JP5952269B2 - 被コートねじ接合の幾何学的パラメーターの測定方法 - Google Patents

被コートねじ接合の幾何学的パラメーターの測定方法 Download PDF

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Description

本発明は被コートねじ結合の幾何学的パラメーターの測定とコーティング沈着過程の品質評価用の非破壊的方法に関する。本方法は石油産業で使われるねじ付き管及び同様なねじ付き物体用に特に好適である。
石油及びガスの管結合に於いて付着ドライコーティングを有する管は、ドープの使用と、該ドープにより引き起こされる欠点と、を避けるため当該技術で既に使われている。特許文献1、2及び3はねじの全体又は1部分がドライコーティングでカバーされるねじ接合を開示している。
一般のドライコーティングは、管端のねじ切り作業を行った後に付けられ、油田での組立操作時の高い耐磨損性と、高い耐腐食性と、の両者を保証せねばならず、この後者の特徴は管端が損傷されないように管の輸送及び貯蔵時に必要である。
ねじが生産過程の遅い段階でコートされるか、又はねじの金属面がカバーされずに置かれる事実から離れて、ねじ、ボルト、又はねじ付き管のねじの様なねじの製造過程時に、品物の幾何学的寸法がその製品の許容差セットに適合することを検証することが必要である。加えて、これらの許容差からの偏差の性質の知識は製造過程へのフィードバックに使われ、それで後の該過程での不良品を避けることが可能である。
品質管理の測定操作を行う中の主な問題は測定の精度と繰り返し精度である。過去に、該測定操作の精度と繰り返し精度を改善し、石油産業で使われる管のねじの様な複雑な機械的物体のねじ形状を測定出来る測定システムを作る企てが持たれて来た。この特定の技術分野では、ピン及びボックスのテーパー、ねじピッチ、ねじ高さ、ピン又はボックスの直径、管の楕円率、ランイン及びランアウトの様な幾つかのパラメーターを測定するニーヅがある。
例えば、特許文献4は精密な機械的システムによりガイドされ、ねじプロフアイルをスキャンし、該ねじのコンピュータ画像のセットを作る非接触レーザーベースセンサーを開示している。次いで、該コンピュータ画像は、ピッチ、リード、谷底半径、逃げ面角度、面粗さ、螺旋角変動、及びピッチ直径の様なねじ特性について定量的情報を得るため解析される。しかしながら、該文献は、該センサーが品物の誤整合の重要問題に明示的には取り組まず、それ故、該センサーは、被測定品物を該機械的システムの座標と整合させる時、操作の絶対的精度を要する欠点を有する。この整合は、該品物がねじ切り機械にある時だけ達成出来る。該ねじ切り機械での測定は幾つかの欠点を有し、それらは、該測定が検査と製造過程を平行してランさせることを妨げることでねじ切り過程にコストの掛かる時間を付加すること、該測定が微妙な光学機器と精密機械部品を切削油と強い振動のある厳しい環境に置くことを必要とすること、そして該測定が検証されねばならない同じ機械的動きを或る程度利用していることである。一旦、該品物が旋盤から外されると、この整合は手動で達成することは非常に難しく、その結果、該文献で開示されたシステムは相対的又は局所的大きさ、すなわち隣り合う頂部と谷底を比較することによるねじ高さ、の測定のみを可能にするが、品物誤整合による導入される誤差はその解では“知られ”ず、これらの場合、該方法は不充分に精密な測定をもたらす。該測定は又、テーパー、ランイン、ランアウト、ブラック頂部、完全ねじ長さの様な重要なねじパラメーター、或いは、幾つか挙げれば、テーパープロフアイル、ピッチ直線性、楕円率のフーリエモード分解、旋盤プレート誤整合、フック端部の角度の厳密性の様な特定プロセスパラメーターの測定に取
り組んでない。
管用ねじが、例えば乾式潤滑剤でコートされねばならない場合、追加の問題が持ち上がる。非コート管の場合に於ける様に、ねじを有する最終製品の許容差セットに適合するために、コーティング過程の後の仕上がり品の幾何学的寸法を保証し、検証することは非常に重要である。加えて、これらの許容差からの偏差の性質に関する情報は、後の生産過程で不良品を避けるために、製造過程へのフィードバックとして使われることが可能である。
測定の精度と繰り返し精度の保証の問題は非コートねじの場合に於ける様に、この場合も最も重要であるが、特に接合がコートされている時、測定操作を行うことのもう1つの重要問題は、従来技術の測定方法が測定手順中コーティング材料が、例えば管の取扱いにより、そして接触型測定デバイスの使用により、損傷されないことを保証出来ない事実である。
従来公知の技術では、一般にコーティングを測定するため提案された幾つかの測定システムがあるが、これら測定システムの僅かが管状製品に付けられたコーティングの測定に言及している。しかしながら、これら測定システムのどれも、管状接合のねじ部分に付けられた乾式コーティングの測定用には特に好適でない。
超音波を使う測定技術が公知であるが、該技術は、石油産業用のねじ接合に適用される様な薄い厚さを有するコーティングには適用出来ない欠点を有しており、何故ならば、該超音波の波長が被測定厚さより遙かに大きいからである。
もう1つの測定デバイスは渦電流を使うが、この技術は、測定デバイスが加工品に接触するよう、又は非常に近く置かれねばならない欠点を有する。この技術を接合のねじ部分に使うのは難しく、それは複雑な形状のためであり、境界効果の発生のためである。形状のために場ラインが変型すること、及びセンサーがねじ面に非常に近くあらねばならぬ事実は2つの重要な制限である。
なおもう1つの測定技術はX線蛍光又は後方散乱に基づき、その場合、該コーティングは照射されるとハイライトになり、該蛍光はコーティングにより再吸収される。かくして、測定される蛍光量は厚さに比例する。その結果は幾つかの要因に影響される。それは一般的に適用可能な技術ではなく、複雑な場合、結果はX線の入射角に左右される。もう1つの重要な欠点は操作者に有害なX線の使用である。
同様な測定技術が赤外線(IR)吸収に基づくが、その場合、該コーティングの励起が可視光により行われる。その適用は、該コーティングが、光により励起可能な材料製であるかどうかと、IR吸収の程度と、に左右される。
それ故、測定が、繰り返し可能で、満足出来て充分に精密な仕方で行えて、ねじ接合に一般的に使われる測定デバイスと方法を提供するニーヅが感じられている。
欧州特許第EP1554518号明細書 欧州特許第EP1954953号明細書 欧州特許第EP2102542号明細書 米国特許第5712706号明細書
それ故に、本発明の目的は前記の欠点と限界を克服する測定方法を提供することである。
本発明の主な目的は、ねじ付き物体、特に送油管用ねじの、特にピンとボックスの精密で、自動的に行う、非接触検査の方法を提供することである。
上記で述べた目的と、下記説明を見ると明らかになる他の目的は、本発明に従って、少なくとも1つの層によりコートされたねじ付き物体のねじパラメーターの測定方法で達成されるが、そこでは、ノーズを有し、そして第1座標軸線を含む第1空間基準システムを規定する該ねじ付き物体、の形状を回収するよう適合された少なくとも1つの光学的センサーを組み入れた測定デバイス、が提供され、該測定デバイスは、第2座標軸を含む第2空間基準システムを規定し、該第2空間基準システム内で該ねじ付き物体を表す2次形式を記述する第1マトリックスを計算するプリセットのアルゴリズムを記憶するコンピュータ手段を提供し、かくして該第1及び第2空間基準システムの間の関係を提供しており、該方法は、該ねじ付き物体のコーティング操作の前に、
a)測定点が沿って選択される該ねじ物体上の該少なくとも1つの光学的センサーの少なくとも1つの軌道を予め規定する過程であって、該選択が該測定点の座標値が挿入された該マトリックスが最大階数を持つよう行われる該予め規定する過程と、
b)前記少なくとも1つの軌道に沿って該少なくとも1つの光学的センサーによる第1スキャン操作を行い、該予め規定された測定点のデータを回収する過程と、
c)該ねじ付き物体の該第2空間基準システムに対する相対位置を規定するために、該データを該プリセットアルゴリズムに供給し、該第1空間基準システムを該第2空間基準システムへ関係付ける軸変換マトリックスを計算する過程と、
d)回収された全データを、該第2空間基準システムから第1空間基準システムへ変換するために該軸変換マトリックスを使い、そこで第1測定結果が規定される過程と、
e)該測定デバイス(1)から該ねじ付き物体を外し、間に合う次の瞬間に、適当な場所で該ねじ付き物体のコーティング操作を行い、そこでコーティング材料の少なくとも1つの層が該物体表面の少なくとも1部分に付けられ、コーティング操作が行われると、該ねじ付き物体を該測定デバイス(1)上に設置する過程と、
f)前記同じ少なくとも1つの軌道上で方法の過程a)からd)を行い、そこで第2測定結果が規定される過程と
g)第1及び第2測定結果を比較し、それにより全ての測定点に於けるコーティングの厚さが計算される過程と、を具備する。
下記説明では、我々は軌道をセンサーが空間を通して追随する経路として呼び、センサーに関する表面位置の値のシーケンスを記述する。
本発明の方法は下記の幾つかの利点を達成する:
・被コートねじ接合上への該方法の使用は精密で自動的に行われる測定を提供する。これは、被コート面と測定器具の間の接触がないので非破壊方法である利点と組み合わされ、それにより測定操作時の被コート面の損傷の発生が劇的に最小化されるが、それはレーザーセンサー又は他の光学的センサーの様な非接触センサーの使用のためである。
・該方法はねじ特性、例えば、テーパー、シール直径及び楕円率、ランイン、ランアウト、ねじ直径及び楕円率、管の複数の母線に沿うピッチおよびステップ高さについて定量的情報の取得を可能にする。
・該方法はねじ付き管と該測定装置の間の何等かの誤整合に関係なく、幾つかのねじパラメーターと管の特徴に関し絶対測定が行われることを可能にする。
・被測定物体は、該測定デバイスに対するその位置及び整合に関係なく、行われるスキャン及び適合過程のシリーズにより精密に空間内に配置される。
この方法の重要な特徴は、ねじの基準フレームが該ねじ付き物体が該測定デバイスに対して有する位置と、被コート及び未コートの面の条件と、から独立して、検出される事実であることは評価される。この特徴は、コーティング操作の前及び後に測定過程を行う時、同じ軌道に従うことを可能にする。
それ故、被コートねじ付き物体の幾何学的パラメーターが測定され得るのみならず、コーティング沈着過程の質も検証され、アセスされる。
コーティング厚さを測定出来るが、ねじの寸法許容差を測定するよう設計されてない従来技術の方法に優って、本発明の方法はコーティングエヌデーテー(NDT)の加えてねじの最終寸法許容差の測定の両問題を解決する。
本発明が、非限定的例により与えられる本発明の好ましい実施例に従って、付随図面により、今説明される。
本発明の方法を実施する測定デバイスの不等角投影略図を示す。 本発明の方法を行う測定デバイスの斜視図を示す。 本発明の測定方法のスキームを示すフローチャートである。 データ取得手順のステップの結果を示すグラフ線図である。 本発明の測定方法が行われる被コートねじ付き物体の詳細を示す。 データ検出手順の更に進んだステップを示すグラフ線図である。 測定が行われるねじ縦断面のスキームを示す。 データ取得手順の更に進んだステップの結果を示すグラフ線図である。 荷重逃げ面の仮説的割り当てを示すグラフ線図である。 螺旋スキャンの結果を示すグラフ線図である。 シールスキャンの結果を示すグラフ線図である。 本発明の方法が使われるねじ切りのスキームを示す。 ねじ谷底スキャンの結果を示すグラフ線図である。 ねじ頂部スキャンの結果を示すグラフ線図である。 本発明の方法が使われるねじのスキームを示す。 ねじランインスキャンの結果を示すグラフ線図である。 本発明の測定方法により提供される結果を示すグラフ線図である。 頂部及び谷底の線形適合を使うねじ上のステップ高さ計算を示す。 もう1つのねじスキャンの結果を示すグラフ線図である。
図1及び1aを特に参照すると、レーザー変位センサーに基づき、直交軸線X、Y、Zにより規定されるそれ自身のカーテシアン基準システム2を有する、要するに、この後“測定”デバイス1と呼ばれる、自動ねじ検査光学的システムのスキームが示されている。測定されるピン3のねじ部分は該図の左に示される。このピンは直交軸線X’、Y’、Z’により規定されるそれ自身のカーテシアン基準システム4を有する。図1で該ピンはベンチ6上の休止位置の該測定デバイスから遠くに位置付けられている。
本発明の下記説明では、簡単のために、送油管又はガス管のピンが参照されるが、しかしながら、本発明がねじ、又は同様の物体の様な、何等か他の同様のねじ付き物体用にも応用を有することは理解される。全てのこれらの種類の物体は、測定方法の或る段階で、何等かの種類のコーティング技術を使って乾式潤滑剤層でコートされるが、そのコーティングにより達成されるべき機能に依り、コーティングとして使われる他の種類の材料も等しく使われてもよい。該コーティングはそれらの略図としての性格とマイクロメートルの桁の該コーティング層の小さな厚さとのために、付図には示されず、指示もされてないが、図は被測定物体上にコーティングが存在する場合にも適用することは理解される。
該デバイスの最初の設置が行われる時、本発明の測定操作を行うために、ピン3は測定デバイス1上に設置され、それぞれピン及び測定デバイス1の基準システムは、該デバイスにより提供される水平及び垂直の角度及び横方向変位運動を使って、相互に技術的に出来るだけ近く置かれる(図1参照)。それにも拘わらず、全ての出来るだけの注意をしても、該2つの基準システムは精確には一致せず、そして該測定デバイスに対する、該管の基準システム2の角度及び横方向位置の両面での、小さな誤整合がなお存在する。更にその上、もう1つのピン3が位置付けられると、その角度及び横方向位置は、配置誤差及び品物間の幾何学的差(フック端部の様な)のために前のピンとは異なる。これらの理由により、操作条件下では、該測定デバイスに対するピンの、もっと一般的には管のねじ部分の誤整合は、線形変位でミリメートルの桁、角度変位で1度の桁、となるのが一般的な場合である。各ピンの位置を調整することによるのみで、小さな誤整合値は正され得るが、しかしながら、そのシナリオは真実には実際的ではない。本発明は最初の設置後に、図1及び1aに示すノブ7の何等の横方向及び垂直の調整無しに該デバイス作動の目的を達成する。
測定デバイス1は、機械的移動を最小化するために1つのアルミニウム片から有利に機械加工されたヨークピース上に設置された2つのレーザー変位センサー5’及び5”を有する。このピース又はヘッドは、U軸線の周りにピボット運動することが出来る回転ステージ上に設置され、レーザーセンサー5’及び5”と共に、該測定デバイスのヘッドに属する。各センサー5’、5”はXステージ上に設置されるが、該Xステージは、線形ロータリーモーターにより、半径方向、すなわちX軸線方向に動くことが出来る。Y軸線に平行で、X軸線に直交するこれらのステージの角度的及び線形の移動は、該ステージが同じ線に沿って整合されることを可能にする。両レーザーセンサー5’及び5”は、該デバイスの回転中心に対してレーザー放射の中心を整合させるよう、横方向及び角度変位により調整されることが出来る。
Xステージは加えてモーター駆動されるので、該ステージは、センサーを常にそれらの範囲内に保持しながら、製品直径の自動変更用に使われてもよい。
最後に、該ヘッドを該デバイスのZ軸線に平行に変位させることを可能にする(Z軸線に沿って動く)線形ステージが提供される。Z軸線に沿って移動可能な、該線形ステージは、ベース上に設置されるが、該ステージは、該デバイスが初めてセットアップされる時、図1aに示す様に該ベースに対するスムーズな変位を可能にするために、その底部をハードコートされている。例えば、各コーナーに1つ置かれた4つのノブは、平面内の水平の角度及び横方向の変位を許容する。一旦、初期整合が達成されると、動きを避けるよう構造体全体を固定するために、ねじ、又は等価の手段、が提供される。高さと平面外の角度的整合を調整するために、4つの脚部の各々上に楔型パッドが提供されるのが有利である。
全てのこれらの調整の可能性は、工場内の該デバイスの容易な初期設置を提供し、レベリング許容度、コンベヤー整合、そして工場床レベリングでの不完全さ、への小修正での対応を可能にする。
ねじ付き物体上で測定を行うためこの測定デバイスが使われる仕方を以下で説明する。上記説明の様に初期設置が行われた後、典型的な測定操作は2つの主な部分、すなわちデータ取得とデータ解析、を有する。
データ取得手順をここで説明する。この手順中、レーザーセンサー出力信号とサーボの位置は、ウインドウ及びカウンターを可能にするハードウエア信号の使用により保証された同期した仕方で記憶される。下記では、使用される信号の説明が与えられる。
図2は、一旦、初期校正とプラント設置が行われた後に、測定過程全体を支配するデータ取得手順の総合作業スキームを、フローチャートで示す。該スキームは、管が測定デバイスに整合された位置にあることの検証でスタートし、次いで測定デバイスは、該測定デバイスの基準フレームに対する管ノーズの相対位置を見出すために、管のねじ部分に沿う第1縦スキャン操作を行う。該ノーズの相対位置が検出された後、測定中報告される全距離はその点を基準にされる。もし、ねじ付き管の測定操作が唯1つのスキャン操作のみを提供するなら、そのデータはセンサー5’及び5”により追従される経路に属する点に対応してのみ集められる。これが一般的に行われるのは、集められるデータがユーザーのニーヅに十分であると考えられるからである。
もし、ねじ付き物体上の測定手順が、ねじ部分のコートされた又はコートされない面上の幾つかの軌道に沿う幾つかのスキャン操作を提供するなら、データも又これらの軌道に沿う予め規定された点上で集められる。データが集められる測定点の選択は、2次形式を記述するマトリックスが、これらの点に対応する値が該マトリックスの中に挿入された時、最大階数を有する様な仕方で行われる。
本発明の方法の好ましい実施例では、複数の、例えば、6つの、縦プロフアイルが等しく隔てられた角度ステップでスキャンされる。これらのスキャンにより集められたデータは、偽のピークを除去し、エンコーダーカウントを物理的ユニットへ送るよう処理され、次いで測定デバイス基準フレームに対するねじ角度誤整合の第1見積を計算し、6つのスキャンに対応する6つノーズ位置を平均化することによりノーズ位置を再割り当てするため使われる。
これらのスキャン操作は又、ねじの頂部及び谷底の位置を検出し、そしてねじの頂部又は谷底の中央上の連続的スキャン操作を可能にするために、この情報を内挿することにより、螺旋軌道表を規定するために使われる。これらの螺旋スキャン操作により取得したデータは又調整され、ねじ基準フレームに対する誤整合を精密に測定するため使われる。こ
の操作及びねじの配向を検出した後、シール又は複数シール用表、ランインとランアウト軌道が、品物基準フレーム(X’、Y’、Z’)内で作られ、デバイス座標システムに変換されそして実行される。
スキャン操作の終了後、測定デバイスのヘッドはその休止位置に戻り、テスト下のねじの全パラメーターを得るためにデータ解析が始まる。
該ピン3は次いでデバイス1から外され、間に合う次の瞬間に、該ねじ付き物体のコーティング操作が適当な場所で行われる。コーティング材料の1つ以上の層が該ピンねじ及び/又は表面の少なくとも1部分上に付けられる。該コーティングは又、何等かの公知の技術により、ねじ頂部、逃げ面又は谷底の様な、ねじの特定面上に付けられてもよい。
コーティング操作が行われると、ピン3は又デバイス1又は同様なデバイス上に再び設置され、上記説明の測定ステップが、該ねじ部分の表面上の同じ予め規定された軌道上で再生され、そしてデータはコーティング操作の前に選択された、これらの軌道に沿う同じ予め規定された点上で又集められ、そして既に説明した同じ計算が再び行われる。結果として、コーティング前及びコーティング後に得られたデータの比較が行われ、この仕方で、該ピンの全測定点のコーティングの厚さが計算される。
前に広い用語で説明された測定手順は、該手順を幾つかのステップに分けて、この後詳細に説明され、そしてねじの一連の特定パラメーターを計算するための本発明の測定方法の種々の実施例を示す。この手順は、ピンがコートされる前と、ピンがその表面に付けられたコーティングを有した後、の両段階に適用され、そして本発明の測定方法が、中間層と、種々の層の重なりから生じる最終層の品質を測定するために、コーティングが連続する個別層で作られる場合に有利に適用され得ることは評価される。
データ取得の第1ステップはノーズ検出であり、該検出はノーズが配置されると見積もられる2つの基準距離間のZ軸線に沿う線形スキャンの実行から成る。この線形スキャンは該測定方法で予め規定された単なるスキャン操作であるか、又は該スキャンは又複数の連続スキャン操作の最初のスキャン操作であり得ることは評価されるであろう。レーザーセンサー5により提供される信号は範囲外(OOR)値の存在又は不在のチェックを行うことにより更に解析される。オーオーアール(OOR)値は、物体がセンサーの測定範囲内に見出されない時、センサーにより送られる非有効点(すなわち、センサーの物理的範囲外の)から成る。これらの信号は、例えば50データ点のサンプルウインドウを規定し、全てのサンプルがオーオーアール(OOR)でないことを検証することにより処理される。データ点の数は、ピン表面の形状、ねじの種類、接合の種類他の様な幾つかの要因に依り、勿論50の上か下か何れかであってもよい。サンプリングウインドウは1ステップ更に先へ動かされ、送られる信号の値は、そのウインドウ内の全サンプルが処理後に有効データ点として認識されるまで、又チェックされる。そのブロックの最初のサンプルがピンのノーズ位置として規定される。図3のグラフ線図はノーズ検出中のスキャンにより作られた結果を示す。それはレーザーセンサーの管ノーズとの邂逅の前のオーオーアール(OOR)値を示し、ドット20は、Z軸線に関する、ノーズが検出された位置を示す。この点が検出された後、スキャンは停止され、データ取得手順の次のステップがスタートされる。
管及びシールの直径の測定が必要な時の場合を除けば、相対距離測定に基づく大抵の関心のあるねじパラメーターの測定用にはノーズ位置の精密な決定は必要でない。これらのパラメーターはノーズ位置に対し精密な距離で測定されるが、それは他の場所で測定されるならば、ねじテーパーがその値を変えるからである。
ノーズ位置が決められた後、この検出が必要な場合には、幾つか、例えば3回(しかし、より多い数又はより少ない数であってもよい)、の縦スキャン操作が、両レーザーセンサー5’、5”から同じ時刻に出力を得ることにより、Z軸方向に沿って行われる。スキャン範囲ウインドウの限界の規定は図3aで一般的に表される。測定デバイスのヘッドは、その休止位置から、Wm1で示され、ノーズマージンの端部にあるノーズ位置に対応する、測定ウインドウの第1位置へ戻るよう駆動される。
センサーが位置Wm1に置かれると、安全点Zへの動きが示され、エンコーダーカウントをリセットするウインドウ信号が可能にされる。レーザーセンサーにより得られるべきエンコーダーカウントの数は、測定ウインドウ長さ内に埋まるようプリセットされる。このプリセットされた数に達すると、測定デバイスのヘッドはWm2で示された点で停止するよう命じられる。この仕方でエンコーダーカウントと相俟ってレーザーセンサー5’、5”からの測定値は測定ウインドウセグメント内で得られる。縦スキャンは次に逆方向に実施される。レーザーセンサーにより得られるべきエンコーダーカウント用の同様な限界が反対方向でのこれらの動き用にもセットされる。休止位置への逆方向のこの動きは、点Wm2からスタートし、点Wm1で終わるが、そこでは該センサーは該測定ウインドウを埋めるよう予め決められたエンコーダーカウントに達した後、停止する。
図6は典型的縦スキャンを示すが、そこでは180度離れた角度間隔に置かれた両レーザーセンサー5’、5”により発生された信号が得られる。この例では、該3つのスキャンが6つのプロフアイル、すなわち3つのプロフアイルの2グループ、に帰着するが、各々はテスト下のねじのレーザーセンサー5’、5”の1つに対応し、ねじ誤整合の第1見積を与えるよう役立つ。必要ならば、本発明のデバイスは、信号を発生する2つのレーザーセンサー5’、5”の1つのみで運転されてもよい。
例によりここで与えられるスキャンの量は、被測定物体により、そして被探索パラメーターにより、3つより多くても、少なくてもよい。これらの特定の場合、6つの母線に沿うピッチ及びステップ高さが被探索パラメーターである。
本測定方法のもう1つの変種は、Z軸線に平行な多数の縦スキャンを行うことにより作られるねじ頂部及び谷底の上の選択点の検出から成るデータ取得操作を提供する。これらのスキャンから集められたデータも又、1つはねじ頂部に沿い、もう1つはねじ谷底に沿う、2つの連続する螺旋スキャン操作が沿って行われる、軌道の規定用に使われる点がねじ谷底及び頂部上に決められることを可能にする。この仕方で前に発生されることにより、該軌道は、物体がX’、Y’、Z’座標システムに対し誤整合されている時にも、スキャン操作時に頂部から落下したり、谷底外を登ったりすることを避ける。
この測定操作の最初のステップは、各縦プロフアイルの荷重逃げ面の検出から成るねじ荷重逃げ面の検出でスタートする。これは全データベクトルの微分と、プリセットされたしきい値を乗り越える値の評価により行われる。全部ゼロ値を有するベクトルが発生され、荷重逃げ面の存在を示す候補である検出点を排除する。
特定の検出幅の歯と、該歯間の名目ピッチ間隔と、を有する理論的櫛を表すもう1つのベクトルが発生される。これらの2つのベクトルが相互相関を取られるが、それは該櫛と、該相互相関を最大化する荷重逃げ面21候補ベクトルと、の間の相対位置を見出すためである(図5参照)。該相互相関を取る過程は該2つのベクトルのスカラー掛け算を行うことと、それらの相対ベクトルインデックスを変えながら最終ベクトルの和を見出すこと、から成る。
次に、荷重逃げ面21が、下記基準により、各櫛歯用の候補として見出された点に対応
して割り当てられる:
・もし、1つの候補逃げ面があれば(タイプ0として規定される)、この逃げ面は真の荷重逃げ面である。
・もし、候補逃げ面が無ければ(タイプ1)、螺旋軌道を作る目的で該ねじ櫛インターバルの丁度中央に逃げ面が創られる。
・1つより多い候補滑り面が存在すれば(タイプ2)、ねじ櫛内に偽逃げ面があるので、該ねじ櫛インターバルの中央点の最も近い逃げ面が真の荷重逃げ面として決定される。残りのものは立ち去らせる。
・もし、該インターバル内で範囲外が見出されたら(タイプ3)、逃げ面は見放され、螺旋軌道を作る目的で仮想逃げ面が創られる。
図7は、荷重逃げ面を割り当てるために可能な3つの既述の場合の仮説荷重逃げ面候補と櫛ベクトルとを示す。
該測定方法のもう1つの変種は頂部及び谷底に沿う点の割り当てを提供するが、そこでは該頂部及び谷底セグメントは、図5に示すパラメーターRc、Rc2,Rv及びRv2を有するねじの機械的図面に従って規定される。
各セグメントは該セグメントが線であるべきことを考慮してオーオーアール(OOR)と起こり得るピークを濾し去ることにより調整される。次いで、谷底か頂部か何れかに対応する点が中間セグメント点として計算される。
図7は谷底及び頂部点であるとして検出された点が示される縦スキャンを示す。グラフ(a)は荷重逃げ面用の候補を示し、グラフ(b)は理論的櫛を示し、グラフ(c)は相互相関を示し、グラフ(d)は荷重逃げ面用候補を示し、グラフ(e)は変位された理論的櫛を示し、グラフ(f)は割り当てられた荷重逃げ面を示す。この図から見られる様に、ねじ部分内の決められた点を、ノーズ位置の前へ、そして管の非加工部分がスタートするねじの端部の後へ配置するために外挿することにより各点が発生される。これは、螺旋スキャンの実行時にねじ部分にスムーズに入り、そして出るために、該測定デバイスの基準フレームに対するねじの位相を得るために、ブラック頂部の位置を見積もるために、旋盤偏心軸線を計算するために、そして管フック端部を測定するために、行われる。
各縦スキャン操作で決められた全谷底点は又、測定デバイス基準フレームに対するねじ角度誤整合の第1見積を集めるように、解析されるべきねじの円錐を表す2次面を適合させるため使われる。頂部点は好ましくはこの計算に使われない方がよいが、それは下記の2つの主な理由、すなわち
a)これらの点の決定は谷底点のそれよりも不精密であること(すなわち谷底の決定が行われるピンの部分がより長い)、
b)製造過程で発生する“ブラックねじ”の存在の故に、ねじ面円錐上の谷底点の数が頂部点のそれよりも多いこと、
に依っている。
2次面の一般的マトリックス形式は式[1]で記述され、
Figure 0005952269
ここで
Figure 0005952269
は3次元空間内の2次面の点であり、Aは該2次式に関連する対称マトリックス(標準形フレームで表すと、それは9つのパラメーターすなわち、並進用の3つ、配向用の3つ及び2次形式用の3つにより形成される)であり、そして
Figure 0005952269
は2次変位ベクトルである。
選択されたデータは、最小二乗近似法を使って[1]に示す表現に適合され、該表現から該2次式のパラメーター(例えば、A及び
Figure 0005952269
に適合するパラメーター)が得られる。
これらのデータは測定デバイスとねじの基準フレーム間の線形変換及びその逆変換の適合に有用である。
次の操作はねじの谷底及び頂部の両者に沿う螺旋スキャンから成る。各縦スキャン用に谷底及び頂部の中点位置に関連して前に得た情報が、内挿され、2つの螺旋スキャン表を作るために、内挿され、使われる。全部の谷底中点がねじ座標フレームに変換される。後で、t対Z配備から生じるデータ上で線形適合が行われる。次ぎに、該適合された線を規則的ステップで分割する新しい点のセットが発生される。これらの点は測定デバイス基準フレームに戻るよう変換され、サーボ基準の計算用に制御器へ送られる。同じ手順は、頂部スキャン表を発生するために頂部中点にも適用される。
好ましくは、Z軸線を考えて、谷底スキャンはノーズからスタートして実行され、一方頂部スキャンは反対方向に実行されるのがよい。図5は測定デバイス基準フレームに関して表された典型的谷底及び頂部スキャンを示す。谷底螺旋スキャンから得られたデータは、ねじ誤整合に対する測定デバイスのより良い見積を計算するために使われるが、又該データはデータ解析で応用される基準フレーム間変換を再計算するためも使われる。
図8は測定デバイス基準フレームについてのt対Zグラフを示しており、得られたデータとして、そしてねじ基準フレームについてのグラフ(a)と、該螺旋スキャンから計算された誤整合見積を使って変換されたグラフ(b)とを示す。図8のグラフ(a)は左で誤整合が取得手順にどんな影響があるかを示す。
測定法の特定の実施例では、データ取得手順はねじのシールのスキャンを提供する。この場合、ノーズから予め決められた距離でねじ基準フレームに関して理想的円軌道が発生され、次いで該スキャン実行用の測定デバイス基準フレームに変換される。図9は典型的シールスキャンの結果を含む2つのグラフを示し、そこではグラフ(a)は測定デバイス
基準フレームで表された該スキャンを、グラフ(b)はねじ基準フレームでの該スキャンを示す。
このスキャン軌道はピンノーズから予め規定された距離でスタートし、ねじ付き物体と整合して実行されねばならず、何故ならばノーズプロフアイルは複雑で、測定される半径は精確な測定位置に非常に左右されるからである。ノーズ位置の良い見積は複数の、例えば6回の、スキャンが行われた時に計算される。この例では、6つの縦スキャンの各々で検出されたノーズ位置が回収される。これらのデータは次いでねじ基準フレームに変換され、1つの、より精密なノーズ基準を得るために平均化される。
該測定方法のもう1つの実施例では、デバイス基準フレームに関するねじの位相が該螺旋谷底スキャンから回収され、縦軌道は、該軌道がランインの測定用の検査レポートで決められた測定点を通過するよう、ねじ基準フレーム内に、セットされる。同様に、軌道はランアウトの測定用に規定された点用にセットされる。
データ取得操作が完了した後、得られたデータに関し、データ解析が行われるが、本発明の測定法の最終部分として、ねじ基準フレームに変換される。異なって示されない限り、下記では、全データはねじ付き物体基準フレーム上で表される。
大抵のパラメーターはねじ上に取られた種々の長さ基準に関して示され、そしてノーズ位置を基準にされる。図10は下記で言及するデータ解析で使われる3つの主な基準を示す。
L5はねじの始まりまでの長さ;
L2はねじ直径及び楕円率計算用の基準長さ;
Lcはねじパラメーターが許容差を充たさねばならない最小長さ;
L4は谷底及び頂の終わりまでの長さであり、該長さはランアウトが測られるプルアウト長さより短い。
テーパーの決定はデータ解析の1つの演算である。円錐ねじの外面を記述する方程式は下記である。
thread=(R−A・Zthread) [2]
ここでtthread及びZthreadはねじ基準フレーム内の半径方向及び方位角座標であり、
は原初半径,Aはピンねじのテーパーである。
該テーパーを計算するために、ねじの谷底スキャンからt対Z関係が使われる。曲線のセグメント23に対応してL5とLcの間で前に得られたデータが図11で示すように解析される。Aのテーパーの値を含む傾斜を計算するためにこれらのデータ23上で線形適合が行われる。その線形適合に対するデータの偏差が計算される。それらの偏差は、例えば、ねじ物体に沿う管剛性の変化による未補償の力と、旋盤上での管の過剰締め付けの様な、機械加工過程に関する情報を含む。この情報はねじ位置の関数としてのフーリエモデル解析を使って引き出されてもよい。例えば、大きな3モードは旋盤上の管の過剰締め付けを意味し、一方、基本モードの放物線動作は工具がLcの端部の前で取られたことを意味する。
図12の曲線のセグメント25に対応するねじ全長は頂部スキャンから集められたデータを考慮して解析される。最初に、セグメント24に対応するL5とLcの間の、取得され、フィルターされたデータを使って線形適合が行われる。該線形適合に関するデータの偏差が計算される。次ぎに、図12の曲線のセグメント26に対応し、この線形適合より0,1mmより多く大きくなっているL5を越える値が識別される。これらの値を用い、
新しい線形適合(Z位置及び誤差を使って)が行われ、ゼロに対応する横座標が計算される。この値は図12に示す様にねじ全長の上限として規定される。図12に示す管の未加工部分を使って更に進んだ解析が行われる。これらの値は“バージン”表面を有する管に対応し、該部分を加工する瞬間の該管に対するねじの位置の情報を提供する。例えば、もし旋盤がその誤整合したプレートを有するなら、該ねじは該管に対し軸線離れをしており、又該管がフック端部を有するなら、該管とねじ軸線は平行でない。それらの変数は、管とねじ座標システムの間の変換を見出すことにより、容易に計算される。
もう1つのデータ解析演算は、ねじ直径と楕円率の計算に関係する。ねじ直径と楕円率は、谷底螺旋スキャンを使って2つの方法で評価される。解析されるデータは、L2±2ねじピッチに対応するゾーン内に含まれるデータである。このゾーン内で規定され、ねじ横断面図を示す図13(a)を参照した谷底点が、線形適合され、該適合後にこの適合された線形関数は、該半径を得るため評価される。
代わりに、各半径用の谷底点の決定は、有利な3度の角度間隔27で等しく隔てられた母線上で行われる。ねじ平面図を示す図13(b)を参照すると、各母線上で、各谷底用データは、典型的に、しかし必ずしも必要でないが、5度の母線幅29を考慮して、平均化される。この実施例は、エムアールピーゲージ(MRP gauge)で使われるミル手順と同様である。
図13(b)の円28を参照すると、ねじ正面図を図解する図13(c)に示す直径計算用の反対の母線と共に、規定された点の半径が3度のステップで0から180度に及ぶ母線について、計算される。続いて、ねじ直径と楕円率が下記関係により計算される。
直径=(Dmax+Dmin)/2 [3]
楕円率=(Dmax−Dmin)/2 [4]
ここで、Dmax及びDminはそれぞれこの過程を通して計算された最大及び最小直径である。結果は図13(d)で示される。
データ解析手順のもう1つの演算はランイン評価であり、これはねじ基準フレームに関して行われる縦スキャンから得られる。図14はこれらのスキャンの1つを示し、該スキャンはランインが計算される領域の詳細を示す。
最初に、L5+ピッチとLcとの間のフィルターされない谷底データ点を用いて線形適合が行われる。この適合された線が、図5に示されるRv及びRv2により規定され、L5と呼ばれるセグメント内に含まれる谷底データと比較される。線形適合は、その比較から生じる誤差配列上で行われる。次いで、谷底中間セグメント値で評価されるこの適合と、前の適合との間の差がランイン値として規定される。
次ぎに、ランアウト解析が該ランイン用に行われた演算と同様な仕方で行われる。
なおもう1つの演算はピッチ決定であり、縦スキャンから発生した荷重逃げ面が解析される。
各縦スキャンについての荷重逃げ面値を有するベクトルは、L5+ピッチとLcの間に逃げ面を保つよう切り捨てられる。これらの逃げ面の中で、タイプ0の逃げ面だけが受け入れられる。残りのタイプは捨てられ、真の荷重逃げ面確認として信頼されないと考えられる。
図15は仮説縦スキャンと、確認された荷重逃げ面の位置を示す。曲線Cは、もし測定デバイス基準フレームで表された場合、これが如何になるかであり、そこでは、誤整合
の影響は、ねじ母線の悪化の故に、逃げ面位置の傾向の曲率(2次形式)で気付かされる。この影響は、又Zスキャン位置が延びるにつれて、逃げ面位置間の増加する間隔でも視認出来る。
ねじピッチを計算するために、データは図でC2により示される、ねじ基準フレームに変換されねばならない。このフレームで表されるデータは直線傾向を有し、そこでは逃げ面位置は等しく隔てられてないが、該線形適合の傾斜がねじピッチである。
計算され、ソフトウエアにより得られる2種類のピッチがある。
第1のピッチは、検出される全逃げ面についての線形適合の傾斜から計算される。
第2のピッチは、その間隔が解析されるねじに左右される2つの逃げ面により形成される線の傾斜から計算される(この測定は約2.54cm(インチ)当たりねじ数に関連して行われねばならない)。
得られたデータが各縦スキャンについてのピッチに関する情報を与えることは評価されよう。
本発明の測定方法は楔形プロフアイル、すなわち、歯幅の漸進的増加を有するプロフアイル、を備えるねじの測定に特に有利であり、特に楔形プロフアイルが軸方向断面でダブテイル形歯プロフアイルと組み合わされた時、有利である。
ダブテイル歯プロフアイルを有する楔形ねじの場合、頂部と谷底の測定は上記説明の螺旋スキャンを提供し、該螺旋軌道は荷重及びスタビング逃げ面間の中間距離に沿いセットされた中間位置に対応する線か、又は前記中間位置に平行な何等かの他の螺旋軌道、に従う。
従来技術の方法は又、楔形ねじの測定及び管理は全ての測定値が従来のボルト点と呼ばれた基準点から取られることにしている。該ボルト点はボール、すなわち予め決められた直径の小さな転がりボールを有する測定要素を、谷底に沿って送り、歯幅がねじに沿って可変なので、該ボールが谷底で付いた侭になる点を設定することにより規定される。該ボルト点が管の正面に対し配置される距離と母線が、楔形ねじの全パラメーターを測定する基準点を決める。
本発明の測定方法によれば、ボルト点を設定するこの操作は行われる必要がなく、それはねじパラメーターが該管の端部に位置する基準点から測定されるからである。
この点の決定は、測定デバイスの空間基準システム(X、Y、Z)内の全ての荷重及びスタビング逃げ面を検出し、次いでそれらを、上記で説明した様に、回収された全データを1つの空間基準システムからもう1つの空間基準システムへ変換する軸変換マトリックスを使うことにより、該ピンの空間基準システム(X’、Y’、Z’)内で表すことに基づいている。
一旦、逃げ面位置が該ピンの空間基準システム(X’、Y’、Z’)で表されると、Zrが逃げ面の軸方向位置であり、Urが逃げ面母線である“Zr−Ur”面上で線形適合が行われる。この線形適合は、ねじの全部の荷重及びスタビング逃げ面について別々に行われる。
最後に、前のパラグラフで説明された様に、調整された2つの線の間で引き算が行われ
、ねじ全体について“谷底幅”を得て、楔効果用に該谷底内に該ボルトが付けられる“谷底谷”の値(Zr−Ur)を見出す。
楔形プロフアイル用の本発明の測定方法は又“ヒグビー(Higbee)”測定も有する。ヒグビーは従来、ピンのノーズに作られたベベルに隣接する最初の不完全ねじのカットと規定され、そのねじ荷重逃げ面との交叉が鋭いエッジを作る。ヒグビーは、約12.7cm(5インチ)以上の外径を有する管端の不完全なスタートするねじ(楔形のみならず、多くの種類のねじの)の除去と対応する。ヒグビーは、ねじ高さがゼロのところから、ねじ頂部がスタートする、すなわちねじ高さが受け入れ値に達するところまで、のねじスタート部を除去し、そして該ヒグビーとねじの頂部の間の交叉がテーパーに平行な線を規定する。ヒグビーの弧長さは約180度である。
ヒグビーの長さ及び高さは製造許容差を充たさねばならず、外径及び接続の種類に左右される。ヒグビー高さは0であってもよく、これは言うならば加工工具がねじの谷底に達してもよいことである。
ヒグビー点の検出は、ねじの頂部で行われる螺旋スキャンから回収されたデータを調整し、該データを線に適合させ、次いで適合された線とデータとの間の誤差が或るしきい値より大きい時、前記線から該ヒグビーに近い範囲にある全ての点を取り除くことにより行われる。この点が図17のグラフで示される。
上記説明の操作が行われる順序のみならず操作の数も、必要性と測定されるパラメーターとに依って変わってもよい。測定操作の完全性は又、セットアップ後に、システムの操作をスタートする前に測定デバイスの校正を備えさせる。
縦スキャンで得られるデータ点は、ステップ高さの値を得るために更に解析され得る。図16を参照すると、エッジに近いデータは捨てられ、連続する頂部間の線形適合が行われる。該適合は谷底の線形適合と比較され、その深さは該谷底の中央での線y2間の距離の計算により評価される。同様な手順は、y1を該頂部の中央として取り上げて頂部の高さを計算するためにも行われる。谷底及び頂部の深さ及び高さから、平均値と標準偏差が計算され、不完全なステップが識別され、ねじ長さが見積もられる。
大局的な仕方での、この場合のステップ高さを計算するなおもう1つの方法は、頂部及び谷底螺旋軌道から、得られた線形適合を引き算することである。これはステップ高さの値を表す内側及び外側円錐間の差を与える。上記説明の測定方法の全ての変種は、コーティングを有するピンに、そしてコーティング前のピンに、適用されてもよい。本発明の方法は、上記で説明され、そして管の内側に挿入されるのに好適な形状と寸法のサポート上に置かれたセンサーを有する種類の適当な測定装置を使うことにより、コーティングの有り、無しに関係なく、ボックスの雌ねじの測定用にも使われ得る。

Claims (9)

  1. コーティング材料の少なくとも1つの層によりコートされた、ねじ付き物体用の、ねじの幾何学的パラメーターの測定方法において、ノーズを有し、そして第1座標軸線(X’、Y’、Z’)を含む第1空間基準システムを規定する該ねじ付き物体の幾何学的形状を回収するよう適合された少なくとも1つの光学的センサー(5’、5”)を組み入れた測定デバイス(1)が提供され、該測定デバイス(1)は、第2座標軸線(X、Y、Z)を有する第2空間基準システムを規定し、該ねじ付き物体を該第2空間基準システム内で表す2次形式を記述する軸変換マトリックスを計算するプリセットのアルゴリズムを記憶するコンピュータ手段を提供し、かくして該第1及び第2空間基準システムの間の関係を提供している場合に、該ねじ付き物体のコーティング操作の前に、
    a)ねじ付き物体上の該少なくとも1つの光学的センサー(5’、5”)の少なくとも1つの軌道であって、該軌道に沿う予め規定された測定点が、該測定点の座標値に対して評価される該軸変換マトリックスが最大階数を持つように選択される、該少なくとも1つの軌道を予め規定する過程と、
    b)前記少なくとも1つの軌道に沿って該少なくとも1つの光学的センサー(5’、5”)による第1スキャン操作を行い、該予め規定された測定点のデータを集める過程と、
    c)該集められたデータを該プリセットのアルゴリズムに供給し、該ねじ付き物体の該第2空間基準システムに対する相対位置を規定するために、該第1空間基準システムを該第2空間基準システムへ関係付ける軸変換マトリックスを計算する過程と、
    d)集められた全データを、該第2空間基準システムから第1空間基準システムへ変換するために該軸変換マトリックスを使い、そこで第1測定結果が規定される過程と、
    e)該測定デバイス(1)から該ねじ付き物体を外し、間に合う次の瞬間に、適当な場所で該ねじ付き物体のコーティング操作を行い、そこでコーティング材料の少なくとも1つの層が該物体表面の少なくとも1部分に付けられ、該コーティング操作が行われると、該ねじ付き物体を該測定デバイス(1)上に設置する過程と、
    f)前記同じ少なくとも1つの軌道上で前記方法の過程a)からd)を行い、そこで第2測定結果が規定される過程と
    g)該第1及び第2測定結果を比較し、それにより全ての該予め規定された測定点に於ける該コーティングの厚さが計算される過程とを具備することを特徴とする測定方法。
  2. 前記少なくとも1つの軌道に沿う該少なくとも1つの光学的センサー(5’、5”)による該第1スキャン操作が予め規定されたねじの幾何学的パラメーターを測定するためのデータを回収するため使われる請求項1記載の方法。
  3. 所定の測定点を測定するためのデータを取得するために、前記コーティング操作の前及び後に、該ねじ付き物体上で1つ以上の第2スキャン操作が行われる請求項1記載の方法。
  4. 該少なくとも1つの軌道が該第2空間基準システムのZ軸線に平行な縦スキャンを有する請求項2記載の方法。
  5. 1つ以上の第2スキャン操作が螺旋軌道に沿って行われる請求項3記載の方法。
  6. 縦軌道が該第1空間基準システム内でランイン測定点に沿って規定され、次いで該測定デバイス(1)により実行されるために該第2空間基準システムに変換される請求項1記載の方法。
  7. 縦軌道が該第1空間基準システム内でランアウト測定点に沿って規定され、次いで該測定デバイス(1)により実行されるために該第2空間基準システムに変換される請求項1記載の方法。
  8. ねじのリードと交叉する少なくとも1つの軌道が決定され、交叉する点の位置が回収され、頂部と谷底の位置が規定され、そして2つの連続する頂部からのデータを使う第1線形適合が作られ、前記2つの連続する頂部間の谷底に関するデータを使って第2線形適合が作られ、そして該第1及び第2線形適合係数によりそれぞれ規定された第1線及び第2線の間の距離が、予め規定された点で計算される請求項1に記載の方法。
  9. ねじ付き物体に関し請求項1記載の方法を実施する測定デバイスであって、
    ・少なくとも1つのコンピュータ制御非接触レーザーベースセンサー(5’、5”)と、
    ・前記少なくとも1つのセンサーが上に設置され、種々のスキャンパターンに従うスキャン操作時、該少なくとも1つのセンサー(5’、5”)をガイドすることが出来るコンピュータ制御精密機械的移動システムと、
    ・該少なくとも1つのセンサー(5’、5”)の出力信号を該コンピュータ制御精密機械的移動システムの空間位置と同期させる手段と、
    ・該スキャン操作で該少なくとも1つのセンサー(5’、5”)を制御し、該被スキャン物体の該ねじ形状のコンピュータ画像を作り、該画像を記憶し、そしてテーパー、シール直径と楕円率、ランイン、ランアウト、ねじ直径、管の多数の母線に沿うピッチ、及びステップ高さの様なねじの幾何学的パラメーターそしてコーティングの厚さについて定量的情報を得るために該コンピュータ画像を解析するコンピュータと、を具備しており、
    ・該コンピュータは、該ねじ付き物体により規定された第1空間基準システムを、該測定デバイスにより規定された第2空間基準システムに、関係付ける軸変換マトリックスを計算するためのプリセットのアルゴリズムを、該ねじ付き物体の該第2空間基準システムに関する相対位置を規定するため、そして回収された全データを該第2空間基準システムから該第1空間基準システムに変換するよう該軸変換マトリックスを使うために、記憶する測定デバイス。
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