JP5948704B2 - ハイブリッド式建設機械の動力回生回路 - Google Patents
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Description
図1〜図2を参照して第1実施形態の動力回生回路1について説明する。動力回生回路1はハイブリッド式建設機械(図示なし)が備える回路である。
(電動機動作)第1回転電機21は、電動機動作をすることで、エンジン15の動力をアシストする。第1回転電機21は、エンジン15の動力に対して第1油圧ポンプ41(後述)の負荷が大きいときに、電動機動作をする。具体的には、第1回転電機21は、蓄電装置20の放電電力により駆動されて、エンジン軸15aを駆動する。
(発電機動作)第1回転電機21は、発電機動作をすることで、エンジン15の動力を回生する。第1回転電機21は、エンジン15の動力に対して第1油圧ポンプ41の負荷が小さいときに、発電機動作をする。具体的には、第1回転電機21は、エンジン軸15aを介してエンジン15に駆動されて、発電電力を蓄電装置20に供給する。
次に、第1油圧モータ45及び第2油圧モータ55による、アクチュエータ回生動力の回生の動作を説明する。
図2に、アクチュエータ回生動力の分配制御のフローチャートを示す。以下、上述した動力回生回路1の各構成要素については図1を参照して説明し、後述する各ステップS1〜S39については図2を参照して説明する。
(a)アクチュエータ回生動力P1が第1油圧モータ45による回生可能動力P2以下の場合(S7でYES)、第1油圧モータ45がアクチュエータ回生動力P1を回生する。
(b)アクチュエータ回生動力P1が第1油圧モータ45による回生可能動力P2より大きい場合(S7でNO)、次の(b1)及び(b2)の動作が行われる。(b1)第1油圧モータ45は、アクチュエータ回生動力P1を回生可能動力P2分だけ回生する(S20)。(b2)第2油圧モータ55は、回生可能動力P2に対するアクチュエータ回生動力P1の超過分(回生余剰動力P3)を回生する(S29、S30)。
(c)回生余剰動力P3が第2油圧モータ55による回生可能動力P4より大きい場合(S27でNO)、第3制御弁67は、回生可能動力P4に対する回生余剰動力P3の超過分(回生余剰動力P5)を損失させる。以下、詳細を説明する。
P1=Qh×p (式1)
pは、油圧アクチュエータ11の出口11oの圧力である。圧力pは、圧力センサ59で検出される。
Qhは、油圧アクチュエータ11の出口11o(ヘッド側油室11h)から吐出される作動油(戻り油)の流量である。流量Qhは、流量センサ(図示なし)等により直接検出されてもよく、間接的に算出されてもよい。例えば、流量Qhは、油圧アクチュエータ11の動作速度と、ヘッド側油室11hの断面積と、の積から算出されてもよい。次に、ステップS5に進む。
P2’=q1max×N1×p (式2)
q1maxは、第1油圧モータ45の容量の最大値(傾転の制御最大値)である。
N1は、第1油圧モータ45の回転数(エンジン軸15aの回転数)である。
pは、上述したように、油圧アクチュエータ11の戻り油の圧力である。
ステップS19及びS20では、第1油圧モータ45は、機械動力回生のみ行い、電力回生を行わないことが好ましい。具体的には、第1油圧モータ45は、第1回転電機21を発電機駆動させないことが好ましい。第1油圧モータ45及び第1回転電機21による電力回生量を小さくするほど、第1回転電機21での機械動力から電力への変換の際のエネルギ損失を抑制できる。次に、ステップS23に進む。
P4’=q2max×N2×p (式3)
q2maxは、第2油圧モータ55の容量の最大値(傾転の制御最大値)である。
N2は、第2油圧モータ55の回転数(第2回転電機22の回転数)である。
なお、「q2max×N2」は、第2油圧モータ55と第2回転電機22とを備える電気/油圧回生ユニットでの最大流量である。
pは、上述したように、油圧アクチュエータ11の戻り油の圧力である。
次に、図1に示す動力回生回路1による効果を説明する。
[構成1a]動力回生回路1は、エンジン15の出力軸であるエンジン軸15aと、油圧アクチュエータ11と、エンジン軸15aおよび油圧アクチュエータ11に接続される第1油圧モータ45と、油圧アクチュエータ11に接続され第1油圧モータ45とは別に設けられる第2油圧モータ55と、第2油圧モータ55に接続される第2回転電機22と、を備える。
[構成1b]第1油圧モータ45は、油圧アクチュエータ11からの戻り油により駆動されてエンジン軸15aに動力を伝えることで、アクチュエータ回生動力P1を機械動力として回生可能に構成される。第2油圧モータ55は、油圧アクチュエータ11からの戻り油により駆動されて第2回転電機22を駆動することで、アクチュエータ回生動力P1を電力として回生可能に構成される。
[構成1c]アクチュエータ回生動力P1が第1油圧モータ45による回生可能動力P2以下の場合(図2のS7でYES)、第1油圧モータ45がアクチュエータ回生動力P1を回生する(S19)。アクチュエータ回生動力P1が第1油圧モータ45による回生可能動力P2より大きい場合(S7でNO)、第1油圧モータ45は、アクチュエータ回生動力P1を回生可能動力P2分だけ回生するとともに(S20)、第2油圧モータ55は、回生可能動力P2に対するアクチュエータ回生動力P1の超過分(回生余剰動力P3)を回生する(S29、S30)。
第1油圧モータ45は、アクチュエータ回生動力P1を機械動力として回生可能に構成される。第2油圧モータ55は、アクチュエータ回生動力P1を電力として回生可能に構成される。第2油圧モータ55は、第1油圧モータ45とは別に設けられる。
よって、1つの回生モータ(第1油圧モータ45)のみで、アクチュエータ回生動力P1の機械動力回生および電力回生の両方を行う場合に比べ、第1油圧モータ45の必要能力(機器スペック)を低くできる。その結果、第1油圧モータ45のコンパクト化および低コスト化が可能である。
第1油圧モータ45は、エンジン軸15aに接続される。そのため、第1油圧モータ45は、エンジン軸15aに接続されることによる配置の自由度や寸法の制限(以下「制限X」)を受けるので、旋回体Aへの搭載性が問題となるおそれがある。しかし、上記「(効果1−1)」で述べたように、動力回生回路1では、第1油圧モータ45をコンパクト化できる。よって、第1油圧モータ45の旋回体Aへの搭載性を向上させる事ができる。
また、上記[構成1a]〜[構成1c]では、第2油圧モータ55及び第2回転電機22は、エンジン軸15aに接続される必要が無い。よって、第2油圧モータ55及び第2回転電機22は、上記の制限Xを受けずに配置できる。
したがって、第1油圧モータ45、第2油圧モータ55、及び第2回転電機22の旋回体Aへの搭載性を向上させることができる。
第1油圧モータ45は、アクチュエータ回生動力P1を機械動力として回生可能に構成される。第2油圧モータ55は、アクチュエータ回生動力P1を電力として回生可能に構成される。すなわち、動力回生回路1は、アクチュエータ回生動力P1を回生する手段を2系統備える。よって、アクチュエータ回生動力P1の全量を第1油圧モータ45で回生できなくても、第1油圧モータ45で回生できなかった動力(回生余剰動力P3)を第2油圧モータ55で回生できる。よって、アクチュエータ回生動力P1のうち、回生させずに捨てる量を抑制できる。
また、動力回生回路1は、上記[構成1c]を備える。すなわち、動力回生回路1では、電力回生に対し機械動力回生を優先させる。よって、この優先を行わない場合に比べ、第2油圧モータ55及び第2回転電機22での、機械動力から電力への変換のエネルギ損失を抑制できる。
したがって、アクチュエータ回生動力P1の回生効率を向上させる事ができる。
ハイブリッド式建設機械(図示なし)は、ブームBを備える。油圧アクチュエータ11は、ブームBを上げ下げするブームシリンダである。第1油圧モータ45および第2油圧モータ55は、ブームBを下げたときの油圧アクチュエータ11のメータアウト側(出口11o)に接続される。
この構成では、動力回生回路1は、ブームBの位置エネルギーの減少分の動力を回生できる。
図3を参照して、第2実施形態の動力回生回路101について、第1実施形態の動力回生回路1(図1参照)との相違点を説明する。主な相違点は次の通りである。
図1に示す動力回生回路1では、第1油圧ポンプ41が、油圧アクチュエータ11及び回生対象外油圧アクチュエータ13に作動油を供給した。一方、図3に示す動力回生回路101では、第1油圧ポンプ41が回生対象外油圧アクチュエータ13に作動油を供給し、第2油圧ポンプ141(油圧ポンプ)が第4制御弁143を介して油圧アクチュエータ11に作動油を供給する。また、動力回生回路101は、容量制御手段171を備える。以下、相違点の詳細を説明する。
油圧アクチュエータ11は、いわば独立電動機駆動により駆動される。さらに詳しくは、第1油圧ポンプ41やエンジン軸15aからそれぞれ独立した、第2回転電機22、第2油圧ポンプ141、及び第2油圧モータ55により、油圧アクチュエータ11は駆動される。この構成では、第1実施形態(図1参照)に比べ、コントロールバルブ43での流量分配ロス等の油圧損失を低減できる。なお、油圧アクチュエータ11の供給流量(動作速度)の制御は、例えば第2回転電機22の回転数の制御により行える。
動力回生回路101では、第1実施形態と同様に、油圧アクチュエータ11からの戻り油が、第2油圧モータ55に対して第1油圧モータ45に優先的に流れる。そこで、容量制御手段171は、油圧アクチュエータ11の出口11oから第1油圧モータ45へ流れる作動油の流量に基づいて、第2油圧モータ55及び第2油圧ポンプ141のうち少なくともいずれかの容量を制御する。この制御は、油圧アクチュエータ11について次の(式4)を満たすように行われる。以下の算出はコントローラ70が行う。
Arは、ロッド側油室11rの断面積(定数)である。
Ahは、ヘッド側油室11hの断面積(定数)である。
Qrは、ロッド側油室11r(入口11i側、メータイン側)への供給流量である。
Qhは、ヘッド側油室11h(出口11o側、メータアウト側)からの吐出流量である。
Qh=Q1+Q2 (式5)
Q1は、第1油圧モータ45への供給流量である。
Q2は、第2油圧モータ55への供給流量である。
Q1=q1×N1 (式6)
q1は、第1油圧モータ45の容量である。
N1は、第1油圧モータ45の回転数(エンジン軸15aの回転数)である。
容量q1は、図示しない容量制御手段により制御される。容量q1及び回転数N1それぞれの値は、コントローラ70に取得される。
Q2=q2×N2 (式7)
q2は、第2油圧モータ55の容量である。
N2は、第2油圧モータ55の回転数(第2回転電機22の回転数)である。
容量q2は、容量制御手段171aにより制御される。回転数N2の値は、コントローラ70に取得される。
Qr=q3×N2 (式8)
q3は、第2油圧ポンプ141の容量である。
N2は、第2油圧ポンプ141の回転数(第2回転電機22の回転数)である。
第2油圧ポンプ141の容量q3は、容量制御手段171bに制御される。なお、第2油圧モータ55の容量q2と、第2油圧ポンプ141の容量q3と、のうち一方のみが制御されてもよく、両方が制御されてもよい。
次に動力回生回路101による効果を説明する。動力回生回路101は、油圧アクチュエータ11および第2回転電機22に接続される第2油圧ポンプ141と、容量制御手段171と、を備える。容量制御手段171は、油圧アクチュエータ11から第1油圧モータ45への流量に基づいて、第2油圧モータ55または第2油圧ポンプ141の容量を制御する。第2回転電機22は、発電機動作及び電動機動作が可能である。
この構成では、油圧アクチュエータ11をエンジン軸15aとは独立して駆動させる回路構成を備える場合でも、上記「(効果1)」と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態は様々に変形できる。例えば、図2に示すフローチャートの順序は適宜変更してもよい。例えば、図2では、アクチュエータ回生動力P1の算出(ステップS3)の後、回生可能動力P2の算出(ステップS5)を行ったが、これらの算出の順序を逆にしてもよい。
11 油圧アクチュエータ
15 エンジン
15a エンジン軸
22 第2回転電機(発電機)
45 第1油圧モータ
55 第2油圧モータ
141 第2油圧ポンプ(油圧ポンプ)
171 容量制御手段
A 旋回体
B ブーム
Claims (3)
- エンジンの出力軸であるエンジン軸と、
油圧アクチュエータと、
前記エンジン軸および前記油圧アクチュエータに接続される第1油圧モータと、
前記油圧アクチュエータに接続され、第1油圧モータとは別に設けられる第2油圧モータと、
前記第2油圧モータに接続される発電機と、
を備え、
前記第1油圧モータは、前記油圧アクチュエータからの戻り油により駆動されて前記エンジン軸に動力を伝えることで、アクチュエータ回生動力を機械動力として回生可能に構成され、
前記第2油圧モータは、前記油圧アクチュエータからの戻り油により駆動されて前記発電機を駆動することで、前記アクチュエータ回生動力を電力として回生可能に構成され、
前記アクチュエータ回生動力が前記第1油圧モータによる回生可能動力以下の場合、前記第1油圧モータが前記アクチュエータ回生動力を回生し、
前記アクチュエータ回生動力が前記第1油圧モータによる前記回生可能動力より大きい場合、前記第1油圧モータは、前記アクチュエータ回生動力を前記回生可能動力分だけ回生するとともに、前記第2油圧モータは、前記回生可能動力に対する前記アクチュエータ回生動力の超過分を回生する、
ハイブリッド式建設機械の動力回生回路。 - 前記油圧アクチュエータおよび前記発電機に接続される油圧ポンプと、
前記油圧アクチュエータから前記第1油圧モータへの流量に基づいて、前記第2油圧モータまたは前記油圧ポンプの容量を制御する容量制御手段と、
を備え、
前記発電機は、発電機動作および電動機動作が可能である、
請求項1に記載のハイブリッド式建設機械の動力回生回路。 - 前記ハイブリッド式建設機械は、ブームを備え、
前記油圧アクチュエータは、前記ブームを上げ下げするブームシリンダであり、
前記第1油圧モータおよび前記第2油圧モータは、前記ブームを下げたときの前記油圧アクチュエータのメータアウト側に接続される、
請求項1または2に記載のハイブリッド式建設機械の動力回生回路。
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