JP5949447B2 - 熱電発電装置および熱電発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続して溶融スラグを受滓するための分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置より発生した廃熱を利用し、その熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する熱電発電装置およびそれを用いた熱電発電方法に関するものである。
我が国の道路舗装は、アスファルト舗装が主流となっている。これは、セメントを使用するコンクリート舗装と比較して、施工速度が速く、かつ養生が不要なため、特に既設道路を補修する際、交通遮断時間を短くすることができるからである。
このようなアスファルト舗装の表層に使用されるアスファルト・コンクリートは、骨材とアスファルトよりなっていて、骨材の比率が90%以上を占めている。また、骨材は、可塑性のあるアスファルトをバインダーに用いているため、車の荷重に対する道路の形状維持、およびタイヤによる摩耗防止の役割を担っている。そのため、アスファルト・コンクリート用の骨材は、一般の建築用コンクリートの骨材よりも強度が高く、かつ硬質で耐摩耗性に優れたものが要求されている。
従って、アスファルト・コンクリート用骨材としては、通常、耐摩耗性の低い石灰石等は利用されずに、硬質砂岩等の硬い石が使用されているが、硬い石を原料とする骨材の産地が限定されているため、道路を施工する地域によっては、骨材を遠方より輸送してくる必要があり、輸送コスト増の問題がある。
アスファルト舗装要綱では、アスファルト・コンクリート用骨材に利用できるものとして、鉄鋼スラグ、特に、加熱アスファルト混合用として単粒度製鋼スラグ(SS)とクラッシャラン製鋼スラグ(CSS)が規定されている。これらはいずれも、製鋼スラグの硬さを活かした用途であり、アスファルト・コンクリート用の骨材全体に占める割合は、現在、ごくわずかとはいえ、実際に使用されている。
ただし、製鋼スラグは、天然骨材と比べた場合、その比重が15〜20%ほど大きいため、施工体積当たりの骨材の重量が増大する。そのため、輸送費が余計にかかるといった問題がある。さらに、製鋼スラグには、金属分を含むといった問題点も持っている。
一方、鉄鋼スラグのうち、高炉から排出されたスラグ(いわゆる高炉スラグ)は徐冷されて凝固したもの(いわゆる高炉徐冷スラグ)が路盤材などに利用されてはいるものの、アスファルト・コンクリートの骨材としては利用されていない。
この理由は、高炉徐冷スラグは耐摩耗性が低いため、アスファルト・コンクリート用骨材として適さないからである。ちなみに、一般的なアスファルト・コンクリートに使用される骨材の耐摩耗性を示すすりへり減量は、15%程度であるが、高炉徐冷スラグでは、すりへり減量が約30%と高く、石灰石よりも劣っている。また、高炉徐冷スラグは多孔質であることから、吸水率が高く、フレッシュコンクリートの流動性が低下するという問題もあるため、路盤材などで使用されるに止まっている。
ここに、高炉徐冷スラグの弱点である多孔質な点を改善して緻密化する方法として、薄層多層法と称する方法が知られている。この方法は、例えば、非特許文献1に詳細に述べられているように、緩やかな傾斜を有する平滑な冷却ヤードに溶融スラグを薄く流し、冷却は空冷による自然冷却で行い、ついで、同じように、溶融スラグを2層、3層と次々に重ねていき、最上層の流し込み終了後、さらに空冷あるいはごく少量の冷却水を散水して冷却する方法である。
この方法によれば、少なくとも溶融スラグの流下近傍は、先に流れた溶融スラグによって予熱されているので、スラグ温度が高く、しかもスラグ層が薄いので、発生ガスが浮上分離し易く、その結果、緻密な徐冷スラグとなって、コンクリート粗骨材向け原料に適した品質となり、特に各層の厚みを60mm以下にすれば、絶乾比重が2.4g/cm3以上というJIS粗骨材規格を満たすとされている。
特許文献1には、吸水率が低く、1.5%以下で、かつ耐摩耗性の高い高炉スラグ凝固物の鋳造方法が開示されている。また、特許文献1には、すりへり減量が20%以下であって、アスファルト舗装に用いるアスファルト・コンクリート用骨材に適した緻密な高炉スラグ凝固物を連続的に効率よく鋳造する方法、および鋳型の変形を防止して、安定的にアスファルト舗装用骨材に適した緻密な高炉スラグ凝固物を鋳造する装置が併せて示されている。
さらに、特許文献2には、溶融スラグ冷却皿の上部に、冷却機能を有する上蓋を設け、冷却皿の上面及び上蓋の下面に、それぞれ熱電素子ユニットを配設してなるスラグ顕熱による熱電発電装置が示されている。
ここで、近年の環境問題に対する意識の高まりに連れて、各種製造プロセスにおける省資源化への取組みが、各方面で模索されている。その内の一つが、上記したようなスラグ製造プロセスの廃熱を、いわゆるゼーベック効果を利用した熱電素子を用いて直接電力に変換して利用するというものである。
特開2003−221611号公報 実開昭60−028493号公報
「製鉄研究」第301号、1980年、p.13355-13362
しかしながら、特許文献1には、安定的にアスファルト舗装用骨材に適した緻密な高炉スラグ凝固物を鋳造するスラグ鋳造装置が提供されているものの、スラグの顕熱/潜熱の利用については、全く考慮が払われていない。
また、特許文献2には、スラグ顕熱を利用することについて記載されているものの、スラグの品質については、全く考慮が払われていない。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、スラグ鋳造装置において発生する廃熱を回収するために、スラグの品質を確保しつつ、プロセス内の熱源温度とプロセス周辺の雰囲気温度との温度差を利用し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する熱電発電ユニットを備える熱電発電装置を、それを用いた熱電発電方法と共に提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電ユニットを、連続して溶融スラグを受滓する分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置の該分割式金属製鋳型の底部に組込んだことを特徴とする熱電発電装置。
2.前記熱電発電ユニットは、その低温面側に圧力調整手段を具え、
圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットと、圧力をかけないで鋳型に熱電発電モジュールを密着させない熱電発電ユニットと、の個数比率を制御して、
上記熱電発電ユニットに組込まれた熱電素子の高温面側と低温面側との温度差を維持する制御装置を有することを特徴とする前記1に記載の熱電発電装置。
3.上記分割式金属製鋳型にスラグが積載されている時間をt、該分割式金属製鋳型にスラグが受滓されてから再度スラグが鋳型に受滓されるまでの時間を装置のスラグ処理周期:tとしたとき、次式
/t≧0.5
を満足する分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置において、該分割式金属製鋳型の底部に熱電発電ユニットを組込んだことを特徴とする前記1または2に記載の熱電発電装置。
4.前記スラグ鋳造装置のスラグ冷却部の上方に、
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電モジュールと、
該熱電発電モジュールの少なくとも高温面側に設置される熱源からの熱を受ける受熱板と、
を具える熱電発電ユニットを設置したことを特徴とする前記1乃至3のいずれかに記載の熱電発電装置。
5.前記熱電発電ユニットが、その低温面側の冷却を促進する手段を備えることを特徴とする前記1乃至4のいずれかに記載の熱電発電装置。
6.前記1乃至5のいずれかに記載の熱電発電装置を用い、分割式金属製鋳型に受滓したスラグの熱を受熱して、電力に変換することを特徴とする熱電発電方法。
本発明の熱電発電装置を用いることにより、吸水率が1.5%以下で、かつすりへり減量が20%以下のアスファルト舗装に用いるアスファルト・コンクリート用骨材に適した緻密な高炉スラグ凝固物を、連続的で効率よく製造することができると共に、スラグが凝固する際の廃熱を、有効に利用して発電を行うことができるので、電気エネルギーを創生しつつ、アスファルト・コンクリート用骨材を製造することができる。
本発明に従う熱電発電ユニットの断面図である。 本発明の熱電発電装置を備えた高炉スラグ凝固物を鋳造するスラグ鋳造装置の例を示す配置図である。 本発明の熱電発電装置を備えた高炉スラグ凝固物を鋳造するスラグ鋳造装置の他の例を示す配置図である。 /t=0.92の条件で熱電発電を行った場合の熱電発電モジュールの高温面側の温度推移を示すグラフである。 /t=0.92の条件で熱電発電を行った場合の熱電素子の高温側と低温側の温度推移を示すグラフである。 /t=0.92の条件で熱電発電を行った場合の熱電発電装置による出力の時間推移を示すグラフである。 /t=0.498の条件で熱電発電を行った場合のスラグ表面と熱電発電モジュールの高温面側の温度推移を示すグラフである。 /t=0.498の条件で熱電発電行った場合の熱電素子の高温側と低温側の温度推移を示すグラフである。 /t=0.498の条件で熱電発電行った場合の熱電発電装置による出力の時間推移を示すグラフである。 鋳型厚みを変化させた場合の、熱電発電モジュールの高温側最高温度を示すグラフである。 接触している熱電発電ユニットを、その接触圧力(押圧力)を調整することにより減らしてゆく要領を示した図である。 圧力調整手段を用いて、熱電発電モジュールと分割式金属製鋳型の底面との接触面積(個数)を制御した場合と、制御せず全面に熱電発電モジュール全数を押付けた際の、熱電素子の高温側と低温側の温度差を経過時間との関係で示したグラフである。 圧力調整手段を用いて、熱電発電モジュールと分割式金属製鋳型の底面との接触面積(個数)を制御した場合と、制御せず全面に熱電発電モジュール全数を押付けた際の熱電発電モジュール数を経過時間との関係で示したグラフである。 圧力調整手段を用いて、熱電発電モジュールと分割式金属製鋳型の底面との接触面積(個数)を制御した場合と、制御せず全面に熱電発電モジュール全数を押付けた際の出力を経過時間との関係で示したグラフである。 熱電発電モジュールと受熱板構造の関係を示す図である。 スラグ表面温度と熱電素子の高温側、低温側の温度と、受滓後の経過時間との関係を示すグラフである。 熱電発電装置の出力と受滓後の経過時間との関係を示すグラフである。 熱電素子の高温側と低温側の温度差と受滓後の経過時間との関係を示すグラフである。 熱電発電装置による熱電発電モジュール数と受滓後の経過時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明について具体的に説明する。
図1に、本発明に従う熱電発電ユニットの一例となる断面図を示す。図1中、1は熱電素子、2は電極、3は絶縁材であり、これらで熱電発電モジュール4を構成する。本発明の熱電発電ユニット6の基本構成は、図1に示したとおり、熱電発電モジュール4と低温側の絶縁材の外側に設けられた圧力調整手段5と、熱電発電モジュール4と圧力調整手段との間に設けられた冷却手段(図示せず)とからなる。
本発明では、上記の圧力調整手段5を作動させることにより、熱電発電ユニットの高温面側(以下、単に高温側とも言う)に適切な押圧力を付与し、熱源との所望の熱伝導性を確保することができる。なお、図1では、圧力調整手段5を、絶縁材3より小さく表しているが、この面積比は設備に応じて適宜変更することができる。
本発明では、上記熱電発電ユニットを備える熱電発電装置を用いるが、この熱電発電装置は、高炉スラグを鋳造するための、連続して溶融スラグを受滓する分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置の該分割式金属製鋳型の底部に組込まれる。
ここで、高炉スラグからコンクリート用粗骨材を製造するためには、高炉スラグの気孔の量を減らして緻密にしなければならない。そのため、従来から、スラグ冷却・凝固(鋳造)装置を用いる場合に、溶解した高炉スラグを鋳型上に流す時に水が存在すると、高炉スラグが発泡し易くなるので、高炉スラグに対し直接水を散水することなく、冷却・凝固させる装置が用いられてきた。
図2に、本発明に用いることができる高炉スラグを鋳造するスラグ鋳造装置(以下、単にスラグ鋳造装置という)の一例を示す。このスラグ鋳造装置は、スラグ鍋の溶融スラグをスラグ樋から連続して移動する分割式金属製鋳型(以下、単に分割式鋳型または鋳型という)に受滓し、受滓した溶融スラグに対し直接散水することなく冷却し、連続的に凝固スラグとする機能を有している。
そして、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電ユニット6を、連続して移動する分割式金属製鋳型の底部に組込むことにより、鋳型および鋳型中のスラグを冷却する機能を有している。
本発明では、上記の分割式鋳型の深さを調節することにより、所定厚みの板状に凝固した凝固スラグを作ることができる。この凝固スラグは、スラグ鋳造装置の受滓側と反対側端部で鋳型が反転することにより、剥離(排滓)して地面等に落下し、回収される。そして、凝固スラグが剥離した分割式鋳型は、反転した状態で溶融スラグの受滓位置へと戻り、再反転して、再び溶融スラグを受滓する。
また、図3に示すように、分割式鋳型部を、横回転のターンテーブル方式にして、分割式鋳型が溶融スラグを受滓して、一周する直前で、鋳型を反転させてスラグを剥離したのち、鋳型を再反転し、再度鋳型に溶融スラグを受滓して回転させる方式としてもよい。
鋳型中にスラグが存在すると、熱電発電装置の高温側と低温側の温度差が十分確保できるので、大きな出力が得られるが、鋳型中にスラグが無いと高出力が得られる十分な温度差が確保できないため、熱電発電装置の定格出力に対し、小さい出力となる。
図2に示したようなスラグ鋳造装置では、鋳型中にスラグが存在している受滓から排滓までの時間が、鋳型が1周する周期の半分未満と少ないので、熱電発電装置の定格出力に対して出力が低い時間比率が半分以上と多くなる。これに対して、図3に示したようなスラグ鋳造装置を用いれば、高出力が得られる十分な温度差が確保できる時間比率が半分以上と多くなるのでより好ましい実施形態となる。
即ち、鋳型にスラグが積載されている受滓から排滓までの時間をt、鋳型にスラグが受滓されてから、再度スラグが鋳型に受滓されるまでの装置のスラグ処理周期をtとしたとき、t/t≧0.5の関係を満足すると、鋳型が空の状態の時間である、実質無駄時間の比率を少なくすることができる。より好ましくはt/t≧0.66である。
また、鋳型の反転による排滓から、再反転後の受滓までの時間が短ければ短いほど、熱電装置設置面積辺りの発電量が多くなるため、以下に述べるような鋳型温度を制御する外部冷却を組み合わせた際にも、t/t≧0.66の関係を満足することが好ましい。
鋳型の熱変形を抑えるためには、スラグを受滓する面の反対側である鋳型裏面の温度を300℃以下とすることが好ましい。ここで、鋳型裏面の温度を300℃以下とするには、受滓前の鋳型温度を十分冷却すると共に、受滓後の鋳型裏面からの冷却時間を十分確保する必要が有る。受滓前の鋳型温度を十分冷却するには、排滓後に鋳型を裏面の熱電発電装置以外の別の手段で外部冷却しても良い。
また、外部冷却をせずに鋳型裏面の熱電発電装置(冷却装置)のみを用いて鋳型を冷却し、鋳型の反転による排滓から、再反転後の受滓までの時間を最小化すると、さらに好ましい。但し、鋳型の反転から、再反転までに、冷却・凝固したスラグを確実に剥離、落下させる必要が有るので、t/tの実用上の最大値は、0.95である。
詳細は実施例で述べるが、図3の装置を用いて、t/t=0.92(≧0.5)の条件で熱電発電行った例を、図4,5および6に、また図2の装置を用いて、t/t=0.498(<0.5)の条件で熱電発電行った例を、図7,8および9に示す。図3の装置を用いた場合は、熱電発電装置の出力が大きく低下する時間比率が小さく、図2の装置を用いた場合と比較して、熱電発電装置の時間平均出力(発電量)が大きいことがわかる。
また、本発明における熱電発電装置の温度は、受滓前の鋳型表面温度を測定できる位置と、反転(排滓)直前の凝固スラグ表面温度を測定できる位置の2箇所に放射温度計を取り付けて測定することが好ましい。
受滓前の鋳型表面温度は、鋳型裏面の温度を300℃以下に管理するための管理指標となり、反転直前の凝固スラグ表面温度は、受滓したスラグ中心部まで凝固が完了しているかの管理指標となるからである。
スラグ鋳造装置の生産性を上げるには、高温の高炉スラグを鋳型上に保持する時間を最短とすることが好ましい。そのためには、鋳型からスラグを落下させる直前の高炉スラグの表面温度を指標として管理すれば良い。なぜなら、高炉スラグ凝固物の表面温度は、約800〜1000℃になるまで冷却すれば、内部の高炉スラグの温度は1200℃以下であり、表面が凝固した高炉スラグの内部から溶融状態の高炉スラグが出てくることが無く、完全に凝固した高炉スラグ凝固物が得られるからである。
高炉スラグの気孔率の低減には、高炉スラグの冷却・凝固速度を速くすることが最も有効である。しかしながら、高炉スラグ表面への散水による冷却は、高炉スラグの表層部が多孔質となって吸水率が高くなり、比重の低下やそのすりへり減量が増えるだけでなく、スラグ中のSと水との反応によってH2Sガスが発生して、周辺環境に悪影響を及ぼすので、好ましくない。従って、受滓した溶融スラグに対し直接散水することなく冷却することが肝要である。
本発明では、熱電発電装置を鋳型裏面に設置することにより、受滓した溶融スラグに対し直接散水することなく、鋳型裏面からスラグを冷却し、スラグ鋳造装置の生産性を上げることができる。
鋳型裏面に熱電発電ユニットを組込まない場合、鋳型裏面の温度を300℃以下に保つには、鋳型底面の厚みを20〜80mmとする必要が有る。一方、本発明では、鋳型裏面(底面)に熱電発電ユニットを組込み鋳型裏面の冷却が強化されるので、鋳型裏面の温度を300℃以下に保つために必要な鋳型底面の厚みは7mm以上あれば良く、20mm未満の厚みにできるので、熱電発電ユニットを組込む質量増加を含めても鋳型を軽量化できるので好ましい。
図10に、鋳型裏面(底面)に熱電発電ユニットを組込み、鋳型厚みを変化させた場合の、熱電発電モジュールの高温側最高温度例を示す。鋳型裏面の厚みが7mm以上あれば鋳型裏面の最高温度(熱電発電モジュール高温側最高温度)が300℃以下にできることがわかる。
鋳型裏面の厚みは、7mm以上20mm未満が好ましく、7mm以上15mm以下がより好ましい。
高炉スラグは熱伝導率が低いので、冷却速度は、概ね高炉スラグの凝固厚みで決まる。そのため、高炉徐冷スラグの凝固厚みは、重要な制御因子の一つである。
ここに、スラグを30mm以下の凝固厚みとすると、高炉スラグ内部からのガスの発生および生成した気泡が、凝固中に高炉スラグ内に捕らえられることなく、極めて効率的に抑制することができるため好ましい。スラグの凝固厚みが10mm未満ではスラグ鋳造装置の生産性が不足する。また、凝固したスラグの用途としてコンクリート粗骨材向け原料を想定すると5〜20mmの粒度が要求される。従って、スラグの凝固厚みは、10〜30mmとすることが好ましい。
鋳型から剥離した後の高炉スラグ凝固物は、そのまま放冷して冷却してもよいが、スラグ表面温度が800〜1000℃、スラグ中心温度が1200℃未満、と大きな顕熱を有していることから熱交換による蒸気回収や化学エネルギーへの変換で、さらに顕熱を回収しても良い。凝固・剥離後は散水冷却しても、高炉スラグ凝固物の緻密さ、吸水率に変化はないが、上述したように、H2Sガスが発生して周辺環境を悪化させるので、できるだけ冷却に水を使用しないことが望ましい。
鋳型に、溶融状態の高炉スラグの流し込みや、凝固、冷却を、何度も繰り返すと、受滓前の鋳型の温度が上昇してくる。鋳型裏面の温度が300℃超になると鋳型の強度が低下し、鋳型が変形し鋳型の移動や反転に支障をきたす他、高炉スラグの凝固物と鋳型とが焼付いて凝固スラグの剥離ができなくなる問題が発生する。
そのため、鋳型裏面の温度を300℃以下に保つために、鋳型を冷却する必要がある。
本発明では、鋳型の裏面より熱電発電ユニットを介して、冷却することになるので好ましい。また、使用する熱電素子は、300℃以下の温度で使用するのに好適な熱電素子、例えばBi−Te系の熱電素子を用いれば良い。そして、鋳型裏面の厚み、受滓するスラグの温度、厚み、鋳型のスラグ保持時間(鋳型の移動速度)、外部冷却手段による鋳型の冷却状態を適宜調整すればよく、さらに、鋳型裏面の最高温度が300℃となる様に、熱電発電モジュールと分割式金属製鋳型の底面との接触面積(個数)を制御すれば良い。
熱電発電装置の発電効率を上げるには、前記したt/tを0.66以上0.95以下の範囲とするのが良いが、t/tは外部冷却手段による鋳型の冷却の必要程度を考慮してできるだけ大きくすれば良い。
鋳型裏面の温度は、鋳型中のスラグが冷却されるに従って低下するが、熱電発電ユニット(モジュール)で効率よく発電するためには、熱電素子高温側を100℃〜300℃とすることが好ましい。かかる温度制御をすることで、鋳型の熱変形を抑えると共に熱電発電装置の出力を高く維持する効果が期待できる。より好ましくは150〜300℃の範囲である。
効率良く鋳型を冷却しつつ発電するには、図1に示したような圧力調整手段5を用いて、熱電発電ユニットと鋳型間に押圧力を付加して接触面の熱伝導性を確保し、鋳型からの熱を効率良く熱電発電モジュールに伝えることができる。
かかる圧力調整手段5としては、熱電発電モジュールに所定の圧力を付与することができる手段であれば、特に限定されないが、バネ型ブロック、油圧ピストン等を用いることが、圧力付与の均一性、安定性等の面から特に好適である。
さらに、圧力調整手段5を用いて、鋳型底部の温度に応じ、押圧力を付加する熱電発電ユニット個数を制御することができる。電力は温度差の2乗に比例するため、圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットと、圧力をかけないで鋳型に熱電発電モジュールを密着させない熱電発電ユニットとの個数比率を、熱電素子の高温面側と低温面側の温度差が低下しない方向に制御するのがより好ましい。
密着させないことで機能しない熱電発電ユニットがあっても、密着させた熱電発電モジュールの熱電素子の高温側と低温側の温度差を高出力が得られる状態に維持できるので、熱電発電装置の総出力をより高位に維持できる。
具体的には、熱源の温度が下がるに連れて、圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットの個数を減らしていく、即ち、図11に示すように、押圧力をかける熱電発電ユニットを間引いて、一部の熱電発電ユニットでは押圧力をかけないことにより、鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットの個数を減らしてゆくことが重要である。かような操作を行うことによって、鋳型に密着させた熱電発電モジュールに選択的に鋳型からの熱が流れ込み、熱電素子の高温面側と低温面側の温度差を高位に維持できるので、熱電発電装置全体として効率の良い熱電発電を行うことができるのである。
本発明では、上記した絶縁材3の外側に保護板を設けることができる。高温面側の保護板は、受熱板であり、低温面側の保護板は、放熱板である。
これらの保護板(受熱板)は、本発明の熱電発電モジュールの使用環境下で用いることができる板であれば、金属板でもセラミックス板でも、後述するシート状或いはホイル状のものでも問題はないが、鉄板、銅板等が、高い熱伝達能力(ヒートシンク機能)も併せ持っているため好適である。
また、本発明では、鋳型が受熱板を兼ねていてもよく、また、冷却する手段(冷却装置)が放熱板を兼ねても良い。
また、本発明では、さらに熱伝導シートを、絶縁材3と、上記した保護板との間に設けることで、鋳型からの熱を効率良く熱電発電ユニットに伝えることができる。熱伝導シートは、所定の熱伝導率を有しており、熱電発電モジュールの使用環境下で用いることができるシートであれば、特に制限はないが、グラファイトシート等が例示される。
本発明では、熱電発電モジュールの発電効率をより一層高めるため、図3に示したように、熱電発電ユニットの低温面側に冷却促進手段(冷却デバイス)を設けることが好ましい。かかる冷却促進手段としては、特段の制限はないが、冷却フィンを具備した冷却デバイスや、接触熱伝達を活用した水冷デバイス、沸騰熱伝達を活用したヒートシンク等が例示される。
なお、水冷デバイスは、例えば、一旦、公知の給水用ヘッダーに冷却水を受け、その冷却水を、分割式鋳型に予め設けられた冷却水配管に、カプラーなどを用いてフレキシブル配管を接続し、供給する方式などがある。
本発明では、上記した熱電発電ユニットを複数個並べて配置する。熱電発電ユニットの大きさは、1×10-22以下とすることが好ましい。熱電発電ユニットの大きさを上述とすることで熱電発電モジュールの熱変形を抑制することができるからである。また、圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットの個数を制御する場合の密着させない熱電発電モジュールに相対する鋳型からの熱を回収しやすいからでもある。より好ましくは、2.5×10-32以下である。
さらに、本発明では、スラグ鋳造装置のスラグ冷却部の上方に別の熱電発電装置を設置することもできる。スラグ冷却部の上方に設置した熱電発電装置は、スラグ受滓から排滓まで低下するスラグ表面温度に応じて、熱電発電ユニットとスラグの距離を調整して設置すれば良い。なお、熱電発電ユニットをスラグ鋳造装置のスラグ冷却部の上方に設置する場合は、圧力調整手段は具備しなくてもよい。
また、本発明では、熱電発電モジュール4につける受熱板8の面積を、熱電発電モジュール4の面積に対して大きくすることや、フィン9付きの受熱板8とすることができる。このフィン9付の受熱板を用いて、受熱板の表面積を大きくすることは、本発明においてさらに好ましい。
図15(a)〜(d)に、上述したようなスラグ鋳造装置のスラグ冷却部の上方に設置した熱電発電モジュールと受熱板構造の関係例をそれぞれ示す。図中、4は熱電発電モジュール、8は受熱板、9はフィンである。
図15(a)は、熱電発電モジュールと受熱板のサイズが同じ構造であって、図15(b)は、スラグ表面温度に応じ、熱電発電モジュールの面積に対して受熱板の面積を大きくし、熱電発電モジュール密度を小さくした構造である。
また、図15(c)は、熱電発電モジュールと受熱板のサイズが同じで、スラグ表面温度に応じて受熱板にフィンを設けることで、表面積を大きくした構造であって、図15(d)は、スラグ表面温度に応じて受熱板にフィンを設けて表面積を大きくするだけでなく、更に、熱電発電モジュールの面積に対して受熱板の面積を大きくし、熱電発電モジュール密度を小さくした構造である。
本発明では、適用する熱電発電モジュールの最大出力が得られるように、熱電発電モジュールの温度仕様および受熱板構造を設計して、設置することができる。すなわち、熱電発電モジュールと受熱板構造を、スラグの表面温度に応じたものとすることができる。
図16に、図15(a)の熱電発電モジュールと受熱板構造を採用した場合のスラグ表面と熱電発電素子の高温側と低温側の温度と、受滓後の経過時間との関係を示す。
図17,18および19に、熱電発電モジュールと受熱板構造として、図15(a)〜(d)に従う熱電発電モジュールと受熱板構造を採用した際の、溶融スラグ受滓からの経過時間に対応する位置に配置された熱電発電モジュールの、出力、熱電素子の高温側と低温側の温度差および鋳型1枚当りの面積に相対した熱電発電モジュール数との関係をそれぞれ示す。
図17〜19に示したとおり、熱電発電モジュールと受熱板構造を、スラグの表面温度に応じて調整しない図15(a)に示した熱電発電モジュールと受熱板構造の場合、スラグ表面温度が低下すると、熱電素子高温側と低温側の温度差が十分確保できないので出力が最も低くなることが分かる。
受熱板のフィンの面積は、熱電発電素子の耐熱温度(温度仕様)も加味し、熱電発電出力が最大となるよう適宜調整する。この時、熱電発電モジュールの個数が少なくなると、熱電発電出力が、総計で小さくなる可能性もあるため、まず、熱電発電モジュールと同面積の受熱板にフィンを取り付け、表面積を確保する(図15(c))。ついで、フィン効果だけでは、所望の発電が得られないスラグ表面温度が低い位置では、熱電モジュールよりも大きなフィン付受熱板を設置する(図15(d))のがより好ましい。
このように、スラグ鋳造装置を用いた場合、スラグ冷却部の鋳型上方に、本発明に従う熱電発電装置を上述のように設置することで、熱電発電装置の出力をより高位に維持することができる。
本発明の熱電発電装置を用いた熱電発電方法を説明すると、熱電発電ユニットを底部に組込んだ複数枚の連続した金属製鋳型に、溶融状態のスラグを供給し、熱電発電ユニットによる、鋳型底面の冷却および雰囲気への放熱によってスラグを冷却し、冷却後の凝固スラグを排出して、凝固スラグを連続的に製造するに際し、スラグの保有熱(顕熱および凝固熱)を、分割式鋳型に組込んだ熱電発電ユニットおよび、必要に応じてスラグ鋳造装置のスラグ冷却部上方に設置した熱電発電ユニットにより、電力に変換するものである。
以下、本発明を実施した例を説明する。
分割式鋳型としては、縦:1m、横:2m、深さ:30mmで、厚みが8mmの鋳鋼製鋳型を用いた。なお、個々の熱電発電ユニットは、図1の構成とし、10kW/m2(主な仕様、ΔT:250℃(高温側熱電素子280℃、低温側熱電素子30℃)、大きさ2.5×10-3(厚み:5mm×長さ:50mm×幅:50mm))の熱電発電モジュール4を組込んだ熱電発電ユニットを鋳型の裏面全体に縦:20個×横:40個格子状に並べた。
また、圧力調整手段5により、熱電素子の高温面側と低温面側の温度差に応じて鋳型に密着させる熱電発電モジュールの個数を制御した。なお、熱電発電ユニットは、グラファイトシートの熱伝導シート付きとした。
熱電発電装置で得られた出力を、表1に比較して示した。総出力は鋳型1枚の平均出力×鋳型枚数、出力Maxは、鋳型が1周する間の最高出力で、出力aveは、鋳型が1周する間の平均出力である。熱電素子高温側温度は、各々、最高温度−スラグ排出時温度−最低温度(スラグ注入時温度)を示す。
Figure 0005949447
(実施例1)
本実施例では、まず、高炉の炉下で、容量:40トンのスラグ鍋に溶融状態の高炉スラグを受滓し、図2に示したスラグ鋳造装置まで移送した。スラグ鍋から溶融スラグを約2t/min程度の流出速度で流出させ、スラグ樋を介して、移動している分割式鋳型上に供給した。このとき分割式鋳型の移動速度は約17m/minとした。本装置における鋳型の枚数は132枚、装置の全長は約65mであった。凝固させるスラグ厚みは20mmとした。
上記した条件で、熱電発電を行ったところ、鋳型が1周する間に鋳型1枚あたり平均で約4.8kWの出力が得られた。なお、鋳型にスラグが積載されている時間は230秒であり、鋳型にスラグが排滓されてから再度スラグが鋳型に排滓されるまでの装置のスラグ処理周期は462秒であった。即ち、t/tの値は、230/462=0.498であった。
(実施例2)
また、図3に示すような装置を用いて、同じく高炉の炉下で、容量:40トンのスラグ鍋に溶融状態の高炉スラグを受滓し、図3に示したスラグ鋳造装置まで移送した。このスラグ鍋から溶融スラグを約2t/min程度の流出速度で流出させ、スラグ樋を介して、移動している分割式鋳型上に供給した。このとき分割式鋳型の移動速度は約17m/minとした。鋳型は70枚、スラグ鋳造装置の直径は約25mであった。
前掲した図4および5には、このときの高炉スラグ表面および熱電発電モジュールの高温側の温度推移および熱電素子の高温側と低温側の温度推移を示している。図4より、受滓してから230秒間保持することで、反転直前の凝固スラグ表面温度は800℃程度となることが分かる。実際に、反転・剥離・落下させた凝固スラグから溶融スラグが出てくることはなかった。即ち、その際のスラグ中心温度は1200℃以下であることが分かる。また、鋳型にスラグが積載されている時間は230秒、鋳型にスラグが受滓されてから、再度スラグが鋳型に受滓されるまでの装置のスラグ処理周期は250秒であった。即ち、t/tは、230/250=0.92であった。
上記した条件で、熱電発電を行ったところ、鋳型が1周する間に1枚あたり平均で約11.2kWの出力が得られた。従って、本発明に従う発明例では、スラグの保有熱を効果的に電力に変換していることが分かる。
また、前掲した図6には、上記熱電発電装置の出力を時間の推移で示している。
(実施例3)
実施例3では、鋳型にスラグが積載されている時間は230秒、鋳型にスラグが排滓されてから、再度スラグが鋳型に排滓されるまでの装置のスラグ処理周期は250秒、即ち、t/tは、230/250=0.92とし、高温側の温度を表に示すよう実施例1と同じ230℃とした。
表1より、鋳型が1周する間に1枚あたり平均で約9.7kWの出力が得られたことが分かる。
(実施例4)
実施例4では、熱電発電ユニットに組込まれた熱電素子の高温面側と低温面側の温度差が250℃となるよう、圧力調整手段により、圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットと、圧力をかけないで鋳型に熱電発電モジュールを密着させない熱電発電ユニットとの個数比率を熱電素子の高温面側と低温面側の温度差を低下させない方向に制御した。即ち、スラグの温度が低くなるにつれ、鋳型に密着させる熱電発電モジュールの個数を減らした。図12〜14に、熱電素子の高温面側と低温面側の温度差、熱電発電モジュール数、および出力の時間経過の例を、圧力調整手段を用いて、熱電発電モジュールと分割式金属製鋳型の底面との接触個数を制御した実施例4と、制御せず全面に熱電発電モジュール全数を押付けた実施例2との比較を示す。
表1より、鋳型が1周する間に1枚あたり平均で約14.3kWの出力が得られたことが分かる。
なお、上述した本発明に従う実施例1〜4は、そのいずれもが、緻密な高炉スラグの品質で、かつ吸水率:1.5%以下、すりへり減量:20%以下のアスファルト・コンクリート用骨材に適した緻密な高炉スラグ凝固物が製造できていることを併せて確認した。
本発明では、溶融スラグの流出速度をもっと速くしたいときには、金属製鋳型を大きくしたり、連続鋳滓機の機長を延長したりして金属製鋳型の移動速度を速くすることもできる。
本発明によれば、スラグ鋳造装置から発生する熱を、効果的に電力へと変換できるので、製造工場における省エネルギーに貢献する。
本発明では、スラグ排さいの熱を利用するだけでなく、他の熱源、例えば、溶鋼や溶銑等を熱源とすることができ、また、他の設備、例えば、鋳銑機などに適用することができる。
1 熱電素子
2 電極
3 絶縁材
4 熱電発電モジュール
5 圧力調整手段
6 熱電発電ユニット
7 鋳型底部
8 受熱板
9 フィン

Claims (6)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電ユニットを、連続して溶融スラグを受滓する分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置の該分割式金属製鋳型の底部に組込んだことを特徴とする熱電発電装置。
  2. 前記熱電発電ユニットは、その低温面側に圧力調整手段を具え、
    圧力をかけて鋳型に熱電発電モジュールを密着させる熱電発電ユニットと、圧力をかけないで鋳型に熱電発電モジュールを密着させない熱電発電ユニットと、の個数比率を制御して、
    上記熱電発電ユニットに組込まれた熱電素子の高温面側と低温面側との温度差を維持する制御装置を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。
  3. 上記分割式金属製鋳型にスラグが積載されている時間をt、該分割式金属製鋳型にスラグが受滓されてから再度スラグが鋳型に受滓されるまでの時間を装置のスラグ処理周期:tとしたとき、次式
    /t≧0.5
    を満足する分割式金属製鋳型を有するスラグ鋳造装置において、該分割式金属製鋳型の底部に熱電発電ユニットを組込んだことを特徴とする請求項1または2に記載の熱電発電装置。
  4. 前記スラグ鋳造装置のスラグ冷却部の上方に、
    熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電モジュールと、
    該熱電発電モジュールの少なくとも高温面側に設置される熱源からの熱を受ける受熱板と、
    を具える熱電発電ユニットを設置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱電発電装置。
  5. 前記熱電発電ユニットが、その低温面側の冷却を促進する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱電発電装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の熱電発電装置を用い、分割式金属製鋳型に受滓したスラグの熱を受熱して、電力に変換することを特徴とする熱電発電方法。
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