以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図15の保留表示エリア18c参照)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。このように、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図15のアクティブ表示エリアAHA参照)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ40秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、保留等変化演出決定用のSR2、保留等変化演出態様決定用のSR3、および、出現保留表示態様決定用のSR4を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的は、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、アクティブ表示エリアに保留表示を移動させ(シフトさせ)、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図15参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、所定のタイミング(たとえば、当該保留記憶情報よりも先に保留記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始時に当該保留記憶情報に対応する保留表示の表示位置がシフトするタイミング等の所定のタイミング)で、保留表示またはアクティブ表示の態様を変化させる保留等変化演出が実行される。以下の説明において、保留等変化演出が実行される変動表示を保留等変化演出実行変動と呼ぶ場合がある。
この実施の形態では、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。たとえば、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。たとえば、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、通常色(白色)<青色<緑色<赤色というように、画像色の種類により大当りとなる期待度が異なる態様で表示可能である。また、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、これら大当りとなる期待度が異なる種別の表示態様とは異なる種別の表示態様である特定表示態様として、たとえば、紫色で表示される場合がある。
新たな保留記憶情報の発生に基づいて、演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、紫色のような特定表示態様、または、通常色(白色)、青色、緑色、もしくは、赤色のような特定表示態様以外の表示態様で表示される。
新たな保留記憶情報の発生時に特定表示態様以外の表示態様で出現表示された保留画像は、保留表示として当該保留画像が表示されている段階と、当該保留記憶情報に対応する変動表示時にアクティブ表示としてアクティブ画像により表示されている段階とのどちらかで、表示態様(この実施の形態では色)を変化させる保留等変化演出が実行可能である。
一方、新たな保留記憶情報の発生時に特定表示態様で出現表示された保留画像は、保留表示として当該保留画像が表示されている段階では保留等変化演出が実行されず、当該保留記憶情報に対応する変動表示時にアクティブ表示としてアクティブ画像により表示されている段階、あるいは、これからアクティブ画像により表示される段階で保留等変化演出が実行可能である。つまり、特定表示態様で保留画像が出現表示された場合には、当該保留画像に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるまで当該保留画像の表示態様(この実施の形態では色)を変化させず、特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、当該変動表示に対応するアクティブ画像の表示態様(この実施の形態では色)を変化させる保留等変化演出が実行可能である。
このような保留等変化演出においては、次のような保留画像またはアクティブ画像の色変化が可能である。通常色(白色)で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。紫で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。
このように、保留等変化演出においては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行される。なお、保留等変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
このパチンコ遊技機1では、低ベース状態においてのみ保留等変化演出が実行され、高ベース状態において保留等変化演出が実行されない。なお、高ベース状態においても保留等変化演出が実行されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ保留等変化演出が実行されるので、第1保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、保留等変化演出が実行される。なお、高ベース状態において保留等変化演出が実行される場合には、第2保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、保留等変化演出が実行されることとなる。
図15は、保留等変化演出の演出態様の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図15においては、低ベース状態において、第1保留記憶についての保留表示のみがされているときに、第1演出態様で保留等変化演出が実行された演出例が示されている。
図15においては、演出表示装置9での表示画像が、時間経過に従って(A)〜(D)に示されている。図15(A)に示すように、演出表示装置9においては、保留記憶情報に基づいて、左,中,右の演出図柄91,92,93の変動表示が開始される。演出表示装置9の表示領域内における下部に位置する保留表示エリア18cには、保留表示として、円形の保留画像Hが表示される。保留表示エリア18cに隣接する領域であって、演出表示装置9の表示領域における下部の略中央部には、特別図柄および演出図柄の変動表示に対応する変動対応表示として、保留画像Hと同様の円形のアクティブ画像AHを表示するアクティブ表示が行なわれるアクティブ表示エリアAHAが設けられている。保留等変化演出が実行されていない状態での保留画像Hおよびアクティブ画像AHは、たとえば、白色のような所定の通常色で表示される。
図15においては、保留画像Hおよびアクティブ画像AHについて、通常色である白色以外の色(図中の例では紫色)で表示されているものには、保留画像Hおよびアクティブ画像AH内に、画像色を図15において区別しやすくするために、画像の色を示す文字(図中の例では紫)が示されている。実際の画像中には、このような表示がされていない。図15において、保留画像Hおよびアクティブ画像AHについて、通常色(白色)で表示されているものには、画像の色を示す文字が示されていない。
図15(A)に示すように、第1保留記憶の保留画像Hは、アクティブ表示エリアAHAに近い方から左方向に順番に並ぶ表示態様で、保留記憶情報の発生順番に従って表示されていく。新たに発生した保留記憶情報は、後述するような保留表示態様としての画像色を決定するための処理に基づいて、画像色が選択決定される。新たに発生した保留記憶情報に対応する保留画像Hは、決定された画像色で前述のような形状のものが、保留画像Hの並びにおける最も左側の位置に出現する態様で表示される。図15(A)では、新たに発生した保留記憶情報に対応する保留画像Hとして、紫色の画像が表示された例が示されている。
変動表示が実行されるときには、最も先に記憶された保留記憶情報が変動表示のために消化されることに応じて、最も先に表示された保留表示であるアクティブ表示エリアAHAに隣接する1番目の保留画像Hが、保留表示エリア18cから消去され、右隣のアクティブ表示エリアAHAの位置に移動(シフト)して、アクティブ画像AHとして表示される演出動作が実行される。そして、変動表示が実行されるときには、最も先に記憶された保留記憶情報以外の保留記憶情報に対応する保留画像Hは、1つずつアクティブ表示エリアAHAに近づく方向に移動(シフト)する演出動作が実行される。
図15(A)においては、アクティブ表示エリアAHAでアクティブ画像AHが表示された演出動作に伴って、左,中,右の演出図柄91,92,93の変動表示が開始された状態が示されている。このような演出動作の関連性により、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ画像AHは、変動表示に対応する画像であることが示される。保留表示エリア18cから、アクティブ表示エリアAHAの位置に移動した保留画像Hは、同じ表示態様でアクティブ画像AHとして表示される。新たな変動表示が開始されるときには、保留表示エリア18cに表示されている保留画像Hのすべてが1つずつ右隣の表示位置に移動(シフト)する演出動作が表示される。
保留画像Hは、新たに出現表示した後における次回(出現表示後1回目)の変動表示の実行開始に伴う保留表示位置のシフト時に、予め定められた割合で表示態様(この実施の形態では表示色)が変化可能である。アクティブ画像AHは、対応する保留記憶情報に基づく変動表示が開始されたときに、所定の割合で表示態様(この実施の形態では表示色)が変化可能である。
なお、保留等変化演出は、次回(出現表示後1回目)の変動表示の実行開始に伴う保留表示位置のシフト時(保留表示位置からアクティブ表示位置へのシフト時を含む)ではなく、何回目かの変動表示の実行開始に伴う保留表示位置のシフト時に実行するようにしてもよい。何回目のシフト時に実行するかは、予め定められていてもよく、抽選により選択決定されてもよい。
また、保留表示位置のシフト時に保留等変化演出を実行させる例としては、次のようなものがある。保留表示位置がシフトした後に変動表示が開始されるときには、変動表示の開始前に保留等変化演出が実行される。保留表示位置がシフトするときと同時に変動表示が開始されるときには、変動表示の開始時と同時に保留等変化演出が実行される。変動表示が開始された直後に保留表示位置がシフトするときには、変動表示の開始後に保留等変化演出が実行される。つまり、保留表示位置のシフト時に保留等変化演出を実行させる例としては、保留表示位置のシフトと対応関係を持って保留等変化演出が実行される演出表示のすべてが含まれる。
また、保留等変化演出のうち、たとえば、保留画像Hの変化演出時は保留表示位置のシフト時であるが、アクティブ画像AHの変化演出時は変動表示開始から所定時間経過時である等、保留画像Hの変化演出の実行タイミングと、アクティブ画像AHの変化演出の実行タイミングとが異なるタイミングとなるようにしてもよい。具体的には、アクティブ画像AHの変化演出の実行タイミングが、保留画像Hの変化演出の実行タイミングの後のタイミングとなるようにしてもよい(たとえば、保留画像Hの変化演出時が保留表示位置のシフト時で、アクティブ画像AHの変化演出時が保留表示位置のシフト時よりも後のタイミングの場合等)。このようにすれば、保留画像Hの変化演出の実行タイミングの経過後においても、保留等変化演出に対する期待感を維持させることができる。
また、保留等変化演出は、変動表示の開始当初の所定期間ではなく、変動表示の開始前の特定期間中に実行されてもよく、変動表示開始後の中途時期(たとえば、1つ目の図柄の停止時、2つ目の図柄の停止時(リーチ時等)に実行されてもよく、変動表示の終了時の所定期間に実行されてもよい。また、保留等変化演出は、新たに発生した保留記憶に基づく保留画像が表示された直後に実行されてもよい。
また、保留等変化演出が実行されるタイミングは、常に固定的に定められたタイミングで実行されるようにしてもよく、変化可能なタイミング(たとえば、保留等変化演出が実行される毎に抽選により複数種類のタイミングから選択決定されるタイミング等)で実行されるようにしてもよい。
図15(A)〜(D)においては、保留変化演出の一例として、新たな保留記憶情報に基づいて、紫色の表示態様の保留画像Hが出現表示された後、アクティブ表示の段階で保留変化等演出が実行される例が示されている。
図15(A)には、4つ目の保留画像Hとして、紫色の表示態様の保留画像Hが出現表示された後、保留表示位置が1回目のシフトをしたとき(以下、保留シフト時と呼ぶ)に、保留等変化演出が実行されなかった表示例が示されている。図15(B)には、紫色の表示態様の保留画像Hが出現表示された後、2回目の保留シフト時に、保留等変化演出が実行されなかった表示例が示されている。図15(C)には、紫色の表示態様の保留画像Hが出現表示された後、3回目の保留シフト時に、保留等変化演出が実行されなかった表示例が示されている。このように、紫色の表示態様で出現表示された保留画像Hについては、保留表示の段階では、保留等変化演出が実行されない。
図15(D)には、紫色の表示態様の保留画像Hが出現表示された後、4回目の保留シフト時に、保留画像Hがアクティブ表示エリアAHAに移動してアクティブ画像AHとなり、演出図柄の変動開始に対応して、アクティブ画像AHの表示態様が紫色から赤色に変化した保留等変化演出が実行されたときの表示例が示されている。このように、紫色の表示態様で出現表示された保留画像Hについては、保留表示の段階では、保留等変化演出が実行されず、アクティブ表示の段階において保留等変化演出が実行可能である。
なお、保留等変化演出としては、図15に示す演出パターン以外の演出を実行するようにしてもよい。図15に示す演出パターン以外の保留等変化演出としては、次のようなものが含まれる。保留等変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の形状が変化する演出を実行してもよい。保留等変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の大きさが変化する演出を実行してもよい。保留等変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像の種類が変化する演出(たとえば、円形画像がキャラクタ画像等の他種類の画像に変化する演出等)を実行してもよい。保留等変化演出としては、保留画像またはアクティブ画像に付加する画像が変化する演出(たとえば、付加する画像がない画像が所定画像が付加された画像に変化する演出等)を実行してもよい。また、色変化、形状変化、大きさ変化、種類変化、および、付加画像変化のうちのいずれか複数の組合せによる変化等演出を実行してもよい。このように、保留等変化演出としては、表示態様が変化する演出であればどのような演出を実行してもよい。
次に、保留表示およびアクティブ表示について、保留変化演出の実行の有無の決定に関する説明と、保留変化演出を実行する決定がされたときの保留等変化演出の演出態様の決定に関する説明と、新たな保留記憶情報に応じて出現表示させる保留画像の表示態様(色)の決定に関する説明とを行なう。
図16は、保留等変化演出有無判定テーブル、および、保留等変化演出態様選択テーブルを示す説明図である。保留等変化演出有無判定テーブルは、保留等変化演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。保留等変化演出態様選択テーブルは、保留等変化演出を実行するときの演出態様を選択決定するための抽選に用いるデータテーブルである。
保留等変化演出有無判定テーブルには、図16(A)の大当り時保留等変化演出有無判定テーブルと、図16(B)のスーパーリーチはずれ時保留等変化演出有無判定テーブルと、図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時保留等変化演出有無判定テーブルとが含まれている。また、これら保留等変化演出有無判定テーブルとは別に、図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルが設けられている。これら保留等変化演出有無判定テーブルおよび保留等変化演出態様選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図16(A)の大当り時保留等変化演出有無判定テーブルは、保留等変化演出のターゲットとなる保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。図16(B)のスーパーリーチはずれ時保留等変化演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチではずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時保留等変化演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチ以外でのはずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留等変化演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、保留等変化演出を実行する決定と、保留等変化演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
図16(A)の大当り時保留等変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「保留等変化演出を実行する>保留等変化演出を実行しない」という大小関係となるように、保留等変化演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図16(B)のスーパーリーチはずれ時保留等変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「保留等変化演出を実行する=保留等変化演出を実行しない」という大小関係となるように、保留等変化演出を実行する決定が選択される割合と、実行しない決定が選択される割合とが等しくなるようにデータが設定されている。図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時保留等変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「保留等変化演出を実行する<保留等変化演出を実行しない」という大小関係となるように、保留等変化演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図16(A)〜(C)でのデータの設定により、保留等変化演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、保留等変化演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、保留等変化演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図16(B),(C)でのデータの設定により、保留等変化演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、保留等変化演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、保留等変化演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施の形態では、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルを用いて、保留等変化演出を実行するか否かを判定する。
なお、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを含むリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報のみを判定対象として、保留等変化演出を実行するか否かを判定してもよい。
図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルは、保留等変化演出を実行するときの演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択するために用いられる。
図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留等変化演出態様選択用の乱数SR3(0〜199の数値範囲)の合計200個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)とに分けて、演出パターンA〜演出パターンFという複数種類の演出パターン(演出態様)に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。
パチンコ遊技機1においては、保留等変化演出の演出態様として演出パターンA〜演出パターンFの演出態様のうちから1つの演出態様がランダムに選択される。
演出パターンAは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時(保留画像を出現表示させてから1回目に実行される変動表示に対応する保留シフト時であり、以下同様。)に青色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンBは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時に緑色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンCは、新たに出現表示させる保留画像を次回の保留シフト時に赤色の表示態様に変化させる演出態様である。
演出パターンDは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時(保留表示時には変化させずアクティブ表示となったときであり、以下同様。)に青色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンEは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時に緑色の表示態様に変化させる演出態様である。演出パターンFは、新たに出現表示させる保留画像をアクティブ表示時に赤色の表示態様に変化させる演出態様である。
このように、新たに出現表示された保留画像は、保留表示の段階と、アクティブ表示の段階とのどちらかにおいて、保留等変化演出が実行可能であるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、新たに出現表示された保留画像は、保留表示の段階で保留等変化演出が実行されなくても、アクティブ表示の段階で保留等変化演出が実行される可能性があるので、保留等変化演出についての遊技者の期待感を変動表示が実行されるまで継続させることが可能となる。
なお、新たに出現表示させる保留画像の表示態様を変化させる演出は、次回の保留シフト時以外の回の保留シフト時等のその他のタイミングで実行するような演出制御を行なってもよい。
図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルにおいて、保留表示の段階で保留等変化演出が実行される演出パターンA〜Cは、大当り時の選択割合が、「青に変化<緑に変化<赤に変化」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「青に変化>緑に変化>赤に変化」という大小関係で設定されている。同様に、アクティブ表示の段階で保留等変化演出が実行される演出パターンD〜Fは、大当り時の選択割合が、「青に変化<緑に変化<赤に変化」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「青に変化>緑に変化>赤に変化」という大小関係で設定されている。
このような設定により、保留等変化演出が実行されるときには、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色という観点から、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色に関する大当り遊技状態に制御される期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となる。したがって、保留画像またはアクティブ画像の色のような表示態様に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留等変化演出が実行されるときには、保留画像またはアクティブ画像の色変化という観点から、保留画像またはアクティブ画像の色変化に関する大当り遊技状態に制御される期待度は、「青に変化<緑に変化<赤に変化」という大小関係となる。したがって、保留等変化演出の演出態様に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルにおいて、大当り時の選択割合が、「保留表示の段階で保留等変化演出が実行される演出パターンA〜C<アクティブ表示の段階で保留等変化演出が実行される演出パターンD〜F」という大小関係で設定され、はずれ時の選択割合が、「演出パターンA〜C>演出パターンD」という大小関係で設定されている。このような設定により、大当り遊技状態に制御される期待度は、「保留表示の段階での保留等変化<アクティブ表示の段階での保留等変化演出」という大小関係となる。したがって、保留等変化演出の演出時期に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り遊技状態に制御される期待度は、前述とは逆に「保留表示の段階での保留等変化>アクティブ表示の段階での保留等変化演出」という大小関係となるように、保留等変化演出態様選択テーブルでのデータを設定してもよい。大当り遊技状態に制御される期待度は、「保留表示の段階での保留等変化=アクティブ表示の段階での保留等変化演出」という大小関係となるように、保留等変化演出態様選択テーブルでのデータを設定してもよい。
図17は、保留態様選択テーブルを示す図である。保留態様選択テーブルは、保留表示の出現表示時の表示態様(表示色)を選択するためのデータテーブルであり、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図17には、保留態様選択テーブルとして、(A)〜(K)に第1保留態様選択テーブル〜第11保留態様選択テーブルが示されている。
図17(A)〜(K)に示す第1保留態様選択テーブル〜第11保留態様選択テーブルは、図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルにより選択決定された演出パターンと対応関係にあるものが選択される。これら第1保留態様選択テーブル〜第11保留態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留態様選択用の乱数SR4(0〜299の数値範囲)の合計300個の数値が、保留表示の出現表示時の表示態様(出現保留表示態様と呼ぶ)、すなわち、保留色(紫、通常(白)、青、緑、赤)のいずれかに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルを用いて保留等変化演出を実行することが決定されたときは、図17(A)〜(I)に示す第1保留態様選択テーブル〜第9保留態様選択テーブルのうちいずれかが選択される。一方、図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルを用いて保留等変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(J),(K)に示す第10保留態様選択テーブルまたは第11保留態様選択テーブルのうちいずれかが選択される。
演出パターンAが選択されたときは、図17(A)の第1保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンBが選択されたときは、図17(B)の第2保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンCが選択されたときは、図17(C)の第3保留態様選択テーブルが選択される。
演出パターンDが選択されたときにおいて、後述する演出制限がされていないときは、図17(D)の第4保留態様選択テーブルが選択され、一方、演出制限がされているときは、図17(G)の第7保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンEが選択されたときにおいて、後述する演出制限がされていないときは、図17(E)の第5保留態様選択テーブルが選択され、一方、演出制限がされているときは、図17(H)の第8保留態様選択テーブルが選択される。演出パターンFが選択されたときにおいて、後述する演出制限がされていないときは、図17(F)の第6保留態様選択テーブルが選択され、一方、演出制限がされているときは、図17(I)の第9保留態様選択テーブルが選択される。
前述した演出制限とは、この実施の形態では、新たに出現した保留画像が紫色であるときには、演出制御の複雑化を防ぐとともに、演出の見た目上の分かりにくさを防ぐために、その保留画像に対応する変動表示が実行されるまで、新たに紫色の保留画像が出現しないように、演出を制限することをいう。なお、このような演出の制限はしないように設定してもよい。
先読みの大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、保留等変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(J)の第10保留態様選択テーブルが選択される。先読みの大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留等変化演出を実行しないことが決定されたときには、図17(K)の第11保留態様選択テーブルが選択される。
保留等変化演出が実行されるときには、図16(D)に示すように、保留画像またはアクティブ画像の変化後の表示態様(以下、変化後色と呼ぶ)が先に決定されることに応じて、図17(A)〜(I)の第1〜第9保留態様選択テーブルでは、変化後色よりも前述の大当り期待度が低い色が、保留表示の出現表示時の表示態様(以下、出現時色と呼ぶ)として選択可能に設定されている。
保留シフト時に保留等変化演出が実行されるときに用いられる第1〜第3保留態様選択テーブルでは、「紫」が選択されないようにデータが設定されている。アクティブ表示時に保留等変化演出が実行されるときに用いられる第4〜第9保留態様選択テーブルのうち、「紫」の選択を制限する前述の演出制限がされていないときに選択可能な第4〜第6保留態様選択テーブルでは、「紫」が選択可能なようにデータが設定されている。一方、「紫」の選択を制限する前述の演出制限がされているときに選択可能な第7〜第9保留態様選択テーブルでは、「紫」が選択されないようにデータが設定されている。
このような第1〜第9保留態様選択テーブルでのデータの設定により、保留表示の出現時色が「紫」以外の「通常色(白)」、「青」、「緑」のいずれかであるときには、保留表示段階とアクティブ表示段階とのいずれかにおいて、保留等変化演出が実行可能とされている。一方、保留表示の出現時色が「紫」であるときには、保留表示段階では保留等変化演出が実行不可能とされ、アクティブ表示段階において、保留等変化演出が実行可能とされている。
このような設定に基づいて保留表示およびアクティブ表示に関する演出制御が実行されることにより、保留記憶情報に対応する保留表示のうち、「紫」の画像のような特定表示態様で表示された保留表示は、保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が行なわれるまで当該保留表示の表示態様を変化させず、当該特定表示態様の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が行なわれるときに、当該保留情報に基づく変動表示に対応するアクティブ表示において表示態様が変化可能となる。これにより、特定表示態様で表示された保留表示については、アクティブ表示が実行されるタイミングでのみ表示態様が変化可能となるので、特定表示態様で保留表示が実行される場合の表示態様の変化タイミングが分かりやすく、遊技の興趣を向上させることができる。
保留等変化演出が実行されないときに用いられる第10,第11保留態様選択テーブルでは、「紫」が選択されないようにデータが設定されている。これにより、「紫」の画像のような特定表示態様で表示された保留表示の表示態様の変化タイミングがより一層分かりやすくなる。
次に、図16および図17を用いて、「通常(白)」、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像およびアクティブ画像について遊技者が感じる大当りへの期待感について説明する。
図16(D)を用いて説明したような、保留等変化演出が実行されるときにおける、保留画像またはアクティブ画像の保留等変化演出における最終的な色という観点から、保留画像またはアクティブ画像の最終的な色に関する大当り遊技状態に制御される期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となることに加えて、次に説明するような図17の保留態様選択テーブルでのデータの設定により、保留画像またはアクティブ画像の色に関し、大当りとなる期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。これにより、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「青<緑<赤」という関係で大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
保留等変化演出が実行されないときに選択される図17(J),(K)の第10,第11保留態様選択テーブルにおいては、保留表示の出現表示時の表示態様として、大当り時には、はずれ時と比べて「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像が選択される割合が高くなり、「通常(白)」の保留画像が選択される割合が低くなるようにデータが設定されている。また、保留等変化演出が実行されるとき選択される図17(A)〜(I)の第1〜第9保留態様選択テーブルにおいては、対応する演出パターンの大当り時における選択割合が高くなる程、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像が選択される割合が高くなり、「通常(白)」の保留画像が選択される割合が低くなるようにデータが設定されている。これにより、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「通常(白)」の保留画像よりも大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
また、保留等変化演出が実行されないときに選択される図17(J),(K)の第10,第11保留態様選択テーブルにおいては、保留表示の出現表示時の表示態様として、大当り時には、はずれ時と比べて選択される割合が高い「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像のうち、はずれ時に選択される割合に対する大当り時に選択される割合の比率が、「青<緑<赤」という大小関係となるようにデータが設定されている。これにより、保留等変化演出が実行されないときに選択される保留画像の色について、大当りとなる期待度は、「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。このため、「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像は、「青<緑<赤」という関係で大当りとなる期待度が高いと遊技者が感じることができる。
このような、図17(J),(K)に示した保留等変化演出が実行されないときにおける「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像についての大当りとなる期待度、および、図16(D)に示した保留等変化演出が実行されるときにおける「青」、「緑」、および、「赤」の保留画像についての大当りとなる期待度により、保留画像およびアクティブ画像の色について、大当りとなる期待度は、全般的に「青<緑<赤」という大小関係となるように設定されている。
図18は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図18(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR4のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。図18(B)では、保留等変化演出を実行する第1特別図柄に対応する始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファが一例として示されている。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファは、図18(B)に示されたバッファのうちの図柄指定、変動種別、始動入賞指定、および、保留記憶数という欄に相当し、各保留記憶の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、図18(B)に示された保留等変化演出判定有無、保留等変化演出実行変動指定、保留等変化演出対象指定、および、保留等変化演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド)を格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を格納する領域(図中「保留記憶数指定」)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
図18(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図18(B)に示す格納状態において次に演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出された後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
図18(B)に示す演出用バッファは、始動入賞時受信コマンドバッファと連結(従属)したようなアドレスの対応関係で記憶領域を設けてもよく、始動入賞時受信コマンドバッファとは独立したアドレスの記憶領域に、各始動入賞記憶に対応して記憶領域を設けてもよい。
図18(C)に示すように、「図柄指定」コマンドの領域において、「C200(H)」は、はずれ表示結果指定を示し、「C201(H)」は大当り表示結果指定を示す。「変動種別」コマンドの領域において、「C300(H)」は通常変動の種別を示し、「C301(H)」はノーマルリーチ変動の種別を示し、「C302(H)」はスーパーリーチ変動の種別を示す。「始動入賞指定」コマンドの領域において、「A401(H)」は第1始動入賞指定を示し、「A402(H)」は第2始動入賞指定を示す。「保留記憶数指定」の領域においては、「C001(H)」〜「C004(H)」により第1保留記憶数「0」〜「4」を示し、「C101(H)」〜「C104(H)」により第2保留記憶数「0」〜「4」を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図18(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、保留記憶数指定コマンドが格納される。図18(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
演出制御バッファ設定部194においては、第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、次に示すような演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、保留等変化演出を実行しないため、保留等変化演出の実行用の演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、保留等変化演出の実行用の演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様に保留等変化演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「保留等変化演出判定有無」のデータ、「保留等変化演出実行変動指定」のデータ、および、「保留等変化演出態様指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「保留等変化演出判定有無」のデータ格納領域、「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域、および、「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に格納される。
「保留等変化演出判定有無」のデータは、保留等変化演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「保留等変化演出実行変動指定」のデータは、保留等変化演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「保留等変化演出態様指定」のデータは、保留等変化演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルに基づいて、保留等変化演出を実行するか否かの判定が未だされていないときには、「保留等変化演出判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」を特定可能な「1000(H)」のデータが記憶され、保留等変化演出を実行するか否かの判定がされたときには、「保留等変化演出判定有無」の格納領域に、「判定有」を特定可能な「1001(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルに基づいて保留等変化演出を実行しない判定がされたときには、「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶され、「保留等変化演出態様指定」のデータの格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図16(A)〜(C)の保留等変化演出有無判定テーブルに基づいて保留等変化演出を実行する判定がされ、かつ、図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルに基づいて、演出パターンA〜Fのいずれかの演出態様が決定されたときには、決定された演出パターンの種類に応じて、次のようにデータの記憶がされる。
新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンA〜Cのような次回保留シフト時に保留画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、次回の変動表示をするバッファ番号「1」のデータにおいて「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定有」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶され、新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号のデータにおいて、「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶され、「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に選択された演出パターンに対応して「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンA〜Cのような次回保留シフト時に色が変化する演出パターンが選択されたときは、次回の変動表示をするバッファ番号「1」の保留記憶情報に対応して記憶された「2001(H)」のデータに基づいて、次回の変動表示が実行されるときに保留等変化演出を実行することが認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンD〜Fのようなアクティブ表示時にアクティブ画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、当該新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号のデータにおいて「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定有」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶され、「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に選択された演出パターンに対応して「3004(H)」〜「3006(H)」のうちのいずれかのデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、演出パターンD〜Fのようなアクティブ表示時にアクティブ画像の色が変化する演出パターンが選択されたときは、当該新たな保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、当該新たな保留記憶情報に対応するバッファ番号に対応して記憶された「2001(H)」のデータに基づいて、保留等変化演出を実行することが認識可能となる。
新たに変動表示が実行されるバッファ番号「1」の「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「2001(H)」のデータが記憶されているときには、次のように保留等変化演出が実行される。
まず、バッファ番号「2」〜「4」のいずれかの「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に、保留シフト時に保留画像を変化させる演出パターンを特定可能な「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、当該データが記憶されているバッファ番号の保留記憶情報に対応して表示されている保留画像を、当該演出パターンに従って変化させる保留等変化演出をする。
また、新たに変動表示が実行されるバッファ番号「1」の「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に、アクティブ表示時にアクティブ画像を変化させる演出パターンを特定可能な「3004(H)」〜「3006(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、新たに実行される変動表示において、アクティブ表示されているアクティブ画像を当該演出パターンに従って変化させる保留等変化演出をする。
また、新たに変動表示が実行されるときに「保留等変化演出実行変動指定」のデータ格納領域に「2001(H)」のデータが記憶されているときにおいて、バッファ番号「2」〜「4」のいずれかの「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に、「3001(H)」〜「3003(H)」のうちのいずれかのデータが記憶され、かつ、バッファ番号「1」の「保留等変化演出態様指定」のデータ格納領域に「3004(H)」〜「3006(H)」のうちのいずれかのデータが記憶されているときには、前述した保留画像の保留等変化演出と、前述したアクティブ画像の保留等変化演出との両方が実行されることとなる。
なお、図18(B)の演出用バッファに、保留等変化演出を実行することが決定されたことを示すデータが記憶されている保留記憶情報があるときには、その保留記憶情報に基づく変動表示が終了するまで、新たな保留記憶情報について、保留等変化演出を実行する決定をしないように、演出選択を制限してもよい。また、図18(B)の演出用バッファに、保留等変化演出を実行することが決定されたことを示すデータが記憶されている保留記憶情報があるときには、その保留記憶情報に基づく変動表示が終了するまで、新たな保留記憶情報について、通常色(白)以外の保留色(たとえば、青色、緑色、紫色等)で出現表示しないように、出現保留表示態様の色の選択を制限してもよい。
また、「保留等変化演出実行変動指定」のデータは、保留等変化演出を実行しない決定(指定)がされたか否か(演出有無)を示すデータと、保留等変化演出を実行する決定(指定)がされたとき(演出有)のときに選択された保留等変化演出の演出態様を特定可能なデータとに分けて、異なる格納領域にそれぞれ格納するようにしてもよい。
図18(B)においては、始動入賞時コマンドバッファおよび演出用バッファにおけるデータの記憶例として、たとえば、バッファ番号「4」に対応する保留記憶について、大当り表示結果の図柄指定であり、かつ、変動種別がスーパーリーチの変動パターン種別である場合(図柄指定のデータが「C201(H)」かつ変動種別のデータが「C302(H)」である場合)に、その保留記憶について、保留等変化演出を実行するか否かの判定がされたことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「保留等変化演出判定有無」のデータに「1001(H)」が記憶され、その判定結果が保留等変化演出を実行する判定結果となり、かつ、当該保留等変化演出の演出態様が演出パターンF(アクティブ表示時に赤変化)に決定されたことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「保留等変化演出態様指定」のデータに「3006(H)」が記憶され、バッファ番号「4」に対応する「保留等変化演出実行変動指定」のデータに「2001(H)」が記憶された例が示されている。
以上に説明したような態様で、各保留記憶情報について、先読み演出処理に基づいて、演出用バッファの格納領域にデータが記憶されると、変動表示を実行するときに、変動表示を実行する保留記憶に対応する演出用バッファのデータを確認することにより、保留等変化演出を実行するか否かと、保留等変化演出を実行する対象(保留画像またはアクティブ画像)と、保留等変化演出の演出態様とを演出制御用マイクロコンピュータ100が、認識することができる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このように認識した保留等変化演出に関するデータに基づいて、保留等変化演出を実行することが可能である。
図19は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、図18に示す第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、保留等変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、保留等変化演出判定有無の格納領域において「1000(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で、保留等変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、保留等変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを、第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく保留等変化演出のうち、保留画像を対象とした保留等変化演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、保留等変化演出を実行する変動表示が実行可能であるかどうかを確認するのである。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、保留等変化演出を実行しない(保留等変化演出無)ことに決定し(S712A)、後述するS718に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、S711で判定した保留等変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、先読み判定対象の第1保留記憶情報が大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S713)。
S713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、保留等変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(A)の大当り時保留等変化演出有無判定テーブルを用いて、保留等変化演出を実行するか否かを判定する(S717)。一方、S713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたときは、S711で保留等変化演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「変動種別」の記憶内容をチェックし、スーパーリーチを指定したものであるか否かを判定することにより、先読み判定対象の第1保留記憶情報がスーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであるか否かを判定する(S714)。
S714で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであると判定されたときは、保留等変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(B)のスーパーリーチはずれ時保留等変化演出有無判定テーブルを用いて、保留等変化演出を実行するか否かを判定する(S715)。
一方、S714で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものでないと判定されたときは、保留等変化演出決定用のSR2を抽出し、図16(C)のスーパーリーチ以外はずれ時保留等変化演出有無判定テーブルを用いて、保留等変化演出を実行するか否かを判定する(S716)。
S712A、S717、S715、または、S716により保留等変化演出を実行するか否かが判定された後は、図18(B)の演出用バッファにおいて、今回の先読判定対象の第1保留記憶に対応する「保留等変化演出判定有無」の格納領域に、その「保留等変化演出判定有」を特定するデータ(「1001(H)」)を記憶させる(S718)。
次に、S717、S715、または、S716により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留等変化演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S719)。S719で、保留等変化演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、後述するS727に進む。一方、S719で、保留等変化演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、保留等変化演出態様決定用のSR3を抽出し、図16(D)の保留等変化演出態様選択テーブルを用いて、保留等変化演出態様を選択決定する(S720)。これにより、先読判定対象の第1保留記憶情報について、演出パターンA〜Cのような次回の保留シフト時に保留画像を変化させる演出、および、演出パターンD〜Fのようなアクティブ表示時にアクティブ画像を変化させる演出を含む保留等変化演出の演出態様が、いずれかの演出態様に決定される。
次に、S720で決定された保留等変化演出の演出態様に応じて、図18(B)の演出バッファにおいて、前述したような記憶態様で、「保留等変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無または指定有のデータ(「2000(H)または2001(H)」)を記憶させ、「保留等変化演出態様指定」の格納領域に、S720で決定された演出パターンを特定可能なデータ(「3001(H)〜3006(H)」)を記憶させる(S721)。
S721では、具体的に、前述のように、「保留等変化演出実行変動指定」については、次回保留シフト時に変化する演出と、アクティブ表示時に変化する演出とのそれぞれについて別に定められた態様(次回保留シフト時に変化する演出のときはバッファ番号1にデータを記憶させ、アクティブ表示時に変化する演出のときは先読判定対象の第1保留記憶情報のデータが対応するバッファ番号にデータを記憶させる態様)で、「保留等変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無または指定有のデータ(「2000(H)または2001(H)」を記憶させる。
S721では、さらに、前述のように、「保留等変化演出態様指定」については、先読判定対象の第1保留記憶情報に対応するバッファ番号における「保留等変化演出態様指定」の格納領域に、演出パターンA〜F(「3001(H)〜3006(H)」)のうちかS720で決定された演出パターンを特定可能なデータを記憶させる。
次に、S720での選択決定結果に基づいて、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留シフト時に保留等変化演出を実行するか否かを確認する(S722)。S722により保留シフト時に保留等変化演出を実行するときには、S720で決定された演出パターンにより特定される変化後の保留画像の色(図中、変化色)に応じて、図17(A)〜図17(C)の第1〜第3保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S723)、後述するS729に進む。S723により、出現保留表示態様は、通常色(白色)、青色、緑色のうち、いずれかの色に決定される。これにより、保留シフト時に保留画像について保留等変化演出を実行するときには、出現保留表示態様として紫色が選択不可能であり、紫色の保留表示が出現し得ない。
一方、S722により保留シフト時に保留等変化演出を実行しないとき(アクティブ表示時に保留等変化演出を実行するとき)には、特定保留演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S724)。特定保留演出制限フラグは、出現保留表示態様の選択により、特定保留としての「紫色」の保留画像が表示されているときにセットさせるフラグであり、前述したように、既に「紫色」の保留画像が表示されているときに、新たに「紫色」の保留画像を出現表示させなくする演出の制限が実行されているときにセットされるものである(S730参照)。
S724により特定保留演出制限フラグがセットされていないときは、S720で決定された演出パターンにより特定される変化後の保留画像の色(図中、変化色)に応じて、図17(D)〜図17(F)の第4〜第6保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S725)、後述するS729に進む。S725により、出現保留表示態様は、紫色、通常色(白色)、青色、緑色のうち、いずれかの色に決定される。これにより、アクティブ表示時にアクティブ画像について保留等変化演出を実行するときには、出現保留表示態様として紫色が選択可能であり、紫色の保留表示が出現し得る。
「紫」の画像のような特定表示態様で表示された保留表示は、保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が行なわれるまで当該保留表示の表示態様が変化不可能であり、当該特定表示態様の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が行なわれるときに、当該変動表示に対応するアクティブ表示において表示態様が変化可能となる。これにより、特定表示態様で表示された保留表示は、アクティブ表示が実行されるタイミングでのみ表示態様が変化可能となるので、特定表示態様で保留表示が実行される場合の表示態様の変化タイミングが分かりやすく、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「紫」の画像のような特定表示態様で表示された保留表示については、保留表示の段階と、アクティブ表示の段階との何れか一方の段階で、保留等変化演出を実行することを可能とし、アクティブ表示の段階の方が、保留表示の段階と比べて、保留等変化演出が実行される割合が高くなるような演出制御をしてもよい。また、「紫」の画像のような特定表示態様で表示された保留表示については、保留表示の段階のみで保留等変化演出を実行する演出パターンと、アクティブ表示の段階のみで保留等変化演出を実行する演出パターンと、保留表示の段階およびアクティブ表示の段階の両方で保留等変化演出を実行する演出パターンとを設け、これら演出パターン全体として、アクティブ表示の段階の方が、保留表示の段階と比べて、保留等変化演出が実行される割合が高くなるような演出制御をしてもよい。
S724により特定保留演出制限フラグがセットされているときは、新たに「紫色」の保留画像を出現表示させなくする演出の制限を実行するときであるので、S720で決定された演出パターンにより特定される変化後の保留画像の色(図中、変化色)に応じて、図17(G)〜図17(I)の第7〜第9保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S726)、後述するS729に進む。S726により、出現保留表示態様は、紫色の出現表示が制限されているので、通常色(白色)、青色、緑色のうち、いずれかの色に決定される。これにより、既に紫色の保留画像が表示されており特定保留演出制限フラグがセットされているときは、出現保留表示態様として紫色が選択不可能であり、紫色の保留表示が出現し得ない。
また、前述したようにS719からS727に進んだときは、保留等変化演出を実行しないときであり、図18(B)の演出バッファにおいて、前述したような記憶態様で、「保留等変化演出実行変動指定」の格納領域に、指定無のデータ(「2000(H)」)を記憶させ、「保留等変化演出態様指定」の格納領域に、演出無を特定可能なデータ(「3000(H))を記憶させる(S727)。
次に、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読判定結果を確認することに基づいて、図17(J),図17(K)の第10,第11保留態様選択テーブルのいずれかを選択し、出現保留表示態様決定用のSR4を抽出して、選択した保留態様選択テーブルを用いて、先読判定対象の第1保留記憶情報についての出現保留表示態様(色)を選択決定し(S728)、後述するS729に進む。S728により、出現保留表示態様は、通常色(白色)、青色、緑色、赤色のうち、いずれかの色に決定される。
S729では、S723,S725,またはS726により決定された保留画像の出現保留表示態様が「紫色」であるか否かを確認する(S729)。S729で出現保留表示態様が「紫色」でないときは、S723,S725,またはS726で決定した出現保留表示態様で新たな保留画像を出現させる表示をし(S731)、処理を終了する。一方、S729で出現保留表示態様が「紫色」であるときは、前述したような、今回保留画像を出現させた後、新たに「紫色」の保留画像が重複して出現表示されなくする演出の制限を実行するために、特定保留演出制限フラグをセットし(S730)、その後、S723,S725,またはS726で決定した出現保留表示態様で新たな保留画像を出現させる表示をし(S731)、処理を終了する。
このように先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様を選択決定し、決定した出現保留表示態様で新たに保留画像を出現させる表示を実行する。このように表示された保留画像は、変動表示が実行されるごとに、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられることとなる。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様を選択決定する処理については、図13のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、出現保留表示態様を選択決定するようにしてもよい。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、保留等変化の演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図21を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図21は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、保留等変化演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S631)。具体的に、S631では、図18(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「保留等変化演出実行変動指定」のデータとして「指定有」のデータが記憶されているときに、保留等変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S631において、保留等変化演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、後述するS638に進む。
S631により保留等変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、図18(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、「保留等変化演出態様指定」のデータを確認することに基づいて、今回実行する保留等変化演出の演出態様(演出パターンA〜Fのいずれかの演出態様)を確認する(S632)。
次に、S632による今回の変動表示において実行する保留等変化演出の演出態様の確認結果に基づいて、確認した演出パターンから特定可能な今回保留等変化演出を実行する対象(保留表示、アクティブ表示)を演出対象として設定するとともに、確認した演出パターンから特定可能な演出態様(保留シフト時に何色に変化するかという演出態様、アクティブ表示時に何色に変化するかという演出態様)を実行する演出態様として設定する(S633)。
次に、今回の変動表示において実行する保留等変化演出の演出期間を、変動開始時における予め定められた演出期間に設定する(S634)。たとえば、保留表示を対象として保留等変化演出を実行するときの演出期間としては、保留表示のシフト時における第1の演出期間に設定し、アクティブ表示を対象として保留等変化演出を実行するときの演出期間としては、変動開始後特定時間経過時における第2の演出期間に設定する。
なお、保留等変化演出の演出期間としては、保留表示を対象として保留等変化演出を実行するときの演出期間と、アクティブ表示を対象として保留等変化演出を実行するときの演出期間とを異なる期間となるように(演出開始時が異なる、演出継続時間が異なる、または、演出終了時が異なる等)設定してもよく、同じ期間となるように(演出開始時と演出終了時とが同じ、または、演出継続時間が同じ等)設定してもよい。
次に、今回の変動表示において実行する保留等変化演出の対象(保留表示、アクティブ表示)の変化前の色の設定データを確認することにより、変化前の色が「紫」であるか否かを確認する(S635)。S635で変化前の色が「紫」であるときは、前述のS730により特定保留制限フラグがセットされているときであるので、特定保留制限フラグをリセットし(S636)、S637に進む。これにより、保留等変化演出によって「紫」の保留画像またはアクティブ画像が他の色に変化したときには、今回の保留等変化演出の実行後において、制限されていた「紫」の保留画像が出現表示可能な状態となる。一方、S635で変化前の色が「紫」であるときは、そのままS637に進む。
S637では、図18(B)に示す演出用バッファにおいて、「保留等変化演出実行変動指定」の格納領域のデータを「指定無」に変更し、「保留等変化演出態様指定」の格納領域のデータを「演出無」に変更し、S638に進む。
次に、S638においては、前述した保留等変化演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S638)。その後、処理を終了する。
このような演出設定処理におけるS631〜S637の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S634で設定された演出期間において、S633で設定された実行対象および演出態様に基づいて、保留等変化演出が実行されることとなる。これにより、たとえば、図15(A)〜(D)に示したような演出態様での保留等変化演出が実行可能となる。
なお、前述した保留等変化演出の演出例としては、保留画像がアクティブ表示エリアに移動してアクティブ画像として表示されるときに、保留画像とアクティブ画像とが同じ画像である例を説明した。しかし、これに限らず、保留画像とアクティブ画像とは、同じ画像以外に、関連性がある画像(たとえば、円形の保留画像が楕円形のアクティブ画像となる、または、小型の円形の保留画像が大型の円形のアクティブ画像となる等)であってもよく、関連性がない画像(たとえば、円形の保留画像が所定のキャラクタ画像となる等)であってもよい。
また、保留画像とアクティブ画像との関係については、保留画像がアクティブ表示エリアに移動する画像が表示されることにより、保留画像と、アクティブ画像との関係が示される演出の他に、保留画像が一時消去された後に、アクティブ表示エリアに出現する画像が表示されることにより、保留画像と、アクティブ画像との関係が示される演出等、その他の演出が実行されることにより、保留画像とアクティブ画像との関係性が示唆されるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、紫色のような特定表示態様で保留表示が表示される場合に、紫色と異なる、通常色、青色、緑色、および、赤色のような表示態様で保留表示が表示される場合と比べて、当該保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるまで当該保留表示の表示態様を変化させる割合が低い例を説明する。
第1実施形態では、紫色のような特定表示態様で保留表示が表示される場合に、当該保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるまで、すなわち、当該保留記憶情報に基づくアクティブ表示が行なわれるまで、当該保留表示の表示態様を変化させない例を説明した。これに対し、第2実施形態では、紫色のような特定表示態様で保留表示が表示される場合において、当該保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるまでに当該保留表示の表示態様を変化させるが、すなわち、保留表示の段階で表示態様を変化させるが、その変化割合が、紫色と異なる、通常色、青色、緑色、および、赤色のような表示態様で保留表示が表示される場合と比べて少ない例を説明する。
たとえば、第2実施形態では、図17(A)〜(C)の第1〜第3保留態様選択テーブル、および、図17(J),(K)の第10,第11保留態様選択テーブルにおいて、紫色が、その他の色と比べて、選択される割合が極めて少なくなるような割振りで選択可能となるようにデータを設定すればよい。
なお、第2実施形態では、紫色が保留表示の段階で選択される割合に関し、前述のようにその他の色と比べて、選択される割合が極めて少なくなるような割振りで選択可能となる例に限らず、その他の色と比べて選択される割合が少なくなるような割振りで選択可能となるようなものであれば、どのような割合に設定されてもよい。
第2実施形態のように構成した場合でも、紫色のような特定表示態様で表示された保留表示は、たとえば、その他の表示態様で表示された保留表示と比べて、アクティブ表示が実行されるまでの保留表示の段階で変化する割合が極めて低い等、保留表示の段階で変化する割合が低く、当該特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、アクティブ表示が変化可能であるので、特定表示態様で保留表示が実行される場合の表示態様の変化タイミングが分かりやすく、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、紫色のような特定表示態様の保留表示は、保留記憶情報の数が第1の数のときと第2の数のときとで表示される割合が異なる例を説明する。
第3実施形態では、たとえば、紫色のような特定表示態様の保留表示について、新たな始動入賞が生じたときの保留記憶数が多くなる程、選択割合が高くなるように、保留表示の表示態様の選択割合を設定する。具体的には、第1実施形態の図17(D)〜(F)に示す第4〜第6保留態様選択テーブルのそれぞれを複数種類の保留記憶数ごとに設け、保留記憶数別に、紫色の保留表示の選択割合が異なるようにデータを設定すればよい。
なお、紫色のような特定表示態様の保留表示については、新たな始動入賞が生じたときの保留記憶数が少なくなる程、選択割合が高くなるように、保留表示の表示態様の選択割合を設定するようにしてもよい。このように、第3実施形態では、特定表示態様の保留表示が、保留情報の数が第1の数のときと第2の数のときとで表示される割合が異なるのであれば、保留表示の数の多少と特定表示態様の表示の選択割合との関係は、どのように設定されてもよい。
このように構成すれば、第3実施形態においては、紫色のような特定表示態様の保留表示は、保留記憶情報の数が第1の数のときと第2の数のときとで表示される割合が異なるので、保留情報の数により特定表示態様の保留表示の表示割合が異なることに基づく演出態様の多様化により、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特定表示態様の保留表示を、第1実施形態のようにアクティブ表示の段階でのみ表示態様が変化可能となるものと、第2実施形態のように保留表示の段階およびアクティブ表示の段階で表示態様が変化可能となるものとの両方が選択可能とし、新たな始動入賞が生じたときの保留記憶数が多くなる程、アクティブ表示の段階でのみ表示態様が変化可能となるものが選択される割合が高くなるようにする等(逆に新たな始動入賞が生じたときの保留記憶数が少なくなる程、アクティブ表示の段階でのみ表示態様が変化可能となるものが選択される割合が高くなるようにしてもよい)、新たな始動入賞が生じたときの保留情報の数によって特定表示態様の保留表示の表示態様が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、保留表示またはアクティブ表示の表示態様の変化を示唆する変化示唆演出を行ない、紫色のような特定表示態様の保留表示が表示されている場合は、その他の表示態様の保留表示が表示されている場合と比べて、前記変化示唆演出を行なう割合が低い例を説明する。
第4実施形態では、たとえば、演出表示装置9において、矢が飛ぶような画像表示等の特定画像の動作表示、または、特定のキャラクタを出現させる動作表示等の所定画像の出現動作等の画像表示を用いて、保留表示またはアクティブ表示が変化することを示唆可能な変化示唆演出を演出制御用マイクロコンピュータ100により実行可能とする。なお、このような変化示唆演出は、保留表示またはアクティブ表示が変化することを示唆可能な演出であれば、変化示唆演出用の所定画像が保留表示またはアクティブ表示に作用するように見せる直接的な演出を実行するものでもよく、変化示唆演出用の所定画像が保留表示またはアクティブ表示に作用しないが保留表示またはアクティブ表示が変化することを暗示するような間接的な演出を実行するものでもよい。
そして、紫色のような特定表示態様の保留表示が表示されている場合は、それ以外の表示態様の保留表示が表示されている場合と比べて、前述の変化示唆演出を行なう割合が低くなるように演出制御用マイクロコンピュータ100が制御をする。このような制御における「変化示唆演出を行なう割合が低い」とは、特定表示態様の保留表示について、変化示唆演出を実行可能とするが、その演出の実行割合が特定表示態様以外の表示態様の保留表示よりも低い例と、特定表示態様の保留表示について変化示唆演出を実行不可能とする例(変化示唆演出を行なう割合が「0」%の例)とを含む。
変化示唆演出は、変化示唆演出が実行されたときに保留表示またはアクティブ表示の表示態様が必ず変化するという演出であってもよい。変化示唆演出は、変化示唆演出が実行されたときに保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化するときと変化しないときとがあるが、変化示唆演出が実行されたときの方が変化示唆演出が実行されないときと比べて保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化しやすくなるという演出であってもよい。変化示唆演出は、変化示唆演出が実行されて保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化する場合と、変化示唆演出が実行されずに保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化する場合とを含む演出であってもよい。変化示唆演出は、演出態様が異なる複数種類の変化示唆演出のうちのいずれが選択されて実行されるものであって、変化示唆演出の種類に応じて、実行されたときに保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なる演出であってもよい。
この第4実施形態のように構成すれば、変動表示が行なわれるときにアクティブ表示が変化可能となる特定表示態様の保留表示に対して、それ以外の表示態様の保留表示が表示されている場合と比べて、変化示唆演出を行なう割合が低いことにより、特定表示態様の保留表示に対する無駄な変化示唆演出が抑制されることに基づいて、遊技の興趣低下を防ぐことができる。
なお、変化示唆演出については、紫色のような特定表示態様と、通常色(白色)、青色、および、緑色のような非特定表示態様とが混在して表示されているときには次のような演出制御をしてもよい。演出の混乱を防止するために、変化示唆演出を実行しないように演出を制限してもよい。演出の実行頻度を低下させないようにするために、たとえば、通常色(白色)のように保留等変化演出の実行頻度が他の色よりも高い保留画像またはアクティブ画像のみを対象として、変化示唆演出を実行するようにしてもよい。演出の混乱を防止するために、紫色のような特定表示態様について、アクティブ表示エリアでアクティブ画像の表示態様が変化することを制限してもよい。
また、複数の保留記憶情報に対する保留画像またはアクティブ画像について保留等変化演出を実行することが決定されている場合において、前述のような変化示唆演出を実行するときには、複数の保留画像等のすべてを演出対象として変化示唆演出を実行してもよく、一部の保留画像等を演出対象として変化示唆演出を実行してもよい。また、複数の保留記憶情報に対する保留画像またはアクティブ画像について保留等変化演出を実行することが決定されている場合において、前述のような変化示唆演出を実行するときには、保留等変化演出を実行することが決定されている複数の保留画像等について、複数回に分けて、複数の保留画像等の1つずつを1回ごとに演出対象として、変化示唆演出を複数種類のタイミングで実行するようにしてもよい。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、アクティブ表示として、紫色のような特定表示態様以外に、第1表示態様(緑色)と、大当りとなるときに大当りとならないときと比べて、変化しやすい第2表示態様(赤色)との複数種類の表示態様を含み、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づくアクティブ表示が行なわれるときに、それ以外の表示態様の保留表示(通常色(白色))に対応する保留記憶情報に基づくアクティブ表示が行なわれるときと比べて、アクティブ表示を第2表示態様に変化させやすくする例を説明する。
第5実施形態では、たとえば、演出表示装置9において、アクティブ表示をするときに、基本的に保留表示時と同じ表示態様(たとえば、通常色(白色)、紫色等)で一旦アクティブ表示が実行された後、変動表示が実行されるときの所定のタイミングで、そのアクティブ表示が第1表示態様(緑色)と、第2表示態様(赤色)とのいずれかに変化する演出が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行可能である。
アクティブ表示を変化させるときに、第1表示態様(緑色)に変化させるか、第2表示態様(赤色)に変化させるかの選択決定は、演出制御用マイクロコンピュータ100による抽選により選択される。たとえば、紫色のような特定表示態様でアクティブ表示を一旦するときの変化後の表示態様は、大当り判定結果が大当りとなる判定結果であるときは、大当り判定結果がはずれとなる判定結果であるときと比べて、第2表示態様(赤色)を選択する割合が高くなるように、表示態様の選択割合を設定する。このようにすれば、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づくアクティブ表示が行なわれるときに、それ以外の表示態様の保留表示(通常色(白色))に対応するに対応する保留記憶情報に基づくアクティブ表示が行なわれるときと比べて、アクティブ表示を第2表示態様に変化させやすくなる。
このように構成すれば、特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、それ以外の表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときと比べて、アクティブ表示を、大当りとなるときに大当りとならないときと比べて変化しやすい第2表示態様に変化させやすいことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態においては、紫色のような特定表示態様以外の非特定表示態様を、通常色(白色)のような第1非特定表示態様と、当該第1非特定表示態様から表示態様が変化可能である青色、緑色、または、赤色のような第2非特定表示態様とに分類したときに、第2非特定表示態様から特定表示態様への表示態様の変化が不可能であり、第1非特定表示態様から特定表示態様への表示態様の変化が可能である演出例を説明する。
第6実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が次のような制御を実行する。紫色のような特定表示態様で保留表示またはアクティブ表示をするときには、たとえば、新たな始動入賞の発生に基づく保留表示の出現時において、保留表示を通常色(白色)で出現表示させ、その後、保留シフト時等の所定のタイミングで、その保留表示を紫色のような特定表示態様に変化させる演出を実行する。そのような演出を実行可能とするときには、通常色(白色)以外の青色、緑色、または、赤色の保留表示から紫色のような特定表示態様に変化させる演出は、実行不可能とする。
このように、保留表示を通常色(白色)で出現表示させ、その後、保留シフト時等の所定のタイミングで、その保留表示を紫色のような特定表示態様に変化させる演出を実行する場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その変化後の特定表示態様を対象として、前述した実施形態のように、青色、緑色、または、赤色に変化させる保留等変化演出を実行させる。
このように構成すれば、通常色(白色)の保留表示について、青色、緑色、または、赤色に変化しなくても、表示態様が変化可能な紫色のような特定表示態様への変化が可能であることに基づいて、青色、緑色、または、赤色に未変化の第1非特定表示態様に関する遊技の興趣低下を防ぐことができる。
なお、前述のように、保留表示を通常色(白色)で出現表示した後、所定のタイミングでその保留表示を紫色のような特定表示態様に変化させる演出を実行するときの所定のタイミングは、保留シフト時以外に、変動表示中に実行してもよい。
また、保留表示を通常色(白色)で出現表示し、その後、アクティブ表示を実行するときに、アクティブ表示を紫色のような特定表示態様に変化させる演出を実行してもよい。その場合には、アクティブ表示が特定表示態様に変化した後、変動表示中の所定のタイミングで、アクティブ表示を青色、緑色、または、赤色に変化させる制御を実行する。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態を説明する。第7実施形態においては、アクティブ表示が変化する表示態様として、第1表示態様と、大当りとなるときに大当りとならないときと比べて変化しやすい第2表示態様との複数種類の表示態様を含み、アクティブ表示を第1表示態様に変化させる1段階の保留等変化演出を実行するときと、アクティブ表示を第1表示態様に変化させた後、第2表示態様に変化させる2段階の保留等変化演出を実行するときとがある例を説明する。第7実施形態の場合は、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応するアクティブ表示が行なわれるときに、その他の表示態様の保留表示に対応するアクティブ表示が行なわれるときと比べて、第1表示態様に変化させた後、第2表示態様に変化させる2段階の保留等変化演出を実行しやすくする例を説明する。
第7実施形態では、たとえば、演出表示装置9において、アクティブ表示をするときに、基本的に、保留表示のときの同じ表示態様でアクティブ表示をした後、第1表示態様に変化させる1段階の保留等変化演出を実行するときと、アクティブ表示を第1表示態様に変化させた後、第2表示態様に変化させる2段階の保留等変化演出を実行するときとがある。保留等変化演出を実行するときに、1段階の保留等変化演出を実行するか、2段階の保留等変化演出を実行するかは、演出制御用マイクロコンピュータ100による抽選により選択される。たとえば、大当り判定結果が大当りとなる判定結果であるときは、大当り判定結果がはずれとなる判定結果であるときと比べて、2段階の保留等変化演出を実行する選択割合が高くなるように、演出の選択割合を設定する。さらに、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応するアクティブ表示が行なわれるときには、その他の表示態様の保留表示に対応するアクティブ表示が行なわれるときと比べて、2段階の保留等変化演出を実行する選択割合が高くなるように特定表示態様の保留表示の選択割合、および、アクティブ表示演出の実行選択割合を設定する。
このように、第7実施形態では、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、それ以外の表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときと比べて、アクティブ表示において、第1表示態様に変化させた後、さらに第2表示態様に変化させる複数段階の保留等変化演出が実行されやすくなる。
このように構成すれば、特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、アクティブ表示の表示態様が複数段階で変化可能となることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、アクティブ表示の表示態様が複数段階で変化する演出は、大当り判定結果がはずれとなるときよりも、大当り判定結果が大当りとなるときに選択される割合が高いので、このような演出が実行されることにより、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
〔第8実施形態〕
次に、第8実施形態を説明する。第8実施形態においては、アクティブ表示として、紫色のような特定表示態様以外に、第1表示態様(緑色)と、大当りとなるときに当該第1表示態様よりも変化しやすい第2表示態様(赤色)との複数種類の表示態様を含み、紫色のような特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づくアクティブ表示を含む各種表示態様のアクティブ表示が行なわれるときに、アクティブ表示の表示態様を前述の各種の実施形態のように変化可能であり、アクティブ表示の変化候補として、第1表示態様(緑色)、および、第2表示態様(赤色)を含む複数種類の変化候補を提示可能な変化候補提示演出を実行する例を説明する。
第8実施形態では、たとえば、演出表示装置9において、アクティブ表示をするときに、基本的に保留表示時と同じ表示態様(たとえば、通常色(白色)、紫色等)で一旦アクティブ表示が実行された後、変動表示が実行されるときの所定のタイミングで、そのアクティブ表示が第1表示態様(緑色)と、第2表示態様(赤色)とのいずれかに変化する演出が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行可能である。
そして、そのようなアクティブ表示が変化するよりも前のタイミングにおいて、演出表示装置9で、アクティブ表示の表示態様の変化候補として、第1表示態様(緑色)と、第2表示態様(赤色)とを含む複数種類の変化候補を提示可能な変化候補提示演出が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行可能である。変化候補提示演出においては、たとえば、演出表示装置9の所定領域において、変化候補を特定可能な画像を表示することにより、複数種類の変化候補を提示可能とする。
たとえば、アクティブ表示が紫色のような特定表示態様の保留表示で表示されているときに、変化候補として、第1表示態様(緑色)と、第2表示態様(赤色)とを含む複数種類の変化候補を提示可能な画像を演出表示装置9において表示する。変化候補を特定可能な画像としては、変化候補となる表示態様のアクティブ表示画像を示す画像を直接的に示してもよく、変化候補となる表示態様のアクティブ表示画像を表形式等の画像により間接的に示してもよい。
このように構成すれば、アクティブ表示について、たとえば、特定表示態様等のアクティブ表示の表示態様から変化可能な表示態様について、複数種類の変化候補が提示可能であることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
このような、変化候補提示演出においては、複数の変化候補を提示する表示をするときに、各変化候補について、変化しやすさ(変化する期待度の大きさ)を特定可能な表示をしてもよい。変化しやすさを特定可能な表示の例としては、変化する確率を特定可能な数値、色、または、形状等の特定の画像で表示すればよい。
なお、変化候補提示演出においては、変化候補として、実際に変化可能な範囲内の変化候補のみを表示してもよく、実際には変化不可能な範囲内の変化候補を含めて変化候補(たとえば、紫色の特定表示態様でアクティブ表示がされたときに、変化し得ない通常色(白色)を含める等)を表示してもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態における図17(A)〜(C)のように保留シフト時に変化する演出パターンでは、紫色の特定表示態様が入賞時の保留表示の表示態様として選択されないので、図15(A)〜(C)のように、紫色の特定表示態様で保留表示されたときには、その保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、その表示態様が変化せず、図17(D)〜(F)のようにアクティブ表示時に変化する演出パターンでは、紫の保留表示態様が入賞時の表示態様として選択されるので、図15(D)のように、紫色の特定表示態様で保留表示されたときには、その保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときにアクティブ表示が変化する。これにより、紫色の特定表示態様で表示された保留表示については、アクティブ表示が実行されるタイミングでのみ表示態様が変化可能となるので、特定表示態様で保留表示が実行される場合の表示態様の変化タイミングが分かりやすく、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 第2実施形態に示すように、紫色のような特定表示態様で表示された保留表示は、たとえば、その他の表示態様で表示された保留表示と比べて、アクティブ表示が実行されるまでの保留表示の段階で変化する割合が極めて低い等、保留表示の段階で変化する割合が低く、当該特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、アクティブ表示が変化可能であるので、特定表示態様で保留表示が実行される場合の表示態様の変化タイミングが分かりやすく、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 第3実施形態に示すように、紫色のような特定表示態様の保留表示は、保留記憶情報の数が第1の数のときと第2の数のときとで表示される割合が異なるので、保留記憶情報の数によって特定表示態様の保留表示の表示割合が異なることに基づく演出態様の多様化により、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第4実施形態に示すように、変動表示が行なわれるときに変動対応表示が変化可能となる特定表示態様の保留表示に対して、それ以外の表示態様の保留表示が表示されている場合と比べて、変化示唆演出を行なう割合が低いことにより、特定表示態様の保留表示に対する無駄な変化示唆演出が抑制されることに基づいて、遊技の興趣低下を防ぐことができる。
(5) 第5実施形態に示すように、特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、それ以外の表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときと比べて、アクティブ表示を、大当りとなるときに変化しやすい第2表示態様に変化させやすいことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 第6実施形態に示すように、通常色(白色)の保留表示について、青色、緑色、または、赤色に変化しなくても、表示態様が変化可能な紫色のような特定表示態様への変化が可能であることに基づいて、青色、緑色、または、赤色に未変化の第1非特定表示態様に関する遊技の興趣低下を防ぐことができる。
(7) 第7実施形態に示すように、特定表示態様の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が行なわれるときに、アクティブ表示の表示態様が複数段階で変化可能となることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 第8実施形態に示すように、アクティブ表示について、たとえば、特定表示態様等のアクティブ表示の表示態様から変化可能な表示態様について、複数種類の変化候補が提示可能であることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、保留等変化演出が実行されることの選択決定を演出制御用マイクロコンピュータ100が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような選択決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、決定結果を特定可能なデータを演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ送り、演出制御用マイクロコンピュータ100がその演出制御コマンドに従って行なうようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、保留等変化演出として、1回の演出実行によってターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、保留等変化演出として、複数回の演出実行によってターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数回変化させるようにしてもよい。その場合は、ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数段階に分けて変化する演出を実行してもよい。また、ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を複数回変化させようとするが、変化しない回が存在するような演出を実行してもよい。
(3) ターゲットの保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる回数として、1回と複数回とが選択可能であり、1回で変化した場合と、複数回で変化した場合とで大当りとなる期待度が異なるように制御してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、保留表示およびアクティブ表示の保留等変化演出について、1回の変動表示において、保留等変化演出が完了する例を示した。しかし、これに限らず、保留表示およびアクティブ表示の保留等変化演出について、複数回の変動表示に亘り、保留等変化演出が継続的に実行されるようにしてもよい。また、擬似連の変動パターンにおける複数回の再変動表示に亘り保留等変化演出が継続的に実行されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(9) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(11) 前述した実施の形態では、図18のS712により、保留記憶数が2以上ないときに保留等変化演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、保留等変化演出を実行するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、図16〜図19を用いて説明したように、まず、先に保留等変化演出を実行するか否かを決定してから、保留等変化演出を実行する決定がされたときに、保留等変化演出の演出態様を決定し、さらに、新たな始動入賞の保留記憶に基づいて出現表示する保留表示の表示態様を決定する例を示した。しかし、これに限らず、まず、新たな始動入賞の保留記憶に基づいて出現表示する保留表示の表示態様を決定してから、保留等変化演出を実行するか否かを決定し、さらに、保留等変化演出を実行する決定がされたときに、保留等変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態に示した紫色のような特定表示態様の保留画像は、新たな始動入賞の保留記憶に基づく出現表示時に表示される例を示した。しかし、これに限らず、紫色のような特定表示態様の保留画像は、出現表示時に表示されず(たとえば、通常色(白色)等の所定の表示態様で保留画像が表示された後、たとえば、保留シフト時のような所定のタイミングで、その保留画像が紫色のような特定表示態様に変化するような演出を実行してもよい。
(14) 前述した実施の形態では、図19のS720に示すように、新たな保留記憶情報が発生した始動入賞時に、当該保留記憶情報に基づく保留等変化演出の演出態様を決定する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞ではなく、新たな保留記憶情報が発生した後の当該保留記憶情報に基づく変動表示の開始時において、当該保留記憶情報に基づく保留等変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。また、始動入賞時と、その後の変動表示の開始時との両方、または、少なくとも一方において、保留記憶情報に基づく保留等変化演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。