JP5951174B2 - ターボ冷凍機制御装置、ターボ冷凍機制御方法、ガスタービンプラント、及び、既設ガスタービンプラントの再構築方法 - Google Patents
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本発明に係るターボ冷凍機制御装置は、負荷と冷凍機動力との関係、負荷と冷凍能力との関係、定格冷凍能力、及び、最適負荷が同一の複数のインバータターボ冷凍機であるターボ冷凍機を制御するターボ冷凍機制御装置であって、取得した対象気体の温度及び湿度情報、並びに、設定された冷却目標温度に基づいて、前記対象気体の現在の温度と前記冷却目標温度との間のエンタルピー差を算出するエンタルピー差演算手段と、前記ターボ冷凍機の成績係数が最大となるときの負荷を最適負荷とし、このときの冷凍能力を最適能力としたとき、前記エンタルピー差と前記最適能力とから、前記対象気体の温度を前記冷却目標温度とするのに必要な前記ターボ冷凍機の稼動台数を算出する稼動台数決定手段と、算出された前記エンタルピー差及び前記稼動台数から、複数の前記ターボ冷凍機の最終稼動台数及びそれぞれに割り当てる最終冷凍機負荷を算出する駆動指令手段と、を備え、前記稼動台数決定手段が、前記エンタルピー差を前記最適負荷時の冷凍能力で除算して、小数点以下の端数が生じたときにはこれを繰上げ処理して前記稼動台数を算出し、前記駆動指令手段は、前記必要冷凍能力が、各前記ターボ冷凍機間で均等となるように、前記エンタルピー差を前記稼動台数で除算して前記必要冷凍能力を求め、前記駆動指令手段が、前記ターボ冷凍機を前記稼動台数にて前記最適負荷よりも低い負荷で運転させるか、又は、前記稼動台数よりも1台少ない台数にて前記最適負荷よりも高い負荷で運転させるかを判断する稼動台数判断手段を備え、前記稼動台数決定手段にて算出された前記稼動台数に基づき算出される冷凍機負荷を第一負荷、前記稼動台数より1台少ない台数に基づき算出される冷凍機負荷を第二負荷とし、前記第一負荷のときの各冷凍機動力を第一動力、前記第二負荷のときの各冷凍機動力を第二動力とするとき、前記稼動台数判断手段が、前記第二動力よりも前記第一動力が小さいときには、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記第二動力よりも前記第一動力が大きいときには、さらに前記エンタルピー差と合計冷凍機能力との大小比較に基づき、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも小さい場合は、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも大きい場合は、前記第二負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数よりも1台少ない台数を前記最終稼動台数とすることを特徴とする。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態に係るガスタービンプラント1は、図1に示すように、圧縮機2a、燃焼器2b及びタービン2cを有するガスタービン2と、圧縮機2aに吸気させる空気(対象気体)を所定温度に冷却する冷却用熱交換器3と、冷却用熱交換器3に冷水を供給する複数のターボ冷凍機5と、循環する冷却水から排熱された熱を外部へ放出する放熱用熱交換器6と、ターボ冷凍機5の運転を制御するターボ冷凍機制御装置7と、ガスタービン全体を制御するガスタービン制御装置8と、備えている。
本実施形態に係るターボ冷凍機制御方法は、図3に示すように、気温・湿度測定工程(S01)と、冷却目標温度設定工程(S02)と、エンタルピー差演算工程(S03)と、稼働台数決定工程(S04)と、駆動指令工程(S05)と、を備えている。
すなわち、<数2>で求められる値の整数値を稼動台数として、各ターボ冷凍機5を定格冷却能力Rで稼動させたとしても、小数点以下の値の分だけ冷却能力が不足してしまう。そこで、稼動台数決定手段15では、<数2>で求めたN d1 の少数点以下の端数を繰り上げて稼動台数N i1 に決定する。
こうして、得られた必要冷凍能力Riに基づいて各ターボ冷凍機5を稼動することによって、ターボ冷凍機5の負荷の合計に対して、冷凍機動力の合計が最も小さい状態で所定温度まで冷却された空気を圧縮機2aに吸入させる。
本発明に係る第2の実施形態について、図6から図10を参照して説明する。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
通常、図9に示すように、インバータターボ冷凍機31は、1台あたりの負荷が増加するにつれてCOPも増加し、最適負荷Lhとなる負荷を境に再び減少する。一方、図10に示すように、負荷−冷凍機動力の関係は、低負荷では損失等の影響により一定の負荷に漸近するのに対し、負荷の増加につれて冷却機動力も徐々に増加して最適負荷Lhで一定の比例線に漸近し、さらに負荷が増加するにつれて負荷に対して必要な冷凍機動力の割合が増加していくという特性、すなわち効率が低下していくという特性を有する。
こうして、得られた最終冷凍機負荷LfにてN i2 台若しくは(N i2 −1)台の各インバータターボ冷凍機31を稼動することによって、インバータターボ冷凍機31の負荷の合計に対して、冷凍機動力の合計が最も小さい状態で所定温度まで冷却された空気を圧縮機2aに吸入させる。
例えば、上記実施形態では、冷却用熱交換器3には、複数のターボ冷凍機5、31が並列に接続されているが、これに限らず、複数の冷却用熱交換器3の各々とターボ冷凍機5の各々とが1対1に接続されたものでも構わない。また、ターボ冷凍機は、並列に接続されているものとしたが、これに限られるものではなく、直列に接続しても良い。図11は、直列接続した場合の変形例のガスタービンプラント40を示している。この場合には、直列に接続された各ターボ冷凍機をターボ冷凍ユニット41として、これら直列に接続された複数のターボ冷凍ユニット41でターボ冷凍機42が構成されるものとして取り扱えば良い。すなわち、ターボ冷凍機制御装置7(32)は、各ターボ冷凍ユニット41に制御信号を出力して稼動制御する一方、インバータ無しの場合には、複数のターボ冷凍ユニット41で構成されたターボ冷凍機42全体として、計算により、あるいは、実験により、図4に示す負荷−成績係数特性と、図5に示す負荷−動力特性とを求め、これら求めた特性に基づいて制御を実施すれば良い。また、インバータ有りの場合でも同様に、複数のターボ冷凍ユニット41で構成されたターボ冷凍機42全体として、計算により、あるいは、実験により、図9に示す負荷−成績係数特性と、図10に示す負荷−動力特性とを求め、これら求めた特性に基づいて制御を実施すれば良い。ターボ冷凍ユニット41を直列接続して構成していることで、直列接続された複数のターボ冷凍ユニット41により冷水を効果的に冷却して、該冷水により対象気体の冷却をより効果的に行うことができる。なお、本変形例では、全てのターボ冷凍機を、複数のターボ冷凍ユニットによる直列接続構造としたが、これに限るものではなく、一部のターボ冷凍機のみ、複数のターボ冷凍ユニットによる直列接続構造としても良い。
2 ガスタービン
5、31、42 ターボ冷凍機
7、32 ターボ冷凍機制御装置
13 エンタルピー差演算手段
15、33 稼働台数決定手段
16、34 駆動指令手段
31 インバータターボ冷凍機(ターボ冷凍機)
34b 稼動台数判断手段
41 ターボ冷凍ユニット
Claims (6)
- 負荷と冷凍機動力との関係、負荷と冷凍能力との関係、定格冷凍能力、及び、最適負荷が同一の複数のインバータターボ冷凍機であるターボ冷凍機を制御するターボ冷凍機制御装置であって、
取得した対象気体の温度及び湿度情報、並びに、設定された冷却目標温度に基づいて、前記対象気体の現在の温度と前記冷却目標温度との間のエンタルピー差を算出するエンタルピー差演算手段と、
前記ターボ冷凍機の成績係数が最大となるときの負荷を最適負荷とし、このときの冷凍能力を最適能力としたとき、前記エンタルピー差と前記最適能力とから、前記対象気体の温度を前記冷却目標温度とするのに必要な前記ターボ冷凍機の稼動台数を算出する稼動台数決定手段と、
算出された前記エンタルピー差及び前記稼動台数から、複数の前記ターボ冷凍機の最終稼動台数及びそれぞれに割り当てる最終冷凍機負荷を算出する駆動指令手段と、
を備え、
前記稼動台数決定手段が、前記エンタルピー差を前記最適負荷時の冷凍能力で除算して、小数点以下の端数が生じたときにはこれを繰上げ処理して前記稼動台数を算出し、
前記駆動指令手段は、必要冷凍能力が、各前記ターボ冷凍機間で均等となるように、前記エンタルピー差を前記稼動台数で除算して前記必要冷凍能力を求め、
前記駆動指令手段が、前記ターボ冷凍機を前記稼動台数にて前記最適負荷よりも低い負荷で運転させるか、又は、前記稼動台数よりも1台少ない台数にて前記最適負荷よりも高い負荷で運転させるかを判断する稼動台数判断手段を備え、
前記稼動台数決定手段にて算出された前記稼動台数に基づき算出される冷凍機負荷を第一負荷、前記稼動台数より1台少ない台数に基づき算出される冷凍機負荷を第二負荷とし、前記第一負荷のときの各冷凍機動力を第一動力、前記第二負荷のときの各冷凍機動力を第二動力とするとき、
前記稼動台数判断手段が、前記第二動力よりも前記第一動力が小さいときには、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記第二動力よりも前記第一動力が大きいときには、さらに前記エンタルピー差と合計冷凍機能力との大小比較に基づき、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも小さい場合は、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも大きい場合は、前記第二負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数よりも1台少ない台数を前記最終稼動台数とすることを特徴とするターボ冷凍機制御装置。 - 請求項1に記載のターボ冷凍機制御装置と、
該ターボ冷凍機制御装置にて算出された最終的な稼動台数及び前記最終的な冷凍機負荷に基づき駆動される複数のターボ冷凍機と、
これら複数のターボ冷凍機によって冷却された前記対象気体が吸入されるガスタービンと、
を備えていることを特徴とするガスタービンプラント。 - 前記ガスタービンの要求出力に基づいて前記冷却目標温度を算出する冷却目標温度設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のガスタービンプラント。
- 前記ターボ冷凍機の少なくとも一つが、それぞれ前記対象気体を冷却するための冷水を冷却可能な複数のターボ冷凍ユニットが直列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のガスタービンプラント。
- 既設である前記ガスタービンに対して前記ターボ冷凍機及び前記ターボ冷凍機制御装置を追設することで請求項2から4の何れか一つに記載のガスタービンプラントを構築することを特徴とする既設ガスタービンプラントの再構築方法。
- 負荷と冷凍機動力との関係、負荷と冷凍能力との関係、定格冷凍能力、及び、最適負荷が同一の複数のインバータターボ冷凍機であるターボ冷凍機を制御するターボ冷凍機の制御方法であって、
取得した対象気体の温度及び湿度情報、並びに、設定された冷却目標温度に基づいて、前記対象気体の現在の温度と前記冷却目標温度との間のエンタルピー差を算出するエンタルピー差演算工程と、
前記ターボ冷凍機の成績係数が最大となるときの負荷を最適負荷とし、このときの冷凍能力を最適能力としたとき、前記エンタルピー差と前記最適能力とから、前記対象気体の温度を前記冷却目標温度とするのに必要な前記ターボ冷凍機の稼動台数を算出する稼動台数決定工程と、
算出された前記エンタルピー差及び前記稼動台数から、複数の前記ターボ冷凍機の最終稼動台数及びそれぞれに割り当てる最終冷凍機負荷を算出する駆動指令工程と、
を備え、
前記稼動台数決定工程では、前記エンタルピー差を前記最適負荷時の冷凍能力で除算して、小数点以下の端数が生じたときにはこれを繰上げ処理して前記稼動台数を算出し、
前記駆動指令工程では、必要冷凍能力が、各前記ターボ冷凍機間で均等となるように、前記エンタルピー差を前記稼動台数で除算して前記必要冷凍能力を求め、
前記駆動指令工程は、前記ターボ冷凍機を前記稼動台数にて前記最適負荷よりも低い負荷で運転させるか、又は、前記稼動台数よりも1台少ない台数にて前記最適負荷よりも高い負荷で運転させるかを判断する稼動台数判断工程を備え、
前記稼動台数決定工程にて算出された前記稼動台数に基づき算出される冷凍機負荷を第一負荷、前記稼動台数より1台少ない台数に基づき算出される冷凍機負荷を第二負荷とし、前記第一負荷のときの各冷凍機動力を第一動力、前記第二負荷のときの各冷凍機動力を第二動力とするとき、
前記稼動台数判断工程では、前記第二動力よりも前記第一動力が小さいときには、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記第二動力よりも前記第一動力が大きいときには、さらに前記エンタルピー差と合計冷凍機能力との大小比較に基づき、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも小さい場合は、前記第一負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数を前記最終稼動台数とし、前記稼動台数よりも1台少ない台数での合計冷凍機能力が前記エンタルピー差よりも大きい場合は、前記第二負荷を前記最終冷凍機負荷とし、かつ、前記稼動台数よりも1台少ない台数を前記最終稼動台数とすることを特徴とするターボ冷凍機制御方法。
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