以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空調システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
(1)空調システム100
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システム100の全体構成図である。空調システム100は、ビルや工場等の建築物等に設置されて、冷房運転や暖房運転等を行って対象空間の空気調和を実現する。空調システム100は、冷媒配管方式の空調システムであって、蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転を行う。
空調システム100は、主として、熱源側ユニットとしての1台の室外ユニット110と、利用側ユニットとしての複数の室内ユニット120と、室外ユニット110と利用ユニットの間に配置される1台の中間ユニット130と、を備えている。室外ユニット110と中間ユニット130とは、液連絡管11、ガス連絡管12及び高低圧ガス連絡管13で接続されている。また、各室内ユニット120と中間ユニット130とは、液管LP及びガス管GPで接続されている。
また、空調システム100では、複数の冷媒系統RS(具体的に第1冷媒系統RS1、第2冷媒系統RS2、第3冷媒系統RS3及び第4冷媒系統RS4)と、複数の通信系統CS(具体的に第1通信系統CS1、第2通信系統CS2、第3通信系統CS3及び第4通信系統CS4)が構成されている。空調システム100では、冷媒系統RS毎に冷房運転及び暖房運転を自由に選択可能である。各通信系統CSは、いずれかの冷媒系統RSと1対1で対応付けられている。
以下、空調システム100の詳細について説明する。
(1−1)室外ユニット110
図2は、室外ユニット110内の冷媒回路図である。室外ユニット110は、例えば建物の屋上やベランダ等の屋外や、地下に設置される。室外ユニット110内には、各種の機器が配設され、これらの機器が冷媒配管を介して接続されている。
具体的に、室外ユニット110内では、主として、ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22、液側閉鎖弁23、アキュームレータ24、圧縮機25、第1流路切換弁26、第2流路切換弁27、第3流路切換弁28、室外熱交換器30、第1室外膨張弁34、及び第2室外膨張弁35が配設され、冷媒配管で接続されている。また、室外ユニット110内には、これらの機器に加えて、室外ファン33や室外ユニット制御部111等が配設されている。
ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22及び液側閉鎖弁23は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。ガス側第1閉鎖弁21は、一端がガス連絡管12に接続され、他端がアキュームレータ24まで延びる冷媒配管に接続されている。ガス側第2閉鎖弁22は、一端が高低圧ガス連絡管13に接続され、他端が第2流路切換弁27まで延びる冷媒配管に接続されている。液側閉鎖弁23は、一端が液連絡管11に接続され、他端が第1室外膨張弁34又は第2室外膨張弁35まで延びる冷媒配管に接続されている。
アキュームレータ24は、圧縮機25に吸入される低圧冷媒を一時的に貯留し気液分離するための容器である。アキュームレータ24は、ガス側第1閉鎖弁21と圧縮機25との間に配置されている。
圧縮機25は、圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有しており、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機である。圧縮機25は、吸入した低圧冷媒を圧縮した後、吐出する。圧縮機25の吐出口には、吐出配管252が接続されている。
第1流路切換弁26、第2流路切換弁27及び第3流路切換弁28(以下、これらをまとめて流路切換弁SVと称する)は、四路切換弁であり、状況に応じて冷媒の流れを切り換えている(図2の実線及び破線を参照)。流路切換弁SVの冷媒流入口には、吐出配管252又は吐出配管252から延びる分岐管が接続されている。また、流路切換弁SVは、運転時において、一の冷媒流路における冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能している。
室外熱交換器30は、第1熱交換部31と、第2熱交換部32とを含んでいる。第1熱交換部31は、第3流路切換弁28に接続される冷媒配管が一端に接続され、第1室外膨張弁34まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第2熱交換部32は、第1流路切換弁26に接続される冷媒配管が一端に接続され、第2室外膨張弁35まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第1熱交換部31及び第2熱交換部32を通過する冷媒は、室外ファン33が生成する空気流と熱交換する。
室外ファン33は、例えばプロペラファンである。室外ファン33が駆動すると、室外ユニット110内に流入し室外熱交換器30を通過して室外ユニット110外へ流出する空気流が生成される。
第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第1室外膨張弁34は、第1熱交換部31から延びる冷媒配管が一端に接続され、液側閉鎖弁23まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第2室外膨張弁35は、第2熱交換部32から延びる冷媒配管が一端に接続され、液側閉鎖弁23まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、状況に応じて開度が調整され、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧している。
室外ユニット制御部111は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータや通信回路を含む。室外ユニット制御部111は、自己(室外ユニット制御部111)の通信アドレスをメモリに保持している。室外ユニット制御部111は、通信ケーブル112(特許請求の範囲記載の「第2伝送路」に相当)を介して中間ユニット制御部131(後述)と接続されている。室外ユニット制御部111は、通信ケーブル112によって構成される独立の通信系統を用いて、所定の通信プロトコルに基づき中間ユニット制御部131と相互に信号の送受信を行う。室外ユニット制御部111は、受信した信号や状況に応じて、圧縮機25及び室外ファン33の発停や回転数を制御するとともに、各種の弁の開閉や開度調整を制御する。
また、室外ユニット制御部111は、空調システム100の施工、メンテナンス、又は室内ユニット120の増設等を行う場合等において電源遮断後新たに電源を投入された時(以下、電源投入時と記載)に、中間ユニット130に対して通信アドレスを設定する。具体的に、当該通信アドレスの設定は、通信アドレスデータを含むアドレス設定信号が、通信ケーブル112を介して室外ユニット制御部111から中間ユニット130(中間ユニット制御部131)に対して送信されることによって行われる。また、室外ユニット制御部111は、初期設定時に中間ユニット130(中間ユニット制御部131)から送信された各室内ユニット120(室内ユニット制御部121)の通信アドレスを、所定の記憶領域に格納する。
(1−2)室内ユニット120
図3は、室内ユニット120及び中間ユニット130内の冷媒回路図である。室内ユニット120は、例えば天井や側壁等に設置される。本実施形態の空調システム100では、複数の室内ユニット120を備えており、具体的には8台の室内ユニット120(120a、120b、120c、120d、120e、120f、120g及び120h)が配設されている。各室内ユニット120は、いずれか冷媒系統RS及びいずれかの通信系統CSに接続されている。また、各室内ユニット120は、天井裏等において中間ユニット130から延びる液管LP及びガス管GPに接続されている。また、室内ユニット120は、電源ケーブル(図示省略)を介して室外ユニット110又は中間ユニット130と接続されており、電源を供給される。
具体的に、室内ユニット120a及び120bは、第1冷媒系統RS1及び第1通信系統CS1に所属している。室内ユニット120a及び120bは、液管LP1及びガス管GP1を介して中間ユニット130内の第1BSユニット70a(後述)と接続されている。
室内ユニット120c及び120dは、第2冷媒系統RS2及び第2通信系統CS2に所属している。室内ユニット120c及び120dは、液管LP2及びガス管GP2を介して中間ユニット130内の第2BSユニット70b(後述)と接続されている。
室内ユニット120e及び120fは、第3冷媒系統RS3及び第3通信系統CS3に所属している。室内ユニット120e及び120fは、液管LP3及びガス管GP3を介して中間ユニット130内の第3BSユニット70c(後述)と接続されている(図3では室内ユニット120e及び120fの内部構成は図示省略)。
室内ユニット120g及び120hは、第4冷媒系統RS4及び第4通信系統CS4に所属している。室内ユニット120g及び120hは、液管LP4及びガス管GP4を介して中間ユニット130内の第4BSユニット70d(後述)と接続されている。
各室内ユニット120内では、室内膨張弁51と、室内熱交換器52とが配設されており、これらが冷媒配管によって接続されている。また、各室内ユニット120内には、室内ファン53及び室内ユニット制御部121が配設されている。
室内膨張弁51は、開度調整が可能な電動弁である。室内膨張弁51は、その一端が液管LPに接続され、他端が室内熱交換器52まで延びる冷媒配管に接続されている。室内膨張弁51は、その開度に応じて、通過する冷媒を減圧する。
室内熱交換器52は、一端に室内膨張弁51から延びる冷媒配管が接続され、他端にガス管GPが接続されている。室内熱交換器52流入した冷媒は、伝熱管を通過する際、室内ファン53が生成する空気流と熱交換する。
室内ファン53は、例えばクロスフローファンやプロペラファンである。室内ファン53が駆動すると、室内空間から室内ユニット120内部に流入して室内熱交換器52を通過してから室内空間へ流出する空気流が生成される。
室内ユニット制御部121は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータや通信回路を含む。室内ユニット制御部121は、リモートコントローラ(図示省略)を介して、ユーザの運転開始指示や所定の設定指示を入力される。また、室内ユニット制御部121は、所定の通信ケーブル(151、152、153、154)を介して中間ユニット制御部131(後述)と接続されている。室内ユニット制御部121は、各通信ケーブルによって構成される通信系統(CS1、CS2、CS3、CS4)を用いて、所定の通信プロトコルに基づき中間ユニット制御部131と相互に信号の送受信を行う。
室内ユニット制御部121は、中間ユニット制御部131から受信した信号や状況に応じて、室内ファン53の発停や回転数を制御するとともに、室内膨張弁51の開閉や開度調整を制御する。室内ユニット制御部121は、リモコンを介してユーザから所定の指示を入力されると、当該指示を中間ユニット制御部131に送り、状況に応じて室内ファン53や室内膨張弁51を駆動させる。
また、室内ユニット制御部121は、初期設定時などにおいて、中間ユニット制御部131から送信されたアドレス設定報知信号(後述)を受信すると、自己の通信アドレスが設定されているかを判定する。判定の結果、自己の通信アドレスが未設定である場合には、室内ユニット制御部121は、アドレス設定要求信号をアドレス設定報知信号に対する返信として中間ユニット制御部131へ送信する。
また、室内ユニット制御部121は、中間ユニット制御部131から送信されたアドレス設定信号(後述)を受信すると、当該アドレス設定信号に含まれる通信アドレスデータを解読して自己の通信アドレスとして所定の記憶領域に格納する。
また、室内ユニット制御部121は、初期設定時に中間ユニット130(中間ユニット制御部131)から送信された室外ユニット110(室外ユニット制御部111)の通信アドレスを、所定の記憶領域に格納する。
(1−3)中間ユニット130
中間ユニット130(特許請求の範囲記載の「冷媒分岐ユニット」に相当)は、空調システム100において、複数の冷媒系統RS及び複数の通信系統CS1を構成する役割を果たしている。具体的に、中間ユニット130は、室外ユニット110と各室内ユニット120との間に配設されて、冷媒流路を分岐するとともに冷媒の流れを切り換えている。換言すると、中間ユニット130は、その内部に、複数の冷媒系統RSと複数の通信系統CSを含んでいるともいえる。また、中間ユニット130は、電源ケーブル(図示省略)を介して室外ユニット110と接続されており、電源を供給される。
中間ユニット130は、略直方体状のケーシングにより外郭を構成される(図示省略)。中間ユニット130は、ケーシング内に複数のヘッダ(具体的に第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58)、複数のBSユニット70(具体的に第1BSユニット70a、第2BSユニット70b、第3BSユニット70c及び第4BSユニット70d)及び中間ユニット制御部131と、複数の切換部80(具体的に第1切換部81、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84)と、を有している。なお、中間ユニット130は、概念的には、複数のBSユニット70を集めて一体に構成したユニットともいえる。
(1−3−1)第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57、第4ヘッダ58
第1ヘッダ55は、高低圧ガス連絡管13と接続されている。第2ヘッダ56は、ガス連絡管12と接続されている。第3ヘッダ57は、液連絡管11と接続されている。
第1ヘッダ55、第2ヘッダ56及び第3ヘッダ57は、ケーシングに形成された貫通孔を介して外部に露出している(図示省略)。第4ヘッダ58は、各BSユニット70内の配管P7(後述)に接続されている。また、第2ヘッダ56と第4ヘッダ58とは、2本の接続配管581で接続されて連通している。
(1−3−2)BSユニット70
BSユニット70は、複数の冷媒配管や電動弁等を組み合わされて構成されている。各BSユニット70は、いずれかの冷媒系統RSを構成する。具体的に、第1BSユニット70aは、液管LP1及びガス管GP1とともに第1冷媒系統RS1を構成する。第2BSユニット70bは、液管LP2及びガス管GP2とともに第2冷媒系統RS2を構成する。第3BSユニット70cは、液管LP3及びガス管GP3とともに第3冷媒系統RS3を構成する(図3では第3BSユニット70cの内部構成は図示省略)。第4BSユニット70dは、液管LP4及びガス管GP4とともに第4冷媒系統RS4を構成する。
各BSユニット70は、主として、複数の冷媒配管(配管P1〜P9)と、複数の電動弁(第1電動弁EV1、第2電動弁EV2及び第3電動弁EV3)と、過冷却熱交換部59と、を有している。各BSユニット70は、液管LP及びガス管GPの一端にそれぞれ接続されている。
配管P1は、一端が第3ヘッダ57に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続されている。配管P2は、一端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続され、他端が液管LPに接続されている。配管P3は、一端がガス管GPに接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。配管P4は、一端が第1電動弁Ev1に接続され、他端が第2ヘッダ56に接続されている。配管P5は、一端が配管P3に接続され、他端が第2電動弁Ev2に接続されている。配管P6は、一端が第2電動弁Ev2に接続され、他端が第1ヘッダ55に接続されている。配管P7は、一端が第4ヘッダ58に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続されている。配管P8は、一端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続され、他端が第3電動弁Ev3に接続されている。配管P9は、一端が第3電動弁Ev3に接続され、他端が配管P1に接続されている。
第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁EV3は、例えば開度調整が可能な電動弁であり、開度に応じて冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換える。
過冷却熱交換部59は、例えば二重管型熱交換器である。過冷却熱交換部59は、その内部において第1流路591及び第2流路592が形成され、第1流路591を流れる冷媒と、第2流路592を流れる冷媒と、が熱交換しうる構造を有する。
(1−3−3)中間ユニット制御部131
図4は、空調システム100における各伝送路を表した模式図である。中間ユニット制御部131は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータや各種の電気部品で構成され、基板に実装されている。
中間ユニット制御部131は、室外ユニット110と中間ユニット130との間で延びる通信ケーブル112に接続されている。また、中間ユニット制御部131は、各室内ユニット120と中間ユニット130との間で延びる通信ケーブル150に接続されている。通信ケーブル150は、中間ユニット130内で、通信ケーブル151、通信ケーブル152、通信ケーブル153及び通信ケーブル154に分岐している。
通信ケーブル151は、第1通信系統CS1を構成しており、第1冷媒系統RS1を構成する液管LP1又はガス管GP1に沿って延びている。これにより、第1冷媒系統RS1と第1通信系統CS1とが1対1で対応するようになっている。
通信ケーブル152は、第2通信系統CS2を構成しており、第2冷媒系統RS2を構成する液管LP2又はガス管GP2に沿って延びている。これにより、第2冷媒系統RS2と第2通信系統CS2とが1対1で対応するようになっている。
通信ケーブル153は、第3通信系統CS3を構成しており、第3冷媒系統RS3を構成する液管LP3又はガス管GP3に沿って延びている。これにより、第3冷媒系統RS3と第3通信系統CS3とが1対1で対応するようになっている。
通信ケーブル154は、第4通信系統CS4を構成しており、第4冷媒系統RS4を構成する液管LP4又はガス管GP4に沿って延びている。これにより、第4冷媒系統RS4と第4通信系統CS4とが1対1で対応するようになっている。
上記態様の通信ケーブル150と中間ユニット制御部131とが接続されることで、中間ユニット130内では複数の通信系統CSが構成されている。
中間ユニット制御部131は、各通信系統CSを用いて、所定のプロトコルに基づき、室外ユニット制御部111及び各室内ユニット制御部121と信号の送受信を行う。中間ユニット制御部131は、受信した信号や状況に応じて、第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3の開閉を制御する。
また、中間ユニット制御部131は、室外ユニット制御部111及び各室内ユニット制御部121との間で送受信される信号を、そのまま転送するか或いは所定のデータ形式に変換して送出する。すなわち、中間ユニット制御部131は、室外ユニット110(室外ユニット制御部111)及び各室内ユニット120(室内ユニット制御部121)との間で送受信される信号を中継する役割を担っている。
中間ユニット制御部131の詳細については、後述の「(3)中間ユニット制御部131の詳細」において説明する。
(1−3−4)切換部80
切換部80(第1切換部81、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84)は、電磁リレーである。各切換部80は、通信ケーブル151、152、153又は154のいずれかに配置されて、各通信系統CSの導通及び遮断を切り換える。より詳細には、各切換部80は、中間ユニット制御部131と電気的に接続されており、中間ユニット制御部131から所定の駆動電圧を供給されることでオン状態とオフ状態とを切り換えられる。なお、本実施形態では、切換部80は、駆動電圧を供給されていない時にはオン状態(通信系統CSを導通する状態)となり、駆動電圧を供給されている時にはオフ状態(通信系統CSを遮断する状態)となる。
具体的に、第1切換部81は、通信ケーブル151上に配置されており、第1通信系統CS1の導通及び遮断を切り換える。第2切換部82は、通信ケーブル152上に配置されており、第2通信系統CS2の導通及び遮断を切り換える。第3切換部83は、通信ケーブル153上に配置されており、第3通信系統CS3の導通及び遮断を切り換える。第4切換部84は、通信ケーブル154上に配置されており、第4通信系統CS4の導通及び遮断を切り換える。
(1−4)冷媒系統RS
上述のように、空調システム100では、中間ユニット130内においてBSユニット70が配設されることで、複数の冷媒系統RS(第1冷媒系統RS1、第2冷媒系統RS2、第3冷媒系統RS3、第4冷媒系統RS4)が構成されている。各冷媒系統RSは、複数の室内ユニット120に接続されており、接続される各室内ユニット120と中間ユニット130との間で冷媒を送っている。
第1冷媒系統RS1は、中間ユニット130と、室内ユニット120a及び120bとの間で延びている。より詳細には、第1冷媒系統RS1は、第1BSユニット70aと、室内ユニット120a及び120bとが、液管LP1及びガス管GP1で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット120a及び120bは、第1冷媒系統RS1を構成する液管LP1及びガス管GP1(特許請求の範囲記載の「冷媒配管」に相当)に接続されているともいえる。
第2冷媒系統RS2は、中間ユニット130と、室内ユニット120c及び120dとの間で延びている。より詳細には、第2冷媒系統RS2は、第2BSユニット70bと、室内ユニット120c及び120dとが、液管LP2及びガス管GP2で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット120c及び120dは、第2冷媒系統RS2を構成する液管LP2及びガス管GP2(特許請求の範囲記載の「冷媒配管」に相当)に接続されているともいえる。
第3冷媒系統RS3は、中間ユニット130と、室内ユニット120e及び120fとの間で延びている。より詳細には、第3冷媒系統RS3は、第3BSユニット70cと、室内ユニット120e及び120fとが、液管LP3及びガス管GP3で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット120e及び120fは、第3冷媒系統RS3を構成する液管LP3及びガス管GP3(特許請求の範囲記載の「冷媒配管」に相当)に接続されているともいえる。
第4冷媒系統RS4は、中間ユニット130と、室内ユニット120g及び120hとの間で延びている。より詳細には、第4冷媒系統RS4は、第4BSユニット70dと、室内ユニット120g及び120hとが、液管LP4及びガス管GP4で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット120g及び120hは、第4冷媒系統RS4を構成する液管LP4及びガス管GP4(特許請求の範囲記載の「冷媒配管」に相当)に接続されているともいえる。
(1−5)通信系統CS
上述のように、空調システム100では、中間ユニット130内において複数の通信系統CS(第1通信系統CS1、第2通信系統CS2、第3通信系統CS3、第4通信系統CS4)が構成されている。各通信系統CSは、接続される各室内ユニット制御部121と、中間ユニット制御部131との間で送受信される信号を送る。
第1通信系統CS1は、中間ユニット130と、室内ユニット120a及び120bとの間で延びている。より詳細には、第1通信系統CS1は、中間ユニット制御部131と、室内ユニット制御部121a及び121bとが、通信ケーブル151(150)で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット制御部121a及び121bは、第1通信系統CS1を構成する通信ケーブル151(特許請求の範囲記載の「伝送路」に相当)に接続されているともいえる。第1通信系統CS1は、第1冷媒系統RS1と1対1で対応付けられている。すなわち、第1通信系統CS1と第1冷媒系統RS1とは、接続される室内ユニット120が同一である。その結果、第1通信系統CS1を用いて第1冷媒系統RS1における冷媒の流れが制御される。
第2通信系統CS2は、中間ユニット130と、室内ユニット120c及び120dとの間で延びている。より詳細には、第2通信系統CS2は、中間ユニット制御部131と、室内ユニット制御部121c及び121dとが、通信ケーブル152(150)で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット制御部121c及び121dは、第2通信系統CS2を構成する通信ケーブル152(特許請求の範囲記載の「伝送路」に相当)に接続されているともいえる。第2通信系統CS2は、第2冷媒系統RS2と1対1で対応付けられている。すなわち、第2通信系統CS2と第2冷媒系統RS2とは、接続される室内ユニット120が同一である。その結果、第2通信系統CS2を用いて第2冷媒系統RS2における冷媒の流れが制御される。
第3通信系統CS3は、中間ユニット130と、室内ユニット120e及び120fとの間で延びている。より詳細には、第3通信系統CS3は、中間ユニット制御部131と、室内ユニット制御部121e及び121fとが、通信ケーブル153(150)で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット制御部121e及び121fは、第3通信系統CS3を構成する通信ケーブル153(特許請求の範囲記載の「伝送路」に相当)に接続されているともいえる。第3通信系統CS3は、第3冷媒系統RS3と1対1で対応付けられている。すなわち、第3通信系統CS3と第3冷媒系統RS3とは、接続される室内ユニット120が同一である。その結果、第3通信系統CS3を用いて第3冷媒系統RS3における冷媒の流れが制御される。
第4通信系統CS4は、中間ユニット130と、室内ユニット120g及び120hとの間で延びている。より詳細には、第3通信系統CS3は、中間ユニット制御部131と、室内ユニット制御部121g及び121hとが、通信ケーブル154(150)で接続されて構成されている。換言すると、室内ユニット制御部121g及び121hは、第4通信系統CS4を構成する通信ケーブル154(特許請求の範囲記載の「伝送路」に相当)に接続されているともいえる。第4通信系統CS4は、第4冷媒系統RS4と1対1で対応付けられている。すなわち、第4通信系統CS4と第4冷媒系統RS4とは、接続される室内ユニット120が同一である。その結果、第4通信系統CS4を用いて第4冷媒系統RS4における冷媒の流れが制御される。
(2)空調システム100における冷媒の流れ
以下、空調システム100運転中における冷媒の流れについて、第1冷媒系統RS1に接続された室内ユニット120aと、第2冷媒系統RS2に接続された120cが運転中である場合を例にとって、状況別に説明する。なお、説明を簡略化するために、他の室内ユニット120(120b及び120d〜120h)は停止状態にあるものとする。
(2−1)室内ユニット120a及び120cの双方が冷房運転を行う場合
係る場合には、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bにおいて、第1電動弁Ev1は最大開度とされ、第2電動弁Ev2は最小開度とされる。また、室内ユニット120a及び120bの各室内膨張弁51は適切な開度で開けられ、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は最大開度とされる。
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252、第1流路切換弁26及び第3流路切換弁28等を経て、室外熱交換器30に流入して凝縮する。室外熱交換器30において凝縮した冷媒は、液側閉鎖弁23等を通過して液連絡管11に流入する。液連絡管11に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第3ヘッダ57に到達して、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bの配管P1へ流入する。
配管P1へ流入した冷媒は、配管P2や液管LP等を経て、室内ユニット120a及び120cに到達し、室内膨張弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器52に流入して蒸発する。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bの配管P3に流入する。
配管P3に流入した冷媒は、配管P4を流れて第2ヘッダ56に到達する。第2ヘッダ56に到達した冷媒は、ガス連絡管12を経て、室外ユニット110に流入し、圧縮機25へ吸入される。
(2−2)室内ユニット120a及び120cの双方が暖房運転を行う場合
係る場合には、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bにおいて、第1電動弁Ev1は最小開度とされ、第2電動弁Ev2は最大開度とされる。また、室内ユニット120a及び120cの室内膨張弁51は最大開度とされ、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は適切な開度で開けられる。
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252及び第2流路切換弁27等を経て、高低圧ガス連絡管13に流入する。高低圧ガス連絡管13に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第1ヘッダ55に到達する。第1ヘッダ55に到達した冷媒は、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bの配管P6に流入し、配管P5及び配管P3等を流れて、ガス管GPに流入する。
ガス管GPに流入した冷媒は、室内ユニット120a及び120cに到達し、各室内熱交換器52に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、第1BSユニット70a又は第2BSユニット70bの配管P2に流入する。配管P2に流入した冷媒は、配管P1等を経て、第3ヘッダ57に到達する。第3ヘッダ57に到達した冷媒は、液連絡管11を経て室外ユニット110に流入する。
室外ユニット110に流入した冷媒は、第1室外膨張弁34又は第2室外膨張弁35において減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器30に流入して、室外熱交換器30を通過する際に蒸発する。蒸発した冷媒は、第1流路切換弁26又は第3流路切換弁28等を経て、圧縮機25に吸入される。
(2−3)室内ユニット120a及び120cのいずれか一方が冷房運転を行うとともに他方が暖房運転を行う場合
係る場合には、第1BSユニット70a及び第2BSユニット70bのうち冷房運転を行っている室内ユニット120(以下、「一方の室内ユニット120」と記載)に対応するBSユニット70(以下、「一方のBSユニット70」と記載)においては、第1電動弁Ev1が最大開度とされるとともに第2電動弁Ev2が最小開度とされ、第3電動弁Ev3が適切な開度で開けられる。また、一方の室内ユニット120の室内膨張弁51が適切な開度で開けられる。これに対し、第1BSユニット70a及び第3BSユニット70cのうち暖房運転を行っている室内ユニット120(以下、「他方の室内ユニット120」と記載)に対応するBSユニット70(以下、「他方のBSユニット70」と記載)においては、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が最大開度とされる。また、他方の室内ユニット120の室内膨張弁51が最大開度とされる。また、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、過冷却度が目標値となるように適切な開度で開けられる。
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252及び第2流路切換弁27等を経て、高低圧ガス連絡管13に流入する。高低圧ガス連絡管13に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第1ヘッダ55に到達する。第1ヘッダ55に到達した冷媒は、他方のBSユニット70内の配管P6、配管P5及び配管P3等を流れて、ガス管GPに流入する。
ガス管GPに流入した冷媒は、他方の室内ユニット120に到達し、室内熱交換器52に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、他方のBSユニット70内の配管P2に流入する。配管P2に流入した冷媒は、配管P1等を経て、第3ヘッダ57に到達する。
第3ヘッダ57に到達した冷媒は、一方のBSユニット70内の配管P1に流入する。配管P1に流入した冷媒は、過冷却熱交換部59の第1流路591を通過し、配管P2及び液管LPを経て、一方の室内ユニット120に到達する。
一方の室内ユニット120に到達した冷媒は、室内膨張弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器52に流入して蒸発する。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、一方のBSユニット70の配管P3に流入する。配管P3に流入した冷媒は、配管P4を流れて第2ヘッダ56に到達する。
第2ヘッダ56に到達した冷媒の一部は、ガス連絡管12を経て、室外ユニット110に流入し、圧縮機25へ吸入される。一方、第2ヘッダ56に到達した冷媒のその他は、接続配管581を介して第4ヘッダ58に流入する。
第4ヘッダ58に流入した冷媒は、一方のBSユニット70の配管P7に流入する。配管P7に流入した冷媒は、過冷却熱交換部59の第2流路592に流入する。第2流路592に流入した冷媒は、第2流路592を通過する際、第1流路591を通過する冷媒と熱交換を行い、第1流路591を通過する冷媒を冷却する。これにより、第1流路591を流れる冷媒は、過冷却がついた状態となる。第2流路592を通過した冷媒は、配管P8及び配管P9を経て、配管P1内を流れる冷媒に合流する。
(3)中間ユニット制御部131の詳細
以下、中間ユニット制御部131の詳細について説明する。図5は、中間ユニット制御部131の概略構成図である。
中間ユニット制御部131は、制御モードとして初期設定モード及び通常モードを有している。初期設定モードは電源投入時に遷移する制御モードである。また、通常モードは、通常時の処理を制御する制御モードであり、具体的に、初期設定モードにおいてアドレス登録処理(後述)が完了した後に遷移する制御モードである。
中間ユニット制御部131は、配線を介して、各BSユニット70(70a、70b、70c、70d)の各電動弁(EV1、EV2、EV3)と、各切換部80(第1切換部81、第2切換部82、第3切換部83、第4切換部84)と接続されている。中間ユニット制御部131は、主として、記憶部91と、第1通信部92と、第2通信部93と、第1通信制御部94と、第2通信制御部95と、BSユニット制御部96と、初期設定部97とを含む。
(3−1)記憶部91
記憶部91は、ROMやRAM等のメモリを含み、揮発性の記憶領域と不揮発性の記憶領域とを有している。記憶部91は、中間ユニット制御部131内の各部において適用される制御プログラムを保持している。当該制御プログラムには、中間ユニット制御部131内における各部の処理がプログラミングされている。また、記憶部91には、初期設定モード時に、室外ユニット制御部111によって設定された自己(中間ユニット130)の通信アドレスが格納される。
また、記憶部91には、初期設定モード時に、各室内ユニット120の通信アドレスと、各室内ユニット120がいずれの通信系統CS(冷媒系統RS)に接続されているかを特定する系統特定情報と、が格納される。系統特定情報は、いずれかの通信系統CS(冷媒系統RS)を特定する情報である。すなわち、記憶部91には、各通信アドレスと通信系統CS(冷媒系統RS)とを関連付ける情報が格納される。系統特定情報は、アドレス設定処理(後述)後のアドレス登録処理(後述)において通信アドレスに付加される。
また、記憶部91はいわゆるワーキングメモリとしても機能し、各部から出力された信号が記憶部91の所定の領域に格納される。
(3−2)第1通信部92
第1通信部92は、通信ケーブル112に接続された通信回路ユニットである。第1通信部92は、通信ケーブル112から信号を受信する受信回路(図示省略)と、通信ケーブル112に信号を送信する送信回路(図示省略)とを含む。第1通信部92において、受信回路は、第1通信制御部94及び初期設定部97と接続されており、受信した信号が第1通信制御部94及び初期設定部97に出力されるように構成されている。また、送信回路は第1通信制御部94及び初期設定部97と接続されており、第1通信制御部94及び初期設定部97から出力された信号を通信ケーブル112に送信するように構成されている。
(3−3)第2通信部93
第2通信部93は、通信ケーブル150に接続された通信回路ユニットである。第2通信部93は、通信ケーブル150から信号を受信する受信回路(図示省略)と、通信ケーブル150に信号を送信する送信回路(図示省略)とを含む。第1通信部92において、受信回路は、第2通信制御部95及び初期設定部97と接続されており、受信した信号が第2通信制御部95及び初期設定部97に出力されるように構成されている。また、送信回路は第2通信制御部95及び初期設定部97と接続されており、第2通信制御部95及び初期設定部97から出力された信号を通信ケーブル150に送信するように構成されている。
(3−4)第1通信制御部94
第1通信制御部94は、通常モードにおいて、室外ユニット制御部111との通信を統括的に制御する。具体的に、第1通信制御部94は、通常モードにおいて、室外ユニット制御部111から信号を受信すると、信号の宛先通信アドレスを確認し、当該信号を宛先通信アドレスに基づき記憶部91の所定の記憶領域に格納する。また、第1通信制御部94は、通常モードにおいて、記憶部91に室外ユニット制御部111宛の信号が格納されるとこれを取得し、必要に応じてデータを変換して室外ユニット制御部111に送信する。なお、第1通信制御部94は、初期設定モードにおいては特に処理を実行せず、制御モードを初期設定モードから通常モードに遷移する情報が記憶部91に格納されてから処理を開始する。
(3−5)第2通信制御部95
第2通信制御部95は、通常モードにおいて、各室内ユニット制御部121との通信を統括的に制御する。具体的に、第2通信制御部95は、通常モードにおいて、いずれかの室内ユニット制御部121から信号を受信すると、信号の宛先通信アドレスを確認し、当該信号を宛先通信アドレスに基づき記憶部91の所定の記憶領域に格納する。また、第2通信制御部95は、通常モードにおいて、記憶部91にいずれかの室内ユニット制御部121宛の信号が格納されるとこれを取得し、必要に応じてデータを変換して宛先の室内ユニット制御部121に送信する。なお、第2通信制御部95は、初期設定モードにおいては特に処理を実行せず、制御モードを初期設定モードから通常モードに遷移する情報が記憶部91に格納されてから処理を開始する。
(3−6)BSユニット制御部96
BSユニット制御部96は、記憶部91に所定の信号が格納されるとこれを取得し、状況に応じて、各BSユニット70の各電動弁(EV1、Ev2、EV3)の動作を制御する。
BSユニット制御部96は、第1BSユニット制御部と、第2BSユニット制御部と、第3BSユニット制御部と、第4BSユニット制御部とを含んでいる(図示省略)。具体的に、第1BSユニット制御部は、第1BSユニット70a内の電動弁の動作を制御する。第2BSユニット制御部は、第2BSユニット70b内の電動弁の動作を制御する。第3BSユニット制御部は、第3BSユニット70c内の電動弁の動作を制御する。第4BSユニット制御部は、第4BSユニット70d内の電動弁の動作を制御する。
(3−7)初期設定部97
初期設定部97は、初期設定モードにおいて、アドレス取得処理と、アドレス設定処理と、アドレス登録処理とを実行する。なお、初期設定部97は、タイマー機能を備えており、時間を計測可能である。
初期設定部97は、電源投入時に、室外ユニット制御部111から送信されたアドレス設定信号を受信すると、アドレス取得処理を行う。具体的に、初期設定部97は、当該アドレス設定信号に含まれる通信アドレスデータを解読して自己(中間ユニット制御部131)の通信アドレスとして記憶部91に格納する。初期設定部97は、アドレス取得処理完了後、アドレス設定処理を行う。
初期設定部97は、アドレス設定処理において、第2通信部93を介して通信ケーブル150にアドレス設定報知信号をブロードキャストで送信する。その後、アドレス設定報知信号を送信してから所定時間内に、1以上のアドレス設定要求信号を第2通信部93を介して受信すると、初期設定部97は各室内ユニット120に対して通信アドレスを設定する。なお、通信アドレスの設定は、固有の通信アドレスデータを含むアドレス設定信号が、第2通信部93を介して初期設定部97から各室内ユニット120に対して送信されることによって行われる。初期設定部97は、アドレス設定報知信号を送信してから所定時間が経過するとアドレス設定処理を完了し、アドレス登録処理を開始する。
アドレス登録処理は、各室内ユニット120がいずれの通信系統CS(冷媒系統RS)に接続されているかを特定し、特定した通信系統CS(冷媒系統RS)を示す情報(以下、系統特定情報と記載)を各室内ユニット120の通信アドレスに付加して登録する処理である。アドレス登録処理には、第1系統登録処理と、第2系統登録処理と、第3系統登録処理と、第4系統登録処理とが含まれる。なお、アドレス登録処理において各処理が実行される順序については特に限定されないが、本実施形態では、初期設定部97が、第1系統登録処理、第2系統登録処理、第3系統登録処理、第4系統登録処理の順に処理を実行することを想定している。
第1系統登録処理は、第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続される室内ユニット120を特定して、当該室内ユニット120の通信アドレスに第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)を示す系統特定情報を付加して、記憶部91に登録する処理である。第2系統登録処理は、第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続される室内ユニット120を特定して、当該室内ユニット120の通信アドレスに第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)を示す系統特定情報を付加して、記憶部91に登録する処理である。第3系統登録処理は、第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続される室内ユニット120を特定して、当該室内ユニット120の通信アドレスに第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)を示す系統特定情報を付加して、記憶部91に登録する処理である。第4系統登録処理は、第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続される室内ユニット120を特定して、当該室内ユニット120の通信アドレスに第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)を示す系統特定情報を付加して、記憶部91に登録する処理である。
初期設定部97は、第1系統登録処理において、まず、第1切換部81以外の切換部80をオフ状態とする。具体的には、初期設定部97は、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84に駆動電圧を供給して第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態に切り換え、切換部80のうち第1切換部81のみをオン状態とする。次に、初期設定部97は、第2通信部93を介してアドレス登録報知信号をブロードキャストで送信する。これにより、第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続されたすべての室内ユニット120(本実施形態では室内ユニット制御部121a及び121b)にアドレス登録報知信号が送信される。その後、アドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過する前にアドレス登録要求信号を受信すると、初期設定部97は、当該アドレス登録要求信号を送信した各室内ユニット120の通信アドレスを示すデータに、系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過する前に他のアドレス登録要求信号を受信した場合、同様の処理を行う。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過すると、第1系統登録処理を完了して第2系統登録処理を開始する。
初期設定部97は、第2系統登録処理において、まず、第2切換部82以外の切換部80をオフ状態とする。具体的には、初期設定部97は、第1切換部81、第3切換部83及び第4切換部84に駆動電圧を供給して第1切換部81、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態に切り換え、切換部80のうち第2切換部82のみをオン状態とする。次に、初期設定部97は、第2通信部93を介してアドレス登録報知信号をブロードキャストで送信する。これにより、第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続されたすべての室内ユニット120(本実施形態では室内ユニット制御部121c及び121d)にアドレス登録報知信号が送信される。その後、アドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過する前にアドレス登録要求信号を受信すると、初期設定部97は、当該アドレス登録要求信号を送信した各室内ユニット120の通信アドレスを示すデータに、系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過する前に他のアドレス登録要求信号を受信した場合、同様の処理を行う。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過すると、第2系統登録処理を完了して第3系統登録処理を開始する。
初期設定部97は、第3系統登録処理において、まず、第3切換部83以外の切換部80をオフ状態とする。具体的には、初期設定部97は、第1切換部81、第2切換部82及び第4切換部84に駆動電圧を供給して第1切換部81、第2切換部82及び第4切換部84をオフ状態に切り換え、切換部80のうち第3切換部83のみをオン状態とする。次に、初期設定部97は、第2通信部93を介してアドレス登録報知信号をブロードキャストで送信する。これにより、第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続されたすべての室内ユニット120(本実施形態では室内ユニット制御部121e及び121f)にアドレス登録報知信号が送信される。その後、アドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過する前にアドレス登録要求信号を受信すると、初期設定部97は、当該アドレス登録要求信号を送信した各室内ユニット120の通信アドレスを示すデータに、系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過する前に他のアドレス登録要求信号を受信した場合、同様の処理を行う。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過すると、第3系統登録処理を完了して第4系統登録処理を開始する。
初期設定部97は、第4系統登録処理において、まず、第4切換部84以外の切換部80をオフ状態とする。具体的には、初期設定部97は、第1切換部81、第2切換部82及び第3切換部83に駆動電圧を供給して第1切換部81、第2切換部82及び第3切換部83をオフ状態に切り換え、切換部80のうち第4切換部84のみをオン状態とする。次に、初期設定部97は、第2通信部93を介してアドレス登録報知信号をブロードキャストで送信する。これにより、第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続されたすべての室内ユニット120(本実施形態では室内ユニット制御部121g及び121h)にアドレス登録報知信号が送信される。その後、アドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過する前にアドレス登録要求信号を受信すると、初期設定部97は、当該アドレス登録要求信号を送信した各室内ユニット120の通信アドレスを示すデータに、系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過する前に他のアドレス登録要求信号を受信した場合、同様の処理を行う。初期設定部97は、アドレス登録要求信号を送信してから所定時間が経過すると、第4系統登録処理を完了し、全ての切換部80をオン状態とする。そして、初期設定部97は、制御モードを初期設定モードから通常モードに遷移する情報を記憶部91に格納する。
また、初期設定部97は、記憶部91に登録した各室内ユニット120(室内ユニット制御部121)の通信アドレスを室外ユニット110(室外ユニット制御部111)に送信する。また、初期設定部97は、室外ユニット110の通信アドレスを各室内ユニット120に送信する。
(4)アドレス設定処理及びアドレス登録処理の制御の流れ
以下、図6を参照して、中間ユニット制御部131の初期設定モードにおける制御の流れの一例を説明する。図6は、中間ユニット制御部131の初期設定モードにおけるアドレス設定処理及びアドレス登録処理の流れを示したフローチャートである。
中間ユニット制御部131は、空調システム100の電源投入時に初期設定モードに遷移し、室外ユニット制御部111からアドレス設定信号を受けてアドレス取得処理が完了すると、ステップS101に進んでアドレス設定処理を実行する。
ステップS101において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を各室内ユニット120(室内ユニット制御部121)に送信する。その後、ステップS102へ進む。
ステップS102において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を送信してからアドレス設定要求信号を受信することなく所定時間が経過したか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、アドレス設定要求信号を受信することなく所定時間が経過した場合)には、ステップS104へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、所定時間が経過する前にアドレス設定要求信号を受信した場合)には、ステップS103へ進む。
ステップS103において、中間ユニット制御部131は、各室内ユニット120に対してアドレス設定信号を送信する。その後、ステップS104へ進む。
ステップS104において、中間ユニット制御部131は、第1系統登録処理を開始する。まず、中間ユニット制御部131は、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態として、第1切換部81のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス登録報知信号を第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS105へ進む。
ステップS105において、中間ユニット制御部131は、アドレス登録報知信号を送信してから所定時間内にアドレス登録要求信号を受信したか否か、又はアドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過したか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、アドレス登録要求信号を受信することなく所定時間が経過した場合、もしくはアドレス登録報知信号を送信してから所定時間が経過した場合)には、ステップS107へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、所定時間が経過する前にアドレス登録要求信号を受信した場合)には、ステップS106へ進む。
ステップS106において、中間ユニット制御部131は、アドレス登録要求信号を送信した室内ユニット120が第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続されていると判断し、当該室内ユニット120の通信アドレスに第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS105に戻る。
ステップS107において、中間ユニット制御部131は、第2系統登録処理を開始する。まず、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態として、第2切換部82のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス登録報知信号を第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS108へ進む。
ステップS108において、中間ユニット制御部131は、ステップS105と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS110へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS109へ進む。
ステップS109において、中間ユニット制御部131は、アドレス登録要求信号を送信した室内ユニット120が第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続されていると判断し、当該室内ユニット120の通信アドレスに第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS108に戻る。
ステップS110において、中間ユニット制御部131は、第3系統登録処理を開始する。まず、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第2切換部82及び第4切換部84をオフ状態として、第3切換部83のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス登録報知信号を第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS111へ進む。
ステップS111において、中間ユニット制御部131は、ステップS105と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS113へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS112へ進む。
ステップS112において、中間ユニット制御部131は、アドレス登録要求信号を送信した室内ユニット120が第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続されていると判断し、当該室内ユニット120の通信アドレスに第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS111に戻る。
ステップS113において、中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理を開始する。まず、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第2切換部82及び第3切換部83をオフ状態として、第4切換部84のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス登録報知信号を第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS114へ進む。
ステップS114において、中間ユニット制御部131は、ステップS105と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS116へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS115へ進む。
ステップS115において、中間ユニット制御部131は、アドレス登録要求信号を送信した室内ユニット120が第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続されていると判断し、当該室内ユニット120の通信アドレスに第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS114に戻る。
ステップS116において、中間ユニット制御部131は、全ての切換部80をオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、初期設定モードから通常モードに制御モードが遷移する。
(5)アドレス設定処理及びアドレス登録処理時における各部の動作
以下、図7及び図8を参照して、アドレス設定処理及びアドレス登録処理時における各部の動作の一例を説明する。図7及び図8は、アドレス設定処理及びアドレス登録処理時における各部の動作を示したシーケンス図である。なお、図7及び図8においては、アドレス設定報知信号を「設定報知」、アドレス設定要求信号を「設定要求」、アドレス設定信号を「アドレス設定」、アドレス登録報知信号を「登録報知」、アドレス登録要求信号を「登録要求」と記載している。
図7に示すように、中間ユニット制御部131は、アドレス設定処理において、室内ユニット制御部121a、121b、121c、121d、121e、121f、121g及び121hに対してアドレス設定報知信号を送信する。アドレス設定報知信号を受けた室内ユニット制御部121a、121b、121c、121d、121e、121f、121g及び121hは、アドレス設定要求信号を中間ユニット制御部131に送信する(この時点において、いずれの室内ユニット制御部121も未だアドレス設定がなされていないものとする)。
アドレス設定要求信号を受けた中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121a、121b、121c、121d、121e、121f、121g及び121hに対して、個別の通信アドレスデータを含むアドレス設定信号を送信する。アドレス設定信号を受信した室内ユニット制御部121a、121b、121c、121d、121e、121f、121g及び121hは、当該アドレス設定信号に含まれる自己の通信アドレスを解読して、所定の記憶領域に格納する(図示省略)。
アドレス設定処理が完了すると、中間ユニット制御部131は、第1系統登録処理を開始する。中間ユニット制御部131は、第1系統登録処理において、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態とし、第1切換部81のみをオン状態とする。そして、中間ユニット制御部131は、第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続された室内ユニット制御部121a及び121bに対してアドレス登録報知信号を送信する。アドレス登録報知信号を受けた室内ユニット制御部121a及び121bは、アドレス登録要求信号を中間ユニット制御部131に送信する。アドレス登録要求信号を受けた中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121a及び121bが第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続されていることを判別し、室内ユニット制御部121a及び121bの通信アドレスに第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。すなわち、中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121a及び121bの通信アドレスと第1冷媒系統RS1とを関連づけて記憶する。
第1系統登録処理が完了すると、中間ユニット制御部131は、第2系統登録処理を開始する。中間ユニット制御部131は、第2系統登録処理において、第1切換部81、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態とし、第2切換部82のみをオン状態とする。そして、中間ユニット制御部131は、第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続された室内ユニット制御部121c及び121dに対してアドレス登録報知信号を送信する。アドレス登録報知信号を受けた室内ユニット制御部121c及び121dは、アドレス登録要求信号を中間ユニット制御部131に送信する。アドレス登録要求信号を受けた中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121c及び121dが第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続されていることを判別し、室内ユニット制御部121c及び121dの通信アドレスに第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。すなわち、中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121c及び121dの通信アドレスと第2冷媒系統RS2とを関連づけて記憶する。
第2系統登録処理が完了すると、中間ユニット制御部131は、第3系統登録処理を開始する。中間ユニット制御部131は、第3系統登録処理において、第1切換部81、第2切換部82及び第4切換部84をオフ状態とし、第3切換部83のみをオン状態とする。そして、中間ユニット制御部131は、第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続された室内ユニット制御部121e及び121fに対してアドレス登録報知信号を送信する。アドレス登録報知信号を受けた室内ユニット制御部121e及び121fは、アドレス登録要求信号を中間ユニット制御部131に送信する。アドレス登録要求信号を受けた中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121e及び121fが第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続されていることを判別し、室内ユニット制御部121e及び121fの通信アドレスに第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。すなわち、中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121e及び121fの通信アドレスと第3冷媒系統RS3とを関連づけて記憶する。
第3系統登録処理が完了すると、中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理を開始する。中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理において、第1切換部81、第2切換部82及び第3切換部83をオフ状態とし、第4切換部84のみをオン状態とする。そして、中間ユニット制御部131は、第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続された室内ユニット制御部121g及び121hに対してアドレス登録報知信号を送信する。アドレス登録報知信号を受けた室内ユニット制御部121g及び121hは、アドレス登録要求信号を中間ユニット制御部131に送信する。アドレス登録要求信号を受けた中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121g及び121hが第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続されていることを判別し、室内ユニット制御部121g及び121hの通信アドレスに第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。すなわち、中間ユニット制御部131は、室内ユニット制御部121g及び121hの通信アドレスと第4冷媒系統RS4とを関連づけて記憶する。
第4系統登録処理が完了すると、中間ユニット制御部131は、全ての切換部80をオン状態とする。すなわち、中間ユニット制御部131は、アドレス登録処理完了後は、切換部80を介して全ての通信系統CSを導通させる。そして、中間ユニット制御部131は、初期設定モードから通常モードに遷移する。
(6)特徴
(6−1)
上記実施形態では、各通信系統CSは、対応する冷媒系統RSに接続された室内ユニット120に接続されている。また、中間ユニット130は、各通信系統CSに配置される切換部80を含み、電源投入時に各切換部80を介して各通信系統CSの導通及び遮断を切り換えて各室内ユニット120が所属する通信系統CS(冷媒系統RS)を判別している。換言すると、中間ユニット130は、アドレス登録処理において、各室内ユニット120がいずれの通信系統CSに接続されているかを判別することで、各室内ユニット120がいずれの冷媒系統RSに接続されているかを特定している。その結果、複数の冷媒系統RS及び複数の通信系統CSを含む空調システム100において、初期設定に係る時間が短縮されている。
(6−2)
上記実施形態では、中間ユニット130は、アドレス設定処理において各室内ユニット120に対して通信アドレスを設定してから、アドレス登録処理において、各室内ユニット120がいずれの通信系統CS(冷媒系統RS)に接続されているかを特定し、通信アドレスと通信系統CS(冷媒系統RS)を関連づけて記憶している。その結果、空調システム100において、初期設定が円滑化されている。
(6−3)
上記実施形態では、中間ユニット130は、アドレス登録処理後は、各切換部80をオン状態として全ての通信系統CSを導通する。すなわち、中間ユニット130は、初期設定モードにおいてのみ通信系統CSの導通及び遮断を切り換えている。その結果、空調システム100において、初期設定完了後、通信系統CSの導通及び遮断等の特別な処理をすることなく、各室内ユニット120及び中間ユニット130間の通信を行うことが可能となっている。
(6−4)
上記実施形態では、各通信系統CSを構成する各通信ケーブル151、152、153及び154は、対応する冷媒系統RSを構成する液管LP又はガス管GPに沿って延びている。その結果、空調システム100において、誤配線を抑制しつつ特定の冷媒系統RSと対応づけて通信系統CSが設けることが可能となっている。
(6−5)
上記実施形態では、中間ユニット130は、いずれの通信系統CSにも属さない通信ケーブル112を介して室外ユニット110と信号の送受信を行い、室外ユニット110及び各室内ユニット120間の通信において送受信される信号を中継している。その結果、空調システム100において、室外ユニット110及び各室内ユニット120間を通信ケーブルで直接接続する必要がなく、簡単な構成にして、室外ユニット110及び各室内ユニット120間の通信を行えるようになっている。
(7)変形例
(7−1)変形例A
上記実施形態では、室外ユニット110及び中間ユニット130は1台ずつ配置されていた。しかし、これに限定されず、室外ユニット110及び中間ユニット130は2台以上あってもよい。
また、上記実施形態では、各冷媒系統RS(通信系統CS)は、2台の室内ユニット120に接続されていた。しかし、各冷媒系統RS(通信系統CS)に接続される室内ユニット120は何台あってもよく、例えば1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
(7−2)変形例B
上記実施形態では、通信系統CS及び冷媒系統RSは4系統で構成されていたが、これに限定されず、通信系統CS及び冷媒系統RSは何系統でもよい。例えば、通信系統CS及び冷媒系統RSは2系統であってもよく、8系統であってもよい。
(7−3)変形例C
上記実施形態では、上記実施形態では、切換部80(第1切換部81、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84)は、切換部80は、駆動電圧を供給されていない時にはオン状態となり駆動電圧を供給されている時にはオフ状態となる電磁リレーであったが、駆動電圧を供給されていない時にはオフ状態となり駆動電圧を供給されている時にはオン状態となるタイプのものを採用してもよい。また、切換部80は、電磁リレーには限定されず、トランジスタ等の半導体スイッチや無接点リレー等であってもよい。
(7−4)変形例D
上記実施形態では、中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理の完了後、全ての切換部80をオン状態とし、初期設定モードから通常モードに遷移する制御を実行していた。しかし、中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理の完了後、通常モードに遷移する前にエラー処理を実行するように構成してもよい。
例えば、エラー処理として、中間ユニット制御部131は、第4系統登録処理の完了後、記憶部91に室内ユニット120の通信アドレスが重複して登録されているか否かを判定するように構成してもよい。そして、重複登録が存在する場合には、中間ユニット制御部131は、アドレス設定にエラーがあったと判定してアドレス設定処理を再度実行するように制御してもよい。また、アドレス設定処理を再度実行した後で、さらに重複登録が存在する場合には、中間ユニット制御部131は、リモコン等に警告を表示して初期設定のアドレス設定処理及びアドレス登録処理を中断するようにしてもよい。
(7−5)変形例E
上記実施形態では、中間ユニット制御部131は、初期設定モードにおいて、図6に示すような流れで処理を実行していた。しかし、これに限定されず、中間ユニット制御部131は、初期設定モードにおいて、図9に示すような流れで処理を行ってもよい。
図9に示す処理の流れでは、中間ユニット制御部131は、空調システム100の電源投入時に初期設定モードに遷移し、室外ユニット制御部111からアドレス設定信号を受けてアドレス取得処理が完了すると、ステップS201に進んでアドレス設定登録処理を実行する。
ステップS201において、中間ユニット制御部131は、第2切換部82、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態として、第1切換部81のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS202へ進む。
ステップS202において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を送信してから所定時間内にアドレス設定要求信号を受信したか否か、又はアドレス設定報知信号を送信してから所定時間が経過したか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、アドレス設定要求信号を受信することなく所定時間が経過した場合、もしくはアドレス設定信号を送信してから所定時間が経過した場合)には、ステップS204へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、所定時間が経過する前にアドレス設定要求信号を受信した場合)には、ステップS203へ進む。
ステップS203において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定要求信号を送信した室内ユニット120に対して固有の通信アドレスを設定して、当該室内ユニット120に対してアドレス設定信号を送信する。また、これとともに、当該室内ユニット120の通信アドレスに第1通信系統CS1(第1冷媒系統RS1)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS202に戻る。
ステップS204において、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第3切換部83及び第4切換部84をオフ状態として、第2切換部82のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS205へ進む。
ステップS205において、中間ユニット制御部131は、ステップS202と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS207へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS206へ進む。
ステップS206において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定要求信号を送信した室内ユニット120に対して固有の通信アドレスを設定して、当該室内ユニット120に対してアドレス設定信号を送信する。また、これとともに、当該室内ユニット120の通信アドレスに第2通信系統CS2(第2冷媒系統RS2)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS205に戻る。
ステップS207において、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第2切換部82及び第4切換部84をオフ状態として、第3切換部83のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS208へ進む。
ステップS208において、中間ユニット制御部131は、ステップS202と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS210へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS209へ進む。
ステップS209において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定要求信号を送信した室内ユニット120に対して固有の通信アドレスを設定して、当該室内ユニット120に対してアドレス設定信号を送信する。また、これとともに、当該室内ユニット120の通信アドレスに第3通信系統CS3(第3冷媒系統RS3)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS208に戻る。
ステップS210において、中間ユニット制御部131は、第1切換部81、第2切換部82及び第3切換部83をオフ状態として、第4切換部84のみをオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、アドレス設定報知信号を第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)に接続された室内ユニット120に対して送信する。そして、ステップS211へ進む。
ステップS211において、中間ユニット制御部131は、ステップS202と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合には、ステップS213へ進む。一方、当該判定がYESの場合には、ステップS212へ進む。
ステップS212において、中間ユニット制御部131は、アドレス設定要求信号を送信した室内ユニット120に対して固有の通信アドレスを設定して、当該室内ユニット120に対してアドレス設定信号を送信する。また、これとともに、当該室内ユニット120の通信アドレスに第4通信系統CS4(第4冷媒系統RS4)を示す系統特定情報を付加して記憶部91に登録する。そして、ステップS211に戻る。
ステップS213において、中間ユニット制御部131は、全ての切換部80をオン状態とする。その後、中間ユニット制御部131は、初期設定モードから通常モードに遷移する。
以上のように、図6に示す処理の流れでは中間ユニット制御部131はアドレス設定処理が完了してからアドレス登録処理を行っていたが、図9に示す処理の流れでは、アドレス設定処理とアドレス登録処理とが同時に行われる。このような処理の流れによっても本発明の目的は達成される。