本明細書では、ねじ、ボルトやその他の雄ねじ部品などの、ねじゲージと製品の計測と検査に適用可能な実例として典型的な実施形態を説明する。しかしながら、本明細書の以下の部分で典型的な実施形態を示して説明するものの、本発明は、本明細書で説明する実施形態と用途だけに限定されず、タップ、スプライン、歯車、内部孔、統合された平たい円柱孔(integral plane cylindrical bores)、雌ねじ、内径/外径及び/又は材料の組成及び/又は強度などの許容差測定値の精度が重要な任意の部品及び/又は計測を含むことは、当業者には当然理解される。さらに、当業者は、開示された実施形態の範囲内で、様々な実装と構成とが潜在的に可能であることを理解するであろう。
図1乃至図8を参照すると、検査システム100が図示及び説明されている。典型的な実施形態によれば、検査システム100は、コリメート光源102、検知装置104、反射装置106、部品支持装置108、及び装置支持構造110を有している。装置支持構造110は、ベース支持構造112、ベース構造114、ブリッジキャビティ118を定義しているブリッジ構造116、光源取り付け装置120、及びセンサ取り付け装置122を有している。ベース支持構造112は、ベース構造114に結合して支持するように配置されており、ベース構造114は、ブリッジ116に結合して支持するように配置されており、ブリッジキャビティ118はブリッジ構造116とベース構造114との間にある。当然、物理学で周知のように、光という用語は任意の波長の(つまり電磁スペクトルに沿った任意の波長の)電磁放射を指し、これを含んでいる。つまり、コリメート光源102は、所望の最終目標に適している電磁放射を放射する任意の光源であってよく、検知装置104は、所望の最終目標に適しており、放射された電磁放射を検知する任意の種類の検知装置である。
コリメート光源102は、光源取り付け装置120によってベース構造114に結合していてもよく、コリメート光源102から発光された光は、コリメート光源102によって規定され、かつベース構造114に平行なコリメート光源光路に沿って伝搬する。検知装置104は、センサ取り付け装置122を介してブリッジ構造116に結合していてもよく、検知装置104は、光源光路に垂直に交差するセンサ光路を規定している。ベース構造114とブリッジ構造116とは、非金属ポリマー鋳造によって作製されていてもよいが、ベース構造114とブリッジ構造116とは、所望の最終目的に適しており、任意の衝撃、振動及び/又は移動を減衰させるような1つ又は2つ以上の材料及び/又は1つ又は2つ以上の合成物で作製されていてもよいと考えられる。
部品支持装置108は、配置装置124と取り付けベース126とを有しており、取り付けベース126は、ベース構造114に結合している。配置装置124は、配置ステージ128と部品リテーナ(retainer)130とを有しており、部品リテーナ130は、配置ステージ128に結合しており、第1のアーバー132を有している。第1のアーバー132は、第2のアーバー134からアーバーキャビティ136を介して離れており、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134のうちの少なくとも一方は、ノッチ付きの部分(notched potion)又はアーバー基準「ニー」位置(arbor reference "knee" position)220を有している。配置ステージ128は、モータコントローラによって操作されるモータを介して、取り付けベース126に相対的に、全ての平面(x平面、y平面、z平面など)内で位置決め及び制御可能に構成される。第1のアーバー132と第2のアーバー134の少なくとも一方は、部品リテーナ130内で部品を保持するように構成される。反射装置106は、配置ステージ128に結合してもよく、反射装置106は、配置ステージ128の表面に対して角度45度で配置され、また、反射装置106は第1のアーバー132、第2のアーバー134、及びアーバーキャビティ136(つまり、センサ光路)と同じ平面内に配置される。さらに、部品支持装置108は、反射装置106が光源光路とセンサ光路との交差部に配置されるように、ブリッジキャビティ118内に配置されてもよい。反射装置106は、高品質の0.25波長の表面型鏡として示されているが、反射装置106は、所望の最終目的に適している任意の高品質の反射表面装置であってもよい。
検知装置104は、顕微鏡型テレセントリック光学レンズ138を有している高解像度カメラ137を有している。検知装置104は、外部の電源によって電源が供給されているとして示しているが、検知装置104は、電池などの所望の最終目的に適している任意の電源によって給電されていてもよい。さらに、顕微鏡型のテレセントリック光学レンズ138は、倍率が2.6×であるとして示しているが、顕微鏡型のテレセントリック光学レンズ138は所望の最終目的に適している任意の倍率を有していてもよい。さらに、検知装置104は、2.6×の倍率の顕微鏡型テレセントリック光学レンズ系を有しているVISICS CCDカメラであるが、検知装置104は、所望の最終目的に適している任意の検知装置であってもよいと考えられる。
図7を参照するとコリメート光源102は、発光ダイオード(LED)140、コリメートレンズ142、及びレンズキャップ144を有している。レンズキャップ144は、レンズスロット146を有しており、レンズスロット146は、コリメートレンズ142から発光される光の不要発光(stray emission)を最小にするように配置されている。さらに、コリメート光源102は、コリメートレンズ142が反射装置106の視線(optical line of sight)内にあるように、ベース構造114に結合していてもよい。さらに、コリメート光源102は、外部電源を介して電源が供給されているように示しているが、コリメート光源102には電池などの所望の最終目的に適している任意の電源を使用して電源が供給されていてもよい。
検査システム100は、LED140にエネルギーが供給されると、光のビームがLED140から発光し、光のビームがコリメートレンズ142に入射するように投影するように構成される。コリメートレンズ142はコリメート光線148を発生するように光のビームを平行にし、それからコリメート光線148はコリメートレンズ142から発光される。コリメート光線148はコリメートレンズ142から出射すると、光源光路に沿って伝搬し、配置ステージ128の表面に対して45°の角度で配置されている反射装置106に入射する。それから反射装置106は入射したコリメート光線148を反射し、反射されたコリメート光線150はセンサ光路に沿って伝搬し、検知装置104に入射する。しかしながら、反射装置106は、第1のアーバー132、第2のアーバー134、及びアーバーキャビティ136(つまりセンサ光路)と同じ平面内に配置されており、反射されたコリメート光線150が検知装置104に入射する前に、反射されたコリメート光線150は、第1のアーバー132、第2のアーバー134、及びアーバーキャビティ136に入射する。そのため、第1のアーバー132と第2のアーバー134との間にあるように、部品が部品リテーナ130内に配置されると、反射されたコリメート光線150は、部品、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134によって部分的に遮られ、その結果、部品、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の影が発生し、検知装置104に伝達される。
図9を参照すると、検査システム100の全体なブロック図が図示及び説明されている。検査システム100は、表示装置154、カメラコントローラ回路156、及び通信ポート158を有している処理装置152を有するように示されており、処理装置152は、コリメート光源102、検知装置104、及び配置装置124と通信するように配置されている。典型的な実施形態では、コリメート光源102が、反射装置106と光を伝達するとして示されており、コリメート光源102から発光したコリメート光線148は、反射装置106に入射する。反射装置106は、コリメート光線148を反射して、反射されたコリメート光線150を発生する。検知装置104は、反射装置106と光を伝達するとして示されており、反射されたコリメート光線150は、検知装置104に入射して、顕微鏡型テレセントリック光学レンズ138を介して高解像度カメラ137によって受光される。従って、部品が第1のアーバー132と第2のアーバー134との間に配置されると、部品、第1のアーバー132、及び/又は第2のアーバー134の影(silhouette)も高解像度カメラ137によって受け取られる。
高解像度カメラ137は、影の画像を画像データに変換し、この画像データを処理装置152に伝達する。画像データは、部品と、テレセントリック光学レンズ138によって受光された反射したコリメート光線148との間の相互作用に対応している。そして、処理装置152は、画像データがさらに必要かどうかを判断するためにこの画像データを調べる。画像データがさらに必要な場合、処理装置152はさらに画像データを取得するように検知装置104に指示する。必要に対応して、処理装置152は、所望の画像データに対応して配置装置126を配置するように、通信ポート158を介して配置装置126の位置を制御できる。処理装置152は、配置装置126とRS−232又はRS−422通信ポートを介して通信状態にあるように示されているが、処理装置152は、配置装置126と無線通信など所望の最終目的に適している任意の装置及び/又は方法によって通信してもよい。さらに、カメラコントローラ回路156は、処理装置152と所望の最終目的に適している任意の方法及び/又は装置によって通信してもよい。さらに、少なくとも1296×1016画素までの画像サイズに対応することができる電子カメラとして、高解像度カメラ137を示しているが、高解像度カメラ137は所望の最終目的に適している任意の高解像度カメラ137であってもよい。
1280×1024表示能力を有しているフラットパネル表示装置として表示装置150を示しているが、表示装置150は所望の最終目的に適している任意の表示装置及び/又は方法であってもよいこともさらに考えられる。また、MS Windows(登録商標)2000オペレーティングシステム(又は、より高位のバージョン)を動作させており、少なくとも128Mb RAM、Ethernet(登録商標)ネットワーク能力、及びモデム、DSL、又はT1ラインなどの無線通信装置を備えたPentium(登録商標)プロセッサを有しているコンピュータシステムとして、処理装置152を示しているが、処理装置148は所望の最終目的に適している任意の処理装置であってもよい。配置装置126は、鋳鉄ステージを備えており、該鋳鉄ステージは、ガラススライドと、特許が付与された耐クリープ技術を用いた交差ローラ(crossed rollers)を備えているリニアモータとを有していてもよい。リニアモータによって、X軸とY軸の両方に少なくとも±3インチの移動が可能になり、少なくとも635kgの最大負荷が許容される。配置装置126は、デジタル電流ループを備えている一体ドライブを有しているデジタルモータ(サーボ)コントローラも有していてもよく、RS−232/RS−422通信ポートを介して処理装置152と通信してもよい。さらに、デジタルモータ(サーボ)コントローラは、10〜30アンペアピーク、6〜15アンペア連続、そして170〜300VDCバスに対応可能であってもよく、デジタルモータ(サーボ)コントローラはX軸とY軸方向の移動に対応しているように示されているが、当然、デジタルモータ(サーボ)コントローラは、Z軸方向の移動に対応することができてもよい。
図10と図11を参照すると、ねじ製品などの雄ねじ部品の側面図が図示及び説明されている。部品のねじ山は、ねじの山と谷との組み合わせであって、通常、断面が一様であって、円柱或いは円錐の外側又は内側表面上に螺旋状の溝を形成することによって作られている。部品のねじ山は、相手の部品のねじ山と連動するように構成されているので、ねじの大きさとねじ山の形態に関連している特定の重要な物理的特徴を厳密に制御することが必須である。そのため、これらのねじ山の大きさの特徴とねじ山の形態の特徴とをできるだけ正確に計測することが好ましい。ねじ山の大きさの特徴には、外径、内径、機能径(functional diameter)、及び有効径(pitch diameter)があり、ねじ山の形態の特徴には、ピッチ、リード、ねじれ角の一様性、フランク角、及びねじ山の角度があり、それらの各々を以下でより詳細に説明する。
部品の外径は、表面が部品のまっすぐな軸線に平行で、表面が雄ねじの山の頂又は雌ねじの谷底の境界を定めている大円柱(major cylinder)と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅である。しかし、ねじゲージとねじ製品とは通常、完全な形態の外径を有しているが、ねじゲージは、通常、外径が切頂されて(truncated)もいる。そのねじゲージは完全な形態の外径と切頂外径とを有しており、ねじ製品だけは、完全な形態の外径を有している。ねじゲージとねじ製品の両方について、完全な形態の外径は、完全な形態のねじ山の0°側で計測された大半径(部品の軸線と大円柱の1つの表面との間の距離つまり外径の半分と定義できる)と完全な形態のねじ山の180°の側で計測された大半径とに対応した合成計測値として定義することができる。しかし、ねじゲージについては、切頂外径を、切頂されたねじ山の0°の側で計測された大半径と切頂されているねじ山の180°の側で計測された大半径とに対応した合成計測値と定義することができる。
部品の内径は、部品のまっすぐな軸線に平行で、表面が雄ねじの谷底又は雌ねじの山の頂の境界を定めている仮想的な円柱つまり小円柱の直径である。従って、部品の軸線と小円柱の1つの表面との間の距離つまり内径の半分として定義可能で、0°の側の第1のねじ山を使用して通常計測される小半径は、フランクに接しており、反転していないような最も適合する半径を使用して通常定めることができる。
一様な間隔を有しているねじ山のピッチは、軸線に平行に、その軸線方向の平面内で、軸線の側にて、隣接しているねじ山の形態の対応している点の間で計測した距離として定義することができる。従って、ピッチはインチあたりのねじ山の数(TPI)として定義することが可能で、ピッチ距離は1/TPIとして定義することが可能で、TPIはねじ山の軸線に平行に、あるフランク上の点から次の使用可能なフランク上の対応している点まで計測される。部品の有効径は、ピッチ円柱と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅であり、該ピッチ円柱は、表面がねじ山つまり部品の軸線に平行で、ねじ山の山とねじ山の谷の幅が等しくなるように、表面がまっすぐなねじ山のプロフィールと交差している、ピッチ円柱と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅である。
従って、完全な形態のねじ山と切頂されたねじ山とを通常有しているねじゲージの有効径は、有効径前部と有効径後部とを有しており、有効径前部は切頂された位置でのねじ山の先行する角度と後続する角度、リード、及びねじ山の山の頂の幅に対応しており、有効径後部は完全な形態の位置でのねじ山の先行する角度と後続する角度、リード、及びねじ山の山の頂の幅に対応している。完全な形態のねじ山だけを通常有しているねじ部品の有効径は有効径前部だけを有しているが、有効径前部は、ねじ山の先行する角度と後続する角度、リード、及びねじ山の山の頂の幅に対応している。
リードは、ねじ部品が固定されて嵌合しているねじ山に対して、その軸線を中心にねじ部品が回転するときに、角度方向の回転の量に関連して部品が移動する軸線方向の長さと定義できる。従って、リードは、ねじ部品が完全に1回、つまり360°回転したときの軸線方向の移動の量であって、ピッチは1つのフランク上の点から隣接しているフランク上の対応している点まで軸線に平行に計測された距離である。リードのどのような偏差も、雄ねじの機能径を増大させる(又は雌ねじの機能径を減少させる)ことにつながり、ねじ部品の有効径の動作許容差が急激に減少する。リードの偏差によって、ねじのねじ山がその螺合する部品と2〜3個の点を除いて全く係合できなくなることもある。従って、ねじ部品が組み立てられるときに、トルクが作用し、その結果、圧力は2〜3の、場合によっては1つの圧力フランクにだけ作用する。そのため、リードのどのような偏差によっても、いくつかのねじ山について非係合状態(non-engagement condition)が発生し、非係合のために、圧力フランクの係合の点の位置で係合しているねじ山に不具合が発生する可能性がある。
ねじ山の螺旋経路の偏差は、実際の螺旋状の延伸からの波状の偏差、つまりねじれ角の非一様性である。リードと同様に、螺旋経路の偏差が、うねりの大きさに比例して部品の機能サイズの増加の原因になる。リードの偏差に関連して行われた全ての言及は、螺旋経路の偏差にも当てはまり、同様に、螺旋経路の偏差の結果、ねじ山のフランクが部分的に係合することもあり、その結果、トルク圧力が一様に分散せず、予荷重が緩和されることもある。
ねじ山のねじ山の角度は、軸線方向の平面内で計測したねじ山のフランクの間の角度である。フランク角は、軸線方向の平面内で計測した個々のフランクとねじ山の軸線の垂線との間の角度である。対称ねじ山のフランク角は、半分のねじ山の角度又はねじ山の半分の角度と一般に呼ばれる。フランク角の偏差の結果、製品に線荷重が作用したりトルクが作用したりしたときに、ねじ山の不具合が発生することがある。これは、不適切なフランクの係合によって、圧力負荷がフランクに沿って均一に分散するのではなく、圧力負荷がフランクに沿って均一に分散しないことがあるためである。
部品のその他の重要な物理的な特徴には、機能サイズ直径、ピッチ円錐のテーパー特徴、及び歪みがあり、それら全てが、非係合状態を発生させる可能性がある。実際に、変形、つまり本明細書で説明したあらゆる物理的な特徴の仕様からの偏差は、様々な程度の非係合の原因となることがある。
ねじ山(雄ねじと雌ねじ)の機能径、つまり仮想直径は、リード、螺旋経路の偏差、フランク角の偏差、テーパー、及び歪みを考慮した製品のねじ山の最終的なサイズとして定められ得る。そのため、機能径は、完全な深さの係合であるが山の頂と谷底の位置で明確な指定された長さの係合を有している完全なピッチ、リード、及びフランク角の外側を覆うねじ山の有効径であると見なすことができる。雄ねじについては、機能径は、係合の指定された長さにわたるリードとフランク角の変動を含む偏差の累積効果を有効径に加算する(雌ねじについては、偏差の累積効果を減算する)ことによって、導出できる。従って、テーパー、歪み、表面の欠陥の効果は、雄ねじ又は雌ねじにおいてはそれぞれ正又は負となることがあるのは明らかである。
ピッチ円柱のテーパー特徴は、ねじ山のピッチ円柱が単にテーパー状になることである。理解されるように、テーパー状のねじ山は、完全なねじ山の係合を実現できず、それは、圧力フランク上での不均一なトルク圧力状態と予荷重の緩和とが原因の製品の不具合につながることもある。
ピッチ円柱の円形からの任意の偏差であるピッチ円柱の歪みによって、ねじ山の係合が制限され、相手のねじ山との線接触だけが可能になり、これには多円弧(Multi-lobe)と楕円との2種類の歪みが通常含まれる。
計測するねじ部品の好ましい物理的特徴を以上で説明し、これらの特徴を計測する方法全体を以下で示し説明する。さらに、本明細書で説明する方法、計算、及びアルゴリズムの各々は、システムオペレータ及び/又は自動化システムによって実施することが可能であると考えられる。
図12を参照すると、検査システム100を使用して部品の特徴を計測する方法の全体300が図示及び説明されている。典型的な実施形態では、ブロック302に示すように、検査システム100と部品162とが得られ、検査システム100は、光源102、検知装置104、反射装置106、及び部品支持装置108を有している。ブロック304に示すように、ねじ、ゲージ、ボルト及び/又はその他の部品などのねじ山が設けられている計測される部品162に関する情報が決定され、検査システム100にシステムソフトウェアを通して伝達される。これは、部品/ゲージ選択アルゴリズム400に対応した方法で、マウスやキーボードを通して、ねじ部品162に関する情報を処理装置152に入力するシステムオペレータによって実行可能であるが、当然、部品情報はデータベースに保存し、バーコードリーダなどのセンサによって検索することができる。
部品162が選択されて、処理装置152に伝達される部品情報が完全になると、ブロック306に示すように、部品支持装置108内に配置されるように、部品162が検査システム100に配置される。これは、システムオペレータによって実行することができ、部品162は、第1のアーバー132と第2のアーバー134との間のアーバーキャビティ136内に保持されるように、部品リテーナ130内に配置される。それから、ブロック308に示すように、検査システム100が操作されて、事前較正レンズ歪み分析(pre-calibration lens distortion)を実施して、あらゆる放物線レンズ歪み係数が判断される。この事前較正レンズ歪み分析は、較正手続き前に実施される。事前較正レンズ歪み分析は、曲線フィッティングルーチンであり、光学レンズ138に固有のあらゆる放物線歪みを補償するために使用されるシステムレンズ歪みの計測と修正とは独立している。さらに、レンズ歪み分析は、レンズ製造者によって行われるが、当然、任意の適切なレンズ歪み分析方法を独立して開発及び/又は使用することができる。
この分析を実施するために、コリメート光源102は、反射装置106に入射するコリメート光線を発光し、反射装置106は、反射したコリメート光線を検知装置104に入射する。検知装置104は、この反射したコリメート光線を受光し、この反射したコリメート光線に対応した画像データを生成する。反射したコリメート光線は妨害されていないので、検知装置104によって生成された画像データは、コリメート光源102、反射装置106、及び検知装置104の特徴にのみ対応している。従って、検知装置104のレンズ138に不完全な部分つまり歪みがあるかどうかを判断するために、画像データを調べることができる。そのため、処理装置152は、画像データを調べて、レンズ138の所定の視野内に画像の強度の変動が存在しているかどうかを判断する。これは、生成された画像データのレンズ138の視野内の多数の様々な画像位置に対応した部分を調べることによって実施可能で、調べられた部分は、視野の下部から上部へと左側から右側へと広がっている視野の垂直方向と水平方向の広がり内の位置に対応している。
例えば、調べられる画像データは、少なくとも一方のアーバーの0°と180°の両側について、レンズ138の(つまりレンズ138の視野の)垂直方向の広がりを表しているレンズ138上の複数の位置に対応しているデータ点を有していてもよい。それから、レンズ138の実際の垂直方向の歪みの特徴を表しているこれらのデータ点の各々についての結果を、実際の垂直方向の勾配チャートにプロットする(そして、レンズ138の製造者が提供する理想的な垂直方向の勾配チャートと比較する)ことが可能である。理想的な垂直方向の勾配チャートは理想的なレンズ特徴を表している。同様に、調べる画像データはレンズ138の(つまりレンズ138の視野の)水平方向の広がりを表しているレンズ138上の複数の位置に対応しているデータ点を有していてもよい。それから、前述のように、レンズ138の実際の水平方向の歪みの特徴を表しているこれらのデータ点の各々についての結果を実際の水平方向の勾配チャートにプロットし、レンズ138の製造者が提供する理想的な水平方向の勾配チャートと比較されてよい。理想的な水平方向の勾配チャートは理想的なレンズ特徴を表している。実際の垂直/水平方向の勾配チャートと理想的な垂直/水平方向の勾配チャートとの間のどのような偏差も、計算及び/又は計測における以降の適用のために記録され保存される。ただし、計測値に対するレンズの歪みの影響を最小にするために、対象領域、つまり計測される部品162の領域は、レンズ138の視野の中心にほぼ常に配置されている。
これが完了すると、ブロック310に示すように、検査システム100が操作されて、反射したコリメート光線が部品162に入射するように配置ステージ128が配置される。部品162に入射して反射したコリメート光線は、部品162及び/又は第1のアーバー132の影を発生させ、影は検知装置104に入射するように投影される。ブロック312に示すように、検知装置104は、部品162と第1のアーバー132の影に対応して画像データを生成し、この画像データを処理装置152に伝達し、処理装置152は画像データを処理して結果データを生成する。それから、ブロック314に示すように、処理装置152は、検査システム100に指示し、所定の較正アルゴリズム500に応答してシステム較正が実施される。所定の較正アルゴリズム500が完了すると、ブロック316に示すように、検査システム100は所定の部品計測アルゴリズム600、所定の較正アルゴリズム500、及び/又はレンズ歪み分析の結果に応答して部品計測を実施する。部品計測が完了すると、表示装置154及び/又は印刷された証明書又は報告書を通して、システムオペレータに対して部品情報が表示される。典型的な実施形態において、部品/ゲージ選択アルゴリズム400、所定の較正アルゴリズム500、及び所定の部品計測アルゴリズム600を以下でより詳細に説明する。
図13を参照すると、部品/ゲージ選択アルゴリズム400のブロック図が図示及び説明されている。ただし、本明細書では、ねじ製品用に構成されているような部品/ゲージ選択画面214について、部品/ゲージ選択アルゴリズム400が説明されているが、部品/ゲージ選択アルゴリズム400は必要に応じて様々な部品選択について変更することができる。
図14を参照すると、検査システム100の開始時に、部品/ゲージ選択画面200がシステムオペレータに対して表示装置154を通して表示される。部品/ゲージ選択画面200は、複数のプルダウンメニュー202とソフトウェアボタン204とを有しているグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)形式において作成でき、計測される部品の既知の物理的な特徴をマウス及び/又はキーボードを通して検査システム100に伝達する。プルダウンメニュー202は、部品サイズ選択プルダウンメニュー206、TPIプルダウンメニュー208、クラス選択プルダウンメニュー210、及びねじ山長さプルダウンメニュー211のうち少なくとも1つを有していてもよく、ソフトウェアボタン204は、単位選択ボタン212、部品選択ボタン214、設定プラグ/作業プラグ選択ボタン216、及び通り/止り選択ボタン218のうち少なくとも1つを有していてもよい。部品選択ボタン214によって、プレーン直径ゲージ、ねじゲージ、製品、X較正ブロック、Y較正ブロック、及びロールを含む検査する複数の種類の部品を選択することができる。プルダウンメニュー202とソフトウェアボタン204も、部品選択ボタン214に応答して、システムオペレータに対して表示されてもよい。
例えば、図15を参照すると、部品選択ボタン214がプレーン直径ゲージ用に構成されている場合、システムオペレータに対して表示される複数のプルダウンメニュー202と複数の選択ボタン204とは、単位選択ボタン212とプレーン直径ゲージサイズプルダウンメニュー213のうち少なくとも1つを有している。図16を参照すると、部品選択ボタン214がねじゲージ用に構成されている場合、システムオペレータに対して表示される複数のプルダウンメニュー202と複数の選択ボタン204とは単位選択ボタン212、設定プラグ/作業プラグ選択ボタン216、通り/止り選択ボタン218、部品サイズ選択プルダウンメニュー206、TPIプルダウンメニュー208、及びクラス選択プルダウンメニュー210のうち少なくとも1つを有している。図17を参照すると、部品選択ボタン214がねじ製品用に構成されている場合、システムオペレータに対して表示される複数のプルダウンメニュー202と複数の選択ボタン204とは単位選択ボタン212、設定プラグ/作業プラグ選択ボタン216、通り/止り選択ボタン218、部品サイズ選択プルダウンメニュー206、TPIプルダウンメニュー208、クラス選択プルダウンメニュー210、及びねじ山長さメニュー211のうち少なくとも1つを有している。さらに、部品選択ボタン214がねじ部品用に構成されている場合、有効径計測メニュー217が表示されてもよい。図18を参照すると、較正ブロック用に構成されている部品選択ボタン214用の部品/ゲージ選択画面202が示されている。
ねじ部品162の場合、部品/ゲージ選択画面200が表示されると、ブロック402に示すように、システムオペレータは、単位選択ボタン212を通して、ねじ部品162を計測するときに検査システム100が使用する、英国単位、メートル単位などの単位系を選択する。それから、ブロック404に示すように、システムオペレータは、ゲージ/製品選択ボタン214を通して、検査システム100が計測する部品(つまり、ねじ部品)の種類を選択し、ブロック406に示すように(ゲージの場合)設定プラグ又は作業プラグのいずれであるかを設定プラグ/作業プラグ選択ボタン216を通して選択する。また、ゲージの場合、これが完了すると、ブロック408に示すように、システムオペレータはこれの通り/止りを通り/止り選択ボタン218を通して選択し、ゲージサイズプルダウンメニュー206を通して部品のゲージサイズが選択される。部品の場合、それから、ブロック410に示すように、TPIプルダウンメニュー208を通してインチあたりのねじ山(TPI)と、ブロック412に示すようにクラス選択プルダウンメニュー210を通して部品のクラスとがそれぞれ選択される。
システム起動手続きの完了時に、検査システム100は、所定の較正アルゴリズム500に応答してシステム較正手続きの実行を開始する。図19と図20を参照すると、ブロック502に示すように、システム較正手続きが開始されると、配置ステージ128が、所定の開始位置つまりホーム位置に移動する。配置ステージ128の任意の位置がホーム位置に選択されてよいと考えられる。この時点において、すべてのエンコーダが零になり、すべての位置計測値がこのホーム位置を参照して求められる。それから、ブロック404に示すように、アーバー基準調整が実施されて、アーバー基準「ニー」位置220が適切に配置される。アーバー基準「ニー」位置220は、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも一方の上に配置されているノッチである。ソフトウェア「拘束ウィンドウ」つまり検索ボックスがレンズ138の視野内に生成され、それからこの検索ボックス内に含まれている画像を表している画像データが調べられて、アーバー基準「ニー」位置220が求められる。アーバー基準「ニー」位置220は、画素強度の差についてこの画像データを分析して、水平方向のアーバー表面がどこで終わり、垂直方向のアーバー表面がどこで始まるかを特定することによって求めることができる。この垂直方向のアーバー表面がアーバー基準「ニー」位置220である。アーバー基準「ニー」位置220の位置が求められると、青い十字線222がアーバー基準「ニー」位置220の位置に配置され、表示装置154を介してシステムオペレータに対して表示されることで、システムオペレータがアーバー基準「ニー」位置220を視覚的に確認できる。ただし、所定の較正アルゴリズムが継続して動作するように、アーバー基準「ニー」位置220はこの検索ボックス内に含まれていなければならない。アーバー基準「ニー」位置220が検索ボックス内にはない場合、所定の較正アルゴリズムは終了する。
典型的な実施形態によれば、その後、ブロック506に示すようにレンズ系歪み計測が実施される。図21を参照すると、これは、配置ステージ128が、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも一方の0°側のレンズ138の視野内の4つの明確な位置/場所に、アーバー基準「ニー」位置220を再配置するように検査システム100を操作することによって達成可能である。これらの4つの明確な位置/場所は、下側の垂直方向の視野位置135、下側の中間の視野位置137、上側の中間の垂直方向の視野位置139、及び上側の垂直方向の視野位置141に位置している。これらの4つの垂直方向の位置の各々で、3本の水平方向の計測が行われ、左側の計測値143、中央の計測値145、及び右側の計測値147が含まれている。この計測データは、特定の計測点に対応している画像データを観測及び/又は分析することによって得ることができる。それから、この観測/分析の結果は以降の計算で使用するために記録される。それからこのシーケンスは、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも一方の180°の側で繰り返される。当然、全部で24個の計測値(つまり0°側の12回と180°側の12回)が保存され、較正サイクルの最後の近くで実施された計算されたレンズの歪みの計測値の一部となる。前述のように、レンズ系の歪みのルーチン、及び従って歪みの式は、レンズ系138の製造者によって提供されてもよいし、検査される部品に対応して生成されてもよい。
レンズ系の歪みの計測がいったん実施されると、ブロック508に示すように、X軸較正が実施される。X軸較正は、レンズ138の視野230の中心位置、左端、及び右端を見つけ、これらのデータ点を使用してX軸の、ステップあたりのインチ、画素あたりのインチ、及び/又はインチあたりのステップの較正係数を計算することによって実施することができる。視野230の中心位置、左端、及び右端を求める1つの方法は、アーバー基準ニー位置220を視野230の左側の端に移動させ、この位置を左端として登録することである。それからアーバー基準ニー位置220を視野230の右側の端に移動させ、この位置を右端として登録する。それから、アーバー基準ニー位置220を視野230の左端と右端の途中の位置に移動させなければならない。この点は、視野230の中心となり、中心位置として登録しなければならない。これによって、レンズ138による歪みが最小になることが保証される。
X軸較正が完了すると、ブロック510に示すように、第1の0°直径におけるY軸較正が実施される。第1の0°直径の位置でのY軸較正は、レンズ系歪み計測の間に得られた下側の中間の中心位置と上側の中間の中心位置とを利用して、Y軸についてステップあたりのインチ、画素あたりのインチ、及び/又はインチあたりのステップの較正係数を計算することによって達成できる。それから下側の中間の垂直方向の位置が求められ、0°側の半径の計測に使用される(これをその後アーバーの直径を求めるために180°側の半径に加算することができる)。
第1の0°の直径におけるY軸較正が完了すると、ブロック512に示すように、Y軸の第2の0°の直径の決定が実施される。Y軸の第2の0°の直径の決定は、配置ステージ128を移動させて、アーバーの0°側のアーバー基準ニー位置220が、視野230の下側の垂直方向の位置、下側の中間の垂直方向の位置、上側の中間の垂直方向の位置、及び上側の垂直方向の位置に配置されることによって達成できる。これらの位置の各々で、検査システム100は3回の水平方向の計測、つまり、左の水平方向の計測、中心の水平方向の計測、及び右の水平方向の計測を実施する。このデータは保存可能で、較正サイクルの最後に向けて求められる計算されたレンズ歪み要因の一部とすることができる。当然、下側の中間の垂直方向位置は計測する最後の位置とすることが可能で、180°側の半径の計測に使用することが可能で、それは以降でアーバーの直径を求めるために0°側の半径に加算することができる。
Y軸の第2の0°直径の決定が完了すると、ブロック514に示すように、Y軸の第2の直径の決定が実施される。Y軸の第2の直径の決定は、左のアーバーの基準位置を移動させて、右のアーバー基準とレンズ138とに関するアーバーの位置を求めることによって達成できる。歪みを最小にするように視野230の中心で1回の計測が実施され、半径を求め、正接補正係数を計算するために使用される。正接補正係数は、レンズ138のY軸に対する配置ステージ128のY軸の任意のずれを補償するために使用される。
これが完了すると、ブロック516に示すように、配置ステージ128を180°側(同じX軸位置)に移動させて、半径を計測することによって、Y軸の第2の180°直径の決定が実施される。それから、ブロック518に示すように、Y軸正接補正係数が求められる。これは、第1のアーバー132と第2のアーバー134との間に配置される部品を、高さ方向ではない(水平方向の)態様で、補償する。さらに、これは、アーバーの右側と左側で得られた計測値とエンコーダからのXとYの両方の計測情報とを使用することによって達成可能で、画像計測ツールが正接補正係数の計算に使用される。以降の全てのY軸計測値には、この補正係数が含まれる。それから、ブロック520に示すように、前述の得られた全ての情報は、レンズ歪み要因を求めるために使用され、それから、光源及び/又はシステムステージ位置の任意の歪み/誤差(つまりAbbe*ステージ誤差)を含む、以降の全てのXとYの計測に使用される。
所定の部品計測アルゴリズム600が計測中の部品に対応することが考えられる。そのため、所定の部品計測アルゴリズム600を、ねじ製品とねじゲージを含む計測される様々な種類の部品について説明する。当然、全ての計測は、画像データを観測及び/又は分析して、ねじ山の山や谷などのねじ部品162上の所望の対象の点を求めることによって実施できる。画像データを調べてねじ部品162の影の縁の点を求め、画素強度の変動を特定することによって、これらの対象の点の位置を求めることができる。これらの対象の点がいったん特定されると、ねじ部品162の所望の物理的な特徴を既知の数学的、幾何学的、及び/又は三角法の関係を使用して求めることができる。
所定の較正アルゴリズム500が完了すると、配置ステージ128はアーバー基準ニー位置220に戻され、図22に示すように、部品計測アルゴリズム600が開始される。この際、ブロック602に示すようにフランク登録が実施される。これは、アーバー基準ニー位置220からX方向に部品162に向けて配置ステージ128を半インチ移動させることによって、部品162が最初のXとY位置に配置されるように、配置ステージ128を配置することによって達成される。それから、視野230の中心線の位置で有効径の下限が近似されるように、配置ステージ128をY方向に移動させる。それから、中心線の位置で交差しているフランク角を求めるために、ソフトウェア計測ツールが中心線の位置に配置される。それから、X軸方向にアーバー基準ニー位置220から離れ、内径が視野230の左の縁に揃うように、ステージを再び移動させる。全ての以降の計測は、X軸方向のピッチリードの増分の移動に依存している。ただし、ピッチリードの増分は、部品の選択によって定まり、リード標準読み出し(Lead Standards readouts)の上部に公開されている。当然、ねじゲージについては、切頂された計測がねじ山#2の位置で実施され、完全な形態の計測がねじ山#6の位置で実施されることになる。用語4×は、第3のリード計測についてのねじ山の数を指し、4つのねじ山の範囲にわたって行われたことを示しており、用語/10はこの部品上で利用可能な10個のねじ山が存在していることを示している。
フランクの登録が実施されると、ブロック604に示すように、第1の完全なねじ山0°側の切頂計測(truncated measurements)が実施される。これは、切頂されたねじ山の位置として指定されている0°側の第1のねじ山上に、配置ステージ128を再配置することによって実施できる。この指定は、ねじ山の数と、従って、部品162の選択とに依存している。それから、影の画像データを使用して、処理装置152は、小半径、大半径(設定プラグについてのみ)、ピッチ半径、リードピッチ、先行/後続フランク角、及びねじ山の角度を求める。大半径は、外径によって求められ、それは、ねじ山の0°側と対応している180°側の大半径に基づいている合成計測値である。従って、大半径は、ねじ山の平坦部に沿って個々の計測値を総和し、集められた計測値の数で除することによって求められる。計測位置の数は、所定のねじ山の表によって定められているように、ねじ山の幅の70%を取り、それら雄ねじ山の中心に揃えることよって定めることができる。それから、この大半径を0°と180°の両方の側から組み合わせて外径とする。ゲージについては、この処理は、切頂された位置と完全な形態の位置の両方について実施され、製品については、この処理は、完全な形態の位置についてのみ実施される。
対象とする位置(つまり切頂されたか完全な形態か)での先行角度と後続角度、外径、ピッチリード、及び山の頂の幅に基づいている有効径の計算(切頂された位置と完全な形態の位置の両方について)は、以下の式で定められる。
PD=MD−(Cot(PL/2)−CW)
ここで、PDは有効径、MDは外径、PLはピッチリード、CWは山の頂の幅である。先行/後続/先行フランクに沿った谷の距離と山の距離との間の差に対応しているリード前部計測値は、ソフトウェア計測ツールをX軸に沿って配置し、ツールを谷の距離−山の距離が最小になるまで有効径の周囲に垂直方向に移動させることによって求めることができる。それからツールは最小の位置に再配置され、リード前部を求めるために谷の距離と山の距離とが加算される。後続/先行/後続フランクに沿った谷の距離と山の距離との間の差に対応しているリード後部計測値は、ソフトウェア計測ツールをX軸に沿って配置し、ツールを谷の距離−山の距離が最小になるまで有効径の周囲に垂直方向に移動させることによって求めることができる。それからツールは最小の位置に再配置され、リード後部を求めるために谷の距離と山の距離とが加算される。
別の実施形態において、補正係数(CF)と共に有効径(PD)を求めて、影の画像データに存在する可能性のある任意の収差を調整できる。図24を参照すると、対称なねじ山が設けられている物体800を示している。物体800は、複数のねじ山802を有しており、ねじ山の谷804とねじ山の山806とを有している、ねじ山が設けられている物体800の有効径(PD)は、物体の0°側と物体の180°側の間の距離として単純に記述することが可能で、ねじ山の山g1とねじ山の谷g2の幅は等しい。しかしながら、図25及び図26を参照すると、コリメート光線808が物体800に入射すると、影の画像810が発生し、影の画像814と共に検知装置812に入射され得る。そのため、検知装置812によって生成された影の画像データは、影の画像810に対応したデータを含んでいることがあり、そのため、物体800の有効径(PD)などの物理的な特徴が歪み、不正確になることがある。
影の画像データ内の影の画像810の任意の収差を補償するために、補正係数(CF)を生成し、有効径(PD)を求める処理に適用できる。そのため、有効径(PD)は以下の式で表すことができる。
PDFinal=PDObserved−CF
ここで、PDFinalは任意の収差に対して修正されている有効径(PD)、PDObservedは計測された任意の収差を含んでいる有効径(PD)、そしてCFは任意の収差を表している補正係数(CF)である。
例えば、任意の収差を補償するような一実施形態は、影の画像に対応して補正係数(CF)を生成するステップと、検知装置によって生成された影の画像データから補正係数(CF)を減算するステップとを有し、補正係数(CF)は、x軸、y軸、及びz軸を有している3D空間におけるねじ山の1つのフランク(つまりねじ山の山の裏側)を、x軸とz軸だけを有している2D空間内へのストリップの埋め込みとして、パラメトリックに示すことによって求められてもよい。図27を参照すると、対称なねじ山を有している物体つまり部品について、2つの変数(r、t)だけを使用して、2つの点r1とr2との間に描かれている直線Kx-zによって接続されているx−z軸上のねじ山の内径を表している第1の点r1と、x−z軸上のねじ山の外径を表している第2の点r2をx−z平面内に示している。変数Rはx−z平面における有効径(PD)の2D表現であって、tはx−z平面内の点r1とr2の間に描画されている直線Kx-zと直線Kx-zのx−y平面上への投影Kx-yとの間の角度として表すことのできるフランク角である。さらに、変数Lx-zはねじ山のリード角度であって、変数mはフランク角tの正接である。変数rはz軸と直線Kx-z上の点との間の距離を表しているx−z平面上の点であって、従って内径の半分から外径の半分までの範囲である。そのため、以下の式を使用して前述の関係をパラメータ化することができる。
x=rcos(t)
y=rsin(t)
z=mr+Lt/2n
それからこの埋め込みは以下の式を使用してx−z平面上に投影し、ヤコビ行列の行列式を求めることが可能である。
x=rcos(t)
z=mr+Lt/2n
ヤコビ行列は以下のように定義される。
周知のように、ヤコビ行列はベクトル値関数の全ての1次偏微分の行列であって、所与の点の近傍の微分関数に対する「最良の」線形近似を表していることもある。
従って、前述のように導出された式を使用すると次のようになる。
x=rcos(t)
z=mr+Lt/2n
ヤコビ行列J(x
1...x
n)は次のように表すことができる。
ヤコビ行列J(x
1...x
n)を解いて、x−z平面上の影の画像(つまりリボン)の一式の点を見つけることは、以下の式によって示される。
J=((L/2π)cos(t)+mrsin(t))=0
ここで
r=−(L/(2πmtan(t)))
図28を参照すると、Rの値がねじ山の有効径(PD)の半分に設定された場合、r=Rでt=0の点のすぐに「右」のリボンの投影上の点を求めることができる。これは、有効径(PD)の点(x、y、z)=(R、0、mR)と同じz座標を有しているリボン上の点であって、従って、有効径(PD)の点(x、y、z)において、z=mRであることがわかる。z=mRをzの式に代入すると以下の式が得られる。
z=mR=mr+Lt/(2πm)
r=R−Lt/(2πm)
そして、式(1)を式(2)に組み合わせることによって、以下の式が得られる。
−L/(2πmtan(t))=R−Lt/(2πm)
及び
L+(2πmR−Lt)tan(t)=0
この式は、L、m、及びHの各所与の値について解かなければならない。フランク角tがわかっていると、これらの方程式は、rを求めるために解くことが可能である。有効径(PD)の変位の半分が、リボン上の点のx座標から有効径(PD)の点(x、y、z)=(R、0、m)のx座標を減算した値、つまり簡単にはrcos(t)−Rである。従って、当然、補正係数(CF)はこの量の2倍であると仮定され、以下の式で与えられる。
CF=2(rcos(t)−R)
従って、任意の収差について調整されている対称にねじ山が設けられている物体についての有効径PDFinalは、前述の補正係数(CF)を式(1)に適用して、以下の式を得ることによって求めることができる。
PDFinal=PDObserved−2(rcos(t)−R)
同様に、バットレスねじ山など非対称なねじ山を有している物体や部品については、ここで適用される方法を両方のフランクに使用することができる(非対称のせいで各フランクについて計算しなければならない)。そのため、両方のフランクについて前述のアプローチを使用している単純な幾何学的な理屈によって、2つの結果を一種の重み付き平均に組み合わせて、次の式を得ることができる。
CF=(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
ここで、d1とd2は、対称なねじ山として独立して扱われる2つのフランク角についての影の修正であって、a1とa2はそれぞれのフランク角である。以上から、任意の収差について調整されている非対称にねじ山が設けられている物体についての有効径PDFinalは、前述の補正係数(CF)を式(1)に適用して、以下の式を得ることによって求めることができる。
PDFinal=PDObserved −(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
図29を参照すると、ブロック図は、計測システムを使用して部品の物理的な特徴を計測する方法900を示しており、動作ブロック902に示すように、物体が保持マウント内に配置されるように物体を計測システム100に配置するステップを有する。動作ブロック904に示すように、検査システムが操作されて光源のコリメート光線を発光し、光線は光源光路に沿って伝搬する。動作ブロック906に示すように、光源のコリメート光線が光源光路に沿って伝搬すると、光源のコリメート光線は、少なくとも部分的に反射装置に入射し、物体に少なくとも部分的に入射するようにセンサ光路に沿って伝搬する反射されたコリメート光線を発生する。これによって物体の影が発生し、影の少なくとも一部は、検知装置に入射し、検知装置はそれに対応して初期画像データを生成する。動作ブロック908に示すように、この初期画像データは処理され、物体の複数の物理的特徴の少なくとも1つに対応して結果の画像データを生成し、初期画像データは少なくとも1つの所定のアルゴリズムに対応して処理されて、初期画像データ内の任意の収差が修正される。前述のように、所定のアルゴリズムは、検査中の物体の種類に対応していてもよい。例えば、物体が対称なねじ山を有しているねじ山が設けられている物体の場合、所定のアルゴリズムは少なくとも部分的に次の式に対応していてもよい。
CF=2(rcos(t)−R)
しかし、物体が非対称なねじ山を有しているねじ山が設けられている物体の場合、所定のアルゴリズムは少なくとも部分的に次の式に対応していてもよい。
CF=(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
図30を参照すると、ブロック図は、検査システム100によって生成された部品の影内の収差を修正する方法1000を示しており、動作ブロック1002に示すように、物体800を検査システム100に配置するステップと、動作ブロック1004に示すように、検査システム100を操作して、光源に光線を発光させるステップとを有している。光源の光線は、物体800に少なくとも部分的に入射するように光源光路に沿って伝搬する。動作ブロック1006に示すように、光源の光線は反射されて、反射光線が発生する。反射光線は、センサ光路に沿って伝搬し、物体800に少なくとも部分的に入射して検知装置812に少なくとも部分的に入射する物体800の影814を生成する。検知装置812は、影と影内の任意の収差とに対応して初期画像データを生成する。それから、動作ブロック1008に示すように、初期画像データが処理されて結果の画像データが生成される。これは、動作ブロック1010に示すように、初期画像データから初期有効径(PD)データを生成することによって達成される。それから、動作ブロック1012に示すように、初期有効径(PD)データはパラメータ化され、ヤコビ行列J(x1...xn)で表され、動作ブロック1014に示すように、ヤコビ行列J(x1...xn)が物体の複数の物理的な特徴に対応して解かれ、補正係数(CF)データが生成される。複数の物理的な特徴は、リード角度、フランク角、外径、及び内径の少なくとも1つを含んでいてもよい。補正係数(CF)データが求められると、動作ブロック1016に示すように、初期有効径(PD)データが補正係数(CF)データに対応して処理され、結果の有効径(PD)データが得られる。
ここで、リード前部計測値とリード後部計測値との間の距離に対応した複数のねじ山のリードを求めることができる。さらに、切頂された位置での0°側のねじ山の先行フランクに沿って最適に当てはまる楽観的な理論直線によって先行角度を求めることができる。さらに、切頂された位置での0°側のねじ山の後続フランクに沿って最適に当てはまる楽観的な理論直線によって後続角度を求めることができる。それから、先行角度と後続角度とを加算することによってねじ山の角度を求めることができる。
この時点で、ブロック606に示すように、第2のねじ山0°側完全形態の計測が行われる。これは、配置ステージ128を完全な形態のねじ山の位置として指定されている0°側の第2のねじ山上に再配置することによって実施できる。前述のように、この指定は、ねじ山の数と、従って、部品162の選択とに依存している。それから、影の画像データを使用して、処理装置152は小半径、大半径、ピッチ半径、及びリードピッチを求める。
そして、ブロック608に示すように第1の完全なねじ山の180°側の切頂計測が実施される。これは、切頂されたねじ山の位置として指定されている180°側の第1のねじ山上に、配置ステージ128を再配置することによって達成される。それから、影の画像データを使用して、処理装置152は小半径、大半径(設定プラグについてのみ)、ピッチ半径、及びリードピッチを求める。
この時点で、ブロック610に示すように、第2のねじ山180°側完全形態の計測が行われる。これは、配置ステージ128を完全な形態のねじ山の位置として指定されている180°側の第2のねじ山上に再配置することによって実施することができる。それから、影の画像データを使用して、処理装置152は大半径、ピッチ半径、及びリードピッチを求める。
それから、ブロック612に示すように、部品の値と限界とが更新され、システムオペレータに対して表示される及び/又は証明書の形態で、結果が印刷され、配置ステージ128はアーバー基準ニー位置220に再配置される。
検査システム100が、所定のR&Rアルゴリズム700に対応してR&R(信頼性と繰り返し性)計測手続きを実施することがさらに考えられる。図23を参照すると、所定のR&Rアルゴリズム700を示しているブロック図が、図示及び説明されている。所定のR&Rアルゴリズム700の開始にあたって、ブロック702に示すように、配置ステージ128が積載位置に配置され、第1のアーバー132と第2のアーバー134との間に保持されるように、部品162が配置される。それから、ブロック704に示すように、R&Rアルゴリズム700を起動させる。前述のように、それから、ブロック706に示すように、検査システム100が所定の較正アルゴリズム500と所定の部品計測アルゴリズム600とを実行する。この時点で、所定の部品計測アルゴリズム600が終了すると、ブロック708に示すようにシステムオペレータは、部品162の回転のために7サイクルおきに検査システム100を一時停止させるように選択できる。それから計測サイクルを必要なだけ繰り返すことが可能で、それから、ブロック710に示すように、表示装置154を通して又は印刷された証明書やレポートを通して、システムオペレータに対して、結果を表示することができる。
さらなる実施形態によれば、当然、検査システム100は、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを移動させるなど、配置ステージ128以外の検査システム100の他の要素を構成することによっても動作することができる。例えば、モータコントローラによって操作されるモータを介して、取り付けベース126に対して全ての平面(x平面、y平面、z平面など)内で配置ステージ128が移動自在に制御可能に構成する代わりに、検査システム100は、平行光光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つが、少なくとも1つのモータコントローラによって操作される少なくとも1つのモータを介して、取り付けベース126に対して全ての平面(x平面、y平面、z平面など)内で移動自在に制御可能に構成されて、部品が静止したまま計測されてもよい。
本実施形態において、必要に対応して所望の画像データに対応して通信ポート158を介して、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つが、取り付けベース126に対して全ての平面(x平面、y平面、z平面など)内で移動自在在に制御可能に構成されてもよい。コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つが、少なくとも1つのモータコントローラと、RS−232及び/又はRS−422通信ポート及び/又は無線通信などの所望の最終目的に適している任意の装置及び/又は方法によって通信可能な処理装置152を使用して取り付けベース126に対して全ての平面(x平面、y平面、z平面など)内で移動自在に制御可能に構成されてもよい。
この実施形態において、検査システム100は、前述のように操作されてもよい。例えば、部品162の特徴を計測する方法300全体を考える。事前較正レンズ歪み分析が実施されると、動作ブロック310に示すように、検査システム100を操作して、反射されたコリメート光線が部品162に入射するように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを配置する。部品162に入射して反射したコリメート光線は、部品162及び/又は第1のアーバー132の影を発生させ、影は検知装置104に入射するように投影される。前述のように、動作ブロック312に示すように、検知装置104は、部品162と第1のアーバー132の影に対応して画像データを生成し、この画像データを処理装置152に伝達し、処理装置152は、画像データを処理して結果データを生成する。それから、さらに詳細に説明したように、動作ブロック314に示すように、処理装置152は、所定の較正アルゴリズム500に対応してシステム較正を実施するように、検査システム100に指示する。所定の較正アルゴリズム500が完了すると、さらに詳細に説明したように、動作ブロック316に示すように、検査システム100は、所定の部品計測アルゴリズム600、所定の較正アルゴリズム500、及び/又はレンズ歪み分析の結果に応答して、部品162の計測を実施する。部品計測が完了すると、それから、表示装置154及び/又は印刷された証明書又は報告書を通してシステムオペレータに対して部品情報を表示できる。
前述のように、システム起動手続きの完了時に、検査システム100は、所定の較正アルゴリズム500に対応したシステム較正手続きの実行によって始動してもよい。図19と図20とを再度参照すると、動作ブロック502に示すように、システム較正手続きが開始されると、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つをホーム位置に配置するように構成してもよく、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つの任意の位置を、ホーム位置として選択してもよい。この時点において、すべてのエンコーダが零になり、すべての位置計測値がこのホーム位置を参照して求められる。それから、ブロック404に示すように、アーバー基準調整が実施されて、アーバー基準「ニー」位置220が適切に配置される。アーバー基準「ニー」位置220は、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも一方の上に配置されているノッチである。ソフトウェア「拘束ウィンドウ」つまり検索ボックスがレンズ138の視野内に生成され、それからこの検索ボックス内に含まれている画像を表している画像データが調べられて、アーバー基準「ニー」位置220が求められる。アーバー基準「ニー」位置220は、画素強度の差についてこの画像データを分析して、水平方向のアーバー表面がどこで終わり、垂直方向のアーバー表面がどこで始まるかを特定することによって求めることができる。この垂直方向のアーバー表面がアーバー基準「ニー」位置220である。アーバー基準「ニー」位置220の位置が求められると、青い十字線222がアーバー基準「ニー」位置220の位置に配置され、表示装置154を介してシステムオペレータに対して表示されることで、システムオペレータがアーバー基準「ニー」位置220を視覚的に確認できる。ただし、所定の較正アルゴリズムが継続して動作するように、アーバー基準「ニー」位置220はこの検索ボックス内に含まれていなければならない。アーバー基準「ニー」位置220が検索ボックス内にはない場合、所定の較正アルゴリズムは終了する。
より詳細に先に説明したように、その後、動作ブロック506に示すように、レンズ系歪み計測を実施することができる。図21を再度参照すると、これは、検査システム100を操作して、アーバー基準ニー位置220が第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも1つの0°側のレンズ138の視野内の4つの明確な位置/場所に配置されるように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つが設定されることによって達成できる。これらの4つの明確な位置/場所は、下側の垂直方向の視野位置135、下側の中間の視野位置137、上側の中間の垂直方向の視野位置139、及び上側の垂直方向の視野位置141に位置している。これらの4つの垂直方向の位置の各々で、3本の水平方向の計測が行われ、左側の計測値143、中央の計測値145、及び右側の計測値147が含まれている。この計測データは、特定の計測点に対応している画像データを観測及び/又は分析することによって得ることができる。それから、この観測/分析の結果は以降の計算で使用するために記録される。それからこのシーケンスは、第1のアーバー132及び/又は第2のアーバー134の少なくとも一方の180°の側で繰り返される。当然、全部で24個の計測値(つまり0°側の12回と180°側の12回)が保存され、較正サイクルの最後の近くで実施された計算されたレンズの歪みの計測値の一部となる。前述のように、レンズ系の歪みのルーチン、及び従って歪みの式は、レンズ系138の製造者によって提供されてもよいし、検査される部品に対応して生成されてもよい。
レンズ系の歪みの計測が実施されると、動作ブロック508に示すように、X軸較正が実施される。X軸較正は、レンズ138の視野230の中心位置、左端、及び右端を見つけ、これらのデータ点を使用してX軸の、ステップあたりのインチ、画素あたりのインチ、及び/又はインチあたりのステップの較正係数を計算することによって実施することができる。視野230の中心位置、左端、及び右端を求める1つの方法は、アーバー基準ニー位置220を視野230の左側の端に移動させ、この位置を左端として登録することである。それからアーバー基準ニー位置220を視野230の右側の端に移動させ、この位置を右端として登録する。それから、アーバー基準ニー位置220を視野230の左端と右端の途中の位置に移動させなければならない。この点は、視野230の中心となり、中心位置として登録しなければならない。これによって、レンズ138による歪みが最小になることが保証される。
X軸較正が完了すると、動作ブロック510に示すように、第1の0°直径におけるY軸較正が実施される。第1の0°直径の位置でのY軸較正は、レンズ系歪み計測の間に得られた下側の中間の中心位置と上側の中間の中心位置とを利用して、Y軸についてステップあたりのインチ、画素あたりのインチ、及び/又はインチあたりのステップの較正係数を計算することによって達成できる。それから下側の中間の垂直方向の位置が求められ、0°側の半径の計測に使用される(これをその後アーバーの直径を求めるために180°側の半径に加算することができる)。
第1の0°の直径におけるY軸較正が完了すると、動作ブロック512に示すように、Y軸の第2の0°の直径の決定が実施される。Y軸の第2の0°の直径の決定は、アーバーの0°側のアーバー基準ニー位置220が、視野230の下側の垂直方向の位置、下側の中間の垂直方向の位置、上側の中間の垂直方向の位置、及び上側の垂直方向の位置に配置されるように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを設定することによって達成できる。これらの位置の各々で、検査システム100は、3回の水平方向の計測、つまり、左の水平方向の計測、中心の水平方向の計測、及び右の水平方向の計測を実施する。このデータは保存可能で、較正サイクルの最後に向けて求められる計算されたレンズ歪み要因の一部とすることができる。当然、下側の中間の垂直方向位置は計測する最後の位置とすることが可能で、180°側の半径の計測に使用することが可能で、それは以降でアーバーの直径を求めるために0°側の半径に加算することができる。
Y軸の第2の0°直径の決定が完了すると、動作ブロック514に示すように、Y軸の第2の直径の決定が実施される。Y軸の第2の直径の決定は、右のアーバー基準とレンズ138とに関するアーバーの位置を求めるように左のアーバーの基準位置を移動させることによって達成することができる。歪みを最小にするように視野230の中心で1回の計測が実施され、半径を求め、レンズ138のY軸に対する配置ステージ128のY軸のあらゆるずれを補償するために使用される正接補正係数を計算するために使用される。
これが完了すると、動作ブロック516に示すように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを180°側(同じX軸位置)に設定して、半径を計測することによって、Y軸の第2の180°直径の決定が実施される。それから、動作ブロック518に示すように、Y軸正接補正係数が求められる。これは、第1のアーバー132と第2のアーバー134との間に配置される部品を、高さ方向ではない(水平方向の)態様で、補償する。さらに、これは、アーバーの右側と左側で得られた計測値とエンコーダからのXとYの両方の計測情報とを使用することによって達成可能で、画像計測ツールが正接補正係数の計算に使用される。以降の全てのY軸計測値には、この補正係数が含まれる。それから、動作ブロック520に示すように、前述の得られた全ての情報は、レンズ歪み要因を求めるために使用され、それから、光源及び/又はシステムステージ位置の任意の歪み/誤差(つまりAbbe*ステージ誤差)を含む、以降の全てのXとYの計測に使用される。
所定の部品計測アルゴリズム600を再度参照し、所定の較正アルゴリズム500が完了すると、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つはアーバー基準ニー位置220に戻すことが可能で、図22に示すように、部品計測アルゴリズム600が開始される。この時点で、動作ブロック602に示すようにフランク登録が実施される。これは、アーバー基準ニー位置220からX方向に部品162に向けて約半インチの最初のXとY位置に部品162が配置されるように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを配置することによって達成できる。それから、視野230の中心線の位置で有効径の下限が近似されるように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つをY方向に移動させる。それから、中心線の位置で交差しているフランク角を求めるために、ソフトウェア計測ツールが中心線の位置に配置される。それから、内径が視野230の左の縁に揃うように、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを構成できる。全ての以降の計測は、X軸方向のピッチリードの増分の移動に依存している。ただし、ピッチリードの増分は、部品の選択によって定まり、リード標準読み出しの上部に公開されている。当然、ねじゲージについては、切頂計測がねじ山#2の位置で実施され、完全な形態の計測がねじ山#6の位置で実施されることになる。用語4×は、第3のリード計測についてのねじ山の数を指し、4つのねじ山の範囲にわたって行われたことを示しており、用語/10はこの部品上で利用可能な10個のねじ山が存在していることを示している。
前述のようにフランクの登録が実施されると、動作ブロック604に示すように、第1の完全なねじ山0°側の切頂計測が実施される。これは、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを切頂されたねじの位置として指定されている0°側の第1のねじ山に構成することによって達成される。この指定は、ねじ山の数と、従って、部品162の選択とに依存している。それから、影の画像データを使用して、処理装置152は小半径、大半径(設定プラグに付いてのみ)、ピッチ半径、リードピッチ、先行/後続フランク角、及びねじ山の角度を求める。大半径は、外径によって求められ、それは0°の大半径と対応している180°側のねじ山とに基づいている合成計測値である。従って、大半径は、ねじ山の平坦部に沿って個々の計測値を総和し、集められた計測値の数で除することによって求められる。計測位置の数は、所定のねじ山の表によって定められているように、ねじ山の幅の70%を取り、それら雄ねじ山の中心に揃えることよって定めることができる。それから、この大半径を0°と180°の両方の側から組み合わせて外径とするゲージについては、この処理は、切頂された位置と完全な形態の位置の両方について実施され、製品については、この処理は、完全な形態の位置についてのみ実施される。
当然、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つに関係して配置ステージ128を構成することによって得られる全ての計測は、コリメート光源102、検知装置104及び/又は反射装置106の少なくとも1つを個別に又はグループとして部品に対して構成することによって実施できる。そのため、本発明は、検査システム100のあらゆる要素が本明細書で開示及び/又は考慮された任意の計測を実施するための適切な見通しを実現するように構成可能であるとしている。当然、検査システム100は、計測される部品及び/又は特徴を自動的に求めるためにデジタル認識能力によって構成可能である。例えば、部品162は、計測される部品の種類及び/又は部品の特徴を記述しているバーコード(印刷及び/又はエッチングのいずれでも)を有していてもよい。
部品のセンタリング、部品の機能サイズ、及び実際の直線からの過度の偏差に関する特定の異常が、部品の計測において存在することが考えられる。これらの異常に対応するために、(本明細書、また、引用を以て内容と開示とが本明細書の一部となる米国特許出願第11/391,521号及び第11/502,678号及び米国特許第7,227,163号で開示したような)以下の新規で独特のアルゴリズムを検査システムに適用することができる。これらのアルゴリズムは、計測される部品が計測用の場所に移動する検査システム、又は検査システムの部品(つまり、鏡、カメラ、光源等)が計測される部品に対して計測用の場所に移動する検査システムに適用可能であると考えられる。
ねじ部品の実際の直線の計測値からの過度の偏差に対応するために、ねじ部品の様々なパラメータ(必要に対応して)を平滑化する、つまり、異常な計測値を取り除き、残りの計測値の平均を取る(必要に対応して1つ又は複数の平均が得られる)ことが可能である。この操作は必要に対応して繰り返すことができる。この作業を達成するために、回帰分析を使用してこれらの偏差に対応している最終的な平滑化データを得ることが可能で、回帰分析は、以下の1つ又は2つ以上を有していてもよい。
1)標準的な最小2乗直線形回帰分析を実施する。
2)qトリム線形回帰分析を実施する。
3)耐性回帰手続きを実施する。
約±2シグマ標準偏差の外側の端の残差(異常値)を生成し、再フィッティングを生成したり計測したりすることができる。必要に対応して連続した及び/又は反復した計測を行うことも考えられる。また、所望の精度に対応して他のシグマ標準偏差値を使用することもできる。例えば、a±10シグマ標準偏差又はa±0.2シグマ標準偏差を使用することができる。
従って、「実際の直線」からの過度の偏差を取り除く方法の一実施形態は、以下の式を最小化することによって最小2乗直線を生成し、フィッティングするステップを含んでいる。
ここで、aはbの切片、bは求められた/理論上の勾配(予測、計算、又は計測できる)、kは生成された値の数、x
kとy
kは各座標対についての残差(異常値)、w
kは包含/除外される最小2乗直線のフィット(fit)であって、w
kの値は0(除外)又は1(包含)となる。それから、勾配bと切片aとの理論的な予測値が次のように求められる。
ここでxバーとyバーとは計測を行ったxとy座標値の平均であって、aハットとbハットとはaとbとの予測値である。この予測から、座標対(x
k、y
x)の各々の残差を以下のように計算することができる。
これは、データ点と対応する線上にあると予測される点との差の量であって、r(k)は各座標対x
k、y
xの残差である。残差は、以下のように最小から最大まで(必要に対応して最大から最小まで)ソートすることができる。
r
1≦r
2≦...≦r
n
これらの値は、残差が最大の絶対値を有している点を特定し、それらを取り除いたり、重み付け変数wを使用して重み付けしたりすることによって除去してもよく、wは得られた計測値と許容可能な反復性と精度の許容差に対応していてもよい。例えば、重み付け変数wは、トリミングする(trimmed)点についてはw
k=0に設定した場合、これは、許容可能な反復性と精度の許容差を実質的に0に等しくすることになる。これが実施されると、最小2乗直線を再度フィッティングし、再度フィッティングした線を使用して製品やゲージに対して必要なパラメータを求める。最大約30%の点をトリミングすることができるが、最小2乗直線の再フィッティングの前に、約5%〜10%の点だけトリミングすることもできる(部品の表面の仕上げに依存する)。
代替的なアプローチにも、最小2乗直線のフィッティングと、残差の計算とが伴っている。しかし、このアプローチには、以下で与えられる標準偏差の約2又は2.5倍の外側の残差のトリミングが伴っている。
ここでnは残差の数である。2倍の標準偏差基準を使用することによって、約5%のデータをトリミングし、減少した(トリミングされた)データセットの最小2乗予測値を使用して線を再度フィッティングすることができる。
従って、前述の両方のアプローチにおいて、アルゴリズムは簡単に以下のように記述することができる。
1)雄ねじ山のプロフィールに対応して生成されたオリジナルのデータに線をフィッティングする。
a.残差を計算
b.残差のソート
c.データセットのトリミング
i.トリミングされたデータに直線をフィッティングする
ii.新しい残差を計算
iii.新しい残差をソート
iv.新しいデータセットのトリミング
v.必要に対応して反復
2)再トリミングされたデータセットを使用して、ねじのねじ山の幾何学的パラメータを計算(例えば、フランク角(先行(leading)、後続(trailing)、及び内(included))、リード、外径、内径、及び有効径)
図31を参照すると、ブロック図は(必要に対応して)ねじ部品の計測値の少なくとも1つのパラメータを(個別に又は共に)平滑化することによって、ねじ部品の実際の直線の計測値からの過度の偏差に対応する方法1100を示しており、動作ブロック1102に示すように、雄ねじ山の設けられている部品のねじ山のプロフィールに対応して生成されたオリジナルデータに、最小2乗直線をフィッティングするステップを有している。それから、動作ブロック1104に示すように、本明細書で説明したように残差が求められ、新しいデータセットにソートされる。それから、動作ブロック1106に示すように、新しいデータセットに第2の最小2乗直線をフィッティングすることによって新しいデータセットが求められ、動作ブロック1108に示すように新しい残差が求められソートされる。1つ又は2つ以上の動作ブロック1102〜1108を必要なだけ反復することが考えられる。それから、動作ブロック1110に示すように、「調整された(adjusted)」(新しい)ねじのねじ山の形状寸法パラメータが、再トリミングされたデータセットから求められる。
当然、前述のアプローチは、外径、有効径、リード角度、内径、螺旋の変動などの部品の全ての計測に適用することができる。最小2乗フィッティングアプローチを使用するのではなく、他のアプローチにおいて最小絶対値偏差フィッティングを使用することが考えられ、以下によって最小化される。
さらに、直交最小2乗アプローチ、つまりねじ山のフランクに垂直な偏差の計測も使用することが考えられる。しかし、このアプローチの計算はより複雑である。当然、完全なデータセットを保持し、保持するかトリミングするかによって各点を参照しなければならない。一般に、残差の標準偏差が大きくなると、ねじのねじ山の品質が低下する。
本発明によれば、部品の機能サイズ(fs)は、有効径の計測値と、プロフィールの変動(リード、角度、螺旋経路の偏差)の累積効果との和である。ねじ製品、ゲージ、又は部分の機能サイズ、あるいはねじ製品又はゲージの計測値の偏差に対応する1つの方法が以下で説明され、以下の式に対応して、製品又はゲージの機能サイズfsを求めるステップが含まれている。
fs=pd+L(HP)+A
ここで
pd=実際の計測された有効径
avg=(先行フランク角+後続フランク角)/2
std=30度基準フランク角(度又はラジアンで与えることができる)
HP=螺旋経路
p=指定ピッチ距離=1/TPI(インチあたりのねじ山)
dp=ピッチ距離の誤差=1つの開始ねじ山を仮定したリードの誤差(正又は負)
L=単位回転あたりの軸線方向の移動
A=|1.5*p*tan(avg−std)|、(||は絶対値を意味する)
従って、pdはねじ山のプロフィールを貫通する円柱の直径であって、ねじ山の溝とねじ山の山とはねじ山の軸線に平行な部品の0°側と180°側で等しい。基本的に、機能サイズ(fs)は、有効径と全てのねじ山のプロフィールの変動の累積効果の和の値によって表すことができる。従って、誤差がない場合(つまりdp=0)、fs=pdである。しかし、誤差が存在する場合(つまりdp=±)、fs=pd+L+Aであって、pd=ねじ山のプロフィールの有効径、L=ねじ山のプロフィールのリード誤差、及びA=ねじ山のプロフィールの角度誤差である。
図32を参照すると、ブロック図は、本発明の一実施態様による製品又はゲージの機能サイズfsを求める方法1200を示しており、動作ブロック1202に示すように、実際の有効径pdを求めるステップを有している。動作ブロック1204に示すように平均フランクavgが求められ、avgは先行フランクと後続フランクの和を2で除したものである。動作ブロック1206に示すように基準フランク角stdは、指定ピッチ距離p、及びピッチ距離の誤差dpが求められ、基準フランク角は30度(ラジアン又は度で与えることができる)、指定ピッチ距離はインチあたりのねじ山、及びピッチ距離の誤差は1つの開始ねじ山を仮定したリードの誤差(負又は正)である。動作ブロック1208に示すようにねじ山のプロフィールLのリード誤差が求められ、単位回転あたりの軸線方向の移動で与えられる。動作ブロック1210に示すようにねじ山のプロフィールの角度誤差A(30°からの偏差)が求められ、|1.5*p*tan(avg−std)|(||は絶対値を意味している)で与えられる。それから、動作ブロック1212に示すように、機能サイズfsが求められ、ねじ山のプロフィールの有効径pd、ねじ山のプロフィールのリード誤差L、及びねじ山のプロフィールの角度誤差Aの総和として与えられる。
本発明によれば、製品(又はゲージ)の計測を行う場合、検査システムのレンズ系に対して、製品又はゲージができるだけまっすぐであることを確認することが重要である。まっすぐに揃えられている製品又はゲージからの任意の逸脱は、製品の計測に悪影響を与える可能性がある。そのため、検査システム内で製品又はゲージを中心に揃える方法の一実施形態を、本明細書で説明する。センタリングアルゴリズムは、計測される部品が計測用の場所に移動する検査システム又は検査システムの部品(つまり、鏡、カメラ、光源等)が計測される部品に対して計測用の場所に移動する検査システムに適用可能であると考えられる。
図33を参照すると、ブロック図1300は、センタリングアルゴリズムを使用して、部品の揃えのずれに対応する方法を示している。製品又はゲージが計測システムのステージ上に取り付けられる又は配置されると、動作ブロック1302に示すように中心線の値が求められる。これは、製品又はゲージの0°側(好ましくは最も長いねじ側を最初に、しかし他の位置も考えられる)の第1の点で、製品又はゲージの計測を行うことによって達成できる。計測は、製品又はゲージの180°側(同じく、好ましくは最も長いねじ側を最初に、しかし他の位置も考えられる)の第1の点でも行う。それから、動作ブロック1304に示すように、これらの計測値を減算し2で除算することによって第1の点の中心点が求められる。このステップは、動作ブロック1306と動作ブロック1308に示すように、製品又はゲージに沿って少なくとも1つの他の点について、好ましくは製品又はゲージの他方の端部の位置で繰り返される。それから、動作ブロック1310に示すように、第1の計測された中心点と第2の計測された中心点との間の線を投影することによって製品又はゲージの中心線が確定される。当然、製品又はゲージに沿った2つ以上の中心点が使用される場合、製品又はゲージの中心線は、第1の点、第2の点、第3の点等の間で最適にフィッティングする線を使用して求められる。
当然のことながら、レンズ歪み分析、所定の較正アルゴリズム500、所定の部品計測アルゴリズム600、及び/又はR&Rアルゴリズム700について先に説明した計測は、画素強度について画像データを調べることによって達成できる。これによって、検査システム100は、レンズ138、第1のアーバー132、第2のアーバー134、及び/又は部品162の既知の点をデータ点として見つけ、記録できる。これらのデータ点を使用して、レンズ138、第1のアーバー132、第2のアーバー134、及び/又は部品162の物理的な特徴は、幾何学的/三角法の関係、推定、及び/又は予測などの所望の最終目的に適している方法によって計算できる。
典型的な実施形態では、所定の部品のねじ山の仕様に対応して、計測位置の各々で複数の計測を実施することが考えられる。さらに、複数の個別の画素要素を有するように画像データを処理してもよい。処理装置142は、その後、前述のように複数の個別の画素要素の各画素を調べて、部品154の物理的特徴を求めることによって各計測を実施する。紙の印刷出力、コンピュータ画面、テレビ、プラズマディスプレイ及び/又は液晶ディスプレイ(LCD)などの所望の最終目的に適している任意の表示装置を通して、画像データを表示することがさらに考えられる。部品の物理的特徴は、前述のように画像データを処理することによって求められるが、部品の物理的特徴は、所望の最終目的に適している任意の装置及び/又は方法を使用して画像データを処理して求めてもよい。検査システム100は、無線ネットワーク(携帯電話、ポケベル、RP)、LAN、WAN、イーサネット(登録商標)及び/又はモデムなどのネットワーク接続を介して操作及び/又は監視してもよい。
処理装置152が、データ保存装置及び/又は処理装置152の揮発性メモリ(例えばRAM)に、画像データと計測結果とを保存することが考えられる。当然のことながら、リモートサーバなどの所望の最終目的に適している任意の位置に配置可能な揮発性及び/又は不揮発性のメモリロケーションに、画像データを保存することも考えられる。さらに、データストレージ装置を使用して、個別の部品データ及び/又は例えば特定のユーザ、部品の部分及び/又は特定の最終ユーザ装置などの所望の目的に特有の部品データのグループを保存してもよく、部品データはユーザに特有のデータ及び/又は部品の部分の履歴データなどの広い幅の情報を有していてもよい。
典型的な一実施形態では、検査システム100は自己較正を行い、複数の部品の計測のために自動化されていてもよい。さらに、検査システム100は、高い検査コスト、オペレータの感情、疲労、確信のなさ及び/又は誤りを削減及び/又は無くすような非接触計測を可能にする。検査システム100は、自動証明書及び情報出力ファイルの生成を可能にする。さらに、検査システム100は、組み込み再現性及び信頼性(R&R)認定及び試験プログラムを有しており、非常に高速な計測サイクルを可能にする。計測と報告のサイクルは通常2分未満の期間で実施される。さらに、検査システム100は精度が約0.000020以下である。これは、現在の「属性(Attributes)」又は変数計測システムを使用しては絶対に実現できない。また、検査システム100は、「属性」又は変数計測システムを使用して現在の仕様を満たすための検査に必要な部品の複数の特徴の1つだけを計測するよりも約25倍高速である。
検査システム100を使用して部品162の特徴を計測するための機械読み取り可能なコンピュータプログラムコード及び/又は機械読み取り可能なコンピュータプログラムによってコード化されている媒体であって、コード及び/又は媒体はコントローラによって検査システム100を操作するステップを有している方法を実装する命令を有している。検査システム100は、コリメート光源102、コリメート光源102及び部品と光学的に通信している検知装置104とを有しており、処理装置152は、検知装置104と通信している。部品162が検査システム100に結合するように部品162を配置するステップと、検知装置104とコリメート光源102との間の光の伝達を、部品162が部分的に遮るように部品162を配置するステップと、コリメート光線が部品162に入射して、部品162の影が検知装置104に受け取られるようにコリメート光源102を操作し、検知装置104が影に対応して画像データを生成するステップと、画像データを処理装置152に伝達するステップと、部品162の所望の特徴を求めるように画像データを処理し、特徴をユーザに表示するステップとを有している。
典型的な実施形態によれば、図12、13、19、22、23、29、30の処理は検査システム100の内部、外部、又は外部と内部とに配置されているコントローラによって実装してもよい。さらに、図12、13、19、22、23、29、30の処理は、コンピュータプログラムに対応して動作するコントローラによって実装してもよい。規定された機能と所望の処理だけでなくそのための計算(例えば、実行制御アルゴリズム、本明細書で規定した制御プロセス等)を実施するために、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、ストレージ、レジスタ、タイミング、割り込み、通信インターフェイス、及び入出力信号インターフェイスだけでなく、前述の少なくとも1つを含んでいる組み合わせを有していてもよいが、これらには限定されない。
本発明は、コンピュータ又はコントローラ実装プロセスの形態で実施できる。本発明は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードディスク、及び/又は他のコンピュータ読み取り可能メディアなどの具体的な媒体内に実現された、命令を有しているコンピュータプログラムコードの形態でも実施することが可能で、コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はコントローラにロードされ実行されるときに、コンピュータ又はコントローラは本発明を実施する装置になる。本発明は、例えば、記憶媒体に保存されている、コンピュータ又はコントローラにロードされる及び/又は実行される、又は電線又はケーブル、光ファイバ、電磁放射などの何らかの伝送媒体を通して送信されるコンピュータプログラムコードの形態で実施することも可能で、コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はコントローラにロードされ実行されるときに、コンピュータ又はコントローラは本発明を実施する装置になる。汎用マイクロプロセッサ上に実装されたときに、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を生成するようにマイクロプロセッサを構成してもよい。
以下の説明は、雌ねじが設けられている品物の内部特徴を計測する検査システム2000に適用される。典型的な実施形態を、ナットやその他の雌ねじ部品などの雌ねじが設けられているゲージ、製品、及び部品の計測と検査に適用可能な例として本明細書で説明する。しかし、以下で典型的な実施形態を示し説明するが、当然、当業者は、本発明は以下の実施形態と用途に限定されず、歯車、内部孔、統合された平たい円柱孔(integral plane cylindrical bores)、雌ねじ、内径、及び/又は材料組成及び/又は強度の許容差の計測の精度が重要なあらゆる部品及び/又は計測を含むことを理解するであろう。さらに、当業者は開示された実施形態の範囲内で様々な実装と構成とが潜在的に可能であることを理解するであろう。
本発明によれば、検査システムが与えられ、計測している表面をマッピングするレーザを使用する光学的な三角測量プローブなどの計測装置を使用して、雌ねじが設けられている製品(及び/又はゲージ、平坦な及び/又はねじ山が設けられているリングゲージ)の内部特徴の検査と計測とに使用可能である。実際に、内部検査は、内部表面及び/又は包囲部分を有しているほとんどの装置と構造の物理的な特徴の検査と計測とに使用可能であって、ねじ山が設けられている/いない製品、作業通り/止りリングゲージ及び/又はねじ山が設けられているマスターリングには限定されていない。本発明によれば、所望の内部特徴は、リード、フランク角(ねじ山の角度)、フランク角(先行)、フランク角(後続)、有効径、テーパー、内径、外径、外径隙間、真円度及び機能サイズを含むがこれらには限定されない。
図34を参照すると、内部検査システム2000の一実施形態を示しており、計測プローブ2002、計測プローブカラー2004、計測プローブ配置装置2006、計測プローブ支持装置2008、処理装置2010、及び製品保持装置2012を有している。検査する製品を保持したり解放したりするためにオンとオフとが容易に切り替えられる電磁装置として、製品保持装置2012を本明細書では示し参照しているが、製品保持装置2012は、所望の最終目的に適している任意の製品保持装置2012とすることができる。例えば、製品保持装置2012は、摩擦、吸引、クランプ、クリップ等によって製品を保持してもよい。製品保持装置のこの代替の形式は、非金属(プラスチック、セラミック等)製品をしっかりと保持する場合に有用である。製品を検査中に、保持装置の助けを借りずに表面に単に置くことも考えられる。
本発明では、計測プローブ2002は、レーザ発光器/受光器部分2014を有している光学三角測量形式プローブとして示されており、レーザ発光器/受光器部分2014は、1インチの約2000万分の1の計測分解能を有している計測レーザビームを発光し受光することが可能で、約1万分の1インチから約5万分の1インチの範囲のスポットサイズを有しているレーザビームを発光するように構成されている。当然であるが、分解能は、少なくとも部分的には光学的な三角測量プローブ内の鏡の構成に基づく。計測プローブ2002は、計測プローブ2002と処理装置2010との間でデータ(表面マップデータ及び/又は画像データ(影又は映像))を通信するように光ファイバケーブル2016を通して処理装置2010と通信可能であってもよい。信号(データ)調整回路を処理装置2010に(内部又は外部で)結合し、処理装置2010によるデータの受信の前及び/又は後に、信号を調整することが考えられる。さらに、データを処理装置2010に無線の方法/装置によって、又は有線接続によって送信することが考えられ、データは、処理装置2010への送信前に電気信号に変換される。さらに、計測プローブカラー2004を設けることができ、計測プローブ2002を覆って計測プローブ2002と計測される製品の表面との間に十分な分離距離が確保できる。計測プローブ2002を、レーザ光源を使用する光学的三角測量形式プローブとして示し説明しているが、当然のことながら、非レーザ平行光、光学、ボアスコープ、メーザー、電子ビームなど、電磁エネルギーを(電磁スペクトル全体に沿って)放射する、所望の最終目的に適している任意の形式の計測装置を使用可能である。
計測プローブ配置装置2006は、計測プローブ支持装置2008によって支持されており、計測プローブ2002を計測される製品の内部空間の内外に移動できる。本明細書ではボール摺動ユニットとして開示しているが、計測プローブ配置装置2006は、所望の最終目的に適している任意の配置装置(例えば、電気又は空圧の配置可能な装置など)とすることができる。計測プローブ配置装置2006は、計測プローブ2002を製品内に、そして計測する表面に隣接して正確に配置できるようにする。計測プローブ配置装置2006は、処理装置2010によって又は何らかの他の(外部又は内部の)装置によって正確に制御できる。製品保持装置2012は、計測する部品をしっかりと保持し配置するように設けられている。
本発明の一実施形態によれば、内部検査システム2000は以下のように動作する。図34をまた参照すると、ねじ製品/部品2018(雌ねじが設けられている製品又はねじ山が設けられているリングなど)が製品保持装置2012に隣接して配置され、部品2018は、手又は自動化されている装置によって配置できる。製品保持装置2012は、電磁石を作動させて磁力によって部品2018を静止状態で、製品保持装置2012の電磁石の表面にしっかりと接触させて保持するように操作される。計測プローブ2002は、計測プローブ2002のレーザ発光器/受光器部分2014を覆うように配置されている計測プローブカラー2004を備えており、製品2018の空洞内(又は計測される製品/部品の領域)に計測される製品表面に隣接するように位置されている。この初期部品方向を0°位置と呼ぶ。図35を参照して、計測プローブ2002が製品2018の空洞内にいったん配置されると、製品保持装置2012が操作されて、電磁石が非作動にされる(消磁される)。これによって、計測プローブ2002の計測プローブカラー2004上に製品2018を配置することができる。それに対応して、製品は、製品保持装置2012(電磁石)に隣接するように計測プローブカラー2004上で「中心に揃えられる(centered)」。
それから、図36に示すように、製品保持装置2012を再度作動させ、電磁石を磁化させ、製品保持装置2012の電磁石に製品2018を接触させて、定位置にしっかりと保持する。ここで、計測プローブ2002は、図37に示すように製品2018の空洞から後退してもよく、図38aに示すように、計測プローブカラー2004は、レーザ発光器/受光器部分2014から(少なくとも部分的に)離れるように配置されて、レーザ光が発光/受光されてよい。当然のことながら、カラー2004の幅は、計測される製品表面と計測プローブ2002との間に分離距離が得られるように大きさが設定されて、計測プローブ2002がレーザ光を発光し、検知される製品2018の表面で反射した(及び/又は屈折した)レーザ光を十分に受光できるように、計測される製品表面と計測プローブ2002との間に分離距離が得られる。この分離距離は、光学三角測量プローブの鏡及び/又は製品自体に依存していてもよい。例えば、一実施形態において、分離距離は、製品の内径と計測プローブ2002との距離に等しくてもよい。
計測プローブカラー2004を取り除く前に、(前述のように)計測プローブ2002を、空洞から(少なくとも部分的に)取り除くことが考えられる。又は、計測プローブ2002が空洞内に依然として配置されている時に、計測プローブカラー2004を(少なくとも部分的に)取り除いてもよい。又は、計測プローブ2002は、計測プローブカラー2004を有していなくてもよく、計測する表面に対するプローブの位置を求め、プローブ2002、部品2018、又はプローブ2002と部品2018の両方を移動させて分離距離を調整することによって分離距離を求めて実現してもよい。本発明の一実施形態によれば、これによって、計測プローブ2002に対して製品2018を適切に配置できる。処理装置2010又は最終目的に適している任意の他の装置/方法によって全体が若しくは一部が制御されるような計測プローブ配置装置2006又は別の配置装置を(少なくとも部分的に)使用して、計測プローブ2002及び/又は計測プローブカラー2004を配置することが考えられる。図38bに示すように、複数の計測プローブ2002(又は複数の発光器/受光器部分2014を有している1つの計測プローブ2002)を実装し、0°位置と180°位置の両方を計測するために使用することも考えられる。1つ又は2つ以上のプローブを(プローブを環状に回転させたり、プローブを環状に配置したりすることによって)表面の360°(つまり0°から360°)を同時に計測して内部表面の完全な(又は部分的な)表面マップを生成するために使用することがさらに考えられる。この場合、分離距離は、前述のように求め実装したり、プローブ2002を特定の製品2018についての適切な分離距離をとるために互いに対して配置してもよい。
図39を参照すると、計測プローブ2002は、計測する表面に隣接するように製品2018の空洞内に配置されており、計測プローブ2002は、計測される製品2018の表面を、レーザ光が照明するように操作される。通常、計測プローブ2002は、製品保持装置2012の面に隣接して最初に配置されて、計測プローブ2002が空洞から後退するときに内部の製品表面全体を計測できるようにされる。しかしながら、表面の所望の部分だけが計測されるように、計測プローブ2002を部分的に空洞内に配置することが考えられる。それから、図40aに示すように、計測プローブ2002がレーザ光を使用して計測される表面を照明している状態で、計測プローブ2002を空洞から(つまり、計測プローブ配置装置2006に向けて空洞を通して)後退させることができる。計測される表面に入射したレーザ光は、表面から「跳ね返り」、計測プローブ2002に向けられ、計測プローブ2002が空洞を横切るときに、反射されたレーザ光の少なくとも一部がプローブ2002によって受光される。当然のことながら、この計測も空洞の最も外側の点から開始し、計測プローブ2002が製品保持装置2012に向けて空洞を横切りながら表面を照明することによって実施できる。計測プローブ2002が製品2018の空洞を通って、所望の画像品質/解像度などの所望のデータに依存したそして対応した一定の及び/又は可変の速度で引き出されるときに、計測プローブ2002によって受光されたこのレーザ光によって、計測される表面のプロフィール(雌ねじが設けられている表面)を生成することができる。それから、必要に対応して、図40bに示すように、このプロセスを90°、180°、及び/又は270°の位置などの製品2018の他の向きについて繰り返すことができる。
当然のことながら、ある実施形態では、計測プローブ2002として使用されている光学的三角測量プローブは、計測される表面に入射するレーザビームを発光して動作してもよい。表面からのレーザビームの反射(又は反射の一部)は、計測プローブ2002に受光され、従って、表面プロフィール画像(影の画像など)を生成することができる。電磁スペクトルの他の周波数(レーダ、メーザー等)を使用すること、及び/又は光学的三角測量プローブの代わりに表面の画像を生成するために使用されるカメラなどの他の計測装置を使用することも考えられる。当然のことながら、全ての計測値と特徴とが、その後、本明細書で説明したものと同じ(又は同様の)方法及び/又はアルゴリズムを使用して生成される。内部計測については、雄ねじの外径の最大の材料の状態の隙間を保証するように外径を計測することもできる。製品保持装置2012に製品を結合する作業を実施するように構成されている手や装置などの所望の最終目的に適している任意の方法/装置を使用して、製品保持装置2012に製品を配置することもさらに考えられる。本明細書の部品を、所望の最終結果を得るために異なるように構成することも考えられる。例えば、計測プローブ2002を移動可能であるように、そして製品2018を静止しているように示しているが、計測プローブ2002が静止しており、製品2018(又は製品保持装置2012)が移動可能であるようにすることも考えられる。
図41を参照すると、内部検査システム2000を実装する方法3000の一実施形態を示しているブロック図が図示されている。ブロック3002に示すように、製品2018を製品保持装置2012に(電磁石によって)結合し、発光器/受光器部分2014を覆うように、計測プローブカラー2004を計測プローブ2002に結合するステップを有している。そして、動作ブロック3004に示すように、計測プローブ2002は、計測される製品2018の空洞内に製品保持装置2012の表面に隣接して及び/又は接触させて配置される。動作ブロック3006に示すように、製品保持装置2012の電磁石が非作動にされて、計測プローブ2002の計測プローブカラー2004上に、製品2018の0°側が配置される。これによって、製品が揃えられ、また中心に揃えられ、適切な分離距離(この実施形態では計測プローブカラー2004の幅である)が保証される。動作ブロック3008に示すように、製品保持装置2012の電磁石を再度作動させることで、製品2018を再度固定し、計測プローブ2002と製品2018との間に適切な分離距離が確保され維持されることが保証される。動作ブロック3010に示すように、計測プローブ2002の発光器/受光器部分2014から(少なくとも部分的に)離れるように、計測プローブカラー2004が配置される。そして、動作ブロック3012に示すように、計測プローブ2002は、空洞の少なくとも一部を横切って、0°の側について(又は双計測プローブ2002を備えているシステムについては0°と180°の両方について)製品2018の表面の物理的特徴(ねじ山など)を計測するように空洞内で移動する。表面計測中に、プローブ2002が、製品2018の空洞内に(1回又は必要に対応して複数回)出入りするように移動することが考えられる。動作ブロック3014に示すように、前述の動作のいずれか又は全てを、製品2018(180°側)の同じ又は異なる向きについて必要に応じて繰り返すことができる。
典型的な実施形態によれば、部品のねじ山の仕様や他の要因に対応して計測位置の各々で複数の計測を実施することが考えられる。さらに、複数の個別の画素要素を有するようにデータを処理してもよい。処理装置2010は、前述のように表面の物理的特徴を求めるために、複数の個別の画素要素の各画素(又は選択された画素)を調べることができる。データを紙の印刷出力、コンピュータ画面、テレビ、プラズマディスプレイ及び/又は液晶ディスプレイ(LCD)などの所望の最終目的に適している任意の表示装置を通して(画像又は他の出力として)表示することがさらに考えられる。部品の物理的特徴は前述のようにデータを処理することによって求められるが、部品の物理的特徴は所望の最終目的に適している任意の装置及び/又は方法を使用してデータを処理して求めてもよい。検査システム2000は、無線ネットワーク(携帯電話、ポケベル、RP)、LAN、WAN、イーサネット及び/又はモデムなどのネットワーク接続を介して操作及び/又は監視してもよい。
処理装置2010がデータ保存装置及び/又は処理装置2010の揮発性メモリ(例えばRAM)にデータと計測結果とを保存することが考えられる。当然、リモートサーバなどの所望の最終目的に適している任意の位置に配置可能な揮発性及び/又は不揮発性のメモリロケーションに、データを保存することも考えられる。さらに、データストレージ装置を使用して、個別の部品データ及び/又は例えば特定のユーザ、部品の部分及び/又は特定の最終ユーザ装置などの所望の目的に特有の部品データのグループを保存してもよく、部品データは、ユーザに特有のデータ及び/又は部品の部分の履歴データなどの広い幅の情報を有していてもよい。
システム2000が、得られた又は結果データ(画像など)を表示するフラットパネル表示装置などの表示装置を有していることもさらに考えられる。表示装置がフラットパネルディスプレイであると述べたが、表示装置は、所望の最終目的に適している任意の表示装置であってもよい。さらに、処理装置2010はMS Windowsオペレーティングシステム(又はより新しいバージョン)を動作させているコンピュータシステムであってもよいが、処理装置2010は所望の最終目的に適している任意の処理装置であってもよい。計測プローブ配置装置2006は、ガラススライドを備えているステージと、耐クリープ技術を備えており交差しているローラを有しているリニアモータとを有してもよいが、所望の最終目的に適している任意の計測プローブ配置装置2006を使用することができる。リニアモータは、所望の計測を達成するように任意の方向への十分な移動を可能にしてもよい(例えば、任意の所望の方向へのプラスとマイナスの5インチの移動)。計測プローブ配置装置2006は、図40bに示すように、ハードウェアによって実現されている及び/又は無線コントローラを介して動作するように構成することも可能で、X、Y及び/又はZ軸の方向の移動に対応していてもよい。
既知のように、部品のねじ山は、ねじの山とねじの谷との組み合わせであり、通常、一様の断面であって、円柱又は円錐の外側又は内側表面上の螺旋で溝を形成することによって作られている。部品のねじ山は、相手の部品のねじ山と連動するように構成されているので、ねじ山の大きさとねじ山の形態に関連している特定の重要な物理的特徴を厳密に制御することが必須である。これらの重要な特徴の許容可能な許容差からの逸脱が、システムの破滅的な故障及び/又は人命の喪失につながることがある。そのため、これらのねじ山の大きさの特徴とねじ山の形態の特徴とをできるだけ正確に計測することが好ましい。ねじ山の大きさの特徴には、外径、内径、機能径、及び有効径があり、ねじ山の形態の特徴には、ピッチ、リード、ねじれ角の一様性、フランク角、及びねじ山の角度があり、それらの各々を本明細書でより詳細に説明する。
図42と図43とを参照すると、雌ねじ部品2018の側部断面図が図示及び説明されている。部品の外径は、表面が部品のまっすぐな軸線に平行で、雌ねじの谷底の境界を定めている大円柱と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅である。そのように、雌ねじが設けられているリングゲージは、隙間直径を有しており、ねじ製品は完全な形態の外径を有している。雌ねじが設けられているゲージと雌ねじが設けられている製品の両方について、完全な形態の外径は、完全な形態のねじ山の0°側で計測された大半径(部品の軸線と大円柱の1つの表面との間の距離つまり外径の半分と定義できる)と完全な形態のねじ山の180°の側で計測された大半径とに対応した合成計測値として定義することができる。部品の内径は、表面が部品のまっすぐな軸線に平行で、雌ねじの山の頂の境界を定めている仮想的な円柱つまり小円柱の直径である。
一様な間隔を有している雌ねじ山のピッチは、軸線に平行に、その軸線方向の平面内で、軸線の側にて、隣接しているねじ山の形態の対応している点の間で計測した距離として定義することができる。従って、ピッチはインチあたりのねじ山の数(TPI)として定義することが可能で、ピッチ距離は1/TPIとして定義することが可能で、TPIはねじ山の軸線に平行に、あるフランク上の点から次の使用可能なフランク上の対応している点まで計測される。部品の有効径は、ピッチ円柱と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅であり、該ピッチ円柱は、表面がねじ山つまり部品の軸線に平行で、ねじ山の山とねじ山の谷の幅が等しくなるように、表面がまっすぐなねじ山のプロフィールと交差している、ピッチ円柱と呼ばれる仮想的な円柱の直径つまり幅である。
リードは、ねじ部品が固定されて嵌合しているねじ山に対して、その軸線を中心にねじ部品が回転するときに、角度方向の回転の量に関連して部品が移動する軸線方向の長さと定義できる。従って、リードは、ねじ部品が完全に1回、つまり360°回転したときの軸線方向の移動の量であって、ピッチは1つのフランク上の点から隣接しているフランク上の対応している点まで軸線に平行に計測された距離である。リードのどのような偏差も、雌ねじの機能径を減少させることにつながり、ねじ部品の有効径の動作許容差が急激に減少する。リードの偏差によって、ねじのねじ山がその螺合する部品と2〜3個の点を除いて全く係合できなくなることもある。従って、ねじ部品が組み立てられるときに、トルクが作用し、その結果、圧力は2〜3の、場合によっては1つの圧力フランクにだけ作用する。そのため、リードのどのような偏差によっても、いくつかのねじ山について非係合状態が発生し、非係合のために、圧力フランクの係合の点の位置で係合しているねじ山に不具合が発生する可能性がある。
ねじ山の螺旋経路の偏差は、実際の螺旋状の延伸からの波状の偏差、つまりねじれ角の非一様性である。リードと同様に、螺旋経路の偏差が、うねりの大きさに比例して雌ねじ部品の機能サイズ減少の原因になる。故に、リードの偏差に関連して行われた全ての言及は、螺旋経路の偏差にも当てはまり、同様に、螺旋経路の偏差の結果、ねじ山のフランクが部分的に係合することもあり、その結果、トルク圧力が一様に分散せず、予荷重が緩和されることもある。
ねじ山のねじ山の角度は、軸線方向の平面内で計測したねじ山のフランクの間の角度である。フランク角は、軸線方向の平面内で計測した個々のフランクとねじ山の軸線の垂線との間の角度である。対称ねじ山のフランク角は、半分のねじ山の角度又はねじ山の半分の角度と一般に呼ばれる。フランク角の偏差の結果、製品に線荷重が作用したりトルクが作用したりしたときに、ねじ山の不具合が発生することがある。これは、不適切なフランクの係合によって、圧力負荷がフランクに沿って均一に分散するのではなく、圧力負荷がフランクに沿って均一に分散しないことがあるためである。
部品のその他の重要な物理的な特徴には、機能サイズ直径、ピッチ円錐のテーパー特徴、及び歪みがあり、それら全てが、非係合状態を発生させる可能性がある。実際に、変形、つまり本明細書で説明したあらゆる物理的な特徴の仕様からの偏差は、様々な程度の非係合の原因となることがある。
雌ねじの機能径、つまり仮想直径は、リード、螺旋経路の偏差、フランク角の偏差、テーパー、及び歪みを考慮した製品のねじ山の最終的なサイズとして定められ得る。そのため、機能径は、完全な深さの係合であるが山の頂と谷底の位置で明確な指定された長さの係合を有している完全なピッチ、リード、及びフランク角の外側を覆うねじ山の有効径であると見なすことができる。雌ねじについては、機能径は、係合の指定された長さにわたるリードとフランク角の変動を含む偏差の累積効果を有効径から減算することによって、導出できる。従って、テーパー、歪み、表面の欠陥の効果は、雌ねじの機能サイズにおいては正又は負となることがあるのは明らかである。
ピッチ円柱のテーパー特徴は、ねじ山のピッチ円柱が単にテーパー状になることである。故に、テーパー状のねじ山は、完全なねじ山の係合を実現できず、それは、圧力フランク上での不均一なトルク圧力状態と予荷重の緩和とが原因の製品の不具合につながることもある。
ピッチ円柱の円形からのあらゆる偏差であるピッチ円柱の歪みによって、ねじ山の係合が限定され、相手のねじ山との線接触だけが可能になり、これには多円弧と楕円との2種類の歪みが通常含まれる。
計測するねじ部品の好ましい物理的特徴を以上で説明し、これらの特徴を計測する方法全体を以下で示し説明する。さらに、本明細書で説明する方法、計算、及びアルゴリズムの各々は、システムオペレータ及び/又は自動化システムによって実施することが可能であると考えられる。
計測される表面(つまりねじ山の0°側と180°側)のデータが得られると、フランク角を求めることができる。データを使用して、内径、外径、有効径、リードピッチ、先行/後続フランク角及び/又はねじ山の角度を求めることができる。大半径は、外径によって求められ、それはねじ山の0°側と対応している180°側の大半径に基づいた合成計測値である。従って、大半径は、個々の計測値を総和し、集められた計測値の数で除することによって求められる。計測位置の数は、ねじ山の表によって定められているように、ねじ山の幅の70%を取り、それらねじ山の中心に揃えることよって定めることができる。それから、この大半径の平均を0°と180°の両方の側から組み合わせて外径とすることができる。対象とする位置での先行角度と後続角度、外径、ピッチリード、山の頂の幅に基づいている有効径の計算を以下の式によって求めることができる。
PD=MD−(Cot(PL/2)−CW)
ここで、PDは有効径、MDは外径、PLはピッチリード、CWは山の頂の幅である。先行/後続/先行フランクに沿った谷の距離と山の距離との間の差に対応しているリード前部の計測値は、様々な既知の方法によって求めることができる。
さらなる実施形態において、有効径(PD)を、データに存在する可能性のある任意の収差を調整するために補正係数(CF)と共に求めることができる。図44を参照すると、複数のねじ山4002を有しており、対称な雌ねじが設けられている物体4000を示している。物体4000は、ねじ山の谷4004とねじ山の山4006とを有している。ねじ山が設けられている物体4000の有効径(PD)は、物体の0°側の点と物体の180°側の点との間の距離として単純に記述することが可能で、ねじ山の山g1とねじ山の谷g2の幅は等しい(図43を参照)。しかし、場合によっては、レーザビームが計測する表面から反射され、不要な反射が計測プローブ2002の検知装置に入射し、データの収差の原因になることがある。そのため、生成されたデータは、不要な高い及び/又は低い次数の反射に対応するデータを含んでいることがあり、従って影の画像4008で示すように物体4000の有効径(PD)などの物理的な特徴が歪んでいたり、不正確になったりすることがある。
画像データ内の影の画像4008の任意の収差を補償するために、補正係数(CF)を生成し、有効径(PD)を求める処理に適用することができる。そのため、有効径(PD)は以下の式で表すことができる。
PDFinal=PDObserved−CF
ここで、PDFinalは任意の収差に対して修正されている有効径(PD)、PDObservedは計測された任意の収差を含んでいる有効径(PD)、そしてCFは任意の収差を表している補正係数(CF)である。
例えば、雌ねじについて示すように、任意の収差を補償する一実施形態は、影の画像に対応して補正係数(CF)を生成するステップと、を検知装置によって生成された影の画像データから補正係数(CF)減算するステップとを有し、補正係数(CF)はx軸、y軸、及びz軸を有している3D空間におけるねじ山の1つのフランク(つまりねじ山の山の裏側)を、x軸とy軸だけを有している2D空間内へのストリップの埋め込みとして、パラメータによって示すことによって求められてもよい。図45を参照すると、対称なねじ山を有している物体つまり部品について、2つの変数(r、t)だけを使用して、2つの点r1とr2との間に描かれている直線Kx-zによって接続されているx−z軸上のねじ山の内径を表している第1の点r1と、x−z軸上のねじ山の外径を表している第2の点r2とをx−z平面内に示している。変数Rはx−z平面における有効径(PD)の2D表現であって、tはx−z平面内の点r1とr2の間に描画されている直線Kx-zと直線Kx-zのx−y平面上への投影Kx-yとの間の角度として表すことのできるフランク角である。さらに、変数Lx-zはねじ山のリード角度であって、変数mはフランク角tの正接である。変数rはz軸と直線Kx-z上の点との間の距離を表しているx−z平面上の点であって、従って内径の半分から外径の半分までの範囲である。そのため、以下の式を使用して前述の関係をパラメータ化することができる。
x=rcos(t)
y=rsin(t)
z=mr+Lt/2n
それからこの埋め込みは以下の式を使用してx−z平面上に投影し、
x=rcos(t)
z=mr+Lt/2n
ヤコビ行列の行列式を求めることが可能で、ヤコビ行列は以下のように定義される。
周知のように、ヤコビ行列はベクトル値関数の全ての1次偏微分の行列であって、所与の点の近傍の微分関数に対する「最良の」線形近似を表していることもある。
従って、前述のように導出された式を使用すると次のようになる。
x=rcos(t)
z=mr+Lt/2n
ヤコビ行列J(x
1...x
n)は次のように表すことができる。
ヤコビ行列J(x
1...x
n)を解いて、x−z平面上の影の画像(つまりリボン)の一式の点を見つけることは、以下の式によって示される。
J=((L/2π)cos(t)+mrsin(t))=0
ここで
r=−(L/(2πmtan(t)))
図46を参照すると、Rの値がねじ山の有効径(PD)の半分に設定された場合、r=Rでt=0の点のすぐに「右」のリボン(つまり影の画像)の投影上の点を求めることができる。これは、有効径(PD)の点(x、y、z)=(R、0、mR)と同じz座標を有しているリボン上の点であって、従って、有効径(PD)の点(x、y、z)において、z=mRであることがわかる。z=mRをzの式に代入すると以下の式が得られる。
z=mR=mr+Lt/(2πm)
r=R−Lt/(2πm)
そして、式(1)を式(2)に組み合わせることによって、以下の式が得られる。
−L/(2πmtan(t))=R−Lt/(2πm)
及び
L+(2πmR−Lt)tan(t)=0
この式は、L、m、及びHの各所与の値について解かなければならない。フランク角tがわかっていると、これらの方程式は、rを求めるために解くことが可能で、有効径(PD)の変位の半分が、リボン上の点のx座標から有効径(PD)の点(x、y、z)=(R、0、m)のx座標を減算した値、つまり簡単にはrcos(t)−Rである。従って、当然、補正係数(CF)はこの量の2倍であると仮定され、以下の式で与えられる。
CF=2(rcos(t)−R)
従って、任意の収差について調整されている対称に雌ねじが設けられている物体についての有効径PDFinalは、前述の補正係数(CF)を式(1)に適用して、以下の式を得ることによって求めることができる。
PDFinal=PDObserved−2(rcos(t)−R)
同様に、バットレスねじ山など非対称なねじ山を有している物体や部品については、ここで適用される方法を両方のフランクに使用することができる(非対称のせいで各フランクについて計算しなければならない)。そのため、両方のフランクについて前述のアプローチを使用している単純な幾何学的な理屈によって、2つの結果を一種の重み付き平均に組み合わせて、次の式を得ることができる。
CF=(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
ここで、d1とd2は、対称な雌ねじ山として独立して扱われる2つのフランク角についての影の修正であって、a1とa2はそれぞれのフランク角である。以上から、任意の収差について調整されている非対称に雌ねじ山が設けられている物体についての有効径PDFinalは、前述の補正係数(CF)を式(1)に適用して、以下の式を得ることによって求めることができる。
PDFinal=PDObserved −(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
図47を参照すると、ブロック図は、検査システム2000を使用して雌ねじ部品の物理的特徴を計測する高レベルの方法5000を示しており、動作ブロック5002に示すように、物体を検査システム2000に配置するステップを有している。動作ブロック5004に示すように、検査システム2000は、計測プローブ2002が計測される表面に入射するレーザ光線を発光し、反射したレーザ光線を少なくとも部分的に計測プローブ2002の検知装置に入射させるように操作される。それに対応して、初期データが生成/取得される。動作ブロック5006に示すように、この初期データは処理され、部品2018の複数の物理的特徴の少なくとも1つに対応して結果データを生成し、初期データは初期データ内の任意の収差を修正するように少なくとも部分的に前述のアルゴリズムに対応して処理される。本明細書で説明したように、アルゴリズムは計測される部品の種類に少なくとも部分的に対応していてもよい。例えば、物体が、対称なねじ山を有している雌ねじが設けられている物体の場合、所定のアルゴリズムは少なくとも部分的に次の式に対応していてもよい。
CF=2(rcos(t)−R)
しかし、物体が非対称なねじ山を有している雌ねじが設けられている物体の場合、所定のアルゴリズムは少なくとも部分的に次の式に対応していてもよい。
CF=(d1tan(a1)+d2tan(a2))/(tan(a1)+tan(a2))
図48を参照すると、ブロック図は、検査システム2000によって生成されたデータの収差を修正する方法6000を示しており、動作ブロック6002に示すように、検査システム2000によって初期データを生成するステップを有しており、計測プローブ2002の検知装置は、計測する表面と反射されたレーザ光線に含まれている任意の収差に対応して初期画像データを生成する。それから、動作ブロック6004に示すように、初期画像データを処理して結果データを生成してもよい。これは、動作ブロック6006に示すように、初期データから初期有効径(PD)データを生成することによって達成される。それから、動作ブロック6008に示すように、初期有効径(PD)データはパラメータ化され、ヤコビ行列J(x1...xn)によって解かれるが、動作ブロック6010に示すように、ヤコビ行列J(x1...xn)は部品の複数の物理的な特徴に対応して解かれ、補正係数(CF)データが生成され、複数の物理的な特徴は、リード角度、フランク角、外径、及び内径の少なくとも1つを含んでいてもよい。補正係数(CF)データがいったん求められると、動作ブロック6012に示すように、初期有効径(PD)データが補正係数(CF)データに対応して処理され、結果の有効径(PD)データが得られる。リード前部計測値とリード後部計測値との間の距離に対応した複数のねじ山のリード、後続角度、及びねじ山の角度を公知のように求めることができる。
この時点で、第2のねじ山の0°側計測、第1の完全なねじ山の180°側計測を180°側の第1の完全なねじ山で実施してもよく、内径、外径、有効性、及びリードピッチを求めてもよい。第2のねじ山の180°側計測を180°側の第2の完全なねじ山で実施してもよく、大半径、ピッチ半径、及びリードピッチを求めることができる。部品の値と限界とを更新し、結果を保存し、システムオペレータに表示し、及び/又は印刷してもよい。
本明細書で説明しているような計測値の異常に対応するために、以下の新規で独特のアルゴリズムを本明細書と、引用を以て内容と開示の全体が本明細書の一部となる米国特許出願第11/391,521号及び第11/502,678号及び米国特許第7,227,163号に開示された発明に適用することができる。
雌ねじ部品の計測値の様々なパラメータを(必要に対応して)「平滑化する」には、以下の回帰分析アプローチを使用して最終的な平滑化データを得ることが可能で、以下のステップを有している。
4)標準的な最小2乗直線形回帰分析を実施する。
5)qトリミング線形回帰分析を実施する。
6)耐性回帰手続きを実施する。
このアプローチは、全体又は一部を、所望のそして所望の最終結果に適している任意の順番で実施することができる。±2シグマ標準偏差の外側の端の残差を生成し、再フィッティングを生成することができる。それに対応して、「実際の直線」からの過度の偏差を以下のような2つのアプローチの少なくとも一方を使用して取り除くことができる。
1)第1のアプローチは最小2乗直線をフィッティングするステップを有しており、以下の式を最小化することからなる。
ここで、aはbの切片、bは求められた/理論上の勾配(予測できる)、kは生成された値の数、x
kとy
kは各座標対についての残差、w
kは包含/除外される最小2乗直線のフィットであって、w
kの値は0(除外)又は1(包含)となる。それから、勾配bと切片aとの理論的な予測値が次のように求められる。
ここでxバーとyバーとは計測を行ったxとy座標値の平均であって、aハットとbハットとはaとbとの予測値である。この予測から、座標対(x
k、y
x)の各々の残差を以下のように計算することができる。
これは、データ点と対応する線上にあると予測される点との差の量であって、r(k)は各座標対x
k、y
xの残差である。残差を、以下のように最小から最大まで(必要に対応して最大から最小まで)ソートする。
r
(1)<r
(2)<...<r
(n)
これらの値は、残差が最大の絶対値を有している点を特定し、それらを取り除いたり重み付け変数wを使用して重み付けしたりすることによって除去してもよい。重み付け変数wを生成する1つの方法は、トリミングする点についてw
k=0に設定することによる。これがいったん実施されると、最小2乗直線を再度フィッティングし、再度フィッティングされた線を使用して雌ねじ部品に対して必要なパラメータを求める。最大約30%の点をトリミングすることができるが、最小2乗直線の再フィッティングの前に、通常約5%〜10%の点だけをトリミングする。
第2のアプローチは以下のステップを有していてもよい。
2)最小2乗直線のフィッティングと、残差の計算。しかし、このアプローチには、以下で与えられる標準偏差の約2又は2.5倍の外側の残差のトリミングを伴っている。
ここでnは残差の数である。2倍の標準偏差基準を使用することによって、約5%のデータをトリミングし、トリミングされたデータセットの最小2乗予測値を使用して線を再度フィッティングすることができる。前述の両方のアプローチにおいて、アルゴリズムは簡単に以下にように記述することができる。
3)ねじ山のプロフィールに対応して元のデータに線をフィッティングする。
a.残差を計算
b.残差のソート
c.データセットのトリミング
iトリミングされたデータに線をフィッティングする
ii.新しい残差を計算
iii.新しい残差をソート
iv.新しいデータセットのトリミング
4)再トリミングされたデータセットを使用してねじのねじ山の幾何学的パラメータを計算。
本明細書で説明しているような計測値の異常に対応するために、以下の新規で独特のアルゴリズムを本明細書と、引用を以て内容と開示の全体が本明細書の一部となる米国特許出願第11/391,521号及び第11/502,678号及び米国特許第7,227,163号に開示された発明に適用することができる。当然、前述のアプローチは、外径、有効径、リード角度、内径、螺旋の変動などの全ての計測に適用することができる。最小2乗フィッティングを使用するのではなく、他のアプローチにおいて最小絶対値偏差フィッティングを使用することが考えられ、以下によって最小化される。
直交最小2乗アプローチ、つまりねじ山のフランクに垂直な偏差の計測も使用することが考えられる。しかし、このアプローチの計算はより複雑である。さらに当然、完全なデータセットを保持し、保持するかトリミングするかによって各点を参照しなければならない。特に、残差の標準偏差が大きくなると、ねじのねじ山の品質が低下する。
雌ねじの設けられている部品の機能サイズにおける偏差に対応するために、以下のアルゴリズムを使用することができる。
・avg=(先行フランク+後続フランク)/2とする
・std=30度基準フランク角(度又はラジアンで与えることができる)とする
・p=指定ピッチ=1/TPI(インチあたりのねじ山)とする
・dp=ピッチの誤差=1つの開始ねじ山を仮定したリードの誤差(正又は負)とする
・pd=実際の計測された有効径とする
・L=|dp/tan(avg)|(必要に対応して絶対値を使用したりしなかったりする)とする
・A=|1.5*p*tan(avg−std)|とし、||は絶対値を意味する
・fs=機能サイズとする
従って、機能サイズ(fs)は有効径の値と全てのねじ山のプロフィールの変動の累積効果との和で表され、以下の式となる。
fs=pd+L+A
それに対応して、誤差がない場合(つまりdp=0)、fs=pdである。しかし、誤差が存在する場合(つまりdp=±)、fs=pd+L+Aであって、pd=ねじ山のプロフィールの有効径、L=ねじ山のプロフィールのリード誤差、及びA=ねじ山のプロフィールの角度誤差である。
典型的な一実施形態によれば、検査システム2000は自己較正を行う、複数の部品の計測のために単独の形態又は組み立てラインの形態で自動化されているシステムであってもよい。さらに、検査システム2000は、高い検査コスト、オペレータの感情、疲労、確信のなさ及び/又は誤りを削減及び/又は無くす非接触計測を可能にする。検査システム2000は、自動証明書及び情報出力ファイルの生成を可能にする。さらに、検査システム2000は、組み込み再現性及び信頼性(R&R)認定及び試験プログラムを有していてもよく、非常に高速な計測サイクルを可能にしてもよい。
検査システム2000によってコントローラに本明細書で開示した方法(全部又は一部)を実装させる機械読み取り可能コンピュータプログラムコードによってコード化されている機械読み取り可能プログラムコード及び/又は媒体も提供され、方法の処理は検査システムの内部、外部又は内部と外部に配置されているコントローラによって実装してもよい。従って、コントローラはコンピュータプログラムに対応して動作してもよく、規定された機能と所望の処理だけでなくそのための計算(例えば、実行制御アルゴリズム、本明細書で規定した制御プロセス等)を実施するために、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、ストレージ、レジスタ、タイミング、割り込み、通信インターフェイス、及び入出力信号インターフェイスだけでなく、前述の少なくとも1つを含んでいる組み合わせを有していてもよいが、これらには限定されない。
本発明は、コンピュータ又はコントローラ実装プロセスの形態で実施することができる。本発明は、フロッピーディスケット、CD−ROM、ハードディスク、及び/又は他のコンピュータ読み取り可能メディアなどの具体的な媒体内に実現されている、命令を含んだコンピュータプログラムコードの形態でも実施することが可能で、コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はコントローラにロードされ実行されるときに、コンピュータ又はコントローラは本発明を実施する装置になる。本発明は、例えば、記憶媒体に保存されている、コンピュータ又はコントローラにロードされる及び/又は実行される、又は電線又はケーブル、光ファイバ、電磁放射などの何らかの伝送媒体を通して送信されるコンピュータプログラムコードの形態で実施することも可能で、コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はコントローラにロードされ実行されるときに、コンピュータ又はコントローラは本発明を実施する装置になる。汎用マイクロプロセッサ上に実装されたときに、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を生成するようにマイクロプロセッサを構成してもよい。
本発明を典型的な実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行うことができることと、等効物で本発明の要素を置き換えることができることが当業者には理解されるであろう。例えば、内部検査システムをレーザ周波数源を参照して本明細書で説明したが、平行光、X線、カメラ、ボアスコープ、メーザー、電子顕微鏡などの、しかしこれらには限定されない所望の最終目的に適している他の計測源/装置(光学又は非光学)又は計測源/装置の組み合わせを使用することができる。さらに、本発明の教示するところによって、本発明の必須の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に対応して修正することができる。そのため、本発明が本発明を実施するために考えられる最良の形態として本明細書で開示した特定の実施形態に限定されないことを意図している。