JP5947663B2 - 橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法およびスリップ防止構造体 - Google Patents

橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法およびスリップ防止構造体 Download PDF

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Description

本発明は、道路橋梁の継ぎ目に設置される橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法およびスリップ防止構造体に関する。
一般に、高速道路等の高架道路や道路橋では、気温の変化によるその伸縮や、振動による応力に対処するために、所定の距離毎に金属製の伸縮装置が設けられている。
また、高速道路の合流部のように、橋軸方向に長い連結部には、金属製の伸縮装置が設置されている。
このように、道路橋梁の継ぎ目に設置される橋梁用伸縮装置は、アルミ合金、鋼材、及び鋳物等の金属から成り立っており、車両通行時の橋梁用伸縮装置の摩耗等によって表面が平滑化し、特に湿潤状態において滑り抵抗値が低下し、スリップしやすくなるという問題点があった。
道路の路面に設置された金属部材のスリップ防止対策としては、分子内に不飽和基を有する反応性オリゴマーと分子量が160以上の(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体を含む主剤100重量部に、硬化剤として有機過酸化物5重量部を、25℃の温度下で添加し、攪拌したとき、有機過酸化物が60秒以内に主剤に溶解する二液硬化型樹脂組成物からなる樹脂系滑り止め舗装材料と、その樹脂系滑り止め舗装材料を道路表面に塗布した後、骨材を散布する道路の施工方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この樹脂系滑り止め舗装材料は、道路表面に塗布した後、骨材を散布する道路の施工方法に使用するものであって、特許文献1には、橋梁用伸縮装置のスリップを防止することについて、また、そのために、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を使用することについては全く記載されていない。
また、橋梁用伸縮装置のスリップ防止対策としては、路面を構成する基盤に敷設されてなるスリップ防止材であって、摩擦素子粒子を接着する反応硬化性のマトリックス樹脂を敷設基盤面に略均一に塗布し、マトリックス樹脂の上に摩擦素子粒子を略均一に散布積層するとともに、散布した摩擦素子粒子に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂に摩擦素子粒子を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂を硬化反応させることにより摩擦素子粒子を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子を排除することにより形成された下地摩擦素子粒子層と、下層摩擦素子粒子層にマトリックス樹脂を略均一に塗布し、マトリックス樹脂の上に摩擦素子粒子を略均一に散布積層すると共に、散布した摩擦素子粒子に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂に摩擦素子粒子を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂を硬化反応させることにより摩擦素子粒子を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子を排除することにより形成された上層摩擦素子粒子層とを備えたスリップ防止材等が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、このスリップ防止対策は、反応硬化性のマトリックス樹脂を、路面を構成する敷設基盤に塗布し、その上に摩擦素子粒子を散布し、散布した摩擦素子粒子に転圧をかけ、マトリックス樹脂に摩擦素子粒子を圧着圧入し、マトリックス樹脂を硬化させたスリップ防止材であって、特許文献2には、反応硬化型アクリル樹脂と骨材とを混合した樹脂モルタルを使用することについては全く記載されていない。
一方、金属とコンクリートを接着できる接着剤として、(メタ)アクリル酸エステルモノマーに、クメンハイドロパーオキサイド、コバルト石鹸、含窒素化合物、及びリン酸(メタ)アクリレートからなる接着剤組成物が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、特許文献3には、接着剤組成物と骨材とを配合した樹脂モルタルを金属製の部材の表面に塗布すること、それをスリップ防止対策にすることについては全く記載されていない。
特開2008−156839号公報 特開2009−062678号公報 特開2006−160861号公報
本発明は、上記の従来のスリップ防止材が有する問題点に鑑み、車両による走行耐久性を向上させ、スリップ防止性能を長期に亘って発揮することができる橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法およびスリップ防止構造体を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂をプライマーとして、20〜500g/m2塗布した後、反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなる橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(2)橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなる橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(3)前記リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤、(ハ)分解促進剤、及び(ニ)リン酸(メタ)アクリレートを含有する前記(1)又は(2)の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(4)前記リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの少なくとも一方が、1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド、(ハ)分解促進剤として有機金属塩、(ニ)リン酸(メタ)アクリレート、及び(ホ)イミダゾール誘導体化合物を含有する前記(3)の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(5)前記反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤、及び(ハ)分解促進剤を含有する前記(1)の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(6)前記モース硬度8以上の無機質材料が、平均粒径50〜1,200μmのアルミナを主成分とする粒子であり、前記モース硬度7以下の無機粉体が、平均粒径30μm以下で、前記モース硬度8以上の無機質材料100質量部に対して、0.2〜30質量部である前記(1)〜(5)のうちの1の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(7)前記樹脂モルタルが硬化し、橋梁用伸縮装置に固着後に、前記樹脂モルタル表面に前記無機粉体を散布し、前記樹脂モルタルの表面未硬化成分と前記無機粉体を一緒に除去する前記(1)〜(6)のうちの1の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法である。
(8)橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を、プライマーとして20〜500g/m2塗布した後、反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなる橋梁用伸縮装置のスリップ防止構造体。
(9)橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなる橋梁用伸縮装置のスリップ防止構造体。
本発明の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法およびスリップ防止構造体は、短時間に施工可能で、橋梁用伸縮装置と樹脂モルタルの密着耐久性や樹脂モルタル中の骨材の保持耐久性が著しく向上し、また、塗布・硬化等の作業性が向上し、走行耐久性やスリップ防止性能を長期に亘って発揮することができる。
図1は、鋼製伸縮装置の例を示す上面図である。
図2は、本発明に関わる鋼製の橋梁用伸縮装置の施工例で、図1のa−a’断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に断らない限り質量規準で示す。
本発明では、橋梁用伸縮装置の表面で、車両がスリップすることを防止するために、反応硬化型アクリル樹脂を使用する。
特に、本発明では、金属との接着性の面から、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を使用する。
本発明で使用するリン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂とは、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート(以下、(イ)成分という)、(ロ)重合開始剤(以下、(ロ)成分という)、(ハ)分解促進剤(以下、(ハ)成分という)、及び(ニ)リン酸(メタ)アクリレート(以下、(ニ)成分という)、又は、これらに、さらに、(ホ)イミダゾール誘導体化合物(以下、(ホ)成分という)を含有するものである。
ここで、単官能(メタ)アクリレートとは、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物をいう。また、多官能(メタ)アクリレートとは、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物をいう。
また、本発明で使用する反応硬化型アクリル樹脂とは、(イ)成分の単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート、(ロ)成分の重合開始剤、及び(ハ)成分の分解促進剤、又は、これらに、さらに、(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物を含有するものである。
本発明で使用する反応硬化型アクリル樹脂に含有する(イ)成分の単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートは、(イ)成分の単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの少なくとも一方が、1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
例えば、本発明で用いる(イ)成分の1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有さない単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルキルオキシポリプロピレンモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等がある。
本発明で用いる(イ)成分の1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等がある。
1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する単官能(メタ)アクリレートを用いることにより、樹脂モルタル中の樹脂と骨材の密着力が向上し、走行耐久性スリップ防止性能を長期に亘って発揮することができる。
また、本発明で用いる(イ)成分の1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有さない多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、及びエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。このなかで、エポキシ(メタ)アクリレートが最も好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「ビスコート#540」(ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、大阪有機化学)がある。
本発明で用いる(イ)成分の1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、両末端メタクリル変性液状ポリブタジエン、両末端アクリル変性液状ポリアクリロニトリルブタジエン、両末端メタクリル変性液状部分水素添加ポリブタジエン、及び両末端アクリル変性液状ポリブタジエン等が挙げられる。
具体的には、両末端メタクリル変性液状ポリブタジエンとしては「TE−2000」(日本曹達社製)が、両末端アクリル変性液状ポリアクリロニトリルブタジエンとしては「HycarVTBNX」(宇部興産社製)が、両末端アクリル変性液状ポリブタジエンとしては「BAC−45」(大阪有機社製)、「TEA−1000」(日本曹達社製)が挙げられる。
1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートを用いることにより、樹脂モルタル中の樹脂と骨材の密着力が向上し、走行耐久性やスリップ防止性能を長期に亘って発揮することができる。
本発明では、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートを併用する場合、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの合計100部中、質量比で、単官能(メタ)アクリレート:多官能(メタ)アクリレート=10〜95部:90〜5部が好ましく、50〜90部:50〜10部がより好ましい。
1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する単官能(メタ)アクリレートの含有割合は、全単官能(メタ)アクリレート100部中、50部以上が好ましい。
1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、全多官能(メタ)アクリレート100部中、50部以上が好ましい。
本発明で用いる(ロ)成分の重合開始剤は、いわゆるラジカル重合開始剤の働きを有し、例えば、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、及びハイドロパーオキサイド類等の有機過酸化物が、硬化性の点で好ましく、ハイドロパーオキサイド類がより好ましい。
ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられ、このうち、クメンハイドロパーオキサイドが最も好ましい。
(ロ)成分の重合開始剤の使用量は、(イ)成分の合計100部に対して、0.2〜10部が好ましく、0.5〜5部がより好ましい。0.2部未満では硬化が遅くなり、10部を超えても硬化速度等は向上せず、むしろ接着性の低下等が生ずるおそれがある。
本発明で用いる(ハ)成分の分解促進剤は、重合開始剤の分解を促進させる化合物であり、例えば、次のようなものが挙げられる。
(1)チオ尿素誘導体:ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、及びベンゾイルチオ尿素等。
(2)アミン類:N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジイソプロパノール−p−トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、及びアルデヒド−アミン縮合反応物等。
(3)有機金属塩:ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸銅、及びオクチル酸亜鉛等。
(4)有機金属キレート:銅アセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、及びコバルトアセチルアセトネート等。これらの一種又は二種以上を使用することができる。
これらの中では、含浸性、接着性、及び硬化性の点で、有機金属塩及び/又は有機金属キレートが好ましく、有機金属塩がより好ましく、オクチル酸コバルトが最も好ましい。
(ハ)成分の使用量は、(イ)成分の合計100部に対して、0.1〜10部が好ましく、0.3〜5部がより好ましい。0.1部未満では硬化が遅くなり、10部を超えても硬化速度等は向上せず、むしろ含浸性や接着性の低下等が生ずるおそれがある。
本発明で用いる(ニ)成分のリン酸(メタ)アクリレートとしては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、並びに、これらのアミン塩等が挙げられる。
(ニ)成分のリン酸(メタ)アクリレートは金属接着性を向上する効果があり、その使用量は(イ)成分の合計100部に対して、0.05〜2部が好ましく、0.1〜0.5部がより好ましい。0.05部未満では金属接着性が劣り、2部を超えても金属接着性は向上せず、むしろ硬化性の低下等が生ずるおそれがある。
本発明で用いる(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2‘−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1‘)]エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ(1,2−A)ベンズイミダゾール、4,4’−メチレンビス(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等が挙げられる。
(ハ)成分の分解促進剤が有機金属塩である場合に、(ニ)成分のリン酸(メタ)アクリレートの金属接着性の向上効果は抑制されるが、(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物を含有させることで、(ニ)成分のリン酸(メタ)アクリレートの金属接着性の向上効果を維持することができる。
(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物の使用量は、(ハ)成分の分解促進剤の有機金属塩1モルに対して、0.3モル以上、3モル未満が好ましく、1〜2モルがより好ましい。0.3モル未満では金属に対する接着性が低下し、3モル以上では表面硬化性が低下することがある。
本発明における反応硬化型アクリル樹脂は、(ロ)成分の重合開始剤を含有するA剤と、(ハ)成分の分解促進剤を含有するB剤の2液型のアクリル樹脂として使用するのが好ましく、B剤の(ハ)成分の分解促進剤が有機金属塩の場合は、(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物をB剤に含有させることが好ましい。
本発明では、プライマーを塗布した後、塗布する樹脂モルタルは、骨材を含有する反応硬化型アクリル樹脂であれば、特に制限されるものではなく、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂でも使用可能であり、リン酸(メタ)アクリレートを含有しない反応硬化型アクリル樹脂でも使用可能である。
本発明では骨材として、モース硬度8以上の無機質材料と、モース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を使用する。
モース硬度8以上の無機質材料の例としては、タングステンカーバイド、コランダム、アルミナ、シリコンカーバイド、及びボロンカーバイド等があり、アルミナを主成分とするコランダムとしては、平均粒径50〜1,200μmのものが好ましい。市販品としてフジランダム20(平均粒径1,095μm)、フジランダム30(平均粒径650μm)、フジランダム46(平均粒径385μm)、フジランダム120(平均粒径115μm)、及びフジランダム220(平均粒径64μm)(不二製作所社製)等がある。
本発明におけるモース硬度7以下の無機粉体の例としては、平均粒径30μm以下のもので、タルク粉、炭酸カルシウム粉、雲母粉、大理石粉、酸化マグネシウム粉、シリカ粉、珪砂、ガラス粉、及び石英粉等があるが、本発明はこれらに限定されるものでは無く、市販のモース硬度7以下の無機粉体を用いることができる。
骨材中のモース硬度7以下の無機粉体の配合量は、施工時の塗布の作業性の面から、モース硬度8以上の無機質材料100部に対して、0.3〜25部が好ましい。
骨材の使用量は、スリップ防止の面から、反応硬化型アクリル樹脂100部に対して、300〜600部が好ましい。
本発明における橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法について説明する。
まず、スリップ防止箇所の橋梁用伸縮装置の表面を研磨する。研磨方法は、橋梁用伸縮装置の表面が平滑となれば、その方法は限定されるものではなく、サンドブラストすることが可能である。
このサンドブラストとは、一種の研磨加工であり、橋梁用伸縮装置が新品である場合には、錆止め用の樹脂系被膜を除去するとともに、プライマーや樹脂モルタルの接着性を良くするように橋梁用伸縮装置の上面に微細な傷をつけるものであり、橋梁用伸縮装置が使用済みである場合には、橋梁用伸縮装置の上面に付着している錆、汚れ、油脂類、泥土、アスファルト片、その他異物等を除去するとともに次工程におけるプライマーの接着性を良くするように橋梁用伸縮装置の上面に微細な傷をつけるものである。
その後、プライマーとして、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を塗布して金属層との接着強度を向上させ、反応硬化型アクリル樹脂(リン酸(メタ)アクリレートを含有しない反応硬化型アクリル樹脂)又はリン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を用いた樹脂モルタルを塗布する。
リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂を使用する場合、(ロ)成分の重合開始剤を含有するA剤と、(ハ)成分の分解促進剤を含有するB剤の2液型のアクリル樹脂として使用することが好ましいが、(ニ)成分のリン酸(メタ)アクリレートはB剤に配合することが好ましく、(ハ)成分の分解促進剤が有機金属塩である場合に、(ホ)成分のイミダゾール誘導体化合物をB剤に併用することが好ましい。
本発明でリン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂をプライマーとして使用する場合の金属表面への塗布量は、20〜500g/m2が好ましく、50〜300g/m2がより好ましい。プライマーの塗布量が20g/m2未満では、反応硬化型アクリル樹脂と骨材を混合してなる樹脂モルタルの付着耐久性が劣り、500g/m2を超えると表面がベトベトになり、樹脂モルタルの施工性が低下する。
プライマーを塗布した後、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂又は反応硬化型アクリル樹脂と、骨材からなる樹脂モルタルを塗布する。
本発明で用いる樹脂モルタルの塗布量は、0.5〜10kg/m2であり、1〜5kg/m2が好ましい。0.5kg/m2未満では滑り抵抗性能の耐久性が劣り、10kg/m2を超えると施工性も悪くなり、また既設のアスファルト舗装との段差が大きくなる欠点を生じる。
樹脂モルタルを塗布し、その樹脂モルタルが硬化し、橋梁用伸縮装置に固着後に、特に、表面のタックが残る場合は、無機粉体を散布し、樹脂モルタルの表面未硬化成分と散布した無機粉体を一緒に除去することが好ましい。
樹脂モルタルの表面未硬化成分と散布した無機粉体とを一緒に除去する方法は特に限定されるものではなく、例えば、プラスチック製ワイヤーブラシを用いることが可能である。
次に実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
表1に樹脂配合を、表2に骨材配合を示す。
表1、表2に示す配合を用いて、表3に示すように、プライマー、樹脂モルタルを調製し、塗布し、付着耐久性と滑り抵抗性能(BPN値)を評価した。結果を表3に併記する。
<使用材料>
(イ)−1成分:イソボニルメタクリレート
(イ)−2成分:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(イ)−3成分:ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート
(イ)−4成分:エポキシアクリレート、市販品、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物
(イ)−5成分:両末端メタクリル変性液状ポリブタジエン、市販品
(ロ)成分:クメンハイドロパーオキサイド
(ハ)−1成分:ベンゾイルチオ尿素
(ハ)−2成分:オクチル酸コバルト、金属含有量8%
(ニ)成分:アシッドホスホオキシエチルメタクリレート
(ホ)成分:2−メチルイミダゾール
無機質材料a:モース硬度8以上、コランダム、平均粒径1,095μm
無機質材料b:モース硬度8以上、コランダム、平均粒径385μm
無機質材料c:モース硬度8以上、コランダム、平均粒径65μm
無機粉体d:モース硬度7以下、珪砂、平均粒径1,000μm
無機粉体e:モース硬度7以下、珪砂、平均粒径100μm
無機粉体f:モース硬度7以下、炭酸カルシウム、平均粒径80μm
無機粉体g:モース硬度7以下、シリカ粉、平均粒径30μm
<試験方法>
1.付着耐久性試験
300×300×5mmのSS400鋼板をサンドブラスト処理した後、所定の方法でプライマーと樹脂モルタルを塗布し、樹脂モルタルの24時間硬化養生後に、樹脂モルタル層を40×40mmの面積で鋼板に達する深さ5mmまで、切り込みをいれて付着耐久性の試験体とした。
付着力は、40×40mmの鋼製測定治具を、樹脂モルタル面に接着して、建研式付着力測定装置を用いて樹脂モルタルの接着最大強度を測定し、接着面積で除して求めた。
付着力(N/mm2)=接着最大強度(N)÷接着面積(mm2)
初期値 :樹脂モルタルの塗布後1日の付着力
負荷条件後:(23℃水中浸漬18時間→−30℃気中放置3時間→60℃気中放置3時間)を1サイクルとして、30サイクルまで実施した後の付着力
保持率 :付着耐久性の保持率は、下式によって算出した。
保持率(%)=負荷30サイクル後の付着力(N/mm2)÷初期付着力(N/mm2)×100
2.滑り抵抗性能評価試験
300×300×5mmのSS400鋼板をサンドブラスト処理した後、所定の方法でプライマーと樹脂モルタルを塗布し、樹脂モルタル24時間硬化養生後に滑り抵抗性能評価の試験体とした。
滑り抵抗性能の測定は、舗装試験法便覧、日本道路協会、6-5舗装路面のすべり抵抗の測定方法に準じ、英国式振り子抵抗測定器(BPN測定器)を用いて滑り抵抗性能評価試験体のBPN滑り抵抗(BPN値)を測定した。測定は、試験体の表面に水を散布し、測定器の振り子の先のゴムスライダーを所定の位置から振り下ろし、スライダーと試験体表面間の摩擦による減衰を目盛りによって、読み取るもので、測定値の単位はBPN(British Pundulumu Number)である。
摩耗負荷条件:滑り抵抗性能評価の試験体を、ワイヤーブラシを装着したポリッシャー(空転時回転数180回転/分)を用いて180分間促進研磨し、摩耗負荷条件とした。
3.評価
付着耐久性試験においては、付着耐久性負荷30サイクル後の付着力5(N/mm2)以上、かつ、保持率80%以上を合格とし、滑り抵抗性能評価試験においては、乾燥条件と湿潤条件におけるBPN値60以上を合格とした。
ここで、乾燥条件とは試験体表面に水を散布しない状態を、また、湿潤条件とは試験体表面に水を散布した状態である。
Figure 0005947663
Figure 0005947663
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実験例2
高速道路の高架橋に敷設され供用されている鋼製の橋梁用伸縮装置(幅1m、長さ3.5m/1車線分)を用いて以下の手順で実験を行った(図1〜2参照)。
鋼製の橋梁用伸縮装置の表面をバキュームサンドブラスト処理した後、実験No.7と同様、プライマーとして樹脂配合3のプライマーを100g/m2塗布し、5分間養生後に実験No.7に示した配合の樹脂モルタルを、塗布量2.5kg/m2で籠手を用いて均一に塗布した。樹脂モルタルは、試験温度20℃、40分で硬化したが、表面のタックが残る状態であった。この表面タック上に7号珪砂を散布し、プラスチック製ワイヤーブラシを用いて、表面未硬化成分と7号珪砂とを除去することで表面タックは無くなり、直ちに道路開放可能な状態となった。
施工直後のBPN測定値は、乾燥条件で98、湿潤条件で82であった。また、施工後1年間の高速道路供用後の、同一場所のBPN測定値は乾燥条件で87、湿潤条件で78であり、充分な滑り抵抗性能を保持していることが確認された。
実験例3
高速道路の高架橋に敷設され供用されている鋼製の橋梁用伸縮装置(幅1m、長さ3.5m/1車線分)を用いて以下の手順で実験を行った(図1〜2参照)。
鋼製の橋梁用伸縮装置の表面をバキュームサンドブラスト処理した後、実験No.8と同様、実験No.8に示した配合の樹脂モルタルを、塗布量2.5kg/m2で籠手を用いて均一に塗布した。樹脂モルタルは試験温度20℃、40分で硬化したが、表面のタックが残る状態であった。この表面タック上に7号珪砂を散布し、プラスチック製ワイヤーブラシを用いて、表面未硬化成分と7号珪砂を除去することで表面タックは無くなり、直ちに道路開放可能な状態となった。
施工直後のBPN測定値は、乾燥条件で92、湿潤条件で80であった。また、施工後1年間の高速道路供用後の、同一場所のBPN測定値は乾燥条件で84、湿潤条件で76であり、充分な滑り抵抗性能を保持していることが確認された。
実験例4
高速道路の高架橋に敷設され供用されている鋼製の橋梁用伸縮装置(幅1m、長さ3.5m/1車線分)を用いて以下の手順で実験を行った(図1〜2参照)。
鋼製の橋梁用伸縮装置の表面をバキュームサンドブラスト処理した後、実験No.15の方法に基づいて、プライマーとして樹脂配合1を100g/m2塗布し、5分間養生後に実験No.15に示した配合の樹脂モルタルを、塗布量2.5kg/m2で籠手を用いて均一に塗布した。樹脂モルタルは試験温度20℃で40分硬化したが、表面のタックが残る状態であった。この表面タック上に7号珪砂を散布し、プラスチック製ワイヤーブラシを用いて7号珪砂を除去することで表面タックは無くなり、直ちに道路開放可能な状態となった。
施工直後のBPN測定値は、乾燥条件で90、湿潤条件で80であった。また、施工後1年間の高速道路供用後の、同一場所のBPN測定値は乾燥条件で75、湿潤条件で38であり、充分な滑り抵抗性能を保持していないことが確認された。
本発明に関わる橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法は、供用中の道路においても短時間での施工が可能であり、交通規制時間を短くできるばかりでなく、本発明に関わるスリップ防止構造体は長期に亘って充分な滑り抵抗性能を保持可能であり、スリップによる事故等を未然に防止できるものである。
1 鋼製の橋梁用伸縮装置
2 舗装
3 プライマー層(プライマーを塗布した場合)
4 樹脂モルタル層

Claims (9)

  1. 橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂をプライマーとして、20〜500g/m2塗布した後、反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材とを混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなることを特徴とする橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  2. 橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材とを混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなることを特徴とする橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  3. 前記リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤、(ハ)分解促進剤、及び(ニ)リン酸(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  4. 前記リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの少なくとも一方が、1分子中にカルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド、(ハ)分解促進剤として有機金属塩、(ニ)リン酸(メタ)アクリレート、及び(ホ)イミダゾール誘導体化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  5. 前記反応硬化型アクリル樹脂が、(イ)単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレート、(ロ)重合開始剤、及び(ハ)分解促進剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  6. 前記モース硬度8以上の無機質材料が、平均粒径50〜1,200μmのアルミナを主成分とする粒子であり、前記モース硬度7以下の無機粉体が、平均粒径30μm以下で、前記モース硬度8以上の無機質材料100質量部に対して、0.2〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  7. 前記樹脂モルタルが硬化し橋梁用伸縮装置に固着後に、前記樹脂モルタル表面に前記無機粉体を散布し、前記樹脂モルタルの表面未硬化成分と前記無機粉体を一緒に除去することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の橋梁用伸縮装置のスリップ防止方法。
  8. 橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂をプライマーとして20〜500g/m2塗布した後、反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなることを特徴とする橋梁用伸縮装置のスリップ防止構造体。
  9. 橋梁用伸縮装置の表面に、リン酸(メタ)アクリレートを含有する反応硬化型アクリル樹脂と、モース硬度8以上の無機質材料とモース硬度7以下の無機粉体を含む骨材を混合してなる樹脂モルタルを0.5〜10kg/m2塗布し、硬化して表面層を形成してなることを特徴とする橋梁用伸縮装置のスリップ防止構造体。
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