JP5949659B2 - 発進制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、停止状態から車両を駆動させる発進制御装置に関する。
従来、この種の発進制御装置が知られている。例えば、下記の特許文献1には、段差乗り上げ時に駆動トルクを発生させているにも拘わらず車両が停止状態の場合、その駆動トルクの増加により車両を発進させ、段差乗り上げ後に駆動トルクを抑制して又は制動トルクを付与して、段差を降りる際の車速の急上昇を抑える、と云う技術が開示されている。尚、下記の特許文献2には、パーキングブレーキを解除する際に、ブレーキシューのドラムへの押圧力を大きくすることで、これらの固着を解消させる、と云う技術が開示されている。また、下記の特許文献3には、運転者の制動操作を検知したときに、ブレーキパッドをディスクロータに接近させるフィルアップ制御を行って、これらの間のアイドルストロークを減少させる、と云う技術が開示されている。
特開2007−077871号公報 特開2010−241271号公報 特開2010−247793号公報
ところで、パーキングブレーキ装置は、停車時の係合動作中に摩擦材と被摩擦材との間が錆や氷結によって固着してしまい、その間の解除動作を行い且つ車両発進時の駆動トルク(所謂クリープトルク)を発生させたとしても、その固着状態が解消されないことがある。これが為、このパーキングブレーキ装置が固着状態になっている車両に特許文献1の技術を適用することで、この車両は、駆動トルクの増加によってパーキングブレーキ装置の固着状態が解消し、発進することができる。しかしながら、特許文献1の技術は、停止状態からの段差の乗り上げ(つまり車両の発進)の検知に基づいて、駆動トルクの抑制又は制動トルクの付与を行っている。従って、パーキングブレーキ装置の固着状態を解消して発進できたとしても、駆動トルク又は制動トルクの制御応答性が低い場合には、加速度の急な立ち上がりを抑えることができない可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、車両発進時における加速度の急な立ち上がりを抑えることが可能な発進制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、制動装置の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルクで車両を発進させることができない場合、該駆動トルクを増加させる駆動制御部と、前記駆動トルクの増加に伴い車両が発進したときに、前記車輪に対して前記制動装置の制動トルクを付与する制動制御部と、を備え、前記制動制御部は、パーキングブレーキ解除動作後、車両が発進するまでの間に、前記制動装置における摩擦材と被摩擦材との間の距離を近づけるプレフィル制御を実施することを特徴としている。
ここで、前記プレフィル制御は、前記パーキングブレーキ解除動作後で、且つ、制動装置の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルクで車両を発進させることができない場合に実施することが望ましい。
また、車両の発進に伴い付与する前記制動装置の制動トルクは、車両発進直前の前記駆動トルクの増加分に相当することが望ましい。
また、前記制動装置の制動トルクの付与後、ジャークが0となるように、前記駆動制御部が前記駆動トルクの増加分を減少させ、且つ、前記制動制御部が前記制動トルクの付与分を減少させることが望ましい。
本発明に係る発進制御装置は、パーキングブレーキ解除動作後、車両が発進するまでの間に、予め制動装置における摩擦材と被摩擦材との間の距離を近づけておくことで、車両が発進したときに付与する制動トルクの出力応答性を向上させることができる。従って、この発進制御装置は、増加させた駆動トルクによる加速度の立ち上がりに対して、制動トルクの付与による減速度の立ち上がりの応答遅れを抑制できるので、車両発進時における加速度の急な立ち上がりを抑えることができる。
図1は、本発明に係る発進制御装置の構成を示す図である。 図2は、本発明に係る発進制御装置の車両発進時の制御動作を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る発進制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る発進制御装置の実施例を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施例の発進制御装置は、車両発進時における車両制御(主に制駆動力制御)を行うものであり、その車両制御に係る演算処理を実施する電子制御装置(ECU)1を備える。
この発進制御装置を有する車両には、少なくとも1つの動力源2と変速機3とを駆動装置として設けている。動力源2は、例えば機関(内燃機関等のエンジン)や回転機(電動機等)のことである。また、この例示の変速機3は、自動変速機とする。その動力源2と変速機3の動作は、電子制御装置1の駆動制御部によって制御される。
更に、この車両は、制動装置4を備える。ここで例示する制動装置4は、所謂ディスクブレーキ装置であり、マスタシリンダ圧または調圧後のブレーキ液圧に応じた制動トルクを車輪に付与することができる。この制動装置4の一例を以下で説明する。
制動装置4は、夫々の車輪に対して個別に制動トルクを発生させることができる。この制動装置4には、運転者のブレーキペダル10の操作量(以下、「ブレーキ操作量」と云う。)に応じたブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を発生させる液圧発生装置20と、ブレーキ液圧に応じた制動トルクを発生させる車輪毎の制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrと、その液圧発生装置20のブレーキ液圧をそのまま又は車輪毎に調圧して夫々の制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrに供給する液圧調整装置40と、が設けられている。その制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrは、供給油圧により動作するホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrと、このホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrに押動される摩擦材を有するブレーキパッド32fr,32rl,32fl,32rrと、このブレーキパッド32fr,32rl,32fl,32rrの摩擦材が押し付けられる被摩擦材としてのディスクロータ33fr,33rl,33fl,33rrとを備える。
ブレーキペダル10には、その操作(制動操作)を検出するストップランプスイッチ11と、ブレーキ操作量(ペダル踏み込み量やペダル踏力等)を検出する操作量検出部12と、が接続されている。そのストップランプスイッチ11と操作量検出部12の出力信号は、電子制御装置1に送られる。
液圧発生装置20は、制動倍力部(ブレーキブースタ)21とマスタシリンダ22とリザーバタンク23とを備える。制動倍力部21は、運転者のペダル踏力を所定の倍力比で倍化させるものである。マスタシリンダ22は、制動倍力部21で倍化されたペダル踏力(運転者のペダル踏力と制動倍力部21のアシスト力の和)に応じたマスタシリンダ圧を内部の2つの油圧室に発生させるものである。リザーバタンク23は、マスタシリンダ22の上部でブレーキ液を貯留する。そのマスタシリンダ22とリザーバタンク23との間は、ブレーキペダル10が踏み込まれていないときに連通状態にあり、ブレーキペダル10の踏み込みと共に閉塞状態になる。これが為、マスタシリンダ22の各油圧室は、ブレーキペダル10の踏み込みと共に加圧が可能になる。
マスタシリンダ22の各油圧室には、夫々に第1液圧通路24と第2液圧通路25とが接続されている。その第1及び第2の液圧通路24,25は、更に液圧調整装置40に接続されており、マスタシリンダ圧のブレーキ液を液圧調整装置40に送る。第1液圧通路24には、マスタシリンダ圧センサ26が接続されている。そのマスタシリンダ圧センサ26は、マスタシリンダ22と後述する第1液圧回路のマスタカット弁41との間に配置している。このマスタシリンダ圧センサ26の出力信号は、電子制御装置1に送られる。尚、マスタシリンダ圧センサ26は、第2液圧通路25に接続してもよい。
液圧調整装置40は、その動作が電子制御装置1の制動制御部によって制御される。この液圧調整装置40は、右側前輪及び左側後輪に対してブレーキ液圧を伝える第1液圧回路と、左側前輪及び右側後輪に対してブレーキ液圧を伝える第2液圧回路と、を備えた所謂X配管のものとして例示する。この液圧調整装置40においては、第1液圧通路24を第1液圧回路に接続し、第2液圧通路25を第2液圧回路に接続する。
具体的に、この液圧調整装置40は、2つのマスタカット弁41,42を備えている。マスタカット弁41は、第1液圧回路におけるブレーキ液の流量調整部として作用するものであり、第1液圧通路24の端部が接続される。また、マスタカット弁42は、第2液圧回路におけるブレーキ液の流量調整部として作用するものであり、第2液圧通路25の端部が接続される。このマスタカット弁41,42は、所謂常開式の流量調整用の電磁弁であって、制動制御部による通電に伴って閉止側への弁開度の制御を実行する。従って、夫々のマスタカット弁41,42は、通電量に応じた弁開度の制御によって、後述する加圧ポンプ79,80から吐出されたブレーキ液の圧力を調節し、マスタシリンダ22側へと開放する。
この液圧調整装置40においては、第1液圧通路24がマスタカット弁41を介して連結通路43に接続される一方、第2液圧通路25がマスタカット弁42を介して連結通路44に接続される。連結通路43には、2本の分岐通路45,46が接続される。その各分岐通路45,46は、夫々に右側前輪における制動トルク発生装置30frのホイールシリンダ31frと左側後輪における制動トルク発生装置30rlのホイールシリンダ31rlとに接続する。一方、連結通路44には、2本の分岐通路47,48が接続される。その各分岐通路47,48は、夫々に左側前輪における制動トルク発生装置30flのホイールシリンダ31flと右側後輪における制動トルク発生装置30rrのホイールシリンダ31rrに接続する。
その各分岐通路45,46,47,48上には、夫々の車輪毎に液圧調圧部を設けている。その各液圧調圧部は、夫々に制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrのブレーキ液圧の調整を可能にしたものである。この各液圧調圧部は、夫々に保持弁50,51,52,53と液圧排出通路54,55,56,57と減圧弁58,59,60,61とを備える。各保持弁50,51,52,53は、夫々に分岐通路45,46,47,48上に配置する。各液圧排出通路54,55,56,57は、夫々の保持弁50,51,52,53の下流側で分岐通路45,46,47,48に各々接続する。各減圧弁58,59,60,61は、その夫々の分岐通路45,46,47,48上に配置する。尚、ここで云う下流とは、制動操作時のブレーキ液の流動方向(つまり、制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrへと向かう方向)における下流側のことを指す。
保持弁50,51,52,53は、所謂常開式の電磁弁であって、制動制御部による通電に伴って閉止側への弁開度の制御を実行する。一方、減圧弁58,59,60,61は、所謂常閉式の電磁弁であって、制動制御部による通電に伴って開弁側への弁開度の制御を実行する。
第1液圧通路24と連結通路43との間には、マスタカット弁41と並列に逆止弁62が配置されている。その逆止弁62は、第1液圧通路24側から連結通路43側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。これと同じ様に、第2液圧通路25と連結通路44との間には、マスタカット弁42と並列に逆止弁63が配置されている。その逆止弁63は、第2液圧通路25側から連結通路44側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。また、第1液圧回路においては、連結通路43と分岐通路45との間に逆止弁64が保持弁50と並列に配置され、連結通路43と分岐通路46との間に逆止弁65が保持弁51と並列に配置されている。第2液圧回路においては、連結通路44と分岐通路47との間に逆止弁66が保持弁52と並列に配置され、連結通路44と分岐通路48との間に逆止弁67が保持弁53と並列に配置されている。その逆止弁64,65,66,67は、ホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rr側からマスタカット弁41,42側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。
また、ここでは、第1液圧回路における夫々の液圧排出通路54,55を一纏めにする集合通路68と、第2液圧回路における夫々の液圧排出通路56,57を一纏めにする集合通路69と、が用意されている。その各集合通路68,69は、夫々に補助リザーバ70,71に接続されている。補助リザーバ70には、第1液圧通路24から分岐させた吸入通路72が接続され、補助リザーバ71には、第2液圧通路25から分岐させた吸入通路73が接続される。その吸入通路72,73上には、夫々にリザーバカット逆止弁74,75を設けている。そのリザーバカット逆止弁74,75は、補助リザーバ70,71側から第1及び第2の液圧通路24,25側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。
更に、第1液圧回路には、連結通路43から保持弁50,51の上流側で分岐させ、集合通路68に接続したポンプ通路76を設けている。これと同じ様に、第2液圧回路には、連結通路44から保持弁52,53の上流側で分岐させ、集合通路69に接続したポンプ通路77を設けている。その各ポンプ通路76,77上には、電動機78によって駆動される加圧ポンプ(加圧部)79,80と、この加圧ポンプ79,80よりもマスタカット弁41,42側及び保持弁50,51,52,53側に配置した逆止弁81,82と、を夫々に設けている。その逆止弁81,82は、加圧ポンプ79,80側からマスタカット弁41,42側及び保持弁50,51,52,53側へのブレーキ液の流れのみを許容するものである。
このように構成した制動装置4は、その動作が上述したように電子制御装置1によって制御される。
具体的に、その電子制御装置1には、操作量検出部12により検出されたブレーキ操作量と、マスタシリンダ圧センサ26により検出されたマスタシリンダ圧と、が入力される。この電子制御装置1の制動制御部は、そのブレーキ操作量とマスタシリンダ圧とに基づいて、マスタカット弁41,42と保持弁50,51,52,53と減圧弁58,59,60,61と電動機78(加圧ポンプ79,80)とを制御し、ホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrへの供給油圧を調整することで、各車輪の制動トルクを制御する。その際、この制動制御部は、ブレーキ操作量に基づいて運転者の要求制動力を演算する。そして、この制動制御部は、その要求制動力に応じた制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrにおける夫々の要求制動トルクを演算し、この要求制動トルクを発生させるように液圧調整装置40の制御を行う。
この制動装置4においては、通常時(非励磁状態のとき)に、マスタカット弁41,42と保持弁50,51,52,53が開弁状態にあり、減圧弁58,59,60,61が閉弁状態にある。これが為、運転者がブレーキペダル10の踏み込み操作を行ったときには、制動倍力部21で倍化されたペダル踏力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。
ホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrのブレーキ液圧を増圧させる増圧モードの場合には、そのマスタカット弁41,42と保持弁50,51,52,53と減圧弁58,59,60,61とが通常時の状態のままで、加圧ポンプ79,80を駆動制御する。これにより、その加圧ポンプ79,80は、補助リザーバ70,71のブレーキ液を加圧して吐出し、その加圧圧力をマスタシリンダ圧と共に、保持弁50,51,52,53を介してホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrに作用させる。これが為、この制動装置4においては、制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrの制動トルクを増加させることができる。
一方、ホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrのブレーキ液圧を減圧させる減圧モードの場合には、マスタカット弁41,42と保持弁50,51,52,53を閉弁させる一方、減圧弁58,59,60,61を開弁させる。これにより、ブレーキ液は、補助リザーバ70,71に送られ、その際の余剰分が吸入通路72,73に送り出される。これが為、この制動装置4においては、制動トルク発生装置30fr,30rl,30fl,30rrの制動トルクを減少させることができる。
その増圧モード又は減圧モードでブレーキ液圧が所定のブレーキ液圧になった場合、制動制御部は、マスタカット弁41,42と保持弁50,51,52,53と減圧弁58,59,60,61を閉弁させる。この保持モードにおいては、その所定のブレーキ液圧でホイールシリンダ31fr,31rl,31fl,31rrのブレーキ液圧が保持される。
更に、この車両は、パーキングブレーキ装置5を備える。ここで例示するパーキングブレーキ装置5は、図示しない摩擦材を有するブレーキシューと被摩擦材としてのドラムとを備え、ブレーキシューの摩擦材をドラムに押し付けることで当該車輪に制動トルクを付与する。このパーキングブレーキ装置5は、そのブレーキシューとドラムを例えば後輪に備える。このパーキングブレーキ装置5においては、その摩擦材と被摩擦材とが係合すると、パーキングブレーキスイッチ6がオンになり、そのオン信号が電子制御装置1に送信される。尚、この車両では、その様なパーキングブレーキ装置5に替えて、制動装置4をパーキングブレーキ装置として利用してもよい。また、例えば、制動装置4における後輪側を所謂ドラムブレーキ装置に置き換えることも可能であり、この場合には、そのドラムブレーキ装置をパーキングブレーキ装置として利用すればよい。
ここで、このパーキングブレーキ装置5は、前述した様に、停車時の係合動作中に摩擦材と被摩擦材との間が錆や氷結によって固着してしまい、その間の解除動作を行い且つ車両発進時の駆動トルク(クリープトルク)を発生させたとしても、制動装置4が制動トルクを発生させていないにも拘わらず、その固着状態が解消されないことがある。これが為、車両発進時には、制動装置4の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルク(クリープトルク)で車両を発進させることができない場合、その駆動トルクを増加させることで、その固着状態の解消を図る。
ところで、その様にして固着状態が解消したときには、その増加分だけ駆動トルクがクリープトルクよりも大きくなっているので、運転者が意図しているよりも加速度の立ち上がりが急になり、発進車速が急上昇してしまう可能性がある。従って、その駆動トルクの増加に伴い車両が発進したときには、制動装置4で車輪に対して制動トルクを付与することによって、運転者の意図していない急な加速度の立ち上がりの抑制を図る。しかしながら、制動装置4においては、非制動時の磨耗や引き摺り損失を抑える為に、ブレーキパッド32fr,32rl,32fl,32rrの摩擦材とディスクロータ33fr,33rl,33fl,33rrとの間に所定の隙間を設けているので、少なくともその隙間の分だけ制動トルクの発生に遅れが生じる。そして、車両においては、その制動トルクが車両の発進に遅れて発生すると、発進直後の急な加速度の立ち上がりを抑えることができない。
そこで、この発進制御装置においては、遅くとも車両発進前までに、制動装置4における摩擦材と被摩擦材との間の距離を近づけるプレフィル制御を実施することで、車両が発進したときに付与する制動トルクの出力応答性を向上させる。例えば、この発進制御装置には、パーキングブレーキ解除動作後、車両が発進するまでの間に、そのプレフィル制御を実施させる。よりプレフィル制御の実施時期を明確にするのであれば、制動制御部は、パーキングブレーキ装置5の解除動作後に車両が発進しない場合、そのプレフィル制御を実施する。
以下、この発進制御装置における車両発進時の制御動作を図2のフローチャートに基づき説明する。電子制御装置1の発進制御部は、例えば車両のドアの解錠やイグニッションオンと共に本制御を開始する。
先ず、発進制御部は、本制御の制御開始条件が成立しているのか否かを判定する(ステップST1)。例えば、錆による固着を解消する場合には、このステップST1において、パーキングブレーキ装置5が動作していたのか否かを判定する。この判定は、例えば、本制御がドアの解錠を契機にして開始する場合、今現在(ドア解錠直後)のパーキングブレーキスイッチ6のオン信号に基づいて行ってもよく、本制御がイグニッションオンを契機にして開始する場合、そのオン信号や前回イグニッションオフになる直前まで受信していた当該オン信号の受信履歴に基づいて行ってもよい。発進制御部は、パーキングブレーキ装置5が動作していた場合、制御開始条件が成立していると判定する。一方、発進制御部は、パーキングブレーキ装置5が動作していない場合、パーキングブレーキ装置5の固着の可能性が低いので、制御開始条件が成立していないと判定し、本制御を終わらせる。また、氷結による固着を解消する場合には、このステップST1において、外気温センサ7の検出信号を利用し、車外が氷結し得る温度になっているのか否かを判定する。発進制御部は、車外が氷結し得る温度になっている場合、制御開始条件が成立していると判定する。一方、発進制御部は、車外が氷結し得る温度よりも高温の場合、氷結による固着の可能性が低いので、制御開始条件が成立していないと判定し、本制御を終わらせる。
発進制御部は、制御開始条件が成立している場合、運転者が動力源2を始動させ、且つ、変速機3の変速レンジを走行用レンジ(所謂DレンジやRレンジ、変速段毎のレンジ)に変速させたならば(ステップST2)、駆動制御部に指令を送り、クリープトルクTc(=Tc0)を発生させる(ステップST3)。
発進制御部は、運転者の解除操作又は車両側の解除指令によってパーキングブレーキ装置5が解除動作を行い、且つ、ブレーキペダル10から足を離した(サービスブレーキオフ)ならば(ステップST4)、車両が停止中か否かを判定する(ステップST5)。この判定は、例えば、車速センサや車輪速度センサ等の様な車速検出装置8の検出信号に基づいて行う。
発進制御部は、車両が発進した場合、パーキングブレーキ装置5が固着状態になっていないと判断し、本制御を終わらせる。
一方、発進制御部は、車両が停止中の場合、パーキングブレーキ装置5が固着状態になっている可能性があるので、制動制御部に制御を渡す。制動制御部は、液圧調整装置40を増圧モードに制御し、制動装置4における摩擦材(ブレーキパッド32fr,32rl,32fl,32rrの摩擦材)と被摩擦材(ディスクロータ33fr,33rl,33fl,33rr)との間の距離を近づけるプレフィル制御を実行する(ステップST6)。制動制御部は、その間の距離が所定距離となったときに、液圧調整装置40を増圧モードから保持モードに切り替えて、その距離が所定距離で保たれるように制御する。その所定距離は、摩擦材と被摩擦材との間の距離が所定距離で保たれているときに、その間で引き摺り損失(制動トルク)が発生せず、且つ、保持モードから再び増圧モードに切り替えたときに、その間で直ぐに制動トルクを発生させる距離とする。例えば、制動制御部は、摩擦材と被摩擦材とが互いに接触しないが、増圧モードとなったときに直ぐに制動トルクを発生させるように、摩擦材と被摩擦材との間の距離を略0に制御する。また、制動制御部は、摩擦材と被摩擦材とが互いに接触する位置まで(摩擦材と被摩擦材との間の距離が0になるまで)ブレーキパッド32fr,32rl,32fl,32rrを押し動かすが、その摩擦材と被摩擦材とが接触するのみで、制動トルク(引き摺り損失)を略発生させないように制御する。
プレフィル制御の実行後、発進制御部は、クリープトルクTcを増加させるよう駆動制御部に指令を送る(ステップST7)。増加分ΔTcは、例えば、複数回行った実験やシミュレーションの結果を反映させ、パーキングブレーキ装置5の固着状態が解消される駆動トルク(以下、「固着解消トルク」と云う。)Tsの平均値に基づいて決めてもよい。この場合には、その固着解消トルクTsの平均値から通常時のクリープトルクTc0を減算したものが増加分ΔTcの最小値となる。しかしながら、その固着状態が常に同じ状態であるとは限らないので、固着解消トルクTsも常に一定になっているとは限らない。これが為、このステップST7で使う増加分ΔTcは、予め所定の値(例えば、上記の固着解消トルクTsの平均値よりも小さい値)を設定しておく。そして、駆動制御部には、その増加させたクリープトルクTc(=Tc+ΔTc)が現状の固着解消トルクTsを超えて、車両が発進できるようになるまで、増加分ΔTcを繰り返し加えさせていく。
発進制御部は、クリープトルクTcの増加後に車両が停止中か否かを判定する(ステップST8)。発進制御部は、車両が停止中の場合、駆動制御部に指令を送り、ステップST7に戻って再びクリープトルクTcを増加させる。そして、この発進制御部は、車両が動き始めた場合、制動制御部に指令を送り、制動装置4に制動トルクTbを付与させる(ステップST9)。その制動トルクTbは、各車輪が夫々に発生させる制動トルクの和であり、車両発進直前に増加させたクリープトルクTcの増加分ΔTcに一致させる。この制動装置4においては、上述したプレフィル制御を実施しているので、その制動トルクTbの発生指令と共に、応答性良く制動トルクTbが作用する。従って、車両において、車両発進時の急な加速度の立ち上がりが抑制される。
発進制御部は、駆動制御部と制動制御部に指令を送り、ジャークΔGが0となるようにクリープトルクTcと制動トルクTbを制御させる(ステップST10)。ここでは、クリープトルクTcを通常時のクリープトルクTc0の大きさにまで減少させると共に、制動トルクTbを0にまで減少させる。これにより、車両においては、クリープトルクTcの増加分ΔTcや制動トルクTbによる加減速度の変動が抑制され、車両発進時の衝撃を緩和することができる。
発進制御部は、制動トルクTbが0まで減少したのか否かを判定する(ステップST11)。発進制御部は、制動トルクTbが未だ0になっていなければ、ステップST10の制御を繰り返し、制動トルクTbが0まで減少したならば、本制御を終了させる。
ここで、本制御におけるプレフィル制御以降の各種制御は、運転者のブレーキ操作が行われたときに、運転者の停車の意思を尊重して、車両発進の前後に拘わらず中断する。この場合には、例えば、運転者が再びブレーキペダル10から足を離したときに、パーキングブレーキ装置5が解除動作を行っているならば、ステップST5から再開させる。また、本制御におけるプレフィル制御以降の各種制御は、運転者のアクセル操作が行われたときに、運転者の加速発進の意思を尊重して、車両発進の前後に拘わらず中止する。この場合には、アクセル操作に応じた駆動トルクによってパーキングブレーキ装置5の固着状態が解消される。
この様に、この発進制御装置は、パーキングブレーキ装置5が解除動作後も固着状態のままであり、各車輪に制動装置4の制動トルクが付与されていないにも拘わらず、通常時のクリープトルクで車両を発進させることができない場合、駆動トルク(クリープトルク)の増加によって固着状態の解消を図る。そして、この発進制御装置は、固着状態が解消され、車両が発進し始めると、制動装置4で各車輪に制動トルクを付与する。その際、発進制御装置は、パーキングブレーキ装置5の解除動作が行われてから車両が発進するまでの間に上記のプレフィル制御を実施し、予め制動装置4の摩擦材と被摩擦材との間の距離を近づけているので、車両が発進し始めると共に、制動装置4が応答性良く制動トルクを発生させることができる。従って、この発進制御装置は、増加させた駆動トルクによる加速度の立ち上がりに対して、制動トルクの付与による減速度の立ち上がりの応答遅れが抑制されるので、車両発進時の急な加速度の立ち上がりを抑制することができ、運転者の違和感を解消することができる。
ここで、そのプレフィル制御は、パーキングブレーキ解除動作後で、且つ、制動装置4の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルクで車両を発進させることができない場合に実施している。つまり、この発進制御装置は、パーキングブレーキ装置5が固着していないときのプレフィル制御の実施を回避し、パーキングブレーキ装置5が固着している可能性の高いときにプレフィル制御を実施している。従って、この発進制御装置は、そのプレフィル制御の実施を必要としないときに無用な制動装置4の制御が行われないので、プレフィル制御の為の電動機78の駆動制御に要する電力消費量を抑えることができる。
更に、この発進制御装置は、停車状態で駆動トルク(クリープトルク)を増加させる前に、上記のプレフィル制御を実施している。これが為、例えば僅かな駆動トルクの増加で車両が発進するような固着状態であっても、この発進制御装置は、車両の発進と共に応答性良く制動トルクを付与し、車両発進時の急な加速度の立ち上がりを抑制することができる。従って、この発進制御装置は、停車状態で駆動トルク(クリープトルク)の増加を検知していようがいまいが、その検知の有無に拘わらず、上記のプレフィル制御を実施することが望ましい。
また、発進制御装置は、その制動トルクの付与後、直ぐに、ジャークが0となるよう駆動トルク(クリープトルク)の増加分と制動トルクを減少させる。従って、この発進制御装置は、車両発進時の衝撃を緩和することができる。
1 電子制御装置
2 動力源
3 変速機
4 制動装置
5 パーキングブレーキ装置
6 パーキングブレーキスイッチ
7 外気温センサ
8 車速検出装置
10 ブレーキペダル
20 液圧発生装置
30fr,30rl,30fl,30rr 制動トルク発生装置
40 液圧調整装置
78 電動機
79,80 加圧ポンプ

Claims (4)

  1. 制動装置の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルクで車両を発進させることができない場合、該駆動トルクを増加させる駆動制御部と、
    前記駆動トルクの増加に伴い車両が発進したときに、前記車輪に対して前記制動装置の制動トルクを付与する制動制御部と、
    を備え、
    前記制動制御部は、パーキングブレーキ解除動作後、車両が発進するまでの間に、前記制動装置における摩擦材と被摩擦材との間の距離を近づけるプレフィル制御を実施することを特徴とする発進制御装置。
  2. 前記プレフィル制御は、前記パーキングブレーキ解除動作後で、且つ、制動装置の制動トルクが車輪に付与されていないにも拘わらず、駆動輪に付与している駆動トルクで車両を発進させることができない場合に実施することを特徴とする請求項1記載の発進制御装置。
  3. 車両の発進に伴い付与する前記制動装置の制動トルクは、車両発進直前の前記駆動トルクの増加分に相当することを特徴とする請求項1又は2に記載の発進制御装置。
  4. 前記制動装置の制動トルクの付与後、ジャークが0となるように、前記駆動制御部が前記駆動トルクの増加分を減少させ、且つ、前記制動制御部が前記制動トルクの付与分を減少させることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の発進制御装置。
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