以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明を実施するにあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されることが好ましい。
以下に説明する本発明の実施の形態である実施形態1〜3において、本発明に係る情報処理装置は、ユーザに携帯される携帯電話として実施される。なお、本発明に係る情報処理装置として、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、ゲーム機、その他のコンピュータが採用されてもよい。
≪実施形態1≫
実施形態1について説明する。本実施形態において、本発明に係るバリュー格納装置は、電子マネーカードとして実施される。本実施形態では、携帯電話が電子マネーカード等に格納されたバリューを減算する減算指示を生成し、サーバが電子マネーカード等に格納されたバリューを加算する加算指示を生成するように構成される。
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成の概略を示す図である。情報処理システムは、携帯電話1、サーバ2、非接触式IC(Integrated Circuit)カードである電子マネーカード3、及びインターネット4を有する。携帯電話1及びサーバ2は、インターネット4を介して所定のプロトコルで通信可能である。また、携帯電話1及び電子マネーカード3は、所定のプロトコルで近距離の無線通信が可能である。
携帯電話1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only
Memory)13、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置14、電話回線網等を介してインターネット4と接続するネットワークインターフェース15、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル等である操作部16、ディスプレイ等の表示装置である表示部17、及び非接触式ICカードリーダライタ18を備えたコンピュータである。具体的には、携帯電話1は、電子マネーカード3との通信機能を有するスマートフォン等の携帯端末である。携帯電話1は、インストールされたアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14、非接触式ICカードリーダライタ18等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14は、不揮発性の
補助記憶装置であり、RAM12にロードされる各種プログラム等、主にコンピュータの電源を落としても保持したい情報が書き込まれ、読み出される。また、本実施形態の補助記憶装置14には、電子マネーのバリュー移動のためのアプリケーションプログラム、及び電子マネーのバリューの減算権限を示す暗号鍵も記憶されている。
非接触式ICカードリーダライタ18は、アンテナを備え、近傍に位置する電子マネーカード3と所定のプロトコルで無線通信するための装置である。本実施形態における非接触式ICカードリーダライタ18は、通信距離が10cm程度までであるものが採用される。本実施形態の非接触式ICカードリーダライタ18は、近傍に複数の電子マネーカード3が位置する場合であっても、電子マネーカード3それぞれを識別する情報等用いて、電子マネーカード3それぞれと1対1の通信ができる。例えば、非接触式ICカードリーダライタ18は、近傍に位置する電子マネーカード3A及び電子マネーカード3Bそれぞれと通信できる。非接触式ICカードリーダライタ18は、カード形状の非接触式ICカードだけでなく、携帯電話1とは別の携帯電話等が内部に備える非接触式ICチップ等とも通信可能である。
サーバ2は、携帯電話1と同様に、CPU21、RAM22、ROM23、補助記憶装置24、及びネットワークインターフェース25を備えたコンピュータである。補助記憶装置24には、電子マネーのバリューの加算権限を示す暗号鍵も記憶されている。サーバ2は、バリューの加算権限を有することとなるため、例えば、電子マネー発行者によって管理される。
電子マネーカード3は、CPU31、RAM32、ROM33、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発メモリ34、及び、非接触式ICカードリーダライタ18と近距離で通信可能な無線通信インターフェース35を備えた、非接触式ICカードである。電子マネーカード3は、例えば、FeliCa(登録商標)のICカードである。不揮発メモリ34には、電子マネー発行者によって発行された電子マネーのバリュー、及び、電子マネーカード3を識別する電子マネーIDが格納される。本実施形態において各電子マネーカードに格納される電子マネーIDは、それぞれ、電子マネーカード3の間でユニークな値である。また、不揮発メモリ34には、非接触式ICカードリーダライタ18との間でセキュアな通信を行うための各種暗号鍵等の情報も格納される。
なお、電子マネーカード3には、接触式ICカードやその他のハードウェアが採用されてもよい。また、電子マネーカード3には、不揮発メモリ34、無線通信インターフェース35を備えるが、CPU31、RAM32、ROM33等を備えないハードウェアが採用されてもよい。
また、本実施形態において、電子マネーカード3は、カード形状のものに限らず、電子マネー機能を実装する非接触式ICチップを内蔵した携帯電話等であってもよい。このようにすることで、例えば、電子マネー機能を備える携帯電話間でバリュー移動を行うこともできる。また、カード形状の電子マネーカード3と電子マネー機能を備える携帯電話との間でバリュー移動を行うこともできる。
インターネット4は、携帯電話1、サーバ2等を接続するインターネットである。なお、インターネット4には、代わりに、イントラネット、専用網その他のネットワークが採用されてもよい。
<機能構成>
図2は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。図2に
は、本実施形態に係る情報処理システムを構成する、携帯電話1、サーバ2、及び電子マネーカード3の機能が示されている。
携帯電話1は、補助記憶装置14に記憶されているプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、通信部101、中継部102、移動先決定部103、移動元決定部104、移動額設定部105、減算指示送信部106、減算結果送信部107、移動額送信部108、加算指示送信部109、及び減算指示生成部110を備えるコンピュータとして機能する。なお、本実施形態では、コンピュータの備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。
サーバ2は、補助記憶装置24に記憶されているプログラムが、RAM22に読み出され、CPU21によって実行されることで、加算指示生成部201、及び生成加算指示送信部202を備えるコンピュータとして機能する。なお、本実施形態では、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。
電子マネーカード3は、ROM33または不揮発メモリ34に記憶されているプログラムが、CPU31によって実行されることで、通信部301、バリュー記憶部302、及び指示実行部303を備えるICカードとして機能する。なお、本実施形態では、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。また、電子マネーカード3に、CPU31、RAM32、ROM33等を備えないハードウェアが採用される場合には、電子マネーカード3は、無線通信インターフェース35から受信した信号に基づいて認証処理、暗号復号処理、演算処理等を実行し、不揮発メモリ34に記憶されるデータを入出力するものであってもよい。
電子マネーカード3の機能、携帯電話1の機能、サーバ2の機能の順で、それぞれの機能を説明する。
本実施形態において、電子マネーカード3の通信部301は、無線通信インターフェース35を用いて、携帯電話1の非接触式ICカードリーダライタ18と所定のプロトコルで無線通信を行う。
本実施形態において、電子マネーカード3のバリュー記憶部302は、発行された電子マネーの価値量を示すバリューを不揮発メモリ34に記憶する。
本実施形態において、電子マネーカード3の指示実行部303は、所定の指示を受信した場合に、当該受信された指示に従った処理を実行する。この所定の指示は、コマンドと呼ばれることがある。指示実行部303が受信する所定の指示には、電子マネーIDの取得するID取得指示、格納されているバリューの残高の値を取得する残高取得指示、格納されているバリューを減算する減算指示、格納されているバリューを加算する加算指示、格納されているバリューの値に指定額を書き込む書込指示等がある。
指示実行部303は、必要に応じて、指示の送信元に対して応答を送信する。指示実行部303は、例えば、受信した減算指示や加算指示に従った処理に成功した場合に、実行が完了したことを示す応答を送信する。また、指示実行部303は、例えば、ID取得指示に対し、電子マネーIDの情報が含まれる応答を送信する。
本実施形態において、減算指示の全部または一部は、送受信の際に、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。また、加算指示の全部または一部は、送受信の際に、バリューの加算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。電子マネーカード3の指示実行部303は、受信した減算指示及び加算指示について、正当性を判定し、正当であると判定した場合に限り、当該指示に従った処理を実行する。電子マネーカード3の指示実行部303は、正当性として、(1)所定の暗号鍵で所定の暗号化がされていること、及び、(2)自身の電子マネーカード3に対する指示であることを判定する。なお、本実施形態において、(2)の判定は、例えば、減算指示及び加算指示に指示先の電子マネーIDが付加される等、減算指示及び加算指示が、指示先の電子マネーIDを用いて生成され、当該電子マネーカード3専用の減算指示及び加算指示として生成されることで実現される。
また、本実施形態において、減算指示に対する応答の全部または一部は、送受信の際に、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。また、加算指示に対する応答の全部または一部は、送受信の際に、バリューの加算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。
なお、指示元と電子マネーカード3とは、相互に認証を行ってもよい。認証によってバリューの減算または加算の権限があることが相互に確認された場合に限り、指示実行部303が指示元から受信した減算指示または加算指示を処理することを採用してもよい。例えば、加算指示の指示元と電子マネーカード3とは、バリュー加算権限を確認するための、共通の秘密鍵の情報を保持し、チャレンジ・レスポンス方式の認証により、相互に認証を行ってもよい。このようにすることで、バリューの演算について正当な権限が付与された指示元のコンピュータがその演算の指示を行うことができ、安全なバリューの処理が可能となる。
また、上述のような相互の認証が採用された場合に、一時的に有効なセッション鍵が認証時に生成され、セッション鍵により暗号化された減算指示及び加算指示が送受信されることが採用されてもよい。また、減算指示、加算指示には、例えば1分間等の短期間の有効期間を示す情報が含まれてもよい。このようにすることで、1度生成された減算指示及び加算指示の情報が複製等され、不正に利用されることを抑制することができる。
本実施形態において、携帯電話1の通信部101は、携帯電話1の近傍に位置する電子マネーカード3と通信する。通信部101は、通信のために非接触式ICカードリーダライタ18を用いる。通信部101は、非接触式ICカードリーダライタ18が通信可能な範囲内の電子マネーカード3と通信する。なお、通信部101は、電子マネー機能を実装する非接触式ICチップを内蔵するカード形状の電子マネーカード3に限らず、例えば、電子マネー機能を実装する非接触式ICチップを内蔵する携帯電話1と通信してもよい。
本実施形態において、近傍の位置関係は、携帯電話1と電子マネーカード3とが10cm程度以内である近接する位置関係が採用される。なお、近傍の位置関係には、携帯電話1と電子マネーカード3とが通信可能であると人が認識できる程度のその他の距離が採用されてもよい。また、近傍の位置関係には、1cm程度以内等の位置関係や、携帯電話1と電子マネーカード3とが接触する位置関係が採用されてもよい。
本実施形態において、携帯電話1の中継部102は、サーバ2と移動先バリュー格納装置である電子マネーカード3との間で行われる指示に関する通信を中継する。中継部102は、ネットワークインターフェース15を介してサーバ2から電子マネーカード3に対する指示を受信した場合に、通信部101を介して当該受信した指示を近傍に位置する電子マネーカード3へ送信する。中継部102は、通信部101を介して近傍に位置する電
子マネーカード3から指示に対する応答を受信した場合に、ネットワークインターフェース15を介して当該受信した応答をサーバ2へ送信する。
物理層、データリンク層等に関して、携帯電話1及びサーバ2間の通信プロトコルと、携帯電話1及び電子マネーカード3間の通信プロトコルとは、異なるものであるが、中継部102は、両者の通信プロトコルの変換を行う。また、中継部102は、暗号化された指示または応答を、暗号化されたまま中継する。
本実施形態において、携帯電話1の移動先決定部103は、通信部101が通信可能な電子マネーカード3の1つを、バリューの移動先として扱われる移動先バリュー格納装置として決定する。具体的には、移動先決定部103は、その機能が起動されると、通信部101を介してID取得指示を所定時間間隔で送信し、電子マネーカード3から応答を受信した場合に、応答を送信した電子マネーカード3を通信可能な電子マネーカード3として検出する。移動先決定部103は、ID取得指示を送信し始めてから最初に検出した電子マネーカード3を移動先バリュー格納装置として決定する。移動先決定部103は、応答に含まれる電子マネーIDにより、移動先バリュー格納装置を識別する。
本実施形態において、携帯電話1の移動元決定部104は、移動先バリュー格納装置とは異なる、通信部101が通信可能なバリュー格納装置の1つをバリューの移動元として扱われる移動元バリュー格納装置として決定する。具体的には、移動元決定部104は、その機能が起動されると、通信部101を介して、ID取得指示を所定時間間隔で送信する。移動元決定部104は、電子マネーカード3から応答を受信した場合に、応答を送信した電子マネーカード3を通信可能な電子マネーカード3として検出する。そして、移動元決定部104は、移動先決定部103によって決定された移動先バリュー格納装置とは異なる電子マネーカード3を検出した場合に、検出した当該電子マネーカード3を移動元バリュー格納装置として決定する。つまり、移動元バリュー格納装置は、移動先バリュー格納装置の次に検出される電子マネーカード3である。移動元決定部104は、応答に含まれる電子マネーIDにより、移動元バリュー格納装置を識別する。
なお、移動先決定部103及び移動元決定部104は、ID取得指示の送信によって2つの電子マネーカード3を検出し、表示部17に2つの電子マネーカード3の電子マネーIDを表示してもよい。この場合、移動先決定部103及び移動元決定部104は、何れの電子マネーIDが識別する電子マネーカード3を移動元バリュー格納装置とし、何れの電子マネーIDが識別する電子マネーカード3を移動先バリュー格納装置とするかのユーザによる操作部16を介した選択に基づいて、移動元バリュー格納装置及び移動先バリュー格納装置を決定してもよい。
本実施形態の移動先決定部103及び移動元決定部104によれば、携帯電話1の近傍に位置する電子マネーカード3が検出され、検出された電子マネーカード3が、移動元バリュー格納装置及び移動先バリュー格納装置として決定される。そのため、ユーザは、煩雑な操作等を行わずに、バリューの移動先、移動元を容易に指定することができる。また、携帯電話1の近傍に位置する電子マネーカード3が移動先バリュー格納装置及び移動元バリュー格納装置として決定されるため、電子マネーカード3の所持者等の知らぬ間に、電子マネーカード3が移動元バリュー格納装置等として決定され、その電子マネーカード3からバリューが移動されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、移動先決定部103が移動先バリュー格納装置を決定した後に、移動元決定部104が移動元バリュー格納装置を決定することが採用されるが、移動元決定部104が移動元バリュー格納装置を決定した後に、移動先決定部103が移動先バリュー格納装置を決定することが採用されてもよい。
また、移動先決定部103は、移動先バリュー格納装置を決定した際、所定の音声を携帯電話1のスピーカから発音してもよい。また、移動元決定部104は、移動元バリュー格納装置を決定した際、所定の音声を携帯電話1のスピーカから発音してもよい。このようにすることで、ユーザは、電子マネーカード3が移動元バリュー格納装置や移動先バリュー格納装置として決定されたことを即座に、かつ好適に把握することができる。
本実施形態において、携帯電話1の移動額設定部105は、バリューの移動額を設定する。ここで設定される移動額は、ユーザによって操作部16を介して入力される。
本実施形態において、携帯電話1の減算指示送信部106は、格納されたバリューから設定された移動額を減算する減算指示を、移動元バリュー格納装置へ送信し、移動元バリュー格納装置に減算指示を実行させる。ここで送信される減算指示は、減算指示生成部110によって生成された減算指示である。また、減算指示送信部106は、通信部101を介して、減算指示を送信する。一方、移動元バリュー格納装置である電子マネーカード3は、減算指示を実行し、減算指示の実行が完了した旨を応答することになる。
本実施形態において、携帯電話1の減算結果送信部107は、移動元バリュー格納装置における減算指示の実行結果に関する減算結果情報を、サーバ2へ送信する。
具体的には、まず、減算結果送信部107は、減算指示に対する応答を、移動元バリュー格納装置として決定されている電子マネーカード3から通信部101を介して受信する。次に、減算結果送信部107は、受信した減算指示に対する応答が、バリューの減算が完了したことを示す場合に、設定された移動額の減算が完了したことを示す減算結果情報を生成する。次に、減算結果送信部107は、生成した減算結果情報を補助記憶装置14に記憶する。
図3は、本実施形態に係る減算結果情報のデータ構成の例を示す図である。図3は補助記憶装置14に記憶される減算結果情報のデータテーブルを示している。減算結果情報は、電子マネーID、携帯電話1の識別情報、日時、及びバリューの項目の情報を含む。電子マネーIDは、減算指示の実行が行われた移動元バリュー格納装置を識別する。携帯電話1の識別情報は、減算指示を生成し、移動元バリュー格納装置に送信した携帯電話1を識別する。日時は、減算指示の実行が完了した日時を示す。バリューは、減算されたバリューを示す。
ところで、本実施形態において、携帯電話1は、移動先バリュー格納装置に対する加算指示を要求することを示す加算指示要求をサーバ2へ送信する。本実施形態において、加算指示要求は、減算結果情報、バリューの移動額、移動元バリュー格納装置の電子マネーID、及び移動先バリュー格納装置の電子マネーIDを含む。加算指示要求の送信処理については後述する。
減算結果送信部107は、この加算指示要求に減算結果情報を含めることで、減算結果情報をサーバ2へ送信する。
減算結果情報は、電子マネーカード3においてバリューの減算処理が行われたことをサーバ2等が確認するための記録情報として扱われる。なお、減算結果情報の生成及び送信には、減算結果情報の完全性及び認証のための技術が用いられてもよい。例えば、携帯電話1とサーバ2との間で所定の鍵が共有され、減算結果送信部107が減算結果情報とともに、この所定の鍵を用いて計算される、減算結果情報に対するメッセージ認証コードを生成することが採用されてもよい。この場合、減算結果情報は、メッセージ認証コードが
付加されて送信される。このようにすることで、減算結果情報の不正な生成や改竄防止ができ、サーバ2は、受信した減算結果情報の正当性を検証できる。
本実施形態において、携帯電話1の移動額送信部108は、移動額設定部105によって設定されたバリューの移動額をサーバ2へ送信する。移動額送信部108は、上述の加算指示要求にバリューの移動額を含めることで、バリューの移動額をサーバ2へ送信する。
本実施形態において、携帯電話1の加算指示送信部109は、バリューを加算する加算指示をサーバ2から受信した場合に、受信した加算指示を移動先バリュー格納装置へ通信部101を介して送信し、移動先バリュー格納装置に加算指示を実行させる。一方、移動先バリュー格納装置である電子マネーカード3は、加算指示を実行し、加算指示の実行が完了した旨を応答することになる。また、加算指示送信部109は、通信部101を介して当該応答を受信し、受信した応答をサーバ2へ送信する。つまり、本実施形態の加算指示送信部109は、サーバ2と移動先バリュー格納装置である電子マネーカード3との間で行われる加算指示に関する通信を中継する役割を担う。加算指示送信部109は、中継部102を用いて、この中継を実現する。
本実施形態において、携帯電話1の減算指示生成部110は、移動元バリュー格納装置に対する減算指示を生成する。ここで生成される減算指示は、移動額設定部105によって設定された移動額を移動元バリュー格納装置から減算する指示である。本実施形態において、減算指示の全部または一部は、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。また、減算指示は、その生成の際に移動元バリュー格納装置の電子マネーIDが用いられて、移動元バリュー格納装置である電子マネーカード3専用の指示として生成される。
なお、携帯電話1は移動元バリュー格納装置が格納するバリュー残高を取得し、減算指示生成部110は、バリュー残高から移動額を引いたバリューの値を指定した書込指示を生成してもよい。
本実施形態において、サーバ2の加算指示生成部201は、バリューの減算が完了したことを示す減算結果情報を含む加算指示要求を受信した場合に、加算指示要求に基づいて、格納されたバリューを加算する加算指示を生成する。ここで生成される加算指示は、受信された加算指示要求に含まれる移動額のバリューを移動先バリュー格納装置に対し加算する指示である。本実施形態において、加算指示の全部または一部は、バリューの加算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。また、加算指示は、その生成の際に、受信された加算指示要求に含まれる移動先バリュー格納装置の電子マネーIDが用いられて、移動先バリュー格納装置である電子マネーカード3専用の指示として生成される。
なお、加算指示は、受信された加算指示要求に含まれる移動額から所定の手数料を減額したバリューを加算する加算指示等、受信した移動額に応じたバリューを加算する加算指示であってもよい。
また、サーバ2が携帯電話1を介して移動先バリュー格納装置が格納するバリュー残高を取得し、加算指示生成部201は、バリュー残高に移動額を加えたバリューを書き込むことを示す書込指示を生成してもよい。
本実施形態の加算指示生成部201によれば、バリューの減算が完了したことを示す減算結果情報を含む加算指示要求を受信した場合に、加算指示が生成されるため、バリューの減算処理の実績がない場合には、加算指示が生成されない。そのため、不正に、加算指
示が生成され、バリューの加算処理が行われることを抑制することができる。
本実施形態において、サーバ2の生成加算指示送信部202は、加算指示生成部201によって生成された加算指示を、加算指示要求の要求元の携帯電話1へ送信し、当該携帯電話1に、生成された加算指示を移動先バリュー格納装置へ送信させる。
<処理の流れ>
図4から図6を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを説明する。ここで説明する処理の流れでは、電子マネーカード3Bから電子マネーカード3Aへ電子マネーのバリューが移動される。なお、これらの図に示された処理の具体的な内容及び順序は一例であり、処理内容及び順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
図4は、本実施形態に係る移動額の設定、移動先の決定、及び移動元の決定の処理の流れの例を示す図である。図4に示される処理の流れは、UML(Unified Modeling Language)のアクティビティ図で記載されている。この処理の流れは、ユーザが携帯電話1を操作し、電子マネーのバリュー移動のためのアプリケーションプログラムを起動したことを契機に開始する。
ステップS101では、携帯電話1の移動額設定部105が、携帯電話1のユーザの入力に従って、移動額を設定する。
ステップS102からS105では、移動先バリュー格納装置が決定される。
まず、ステップS102では、携帯電話1の移動先決定部103が、通信部101を介してID取得指示を送信する。この処理は、移動先決定部103が、近傍に位置する電子マネーカード3を検出するための処理である。移動先決定部103は、ID取得指示に対する応答を受信するまで、ID取得指示を所定時間間隔で繰り返し送信する。
ここで、電子マネーカード3Aの所持者が、携帯電話1の通信部101が通信可能な位置に電子マネーカード3Aを接近させたとする。ステップS103では、電子マネーカード3Aの通信部301が携帯電話1から送信されたID取得指示を受信し、電子マネーカード3Aの指示実行部303が受信されたID取得指示を実行する。電子マネーカード3Aの指示実行部303は、電子マネーカード3Aの電子マネーIDを応答として送信する。
次に、ステップS104では、携帯電話1の移動先決定部103が、ID取得指示の応答として電子マネーIDを電子マネーカード3Aから受信し、電子マネーカード3Aを検出する。次に、ステップS105では、携帯電話1の移動先決定部103が、電子マネーカード3Aを移動先バリュー格納装置として決定する。
ステップS106からS109では、移動元バリュー格納装置が決定される。
まず、ステップS106では、携帯電話1の移動元決定部104が、通信部101を介してID取得指示を送信する。この処理は、移動元決定部104が、近傍に位置する、電子マネーカード3A以外の電子マネーカード3を検出するための処理である。移動元決定部104は、ID取得指示に対する応答として、電子マネーカード3Aの電子マネーIDと異なる電子マネーIDを受信するまで、ID取得指示を所定時間間隔で繰り返し送信する。
ここで、電子マネーカード3Bの所持者が、電子マネーカード3Bを、携帯電話1の通信部101が通信可能な位置に接近させたとする。ステップS107では、電子マネーカード3Bの通信部301が携帯電話1から送信されたID取得指示を受信し、電子マネーカード3Bの指示実行部303が受信されたID取得指示を実行する。電子マネーカード3Bの指示実行部303は、電子マネーカード3Bの電子マネーIDを応答として送信する。
次に、ステップS108では、携帯電話1の移動元決定部104が、ID取得指示の応答として電子マネーIDを電子マネーカード3Bから受信し、電子マネーカード3Bを検出する。なお、図4には、図示されていないが、電子マネーカード3Aが、ステップS106で送信されたID取得指示を受信し、実行し、電子マネーカード3Bよりも先に応答を送信することがある。電子マネーカード3Aが移動先バリュー格納装置として決定されているため、携帯電話1の移動元決定部104は、この場合でも、電子マネーカード3Aではなく電子マネーカード3Bを検出する。
次に、ステップS109では、携帯電話1の移動元決定部104は、電子マネーカード3Bを移動元バリュー格納装置として決定する。
ステップS109の後、処理はバリューの減算処理へ進む(記号A)。
なお、本実施形態の非接触式ICカードリーダライタ18は、近傍に複数の電子マネーカード3が位置する場合であっても、電子マネーカード3それぞれと1対1の通信ができた。これに対し、非接触式ICカードリーダライタ18と接触している1つの電子マネーカード3とのみ通信できる非接触式ICカードリーダライタ18が採用されてもよい。この場合、移動先決定部103は、ステップS101における移動額の設定の後、最初に接触した電子マネーカード3を移動先バリュー格納装置として決定し、移動元決定部104は、次に接触した電子マネーカード3を移動先バリュー格納装置として決定してもよい。
図5は、本実施形態に係るバリューの減算処理の流れの例を示す図である。図5に示される処理の流れは、UMLのアクティビティ図で記載されている。この処理の流れは、図4のステップS109の後に実行される。
ステップS201では、減算指示が生成され、送信される。まず、携帯電話1の減算指示生成部110が、設定されている移動額を移動元バリュー格納装置として決定されている電子マネーカード3Bからバリューを減算する減算指示を生成する。ここで生成される減算指示は、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。次に、携帯電話1の減算指示送信部106が、生成された減算指示を、通信部101を介して送信する。
ステップS202では、減算指示が実行される。まず、電子マネーカード3Bの通信部301は、減算指示を受信する。次に、電子マネーカード3Bの指示実行部303は、受信された減算指示の正当性を確認した後、受信された減算指示に従って、格納されているバリューを減算する処理を実行する。処理に成功すると、バリュー記憶部302によって記憶されたバリューが、移動額分、減少する。
ステップS203では、減算指示の実行結果が判定され、処理される。電子マネーカード3Bの指示実行部303は、バリューを減算する処理の実行が成功したと判定した場合に、バリューの減算処理が完了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信する。この場合、処理はステップS204へ進む。一方、電子マネーカード3Bの指示実行部303は、バリューを減算する処理の実行が失敗したと判定した場合に、バリューの減算処理が完
了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信しない。この場合、バリューの移動処理全体が失敗したものとして処理は終了する。なお、ステップS203において処理の実行が失敗したと判定される場合には、電子マネーカード3Bの残高が不足である場合を例示できる。
なお、減算指示は、携帯電話1の通信部101によって送信されるため、通信部101が通信可能な範囲に位置する電子マネーカード3Aにも受信される。ここで、加算指示は電子マネーカード3Bに対する減算指示として生成されているため、電子マネーカード3Aは、受信した減算指示を実行しない。
ステップS204では、携帯電話1の減算結果送信部107が、減算指示に対する完了応答を受信した場合に、設定された移動額の減算が完了したことを示す減算結果情報を生成する。
ステップS204の後、処理はバリューの加算処理へ進む(記号B)。
図6は、本実施形態に係るバリューの加算処理の流れの例を示す図である。図6に示される処理の流れは、UMLのアクティビティ図で記載されている。この処理の流れは、図5のステップS204の後に実行される。
ステップS301では、携帯電話1が加算指示要求をサーバ2へ送信する。具体的には、携帯電話1は、ステップS204で生成された減算結果情報、設定されているバリューの移動額、移動元バリュー格納装置の電子マネーID、及び移動先バリュー格納装置の電子マネーIDが含まれる加算指示要求を生成し、サーバ2へ送信する。
ステップS302では、サーバ2において加算指示が生成され、送信される。まず、サーバ2が加算指示要求を受信する。次に、サーバ2の加算指示生成部201は、受信された加算指示要求に基づいて、電子マネーカード3Aに対する加算指示を生成する。ここで生成される加算指示は、バリューの加算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。次に、サーバ2の生成加算指示送信部202は、生成された加算指示を携帯電話1へ送信する。
なお、加算指示を生成するにあたって、サーバ2が、受信した加算指示要求の妥当性を所定の規則に従って判定し、妥当でないと判定した場合に加算指示を生成しないことが採用されてもよい。このようにすることで、サーバ2が、不正に送信された加算指示要求等を処理し、電子マネーカード3に格納されるバリューが不正に加算されるリスクを低減することができる。この場合、サーバ2は、例えば、受信した加算指示要求が、過去に処理した加算指示要求と同一であるか否かに基づいて妥当性を判定してもよい。このようにすることで、サーバ2が、重複して送信された加算指示要求等を処理することを防ぐことができる。また、サーバ2は、例えば、上述の減算結果情報に付加するメッセージ認証コード等に基づいて、加算指示要求に含まれる減算結果情報の正当性を確認して加算指示要求の妥当性を判定してもよい。また、サーバ2は、加算指示要求自体の正当性を確認して妥当性を判定してもよい。
ステップS303では、携帯電話1において加算指示が中継される。携帯電話1の加算指示送信部109は、中継部102を用いて、サーバ2から加算指示を受信し、受信した加算指示を電子マネーカード3Aへ送信する。
ステップS304では、電子マネーカード3Aにおいて加算指示が実行される。まず、電子マネーカード3Aの通信部301は、加算指示を受信する。次に、電子マネーカード
3Aの指示実行部303は、受信された加算指示の正当性を確認した後、受信された加算指示に従って、格納されているバリューを減算する処理を実行する。処理に成功すると、バリュー記憶部302によって記憶されたバリューが、移動額分、増加する。
なお、加算指示は、携帯電話1の通信部101によって送信されるため、通信部101が通信可能な範囲に位置する電子マネーカード3Bにも受信される。加算指示は、電子マネーカード3Aに対する加算指示として生成されているため、電子マネーカード3Bは、受信した加算指示を実行しない。
ステップS305では、加算指示の実行結果が判定される。電子マネーカード3Aの指示実行部303は、バリューを減算する処理の実行が成功したと判定した場合に、バリューの加算処理が完了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信する。この場合、処理はステップS306へ進む。一方、電子マネーカード3Aの指示実行部303は、バリューを加算する処理の実行が失敗したと判定した場合に、バリューの加算処理が完了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信しない。この場合、バリューの移動処理全体が失敗したものとして処理は終了する。なお、ステップS305において処理の実行が失敗したと判定される場合には、サーバ2で生成され、携帯電話1で中継された加算指示が、電子マネーカード3Aにおいて復号化できない場合を例示できる。
ステップS306では、携帯電話1において加算指示に対する完了応答が中継される。携帯電話1の中継部102は、電子マネーカード3Aから完了応答を受信し、受信した完了応答をサーバ2へ送信する。
ステップS307では、サーバ2が、完了応答を受信し、加算指示要求に対する完了通知を携帯電話1へ送信する。
ステップS308では、携帯電話1が、完了通知を受信し、バリューの移動が完了した旨のメッセージを表示部17に表示する。
以上の述べたように、本実施形態によれば、携帯電話1が、2つの電子マネーカード3のうち、一方にバリューの減算指示を送信し、他方にバリューの加算指示を送信するため、2つの電子マネーカード3間で電子マネーのバリューを移動することができる。
また、本実施形態によれば、ユーザは、インターネット4へのアクセスやパスワードの入力等の煩雑な操作なく、電子マネーカード3を携帯電話1に近づける等操作によって、バリューの移動先及び移動元となる電子マネーカード3を好適に決定することができる。そのため、電子マネーカード3等の電子マネーのバリューを格納する媒体間で、バリューを簡易、迅速に移動することができる。また、ユーザに携帯される携帯電話1の近傍で電子マネーのバリューの移動を行えるため、携帯電話1がインターネット4に接続できる様々な場所において、電子マネーカード3間等でバリュー移動をすることができる。そのため、利便性の高いバリューの移動を提供することができる。
また、本実施形態によれば、バリューの加算指示は、サーバ2において生成され、携帯電話1においては生成されない。そのため、携帯電話1が悪意ある者に不正に利用されたとしても、電子マネーのバリューが不正に加算されることにはならない。そのため、携帯電話1に加算指示を生成する機能を備える場合に比べ、バリューが不正に加算されるリスクを低減できる。
また、本実施形態によれば、減算指示及び加算指示は、それぞれ、減算権限を示す暗号鍵、加算権限を示す暗号鍵で暗号化されて生成される。そのため、減算指示及び加算指示
が不正に生成され、バリューが不正に減算、加算されるリスクを低減できる。また、本実施形態によれば、サーバ2が、減算結果情報を受信した場合に、加算指示を生成する。そのため、バリューの減算処理に応じてバリューの加算処理を行うことができ、バリューの減算処理が行われずにバリューの加算処理が行われることを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、携帯電話1は、インターネット4を介してサーバ2と通信せずに、所定のプロトコルによる近距離の通信によってバリューの減算処理を実行できる。そのため、減算処理の通信に関して、パケットのルーティングやプロトコル変換が不要であり、バリューの減算処理を迅速に行うことができる。
≪実施形態2≫
実施形態2について説明する。本実施形態において、本発明に係るバリュー格納装置は、実施形態1と同様に、電子マネーカードとして実施される。実施形態1では、携帯電話が電子マネーカード等に格納されたバリューを減算する減算指示を生成したが、本実施形態では、サーバが減算指示を生成するように構成される。
<ハードウェア構成>
本実施形態に係る情報処理システムの構成の概略は、実施形態1と同様に、図1で示される。ただし、本実施形態において、電子マネーのバリューの減算権限を示す暗号鍵は、実施形態1のように携帯電話1の補助記憶装置14に記憶されるのではなく、サーバ2の補助記憶装置24に記憶される。
<機能構成>
図7は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。図7には、本実施形態に係る情報処理システムを構成する、携帯電話1、サーバ2、及び電子マネーカード3の機能が示されている。
本実施形態の携帯電話1は、通信部101、中継部102、移動先決定部103、移動元決定部104、移動額設定部105、減算指示送信部106、減算結果送信部107、移動額送信部108、加算指示送信部109、及び減算指示要求部121を備えるコンピュータとして機能する。
本実施形態のサーバ2は、加算指示生成部201、生成加算指示送信部202、減算指示生成部221、及び生成減算指示送信部222を備えるコンピュータとして機能する。
本実施形態の電子マネーカード3は、実施形態1と同様に、通信部301、バリュー記憶部302、及び指示実行部303を備えるICカードとして機能する。
携帯電話1及びサーバ2の機能について、実施形態1で説明した機能と異なる部分について説明する。
本実施形態において、携帯電話1は、実施形態1における携帯電話1とは異なり、減算指示生成部110を備えず、代わりに、減算指示要求部121を備える。また、本実施形態における中継部102、減算指示送信部106、及び減算結果送信部107は、実施形態1とは異なった動作をする。また、携帯電話1は、加算指示要求についても実施形態1とは異なった動作をする。
本実施形態において、携帯電話1の減算指示要求部121は、移動元バリュー格納装置に対する減算指示を要求することを示す減算指示要求をサーバ2へ送信する。減算指示要求部121は、この送信によって、サーバ2に、減算指示を生成させ、生成された減算指
示を携帯電話1へ送信させる。減算指示要求が要求する減算指示は、移動元バリュー格納装置に格納されたバリューから設定された移動額を減算する減算指示である。減算指示要求は、バリューの移動額、及び移動元バリュー格納装置の電子マネーIDを含む。なお、減算指示要求の送信には、実施形態1で説明した減算結果情報と同様に、メッセージ認証コードの付加等の、完全性及び認証のための技術が用いられてもよい。
本実施形態において、携帯電話1の中継部102は、サーバ2と移動先バリュー格納装置である電子マネーカード3との間で行われる指示に関する通信だけでなく、更に、サーバ2と移動元バリュー格納装置である電子マネーカード3との間で行われる指示に関する通信を中継する。
本実施形態において、携帯電話1の減算指示送信部106は、減算指示要求に基づいてサーバ2から送信された減算指示を受信し、受信した減算指示を移動元バリュー格納装置へ送信する。具体的には、減算指示送信部106は、中継部102を用いて、サーバ2から移動元バリュー格納装置へ、減算指示を中継する。
本実施形態において、携帯電話1の減算結果送信部107は、移動元バリュー格納装置が送信した減算指示の応答を受信し、受信した応答を、減算指示の実行結果に関する減算結果情報としてサーバ2へ送信する。具体的には、減算指示送信部106は、中継部102を用いて、移動元バリュー格納装置からサーバ2へ、減算指示の応答を中継する。なお、本実施形態における減算結果情報と実施形態1における減算結果情報とは、減算指示の実行結果に関する点では共通するが、データの構成が異なる情報である。
本実施形態において、携帯電話1は、実施形態1と同様に、移動先バリュー格納装置に対する加算指示を要求する加算指示要求をサーバ2へ送信する。ただし、本実施形態における加算指示要求は、実施形態1とは異なり、減算結果情報を含まない。上述したように、本実施形態における減算結果情報は、減算指示の応答であり、加算指示要求とは別に、減算結果送信部107によってサーバ2へ送信される。
本実施形態において、サーバ2は、実施形態1におけるサーバ2とは異なり、減算指示生成部221、及び生成減算指示送信部222を備えるコンピュータとして動作する。
本実施形態において、サーバ2の減算指示生成部221は、減算指示要求を受信した場合に、受信した減算指示要求に基づいて、減算指示を生成する。ここで生成される減算指示は、減算指示要求に含まれる移動額を移動元バリュー格納装置から減算する指示である。また、実施形態1と同様に、減算指示の全部または一部は、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。また、実施形態1と同様に、減算指示は、移動元バリュー格納装置である電子マネーカード3専用の指示として生成される。
本実施形態において、サーバ2の生成減算指示送信部222は、減算指示生成部221によって生成された減算指示を、減算指示要求の要求元の携帯電話1へ送信する。この送信によって、生成減算指示送信部222は、携帯電話1に、当該減算指示を移動元バリュー格納装置へ送信させる。一方、携帯電話1は、減算指示を受信し、受信した減算指示を移動元バリュー格納装置へ送信することになる。
<処理の流れ>
図8を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを説明する。ここで説明する処理の流れでは、実施形態1と同様に、電子マネーカード3Bから電子マネーカード3Aへ電子マネーのバリューが移動される。本実施形態に係る処理の流れのうち、移動額の設定、移動先の決定、及び移動元の決定の処理の流れは、実施形態1と同様であり、
図4で示される。そのため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態に係る処理の流れのうち、バリューの加算処理の流れは、実施形態1と同様であり、図5で示される。そのため、ここでは説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るバリューの減算処理の流れの例を示す図である。図8に示される処理の流れは、UMLのアクティビティ図で記載されている。この処理の流れは、図4のステップS109の後に実行される。
ステップS401では、携帯電話1の減算指示要求部121が、電子マネーカード3Bに対する減算指示を要求することを示す減算指示要求をサーバ2へ送信する。
ステップS402では、サーバ2において減算指示が生成され、送信される。まず、サーバ2の減算指示生成部221が減算指示要求を受信し、受信した減算指示要求に基づいて、電子マネーカード3Bに対する減算指示を生成する。ここで生成される減算指示は、バリューの減算権限を示す暗号鍵に基づいて所定の暗号化がされる。次に、サーバ2の生成減算指示送信部222は、生成された減算指示を携帯電話1へ送信する。
なお、減算指示の生成にあたり、サーバ2が、受信した減算指示要求の正当性を判定し、正当でないと判定した場合に、減算指示を生成しないことが採用されてもよい。
ステップS403では、携帯電話1において減算指示が中継される。携帯電話1の減算指示送信部106は、中継部102を用いて、サーバ2から減算指示を受信し、受信した減算指示を電子マネーカード3Bへ送信する。
ステップS404では、電子マネーカード3Bにおいて減算指示が実行される。まず、電子マネーカード3Bの通信部301は、減算指示を受信する。次に、電子マネーカード3Bの指示実行部303は、受信された減算指示の正当性を確認した後、受信された減算指示に従って、格納されているバリューを減算する処理を実行する。処理に成功すると、バリュー記憶部302によって記憶されたバリューが、移動額分、減少する。
ステップS405では、電子マネーカード3Bにおいて減算指示の実行結果が判定され、処理される。電子マネーカード3Bの指示実行部303は、バリューを減算する処理の実行が成功したと判定した場合に、バリューの減算処理が完了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信する。この場合、処理はステップS406へ進む。なお、本実施形態では完了応答が減算結果情報に相当する。また、電子マネーカード3Bの指示実行部303は、バリューを減算する処理の実行が失敗したと判定した場合に、バリューの減算処理が完了したことを示す完了応答を携帯電話1へ送信しない。この場合、バリューの移動処理全体が失敗したものとして処理は終了する。なお、ステップS405において処理の実行が失敗したと判定される場合には、電子マネーカード3Bの残高が不足である場合を例示できる。
ステップS406では、携帯電話1において減算指示に対する完了応答が中継される。携帯電話1の中継部102は、電子マネーカード3Bから完了応答を受信し、受信した完了応答をサーバ2へ送信する。
ステップS407では、サーバ2が、完了応答を受信し、減算処理が完了したことを確認する。
ステップS407の後、処理はバリューの加算処理へ進む(記号B)。
以上の述べたように、本実施形態によれば、格納されているバリューの処理に関する減算指示、及び加算指示の何れも、サーバ2において生成され、携帯電話1においては生成されない。そのため、携帯電話1が悪意ある者に不正に利用されたとしても、電子マネーのバリューが不正に処理されることにはならない。そのため、バリューが不正に処理されるリスクを低減できる。
≪実施形態3≫
実施形態3について説明する。本実施形態において、本発明に係る情報処理装置は、電子マネー機能部を内部に有する携帯電話として実施される。本実施形態において、本発明に係るバリュー格納装置は、電子マネーカード及び携帯電話内部の電子マネー機能部として実施される。本実施形態の情報処理システムでは、電子マネー機能部から電子マネーカードへのバリューの移動、及び、電子マネーカードから電子マネー機能部へのバリューの移動が実現される。
また、本実施形態において、携帯電話は、本発明に係る複数の通信インターフェースとして、電子マネー機能部と通信可能な有線通信インターフェース、及び、非接触式ICカードリーダライタの2つの通信インターフェースを有するものとして実施される。また、本実施形態では、実施形態2と同様に、サーバが、電子マネーカード等に格納されたバリューを減算する減算指示、及び格納されたバリューを加算する加算指示を生成するように構成される。
<ハードウェア構成>
図9は、本実施形態に係る情報処理システムの構成の概略を示す図である。情報処理システムは、実施形態1、2と同様に、携帯電話1、サーバ2、電子マネーカード3、及びインターネット4を有する。
本実施形態の携帯電話1は、実施形態1、2と同様に、CPU11、RAM12、ROM13、補助記憶装置14、ネットワークインターフェース15、操作部16、及び表示部17を備える。これらは、アプリケーションプログラムの実行や通話等を実現するための電話機能部10を構成する。また、本実施形態の携帯電話1は、実施形態1、2における携帯電話1と同様に、近傍に位置する電子マネーカード3と無線通信する非接触式ICカードリーダライタ18を備える。本実施形態の携帯電話1は、電子マネー機能部3C、及び有線通信インターフェース19を更に備える。有線通信インターフェース19は、電話機能部10と電子マネー機能部3Cとの間の有線通信を制御する。電話機能部10と電子マネー機能部3Cとは、有線通信インターフェース19を介して接続され、互いに通信可能である。なお、電話機能部10と電子マネー機能部3Cとは、無線通信インターフェースで接続されてもよい。
電子マネー機能部3Cは、CPU31C、RAM32C、ROM33C、不揮発メモリ34C、及び無線通信インターフェース35Cを備えたICチップである。電子マネー機能部3Cは、電子マネーカード3と機能、通信等について互換性を有している。電子マネー機能部3Cは、電子マネーカード3と同様の機能を提供し、電子マネーカード3の役割を担うことができる。なお、電子マネー機能部3Cは、独立したICチップであることに限定されず、例えば、携帯電話1の他の機能を実現するICチップ等にその回路が組み込まれてもよい。
本実施形態において、非接触式ICカードリーダライタ18は、非接触式ICカードリーダライタ18自身が備えられる携帯電話1内部の電子マネー機能部3Cの無線通信インターフェース35Cとは通信不可能である。つまり、ある1つの携帯電話1における電話機能部10と電子マネー機能部3Cとは、非接触式ICカードリーダライタ18を介して
通信できない。このことは、本実施形態において、非接触式ICカードリーダライタ18と無線通信インターフェース35Cとが同時には機能しない構成が採用されることで実現される。
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略は、実施形態2と同様であり、図7に示される。なお、携帯電話1の有する電子マネー機能部3Cは、実施形態1、2の電子マネーカード3と同様に、通信部301、バリュー記憶部302、及び指示実行部303を備えるICチップとして機能する。
各機能について、実施形態2と異なる部分について説明する。
本実施形態において、携帯電話1の通信部101は、携帯電話1の近傍に位置する電子マネーカード3、または、携帯電話1の内部に位置する電子マネー機能部3Cと通信する。なお、携帯電話1の通信部101は、近傍に位置する携帯電話1の電子マネー機能部3Cと通信してもよい。
通信部101は、携帯電話1の近傍に位置する電子マネーカード3との通信のために非接触式ICカードリーダライタ18を用いる。また、通信部101は、携帯電話1の内部に位置する電子マネー機能部3Cとの通信のために有線通信インターフェース19を用いる。
本実施形態において、携帯電話1の移動先決定部103は、移動先バリュー格納装置を決定するとともに、移動先バリュー格納装置と通信可能な通信インターフェースを移動先通信インターフェースとして決定する。
本実施形態の携帯電話1は、バリューの移動方向を選択するためのバリュー移動方向選択画面を、表示部17を介してユーザへ提供する。選択されるバリューの移動方向は、(1)携帯電話1の有する電子マネー機能部3Cから近傍に位置する電子マネーカード3へのバリューの移動を行うか、(2)近傍に位置する電子マネーカード3から携帯電話1の有する電子マネー機能部3Cへのバリューの移動を行うかの何れかである。移動先決定部103は、ユーザによって移動方向(1)が選択された場合に、非接触式ICカードリーダライタ18を移動先通信インターフェースとして決定する。移動先決定部103は、ユーザによって移動方向(2)が選択された場合に、有線通信インターフェース19を移動先通信インターフェースとして決定する。
本実施形態において、携帯電話1の移動元決定部104は、移動先通信インターフェースと異なる通信インターフェースを介して通信可能なバリュー格納装置を、移動元バリュー格納装置として決定するとともに、当該移動元バリュー格納装置と通信可能な通信インターフェースを移動元通信インターフェースとして決定する。具体的には、移動元決定部104は、移動先通信インターフェースが有線通信インターフェース19に決定された場合に、非接触式ICカードリーダライタ18を移動元通信インターフェースとして決定する。移動元決定部104は、移動先通信インターフェースが非接触式ICカードリーダライタ18に決定された場合に、有線通信インターフェース19を移動元通信インターフェースとして決定する。
本実施形態において、携帯電話1の減算指示送信部106は、移動元通信インターフェースを介して減算指示を送信する。具体的には、減算指示送信部106は、減算指示をサーバ2から受信した場合に、受信した減算指示を、移動元通信インターフェースを介して移動元バリュー格納装置へ送信する。
本実施形態の減算指示送信部106によれば、移動先バリュー格納装置に減算指示が送信されることを防ぐことができる。そのため、例えば、バリュー格納装置が自装置以外に対する指示も実行するバリュー格納装置である場合に、移動先バリュー格納装置が誤ってバリューの減算処理を実行することを防ぐことができる。
本実施形態において、携帯電話1の加算指示送信部109は、移動先通信インターフェースを介して加算指示を送信する。具体的には、加算指示送信部109は、加算指示をサーバ2から受信した場合に、受信した加算指示を、移動先通信インターフェースを介して移動先バリュー格納装置へ送信する。
本実施形態の加算指示送信部109によれば、移動元バリュー格納装置に加算指示が送信されることを防ぐことができる。そのため、例えば、バリュー格納装置が自装置以外に対する指示も実行するバリュー格納装置である場合に、移動元バリュー格納装置が誤ってバリューの加算処理を実行することを防ぐことができる。
<処理の流れ>
図10、図8、及び図6を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを説明する。ここでは、電子マネー機能部3Cから電子マネーカード3へ電子マネーのバリューが移動される処理の流れの例を説明する。
図10は、本実施形態に係る移動額の設定、移動先の決定、及び移動元の決定の処理の流れの例を示す図である。図10に示される処理の流れは、UMLのアクティビティ図で記載されている。この処理の流れは、ユーザが携帯電話1を操作し、電子マネーのバリュー移動のためのアプリケーションプログラムを起動したことを契機に開始する。
ステップS501では、携帯電話1の移動額設定部105が、携帯電話1のユーザの入力に従って、移動額を設定する。
ステップS502では、携帯電話1が、バリュー移動方向選択画面をユーザに提供し、ユーザの操作に従ってバリューの移動方向を選択する。ここでは、携帯電話1の有する電子マネー機能部3Cから近傍に位置する電子マネーカード3Aへのバリューの移動を行うことがバリューの移動方向として選択されるものとする。
ステップS503からS506では、移動先バリュー格納装置及び移動先通信インターフェースが決定される。
まず、ステップS503では、携帯電話1の移動先決定部103が、通信部101を介して、移動先バリュー格納部へID取得指示を送信する。具体的には、移動先決定部103は、近傍の電子マネーカード3と通信可能な非接触式ICカードリーダライタ18からID取得指示を送信する。また、移動先決定部103は、ID取得指示に対する応答を受信するまで、ID取得指示を所定時間間隔で繰り返し送信する。
ここで、電子マネーカード3Aの所持者が、携帯電話1の通信部101が通信可能な位置に電子マネーカード3Aを接近させたとする。ステップS504では、電子マネーカード3Aの通信部301が携帯電話1から送信されたID取得指示を受信し、電子マネーカード3Aの指示実行部303が受信されたID取得指示を実行する。電子マネーカード3Aの指示実行部303は、電子マネーカード3Aの電子マネーIDを応答として送信する。
次に、ステップS505では、携帯電話1の移動先決定部103が、ID取得指示の応答として電子マネーIDを電子マネーカード3Aから受信し、電子マネーカード3Aを検出する。次に、ステップS506では、携帯電話1の移動先決定部103は、電子マネーカード3Aを移動先バリュー格納装置として決定する。また、携帯電話1の移動先決定部103は、非接触式ICカードリーダライタ18を移動先通信インターフェースとして決定する。
ステップS507からS510では、移動元バリュー格納装置及び移動元通信インターフェースが決定される。
まず、ステップS507では、携帯電話1の移動元決定部104が、通信部101を介して、移動元バリュー格納部へID取得指示を送信する。具体的には、移動元決定部104は、電子マネー機能部3Cと通信可能な有線通信インターフェース19からID取得指示を送信する。
ステップS508では、電子マネー機能部3Cが携帯電話1から送信されたID取得指示を受信し、電子マネー機能部3Cの指示実行部303が受信されたID取得指示を実行する。電子マネー機能部3Cの指示実行部303は、電子マネー機能部3Cの電子マネーIDを応答として送信する。
次に、ステップS509では、携帯電話1の移動元決定部104が、ID取得指示の応答として電子マネーIDを電子マネー機能部3Cから受信し、電子マネー機能部3Cを検出する。
次に、ステップS510では、携帯電話1の移動元決定部104が、電子マネー機能部3Cを移動元バリュー格納装置として決定する。また、移動元決定部104は、有線通信インターフェース19を移動元通信インターフェースとして決定する。
ステップS510の後、処理はバリューの減算処理へ進む(記号A)。
なお、ステップS502において、近傍に位置する電子マネーカード3Aから携帯電話1の有する電子マネー機能部3Cへのバリューの移動を行うことがバリューの移動方向として選択される場合がある。この場合、携帯電話1の移動先決定部103が、電子マネー機能部3Cを移動先バリュー格納装置として決定し、有線通信インターフェース19を移動先通信インターフェースとして決定する。また、携帯電話1の移動元決定部104が、電子マネーカード3Aを移動元バリュー格納装置として決定し、非接触式ICカードリーダライタ18を移動元通信インターフェースとして決定する。
本実施形態に係る処理の流れのうち、バリューの減算処理の流れは、実施形態2と同様であり、図8で示される。ただし、図8の処理の流れは、電子マネーカード3Bから電子マネーカード3Aへ電子マネーのバリューが移動される前提で記載されているため、本実施形態の処理の流れとしては、電子マネーカード3Bを電子マネー機能部3Cと読み替える必要があることに留意されたい。また、本実施形態におけるステップS403では、携帯電話1の減算指示送信部106が、移動元通信インターフェースとして決定されている有線通信インターフェース19を介して減算指示を送信する。
本実施形態に係る処理の流れのうち、バリューの加算処理の流れは、実施形態1、2と同様であり、図6で示される。本実施形態におけるステップS303では、携帯電話1の加算指示送信部109が、移動先通信インターフェースとして決定されている非接触式ICカードリーダライタ18を介して加算指示を送信する。
以上述べたように、本実施形態によれば、携帯電話1内部の電子マネー機能部3Cと電子マネーカード3との間で、簡易、迅速に電子マネーのバリューを移動することができる。また、本実施形態では、実施形態1、2のように、バリューの移動先及び移動元の2つの電子マネーカード3等を携帯電話1の近傍に配置する必要がないため、より簡易、より迅速にバリューを移動することができる。
なお、本実施形態の情報処理システムでは、携帯電話1内部の電子マネー機能部3Cと電子マネーカード3との間でのバリューの移動が実現されたが、電子マネーカード3の代わりに、別の携帯電話1内部の電子マネー機能部3Cを用いることで、携帯電話1内部の電子マネー機能部3C同士の間でのバリューの移動を行うこともできる。