し、ステップS18〜S19,S25〜S26を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「予備抽選手段」に相当する。
本実施形態に係る遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。
本実施形態の遊技機10では、第1保留権利とは異なる第2保留権利が存在することを条件にして予備抽選が行われ、その予備抽選に当たったときに、第1保留権利に対応する第1保留表示体33Aの表示態様によって第1保留権利に対する判定結果を示唆する保留演出が実行される。このように、本実施形態の遊技機10によれば、保留演出の対象となる第1保留権利だけでなく第2保留権利にも起因して保留演出が実行されるので、保留演出の実行に際して、趣向性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、促し報知に従って操作ボタン29が操作されたときに予備抽選が行われるので、遊技者の意志によって予備抽選を行わせることが可能となる。しかも、予備抽選の抽選結果が遊技者の操作に左右されるので、操作部を操作する遊技者にドキドキ感を与えることが可能となり、遊技者の遊技に参加することに対する趣向性を高めることが可能となる。
また、予備抽選に外れた場合、第1保留表示体33Aの表示態様が特別な表示態様(「?」を付した表示態様)から通常の表示態様(「?」が付されない表示態様)に変更されることで、何れの保留表示体33が保留演出の対象であったかが遊技者に認識され難くなり、趣向性を高めることが可能である。さらに、第1保留権利に対する判定結果や判定演出の内容は、第1保留表示体33Aの表示態様が通常の表示態様であるか特別な表示態様であるかに拘わらず同じであるので、仮に、予備抽選に外れたことによって第1保留表示体33Aが通常の表示態様に変更されたとしても、第1保留権利が用いられるときには、予備抽選に当選したときと同じ判定結果の報知及び判定演出が実行される。これにより、保留演出が行われなかった場合であっても、第1保留権利が用いられるときの判定結果や判定演出の内容について、遊技者に期待を抱かせることが可能となる。具体的には、元々第1保留表示体33Aの遊技の進行状況は、第1保留表示体33Aが通常の表示態様か特別な表示態様に拘わらず同じであるので、仮に、予備抽選に外れたことによって特別な表示態様から通常の表示態様に変更されたとしても、その保留権利については、同じ判定演出が実行される。従って、同じ判定演出が行われることを知らない遊技者にとっては、予備抽選で外れても、予備抽選に当選したときと同じ判定演出が行われるので、意外性を与えることが可能となり、同じ判定演出が行われることを知っている遊技者にとっては、予備抽選で第1保留表示体33Aを変化させるという趣向性に加えて、第1保留権利に対応する判定演出について趣向性を高めることが可能となる。
[本発明に係る一実施形態]
以下、本発明の一実施形態を、図7に基づいて説明する。本実施形態は、上記参考実施例を変形したものであり、本実施形態では、予備抽選の当選確率が、第1保留権利の判定結果に応じて異なっている。具体的には、図7に示すように、判定結果が外れの場合よりも当りの場合のほうが、予備抽選の当選確率が高くなっている。本実施形態のその他の構成については、上記参考実施例と同様になっているので、説明を省略する。本実施形態の遊技機10によっても、上記参考実施例と同様の効果を奏することが可能となる。しかも、本実施形態の遊技機10では、判定結果が当りであると、保留演出が実行され易くなるので、保留演出の実行によって、当りへの期待を遊技者に抱かせることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、保留権利が第1保留権利となった場合に、第1保留表示体33Aが特別な表示態様(「?」が付された表示態様)で表示されていたが、通常の表示態様(「?」が付されない表示態様)で表示されてもよい。なお、本構成においても、促し報知の発生(促し報知体38の表示)により、遊技者に保留演出の可能性を示唆することが可能である。
(2)上記実施形態では、保留演出が行われると、第1保留表示体33Aを、「好機」という文字を付して表示する構成であったが、「通常の表示態様」とは異なる色、模様、形状で表示する構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、最大で4つの判定権利が保留記憶される構成であったが、2つ以上の判定権利が保留記憶される構成であれば、保留記憶可能な数は特に限定されない。なお、3つ以上の判定権利が保留記憶可能な構成であれば、第2保留表示体33B(図2(B)参照)に対応させて予備抽選を複数回行うことが可能となる。
(4)上記実施形態では、2回の予備抽選の両方に当選した場合に、保留演出が実行される構成であったが、何れか一方の予備抽選に当選すれば保留演出が実行される構成であってもよい。
(5)上記実施形態では、第2保留権利は2つであったが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。なお、第2保留権利が3つ以上である場合、3つの第2保留表示体33Bに対して行われる予備抽選のうち一部(例えば、2つ)の予備抽選に当たったことを以て保留演出が実行されてもよい。
(6)上記実施形態では、第2保留権利は、第1保留権利より先に発生した判定権利であったが、第1保留権利より後に発生した判定権利であってもよい。具体的には、第1保留権利が2番目の保留権利で、第2保留権利が1番目と4番目の保留権利であってもよい。
(7)上記実施形態において、第1保留権利は、3番目に発生する保留権利に固定されていたが、第1保留権利の発生順が、例えば、判定演出の実行ごとに、ランダムに決定されてもよい。この場合、第2保留権利の発生順についてもランダムに決定すればよい。
(8)上記実施形態では、本発明の「操作部」の例として、ボタン式のものを示したが、レバー式、ダイヤル式、或いは、ハンドル式であってもよい。
(9)上記実施形態では、第1保留権利の判定結果が外れの場合よりも当りの場合のほうが、予備抽選の当選確率が高くなっている例を示したが、第1保留権利の判定結果に応じて予備抽選の当選確率が異なっていればよい。また、上記実施形態では、予備抽選の当選確率が、第1保留権利の判定結果に応じて異なっていたが、第1保留権利の判定結果の報知に先立って行われる判定演出の内容に応じて異なっていてもよい。
(10)促し報知体38の表示は、複数の判定演出に跨って行われてもよい。なお、この場合、促し表示体38は、例えば、第1保留権利に対する判定演出が開始されるまで表示される。
(11)上記実施形態では、保留演出が行われると、第1保留表示体33Aが、判定演出の内容を示唆する表示態様(「好機」の文字が付された表示態様)に必ず変化する構成であったが、通常の表示態様に戻る場合があってもよい。
(12)予備抽選乱数の取得を第1保留権利の発生時に行い、操作ボタン29が操作されたことを条件にして、取得した予備抽選乱数の当り外れを判定する構成であってもよい。
(13)上記実施形態の保留演出は、第1保留権利に対する当否判定結果を示唆する構成であったが、判定演出の種類や、大当り以外に遊技者に有利となる特典(例えば、確変やST(回数限定付きの確変)への突入)への期待度を示唆する構成であってもよい。
(14)上記実施形態では、第1保留権利が1つのみ存在する例を示したが、第1保留権利が複数存在してもよい。この場合、例えば、図8(A)に示すように、先に使用される第1保留権利について、予備抽選によって保留演出の可否を決定した後、次に使用される第1保留権利について、保留演出の可否を決定すればよい。なお、図8(B)に示すように、先の第1保留権利に対する保留演出の可否を決定するために行われる予備抽選の結果が、次の第1保留権利に対する保留演出の可否に利用されてもよい。
(15)上記実施形態では、1回目の予備抽選が1番目の第2保留表示体33Bに対応して行われ、2回目の予備抽選が2番目の第2保留表示体33Bに対応して行われるというように、予備抽選に対応する保留表示体33が、1番目の保留表示体33から順番に3番目の保留表示体33である第1保留表示体33Aへ近づくように予備抽選が行われていたが、最終的に第1保留表示体33Aに近づくものであればどのような順番であってもよい。なお、その順番は、予め表示して遊技者に分かりやすくしてもよいし、予め表示されずに、予備抽選に当選することによって、初めて、次の促し報知体38が表示されてもよい。
(16)上記実施形態では、予備抽選での当否に拘わらず、第1保留権利に対する判定演出の内容が同じであったが、例えば、予備抽選に外れた場合には、第1保留権利に対する判定演出の内容を変更してもよい。