JP5952348B2 - 標的組込みのための方法および組成物 - Google Patents

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Description

政府援助研究に基づく発明に対する権利の陳述
該当せず。
本開示は、ポリペプチドおよびゲノム工学ならびに相同組換えの分野におけるものである。
安定した形質転換および標的遺伝子挿入は、遺伝子療法および細胞工学の両方において多くの潜在的用途を有する。しかしながら、現在の戦略は、しばしば不十分であり、導入遺伝子を原核または真核ゲノムDNAへ非特異的に挿入する。ゲノム挿入の配置を制御することができないことは、ゲノム内の位置効果のため、集団全体にわたって導入遺伝子発現のかなりばらつきがあるレベルにつながり得る。加えて、導入遺伝子の安定した形質転換および増幅の現在の方法は、しばしば、導入遺伝子の物理的損失、経時的な導入遺伝子サイレンシング、内因性遺伝子の内部にあるか、または隣接する遺伝子および自主的プロモータの組込みによる挿入突然変異、染色体異常の作製および再構成された遺伝子産物(内因性遺伝子、挿入された導入遺伝子、または両方から成る)の発現、および/または安定した導入遺伝子発現を提供するためのベクターの長期持続の必要性により恒久的に発現されるベクター由来の遺伝子からの体内でのベクター関連毒性または免疫原性の作製をもたらす。
レンチウイルスおよびレトロウイルスベクターは、遺伝子組込みのために使用され、コードされた導入遺伝子とともにそれらのウイルスゲノムを、インテグラーゼを介して形質導入細胞の宿主ゲノムへ安定的に組み込むことができる。例えば、米国特許第5,994,136号、同第6,165,782号、および同第6,428,953号を参照されたい。しかしながら、導入遺伝子発現は、ウイルスが宿主ゲノムのどこに組み込まれるかによってかなり変化に富み得、導入遺伝子サイレンシングが経時的に生じ得、挿入突然変異が生じ得、組込みの部位は、制御することができない。また、ゲノムへ挿入される導入遺伝子コピーの数は、細胞に付加されるベクターの用量によって若干しか制御することができない。また、ウイルスベクターが追加的な非原生種遺伝子を発現する場合、これらは細胞にとって毒性であり得るか、または体内で形質導入細胞の破壊につながる免疫応答を引き起こし得る。
真核細胞において、安定した形質転換は、対象の導入遺伝子とともに選択マーカをコードする組み換えDNA配列を使用して得ることもできる。対象の導入遺伝子を安定的に発現する細胞は、選択マーカの安定した発現のために選択することによって単離され得る。導入遺伝子コピーの数および発現のレベルは、メトトレキサート(DHFR遺伝子)またはPALA(CAD遺伝子)等の薬物を使用して、長期に及ぶ選択によって増幅され得る。しかしながら、この方法は、まだ位置効果に苦しみ、ゲノムにおいて遺伝子が挿入され得る場所の標的化を可能にすることができない(Coquelle et al.(1997)Cell 89:215−225)。加えて、増幅頻度は低く(典型的に<10E−4)、しばしば、薬物濃度を徐々に増加させながらの20の細胞通過のために選択が生じることを必要とし、単一の選択ステップを使用する増幅は、極めて非効率的である(Tlisty et al.(1989)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 86:9441−9445;Kempe et al.(1976)Cell9:541−550;Singer et al.(2000)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 97:7921−7926)。また、増幅は、腫瘍細胞のみで実行することができ、初代細胞では作用せず(Tlisty(1990)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 87:3132−3139号;Wright et al.(1990)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 87:1791−1795)、多くのヒトおよびラット細胞株において、増幅プロトコルは、選択マーカおよび対象の導入遺伝子をコードする染色体領域の均質反復の代わりに、不安定な染色体外二重微小の形成、ならびに腫瘍細胞における染色体不安定性および再構成のより多い発生につながり得る(Pauletti et al.(1990)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 87:2955−2959;Smith et al.(1997)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 94:1816−1821;Fougere−Deschatrette et al.(1982),Gene Amplification,ed.Schimke,R.T.(Cold Spring Harbor Lab.Press,Plainview,NY,pp.29−32;Singer et al.(2000)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 97:7921−7926)。安定した高い導入遺伝子発現は、しばしば、選択薬剤への継続的な露出も必要とする(Schimke,R.T.(1984)Cell 37:705−713;Stark et al(1984),Annual Rev.Biochem.,53:447−503;Tlisty et al.(1989)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 86:9441−9445)。そのため、薬剤への長期に及ぶ露出の必要条件、染色体不安定性の増加、および初代細胞に対してこの方法を使用することができないことを踏まえると、マーカ選択は、細胞療法のための細胞工学において適用可能ではない。
導入遺伝子の単一または複数コピーは、人工染色体または安定したエピソームを介して細胞へ安定的に組み込むこともできる。これらのシステムは、哺乳類細胞において複製し、安定したままでいられ、ゲノム調節要素を含むことができるより大きい遺伝子ペイロードを含有することができ、一般的に、組み込まれ、挿入突然変異を引き起こさない(Conese et al(2004)vol.11,pp.1735−1741)。しかしながら、それらの経時的な全体的安定性に問題があり、例えば、これらの人工染色体の損失および/または再構成、ならびに天然型染色体の不安定化(例えば、二動原体染色体の作製)を引き起こし得る、人工染色体またはエピソームの天然型染色体への組込みにおける経時的な増加を含む(Suzuki N.et al(2006),JBC,vol.281,pp.26615−26623;Shinohara T.et al(2000)Chromosome Res.,vol.8,pp.713−725;Ohzeki J.,et al(2002)J.Cell Biol,vol.159,pp.765−775;Grimes BR,et al.(2002)Mol Ther,Vol.5,pp.798−805;Nakano M,(2003)J Cell Sci,vol.116,pp.4021−4034.)。また、人工染色体および安定したエピソームは、細胞株を分割するか、またはDNAを用いた送達(例えば、エレクトロポレーションまたは陽イオン性脂質)が効果的に作用し(Suzuki N.et al(2006),JBC,vol.281,pp.26615−26623)、不安定性および損失を経時的に引き起こす分離異常を生じる(Rudd MK,et al(2003)Mol Cell Bio,Vol.23,pp.7689−7697)初代細胞を増殖する際にのみ機能する。加えて、これらの安定したエピソームまたは人工染色体を含有する細胞クローンの単離および維持は、選択を用いる方法を必要とするため、上記に詳述されるすべての問題を有する。最後に、安全性に対する懸念は、これらの安定したエピソームが、しばしば、哺乳類細胞において染色体外で持続することを示しているが、EBNA1等の癌性ウイルス由来の導入遺伝子の発現を必要とする自己複製ウイルス由来ベクター(例えば、EBVまたはウシパピローマウイルス)に由来するという事実によってもたらされる。
亜鉛フィンガーヌクレアーゼは、相同駆動修復(HDR)を介して新規の遺伝子配列を切断部位へ挿入するための相同ドナー鋳型を使用して、極めて高い効率で標的遺伝子挿入を効果的に駆動するために使用され得る。例えば、米国特許公開第20030232410号、同第20050208489号、同第20050026157号、同第20050064474号、および同第20060188987号、ならびに国際公開第WO2007/014275号を参照されたく、それらの開示は、すべての目的のためにそれらの全体として参照することにより組み込まれる。これは、送達ベクターの長期持続を必要としなく、挿入突然変異、及びベクター由来の遺伝子からの毒性及び免疫原性の問題を回避する。
しかしながら、細胞集団内でのより高いか、またはより低い、安定し、かつ均一の導入遺伝子発現を可能にするための、導入遺伝子の単一または複数コピーの制御された部位特異的組込みの必要性が残る。変化に富んだ導入遺伝子発現、位置効果によって引き起こされる挿入突然変異、または導入遺伝子増幅に関係する染色体不安定性をもたらさない標的遺伝子組込みの必要性も残る。
ゲノムへの制御された部位特異的組込みのための組成物および方法を本明細書において開示する。本明細書において記載される組成物および方法は、選択された導入遺伝子の単一または複数コピーの制御された組込みを可能にする。そのため、用途、および所望の導入遺伝子発現レベルによって、本開示は、標的ゲノムにおける特異的部位へ挿入される単一コピーまたは複数コピーを可能にする。
特に、本開示は、細胞において、インテグラーゼ欠損レンチウイルスベクター(IDLV)によって保持される外因性ポリヌクレオチド(例えば、導入遺伝子)を発現するための方法および組成物を提供する。導入遺伝子は、例えば、1つ以上の遺伝子もしくはcDNA分子、または任意の種類のコードまたは非コーディング配列を含むことができ、細胞へ導入され、それにより、所定の関心領域において細胞のゲノムへ組み込まれる。導入遺伝子の組込みは、関心領域におけるゲノムの標的二本鎖開裂によって促進される。開裂は、関心領域における最適な任意の配列を結合するために操作され得る亜鉛フィンガー結合ドメイン、および開裂ドメインまたは開裂半分ドメインを含む融合タンパク質の使用により、特定の部位へ標的される。そのような開裂は、開裂部位か、またはその付近で外因性ポリヌクレオチド配列の標的組込みを刺激する。
これらの組成物および方法を用いて使用され得る細胞として、培養細胞、有機体における細胞、および細胞および/またはそれらの古い型に由来しているものが治療後に有機体に戻される場合の、治療のための有機体から取り出された細胞が挙げられる。細胞クロマチンにおける関心領域は、例えば、ゲノム配列またはその一部分であり得る。細胞クロマチンは、原核および真核細胞、真菌細胞、植物細胞、動物細胞、哺乳類細胞、霊長類細胞、およびヒト細胞を含むが、これらに限定されない任意の種類の細胞に存在し得る。
一態様において、インテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV)ドナーポリヌクレオチドが本明細書において開示される。ドナーポリヌクレオチドは、外因性核酸配列をさらに含むことができる。典型的に、ドナーポリヌクレオチドの両側にIDLVのLTRが配置される。さらに、IDLVのドナーポリヌクレオチドは、細胞における対象の配列と相同の第1および第2のポリヌクレオチド(相同アーム)を含む。相同アームは、導入遺伝子をコードする配列の両側に配置することができるか、または代替として、外因性配列が相同アームの外側にあり得る。相同アームの1つまたは両方は、関心領域における配列と同一であり得る。代替として、相同アームの1つまたは両方は、相同であるが、関心領域における配列と非同一であり得る。
本明細書において記載される任意のIDLVドナーポリヌクレオチドは、1つ以上の選択可能なマーカ、例えば1つ以上の陽性および/または陰性選択マーカをさらに含むことができる。ある実施形態において、単一の陽性および/または陰性選択マーカは、相同アームの外側にある。他の実施形態において、IDLVドナーポリヌクレオチドは、2つの選択可能なマーカを含み、1つの両側には相同アームが配置され、1つは相同アームの外側に配置される。任意の選択可能なマーカまたは選択可能なマーカの組み合わせ、例えば、単一の陽性選択マーカ、単一の陰性選択マーカ、2つの陽性選択マーカ、2つの陰性選択マーカ、および1つの陰性および1つの陽性選択マーカを使用することができる。任意の選択マーカは、陽性/陰性選択マーカ、例えばhyg−TK選択マーカでもあり得る。ある実施形態において、IDLVドナーポリヌクレオチドは、図1A、図1B、図1C、図1Dまたは図1Eに示されるベクターを含む。
任意のIDLVドナーポリヌクレオチドは、1つ以上のスクリーニングマーカ、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはベータガラクトシダーゼを代替として含むことができる。ある実施形態において、スクリーニングマーカは、相同アームの外側にあるが、他の実施形態において、スクリーニングマーカは、相同アームの内側にある。追加的な実施形態において、1つのスクリーニングマーカは、1つの両側に相同アームが配置され、他方は相同アームの外側にある1つの選択マーカと組み合わせて使用される。スクリーニングおよび選択可能なマーカの任意の組み合わせを使用することができ、例えば、相同アームの外側にある選択マーカと組み合わせて、相同アームの間に配置されるスクリーニングマーカを使用することができる。加えて、マーカの任意の組み合わせ、例えば、1つの陽性選択マーカと併用される1つのスクリーニングマーカ、および1つの陰性スクリーニングマーカと併用される1つのスクリーニングマーカを使用することができる。
他の態様において、細胞への外因性核酸配列の1つ以上のコピーの制御された組込みのための方法を本明細書において開示し、方法は、(a)細胞において第1の融合タンパク質を発現するステップであって、第1の融合タンパク質は、第1の亜鉛フィンガー結合ドメインおよび第1の開裂半分ドメインを含み、第1の亜鉛フィンガー結合ドメインは、細胞のゲノムにおける関心領域において第1の標的部位に結合するように操作された、ステップと、(b)細胞において第2の融合タンパク質を発現するステップであって、第2の融合タンパク質は、第2の亜鉛フィンガー結合ドメインおよび第2の開裂半分ドメインを含み、第2の亜鉛フィンガー結合ドメインは、細胞のゲノムにおける関心領域において第2の標的部位に結合し、第2の標的部位は、第1の標的部位と異なる、ステップと、(c)細胞を、本明細書において記載される任意のIDLVドナーポリヌクレオチドと接触させる、ステップと、を含み、第1の標的部位への第1の融合タンパク質の結合、および第2の標的部位への第2の融合タンパク質の結合は、開裂半分ドメインを位置付け、それにより、細胞のゲノムは、関心領域において開裂され、それによって、関心領域における細胞のゲノムへの外因性配列の1つ以上のコピーの組込み、および外因性配列の産物の発現がもたらされる。ある実施形態において、第1および第2の亜鉛フィンガータンパク質を含む融合タンパク質は、アデノウイルス(Ad)ベクター、例えば、Ad5/35ベクター上に提供される。
本明細書において記載される任意の方法は、対象の領域へ挿入された外因性配列の単一コピー(導入遺伝子)を含有する細胞に対して選択するために使用することができる。ある実施形態において、導入遺伝子の単一コピーは、相同アームの外側にある陰性マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図2B)。他の実施形態において、導入遺伝子の単一コピーは、両側に相同アームが配置される陽性選択マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図3A)。他の実施形態において、導入遺伝子の単一コピーは、両側に相同アームが配置される陽性選択マーカ、および相同アームの外側にある陰性択マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図3C)。さらに他の実施形態において、導入遺伝子の単一コピーは、導入遺伝子および選択マーカ(例えば、陽性選択マーカ)の両方が相同アームの外側にあるIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図4C)。さらに他の実施形態において、導入遺伝子の単一コピーは、図1Eおよび図5に示されるIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる。
加えて、本明細書において記載される任意の方法は、対象の領域への外因性配列の複数コピーの挿入に対して選択するために使用することができる。「複数コピー」は、標的の1つ以上の対立遺伝子へ組み込まれる導入遺伝子の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のコピーを有する細胞を指す。ある実施形態において、導入遺伝子の複数コピーは、相同アームの外側にある陽性マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図2Cおよび3B)。他の実施形態において、導入遺伝子の複数コピーは、相同アームの外側にある陽性選択マーカ、および両側に相同アームが配置される陰性選択マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図3D)。さらに他の実施形態において、導入遺伝子の単一コピーおよび複数コピーは、両側に相同アームが配置される陽性選択マーカ、および相同アームの外側にある陽性選択マーカを含むIDLVドナーポリヌクレオチドを使用して組み込まれる(図3E)。
本明細書において記載される任意の方法において、関心領域は、生存能力に対して必須ではないゲノムの領域にあり得る。例えば、ヒト細胞におけるPPP1R12C遺伝子座は、標的組込み(国際出願第PCT/US2008/005282号、米国特許出願第12/150/103号を参照)のための「セーフハーバー」遺伝子座として使用することができる。他の実施形態において、関心領域は、転写活性のあるゲノムの領域にある。関心領域が、生存能力に対して必須であるゲノムの領域にある実施形態において、挿入は、「必須」遺伝子の発現を実質的に変更しない。
本明細書において記載される任意の方法において、第1および第2の開裂半分ドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ、例えば、FokIまたはStsIからのものである。また、本明細書において記載される任意の方法において、融合タンパク質の少なくとも1つは、開裂半分ドメインの二量化境界面のアミノ酸配列における変更を含むことができる。
本明細書において記載される任意の方法において、細胞は、哺乳類細胞、例えば、ヒト細胞であり得る。また、細胞は、細胞周期のG2期で拘束され得る。
そのため、本主題は、以下の実施形態を含むが、それらに限定されない。
1.レンチウイルスLTRの間で、
(i)細胞の細胞クロマチンの関心領域と相同配列である第1および第2のヌクレオチド配列と、
(ii)外因性配列と、
を含む、インテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV)ドナーポリヌクレオチド。
2.第1の選択可能またはスクリーニングマーカをコードする配列をさらに含む、1に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
3.第1の選択可能またはスクリーニングマーカは、第1と第2のヌクレオチド配列との間にない、2に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
4.第2の選択可能またはスクリーニングマーカをコードする配列をさらに含む、2〜3のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
5.第2の選択可能またはスクリーニングマーカの両側に第1および第2のヌクレオチド配列が配置される、4に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
6.第1および/または第2の選択可能なマーカは、陽性選択マーカである、2〜5のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
7.第1および/または第2の選択可能なマーカは、陰性選択マーカである、2〜5のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
8.第1および/または第2の選択可能なマーカは、陽性および陰性選択マーカである、2〜5のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
9.陽性/陰性選択マーカは、hyg−TKである、8に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
10.細胞は、真核細胞である、1〜9のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
11.細胞は、哺乳類細胞である、10に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
12.細胞は、ヒト細胞である、11に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
13.第1および第2のヌクレオチドは、外因性配列の両側に配置される、1〜12のいずれかに記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
14.細胞への外因性核酸配列の単一コピーまたは複数コピーの制御された部位特異的組込みのための方法であって、
(a)細胞において第1の融合タンパク質を発現するステップであって、第1の融合タンパク質は、第1の亜鉛フィンガー結合ドメインおよび第1の開裂半分ドメインを含み、第1の亜鉛フィンガー結合ドメインは、細胞のゲノムにおける関心領域において第1の標的部位に結合するように操作された、ステップと、
(b)細胞において第2の融合タンパク質を発現するステップであって、第2の融合タンパク質は、第2の亜鉛フィンガー結合ドメインおよび第2の開裂半分ドメインを含み、第2の亜鉛フィンガー結合ドメインは、細胞のゲノムにおける関心領域において第2の標的部位に結合し、第2の標的部位は、第1の標的部位と異なる、ステップと、
(c)細胞を、1〜13のいずれかに記載の任意のIDLVドナーポリヌクレオチドと接触させる、ステップと、を含み、
第1の標的部位への第1の融合タンパク質の結合、および第2の標的部位への第2の融合タンパク質の結合は、開裂半分ドメインを位置付け、それにより、細胞のゲノムは、関心領域において開裂され、それによって、関心領域における細胞のゲノムへの外因性配列の1つ以上のコピーの組込みがもたらされる。
15.外因性核酸配列は、cDNAを含む、14に記載の方法。
16.関心領域は、細胞クロマチンアクセス可能領域にある、14または15に記載の方法。
17.関心領域は、生存能力に対して必須ではないゲノムの領域にある、14、15、または16に記載の方法。
18.関心領域は、転写活性のあるゲノムの領域にある、14〜17のいずれかに記載の方法。
19.外因性配列の単一コピーは、細胞のゲノムへ組み込まれる、14〜18のいずれかに記載の方法。
20.外因性配列の複数コピーは、細胞のゲノムへ組み込まれる、14〜18のいずれかに記載の方法。
21.第1および第2の開裂半分ドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼからである、14〜20のいずれかに記載の方法。
22.IIS型制限エンドヌクレアーゼは、FokIおよびStsIからなる群より選択される、21に記載の方法。
23.関心領域は、染色体にある、14〜22のいずれかに記載の方法。
24.関心領域は、遺伝子を含む、14〜23のいずれかに記載の方法。
25.細胞は、細胞周期のG2期で拘束される、14〜24のいずれかに記載の方法。
26.融合タンパク質の少なくとも1つは、開裂半分ドメインの二量化境界面のアミノ酸配列における変更を含む、14〜25のいずれかに記載の方法。
27.細胞は、哺乳類細胞である、14〜26のいずれかに記載の方法。
28.細胞は、ヒト細胞である、27に記載の方法。
パネルA〜Cは、制御および標的組込みのための例示的なインテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV)ドナーコンストラクトを描写する概略図である。図1Aは、1つの選択またはスクリーニングマーカを含み、「レンチウイルスコンストラクトI」と指定されるレンチウイルスコンストラクトの概略図である。図1Bは、2つの選択またはスクリーニングマーカを含み、「レンチウイルスコンストラクトII」と指定されるレンチウイルスコンストラクトの概略図である。図1Cは、選択可能またはスクリーニングマーカを有さないレンチウイルスドナーコンストラクトの概略図である。図1Dは、相同アームの外側にある1つの選択可能またはスクリーニングマーカを含み、「レンチウイルスコンストラクトIV」と指定されるレンチウイルスドナーコンストラクトの概略図である。図1Eは、「レンチウイルスコンストラクトV」と指定されるレンチウイルスドナーコンストラクトの概略図である。
パネルA〜Cは、レンチウイルスコンストラクトIの様々な例示的な実施形態を描写する。図2Aは、一般的にコンストラクトを示す。図2Bは、選択またはスクリーニングマーカが陰性選択マーカであるコンストラクトを描写する。図のように、陰性選択は、非修正細胞、または単一コピーが、相同組換え標的組込み(HR−TI)を介して、および/または一端での相同組換えおよび他端の末端接合(HR−EJ)によって、ゲノムへ組み込まれる細胞をもたらし得る。図2Cは、選択またはスクリーニングマーカが陽性選択マーカであり、典型的に頭尾配向で対象の細胞の複数コピーを導入するコンストラクトを描写する。図2Cに示されるコンストラクトは、無作為組込み、末端接合によるLTRの組込み(LTR−EJ)、または一端での相同組換えおよび他端の末端接合を介する対象の細胞の単一コピーの組込み(HR−EJ)をもたらすことができる。
レンチウイルスコンストラクトIIの様々な例示的な実施形態を描写する。一番上の行は、概して、コンストラクトを示す。図3Aは、選択/スクリーニングマーカ1が陽性選択マーカの場合、対象の細胞の単一コピーが標的細胞へ組み込まれることを示す。このコンストラクトも、一端での相同組換えおよび他端の末端接合(HR−EJ)のために、対象の細胞の単一コピーを含有する細胞の低いレベルをもたらす。図3Bは、選択/スクリーニングマーカ1が陽性選択マーカであり、典型的に頭尾配向で対象の細胞の複数コピーを導入するコンストラクトを描写する。図3Bに記載されるコンストラクトも、無作為組込み、末端接合によるLTRの組込み(LTR−EJ)、または一端での相同組換えおよび他端の末端接合を介した対象の細胞の単一コピーの組込み(HR−EJ)をもたらすことができる。図3Cは、選択/スクリーニングマーカ1が陽性選択マーカであり、選択/スクリーニングマーカ2が陰性選択マーカである場合に対象の細胞の単一コピーの相同組換え(HR−TI)を介する標的組込みを示す。図3Cのコンストラクトも、無作為に組み込まれるか、またはLTR末端接合(LTR−EJ)を介して組み込まれ得る。図3Dは、選択/スクリーニングマーカ1が陰性選択マーカであり、選択/スクリーニングマーカ2が陽性選択マーカである場合、対象の細胞の複数コピーが相同組換えによって標的細胞へ組み込まれることを示す。コンストラクトも、無作為組込み、LTR−EJ、およびHR−EJ(低効率で)をもたらすことができるが、HR−TIを介する単一コピーの組込みを可能としない。図3Eは、選択/スクリーニングマーカ1が陽性選択マーカであり、選択/スクリーニングマーカ2が陽性選択マーカである場合、対象の細胞の単一および複数コピーがどのようにして標的細胞へ組み込まれるかを示す。
図1Dに示されるレンチウイルスコンストラクトIVの様々な例示的な実施形態を描写する。一番上の行は、概して、コンストラクトを示す。顕著に、外因性配列(導入遺伝子)は、相同アームの外側にある。図4Aおよび4Bは、単一(図4A)および複数の(図4B)ゲノム集団のプロウイルス構造を示す。示されるように、2−LTR集団が細胞で形を成した後、相同アームは、導入遺伝子の両側に配置される。図4Cは、陽性選択マーカを含むコンストラクトの相同組換え後に、陽性選択がどのようにしてHR−TIを介して導入遺伝子の単一コピーを含有する細胞を生じさせるかを示す。稀に、複数コピーまたはHR−EJを有する細胞が選択されるが、このコンストラクトに対する陽性選択は、無作為に組み込まれたか、またはLTR−EJで組み込まれた導入遺伝子を有する細胞を死滅させる。
図1Eに示されるレンチウイルスコンストラクトVの様々な例示的な実施形態を描写する。一番上の行は、概して、コンストラクトを示す。図5Aおよび5Bは、単一(図5A)および複数の(図5B)ゲノム集団のプロウイルス構造を示す。図5Cは、陽性選択マーカを含むコンストラクトの相同組換え後に、陽性選択がどのようにしてHR−TIを介して導入遺伝子の単一コピーを含有する細胞を生じさせるかを示す。稀に、複数コピーまたはHR−EJを有する細胞が選択されるが、このコンストラクトに対する陽性選択は、無作為に組み込まれたか、またはLTR−EJで組み込まれた導入遺伝子を有する細胞を死滅させる。
CCR5に標的されるZFNの存在下におけるK562細胞へのIDLVレンチウイルスドナーコンストラクトの組込みを示す。IDLVドナーコンストラクトは、5’〜3’方向で、LTR−左相同アーム−GFP−コーディング配列−右相同アーム−LTRを含む。左および右相同アームは、CCR5と相同であった。示されるZFNは、Ad5/35ベクターを使用して、すべて送達された。Ad5/35CCR5−ZFNに関する詳細は、2007年5月23日出願の米国特許出願第11/805,797号を参照されたい。「224nf」は、FLAGタグを有さないZFN224を指す。「224」は、FLAGタグを有するZFN224を指す。ZFN224は、FokIの操作された開裂ドメインを含む。「215」は、ZFN215を指し、野生型FokI開裂ドメインを含む。「HRヘテロ接合」は、1つの対立遺伝子に対する相同組換えを介する単一コピーの標的組込みを指す。「HRホモ接合」は、両方の対立遺伝子に対する相同組換えを介する単一コピーの標的組込みを指す。「LTR_EJ」は、コンストラクトがLTRの末端接合によって組み込まれた細胞を指す。「複数コピーHR」は、1つの対立遺伝子に対するGFPコンストラクトの複数コピーの標的組込みを指す。「ヘテロLTR_EJ」は、1つの対立遺伝子に対するHDR、および他の対立遺伝子に対するLTR−EJを介する単一コピーの標的組込みを指す。「ヘテロ複数」は、1つの対立遺伝子に対する相同組換えを介する単一コピー、および他の対立遺伝子に対するHDRを介する複数コピーの標的組込みを指す。「複数を有するホモ」は、両方の対立遺伝子に対する相同組換えを介する複数コピーの標的組込みを指し、「複数のEJ」は、1つの対立遺伝子に対するHDRを介するドナーコンストラクトの複数コピーの組込み、および他の対立遺伝子に対する末端接合を介する組込みを指す。
パネルAおよびBは、図4に示される選択された個々の細胞クローンのサザンブロット分析を示す。選択されたクローンの種類は、各レーンの上に示される。図7Aは、ブロットがPGK−GFPプローブで精査された場合の結果を描写する。図7Bは、コンストラクトの左相同アームを対象としたプローブ(CCR5左アームプローブ)を使用した結果を示す。
pgf−eGFPプローブを使用した、図6に示される細胞のプールのサザンブロット分析を示す。
パネルAおよびBは、図6に記載されるGFPドナーコンストラクトおよびAd5/35ZFNを含むHep3B細胞(図9A)およびヒト間充織幹細胞(hMSC、図9B)のサザンブロット分析を示す。
パネルA〜Eは、GFP発現が、ZFNおよびレンチウイルスGFPドナーコンストラクトを含むhMSCにおける細胞通過中、安定していることを示す。図10AおよびBは、ZFNおよびドナーコンストラクトを含む細胞におけるGFP発現を示す。図10CおよびDは、ドナーコンストラクトのみを含む細胞における発現の欠如を示す。図10Eは、ドナーコンストラクトの示された感染の多重度(moi)での8つの通過中のGFP発現を描写するグラフである。
パネルA〜Fは、GFPコンストラクトが組み込まれたhMSC細胞が、含脂肪細胞の分化後に、GFPを発現し続けることを示す。図11A、11B、および11Cは、GFP発現を示す。図11Dおよび11Eは、含脂肪細胞へ分化した無染色GFP発現細胞を示し、図11Fは、含脂肪細胞へ分化したGFP発現細胞のオイルレッドO染色を示す。
パネルA〜Dは、GFPコンストラクトが組み込まれたhMSC細胞が、骨形成分化後に、GFPを発現し続けることを示す。図12Aおよび12Bは、GFP発現を示す。図12Cは、無染色GFP発現細胞を示し、図12Dは、GFP発現骨形成分化細胞のALP染色を示す。
本開示は、標的ゲノム、特に哺乳類(例えば、ヒト)ゲノムへの標的組込み(TI)のための方法および組成物に関する。組成物および方法は、標的細胞への対象の細胞の単一または複数の(2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の)コピーの部位特異的な制御された組込みを可能にする。
標的開裂および組換えに有用な組成物は、開裂ドメイン(または開裂半分ドメイン)および亜鉛フィンガー結合ドメインを含む融合タンパク質、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびポリペプチドおよびポリペプチドコーディングポリヌクレオチドの組み合わせを含む。亜鉛フィンガー結合ドメインは、1つ以上の亜鉛フィンガー(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、またはそれ以上の亜鉛フィンガー)を含むことができ、任意の配列に結合するように操作され得る。細胞におけるそのような融合タンパク質(またはタンパク質)の存在は、融合タンパク質のその(それらの)結合部位への結合、および内因性標的遺伝子内での開裂をもたらす。
また、ZFNおよび/またはドナー配列を含む複製欠損アデノウイルス(Ad)ベクター、およびこれらのAdベクターを含む細胞を本明細書において開示する。これらのAdベクターは、細胞クロマチンの標的開裂のための、および例えば、標的開裂、その後の非相同末端接合、または標的開裂、その後の外因性ポリヌクレオチド(細胞ヌクレオチド配列を有する相同の1つ以上の領域)とゲノム配列との間の相同組換えによる細胞ヌクレオチド配列の標的変更のための方法に有用である。
概要
本明細書において開示される、方法の実践、ならびに組成物の調製および使用は、他に指示のない限り、当該技術内にあるように、分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、組み換えDNA、および関連分野における従来の技術を使用する。これらの技術は、文献において完全に説明される。例えば、Sambrook et al.MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989およびThird edition,2001;Ausubel et al.,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley&Sons,New York,1987および定期的更新;METHODS IN ENZYMOLOGYシリーズ,Academic Press,San Diego;Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998;METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,「Chromatin」(P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,eds.)、Academic Press,San Diego,1999;およびMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,「Chromatin Protocols」(P.B.Becker,ed.)Humana Press,Totowa,1999を参照されたい。
定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、同じ意味で使用され、線形または円形配座、および一本または二本鎖形態のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語は、ポリマーの長さに関する限定として解釈されるものではない。用語は、天然ヌクレオチドの周知の類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート骨格)において修正されるヌクレオチドを包含することができる。概して、特定のヌクレオチドの類似体は、同じ塩基対合特異性を有し、すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合する。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、同じ意味で使用され、アミノ酸残基のポリマーを指す。用語は、1つ以上のアミノ酸が対応する天然に存在するアミノ酸の化学的類似体または修正誘導体であるアミノ酸ポリマーにも適用する。
「結合」は、巨大分子の間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的非共有結合性相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用のすべての構成要素が配列特異的である必要はない(例えば、DNA骨格におけるリン酸残基と接触する)。そのような相互作用は、概して、10-6-1またはそれ以下の解離定数(Kd)によって特徴付けられる。「親和性」は、結合の強度、より低いKdと相関されている高い結合親和性を指す。
「結合タンパク質」は、他の分子に非共有結合することができるタンパク質である。結合タンパク質は、例えば、DNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)および/またはタンパク質分子(タンパク質結合タンパク質)に結合することができる。タンパク質結合タンパク質の場合、それ自体に結合することができ(ホモ二量体、ホモ三量体等を形成するために)、および/または異なるタンパク質の1つ以上の分子に結合することができる。結合タンパク質は、2つ以上の種類の結合活性を有することができる。例えば、亜鉛フィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合、およびタンパク質結合活性を有する。
「亜鉛フィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、構造が亜鉛イオンの配位により安定化される結合ドメイン内にあるアミノ酸配列の領域である1つ以上の亜鉛フィンガーにより、配列特異的方法でDNAに結合するタンパク質、またはより大きいタンパク質内にあるドメインである。亜鉛フィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、亜鉛フィンガータンパク質またはZFPと略される。
亜鉛フィンガー結合ドメインは、所定のヌクレオチド配列に結合するように「操作され」得る。亜鉛フィンガータンパク質を操作するための方法の非限定的例は、設計および選択である。設計された亜鉛フィンガータンパク質は、設計/組成物が主に合理的基準から生じる、天然に存在しないタンパク質である。設計のための合理的基準は、置換規則、ならびに既存のZFP設計の情報および結合データを保存するデータベースにおける情報を処理するためのコンピュータアルゴリズムの適用を含む。例えば、米国特許第6,140,081号、同第6,453,242号、および同第6,534,261号、また国際公開第WO98/53058号、同第WO98/53059号、同第WO98/53060号、同第WO02/016536号、および同第WO03/016496を参照されたい。
「選択された」亜鉛フィンガータンパク質は、産出が主にファージ提示法、相互作用トラップまたはハイブリッド選択などの実験的過程から生じる、自然界に見られないタンパク質である。例えば、米国特許第US5,789,538号、同第US5,925,523号、同第US6,007,988号、同第US6,013,453号、同第US6,200,759号、国際公開第WO95/19431号、同第WO96/06166号、同第WO98/53057号、同第WO98/54311号、同第WO00/27878号、同第WO01/60970号、同第WO01/88197号、および同第WO02/099084を参照されたい。
「配列」という用語は、線形、円形、または分岐、および一本鎖または二本鎖のいずれかであり得るDNAまたはRNAであり得る任意の長さのヌクレオチド配列を指す。「ドナー配列」という用語は、ゲノムに挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さ、例えば長さで2〜10,000ヌクレオチド(または、その間またはそれ以上の任意の整数値)、好ましくは長さで約100〜1,000ヌクレオチド(またはその間の任意の整数)、より好ましくは長さで約200〜500ヌクレオチドであり得る。
「相同非同一配列」は、第2の配列と配列同一性の程度を共有する第1の配列を指し、配列は、第2の配列の配列と同一ではない。例えば、突然変異遺伝子の野生型配列を含むポリヌクレオチドは、突然変異遺伝子の配列と相同、かつ非同一である。ある実施形態において、2つの配列の間の相同の程度は、その間の相同組換えを可能にするために十分であり、通常の細胞機構を利用する。2つの相同非同一配列は、任意の長さであり得、それらの非相同の程度は、単一のヌクレオチドと同じくらい小さいか(例えば、標的相同組換えによるゲノム点突然変異の補正のために)、もしくは10またはそれ以上のキロベースと同じくらい大きくてもよい(例えば、染色体における所定の異所での遺伝子の挿入のために)。相同非同一配列を含む2つのポリヌクレオチドは、同じ長さである必要はない。例えば、20〜10,000ヌクレオチドの外因性ポリヌクレオチド(すなわち、ドナーポリヌクレオチド)を使用することができる。
核酸およびアミノ酸配列同一性を決定するための技術は、当技術分野で周知である。典型的に、そのような技術は、遺伝子に対してmRNAのヌクレオチド配列を決定すること、および/またはそれによってコードされるアミノ酸配列を決定すること、およびこれらの配列を第2のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較することを含む。ゲノム配列も、この方法で決定され、比較され得る。概して、同一性は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の正確なヌクレオチドとヌクレオチドまたはアミノ酸とアミノ酸の一致をそれぞれ指す。2つ以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらのパーセント同一性を決定することによって比較され得る。核酸またはアミノ酸配列の2つの配列のパーセント同一性は、より短い配列の長さで除し、100で乗じられる、2つの整合配列の間での正確な一致の数である。核酸配列に対する近似整合は、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981)の局所相同アルゴリズムによって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff,Atlas of Protein Sequences and Structure,M.O.Dayhoff ed.,5 suppl.3:353−358,National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.,USAによって開発され、Gribskov,Nucl.Acids Res.14(6):6745−6763(1986)によって標準化されたスコアマトリクスを使用することによってアミノ酸配列に適用され得る。配列のパーセント同一性を決定するためのこのアルゴリズムの例示的な実施は、「BestFit」実用的用途におけるGenetics Computer Group(Madison,WI)によって提供される。この方法に対するデフォルトパラメータは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual,Version 8(1995)(Genetics Computer Group、Madison、WIから入手可能)において記載される。本開示との関連においてパーセント同一性を確立する好ましい方法は、John F.CollinsおよびShane S.Sturrokが著作権を有し、IntelliGenetics,Inc.(Mountain View、CA)によって流通されるプログラムのMPSRCHパッケージを使用することである。この一連のパッケージから、Smith−Watermanアルゴリズムは、デフォルトパラメータがスコア表に使用される場合に使用され得る(例えば、12のギャップ開始ペナルティ、1のギャップ伸長ペナルティ、および6のギャップ)。生成されるデータから、「一致」値は、配列同一性を反映する。配列の間のパーセント同一性または類似性を計算するための他の好適なプログラムは、概して当技術分野で周知であり、例えば、他の整合プログラムは、デフォルトパラメータを用いて使用されるBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、次のデフォルトパラメータを用いて使用することができる:遺伝コード=標準、フィルタ=無し、鎖=両方、カットオフ=60、予期=10、マトリクス=BLOSUM62、記述=50配列、分別=HIGH SCORE、データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+Swissタンパク質+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、次のインターネットアドレスにおいて見ることができる:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST。本明細書において記載される配列に対して、配列同一性の所望の程度の範囲は、およそ80%〜100%、およびその間の任意の整数値である。典型的に、配列の間のパーセント同一性は、少なくとも70〜75%、好ましくは80〜82%、より好ましくは85〜90%、さらにより好ましくは92%、さらにより好ましくは95%、最も好ましくは98%配列同一性である。
代替として、ポリヌクレオチドの間の配列類似性の程度は、相同領域の間での安定した二本鎖の形成を可能にする条件下におけるポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、その後の一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、および消化されたフラグメントの大きさの決定よって決定され得る。2つの核酸、または2つのポリペプチド配列は、配列が、上記の方法を使用して決定される分子の確定した長さにわたって少なくとも約70%〜75%、好ましくは80%〜82%、より好ましくは85%〜90%、さらにより好ましくは92%、さらにより好ましくは95%、最も好ましくは98%配列同一性を提示する場合、互いに実質的に相同する。本明細書において使用されるように、実質的に相同は、特定されたDNAまたはポリペプチド配列との完全同一性を示す配列も指す。実質的に相同であるDNA配列は、例えば、その特定のシステムに対して確定される厳しい条件下におけるサザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を確定することは、当技術分野内にある。例えば、Sambrook et al.,supra;Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach,editors B.D.Hames and S.J.Higgins,(1985)Oxford;Washington,DC;IRL Press)を参照されたい。
2つの核酸フラグメントの選択的ハイブリダイゼーションは、以下のように決定され得る。2つの核酸分子の間の配列同一性の程度は、そのような分子の間でのハイブリダイゼーションイベントの効率性および強度に影響を与える。部分的に同一の核酸配列は、標的分子への完全に同一の配列のハイブリダイゼーションを少なくとも部分的に阻害する。完全に同一の配列のハイブリダイゼーションの阻害は、当技術分野で周知である(例えば、サザン(DNA)ブロット、ノーザン(RNA)ブロット、溶液ハイブリダイゼーション等、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.を参照)ハイブリダイゼーション検定を使用して評価され得る。そのような検定は、例えば、低い厳密性から高い厳密性まで様々な条件を使用して、様々な程度の選択性を使用して行われ得る。低い厳密性の条件が使用される場合、非特異的結合の非存在は、配列同一性の部分的な程度さえも欠く二次的プローブ(例えば、標的分子との約30%未満の配列同一性を有するプローブ)を使用して評価され得、それにより、非特異的結合イベントの非存在下において、二次的プローブは、標的にハイブリダイズしない。
ハイブリダイゼーションによる検出システムを利用する場合、参照核酸配列に相補的である核酸プローブが選択され、その後、適切な条件の選択によって、プローブおよび参照配列は、選択的に互いにハイブリダイズまたは結合し、二本鎖分子を形成する。中度に厳しいハイブリダイゼーション条件下において参照配列に選択的にハイブリダイズすることが可能な核酸分子は、典型的に、選択された核酸プローブの配列と少なくともおよそ70%の配列同一性を有する、長さで少なくとも約10〜14ヌクレオチドの標的核酸配列の検出を可能にする条件下においてハイブリダイズする。厳しいハイブリダイゼーション条件は、典型的に、選択された核酸プローブの配列と約90〜95%より大きい配列同一性を有する、長さで少なくとも約10〜14ヌクレオチドの標的核酸配列の検出を可能にする。プローブおよび参照配列が特定の程度の配列同一性を有する場合のプローブ/参照配列ハイブリダイゼーションに有用なハイブリダイゼーション条件は、当技術分野で周知のように決定され得る(例えば、Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach,editors B.D.Hames and S.J.Higgins,(1985)Oxford;Washington,DC;IRL Pressを参照)。
ハイブリダイゼーションのための条件は、当業者に周知である。ハイブリダイゼーション厳密性は、ハイブリダイゼーション条件が、不一致のヌクレオチドを含有するハイブリッドの形成を好まない程度を指し、より高い厳密性は、不一致のハイブリッドに対するより低い耐性と相関する。ハイブリダイゼーションの厳密性に影響を与える要因は、当業者に周知であり、例えば、ホルムアミドおよびジメチルスルホキシド等の有機溶媒の温度、pH、イオン強度、および濃度を含むが、これらに限定されない。当業者に周知のように、ハイブリダイゼーション厳密性は、より高い温度、より低いイオン強度、およびより低い溶媒濃度によって増加する。
ハイブリダイゼーションのための厳密性条件に対して、非常に多くの同等の条件は、例えば以下の要因を変化させることによって特定の厳密性を確立するために使用され得るということが当技術分野で周知である:配列の長さおよび性質、様々な配列の塩基組成物、塩および他のハイブリダイゼーション溶液構成要素の濃度、ハイブリダイゼーション溶液における遮断薬の有無(例えば、硫酸デキストラン、およびポリエチレングリコール)、ハイブリダイゼーション反応温度および時間パラメータ、ならびに様々な洗浄条件。特定のセットのハイブリダイゼーション条件の選択は、当該技術における標準方法に従って選択される(例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.を参照)。
「組換え」は、2つのポリヌクレオチドの間での遺伝情報の交換の過程を指す。本開示の目的のために、「相同組換え(HR)」は、例えば、細胞における二本鎖切断の修復中に行われるそのような交換の特殊な形態を指す。この過程は、ヌクレオチド配列相同を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経験した分子)の修復を鋳型化するために「ドナー」分子を使用し、それは、ドナーから標的への遺伝情報の移転につながるため、「非クロスオーバー遺伝子変換」または「短経路遺伝子変換」として様々に周知である。特定の理論に拘束されることなく、そのような移動は、切断標的とドナーとの間に形を成すヘテロ二本鎖DNAのミスマッチ修復、および/またはドナーが、標的の一部になる遺伝子情報を再合成するために使用される「合成依存鎖アニール」、および/または関連過程を伴い得る。そのような特殊なHRは、しばしば、標的分子の配列の変更をもたらし、それにより、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部または全部が標的ポリヌクレオチドへ組み込まれる。
「開裂」は、DNA分子の共有結合骨格の切断を指す。開裂は、リン酸ジエステル結合の酵素的または化学的加水分解を含むが、これらに限定されない様々な方法によって開始され得る。一本鎖開裂および二本鎖開裂の両方が可能であり、二本鎖開裂は、2つの異なる一本鎖開裂イベントの結果として生じ得る。DNA開裂は、平滑末端または互い違いの末端のいずれかの産出をもたらし得る。ある実施形態において、融合ポリペプチドは、標的二本鎖DNA開裂のために使用される。
「開裂半分ドメイン」は、第2のポリペプチド(同一または異なるかのいずれか)と併用して、開裂活性(好ましくは二本鎖開裂活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。「第1および第2の開裂半分ドメイン」、「+および−開裂半分ドメイン」、および「右および左開裂半分ドメイン」という用語は、同じ意味で使用され、二量化する開裂半分ドメインの対を指す。
「操作された開裂半分ドメイン」は、他の開裂半分ドメイン(例えば、他の操作された開裂半分ドメイン)を有する必須のヘテロ二量体を形成するように修正された開裂半分ドメインである。また、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる、米国特許公開第20050064474号および同第20060188987号、ならびに米国仮出願第60/808,486号(2006年5月25日出願)を参照されたい。
「クロマチン」は、細胞ゲノムを含むヌクレオタンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびにヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含むタンパク質を含む。真核細胞クロマチンの対部分は、ヌクレオソームの形態で存在し、ヌクレオソームコアは、それぞれ2つのヒストンH2A、H2B、H3およびH4を含む八量体と関連するおよそ150塩基対のDNAを含み、リンカーDNA(有機体によって可変の長さ)は、ヌクレオソームコアの間に伸展する。ヒストンH1の分子は、概して、リンカーDNAと関連する。本開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、原核および真核の両方のすべての種類の細胞ヌクレオタンパク質を包含することを意味する。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を含む。
「染色体」は、細胞のゲノムのすべてまたは一部分を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、しばしば、細胞のゲノムを含むすべての染色体の集合である、その核型によって特徴付けられる。細胞のゲノムは、1つ以上の染色体を含み得る。
「エピソーム」は、複製核酸、ヌクレオタンパク質複合体、または細胞の染色体核型の一部ではない核酸を含む他の構造である。エピソームの例としては、プラスミドおよびあるウイルスゲノムが挙げられる。
「アクセス可能領域」は、核酸に存在する標的部位が、標的部位を認識する外因性分子によって結合され得る細胞クロマチンにおける部位である。特定の理論に拘束されることなく、アクセス可能領域は、ヌクレオソーム構造にパッケージされない領域であると考えられる。アクセス可能領域の異なる構造は、しばしば、化学的および酵素的プローブ、例えば、ヌクレアーゼに対するその感度によって検出され得る。
「標的部位」または「標的配列」は、結合のための十分な条件が存在するという条件で、結合分子が結合する核酸の一部分を画定する核酸配列である。例えば、配列5’−GAATTC−3’は、Eco RI制限エンドヌクレアーゼのための標的部位である。
「外因性」分子は、通常は細胞に存在しないが、1つ以上の遺伝的、生化学的、または他の方法によって細胞へ導入され得る分子である。「細胞における通常の存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に対して決定される。そのため、例えば、成人筋細胞に対して、筋肉の胚発生の間のみに存在する分子は、外因性分子である。同様に、熱ショックを与えられていない細胞に対して、熱ショックによって誘導される分子は、外因性分子である。外因性分子は、例えば、異常機能している内因性分子の機能している型、または正常に機能している内因性分子の異常機能している型を含み得る。
とりわけ、外因性分子は、組み合わせ化学過程によって生成される等の小分子、またはタンパク質、核酸、炭水化物、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、多糖、上記の分子の任意の修正誘導体、もしくは上記の分子の1つ以上を含む任意の複合体等の巨大分子であり得る。核酸は、DNAおよびRNAを含み、一本または二本鎖であり得、線形、分岐、または円形であり得、任意の長さであり得る。核酸は、二本鎖を形成することが可能である核酸、および三重鎖形成核酸を含む。例えば、米国特許第5,176,996号および同第5,422,251号を参照されたい。タンパク質は、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチン再構築因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、アセチラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ギラーゼ、およびヘリカーゼを含むが、これらに限定されない。
外因性分子は、内因性分子と同じ種類の分子、外因性タンパク質または核酸であり得る。例えば、外因性核酸は、細胞へ導入される感染ウイルスゲノム、プラスミド、もしくはエピソーム、または通常は細胞に存在しない染色体を含み得る。細胞への外因性分子の導入のための方法は、当業者に周知であり、脂質媒介移動(すなわち、中性および陽イオン性脂質を含むリポソーム)、エレクトロポレーション、直接注入、細胞融合、粒子衝突、リン酸カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介移動、およびウイルスベクター媒介移動を含むが、これらに限定されない。外因性分子は、他の種に由来する遺伝子、例えば、ハムスターゲノムへ組み込まれるヒト遺伝子配列でもあり得る。
対照的に、「内因性」分子は、特定の環境条件下において特定の発生段階で特定の細胞に通常存在する分子である。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリアのゲノム、葉緑体もしくは他のオルガネラ、または天然に存在するエピソーム核酸を含み得る。追加的な内因性分子としては、タンパク質、例えば、転写因子、および酵素を挙げることができる。
「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が、好ましくは共有結合で結び付けられる分子である。サブユニット分子は、同じ化学型の分子であり得るか、または異なる化学型の分子であり得る。第1の種類の融合分子の例としては、融合タンパク質(例えば、ZFP DNA結合ドメインと開裂ドメインとの間の融合)および融合核酸(例えば、上述される融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第2の種類の融合分子の例は、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合、および小溝結合剤と核酸との間の融合が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞における融合タンパク質の発現は、細胞への融合タンパク質の送達からか、または融合タンパク質を生成するためにポリヌクレオチドが転写され、転写物が翻訳される、細胞への融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの送達によって生じえる。トランススプライシング、ポリペプチド開裂およびポリペプチド結紮も、細胞におけるタンパク質の発現に関与し得る。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は、本開示の他の部分で提示する。
本開示の目的のための「遺伝子」は、遺伝子産物をコードするDNA領域(以下参照)、およびそのような調節配列がコーディングおよび/または転写配列に隣接しているか、していないかにかかわらず、遺伝子産物の産出を調節するすべてのDNA領域を含む。したがって、遺伝子は、プロモータ配列、ターミネータ、リボソーム結合部位および内部リボソーム侵入部位等の翻訳調節配列、エンハンサ、サイレンサ、インスレータ、境界要素、複製起点、マトリックス結合部位、および遺伝子座制御領域を含むが、これらに限定される必要はない。
「遺伝子発現」は、遺伝子産物への遺伝子に含有される情報の変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNA、または任意の他の種類のRNA)またはmRNAの翻訳によって生成されるタンパク質の直接転写産物であり得る。遺伝子産物は、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集等の過程によって修正されるRNA、ならびに例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチレーション、およびグリコシル化によって修正されるタンパク質も含む。
遺伝子発現の「修正」は、遺伝子の活性における変化を指す。発現の修正は、遺伝子活性化および遺伝子抑制を含み得るが、これらに限定されない。
「真核」細胞としては、真菌細胞(酵母等)、植物細胞、動物細胞、哺乳類細胞、およびヒト細胞(例えば、T細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。
「関心領域」は、例えば、遺伝子、または遺伝子内にあるか、またはそれに隣接する非コーディング配列等の細胞クロマチンの任意の領域であり、外因性分子に結合することが望ましい。結合は、標的DNA開裂および/または標的組換えの目的のためであり得る。関心領域は、例えば、染色体、エピソーム、オルガネラゲノム(例えば、ミトコンドリア、葉緑体)、または感染ウイルスゲノムに存在し得る。関心領域は、遺伝子のコーディング領域内、例えば、リーダー配列、トレーラー配列、もしくはイントロン等の転写非コーディング領域内、またはコーディング領域の上流もしくは下流のいずれかにある非転写領域内にあり得る。関心領域は、長さで単一のヌクレオチド対と同じくらい小さいか、または2,000ヌクレオチド対までか、またはヌクレオチド対の任意の整数値であり得る。
「動作可能な結合」および「動作可能に連結される」(または「動作可能なように連結される」)という用語は、2つ以上の構成要素(配列要素等)の並列に関して同じ意味で使用され、構成要素は、両方の構成要素が正常に機能し、構成要素の少なくとも1つが、他の構成要素の少なくとも1つの後に発揮される機能を仲介することができるという可能性を持たせるように配置される。例として、プロモータ等の転写調節配列は、転写調節配列が、1つ以上の転写調節因子の有無に応じてコーディング配列の転写のレベルを制御する場合、コーディング配列に動作可能に連結される。転写調節配列は、概して、コーディング配列を有するシスにおいて動作可能に連結されるが、それに直接隣接する必要はない。例えば、エンハンサは、それらが接触していなくても、コーディング配列に動作可能に連結される転写調節配列である。
融合ポリペプチドに対して、「動作可能に連結される」という用語は、構成要素のそれぞれは、あまり結び付けられていない場合のように、他の構成要素に結び付いて同じ機能を行うという事実を指す。例えば、ZFP DNA結合ドメインが開裂ドメインに融合される融合ポリペプチドに対して、ZFP DNA結合ドメインおよび開裂ドメインは、融合ポリペプチドにおいて、ZFP DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位に結合することができ、開裂ドメインが標的部位の近辺でDNAを開裂することができる場合、動作可能な結合にある。
タンパク質、ポリペプチド、または核酸の「機能的フラグメント」は、配列が完全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一ではないが、完全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同じ機能を保持するタンパク質、ポリペプチド、または核酸である。機能的フラグメントは、対応する天然の分子より多いか、より少ないか、または同じ数の残基を所有し得、および/または1つまたはそれ以上のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含有し得る。核酸の機能(例えば、コーディング機能、他の核酸にハイブリダイズする能力)を決定するための方法は、当技術分野で周知である。同様に、タンパク質機能を決定するための方法は、周知である。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えば、フィルタ結合、電気泳動移動度シフト、または免疫沈降検定によって決定され得る。DNA開裂は、ゲル電気泳動によって試験され得る。上記のAusubel et al.を参照されたい。他のタンパク質と相互作用するタンパク質の能力は、例えば、遺伝的および生化学的の両方の、免疫共沈降、2つのハイブリッド検定、または相補性によって決定され得る。例えば、Fields et al.(1989)Nature 340:245−246;米国特許第5,585,245号、およびPCT WO98/44350を参照されたい。
亜鉛フィンガーヌクレアーゼ
記載されるIDLVドナーポリヌクレオチドは、好ましくは、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を使用して部位特異的な方法(標的組込み)で組み込まれる。ZFNは、亜鉛フィンガータンパク質(ZFP)およびヌクレアーゼ(開裂)ドメインを含む。
A.亜鉛フィンガータンパク質
亜鉛フィンガー結合ドメインは、最適な配列に結合するように操作され得る。例えば、Beerli et al.(2002)Nature Biotechnol.20:135−141;Pabo et al.(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313−340;Isalan et al.(2001)Nature Biotechnol.19:656−660;Segal et al.(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632−637;Choo et al.(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411−416を参照されたい。操作された亜鉛フィンガー結合ドメインは、天然に存在する亜鉛フィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有し得る。操作方法としては、合理的設計および様々な種類の選択が挙げられるが、これらに限定されない。合理的設計は、例えば、各トリプレットまたはクアドルプレットヌクレオチド配列が、特定のトリプレットまたはクアドルプレット配列に結合する亜鉛フィンガーの1つ以上のアミノ酸配列に関連する、トリプレット(またはクアドルプレット)ヌクレオチド配列および個々の亜鉛フィンガーアミノ酸配列を含むデータベースを使用することを含む。例えば、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる、共同所有される米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照されたい。
ファージ提示法および2つのハイブリッドシステムを含む例示的な選択方法は、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号、および同第6,242,568号、ならびに国際公開第WO98/37186号、同第WO98/53057号、同第WO00/27878号、同第WO01/88197号、ならびにGB2,338,237号に開示される。
亜鉛フィンガー結合ドメインに対する結合特異性の強化は、例えば、共同所有される国際公開第WO02/077227号に記載されている。
標的部位、ZFPの選択、ならびに融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構成のための方法は、当業者に周知であり、米国公開第20030232410号、同第20050208489号、同第2005064474号、同第20050026157号、同第20060188987号、国際公開第WO07/014275号、米国特許出願第10/587,723号(2006年7月27日出願)、同第11/493,423号(2006年7月26日出願)に関連して詳述され、それらの開示は、すべての目的のためにそれらの全体として参照することにより組み込まれる。
ある実施形態において、本明細書において記載されるZFNは、アデノウイルスベクター、例えば、キメラAd5/35ベクター上に有される。本明細書において述べられるように、ZFNは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはさらにそれ以上の亜鉛フィンガードメインを含んでもよい。
ZFP結合ドメインは、ヌクレアーゼの開裂ドメインまたは開裂半分ドメインに融合される。ある実施形態において、ZFPは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ、例えばFokIの開裂半分ドメインに融合される。開裂半分ドメインに融合される場合、一対のそのような亜鉛フィンガー/ヌクレアーゼ半分ドメイン融合が、例えば、米国特許出願第20050064474号に開示されるように標的開裂のために使用される。
標的開裂のために、結合部位の近端は、5つまたはそれ以上のヌクレオチド対によって分離され得、融合タンパク質のそれぞれは、DNA標的の逆鎖に結合し得る。
B.開裂ドメイン
上で述べたように、ZFNは、ヌクレアーゼ(開裂ドメイン、開裂半分ドメイン)も含む。本明細書において開示される融合タンパク質の開裂ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得ることができる。開裂ドメインが得ることができる、例示的なエンドヌクレアーゼとしては、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、2002−2003 Catalogue,New England Biolabs,Beverly,MA、およびBelfort et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3379−3388を参照されたい。DNAを開裂する追加的な酵素が周知である(例えば、S1ヌクレアーゼ、マングビーンヌクレアーゼ、膵臓DNAse I、ミクロコッカスヌクレアーゼ、酵母HOエンドヌクレアーゼ、また、Linn et al.(eds.)Nucleases、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1993)を参照されたい)。これらの酵素(またはその機能的フラグメント)の1つ以上を、開裂ドメインおよび開裂半分ドメインの源として使用することができる。
同様に、開裂半分ドメインは、開裂活性のために二量化を必要とする、上記の任意のヌクレアーゼまたはその一部分に由来し得る。概して、2つの融合タンパク質は、融合タンパク質が開裂半分ドメインを含む場合、開裂のために必要とされる。代替として、2つの開裂半分ドメインを含む単一タンパク質を使用することができる。2つの開裂半分ドメインは、同じエンドヌクレアーゼ(またはその機能的フラグメント)に由来し得るか、または各開裂半分ドメインは、異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的フラグメント)に由来し得る。加えて、2つの融合タンパク質のための標的部位は、好ましくは、互いに対して配置され、それにより、それらのそれぞれの標的部位への2つの融合タンパク質の結合は、例えば、二量体化によって、開裂半分ドメインが機能的開裂ドメインを形成することを可能にする、互いへの空間的配向に開裂半分ドメインを配置する。そのため、ある実施形態において、標的部位の近端は、5〜8ヌクレオチドまたは15〜18ヌクレオチドによって分離される。しかしながら、任意の整数のヌクレオチドまたはヌクレオチド対は、2つの標的部位の間に介入し得る(例えば、2〜50ヌクレオチド対またはそれ以上)。概して、開裂の部位は、標的部位の間にある。
制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は、多くの種に存在し、DNAへの配列特異的結合(認識部位で)および結合の部位か、またはその付近でDNAを開裂することが可能である。ある制限酵素(例えば、IIS型)は、認識部位から除去される部位でDNAを開裂し、分離可能な結合および開裂ドメインを有する。例えば、IIS型酵素FokIは、DNAの二本鎖開裂を、1つの鎖上にあるその認識部位から9ヌクレオチド、および他方上にあるその認識部位から13ヌクレオチドで触媒する。例えば、米国特許第5,356,802号、同第5,436,150号、および同第5,487,994号、ならびにLi et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4275−4279;Li et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2764−2768;Kim et al.(1994a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:883−887;Kim et al.(1994b)J.Biol.Chem.269:31,978−31,982を参照されたい。そのため、一実施形態において、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素からの開裂ドメイン(または開裂半分ドメイン)、および1つ以上の亜鉛フィンガー結合ドメインを含み、それらは、操作され得るか、またはされ得ない。
開裂ドメインが結合ドメインから分離可能である、例示的なIIS型制限酵素は、FokIである。この特定の酵素は、二量体として活性を有する。Bitinaite et al.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:10,570−10,575。したがって、本開示の目的のために、開示された融合タンパク質において使用されるFokI酵素の部分は、開裂半分ドメインと見なされる。そのため、亜鉛フィンガーFokI融合を使用する細胞配列の標的二本鎖開裂および/または標的交換は、それぞれFokI開裂半分ドメインを含む2つの融合タンパク質を使用して、触媒活性の開裂ドメインを再構成することができる。代替として、亜鉛フィンガー結合ドメインおよび2つのFokI開裂半分ドメインを含有する単一ポリペプチド分子を使用することもできる。亜鉛フィンガー−FokI融合を使用する標的開裂および標的配列変更のためのパラメータは、本開示の他の部分で提示する。
開裂ドメインまたは開裂半分ドメインは、開裂活性を保持するか、または機能的開裂ドメインを形成するために多量体化する(例えば、二量体化する)能力を保持するタンパク質の任意の部分であり得る。
例示的なIIS型制限酵素は、国際公開第WO07/014275号に記載され、この内容は、その全体として本明細書に組み込まれる。追加的な制限酵素も、分離可能な結合および開裂ドメインを含有し、これらは、本開示によって意図される。例えば、Roberts et al.(2003)Nucleic Acids Res.31:418−420を参照されたい。
ある実施形態において、開裂ドメインは、例えば、すべての開示の内容は、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる、米国特許公開第20050064474号および同第20060188987号(それぞれ出願第10/912,932号および同第11/304,981号)、ならびに米国暫定特許出願第60/808,486号(2006年5月25日出願)に記載される、ホモ二量化を最小にするか、または妨げる1つ以上の操作された開裂半分ドメイン(二量化ドメイン突然変異体とも称される)を含む。FokIの位置446、447、479、483、484、486、487、490、491、496、498、499、500、531、534、537、および538にあるアミノ酸残基は、すべて、FokI開裂半分ドメインの二量化を影響するための標的である。
必須のヘテロ二量体を形成するFokIの例示的な操作された開裂半分ドメインは、第1の開裂半分ドメインがFokIの位置490および538にあるアミノ酸残基で変異を含み、第2の開裂半分ドメインがアミノ酸残基486および499で変異を含む一対を含む。図2、3および4を参照されたい。
そのため、一実施形態において、図3および4に示されるように、490での変異は、Glu(E)をLys(K)で交換し、538での変異は、Iso(I)をLys(K)で交換し、486での変異は、Gln(Q)をGlu(E)で交換し、位置499での変異は、Iso(I)をLys(K)で交換する。具体的に、本明細書において記載される操作された開裂半分ドメインは、「E490K:I538K」に指定される操作された開裂半分ドメインを産出するために、1つの開裂半分ドメインにおいて位置490(E→K)および538(I→K)を変異させることによって、「Q486E:I499L」に指定される操作された開裂半分ドメインを産出するために、他の開裂半分ドメインにおいて位置486(Q→E)および499(I→L)を変異させることによって調製された。本明細書において記載される操作された開裂半分ドメインは、異常開裂が最小にされるか、または消失される必須のヘテロ二量体突然変異体である。例えば、米国仮出願第60/808,486号(2006年5月25日出願)の実施例1を参照されたく、それらの開示は、すべての目的のためにそれらの全体として参照することにより組み込まれる。
本明細書において記載される操作された開裂半分ドメインは、例えば、米国特許出願第20050064474号(第10/912,932号、実施例5)および米国特許仮出願第60/721,054号(実施例38)に記載される野生型開裂半分ドメイン(FokI)の部位を標的とした突然変異による任意の好適な方法を使用して調製され得る。
C.標的組込みのための追加的な方法
標的遺伝子における標的部位を有する任意のヌクレアーゼは、本明細書において開示される方法で使用され得る。例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼは、非常に長い認識配列を有し、中には、統計的基礎にしたがって、人間大のゲノムに一度存在する可能性が高いものもある。標的遺伝子において独特の標的部位を有する任意のそのようなヌクレアーゼは、標的遺伝子における標的開裂のために、亜鉛フィンガーヌクレアーゼの代わりにか、またはそれに加えて使用され得る。
例示的なホーミングエンドヌクレアーゼとしては、I−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI,I−SceII、I−PpoI,I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII、およびI−TevIIIが挙げられる。それらの認識配列は、周知である。また、米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3379−3388;Dujon et al.(1989)Gene 82:115−118;Perler et al.(1994)Nucleic Acids Res.22,1125−1127;Jasin(1996)Trends Genet.12:224−228;Gimble et al.(1996)J.Mol.Biol.263:163−180;Argast et al.(1998)J.Mol.Biol.280:345−353、およびNew England Biolabs catalogueを参照されたい。
ほとんどのホーミングエンドヌクレアーゼの開裂特異性は、それらの認識部位に対して絶対的ではないが、部位は、哺乳類大のゲノム1つ当たりの単一の開裂イベントが、その認識部位の単一コピーを含有する細胞においてホーミングエンドヌクレアーゼを発現することによって得ることができる十分な長さである。ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの特異性は、非天然の標的部位に結合するように操作され得ることも報告されている。例えば、Chevalier et al.(2002)Molec.Cell 10:895−905;Epinat et al.(2003)Nucleic Acids Res.31:2952−2962;Ashworth et al.(2006)Nature 441:656−659;Paques et al.(2007)Current Gene Therapy 7:49−66を参照されたい。
ドナーポリヌクレオチド
本明細書において記載されるヌクレアーゼ(例えば、ZFN)は、二本鎖DNAを開裂することによって配列の標的組込みを刺激する。開裂部位か、またはその付近のゲノムへ組み込まれる配列は、ドナーポリヌクレオチドまたはドナー配列と称される。ドナー配列は、典型的に、ゲノム配列との十分な相同を含有し、それと、それが相同を持つゲノム配列との間の相同組換えを支持する。およそ25、50、100、または200ヌクレオチドまたはそれ以上の、ドナーとゲノム配列との間の配列相同(または10〜200ヌクレオチドまたはそれ以上の任意の整数値)は、その間の相同組換えを支持する。ドナー配列は、長さで10〜5,000ヌクレオチド(またはその間のヌクレオチドの任意の整数値)またはそれ以上の範囲であり得る。ドナー配列は、典型的に、それが交換するゲノム配列と同一ではないことが容易に理解される。例えば、ドナーポリヌクレオチドの配列は、十分な相同が、相同組換えを支持するように存在する限り、ゲノム配列に対する1つ以上の単一塩基変化、挿入、欠失、逆位、または再構成を含有し得る。
代替として、ドナー配列は、相同の2つの領域が両側に配置される非相同配列を含有し得る。加えて、ドナー配列は、細胞クロマチンにおける関心領域と相同ではない配列を含有するベクター分子を含み得る。概して、ドナー配列の相同領域は、組み換えが所望であるゲノム配列との少なくとも50%配列同一性を有する。ある実施形態において、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.9%配列同一性が存在する。1%〜100%配列同一性の任意の値は、ドナーポリヌクレオチドの長さによって存在し得る。
ドナー分子は、細胞クロマチンとの相同のいくつかの不連続領域を含有し得る。例えば、関心領域に通常は存在しない配列の標的挿入のために、該配列は、ドナー核酸分子に存在し、関心領域において配列との相同の領域が両側に配置され得る。
ドナー配列の挿入の成功を判定するための検定(例えば、ハイブリダイゼーション、PCR、制限酵素消化)を簡素化するために、ゲノム配列と比較して、ある配列の差がドナー配列に存在する場合がある。好ましくは、コーディング領域に配置される場合、そのようなヌクレオチド配列の差は、アミノ酸配列を変化させないか、または寡黙なアミノ酸変化(すなわち、タンパク質の構造または機能に影響を与えない変化)を引き起こす。ドナーポリヌクレオチドは、相同組換えによって細胞クロマチンへ導入されたドナー配列の開裂を妨げるために、関心領域における亜鉛フィンガードメイン結合部位に対応する配列における変化を任意で含有し得る。
ドナーポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAであり得、線形または円形の形態で細胞へ導入され得る。線形の形態で導入される場合、ドナー配列の末端は、当業者に周知の方法によって保護(例えば、エキソヌクレアーゼ分解から)され得る。例えば、1つ以上のジデオキシヌクレオチド残基は、線形分子の3’末端に付加され、および/または自己相補的オリゴヌクレオチドは、一端または両端に結紮される。例えば、Chang at al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4959−4963;Nehls et al.(1996)Science 272:886−889を参照されたい。分子から外因性ポリヌクレオチドを保護するための追加的な方法は、末端アミノ基の付加、および例えば、ホスホロチオエート、ホスホロアミダート、およびO−メチルリボースまたはデオキシリボース残基等の修正された内部ヌクレオチド結合の使用を含むが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドは、例えば、複製起点、プロモータ、および抗生物質耐性をコードする遺伝子等の追加的な配列を有するベクター分子の一部として細胞へ導入され得る。また、ドナーポリヌクレオチドは、リポソームまたはポロキサマー等の薬剤と複合される核酸である裸の核酸として導入され得るか、またはウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV(例えば、連結されるAAVベクター)、レンチウイルス)によって送達され得る。加えて、ドナーポリヌクレオチドにおける配列は、最適な発現を可能にするコドン最適化を受ける場合があり、1つの種において見られるドナーヌクレオチドコドンは、受容ゲノムにおいて好ましいヌクレオチドコドンへ核酸レベルで変更される場合がある。
ある実施形態において、ドナーポリヌクレオチドは、レンチウイルスドナーポリヌクレオチドである。レンチウイルス移動ベクターは、当技術分野で周知の方法によって、概して、産出され得る。例えば、米国特許第5,994,136号、同第6,165,782号、および同第6,428,953号を参照されたい。好ましくは、レンチウイルスドナーコンストラクトは、インテグラーゼ欠損レンチウイルスベクター(IDLV)である。IDLVは、例えば、Leavitt et al.(1996)J.Virol.70(2):721−728;Philippe et al.(2006)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 103(47):17684−17689;および国際公開第WO06/010834号に開示される、例えば、天然のレンチウイルスインテグラーゼ遺伝子における1つ以上の変異を含むレンチウイルスベクターを使用して記載されるように産出され得る。ある実施形態において、IDLVは、Leavitt et al.(1996)J.Virol.70(2):721−728に記載されるように、インテグラーゼタンパク質(D64V)の位置64での変異を含むHIVレンチウイルスベクターである。
本明細書において記載されるドナーポリヌクレオチドは、1つ以上の陽性および/または陰性選択またはスクリーニングマーカも含んでもよい。陽性選択マーカは、遺伝子を有し、発現する細胞のみが、ある条件で生存および/または成長することを可能にする産物をコードするそれらのポリヌクレオチドである。例えば、ネオマイシン耐性(NeoR)遺伝子を発現する細胞は、化合物G418に耐性を示すが、NeoRを発現しない細胞は、G418によって死滅する。ハイグロマイシン耐性、ZeocinTM(登録商標)耐性等を含む陽性選択マーカの他の例は、当業者に周知である。陰性選択マーカは、遺伝子を有し、発現する細胞のみが、ある条件で死滅することを可能にする産物をコードするそれらのポリヌクレオチドである。例えば、チミジンキナーゼ(例えば、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ、HSV−TK)を発現する細胞は、ガンシクロビルが付加される場合、死滅する。他の陰性選択マーカは、当業者に周知である。使用することができるスクリーニングマーカは、例えば、GFPまたはベータガラクトシダーゼであり得る。他のスクリーニングマーカは、細胞表面上に発現されるポリペプチドをコードし、その表面発現ポリペプチドとの、特定の抗体または他のリガンドにより同定を可能にする配列を含むことができる。これらの検定における抗体またはリガンドは、迅速な細胞スクリーニングを可能にするために、例えばフルオロフォアによる、いくつかの方法で標識され得る。
本明細書において記載されるように、細胞がAd5/35ZFNコンストラクトおよびIDLVドナーコンストラクトにより形質導入される場合、2つの主要な相同組換え(HR)による標的組込み(TI)イベント、単一遺伝子標的挿入およびレンチウイルス2−LTRサークルによる複数コピー遺伝子挿入、が生じる。レンチウイルスLTRによる末端接合(LTR−EJ)およびレンチウイルスゲノム無作為組込みも、非常に低い効率性で生じる。単一遺伝子標的挿入は、遺伝子補正、遺伝子破壊、および遺伝子ノックインに有用である。指定されたゲノム遺伝子座への複数コピー遺伝子挿入は、遺伝子療法の状況における有益な遺伝子の過剰発現、および生物工学的応用(例えば、タンパク質産出の強化)のために細胞株を操作することに対して重要である。
レンチウイルスコンストラクトI(図1A)は、単一の陽性/陰性選択またはスクリーニングマーカを介して単一遺伝子標的挿入または複数コピー遺伝子挿入のいずれかの質を選択的に高めるように設計される。図2Aを参照されたい。上で述べたように、任意の選択またはスクリーニングマーカを使用することができる。ある実施形態において、選択マーカは、例えば、陽性および陰性選択の両方のために使用され得るhyg−TK融合遺伝子の、陽性および陰性選択マーカの両方であり得る。
単一選択マーカが陰性選択マーカ(図2B)である場合、単一コピーを有する細胞は、2−LTRを受けた細胞を死滅させることによって選択され得る。また、陰性選択マーカの使用は、レンチウイルスベクターの無作為組込みを受けたか、またはNHEJを解して組み込まれるベクターを有する細胞を選び出し得る。そのため、陰性選択後の生存集団は、主に、一方または両方の対立遺伝子でヌクレアーゼによって誘導される二本鎖切断へのHDR駆動単一コピー挿入物を有する細胞であり得る。陽性選択(ハイグロマイシン)細胞の場合、2−LTRサークルの挿入を受けた細胞は、選択過程を生き残る(図2C)。
ドナーコンストラクトへの陽性または陰性選択マーカの封入は、標的組込みイベントの制御された選択を可能にする。陰性選択マーカは、対象の細胞の単一コピーの制御された標的組込み(一方または両方の対立遺伝子上で)を可能にし、複数コピー、無作為成分、またはNHEJを介する組込みの除去を可能にする。陽性選択マーカの使用は、ドナーコンストラクトの複数コピーの標的組込みの選択を可能にする。上で述べたように、選択マーカは、単一ベクターコンストラクトを使用するいずれかの結果の選択を可能にする二重マーカ(例えば、hyg−TK融合)であり得る。
1つ以上のスクリーニングマーカの封入は、同様に、標的組込みイベントの制御された同定を可能にする。加えて、1つ以上のスクリーニングマーカは、複数の組込みイベント、無作為組込み、またはNHEJを介する組込みの除去を可能にするために、陰性または陽性選択マーカと組み合わせ使用され得る。
レンチウイルスコンストラクトII(図1B)は、2つの選択またはスクリーニングマーカを含む他の例示的なドナーレンチウイルスベクターを示す。典型的に、相同アームの内側にある選択またはスクリーニングマーカ(選択/スクリーニングマーカ1)は、プロモータを持たず、それにより、それは、標的部位でゲノムに組み込まれる場合のみに発現される。下流活性遺伝子も含まれ、好ましくは、方向融合および/またはスプライスアクセプタ(SA)、内部リボソーム侵入部位(IRES)、または2A自己開裂ペプチドのいずれかを使用して発現される。したがって、緻密な部位特異的挿入は、選択マーカ1の発現のために必要とされ、したがって、このマーカを使用して、NHEJを介するレンチウイルスコンストラクトの挿入を有する無作為成分および細胞を選択的に除去することができる。
第2の選択またはスクリーニングマーカ(選択/スクリーニングマーカ2)は、典型的に、相同アームの外側にあり、好ましくは、その発現を駆動する制御要素(例えば、プロモータ)に動作可能なように連結される。選択マーカ1および2のための選択を組み合わせることは、一方または両方の対立遺伝子で選択される両方のマーカにより単一のステップにおいて選択され得る標的部位で相同直接修復を介して挿入されるドナーの複数コピーを有する細胞集団の選択を可能にする。例えば、陽性選択マーカ1および陰性選択マーカ2を含むコンストラクトは、対象の細胞の部位特異的に組み込まれた単一コピーを主に有する細胞の選択を可能にする(図3C)。陰性選択マーカ1および陽性選択マーカ2を含むコンストラクトは、対象の細胞の部位特異的に組み込まれた複数コピーを主に有する細胞の選択を可能にする(図3D)。選択マーカ1および選択マーカ2の両方が陽性選択マーカであるコンストラクトは、対象の細胞の部位特異的に組み込まれた単一または複数コピーを有する細胞の選択を可能にする。
レンチウイルスコンストラクトIVおよびV(図4および図5)は、HR−TIを介して標的ゲノムに部位特異的に挿入された対象の導入遺伝子の単一コピーを含有する細胞の質を高めることを可能にする。稀に、これらのコンストラクトの組込みのための選択またはスクリーニングは、導入遺伝子の複数コピーを含有する細胞をもたらす。しかしながら、これらの設計を使用して選択される細胞は、無作為に組み込まれたコンストラクトおよび/またはLTR−EJを介して組み込まれるコンストラクトを含有しない。「レンチウイルスコンストラクトV」に指定される設計は、最小レンチウイルス配列をゲノムに組み込む。
送達
本明細書において記載されるZFNは、任意の好適な手段によって標的細胞へ送達され得る。亜鉛フィンガーを含むタンパク質を送達する方法は、例えば、米国特許第6,453,242号、同第6,503,717号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,607,882号、同第6,689,558号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号に記載され、このすべての開示は、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる。
本明細書において記載されるZFNは、1つ以上のZFNをコードする配列を含有するベクターを使用しても送達され得る。プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルスベクター等を含むが、これらに限定されない任意のベクターシステムが使用され得る。また、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第6,534,261号、同第6,607,882号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号を参照されたい。
ある実施形態において、ベクターは、アデノウイルスベクターである。そのため、異種配列(例えば、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN))を細胞に導入するためのアデノウイルス(Ad)ベクターを本明細書において記載する。
本出願で使用され得るAdベクターの非限定的例としては、ヒトまたは非ヒト血清型に由来する、組換え(E1欠失等)、条件的複製可能(腫瘍崩壊等)、および/または複製可能Adベクター(例えば、Ad5、Ad11、Ad35、または豚アデノウイルス−3)、および/またはキメラAdベクター(Ad5/35等)または操作された繊維(例えば、ノブまたはシャフト)タンパク質(ノブタンパク質のHIループ内でのペプチド挿入)を有する、指向性で変更させたAdベクター。また、免疫原性を低下させ、DNAペイロードの大きさを増加させる、「弱い」Adベクター、例えば、すべてのアデノウイルス遺伝子が除去されたAdベクターが有用である。これは、例えば、ZFNをコードする配列およびドナー配列の同時送達を可能にする。そのような弱いベクターは、ドナー配列が、標的組込みを介して組み込まれるより大きい導入遺伝子を含む場合、特に有用である。
複製欠損組換えアデノウイルスベクター(Ad)は、高力価で産出され得、それらは、多数の異なる細胞種類を容易に感染させる。ほとんどのアデノウイルスベクターは、導入遺伝子がAd E1a、E1b、および/またはE3遺伝子を交換するように操作され、続いて、複製欠損ベクターは、トランスで欠失遺伝子機能のうちの1つ以上を提供する細胞において増殖する。例えば、ヒト293細胞は、E1機能を供給する。Adベクターは、肝臓、腎臓、および筋肉で見られる細胞等の非分裂の分化した細胞を含む、複数の種類の組織を体内で形質導入し得る。従来のAdベクターは、大きい運搬能を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋肉注射による抗癌免疫付与のためのポリヌクレオチド療法を含む(Sterman et al.,Hum.Gene Ther.7:1083−1089(1998))。
臨床試験における遺伝子移動のためのアデノウイルスベクターの使用の追加的な例としては、Rosenecker et al.,Infection 24:1 5−10(1996);Welsh et al.,Hum.Gene Ther.2:205−18(1995);Alvarez et al.,Hum.Gene Ther.5:597−613(1997);Topf et al.,Gene Ther.5:507−513(1998)が挙げられる。
ある実施形態において、Adベクターは、キメラアデノウイルスベクターであり、2つ以上の異なるアデノウイルスゲノムからの配列を含有する。例えば、Adベクターは、Ad5/35ベクターであり得る。Ad5/35は、Ad5の繊維タンパク質遺伝子(ノブ、シャフト、テール、ペントン)のうちの1つ以上を、例えば、Ad35等のB群アデノウイルスからの対応する繊維タンパク質遺伝子で交換することによってもたらされる。Ad5/35ベクター、およびこのベクターの特徴は、例えば、Ni et al.(2005)「Evaluation of biodistribution and safety of adenovirus vectors containing group B fibers after intravenous injection into baboons」,Hum Gene Ther 16:664−677;Nilsson et al.(2004)「Functionally distinct subpopulations of cord blood CD34+ cells are transduced by adenoviral vectors with serotype 5 or 35 tropism」,Mol Ther 9:377−388;Nilsson et al.(2004)「Development of an adenoviral vector system with adenovirus serotype 35 tropism;efficient transient gene transfer into primary malignant hematopoietic cells」,J Gene Med 6:631−641;Schroers et al.(2004)「Gene transfer into human T lymphocytes and natural killer cells by Ad5/F35 chimeric adenoviral vectors」,Exp Hematol 32:536−546;Seshidhar et al.(2003)「Development of adenovirus serotype 35 as a gene transfer vector」,Virology 311:384−393;Shayakhmetov et al.(2000)「Efficient gene transfer into human CD34(+)cells by a retargeted adenovirus vector」,J Virol 74:2567−2583;およびSova et al.(2004),「A tumor−targeted and conditionally replicating oncolytic adenovirus vector expressing TRAIL for treatment of liver metastases」,Mol Ther 9:496−509に記載される。
上で述べたように、ZFNおよび、これらのZFNをコードするポリヌクレオチドは、任意の標的細胞へ送達され得る。
用途
開示された方法および組成物は、所望の導入遺伝子発現レベルによって、ゲノムにおける特異的部位へ組み込まれる単一または複数の導入遺伝子を有する細胞の迅速、かつ制御された生成を可能にする。導入遺伝子の数の制御された組込みは、治療的および非治療的(例えば、基礎科学研究、生物工学的応用、細胞工学)用途の両方を有する。単一遺伝子標的挿入は、遺伝子補正、遺伝子破壊、および遺伝子ノックインに有用である。指定されたゲノム遺伝子座への複数コピー遺伝子挿入は、遺伝子療法の状況における有益な遺伝子の過剰発現、および生物工学的応用(例えば、タンパク質産出の強化)のために細胞株を操作することに対して重要である。
ゲノムへ部位特異的に組み込まれる導入遺伝子の数を制御する能力は、位置効果によって引き起こされる挿入突然変異または変化に富んだ導入遺伝子発現に関連する問題を克服する。加えて、選択過程は、標準増幅手順に必要とされるものより迅速であり、染色体異常を引き起こし難い。
そのため、本明細書において記載される組成物および方法が、制御された標的組込み、遺伝子修正、遺伝子補正、および遺伝子破壊のために使用され得る。本明細書において記載される組成物(例えば、レンチウイルス−ZFNベクター)および方法は、タンパク質の産出のため、および/または様々な遺伝病および/または感染病の治療においても使用され得る。
本明細書に記載されるすべての特許、特許出願、および出版物は、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる。
開示は、明確性および理解のために例として多少詳細に提供されるが、様々な変化および修正が開示の精神または範囲から逸脱せずに行われ得ることは、当業者に理解される。したがって、先述の開示および以下の実施例は、限定として解釈されるべきではない。
実施例1:ベクター構成、および単一または複数の組み込まれた導入遺伝子を有する細胞の選択
図1Cに示されるレンチウイルスベクターは、Follenzi,A.&Naldini,L.(2002)Methods Enzymol.346:454−465に記載されると同じくらい基本的に産出した。相同アーム(左および右)は、CCR5と相同であり、GFPをコードする配列の両側に配置される。CCR5−GFPコンストラクトは、CCR−LVGFPに指定した。簡潔に述べると、293T細胞は、必要な移動ベクタープラスミド、pMD.Lg/pRRE.D64VIntパッケージプラスミド、pMD2.VSV−Gエンベロープコーディングプラスミド、およびpRSV−Revを使用して、リン酸カルシウム沈殿によって同時遺伝子導入した。ベクター粒子は、DEAE−セファロースカラム上で精製し、その後、超遠心分離法によって濃縮した。感染力価は、定量的PCR方法を使用して決定した。図1A、1B、1D、および1Eに示されるレンチウイルスベクターも構築される。
図1A、1B、1D、および1Eに示されるベクターは、以下のように、単一または複数の組み込まれた導入遺伝子を選択するためにZFNと食い合わせて使用した。標的細胞が、Ad5/35ZFNウイルスおよび非組込みレンチウイルスドナーウイルス(図1A〜C)により形質導入される場合、2つの主要な相同組換え(HR)による標的組込み(TI)イベント、単一遺伝子標的挿入およびレンチウイルス2−LTRサークルによる複数コピー遺伝子挿入、が生じる。レンチウイルスLTRによる末端接合(LTR−EJ)およびレンチウイルスゲノム無作為組込みも、非常に低い効率性で生じる。
レンチウイルスコンストラクトI(図1A)は、陽性または陰性選択マーカを介して単一遺伝子標的挿入または複数コピー遺伝子挿入のいずれかの質を選択的に高める。このレンチウイルスドナーコンストラクトを使用して選択され得る結果は、図2AおよびBに概説する。簡潔に述べると、使用される選択マーカは、陽性および陰性選択の両方に対して使用され得るhyg−TK融合遺伝子であり得る。陽性選択(例えば、ハイグロマイシン)の場合、これは、2−LTRサークルの挿入を受けた細胞、かなり低い頻度で、無作為に組み込まれたベクターを有する細胞、相同組換えを介して一端で、非相同末端接合(HR−EJ)を介して他端で組み込まれるベクターを有する細胞、およびLTR(LTR−EJ)の末端接合を有する細胞を選択する。コンストラクト1は、挿入イベントをスクリーニングするためにスクリーニングマーカとともにも使用され得る。
このコンストラクトにおける陰性選択マーカ(例えば、TK)は、2−LTRサークルを受け、単一のTIイベントを完全に残すそれらの細胞を選び出す。しかしながら、未修正細胞も選択される。また、陰性選択マーカは、レンチウイルスベクターの無作為組込みを受けたか、またはNHEJもしくはHR/NHEJの両方を介して組み込まれるベクターを有する細胞を選び出し得る。
陽性または陰性選択マーカの使用は、単一のステップにおいて、単一遺伝子挿入物としての標的遺伝子付加の制御を可能にし、複数コピー、無作為成分、NHEJまたはHR/NHEJを介する組込みの除去を可能にする。代替として、複数コピー挿入は、陽性選択マーカを使用して選択され得る。本明細書において述べられるように、選択マーカは、単一ベクターコンストラクトを使用するいずれかの結果の選択を可能にする二重マーカ(例えば、hyg−TK融合)であり得る。
しかしながら、レンチウイルスコンストラクトIは、陽性選択によって、無作為成分、またはNHEJもしくはHE/NHEJを介する組込みを選び出さない。これらの成分の排除が所望である場合、レンチウイルスコンストラクトIIを使用することができる。レンチウイルスコンストラクトIIは、プロモータを有さない第2の陽性選択マーカを含み、発現され、典型的に相同アームの内側にある活性遺伝子の下流でこのマーカの緻密な挿入を必要とする。内因性プロモータからのこのプロモータを有さない選択マーカの発現は、スプライスアクセプタ(SA)の使用およびイントロンへのその挿入によるか、または内部リボソーム侵入部位(IRES)もしくは2Aペプチドによって、インフレームでそれを切断部位で天然の遺伝子にインフレームで直接融合することによって得られる。これは、発現されるこの陽性選択マーカのために緻密な部位特異的挿入を必要とするため、このマーカは、無作為成分、およびNHEJまたはHR/NHEJを介したレンチウイルスコンストラクトの挿入を有する細胞を選択的に除去し得る。コンストラクトIIは、プロモータを有さないスクリーニングマーカとともにも使用され得、スクリーニングマーカの発現は、天然の遺伝子への直接インフレーム融合に続く内因性プロモータに依存する。
レンチウイルスコンストラクトIIは、導入遺伝子の単一コピーまたは導入遺伝子の複数(例えば、2つ、3つ、4つ、またはさらにそれ以上)コピーを有する細胞の選択を可能にする。例えば、選択マーカ1が陽性選択マーカである場合、ZFNおよびレンチウイルスコンストラクトIIにより形質導入される細胞の選択は、HR−TIによるか、または非常に低い効率性でHR−EJを介してかのいずれかで導入遺伝子の単一コピーを有する細胞を産出する(図3A)。選択マーカ2が陽性選択マーカ(レンチウイルスコンストラクトIと同様)である場合、選択された細胞は、HR−TIを介して挿入される導入遺伝子の複数コピー、および導入遺伝子がLTR−EJまたは無作為に組み込まれるか、またはHR−EJを介して組み込まれる細胞を含む(図3B)。選択マーカ1が陽性選択マーカであり、選択マーカ2が陰性選択マーカである場合、陽性および陰性選択は、複数コピーHR−TI、無作為組込み、および/またはLTR−EJを伴わずに、導入遺伝子の単一HR−TIコピーを含有する細胞を生じさせる。選択マーカ2に対する陽性選択マーカ、および選択マーカ1に対する陰性選択マーカの使用は、導入遺伝子の複数HR−TIコピーを含有し、導入遺伝子の単一HR−TIコピーを伴わない細胞の選択を可能にする。選択マーカ1および2の両方に対する陽性選択マーカの使用は、複数コピーHR−TI(頭尾)および単一コピーHR−TIの両方を有する細胞の選択を可能にする。
レンチウイルスコンストラクトIVおよびVにおける陽性選択マーカの使用は、導入遺伝子の単一コピーを含有し、標的部位へ相同組換えを介して組み込まれる(HR−TI)細胞において高度に質が高められる細胞の選択を可能にする。図4および図5を参照されたい。選択された細胞集団は、導入遺伝子の複数コピーを有する細胞を含有することができるが、選択された細胞集団は、無作為に組み込まれた導入遺伝子またはLTR末端接合(LTR−EJ)によって組み込まれる導入細胞を含有せず、スクリーニングマーカとともにも使用される。
したがって、これらの異なる選択戦略を使用して、ある種類の組込みイベントのために質が高められる細胞集団が迅速に選択される。加えて、集団は、スクリーニング技術を使用してスクリーニングもされ得る。
実施例2:導入遺伝子の単一コピーまたは複数コピーの標的組込み
実施例1に記載される、CCR−LVGFPに指定されたレンチウイルスドナーコンストラクトは、CCR5を標的としたAd5/35ZFNの存在下においてK562、Hep3B、およびヒト間充織幹細胞(hMSC)へ形質導入した。CCR5Ad5/35ZFNの完全な記載に関して、2007年5月23日出願の米国特許出願第11/805,797号を参照されたい。
図6に示されるように、K562細胞における同時形質導入は、1つ(ヘテロ接合)または両方の(ホモ接合)対立遺伝子上のGFPの単一コピーを有する細胞、ならびにGFPの複数コピーを有するヘテロ接合およびホモ接合細胞をもたらした。加えて、コンストラクトの1つ以上のコピーがLTRの末端接合によって組み込まれた細胞も生成した。
各種の組込みイベントからの選択されたクローン、および図6に示されるK562細胞のプールも、サザンブロット分析によって分析した。特に、選択されたクローンの細胞DNAは、PGK−GFP(図7A)またはCCR5左相同アームプローブ(図7B)のいずれかにより精査した。pgf−eGFPプローブを使用した細胞のプールに対するサザンブロット分析の結果を図8に示す。
同様に、Hep3B細胞(図9A)およびヒト間充織幹細胞(hMSC、図9B)のサザンブロット分析は、単一および複数のHR−TIイベントを示す。
経時的なGFPの発現(細胞通過)も、hMSC細胞において評価した。細胞は、CCR−LVGFP単独または0、3、15、および21でAd5/35CCR5−ZFNおよびCCR−LVGFPにより形質導入した。図10、パネルA〜Eは、GFP発現が、ZFNおよびレンチウイルスGFPドナーコンストラクトを含むhMSCにおける細胞通過中、安定していることを示す。
組み込まれたGFPを含む細胞も、脂質生成および骨形成に対して評価した。簡潔に述べると、hMSCは、ポリ−L−リジンでコーティングした24ウェルプレート(骨細胞分化に対して2百万/プレート、含脂肪細胞分化に対して4百万/プレート)において播種した。第2日目、細胞は、分化基本培地(10%ES−FBS、DMEM中1%PSG)および細胞に添加した誘導培地で完全に洗浄した。骨形成誘導培地は、基本培地、および0.05mMアスコルビン酸−2−リン酸、0.1uMデキサメタゾン、10mM β−グリセロリン酸を含んだ。脂質生成誘導培地は、基本培地、ならびに1uM Dex、100ug/ml IBMX、10ug/mlインスリン、および5uMトログリタゾンを含んだ。細胞は、培地を2〜3日おきに新しい培地に交換しながら、約10〜14日間、誘導培地でインキュベートした。
染色のために、細胞をPBSで3回洗浄し、10%ホルマリンに20分間漬け、PBS洗浄により2回洗浄した。骨細胞染色のために、細胞をシグマアルカリホスファターゼ染色キットで染色した。含脂肪細胞染色のために、細胞をプロピレングリコールで5分間さらに洗浄し、その後、プロピレングリコール中のオイルレッドOで2時間染色した。染色後、細胞を85%プロピレングリコールで5分間洗浄し、水で3回濯ぎ、50%グリセロールで保存した。
図11および12に示されるように、GFPコンストラクトが組み込まれるhMSC細胞は、脂質生成および骨形成後にGFPを発現し続ける。

Claims (15)

  1. レンチウイルスLTRの間に、哺乳類細胞の内因性細胞クロマチンの関心領域に対する相同配列である第1及び第2のヌクレオチド配列であって、前記相同配列は、哺乳類細胞の内因性細胞クロマチン配列と同一である、第1及び第2のヌクレオチド配列;及び
    関心領域において前記細胞の内因性ゲノムに組み込まれるように細胞に導入される対象の遺伝子を含む外因性配列であって、前記対象の遺伝子は、関心領域における配列によってコードされないポリペプチドをコードする配列を含む、外因性配列を含むインテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV)ドナーポリヌクレオチドであって
    らに、前記ドナーポリヌクレオチドは:
    (i)前記第1及び第2の相同配列の間に配置された対象の遺伝子、及び前記第1及び第2の相同配列の外側の選択マーカーを含むドナーポリヌクレオチド;
    (ii)前記第1及び第2の相同配列の間に配置された対象の遺伝子及び第1の選択マーカー、及び前記第1及び第2の相同配列の外側の第2の選択マーカーを含むドナーポリヌクレオチド;
    (iii)前記第1及び第2の相同配列の外側の対象の遺伝子及び第1の選択マーカーを含むドナーポリヌクレオチド;ならびに
    (iv)前記第1及び第2の相同配列の間に配置された対象の遺伝子及び選択マーカーを含むドナーポリヌクレオチド
    から成る群から選択されることを特徴とする、IDLVドナーポリヌクレオチド。
  2. 前記第1又は第2の選択マーカーは、陽性選択マーカーである、請求項1に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
  3. 前記第1又は第2の選択マーカーは、陰性選択マーカーである、請求項1に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
  4. 陽性−陰性選択マーカーを含む請求項1に記載のIDLVドナーポリヌクレオチドであって、前記第1の選択マーカーが陽性選択マーカーであり、そして前記第2の選択マーカーが陰性選択マーカーである、IDLVドナーポリヌクレオチド。
  5. 前記陽性−陰性選択マーカーは、hyg−TKである、請求項4に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
  6. 前記細胞は、ヒト細胞である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のIDLVドナーポリヌクレオチド。
  7. 単離細胞への外因性核酸配列の単一コピー又は複数コピーの制御された部位特異的組込みのための方法であって、
    (a)前記細胞において第1の融合タンパク質を発現するステップであって、前記第1の融合タンパク質は、第1の亜鉛フィンガー結合ドメイン及び第1の開裂ハーフドメインを含み、前記第1の亜鉛フィンガー結合ドメインは、前記細胞のゲノムにおける関心領域において第1の標的部位に結合するように操作された、ステップと、
    (b)前記細胞において第2の融合タンパク質を発現するステップであって、前記第2の融合タンパク質は、第2の亜鉛フィンガー結合ドメイン及び第2の開裂ハーフドメインを含み、前記第2の亜鉛フィンガー結合ドメインは、前記細胞の前記ゲノムにおける前記関心領域において第2の標的部位に結合し、前記第2の標的部位は、前記第1の標的部位と異なる、ステップと、
    (c)前記細胞を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の任意の前記IDLVドナーポリヌクレオチドと接触させる、ステップと、を含み、
    前記第1の標的部位への前記第1の融合タンパク質の結合、及び前記第2の標的部位への前記第2の融合タンパク質の結合は、前記開裂ハーフドメインを位置付け、それにより、前記細胞の前記ゲノムは、前記関心領域において開裂され、それによって、前記関心領域における前記細胞の前記ゲノムへの前記外因性配列の1つ以上のコピーの組込みがもたらされることを特徴とする、方法。
  8. 前記外因性核酸配列はcDNAを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記関心領域は、生存能力に対して必須ではない前記ゲノムの領域にある、請求項7に記載の方法。
  10. 前記関心領域は、転写活性のある前記ゲノムの領域にある、請求項7に記載の方法。
  11. 前記外因性配列の単一コピーは、前記細胞の前記ゲノムへ組み込まれる、請求項7に記載の方法。
  12. 前記外因性配列の複数コピーは、前記細胞の前記ゲノムへ組み込まれる、請求項7に記載の方法。
  13. 前記融合タンパク質の少なくとも1つは、前記開裂ハーフドメインの二量化境界面のアミノ酸配列における変化を含む、請求項7に記載の方法。
  14. 前記単離細胞は、哺乳類細胞である、請求項7に記載の方法。
  15. 前記単離哺乳類細胞は、ヒト細胞である、請求項14に記載の方法。
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