JP5952683B2 - 内燃機関用チタンバルブの製造方法 - Google Patents

内燃機関用チタンバルブの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5952683B2
JP5952683B2 JP2012191167A JP2012191167A JP5952683B2 JP 5952683 B2 JP5952683 B2 JP 5952683B2 JP 2012191167 A JP2012191167 A JP 2012191167A JP 2012191167 A JP2012191167 A JP 2012191167A JP 5952683 B2 JP5952683 B2 JP 5952683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution treatment
temperature
internal combustion
oxide scale
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012191167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014047392A (ja
Inventor
晋司 笠鳥
晋司 笠鳥
恭 ▲高▼橋
恭 ▲高▼橋
明良 横山
明良 横山
尚永 横山
尚永 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Nittan Valve Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Nittan Valve Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Nittan Valve Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012191167A priority Critical patent/JP5952683B2/ja
Publication of JP2014047392A publication Critical patent/JP2014047392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5952683B2 publication Critical patent/JP5952683B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

本発明は、内燃機関用チタンバルブに関する。
従来、内燃機関用チタンバルブでは、溶体化処理を大気中で行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、内燃機関用チタンバルブにおいて、チタンバルブの一部を、β変態点を超える温度で高周波加熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2011/105620号パンフレット 特願2005−279441号公報
しかし、特許文献1では、溶体化処理を大気中で行うため、チタンバルブの表面に形成される酸化スケール層が厚くなってしまう。特許文献2の技術においても、大気中で高周波加熱を行う場合、チタンバルブの表面に酸化スケール層が厚く形成される。このように、溶体化処理を行うことで、チタンバルブの機械的強度を向上できるが、酸化スケールが厚く形成されてしまうと、後加工で取り除く酸化スケールの量が多くなり、生産性が低下してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関用チタンバルブにおいて、溶体化処理の際に形成される酸化スケールの厚さを小さくし、且つ、酸化スケールの厚さを容易に管理できるようにし、生産性を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、重量%で、Al:6.5〜7.5%、Mo:1.5〜2.5%、Si:0.16〜0.24%、Nb:0.2〜0.3%、C:0.08〜0.15%、O:0.09%以下を含有し、残部がTi及び不可避不純物からなり、真空炉内で溶体化処理が行われ、前記真空炉内の真空度は、処理温度をβ変態点よりも高くする前記溶体化処理の間に高く保たれ、前記溶体化処理の前の昇温時及び前記溶体化処理の後の焼鈍時には、下限を1.3×10 −2 Paとして前記溶体化処理の間の真空度よりも低く保たれることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関用チタンバルブは、Al:6.5〜7.5%、Mo:1.5〜2.5%、Si:0.16〜0.24、Nb:0.2〜0.3%、C:0.08〜0.15%、O:0.09%以下を含有し、残部がTi及び不可避不純物からなり、真空度の下限が1.3×10−2Paに真空炉内で溶体化処理が行われ、Nbの添加によってチタン合金の耐酸化性が向上するとともに、チタン合金の酸化量が真空中での溶体化処理によって低い量に制限されるため、酸化スケールの厚さを小さく、且つ、所定の厚さに管理できる。このため、酸化スケールを除去する際の加工量を低減できるとともに、除去する際の取り代の管理が容易になり、内燃機関用チタンバルブの生産性が向上する。
また、C及びOの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、β変態点の上昇によって溶体化処理の温度が上昇するが、Nbの添加及び真空炉での処理によって、溶体化処理中の酸化スケールの生成を低減できるため、熱間加工性を向上し、且つ、酸化スケールの厚さも低減できる。また、Cの含有量の上限が0.15%であるため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、真空度は、溶体化処理の間に高く保たれ、溶体化処理の前後の真空度は、溶体化処理の間の真空度よりも低く保たれるため、真空引きに要する時間を短縮できるとともに、真空度が低い段階から加熱を開始でき、生産性を向上できる。
さらに、前記溶体化処理の前に、前記内燃機関用チタンバルブが熱間加工されても良い。
この場合、O及びCの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、前記溶体化処理の温度は、β変態点よりも30℃高い温度である構成としても良い。
この場合、溶体化処理の温度は、β変態点よりも30℃高い温度であるため、添加元素を確実に固溶させることができる。また、溶体化処理の温度が高すぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、前記溶体化処理の後に、前記溶体化処理で生成された酸化スケール層が削り加工によって除去されても良い。
この場合、Nbの添加及び真空炉での溶体化処理によって、酸化スケール層の厚さが低減されるとともに一定化されるため、削り加工が容易になり、生産性が向上する
本発明に係る内燃機関用チタンバルブでは、Nbの添加によってチタン合金の耐酸化性が向上するとともに、チタン合金の酸化量が真空中での溶体化処理によって低い量に制限されるため、酸化スケールの厚さを小さく、且つ、所定の厚さに管理できる。このため、酸化スケールを除去する際の加工量を低減できるとともに、除去する際の取り代の管理が容易になり、内燃機関用チタンバルブの生産性が向上する。
また、C及びOの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、β変態点の上昇によって溶体化処理の温度が上昇するが、Nbの添加及び真空炉での処理によって、溶体化処理中の酸化スケールの生成を低減できるため、熱間加工性を向上し、且つ、酸化スケールの厚さも低減できる。また、Cの含有量の上限が0.15%であるため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
さらに、O及びCの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、溶体化処理の温度は、β変態点よりも30℃高い温度であるため、添加元素を確実に固溶させることができる。また、溶体化処理の温度が高すぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、真空引きに要する時間を短縮できるとともに、真空度が低い段階から加熱を開始でき、生産性を向上できる。
さらに、Nbの添加及び真空炉での溶体化処理によって、酸化スケール層の厚さが低減されるとともに一定化されるため、削り加工が容易になり、生産性が向上する。
本発明の実施の形態に係る内燃機関用チタンバルブを示す図である。 内燃機関用チタンバルブの製造工程を示す図である。 Nb量を変化させた場合の耐力を示す図である。 C量を変化させた場合の耐力を示す図である。 実施例のチタン合金の組成を示す図である。 溶体化処理の温度パターンを示す図である。 溶体化処理中の真空度を示す図である。 酸化スケールの厚さを示す図である。 酸化スケールの厚さを示す電子顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る内燃機関用チタンバルブ1は、化学成分重量比が、AL(アルミニウム):6.5〜7.5%、Mo(モリブデン):1.5〜2.5%、Si(珪素):0.16〜0.24%、Nb(ニオブ):0.2〜0.3%、C(炭素):0.08〜0.15%、及び、O(酸素):0.09%以下を含有し、残部がTi(チタン)及び不可避不純物からなるNear−α型のチタン合金である。
図1に示すように、内燃機関用チタンバルブ1は、内燃機関のバルブガイド(不図示)の内周面に接する軸部2と、軸部2の一端に設けられ、内燃機関のバルブシート(不図示)に当接する傘部3とを一体に有している。軸部2の他端には、環状のコッタ溝4が形成されている。内燃機関用チタンバルブ1は、排気バルブ及び吸気バルブの両方に使用可能である。
図2は、内燃機関用チタンバルブ1の製造工程を示す図である。
内燃機関用チタンバルブ1は、棒材形成工程S1によって上記組成の棒材から切り出されたロッドを、熱間加工工程S2によって熱間で鍛造(スエージング加工)することでエンジンバルブ形状に粗成形される。熱間加工工程S2は、熱間加工性の良い等軸結晶粒の組織を得るために、β変態点(例えば、1100℃)未満のα−β域で行われる。次に、粗成形品は、溶体化処理工程S3において、酸素分圧が制限された真空炉内で溶体化処理された後、焼鈍工程S4でそのまま炉冷により焼鈍され、その後、仕上げ加工工程S5で、機械加工や研削加工によって表面の酸化スケール層が取り除かれ、所定のバルブ形状に仕上げられる。仕上げ加工工程S5の後、内燃機関用チタンバルブ1は、酸化拡散処理工程S6によって、大気中で熱処理される。
以下に、本実施の形態に係るチタン合金の化学成分重量比及び熱処理条件の限定理由をその作用とともに説明する。
(AL:6.5〜7.5%)
ALは、Tiのα相に対する固溶強化能が高い元素であり、添加量を増やすと耐クリープ性及び0.2%耐力が増加し、耐熱強度を確保できる。エンジン用のバルブとして十分な耐熱強度を得るためには、6.5%以上の添加が必要である。
AL量が多すぎると脆性的な金属間化合物であるTiAL(α相)が生成されて高温時の靭性が低下するため、エンジン用のバルブとして十分な高温靭性を得るためには、ALの添加量は7.5%が上限である。
(Mo:1.5〜2.5%)
Moは、β安定化置換型元素であり、熱間加工性を向上させる働きをする。この効果を発現させるため、下限を1.5%以上とした。Mo量が多くなり、β相が過剰に存在すると耐クリープ性が低下するため、Mo添加量の上限は2.5%である。
(Si:0.16〜0.24%)
Siは、耐クリープ性を向上させる働きをする。この効果を発現させるため、下限を0.16%以上とした。Si量が多くなると、TiとSiとの金属間化合物が析出し、チタン合金が脆化するため、Si添加量の上限を0.24%とした。
(Nb:0.2〜0.3%)
Nbは、チタン合金の耐酸化性を向上させる働きをし、Nbの添加により、熱間加工工程S2及び溶体化処理工程S3で生成される酸化スケールの量を低減できる。Nbが耐酸化性を向上させる理由は、表面に生成された酸化スケール中の酸素の拡散をNbが抑制し、酸化スケールの成長を抑えるためであると推察される。Nbの添加の効果を有効に発現させるためには、0.2%以上の添加が必要である。Nbの添加量が0.3%を超えると、チタン合金の表面の硬度が低下するため、Nbの添加量の上限を0.3%とした。このように、酸化スケールの生成量を抑えることで、仕上げ加工工程S5での内燃機関用チタンバルブ1の削り代を小さくできる。このため、工具の寿命や加工時間を改善できるとともに、チタン合金の材料の歩留まりを向上できる。
図3は、上記組成のチタン合金において、Nb量を変化させた場合の耐力を示す図である。ここで、図3の耐力の測定の際の試験温度は760℃である。
図3に示すように、Nbの添加量の増加に伴って高温時の耐力も増加するが、本実施の形態では、Nbの添加量は、Nbの添加がチタン合金の耐力にほとんど影響しない範囲である0.2〜0.3%に設定されている。
(C:0.08〜0.15%)
Cは、α安定化元素であり、β変態点を上昇させる働きをする。Cは、高温強度の向上に寄与するが、添加量を適切に制御することで、室温から500℃までの強度を確保しつつ、より高温の熱間加工温度域での強度上昇を抑え、変形抵抗を低下させることができる。
β変態点を1100℃以上にするためには、Cの添加量を少なくとも0.08%にする必要がある。β変態点を上昇させることで、α−β相が得られる温度も上昇し、α−β域においてより高い温度で熱間加工を行うことができるようになり、熱間加工性を向上できる。熱間加工の温度は、オーバーヒートを起こさず、且つ、できるだけ高い温度に設定され、通常、β変態点よりも50℃程度低い温度に設定される。このように、チタン合金の熱間加工性を向上することで、熱間加工中の割れや熱間加工の回数を低減でき、生産性を向上できる。
Cの添加によってβ変態点を上げ過ぎると、溶体化処理の温度が上がり、溶体化処理の際の酸化スケールの量が増加するため、β変態点を上げ過ぎないようにCの添加量を調節する必要があり、Cの添加量の上限は0.15%である。また、Cの添加量が増えると、TiCが多量に析出して疲労強度が低下するため、Cの添加量を制限する必要がある。
図4は、上記組成のチタン合金において、C量を変化させた場合の耐力を示す図である。ここで、図4の耐力の測定の際の試験温度は760℃である。
図4に示すように、Cの添加量が少ない範囲では、C量の変化は高温時の耐力にほとんど影響しない。本実施の形態では、Cの添加量は、Cの添加がチタン合金の高温時の耐力にほとんど影響しない範囲である0.08〜0.15%に設定されている。
(O:0.09%以下)
Oは、α安定化元素であり、Cと同様にチタン合金のβ変態点を上昇させる。Oは、α相に固溶して高温強度及び耐クリープ性を向上させるが、添加量が多くなると、β変態点が高くなり過ぎるとともに、チタン合金が脆化するため、O添加量の上限を0.09%とした。Cの添加によってβ変態点が十分に上がる場合、Oの添加量は少なくて良いが、Cを0.05%以上添加することで、β変態点を1100℃以上に上昇させることができる。
溶体化処理工程S3の処理温度は、β変態点である1100℃よりも高い温度であり、この設定温度が所定の保持時間だけ保持される。溶体化処理の処理温度が高いと、生成される酸化スケールが厚くなり、材料の歩留まりが低下するため、溶体化処理の処理温度の上限は、1140℃である。一方、溶体化処理の処理温度が低いと、添加元素の固溶が不十分となり、所望の機械的性質が得られないため、溶体化処理の処理温度の下限は1120℃である。
また、溶体化処理の保持時間が長いと、生成される酸化スケールが厚くなるとともに、結晶粒が粗大化するため、保持時間の上限は15分である。一方、溶体化処理の保持時間が短いと、β相への変態が完了しない可能性があるため、保持時間の下限は5分である。
溶体化処理の処理条件は、好ましくは、処理温度はβ変態点よりも30℃高い1130℃であり、保持時間は10分である。このように、処理温度をβ変態点よりも30℃だけ高くすることで、酸化スケールの厚みを小さくできるとともに、溶体化処理の処理時間を短縮でき、生産性を向上できる。
溶体化処理工程S3は、酸化スケールの生成量を抑えるために真空中で行われる。真空度が低いと溶体化処理中に生成される酸化スケール層の厚みが大きくなるため、真空度の下限は1.3×10−2Paである。
本実施の形態では、チタン合金に耐酸化性を向上させるNbを0.2〜0.3%添加するとともに、真空度が管理された真空中で溶体化処理を行うため、溶体化処理の際に生成される酸化スケールの厚みを小さくできるとともに、酸化スケールの厚みを所定の厚み範囲に管理でき、溶体化処理の後に行われる仕上げ加工の際の削り代を小さく且つ一定化できるため、生産性を向上できる。
溶体化処理工程S3の真空度は、加熱温度に応じて、段階的に設定されており、溶体化処理の設定温度(例えば、1130℃)の保持中には、炉内は高い真空度に保たれ、昇温時及び焼鈍時において、室温から400℃までの酸化スケールの生成が少ない温度域では、真空度は設定温度の保持中よりも低い真空度に保たれる。このように、加熱温度に応じた真空度にすることで、真空引きに要する時間を短縮できるとともに、真空度が低い段階から加熱を開始でき、生産性を向上できる。
溶体化処理工程S3によって、チタン合金は、旧β粒内に針状α相が微細に析出した組織となる。このように、針状α相を主体とした組織となることで、内燃機関用のバルブに好適な高い耐クリープ性を得ることができる。
酸化拡散処理工程S6では、チタン合金を、大気中または酸素を含む酸化雰囲気中で加熱することで、表面に酸化硬化層が形成される。酸化拡散処理工程S6によって、耐摩耗性が向上するとともに、時効処理の作用により微視組織が安定化される。
本発明を適用した実施の形態によれば、内燃機関用チタンバルブ1は、AL:6.5〜7.5%、Mo:1.5〜2.5%、Si:0.16〜0.24、Nb:0.2〜0.3%を含有し、残部が実質的にTi及び不可避不純物からなり、酸素分圧が制限された真空炉内で溶体化処理が行われ、Nbの添加によってチタン合金の耐酸化性が向上するとともに、チタン合金の酸化量が真空中での溶体化処理によって低い量に制限されるため、酸化スケールの厚さを小さく、且つ、所定の厚さに管理できる。このため、酸化スケールを除去する際の加工量を低減できるとともに、除去する際の取り代の管理が容易になり、内燃機関用チタンバルブ1の生産性が向上する。
また、C及びOの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で内燃機関用チタンバルブ1を熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、β変態点の上昇によって溶体化処理の温度が上昇するが、Nbの添加及び真空炉での処理によって、溶体化処理中の酸化スケールの生成を低減できるため、熱間加工性を向上し、且つ、酸化スケールの厚さも低減できる。また、Cの含有量の上限が0.15%であるため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
さらに、O及びCの添加によって、β変態点が上昇し、より高温で熱間加工できるため、熱間加工性が向上する。また、Oを0.09%以下含有するため、β変態点が上がり過ぎることがなく、溶体化処理の温度が高くなり過ぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、溶体化処理の温度は、β変態点よりも30℃高い1130℃であるため、添加元素を確実に固溶させることができる。また、溶体化処理の温度が高すぎないため、酸化スケールの厚さを低減できる。
また、真空度は、溶体化処理の間に高く保たれ、溶体化処理の前後の真空度は、溶体化処理の間の真空度よりも低く保たれるため、真空引きに要する時間を短縮できるとともに、真空度が低い段階から加熱を開始でき、生産性を向上できる。
また、Nbの添加及び真空炉での溶体化処理によって、酸化スケール層の厚さが低減されるとともに一定化されるため、酸化スケールを除去するための削り加工が容易になり、生産性が向上する。
[実施例1]試験片
実施例では、図5に示すように、化学成分重量比が、AL:6.8%、Mo:1.9%、Si:0.19%、C:0.13%、Nb:0.20%、O:0.088%、残部がTi及び不可避不純物からなるチタン合金の棒材を用いて試験片を作製した。この試験片のβ変態点は1100℃である。
試験片は、内燃機関用チタンバルブ1の軸部2に対応するサイズを有する試験片TP1、及び、傘部3に対応するサイズを有する試験片TP2を複数本用意した。試験片TP1は、φ15.0mm×20mmの棒材であり、試験片TP2は、φ4.8mm×100mmの棒材である。
[実施例2]溶体化処理
図6は、溶体化処理の温度パターンを示す図である。図7は、溶体化処理中の真空度を示す図である。
実施例1で用意した試験片TP1,TP2を真空炉中で加熱し、溶体化処理を行った。
溶体化処理の条件は、溶体化処理温度:1130℃、保持時間:10分、保持時間中の真空度:6×10−4〜6×10−5Paである。なお、本実施例では、2つの異なる真空炉A及び真空炉B(図8参照)で溶体化処理を行い、炉の違いによる影響も調査した。
図6に示すように、真空炉は、室温から1050℃程度までは、略一定の昇温速度で昇温され、その後、1130℃までゆっくりと昇温され、1130℃で10分保持された後、300℃まで炉冷が行われる。試験片TP1,TP2は、1130℃で10分の溶体化処理が行われた後、炉冷により焼鈍される。次いで、試験片TP1,TP2は、真空炉内の別室に移動され、Ar雰囲気中で室温まで冷却される。
図7に示すように、溶体化処理中の真空度は、加熱温度に応じて、段階的に設定されており、溶体化処理の1130℃の保持開始時及びその前の期間で高く設定されている。また、真空度は、溶体化処理の1130℃の保持の開始時には6×10−5Paであり、そこから低下し始め、溶体化処理の1130℃の保持の終了時には、6×10−4Paまで低下するように設定されている。また、溶体化処理の1130℃の保持の終了後にはさらに低い真空度に設定されている。また、昇温段階において、酸化スケールの発生が問題にならない低い温度域では、真空度は、1130℃の保持開始時の真空度よりも低い値で略一定に保持されている。
[実施例3]酸化スケール層の厚さ測定
図8は、酸化スケールの厚さを示す図である。図9は、酸化スケールの厚さを示す電子顕微鏡写真であり、図9(a)は、φ15mmの試験片の断面であり、図9(b)は、φ4.8mmの試験片の断面である。
実施例2で溶体化処理した試験片TP1,TP2を軸方向に直交する方向で切断し、断面を電子顕微鏡で観察することで、試験片TP1,TP2の表面に形成された酸化スケールの厚さを測定した。
図8に示すように、試験片TP1,TP2の両方で、酸化スケールM1の厚さが小さいことが確認された。20本以上の複数の試験片の内、酸化スケールM1の最大厚さは340μmであり、最小厚さは、230μmであり、研削加工等の削り加工によって容易に酸化スケールM1を除去可能であることが確認された。また、酸化スケールM1の厚さのバラツキが小さい範囲にあり、研削加工等の削り加工の際の取り代の管理が容易であることが確認された。
また、図9では、酸化スケールM1よりも内側の組織M2が、針状α相であることが確認できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記の実施の形態では、内燃機関用チタンバルブ1は、軸部2と傘部3とを一体に備えるものとして説明したが、これに限らず、軸部と傘部とが別々に形成され、後で一体に結合されるものであっても良い。
1 内燃機関用チタンバルブ
M1 酸化スケール(酸化スケール層)

Claims (4)

  1. 重量%で、Al:6.5〜7.5%、Mo:1.5〜2.5%、Si:0.16〜0.24、Nb:0.2〜0.3%、C:0.08〜0.15%、O:0.09%以下を含有し、残部がTi及び不可避不純物からなり、真空炉内で溶体化処理が行われ、前記真空炉内の真空度は、処理温度をβ変態点よりも高くする前記溶体化処理の間に高く保たれ、前記溶体化処理の前の昇温時及び前記溶体化処理の後の焼鈍時には、下限を1.3×10 −2 Paとして前記溶体化処理の間の真空度よりも低く保たれことを特徴とする内燃機関用チタンバルブの製造方法
  2. 前記溶体化処理の前に、前記内燃機関用チタンバルブが熱間加工されことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用チタンバルブの製造方法
  3. 前記溶体化処理の温度は、β変態点よりも30℃高い温度であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用チタンバルブの製造方法
  4. 前記溶体化処理の後に、前記溶体化処理で生成された酸化スケール層が削り加工によって除去されことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の内燃機関用チタンバルブの製造方法
JP2012191167A 2012-08-31 2012-08-31 内燃機関用チタンバルブの製造方法 Active JP5952683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191167A JP5952683B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 内燃機関用チタンバルブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191167A JP5952683B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 内燃機関用チタンバルブの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014047392A JP2014047392A (ja) 2014-03-17
JP5952683B2 true JP5952683B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=50607380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012191167A Active JP5952683B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 内燃機関用チタンバルブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5952683B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230167755A1 (en) * 2020-07-29 2023-06-01 Fuji Oozx Inc. Engine valve and manufacturing method therefor

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02163403A (ja) * 1988-12-16 1990-06-22 Sumitomo Metal Ind Ltd チタン合金製エンジンバルブ及びその製造方法
JP3083225B2 (ja) * 1993-12-01 2000-09-04 オリエント時計株式会社 チタン合金製装飾品の製造方法、および時計外装部品
US5698050A (en) * 1994-11-15 1997-12-16 Rockwell International Corporation Method for processing-microstructure-property optimization of α-β beta titanium alloys to obtain simultaneous improvements in mechanical properties and fracture resistance
JP4492959B2 (ja) * 2005-03-31 2010-06-30 株式会社神戸製鋼所 耐熱チタン合金及びそれによって形成されたエンジンバルブ
JP5228708B2 (ja) * 2008-08-29 2013-07-03 新日鐵住金株式会社 耐クリープ性および高温疲労強度に優れた耐熱部材用チタン合金
JP2010270347A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Honda Motor Co Ltd 吸排気バルブ用TiAl合金およびその製造方法
JP5328694B2 (ja) * 2010-02-26 2013-10-30 新日鐵住金株式会社 耐熱性に優れたチタン合金製自動車用エンジンバルブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014047392A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109385589B (zh) Ni基合金部件的制备方法
JP6200985B2 (ja) α+γチタンアルミナイド合金から、往復ピストンエンジン及びガスタービン、特に航空エンジン用の高耐応力特性の部品を製造する方法
TWI506149B (zh) 高強度鈦之製備
JP5398123B2 (ja) ニッケル系合金
JP6226087B2 (ja) チタン合金部材およびチタン合金部材の製造方法
JP6826235B2 (ja) Ni基合金軟化粉末および該軟化粉末の製造方法
US9994934B2 (en) Creep-resistant TiA1 alloy
JP2000129414A (ja) 粒子強化型チタン合金の製造方法
CN109112451B (zh) 一种提高tc25钛合金大规格棒材组织均匀性的方法
JP6761580B2 (ja) α+β型チタン合金製翼部材の製造方法
RU2550459C2 (ru) СПОСОБ ПРОИЗВОДСТВА ДЕТАЛЕЙ, ПОЛУЧАЕМЫХ СПЕКАНИЕМ СПЛАВОВ Co-Cr-Мo, ИМЕЮЩИХ УЛУЧШЕННУЮ ПЛАСТИЧНОСТЬ ПРИ ВЫСОКИХ ТЕМПЕРАТУРАХ
JP5952683B2 (ja) 内燃機関用チタンバルブの製造方法
WO2020031579A1 (ja) Ni基超耐熱合金の製造方法およびNi基超耐熱合金
US20120247626A1 (en) Method of fabricating inconel 718 type nickel superalloys
KR102062031B1 (ko) 대형 선박용 엔진 배기 밸브 및 그 제조 방법
JPH11246924A (ja) Ni基単結晶超合金、その製造方法およびガスタービン部品
EP3263724B1 (en) Metallurgical process and article with nickel-chromium superalloy
JP2015004092A (ja) 熱間鍛造型TiAl基合金
JP2019513185A (ja) 高酸化抵抗性合金および高酸化抵抗性合金を用いるガスタービン用途
JP4923996B2 (ja) 耐熱ばね及びその製造方法
JP2021502476A (ja) Max相を含む合金製タービン部品
JP4442004B2 (ja) 耐熱Ti合金の製造方法
KR20190094624A (ko) 결정립계 계면 특성이 우수한 니오븀 함유 니켈기 초내열합금의 열처리 방법 및 이에 의해 열처리된 니켈기 초내열합금
JP4463709B2 (ja) 冷間加工用鋼および該鋼からなる機関弁の製造方法
US7985307B2 (en) Triple phase titanium fan and compressor blade and methods therefor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5952683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250