JP5947486B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技者が所定の遊技を実施可能とされ、該遊技に伴う演出音を出力する音出力部を備える遊技機に関する。
従来、遊技場に設置されるパチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣を高めるために各種の演出音を出すスピーカが設けられており、該スピーカから遊技に伴う各種演出の演出音が出力される。遊技場においてこれら遊技機は、多数が隣接して並設されるため、これら隣接する遊技機が出す遊技音が混じり合い、遊技者が自分の遊技機から出力される演出音を聞き取り難くなることから、これら演出音を出力するスピーカとは個別に通常のコーンスピーカを設け、隣接する他の遊技機から出力される音の逆位相音を出力することで、隣接する遊技機からの音圧を低減して、遊技者が自分の遊技機から出力される演出音を聞き取り易くするものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−250982号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、離接する他の遊技機から出力されて遊技者に到達する音の音圧は低減できるものの、遊技者が遊技中の遊技機に設けられた通常のスピーカから逆位相音が出力され、これら逆位相音は、位相が逆であっても波形としては隣接する遊技機から出力される音と同一を有しているため、音として聞くことが可能なものであるので、これら逆位相の音が遊技者に到達してしまうと、自身が遊技中の遊技機の演出音と混合して、返って演出音が聞き難くなったり、或いは、演出音の音質が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者が遊技中の遊技機から出力される演出音を、他の遊技機からの出力音により聞き難くなることを抑止することのできる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、略円状に形成された遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部(音声出力部27a、27b、27c、27d)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方に向けて出力する平面波音出力部(平面波音出力部60、61、62)を備える、
ことを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の遊技機は、
遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、扉枠に形成された窓から視認可能な遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部(音声出力部27a、27b、27c、27d)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方に向けて出力する平面波音出力部(平面波音出力部60、61、62)を備える、
ことを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の遊技機は、
遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、変動表示装置が設けられた遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部(音声出力部27a、27b、27c、27d)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方に向けて出力する平面波音出力部(平面波音出力部60、61、62)を備える、
ことを特徴としている。
本発明の請求項に記載の遊技機は、請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技機は、複数並設されるものであり、
前記平面波音出力部は、前記音出力部の隣の遊技機の設置位置側に設けられている、
ことを特徴としている。
本発明の請求項に記載の遊技機は、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記平面波音出力部は、帯状に形成されている、
ことを特徴としている。
これらの特徴によれば、平面波音出力部から遊技機の前方に向けて高指向性の平面波音を出力することで、該平面波音により音壁が形成されるため、該遊技機から出力される演出音が他の遊技機の領域に進入することを該音壁によって抑止できるとともに、他の遊技機から出力される演出音が、遊技者が遊技中の遊技機の音出力部から出力される演出音に混入することも該音壁によって抑止できるようになるので、遊技者が遊技中の遊技機から出力される演出音を、他の遊技機から出力された演出音により聞き難くなることを抑止することができる。
本発明の請求項に記載の遊技機は、請求項1〜のいずれかに記載の遊技機であって、
特定条件が成立したときに前記平面波音出力部からの前記平面波音の出力を停止する出力停止手段を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、例えば緊急状態の発生を通知するための緊急情報を受信したときなどに、平面波音の出力を停止することができるので、音壁の存在によって緊急放送や緊急誘導の声を遊技者が聞き取り難くなってしまうことを回避できるようになっている。
本発明の手段1の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記平面波音出力部(平面波音出力部60、61)は、
遊技機(パチンコ遊技機1)の対向する外周辺(側方外周辺)に沿って対を成して帯状に設けられ、
前記平面波音を、対を成す他方の平面波音出力部から出力される平面波音と所定の遊技位置にて遊技を行う遊技者の後方位置にて交差するように、遊技機の内部側に向けて出力する((図9に示すように、遊技者の後方位置にて交差するように設定された角度にて出力する)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、平面波音にて形成される音壁によって遊技者を囲むことができるため、遊技者に到達する他の遊技機から出力された演出音をより一層低減できるので、遊技者が遊技中の遊技機から出力される演出音を、他の遊技機から出力された演出音により聞き難くなることをより一層抑止することができる。
本発明の手段2の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
前記音出力部が複数(4つ)であって、
各音出力部からの前記演出音の出力を、該演出音による音像の定位位置が所定の遊技位置にて遊技を行う遊技者の近傍位置となるように制御する演出音出力制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81が制御データに基づいて音像の定位制御を行う部分)を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者は、自身の近傍位置で音が鳴っているように聞こえるので、遊技者の臨場感を向上させることができるとともに、これら音像の定位位置が他の遊技機から出力される音により影響されることも抑止できる。
本発明の手段3の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記音出力部(音声出力部27a、27b)から出力する演出音の逆位相音を生成する逆位相音生成手段(波形反転回路180)を備え、
該逆位相音生成手段にて生成された逆位相音を前記平面波音出力部(平面波音出力部60、61、62)から出力する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、逆位相音を平面波音として出力することで、平面波音による音壁に進入した演出音の減衰を高めることができるようになるので、該演出音が他の遊技機から出力される演出音に混入して、他の遊技機で遊技中の遊技者が演出音を聞き難くなることをより一層抑止することができるとともに、逆位相音が高指向性の平面波として出力されるので、これら逆位相音が、演出音に混入してしまうことで遊技中の遊技者が、演出音を聞き難くなってしまうことも回避できる。
本発明の手段4の遊技機は、請求項1または手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技機において所定の特定演出(スーパーリーチ)が発生することに伴って前記音出力部(音声出力部27a、27b、27c、27d)から該特定演出の演出音が出力されるときに、前記平面波音出力部(平面波音出力部60、61、62)からの前記平面波音の出力を中止する制御を行う平面波音出力制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81が平面波音の出力を中止して音壁を解除する制御を行う部分)を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出が発生するときには、平面波音の出力を中止されるので、これら特定演出における演出音を他の遊技機で遊技中の遊技者が聴取できるようになるので、これら特定演出の発生による他の遊技者の注目を集めることができる。
本発明の手段5に記載の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記平面波音出力制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81)による前記平面波音の出力を中止する制御の実施・非実施を遊技者が設定可能な設定手段(演出制御用マイクロコンピュータ81が図10(b)に示す解除設定画面を表示して操作レバー500の操作により解除設定を遊技者から受付けて設定する部分)を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出が発生したときに、平面波音の出力を中止する制御を行って他の遊技者の注目を集めるか否かを遊技者が選択できる。
実施例におけるパチンコ遊技機並びにカードユニットと呼び出しランプを示す正面図である。 図1のパチンコ遊技機及びカードユニットを示す背面図である。 本発明の実施例におけるパチンコ遊技機の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるパチンコ遊技機に用いた演出制御基板の詳細構成を示すブロック図である。 図1のA−A断面図である。 パチンコ遊技機を開放した状態を示す斜視図である。 (a)は、本発明の実施例に用いた各音声出力部と遊技者との位置関係を示す正面図であり、(b)は、本発明の実施例に用いた各音声出力部と遊技者との位置関係を示す側面図である。 (a)、(b)は、平面波出力部から出力される平面波の出力方向と、各平面波スピーカからの出力音圧との関係を示す説明図である。 遊技者の周囲における音壁の形成状況を示す図である。 (a)〜(d)は、本実施例のパチンコ遊技機の設定における表示内容を示す図である。 本実施例のカードユニットのブロック図である。 カードユニットの平面波出力部にて形成された音壁による周囲音の減衰状況を示す図である。 カードユニットの処理内容を示すフロー図である。 本実施例の呼び出しランプのブロック図である。 呼び出しランプの平面波出力部にて形成された音壁による周囲音の減衰状況を示す図である。 (a)〜(c)は、本実施例のカードユニットの設定における表示内容を示す図である。 その他の設定形態を示す図である。 その他の変形例のパチンコ遊技機を示す図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機1及び該パチンコ遊技機1に1対1に対応して隣接設置されるカードユニット300並びにパチンコ遊技機1の上部位置に該パチンコ遊技機1に1対1に対応して設置される呼び出しランプ400を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2、図6参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2、図6参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、後述する楕円状に形成された遊技領域を透視可能となるように楕円に形成されたガラス窓を有するガラス扉枠102と該ガラス扉枠102の下方の下扉枠103とがそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。尚、本実施例では、下扉枠103の開放先端側となる、後述する打球操作ハンドル5並びに音声出力部27dが設けられている固定部103’は、開放しないように前面枠101に固定されている。
外枠100は、図6に示すように、木製の板材からなる上板100a及び下板100dと、鉄製の板材からなる左右の側板100b,100cと、から構成され、上板100aの左右端部と左右の側板100b,100cの上端部及び下板100dの左右端部と左右の側板100b,100cの下端部とをL字金具100eにて連結することにより方形枠状に構成されている。尚、左右の側板100b,100cは鉄材にて構成されていたが、アルミ材等他の金属材にて構成してもよい。
左右の側板100b,100cは、縦長帯状の鉄板を左右幅方向の中央部を中心に左右側を後方に折り曲げて2重構造としており、外側の折曲片には、前端部に沿って上下方向に延設された縦膨出部110a及び該縦膨出部110aの上下方向の複数箇所から後向きに連設される横膨出部110bからなる膨出部110が、折曲片を内側からプレス加工することにより外面に膨出して形成されている。このように折曲げ加工による2重構造及びプレス加工による膨出部110の形成により剛性を持たせることで、上板100a,下板100dのような木製の板材と同等もしくはそれ以上の剛性を有するとともに、上板100a,下板100dよりも幅寸法が肉薄の側板100b,100cを構成することができる。
前面枠101は、外枠100の開口を閉塞する閉塞位置において、該前面枠101の背面の周縁部が外枠100の前端部に当接するように配置され、このときに背面から突出する部位や該背面に搭載される各種部品等は外枠100の内側に収容される。よって、上記ように左右の側板100b,100cの左右幅寸法を肉薄として外枠100の開口の左右幅寸法を極力長寸とすることで、前面枠101の背面から突出する部位や各種部品等が、開閉時や閉塞時において左右の側板100b,100cの内面と干渉することが防止される。
上板100aの左端部と左の側板100bの上端部とを連結するL字金具100eの前端からは、前面枠101の左側辺上部を枢支する縦断面L字形の枢支片100fが前方に向けて延設されている。また、左の側板100bの下部所定箇所からは、前面枠101の左側辺下部を枢支する枢支片100gが前方に向けて延設されている。
前面枠101は、図6に示すように、中央に縦長長方形状の開口部115が形成されており、開口部115の左側上下部には係止凹部116a,116bが設けられ、右側上下部には後述する盤押え金具692,693が設けられており、遊技盤6の左端部を図中太矢印に示すように係止凹部116a,116bに差し込んだ状態で右端部を盤押え金具692,693で係止することにより該遊技盤6が前面に取り付けられるようになっている。係止凹部116a,116bには後述する盤押えバネ690,691が設けられており、係止凹部116a,116bに係止された遊技盤6の前後のガタツキが防止される。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された透明な合成樹脂であるアクリル樹脂製の盤面板6aと、所定の厚み幅寸法を有し、盤面板6aを取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材6bと、から構成され、該スペーサ部材6bの背面側には、変動表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられるユニット部材6cが一体的に取り付けられている。
また、側板100cの下部内面には、図6に示すように、枠振動ユニット76が設けられており、該枠振動ユニット76にて発生された演出音の低音振動により、外枠100と前面枠101とが振動されて、これら外枠100と前面枠101とから低音を主体とする演出音が発生可能とされている。
尚、外枠100の前方面には、図6に示すように、金属版79間にコイルバネを設けた振動伝達コイル77が複数設けられており、前面枠101が閉じられることで、これら振動伝達コイル77が前面枠101と外枠100との間に密着して挟持されることで、枠振動ユニット76による音振動が、該振動伝達コイル77を介して前面枠101に良好に伝達されるようになり、前面枠101から演出音が良好に出力されるようになっている。
このように、枠振動ユニット76や振動伝達コイル77を設けて外枠100や前面枠101から音を出力するようにすることは、音声出力部27a、27b、27c、27dに加えて、これら低音領域の音を出力するスピーカを新たに前面枠101に設ける必要がないので、前面枠101のデザインの自由度を向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら枠振動ユニット76や振動伝達コイル77設けない構成としても良い。
また、本実施例では、前面枠101に振動を積極的に伝達させるための振動伝達部材として振動伝達コイル77を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら振動伝達部材としては、外枠100と前面枠101との間において振動を積極的に伝達できるものであれば、振動伝達コイル77以外のものを使用しても良い。
図1に示すように、ガラス扉枠102の上方には、遊技に伴う効果音が出力される音出力部27a、27bが両隅部位置に設けられているとともに、抜窓W並びに後述する天枠発光部28Hとを有する装飾カバー28’が、これら音出力部27a、27bを覆うように設けられており、後述するように、音の出力に応じて照光されて光る該音出力部27a、27bを構成する箱体(エンクロージャ)を、該抜窓Wを通じて目視できるようになっている。
また、図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されているとともに、この打球供給皿3の下方には、後述する操作レバー500が揺動自在に軸支される突出部としての下台4が、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。その両側方には、遊技に伴う効果音が出力される音出力部27c、27dが設けられているとともに、その1側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
尚、音出力部27c、27dの周囲には、上記した音出力部27a、27bと同様に抜窓Wが形成されており、音の出力に応じて照光されて光る音出力部27c、27dを構成する箱体(エンクロージャ)を、該抜窓Wを通じて目視できるようになっている。
上部の打球供給皿3と下部の下台4との間には、下台4の側方を覆うように、下扉枠103の前面から前方に向けて膨出する中カバー550(図5参照)が設けられている。中カバー550の上方左右側には、上記した音出力部27c、27dが設けられているとともに、後述する左右一対の送風ファン515,515からの風が送出される送風口552,552が形成されている。
打球供給皿3の上流側端部には、後述する背面側の機構板105に設けられた球払出装置97から払い出される賞球を受け入れ可能とする払出口112が形成されているとともに、その下方には、打球供給皿3に待機(貯留)している待機球を前面枠101の背面に形成された余剰球誘導通路(図示略)に流出させて返却口120に返却するための球抜き口(図示略)が内部に形成されている。また、打球供給皿3の下流側端部には、打球供給皿3に待機している待機球を、後述する発射装置により打ち出される発射位置に誘導する待機球誘導口119が形成されている。
待機球誘導口119の近傍に設けられる発射装置により打ち出された打球は、打球誘導レール117により遊技領域7に誘導される。打球誘導レール117の途中には、発射装置により打ち出されたものの発射勢いが弱いために遊技領域7に到達することなく戻ってきたファール球を回収するファール球誘導通路118(図1参照)が、打球供給皿3のほぼ中央位置において形成されたファール球排出口116に、回収したファール球を誘導するように形成されており、該ファール球誘導通路118にて回収されたファール球は、ファール球排出口116から打球供給皿3に返却されるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の向かって右下方位置には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目することとなる。
特別図柄表示器8は、7セグメントLEDで構成されており、各セグメントを個別に点灯制御することで、0〜9の数字のみならず、各種の記号を表示可能とされている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、数字の組合せや記号の組合せなど、より多種類の表示を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、有機EL等のエレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33へのパチンコ球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39へのパチンコ球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25が設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
前述したように、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つの音声出力部27a、27b、27c、27dが、図7(a)に示すように、遊技者の頭部が通常において位置することとなる通常頭部位置、具体的には、通常において、遊技場の椅子等は、日本人の標準的な体型の遊技者が変動表示装置9をほぼ正面にて見ることができるように調整されているので、変動表示装置9をほぼ正面にて見ることができる変動表示装置9の中心位置を、日本人の標準体型頭部における目の中央位置に一致させた際の頭部の位置(頭部中心)からの距離がほぼ等しくなるように、該通常頭部位置を中心とする同心円上に配置されている。
このように、本実施例では、4つの音声出力部27a、27b、27c、27dを設けるとともに、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音声の出力タイミングや音量を制御することで、遊技機から出力される音の音像(音が出ていると遊技者が感じる位置)の定位位置を遊技者の近傍位置とすることができるとともに、これら音像の定位位置を遊技機の上下左右に変更することができるようになっている。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1に用いた音声出力部27a、27b、27c、27dの構成について説明すると、これら各音声出力部27a、27b、27c、27dは、音の出力特性(周波数特性)が同一となるように、同一のスピーカと、該スピーカの後方空間が同一容積の閉塞空間となるように囲む同一の箱体(エンクロージャ)とから主に構成されている。
スピーカは、各音声出力部27a、27b、27c、27dにて、音の出力特性(周波数特性)が同一となる、つまり、各周波数成分の出力特性が(音圧レベル)が同じとなることが好ましいので、本実施例では、スピーの特性を決定する要素である種別、形状(大きさ)、コーン材質、出力(W)、磁石の材質等の仕様が全く同一の同じスピーカを、音声出力部27a、27b、27c、27dに使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音の出力特性(周波数特性)がほぼ同じとなるものであれば、同一のスピーカに限らず、種別、形状、コーン材質、出力(W)、磁石の材質等が異なるものであっても使用することができる。
また、スピーカとしては、通常のコーンスピーカを使用すれば良いが、好ましくは、箱体(エンクロージャ)の容積を少なくできるように、より減衰性の高いコーン材を使用したものが良く、これら減衰性の高いコーン材としては、例えば、コットン繊維層とアラミド繊維層とを積層して、各繊維層間のズレにより減衰性を高めたコーン材を使用すれば良い。
これらスピーカが装着される本実施例の箱体(エンクロージャ)は、1角が直角をなす五角形の上面を有する平型の箱状であって、箱の上部と下部とが分割された構造とされ、主に、スピーカが取付けネジにて取付けられる上部筐体と、下部筐体と、該下部筐体の背面に装着される投光板とから構成されている。
尚、スピーカは、上部筐体に対して緩衝材を介して装着されており、このようにすることにより、箱体(エンクロージャ)の密閉性を向上でき、該箱体(エンクロージャ)内部から音漏れを低減できるとともに、スピーカの振動が箱体(エンクロージャ)に伝達して、箱体(エンクロージャ)が振動することを防止できるようになっている。
これら上部筐体と下部筐体とは、透光性を有する透明な樹脂、具体的にはアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂にて形成されており、これら上部筐体と下部筐体との接合部には、接合部の全周に渡って、箱体の外方に突出するように所定幅の溶着帯が形成されており、これら溶着帯同士が重なるように当接させて、超音波溶着にて全周を溶着することで一体化することにより、箱体(エンクロージャ)の内部が、高気密に密閉されるようになっている。
尚、下部筐体には、スピーカへの配線が挿通される挿通孔が設けられているが、この挿通孔は、上部筐体と下部筐体とを一体化した後、常温硬化型のシリコーン樹脂にて塞がれることで、箱体(エンクロージャ)の内部が密閉されるようになっている。
このように、箱体(エンクロージャ)の分割体である、上部筐体aと下部筐体とを、その接合面を全周に渡って溶着することで一体化することは、例えば、通常において実施されている、接合部に緩衝材を挟持した状態でネジ止めする形態に比較して、箱体(エンクロージャ)の気密性を非常に高いものにできるので、該箱体(エンクロージャ)内部から外部への音の漏れによる各音声出力部27a、27b、27c、27dの音の出力特性(周波数特性)が変化してしまい、後述する音像についての所望の定位制御が良好に実施できなくなることを回避することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの上部筐体と下部筐体とを一体化する方式としては、内部の音が箱体(エンクロージャ)外部へ漏れないようにできるものであれば好適に使用することができる。
また、下部筐体には、下部筐体に放射状に形成されている複数のリブを発光させるための複数のLEDモジュールが環状に配置され、これらLEDモジュールからの光を反射できるように白色の樹脂にて形成された投光板が、底面の背面側に装着されるようになっており、これら底面を投光板が塞ぐことにより、該底面からの音の放射を更に抑えることができるようになっている。
また、図1に示すように、パチンコ遊技機1の前面における音声出力部27a、27bの外周側領域には、音声出力部27a、27bが配置されたパチンコ遊技機1の上部領域を囲むように、パチンコ遊技機1の左右の外周辺並びに上部外周辺に沿って帯状の平面波音出力部60、61、62が設けられている。
この平面波音出力部60、61、62は、2つの平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bにて構成されており、各平面波音出力部60、61、62から出力される平面波の出力方向(進行方向)を変更可能とされている。
平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bは、帯状の薄板であって、音声出力部27a、27b、27c、27dにて使用されている通常のコーン型のスピーカから放射される球面波とは異なり、図8に示すように、海における津波のように一方方向にのみ進行する平面波音を出力可能とされている。
尚、これら平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bとしては、高分子の振動膜上に多数のマイクロセル状のスピーコイルを配列したマルチ・セル・マイクロトランスデューサー・アレイ(MCMA)構造の公知の平面波スピーカ、例えば、「スリムスピーカ」(株式会社エフ・ピー・エス社商品名)等を好適に使用することができる。
これら平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bから出力される平面波音は、従来の球面波とは異なり、位置方向にのみ伝搬するので、指向性が非常に高いとともに、音の減衰が少ないので、これら平面波を音波が通過し難くできるので、これら平面波によって、図9に示すように、音の伝達を遮る音壁を形成することができる。
尚、本実施例では、前述したように、各平面波音出力部60、61、62に、2つの対を成す平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bを設けており、これら対を成す平面波スピーカから出力される平面波の振幅(音圧)の大きさによって、各平面波音出力部60、61、62から出力される平面波音の出力方向を変更できるようになっている。
つまり、図8に、平面波音出力部60を構成する平面波スピーカ60a,60bを例に示すように、平面波スピーカ60a,60bから同一の振幅(音圧)の平面波音を出力した場合には、各平面波スピーカ60a,60bから出力された平面波音は、各平面波スピーカ60a,60bが向いている方向に直進するのに対し、例えば、平面波スピーカ60bから出力される平面波音の振幅(音圧)を低下させると、該振幅(音圧)の小さい平面波スピーカ60b側に平面波の進行方向が変化するようになるので、平面波スピーカ60a,60bから出力する振幅(音圧)を個別に制御することで、平面波音出力部60から出力する平面波音の出力方向(進行方向)を、パチンコ遊技機1の左右方向に変更することができるようになっているので、これら平面波スピーカ60a,60bを配置する部分の面方向が、平面波音を出力させたい所望方向となっていなくても、平面波音を所望の出力方向に出力させることができる。
同様に、平面波音出力部61についても、平面波スピーカ61a,61bから出力される振幅(音圧)を制御することで平面波音出力部61から出力する平面波音の出力方向(進行方向)を、パチンコ遊技機1の左右方向に変更することができるようになっているとともに、平面波音出力部62についても、平面波スピーカ62a,62bから出力される振幅(音圧)を制御することで平面波音出力部62から出力する平面波音の出力方向(進行方向)を、パチンコ遊技機1の上下方向に変更することができるようになっている。
これら平面波音出力部60、61、62からの平面波音の出力方向は、図9に示すように、これら平面波音により形成される音壁がパチンコ遊技機1の遊技者を音壁が囲むように出力される。
つまり、パチンコ遊技機1の左右両側辺に沿って設けられた平面波音出力部60、61からは、該平面波音出力部60、61から出力される各平面波音が、所定の遊技位置にて遊技を行う遊技者の後方位置にて交差するように、パチンコ遊技機1の内側に向けて出力されることで、遊技者の側方に音壁が形成されるとともに、遊技者の後方にも音壁が形成されることで、隣接するパチンコ遊技機や遊技者の後方にパチンコ遊技機1に対向設置されているパチンコ遊技機から出力される演出音が遊技者に到達することを抑止することができるようになるとともに、パチンコ遊技機1から出力される演出音が隣接するパチンコ遊技機の遊技者や対向設置されているパチンコ遊技機の遊技者に到達することも抑止できる。
また、本実施例では、平面波音出力部62からの平面波音の出力方向が、図9に示すように、所定の遊技位置にて遊技を行う遊技者の頭上部を通過するように、下方側に向けて出力するように設定されており、このようにすることにより、上記した平面波音出力部60、61から出力される各平面波音による音壁に加えて、平面波音出力部62からの平面波音による音壁によっても、対向設置されているパチンコ遊技機から出力される演出音が遊技者に到達すること、及び、パチンコ遊技機1から出力される演出音が対向設置されているパチンコ遊技機の遊技者に到達することも抑止できるようになり、より好適な音環境を遊技者に提供できるようになる。
また、遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵され、装飾カバー28’に形成された天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、本実施例では賞球LED51及び球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中や補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、各音声出力部27a、27b、27c、27dからの出力音制御も、各音声出力部27a、27b、27c、27d毎に演出制御基板80によって行なわれる。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール117を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、下扉枠103の構造を、図1及び図5に基づいて説明する。図5は、図1のA−A断面図である。尚、図5における左側がパチンコ遊技機の前面側である。
図5に示されるように、パチンコ遊技機1の本体前面下部を構成する下扉枠103の前面上部には、左右方向に延びる打球供給皿3が前方に向けて突設されているとともに、前面下部には、左右方向に延びる下台4が前方に向けて突設されている。これら打球供給皿3と下台4とは所定距離上下に離間して配置されており、これら打球供給皿3と下台4との間には、上下方向に延びる操作レバー500が設けられている。
本実施例の操作レバー500は、後述するように、例えば、大当り予告演出等の演出が実行されているときや、各種設定操作を行う場合等において、変動表示装置9に表示されるキャラクタやカーソル等の画像等の操作対象部を移動させる操作を行う場合に使用される。
打球供給皿3と下台4との間に、遊技者により操作可能に設けられる操作レバー500は、図5に示されるように、一端側が軸支され、他端側が多軸方向(本実施例では4軸方向)に揺動自在に支持された所謂ジョイスティックである。具体的には、操作レバー500は、金属製のレバーアーム501と、レバーアーム501の外周に装着される軟質合成樹脂製のグリップカバー502と、レバーアーム501の基端を回動自在に軸支する軸受部材503と、軸受部材503を支持板566の前端上面に固定するための軸受台座504と、から主に構成されている。
レバーアーム501は、金属製の丸棒にて骨材として構成され、特に詳細な図示はしないが、その基端(下端)に形成された球状の軸部501aが、軸受部材503に形成された軸受部としての球面軸受503a(図5参照)内に回動自在に軸承されており、これによりレバーアーム501が多軸方向(本実施例では、前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向)に揺動自在とされているとともに、いずれの方向にも外力が加わっていない状態において、略垂直方向を向く起立姿勢に保持するための姿勢保持機構(例えばバネ等によりレバーアーム501を鉛直下方に付勢して起立姿勢に保持する等)が設けられている(図示略)。
レバーアーム501は、上下方向の中央位置よりもやや上方位置において、前方に向けて屈曲する屈曲部が形成されているとともに、その先端は打球供給皿3の下面に形成された挿通口564を挿通して、その直上に位置する規制凹部563内に遊挿されている。そして規制凹部563内に遊挿された状態で、半球面状に形成された先端面501bが、軸受部を中心とした球面状の内上面563bに摺接されるようになっている。
また、レバーアーム501が軸受部を中心として所定の方向に揺動したときに、その先端部近傍の周面が規制凹部563の内側周面563aに当接するようになっている。つまり、レバーアーム501の揺動範囲は、規制凹部563の内側周面563aとの当接により規制される。
また、レバーアーム501の先端面501bが、規制凹部563の内上面563bに摺接されていることで、傾倒方向の揺動規制だけでなく、球面軸受503aに対する上方への移動が規制される。
また、レバーアーム501の下端は、軸部501aから支持板566に形成された貫通口566aを挿通して下方に垂下されて支持板566の下方に延出され、この下端には、支持板566の下方に前後左右に設けられた4つのレバースイッチ510a〜510dに選択的に当接可能な円盤状の当接盤501cが形成されている。
この当接盤501cは、レバーアーム501が後側に傾倒されたときに前側のレバースイッチ510aに当接し、レバーアーム501が前側に傾倒されたときに後側のレバースイッチ510cに当接し、レバーアーム501が左側に傾倒されたときに右側のレバースイッチ510bに当接し、レバーアーム501が右側に傾倒されたときに左側のレバースイッチ510dに当接する。さらに、レバーアーム501が斜め後右側に傾倒されたときに前側及び左側のレバースイッチ510a,510dに当接し、レバーアーム501が斜め後左側に傾倒されたときに前側及び右側のレバースイッチ510a,510bに当接し、レバーアーム501が斜め前右側に傾倒されたときに後側及び左側のレバースイッチ510d,510cに当接し、レバーアーム501が斜め前左側に傾倒されたときに後側及び右側のレバースイッチ510b,510cに当接するようになっている。
つまり、軸受部材503の下方には、レバーアーム501の4軸方向(前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向、図7中白抜き矢印参照)の傾倒を検出するための4つのレバースイッチ510a〜510d(図3参照)が設けられており、これら各レバースイッチ510a〜510dから出力される信号を演出制御用マイクロコンピュータ81が受信することにより、操作レバー500の揺動(傾倒)方向を特定し、該特定した方向に応じた制御を、予告演出や設定操作におけるカーソルの移動について実施する。
グリップカバー502の屈曲部後面側には、トリガースイッチ512が揺動自在に設けられており、図5に示されるように、遊技者は操作レバー500を握った手でトリガースイッチ512を手前側に押圧操作することができるようになっている。
また、円筒状のグリップカバー502の内部には、前述したタッチセンサ513が設けられており、遊技者が操作レバー500を握るもしくは触れたことを検出することができるようになっている。尚、本実施例のタッチセンサ513は、金属製のレバーアーム501における導電率の変化の検出により接触されたか否かを検出する誘電センサであり、金属製のレバーアーム501の上下方向略中央位置に環装されている。
また、操作レバー500に振動を発生させるバイブレータ514が設けられており、例えば後述するように、操作レバー500を操作しているときにバイブレータ514を駆動して操作レバー500を振動させることにより、遊技者に対して触覚にて衝撃を与えることができるようになっている。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ81が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、接続用基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、音声出力部27a、27b、27c、27d、平面波音出力部60、61、62等)を制御する。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
尚、前記球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)及び球貸し情報(球貸し個数信号)は、主基板31から情報端子基板36を介して外部に出力するようにしてもよい。すなわち、このようにターミナル基板159に設けられた球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子を情報端子基板36に設けることで、配線や基板の取り付け作業等を容易にすることができる。また、ターミナル基板159及び情報端子基板36それぞれに設けられる各端子を1つの基板にまとめて搭載してもよく、このようにすることで製造コストを削減することができる。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(球タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、パチンコ球は、余剰球誘導通路を経て下台4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
図3に、主基板31における回路構成の一例を示す。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、接続用基板70、インターフェイス基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、満タンスイッチ19からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
尚、本実施例では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
尚、本実施例では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行うことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施例では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。また、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを検出する電断検出回路(図示略)を、主基板31に設けてもよいし、主基板31及び払出制御基板37の双方に設けてもよい。あるいは、電源基板910に設け、電源断信号を主基板31及び払出制御基板37の双方に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、エラー情報を出力する旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、本実施例では、CPU56が出力する制御信号をシリアル出力回路78にてシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力するようになっていたが、これら特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41からなる各表示器を主基板31に中継基板等を介すことなく直接接続し、CPU56が出力する制御信号をパラレルデータのまま各表示器8、18、10、41に出力するようにしてもよい。このようにすることにより、外部から信号が入ることがないので、正確な表示を行うことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音出力制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御や音声出力部27a、27b、27c、27dからの音出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをパラレルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行うようにしてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御も行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、各LED51、52、28a、28b、28cを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されているとともに、入力されたシリアルデータをパラレルデータに変換して出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアル出力回路253を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LED51、52、28a、28b、28cの表示制御を行う。
また、遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての中前板天基板473a、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、上皿基板509が設けられている。これら各枠側IC基板473a、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けた例を示すが、各LED51、52、28a、28b、28cの点灯制御(表示制御)を行うLEDドライバ基板や音声出力部27a、27b、27c、27d、平面波音出力部60、61、62からの音出力制御を行う音声出力基板を、これら演出制御基板80とは個別に設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256および入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されており、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に変動表示装置9の表示制御を行わせる。
VDP262は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板473a、473b、473c、508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88,89を介して、枠側IC基板508、509に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512、タッチセンサ513、ボタンスイッチ516の検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88,89を介して、枠側IC基板508以外の各枠側IC基板473a、473b、473c、508に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。各枠側IC基板に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号の入力基づいて演出制御コマンドをラッチして取り込む。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音の生成を行う音声合成用IC173並びに該音声合成用IC173にて生成された各音声出力部27a、27b、27c、27d毎のデジタル出力音をD/A変換するD/A変換回路177と該D/A変換された出力音を増幅する増幅回路(アンプ)175が演出制御基板80に搭載されており、演出制御用CPU86は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて音番号データを音声合成用IC173に出力して、該音番号データに対応する音を音声合成用IC173に生成させる。
音声合成用IC173は、演出制御用マイクロコンピュータ81から音番号データが入力されると、該入力された音番号データに応じた音声や効果音を、各音声出力部27a、27b、27c、27d毎に個別に生成し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅し、接続用基板70を介して各音声出力部27a、27b、27c、27dのスピーカに出力する。
尚、増幅回路175には、前述した枠振動ユニット76も接続されており、該増幅回路175にて増幅された低音を主体とした演出音が枠振動ユニット76に供給されることで、該供給された低音を主体とした演出音が外枠100と前面枠101から出力されるようになる。
音声データROM174には、音番号データに対応付けて該音番号データが該当する演出コマンドにより実施される演出に対応した音を出力するための各音声出力部27a、27b、27c、27d毎の制御データが格納されている。つまり、これら制御データは、演出期間(例えば飾り図柄の変動期間)において各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力する効果音(演出音)または音声の出力態様(周波数特性、タイミング(ディレイ)等)が時系列的に記述された音源データ等を含むデータの集まりである。
具体的には、これら制御データとして、例えば、予告演出である戦闘予告の演出において、主に抽選において既に大当りが確定している場合において演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される音番号データには、戦闘機(音の発信源)が下方左側から上方右側に上昇しながら移動しているように聞こえよう、予め設定された制御データが記憶され、主に抽選において既に大当りが確定していない場合に演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される音番号データには、戦闘機(音の発信源)が上方左側から下方右側に下降しながら移動しているように聞こえよう、予め設定された制御データが記憶されており、これら音の発信源である戦闘機の移動態様、つまり、音像の定位位置の移動態様により、遊技者は、大当りに成る期待度が高いか低いかが有る程度解るような機能が付与されている。
これら戦闘機(音の発信源)の音像の定位位置を移動させる方法は、周知の手法を利用すれば良く、具体的には、戦闘機(音の発信源)の音像を、パチンコ遊技機1の上方左側とする場合には、パチンコ遊技機1の上方左側の音声出力部27aから出力される音の出力レベルを他の音声出力部27b、27c、27dよりも大きくするとともに、これら他の音声出力部27b、27c、27dから出力される音の出力レベル、特に距離が大きいと減衰の大きい高音の出力レベルを小さくし、且つ音声出力部27aから出力される音よりも適宜に時間遅延(ディレイ)させて音を出力すれば良いし、同様に、戦闘機(音の発信源)の音像を、パチンコ遊技機1の下方右側とする場合には、パチンコ遊技機1の下方右側の音声出力部27dから出力される音の出力レベルを他の音声出力部27a、27b、27cよりも大きくするとともに、これら他の音声出力部27a、27b、27cから出力される音の出力レベル、特に距離が大きいと減衰の大きい高音の出力レベルを小さくし、且つ音声出力部27aから出力される音よりも適宜に時間遅延(ディレイ)させて音を出力すれば良く、これら音像の出力内容を、戦闘機の音像がパチンコ遊技機1の上方左側となる出力内容からパチンコ遊技機1の下方右側となる内容に連続的に変化させることで、あたかも、戦闘機がパチンコ遊技機1の上方左側から下方右側へ移動しているように遊技者に聞こえるようになる。
このように、音像の設定には、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力するそれぞれの音の各周波数レベルの音圧レベルを調整して設定するともに、時間的なタイミング(遅延)を調整して設定する必要となるため、各音声出力部27a、27b、27c、27dの音の出力特性(周波数特性)が異なったり、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音が遊技者に到達するまでの時間に差があると、これらの差を音像の制御に加えて補正する必要があり、これら設定が非常に難しいものとなってしまうが、本実施例では、前述したように、各音声出力部27a、27b、27c、27dが、同一の音の出力特性(周波数特性)を有するように、全て同一のスピーカと箱体(エンクロージャ)にて形成され、且つ、遊技者の通常頭部位置からの距離が全て同じとなるように同心円上に形成されているので、これら各音声出力部27a、27b、27c、27dの音の出力特性(周波数特性)の違いや、音の到達時間の違いによる補正を最小限または不要とすることができるので、これら音像の設定、すなわち、音像を所定位置とする各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力する音データの作成を容易化することができる。
尚、これら制御データとして、予告演出やスーパーリーチ演出等の特別な演出以外の通常時においては、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力する効果音(演出音)の音像の定位位置が、遊技者の近傍位置となるように設定されており、これにより、遊技者は、自分に近い位置で音が発生していように聞こえるようになるので、遊技者の臨場感を向上できるようになっている。
また、接続用基板70には、図4に示すように、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音声の出力レベルを検出する出力レベルセンサと、LEDドライバから成る出力インジケータモジュール71が、各音声出力部27a、27b、27c、27dのチャンネル毎に設けられており、これら各出力インジケータモジュール71に、対応する音声出力部27a、27b、27c、27dの投光板が接続されることで、該投光板に設けられているLEDモジュールの発光態様が、音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音のレベルに応じた点灯態様、具体的には、出力される音のレベルが小さい場合の長い間隔の点滅点灯から、出力される音のレベルが大きくなるにつれて点滅間隔がだんだん短くなっていき、連続的な点灯となった後には、発光している強度が大きくなるように制御される。
このようにLEDモジュール404の発光態様が、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音のレベルに応じて制御されることで、各音声出力部27a、27b、27c、27dが、各音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音に合わせて点滅しているのを、抜窓Wを通じて目視できるので、音の出力状態を遊技者の視覚に訴えることができるようになり、演出効果をより高めることができる。
演出制御基板80には、D/A変換回路177にてD/A変換された音声出力部27a、27bからの出力音を合成するミキサ回路179と、該ミキサ回路179で合成された出力音並びに音声出力部27a、27bからの出力音の各位相を個別に反転する波形反転回路180と、該波形反転回路180にて位相反転された音声出力部27a、27bからの出力音、ミキサ回路179で合成された出力音を個別に増幅して平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bに接続用基板75を介して供給する増幅回路178が搭載されており、各平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bからは、音声出力部27a、27bから出力される演出音の逆位相の平面波音が出力されることで、音声出力部27a、27bら出力される演出音が逆位相の平面波音によりより効果的に減衰されることで、これら音声出力部27a、27bら出力される演出音が該平面波音により形成される音壁を通過することを、より一層抑止できるようになっている。
尚、平面波音出力部60を構成する平面波スピーカ60a,60bからは、該平面波音出力部60が外周部領域となる音声出力部27aから出力される音の逆位相音が出力され、平面波音出力部61を構成する平面波スピーカ61a,61bからは、該平面波音出力部61が外周部領域となる音声出力部27bから出力される音の逆位相音が出力され、平面波音出力部62を構成する平面波スピーカ62a,62bからは、該平面波音出力部62が外周部領域となる音声出力部27a並びに音声出力部27bから出力される各音を合成音した合成音の逆位相音が出力される。
また、増幅回路178は、図4に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ81に接続されているとともに、平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bに供給する各音信号の大きさを個別に増幅可能とされており、これら平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bに増幅回路178から供給される各音信号の増幅量を演出制御用マイクロコンピュータ81が、後述する設定操作にて設定された音圧(振幅)となるように制御することで、各平面波音出力部60、61、62からの平面波音の出力方向が設定操作にて設定された出力方向に制御される。
ここで、操作レバー500を使用して、遊技者や遊技場の店員が設定を実施する流れについて、図10に基づいて説明すると、遊技者或いは店員は、パチンコ遊技機1に保留記憶が存在せず、特別図柄表示器8と変動表示装置9で変動表示が実施されていないときに、ボタンスイッチ516を所定期間に亘り継続して操作(長押し)することで、該操作が演出制御用マイクロコンピュータ81にて検出されて、図10(a)に示す設定メニュー画面が変動表示装置9に表示される。
この設定メニュー画面には、図10(a)に示すように、該パチンコ遊技機1に設けられている各平面波音出力部60、61、62からの平面波音にて形成される音壁を調整するための「音壁設定」のメニューと、スーパーリーチの発生時に音壁を解除するか否かを設定するための「解除設定」のメニューとが設けられており、遊技者或いは店員は、操作レバー500を操作してカーソルを設定したい内容のメニューに移動させて、トリガースイッチ512を操作することで、希望のメニューを選択すれば良い。
ここで、「解除設定」のメニューを選択」した場合には、図10(b)に示すように、「する」、「しない」の選択部を有する解除設定画面が表示され、該解除設定画面において、スーパーリーチが発生したときに、音壁を解除するか否かを設定することができる。
つまり、遊技者が、スーパーリーチが発生したときに他の遊技者からの注目を集めたい場合や、店員が、当該機種についてスーパーリーチが発生していることを他の遊技者にアピールして、当該機種への遊技を促進したい場合には、「する」を選択して、スーパーリーチが発生したときに音壁を解除して、スーパーリーチの演出音が他の遊技機で遊技している遊技者等に到達し易くする一方、遊技者が、スーパーリーチが発生したときに他の遊技者からの注目を集めることなく、スーパーリーチの演出音を良好に楽しみたい場合や、店員が、当該機種についてスーパーリーチが発生していることをアピールする必要がないと判断した場合には、「しない」を選択して、スーパーリーチが発生したときにも音壁を維持させるようにする。
このように。解除設定画面において「する」を選択した場合には、当該パチンコ遊技機1において、通常のリーチに比べて大当りが発生しやすいように設定されたスーパーリーチの演出が実施されるときに演出制御用マイクロコンピュータ81によって、増幅回路178における増幅を中止する制御が実施されることにより、平面波音出力部60、61、62からの平面波音の出力が中止されて音壁が解除される。
また、設定メニュー画面において、「音壁設定」のメニューを選択した場合には、図10(c)に示すように、設定対象とする音壁を選択する音壁選択画面が表示される。
この音壁選択画面においては、平面波音出力部60からの平面波音の出力による音壁の設定を実施したい場合には、「左音壁」を選択し、平面波音出力部61からの平面波音の出力による音壁の設定を実施したい場合には、「右音壁」を選択し、平面波音出力部62からの平面波音の出力による音壁の設定を実施したい場合には、「上音壁」を選択すれば良い。
そして、例えば、平面波音出力部61からの平面波音の出力による音壁の設定を実施するために、「右音壁」を選択した場合には、図10(d)に示す右音壁調整画面が表示されて、平面波音出力部61から出力される平面波音の全体音量と、出力方向とを設定変更できるようになっている。
具体的には、平面波音出力部61から出力される平面波音の音量が小さく、音壁が遊技者の後方領域まで到達しておらず、遊技者の後方からの音が良好に遮断されていない場合には全体音量を「+」側に設定し、遊技場の通路が比較的狭いために、平面波音出力部61から出力される平面波音の音が、遊技者の後方で遊技している他の遊技者に到達してしまう場合や、平面波音出力部61から出力される平面波音の音量が大きい場合には全体音量を「−」側に設定すれば良い。
また、平面波音出力部61から出力される平面波音の出力方向が外側方向過ぎて、遊技者の後方に良好な音壁が形成されない場合には、出力方向を順次、左側方向(数が多くなる方向)に移動させる一方、平面波音出力部61から出力される平面波音の出力方向が内側方向過ぎて、音壁が遊技者の前方を通過してしまい、遊技者を音壁にて良好に囲うことができない場合には、出力方向を順次、右側方向(数が少なくなる方向)に移動させることで、内方側に設置された平面波スピーカ61bから出力される各平面波音の音圧(振幅)が段階的に変更(増減)されることで、平面波音出力部61から出力される平面波音の出力方向が変更される。
尚、これら出力方向を調整する際には、調整用の音が平面波音出力部61から出力されるので、これらの調整音が聞こえる位置により、出力方向を調整すれば良い。
また、本実施例では、出力方向の調整を各平面波音出力部60、61、62毎に個別に実施しており、このようにすることにより、各平面波音出力部60、61、62からの平面波音が干渉して、設定が良好にできなくなることを防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、平面波音出力部60、61、62から異なる調整用音の平面波音を出力して、各平面波音出力部60、61、62からの平面波音の出力方向を同時に調整するようにしても良い。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、平面波音出力部60、61、62を有することで、該パチンコ遊技機1の上部外周に沿ってパチンコ遊技機1の前方空間に音壁を形成することで、該パチンコ遊技機1から出力される演出音等が隣接する他のパチンコ遊技機1や対向する他のパチンコ遊技機1にて遊技する遊技者に到達して、該遊技者の音空間の品位が低下してしまうことを防止できるとともに、これら隣接する他のパチンコ遊技機1や対向する他のパチンコ遊技機1から出力された演出音等が当該パチンコ遊技機1にて遊技する遊技者に到達して、該遊技者の音空間の品位が低下してしまうことを防止できるようになっているが、本実施例では、これらパチンコ遊技機1に加えて、図1に示すように、該パチンコ遊技機1に対応設置される遊技用装置であるカードユニット300並びに呼び出しランプ400にも、平面波スピーカを設けて音壁を形成するようにすることで、各パチンコ遊技機1において遊技する遊技者の音空間の品位を更に向上できるようになっている。
ここで、これら遊技用装置である本実施例のカードユニット300と呼び出しランプ400について以下に説明する。
はじめに、本実施例のカードユニット300について説明する。本実施例のカードユニット300は、図1に示すように、パチンコ遊技機1に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行されるプリペイド記録媒体であるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行されるプリペイド機能を有する会員用記録媒体である会員カードを受付けて、パチンコ遊技機1における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、会員が所有している貯玉を再プレイに使用する処理を行う。
ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行される。
会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDと当該カードを個々に識別するための会員カードIDとが書き換え不能に記憶されている。また、会員遊技者は該会員カードを使用して、一度獲得して計数したパチンコ玉を、再度遊技に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、これら会員カードには、該貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら貯玉数は、会員管理コンピュータにおいて、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、カードユニット300とパチンコ遊技機1とは、払出単位として予め定められた複数個(本実施例では25個)のパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号、具体的には、パチンコ遊技機1から出力される台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)、カードユニット300より出力されるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)を送受可能とされたインターフェイスにて接続されている。
本実施例のカードユニット300の前面には、図1に示すように、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット300の状態を報知可能とされた多機能ランプ301、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、多機能ランプ301から突出部305に到る装置前面の両側外辺に沿って設けられた平面波スピーカであるフラットパネルスピーカ(FPS)330,331、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302が設けられている。
これら平面波スピーカであるフラットパネルスピーカ(FPS)330,331としては、前述したパチンコ遊技機1の平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bと同様に、高分子の振動膜上に多数のマイクロセル状のスピーコイルを配列したマルチ・セル・マイクロトランスデューサー・アレイ(MCMA)構造の公知の平面波スピーカを好適に使用することができる。
カードユニット300の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327(図11参照)のカードスロットに連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット300の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図1に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、再プレイボタン319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部320と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)からの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315と、カードユニット300の周囲音を集音するための集音マイク306と、が設けられており、該表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。
また、該突出部305内部には、表示部312を成す後述する液晶表示器313や各ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが、該突出部305に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット300内の下部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット300の略中央部位置には、該カードユニット300を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット300の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット300の各種の動作が制御されている。
図11は、本実施例のカードユニット300の構成を示すブロック図である。カードユニット300は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット300の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット300の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行う。
次に、本実施例の制御ユニット328について説明すると、制御ユニット328は、図11に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、カードリーダライタ327に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数等の各種のデータを記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット300の装置IDやフラットパネルスピーカ(FPS)330,331からの出力設定等の各種の設定情報等の各種のデータを書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施例の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の授受を行う専用のインターフェイスを介して、パチンコ遊技機1と接続されているとともに、遊技場内に設置されて、各パチンコ遊技機1やカードユニット300の管理を行うホールコンピュータや会員の貯玉等を管理する会員管理コンピュータや、各ビジターカードや会員カードに残存するプリペイド残額を管理するシステムコントローラにデータ通信可能に接続されている。
また、制御ユニット328には、対応するパチンコ遊技機1の上皿3に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付け中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット328は、突出部305に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット321による貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報に基づいて、制御ユニット328に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御、並びに図13に示すように、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付け中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用した玉貸を行う貸出処理や、返却ボタンの操作により受付け中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理や、貨幣の受付けに応じて、受付け中の会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額への入金する追加入金処理や、貯玉数を用いた再プレイ処理、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力により後述する設定画面を表示して設定を受付ける設定処理等の各種処理(図示略)を実行する。
また、カードユニット300には、図11に示すように、フラットパネルスピーカ(FPS)330,331を駆動するためのFPS駆動基板335が設けられている。
このFPS駆動基板335には、フラットパネルスピーカ(FPS)330,331が接続されているとともに、前述した集音マイク306が接続されている。
また、FPS駆動基板335には、集音マイク306にて集音した周囲音の位相を反転させる波形反転回路336や、該波形反転回路336にて位相反転された周囲音の信号を個別に増幅してフラットパネルスピーカ(FPS)330,331に供給するための増幅アンプ337が設けられており、フラットパネルスピーカ(FPS)330,331からは、該増幅アンプ337にて増幅された位相反転された周囲音が平面波として出力される。
このように、フラットパネルスピーカ(FPS)330,331から平面波音をカードユニット300の前方方向に出力することで、パチンコ遊技機1の場合と同様に、カードユニット300の前方に、カードユニット300の幅寸法とほぼ同じ間隔にて2つの音壁を形成することができ、図12に示すように、カードユニット300の左右両方向に隣接するパチンコ遊技機1から出力された音(演出音)が、カードユニット300の前方を横切って隣接する他のパチンコ遊技機1の前方領域に進行する場合には、該2つの音壁によって段階的に減衰されるので、これらの隣接するパチンコ遊技機1から出力された音(演出音)が他方のパチンコ遊技機1の前方領域に進入することを抑止できるようになる。
さらに、本実施例では、集音マイク306で集音した周囲音を位相反転した音をフラットパネルスピーカ(FPS)330,331から出力しているので、隣接するパチンコ遊技機1から出力された音(演出音)が、カードユニット300の前方を横切って隣接する他のパチンコ遊技機1の前方領域に進行する場合に、音の進行方向における2段目の音壁による減衰を著しく大きなものとすることができ、これら音壁を通過して他のパチンコ遊技機1の前方領域に進行する音の音圧を著しく低減することができる。
つまり、本実施例では、たとえば、パチンコ遊技機1の音声出力部27aから出力された演出音が、カードユニット300の前方を横切って他のパチンコ遊技機1の前方領域に進行する場合には、平面波音出力部60の音壁と、カードユニット300の2つの音壁と、更に、隣接するパチンコ遊技機1の平面波音出力部61の音壁を通過することが必要とされるので、これらカードユニット300を挟んで隣接するパチンコ遊技機1の音が、隣接する他のパチンコ遊技機1の前方領域に進入することを著しく抑止できるようになる。
また、本実施例のカードユニット300には、外部シリアル通知インターフェイス(I/F)333が設けられており、該外部シリアル通知インターフェイス(I/F)333を介して呼び出しランプ400とシリアル通信が可能に接続されていて、該呼び出しランプ400に設けられた平面波音出力部41からの出力設定を、カードユニット300において、フラットパネルスピーカ(FPS)330,331からの出力設定とともに実施できるようになっている。
ここで、本実施例の呼び出しランプ400について説明すると、該呼び出しランプ400は、図1に示すように、通常の呼び出しランプと同様に横長箱状の外観形状を有しており、中央部に呼び出しボタンスイッチ402が設けられ、該呼び出しボタンスイッチ402を操作することで、呼び出しランプ400の両端部に内蔵されているLEDモジュール404が点灯することで、係員(店員)への呼び出し要求があることが報知される。
本実施例の呼び出しランプ400の全面中央上部位置には、該呼び出しランプ400の周囲音を集音するための集音マイク409が設けられているとともに、該呼び出しランプ400の下部には、図1に示すように、横長帯状の載置台410が接続されており、該載置台410の前面に、並列配置された2つの平面波スピーカ411a,411bから成る平面波音出力部411が形成されていて、パチンコ遊技機1の平面波音出力部60,61,62と同じく、各平面波スピーカ411a,411bから出力される振幅(音圧)を異なる振幅(音圧)とすることで、平面波音出力部411から出力される平面波の出力方向を変更できるようになっている。
これら平面波スピーカ411a,411bは、前述したパチンコ遊技機1の平面波スピーカ60a,60b、61a,61b、62a,62bと同様に、高分子の振動膜上に多数のマイクロセル状のスピーコイルを配列したマルチ・セル・マイクロトランスデューサー・アレイ(MCMA)構造の公知の平面波スピーカを好適に使用することができる。
図14は、本実施例の呼び出しランプ400の構成を示すブロック図であり、呼び出しランプ400には、前述した呼び出しボタンスイッチ402やLEDモジュール404に加えて、該LEDモジュール404の点灯させるためのLED駆動部403、カードユニット300の外部シリアル通知インターフェイス(I/F)333とのシリアル通信を実施するためのシリアル通信部405、平面波スピーカ411a,411bを駆動するための駆動基板ユニット406、これらの各部に接続されて、呼び出しランプ400の動作制御を行うコントローラ401が設けられている。
この駆動基板ユニット406には、平面波スピーカ411a,411bが接続されているとともに、前述した集音マイク409が接続されている。
また、駆動基板ユニット406には、集音マイク409にて集音した周囲音の位相を反転させる波形反転回路407や、該波形反転回路407にて位相反転された周囲音の信号を個別に増幅して平面波スピーカ411a,411bに供給するための増幅アンプ408が設けられており、各平面波スピーカ411a,411bからは、該増幅アンプ408にて増幅された位相反転された周囲音が平面波として出力される。
このように、各平面波スピーカ411a,411bから平面波音を、対応するパチンコ遊技機1の平面波音出力部62と同様(図9参照)に、図12に示すように、所定の遊技位置にて遊技を行う遊技者の頭上部を通過するように、対応するパチンコ遊技機1の前方領域(空間)となる下方側に向けて出力することで、これら出力された平面波音にて形成される音壁により、対応するパチンコ遊技機1から出力された音が該音壁により減衰されて、該パチンコ遊技機1から出力された音の該上部領域(空間)への進行を抑止できるとともに、対応するパチンコ遊技機1の上部領域(空間)からパチンコ遊技機1の前方領域(空間)への音の進行を抑止できるようになる。
さらに、本実施例では、集音マイク409で集音した周囲音を位相反転した音を各平面波スピーカ411a,411bから出力しているので、対応するパチンコ遊技機1の上部領域(空間)からパチンコ遊技機1の前方領域(空間)へ進行する音の減衰を著しく大きなものとすることができ、これら音壁を通過して対応するパチンコ遊技機1の前方領域(空間)へ進行する音の音圧を著しく低減することができる。
つまり、本実施例では、たとえば、パチンコ遊技機1の音声出力部27aから出力された演出音が、呼び出しランプ400の上部領域(空間)に進行する場合には、平面波音出力部62の音壁と、呼び出しランプ400の平面波音出力部411による音壁を通過することが必要とされるとともに、これら呼び出しランプ400の上部領域(空間)からの音が対応するパチンコ遊技機1の前方領域(空間)に進行する場合にも、呼び出しランプ400の平面波音出力部411による音壁と平面波音出力部62の音壁とを通過する必要があるので、各パチンコ遊技機1から出力された演出音が呼び出しランプ400の上部領域(空間)を介して他のパチンコ遊技機1の前方領域(空間)へ進行してしまうことを抑止できるようになる。
ここで、これら呼び出しランプ400による音壁と、カードユニット300による音壁についての設定を実施する流れについて、図16に基づいて説明すると、呼び出しランプ400による音壁またはカードユニット300による音壁を設定したい場合において遊技場の店員は、所持しているカードユニット300用のリモコンをカードユニット300の突出部305に向けた状態で、該リモコンに設けられている「音壁設定」のボタンを操作する。
この操作に応じてリモコンから送信される赤外線信号を受信したIR受光ユニット315が制御ユニット328に対し、該「音壁設定」のボタンの操作に応じた所定の音壁設定要求信号を出力することに応じて、制御ユニット328は、表示部312に図16(a)に示す設定対象とする音壁を選択する選択メニューを含む音壁設定画面が表示される。
この音壁設定画面には、図16(a)に示すように、呼び出しランプ400の平面波音出力部411による音壁に対応する「呼び出し音壁」と、カードユニット300のフラットパネルスピーカ(FPS)331に対応する「右音壁」と、カードユニット300のフラットパネルスピーカ(FPS)330に対応する「左音壁」が表示されており、リモコンに設けられている上下キーを操作して、表示反転しているメニューを変更し、所望のメニューにおいてリモコンの決定ボタンを操作することで、表示反転しているメニューを選択することができる。
この音壁設定画面においては、呼び出しランプ400の平面波音出力部411による音壁の設定を実施したい場合には「呼び出し音壁」を選択すれば良く、カードユニット300のフラットパネルスピーカ(FPS)330による音壁の設定を実施したい場合には「右音壁」を選択すれば良く、カードユニット300のフラットパネルスピーカ(FPS)331による音壁の設定を実施したい場合には「左音壁」を選択すれば良い。
この音壁設定画面において「呼び出し音壁」を選択した場合には、該カードユニット300に呼び出しランプ400が接続されていることを条件に、図16(b)に示す呼び出し音壁調整画面が表示されて、呼び出しランプ400の平面波音出力部411から出力される平面波音の全体音量と、出力方向とを設定変更できるようになっている。
尚、該カードユニット300に呼び出しランプ400が接続されていない場合には、所定のエラー表示が表示されて、呼び出しランプ400が接続されていないことが報知される。
具体的には、平面波音出力部411から出力される平面波音の音量を大きくしたい場合には全体音量を「+」側に設定し、平面波音出力部411から出力される平面波音の音量を小さくしたい場合には全体音量を「−」側に設定すれば良い。
また、平面波音出力部411から出力される平面波音の出力方向が上方向過ぎて、遊技者の後方に良好な音壁が形成されない場合には、出力方向を順次、下方方向(数が多くなる方向)に移動させる一方、平面波音出力部411から出力される平面波音の出力方向が下方向過ぎて、音壁が遊技者の頭上を通過しないことで、遊技者を音壁にて覆うことができない場合には、出力方向を順次、上方向(数が少なくなる方向)に移動させることで、設定内容を含む変更要求がカードユニット300から呼び出しランプ400に出力され、該呼び出しランプ400のコントローラ401によって、下方側に設置された平面波スピーカ411bから出力される各平面波音の音圧(振幅)が段階的に変更(増減)されることで、平面波音出力部411から出力される平面波音の出力方向が変更される。
尚、図16(a)の音壁設定画面において「右音壁」または「左音壁」を選択した場合には、全体音量の調整表示のみを含む右音壁調整画面または左音壁調整画面が表示されることで、全体音量のみを設定変更できるようになっている。
このように、本実施例では、音壁設定を各カードユニット300においてリモコンを使用して実施できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音壁設定を、図17に示すように、音壁設定データをホールコンピュータから各ードユニット300に配信して、ホールコンピュータにおいて一括して集中設定できるようにしても良い。
この場合、1の遊技島に設置されている1のカードユニット300について該カードユニット300において設定した設定データを、ホールコンピュータが取得して、同一の遊技島に設置されている他のカードユニット300に対して、送信して音壁設定を実施するようにしても良い。
また、カードユニット300と同様に、パチンコ遊技機1の音壁設定についても、たとえば、音壁設定データを、カードユニット300を介して各パチンコ遊技機1に送信することで、各パチンコ遊技機1における音壁設定を、ホールコンピュータにおいて一括して集中設定できるようにしても良い。
また、本実施例のカードユニット300の制御ユニット328は、ホールコンピュータから通信部334を通じて、図17に示すように、緊急状態の発生を通知するための緊急情報を受信するようになっており、該緊急情報を受信したときに制御ユニット328は、図16(c)に示すように、緊急情報受信ウインドウを表示して緊急情報を受信したことと、面波音の出力が中断中であることを報知するとともに、カードユニット300に設けられているフラットパネルスピーカ(FPS)330,331からの平面波音の出力を中止する。そして、接続されている呼び出しランプ400に対して、該受信した緊急情報を中継することで、呼び出しランプ400のコントローラ401が、平面波音出力部411からの平面波の出力を中止するようになっており、このようにすることにより、カードユニット300や呼び出しランプ400による音壁の形成が中止されることにより、これら音壁の存在によって緊急放送や緊急誘導の声を遊技者が聞き取り難くなってしまうことを回避できるようになっている。
尚、本実施例では実施していないが、カードユニット300が対応するパチンコ遊技機1にも緊急情報を出力(入力)することで、パチンコ遊技機1の平面波音出力部60、61、62からの平面波の出力による音壁の形成を中止させて、音壁の存在によって緊急放送や緊急誘導の声を遊技者が聞き取り難くなってしまうことをさらに回避できるようにしても良い。
以上、本実施例によれば、パチンコ遊技機1の各平面波音出力部60,61,62からパチンコ遊技機1の前方に向けて高指向性の平面波音を出力することで、該平面波音により音壁が形成されるため、該パチンコ遊技機1から出力される演出音が他のパチンコ遊技機1の前方領域(空間)に進行(進入)することを該音壁によって抑止できるとともに、隣接する他のパチンコ遊技機1や対向設置されている他のパチンコ遊技機1から出力される演出音が、遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1の音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される演出音に混入することも該音壁によって抑止できるようになるので、遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1から出力される演出音を、他のパチンコ遊技機1から出力された演出音により聞き難くなることを抑止することができる。
また、本実施例によれば、平面波音を、平面波音出力部60、61、62から、パチンコ遊技機1の内方側に向けて出力することにより、平面波音にて形成される音壁によって遊技者を囲むことができるため、遊技者に到達する他のパチンコ遊技機1から出力された演出音をより一層低減できるので、遊技者が遊技中のパチンコ遊技機1から出力される演出音を、他のパチンコ遊技機1から出力された演出音により聞き難くなることをより一層抑止することができる。
また、本実施例によれば、音像の定位位置が、遊技者の近傍位置となるように音声出力部27a、27b、27c、27dから出力される音の出力が制御されるので、遊技者は、自身の近傍位置で音が鳴っているように聞こえるので、遊技者の臨場感を向上させることができるとともに、他のパチンコ遊技機1から出力される演出音により、これら音像の定位位置が影響されてしまうことも抑止できる。
また、本実施例によれば、逆位相音を平面波音として出力することで、平面波音による音壁に進入した演出音の減衰を高めることができるようになるので、該演出音が他のパチンコ遊技機1から出力される演出音に混入して、他のパチンコ遊技機1で遊技中の遊技者が演出音を聞き難くなることをより一層抑止することができるとともに、逆位相音が高指向性の平面波として出力されるので、これら逆位相音が演出音に混入してしまうことで、該逆位相音を出力する平面波音出力部が設けられているパチンコ遊技機1にて遊技中の遊技者が、演出音を聞き難くなってしまうことも回避できる。
また、本実施例によれば、特定演出となるスーパーリーチが発生するときには、平面波音の出力を中止されるので、これらスーパーリーチにおける演出音を他のパチンコ遊技機1で遊技中の遊技者が聴取できるようになるので、これらスーパーリーチの発生による他の遊技者の注目を集めることができる。尚、前記実施例では、特定演出としてスーパーリーチを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定演出を、出現確率が非常に少ないプレミアムリーチや、大当り中の演出や、所定の予告演出としても良い。
また、本実施例によれば、図10(b)に示す解除設定画面において、スーパーリーチが発生したときに、平面波音の出力を中止する制御を行って音壁を解除するか否かを遊技者が設定できるので、スーパーリーチが発生したときに、他の遊技者の注目を集めるか否かを遊技者が選択できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機1において、該パチンコ遊技機1の上部領域の外周に平面波音出力部を設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、図18に示すパチンコ遊技機1’に示すように、パチンコ遊技機1’の下部領域の外周にも、平面波音出力部63,64,65を設け、各平面波音出力部63,64,65から、音声出力部27c,27dから出力される音の逆位相音を、平面波音出力部60,61,62と同様に出力することで、これら音声出力部27c,27dから出力される音が、他のパチンコ遊技機で遊技中の遊技者に到達してしまうことを抑止するようにしても良い。
尚、これら遊技機の下部領域の外周に平面波音出力部63、64、65を設ける場合にあっては、更に、図18に示すように、平面波音出力部60,61についても、その長さを延長して、平面波音出力部63、64とほぼ連続するようにすることで、パチンコ遊技機1’の側部のほぼ全辺に渡って連続する音壁を形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、各パチンコ遊技機1にて遊技する遊技者に高品位の音空間を提供するために、パチンコ遊技機1だけでなく、該パチンコ遊技機1に対応して設置される遊技用装置であるカードユニット300と呼び出しランプ400においても、平面波を出力して、音壁を2重、3重とするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18に示すように、平面波音出力部を有しないカードユニット300’や呼び出しランプ400’を使用して、パチンコ遊技機1’のみに平面波音出力部を設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、平面波の出力方向を可変とするために、平面波音出力部60、61、62において、1対の平面波スピーカを並列配置しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら平面波音出力部60、61、62に、向きを機械的に変更可能な台座部を設けて、該台座部に1の平面波スピーカのみを配置して、該平面波スピーカの向きを台座部の方向を変更することで、平面波音出力部60、61、62から出力される平面波の出力方向を変化できるようにしても良い。
また、前記実施例では、平面波音出力部から良質な平面波音を単一の平面波スピーカにて出力できるようにするために、平面波音出力部をパチンコ遊技機1の外周近傍の平坦面に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、凹凸のある部分に長さの短い平面波スピーカを縦列して設け、各平面波スピーカからの平面波が均質な平面波となるように、凹凸によるこれら縦列した各平面波スピーカから出力される平面波のタイミングや位相のズレを補正することで、凹凸のある部分に平面波音出力部を形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技機として、遊技媒体であるパチンコ玉が払い出されるパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンや、これら遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
1 パチンコ遊技機
3 打球供給皿
6 遊技盤
9 変動表示装置
27a 音声出力部
27b 音声出力部
27c 音声出力部
27d 音声出力部
60 平面波音出力部
60a,60b 平面波スピーカ
61 平面波音出力部
61a,61b 平面波スピーカ
62 平面波音出力部
62a,62b 平面波スピーカ
103 下扉枠
156 遊技制御用マイクロコンピュータ
173 音声合成用IC
174 音声データROM
178 増幅回路
179 ミキサ回路
180 波形反転回路
300 カードユニット
306 集音マイク
312 表示部
328 制御ユニット
330 フラットパネルスピーカ
331 フラットパネルスピーカ
334 通信部
336 波形反転回路
337 増幅アンプ
400 呼び出しランプ
409 集音マイク
411 平面波音出力部
411a,411b平面波スピーカ
407 波形反転回路
408 増幅アンプ
500 操作レバー
516 ボタンスイッチ

Claims (6)

  1. 遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、略円状に形成された遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部を備える遊技機であって、
    前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方方向に向けて出力する平面波音出力部とを備える、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、扉枠に形成された窓から視認可能な遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部を備える遊技機であって、
    前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方方向に向けて出力する平面波音出力部とを備える、
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 遊技者が対面して所定の遊技を行うための遊技領域であって、変動表示装置が設けられた遊技領域の外周側の所定位置に、前記遊技に伴う演出音を出力する音出力部を備える遊技機であって、
    前記所定位置を前記遊技領域とで挟むように形成された領域に、高指向性の平面波音を該遊技機の前方方向に向けて出力する平面波音出力部とを備える、
    ことを特徴とする遊技機。
  4. 遊技機は、複数並設されるものであり、
    前記平面波音出力部は、前記音出力部の隣の遊技機の設置位置側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記平面波音出力部は、帯状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 特定条件が成立したときに前記平面波音出力部からの前記平面波音の出力を停止する出力停止手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の遊技機。
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