一次元方向の位置を検出する従来の位置検出装置では、受光面に対し十分に小さい点状のスポット光の入射が前提となっている。スポット光が受光面に入射することを想定しているが、スポット光の全部又は一部が受光面の周囲に拡がると、このスポット光は受光面の周囲から様々な方向に複数回の反射が繰り返され、一部の光は、受光面に至る。このように、受光面は、スポット光のうちで受光面に直接に入射した光だけでなく受光面の周囲において反射された光も受光する。また、入射光として、スポット光を用いずに、検出対象の一次元方向に対して直交する方向に拡がった光(例えば、スリットから入射するスリット光)を用いる場合、このスリット光の幅が、受光面の幅(検出対象の一次元方向に対して直交する方向における幅)よりも長い場合、スリット光の一部が受光面の周囲に入射し、受光面の周囲において複数回の反射が繰り返され、一部の光は、受光面に至る。このように、受光面は、スリット光のうちで受光面に直接に入射した光だけでなく受光面の周囲において反射された光も受光する。そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、位置検出の対象となる一次元方向に直交する方向に拡がった光が入射しても、この光の入射箇所の位置の検出を十分に精度良く行える位置検出装置を提供することである。
本発明の位置検出装置は、入射光の一次元方向の入射位置を検出する光学式の位置検出装置であって、絶縁基板と一次元位置検出素子と枠体部と外部接続用端子とを備えており、前記絶縁基板は、主面と第1の電極パッドと第2の電極パッドとを有しており、予め設定された範囲の波長の光に対する光吸収性を有する第1の材料から成っており、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとは、前記主面に設けられており、この順に前記絶縁基板の基線に沿って配置されており、前記基線は、前記主面に沿って延びており、前記一次元位置検出素子は、前記主面の上に設けられており、前記基線に沿って前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとの間に配置されており、第1の第1導電型電極と第2の第1導電型電極と光電変換部とを有しており、前記第1の電極パッド、前記第1の第1導電型電極、前記光電変換部、前記第2の第1導電型電極、前記第2の電極パッドは、この順に前記基線に沿って配置されており、前記第1の第1導電型電極は、前記第1の電極パッドにワイヤ接続されており、前記第2の第1導電型電極は、前記第2の電極パッドにワイヤ接続されており、前記光電変換部は、前記第1の第1導電型電極と前記第2の第1導電型電極とに接続されており、前記基線に沿って前記第1の第1導電型電極と前記第2の第1導電型電極との間に延びており、入射光を受け前記基線に沿って延びている受光面を有しており、入射光が前記受光面を介して入射し当該入射光の入射箇所において電荷を生成し、前記枠体部は、前記主面の上に設けられており、第1の貫通孔を有しており、前記範囲の波長の光に対する光吸収性を有する第2の材料からなっており、前記第1の貫通孔は、前記主面の側から略垂直に延びており、前記一次元位置検出素子を収容しており、前記外部接続用端子は、前記基線と前記主面とに直交し前記第1の第1導電型電極と前記第2の第1導電型電極との一方を通る基準面に対して前記一次元位置検出素子が配置されている側とは反対側に配置されており、前記一次元位置検出素子に接続されており、前記一次元位置検出素子は、入射光に応じて前記光電変換部において生成する電荷を前記第1の第1導電型電極と前記第2の第1導電型電極とのそれぞれから取り出されることによって前記基線の方向における当該入射光の入射箇所の特定ができる、ことを特徴とする。
第1の電極パッド、第1の第1導電型電極、第2の第1導電型電極、第2の電極パッド、外部接続用端子を含む金属からなる構成部が、基準面に対し一次元位置検出素子が配置されている側とは反対側に配置されているので、基線に対する一次元位置検出素子の両側に延在する領域には、少なくとも、第1の電極パッド、第1の第1導電型電極、第2の第1導電型電極、第2の電極パッド、外部接続用端子のような金属からなる構成部は配置されていない。従って、基線に直交する方向に拡がるスリット光が入射光として一次元位置検出素子に照射される場合に、この入射光の一部又は全部が、基線に対する一次元位置検出素子の両側に延在する領域で反射・散乱され、一次元位置検出素子の光電変換部にノイズ光として至ることが抑制される。更に、一次元位置検出素子を搭載する絶縁基板が、予め設定された範囲の波長の入射光に対する光吸収性を有しているので、入射光に対する一次元位置検出素子の周囲における反射率は、低減され、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。更に、一次元位置検出素子の周囲に延在する枠体部が、入射光に対する光吸収性を有しているので、入射光に対する一次元位置検出素子の周囲における反射率は、低減され、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。また、枠体部に設けられた第1の貫通孔に一次元位置検出素子が収容されているので、一次元位置検出素子の周囲が枠体部によって囲まれることとなり、よって、位置検出装置の外部(枠体部の周囲)から光が照射されても、枠体部によって遮られ、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。
本発明に係る位置検出装置では、入射光が入射する表面を有する保護部を更に備え、前記保護部は、前記範囲の波長の光に対し透明な第3の材料から成っており、前記第1の貫通孔から前記主面までの空隙に充填されており、前記一次元位置検出素子を覆っており、前記表面は、前記第1の貫通孔の開口縁から前記表面の中央に向けて窪んでおり、前記受光面の上にあり前記表面に含まれる領域は、前記受光面に対し略平坦である、ことが好ましい。
保護部によって一次元位置検出素子の受光面が保護されるので、受光面への埃等の付着を回避し、周囲の湿気等の環境から一次元位置検出素子を保護することができる。一次元位置検出素子の製造工程では、ダイシング時に枠体部をダイシングテープに接着し、絶縁基板の裏面を表側にして切断できるため、ダイシング屑の受光面への付着を防止できる。また、保護部の表面は、第1の貫通孔の開口縁から表面の中央に向けて窪んでいるので、保護部が第1の貫通孔の開口縁から突出している場合に比較して、ダイシング時に保護部が機械的な影響を受けることを回避できる。また、保護部の表面は受光面の上の領域においては略平坦なので、保護部の表面が第1の貫通孔の開口縁から表面の中央に向けて窪んでいても、受光面への入射光の光路に対する窪みによる影響は回避される。
本発明に係る位置検出装置では、複数の前記外部接続用端子を備え、当該複数の前記外部接続用端子のそれぞれは、前記主面の上からみて前記主面の中央部に対し略回転対称となるように配置される、ことが好ましい。
このように、複数の外部接続用端子が、絶縁基板の主面の中央部に対し略回転対称となっているので、基板設計時やアセンブリ時に、作業者は、位置検出装置の方向性を特に注意する必要がない。
本発明に係る位置検出装置では、遮光膜を更に備え、前記遮光膜は、前記主面と前記枠体部との間に設けられており、前記主面を覆っており、第2の貫通孔と第1の領域と第2の領域とを有しており、前記範囲の波長の光に対する光吸収性を有する第4の材料から成っており、前記第2の貫通孔は、前記絶縁基板の側から前記枠体部の側に向かって略垂直に延びており、前記第2の貫通孔の内側には、前記一次元位置検出素子が配置されており、前記第1の領域は、前記第1の第1導電型電極と前記第1の電極パッドとの間において、前記基線に直交する方向に延びており、前記第2の領域は、前記第2の第1導電型電極と前記第2の電極パッドとの間において、前記基線に直交する方向に延びている、ことが好ましい。
このように、遮光膜は、上記範囲の波長の光に対する光吸収性を有するので、この範囲の波長の入射光に対する一次元位置検出素子の周囲における反射率は、低減される。特に、遮光膜の第1の領域は、第1の第1導電型電極と第1の電極パッドとの間において、光の反射・散乱を抑制でき、遮光膜の第2の領域は、第2の第1導電型電極と第2の電極パッドとの間において、光の反射・散乱を抑制できる。よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。また、遮光膜は、第2の貫通孔の内側にある一次元位置検出素子の設置場所を囲んでいるので、一次元位置検出素子を絶縁基板の主面にダイボンドする際にダイボンド用の導電性の樹脂が拡散するのを抑制できる。
本発明に係る位置検出装置では、前記遮光膜は、第3の領域と第4の領域とを有しており、前記第3の領域と前記第4の領域との間には、前記一次元位置検出素子が配置されており、前記第3の領域と前記第4の領域とは、前記基線の方向に延びており、前記第3の領域、前記一次元位置検出素子、前記第4の領域は、前記主面の上からみて前記基線に直交する方向に、この順に配置されている、ことが好ましい。
このように、遮光膜の第3の領域と第4の領域とが基線の方向に延びており、第3の領域と第4の領域とは一次元位置検出素子の光電変換部に比較的に近い位置にあるので、一次元位置検出素子の周囲における入射光に対する反射率は、より一層に低減され、よって、光電変換部へのノイズ光の入射も、より一層に低減される。
本発明に係る位置検出装置では、前記第1の貫通孔の開口の形状は、前記主面の上からみて、角が丸められた略多角形を成す、ことが好ましい。
このように、前記主面の上からみて角が丸められた略多角形状の開口の第1の貫通孔を有する枠体部は、角が丸められていない形状の開口の貫通孔の場合に比較して、機械的な強度が向上される。
本発明に係る位置検出装置では、前記絶縁基板は、第3の電極パッドを有しており、前記第3の電極パッドは、前記主面に設けられており、前記第1の電極パッド、前記第3の電極パッド、前記第2の電極パッドは、この順に前記基線に沿って配置されており、前記一次元位置検出素子は、第2導電型電極を有しており、前記第3の電極パッドを覆うように配置されており、前記第2導電型電極は、前記受光面の反対側にある前記一次元位置検出素子の裏面に設けられており、前記第3の電極パッドに接続されている、ことが好ましい。
第3の電極パッドは、絶縁基板の主面の上からみて、一次元位置検出素子と重なる位置に配置されているが、一次元位置検出素子によって覆われるので、露出しない。従って、第3の電極パッドによって反射・散乱する光は低減され、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。
本発明に係る位置検出装置では、前記一次元位置検出素子は、前記光電変換部を保持するための枠部を有しており、前記枠部は、前記一次元位置検出素子の外周に沿って延在しており、前記範囲の波長の光に対する光吸収性を有する第5の材料から成る表面を含んでいる、ことが好ましい。
枠部の表面は、入射光に対する光吸収性を有するので、入射光が枠部によって反射・散乱されることなく、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は低減される。
本発明に係る位置検出装置では、前記枠体部は、第5の領域と第6の領域とを有し、前記第5の領域と前記第6の領域とは、前記基線の方向に延びており、前記第5の領域、前記一次元位置検出素子、前記第6の領域は、前記主面の上からみて前記基線に直交する方向に、この順に配置される、ことが好ましい。
このように、枠体部の第5の領域と第6の領域とが基線の方向に延びており、第5の領域と第6の領域とは一次元位置検出素子の光電変換部5bに比較的に近い位置にあるので、一次元位置検出素子の周囲における入射光に対する反射率は、より一層に低減され、よって、光電変換部へのノイズ光の入射も、より一層に低減される。また、枠体部の第5の領域と第6の領域とが基線の方向に延びているので、位置検出装置の外部(枠体部の周囲)から光が照射されても、この光は第5の領域と第6の領域とによって遮られ、よって、光電変換部へのノイズ光の入射は、低減される。
本発明によれば、位置検出の対象の一次元方向に対して直交する方向に拡がった光が入射しても、この光の入射箇所の位置の検出を十分に精度良く行える位置検出装置を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1、図2、図3、図4及び図5を参照して、実施形態に係る位置検出装置1の構成を説明する。
位置検出装置1は、入射光の入射位置の一次元方向(基線A1)の変化を検出する光学式の位置検出装置である。位置検出装置1は、絶縁基板3と一次元位置検出素子5と枠体部7とを備える。位置検出装置1は、外部接続用端子9a,9b,9c,9dを備える。位置検出装置1は、保護部11と遮光膜13とを更に備える。
絶縁基板3は、主面3aと電極パッド3b1と電極パッド3b2とを有している。絶縁基板3は、予め設定された範囲の波長(以下、波長λという)の光に対する光吸収性を有する材料から成っている。可視光から近赤外光を検出する場合、黒色のガラスエポキシ基板が有効である。絶縁基板3は、電極パッド3cを有している。電極パッド3b1と電極パッド3b2とは、主面3aに設けられている。電極パッド3cは、主面3aに設けられている。基線A1は、主面3aに沿って延びている。電極パッド3b1、電極パッド3c、電極パッド3b2は、この順に基線A1に沿って配置されている。
絶縁基板3は、裏面3eを有する。裏面3eは、主面3aの反対側にある。裏面3eの上には、裏面電極パッド3da,3db,3dc,3ddが設けられている。裏面電極パッド3daは、外部接続用端子9aに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3daは、外部接続用端子9aに接続している。裏面電極パッド3dbは、外部接続用端子9bに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3dbは、外部接続用端子9bに接続している。裏面電極パッド3dcは、外部接続用端子9cに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3dcは、外部接続用端子9cに接続している。裏面電極パッド3ddは、外部接続用端子9dに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3ddは、外部接続用端子9dに接続している。裏面電極パッド3da,3db,3dc,3ddは、主面3aの中央部C1に対し略回転対称となるように配置されている。
遮光膜13は、主面3aと枠体部7との間に設けられている。遮光膜13は、主面3aを覆っている。遮光膜13は、貫通孔13aと領域13b1と領域13b2とを有している。遮光膜13は、波長λの光に対する光吸収性を有する材料から成っている。可視光から近赤外光を検出する場合、黒色レジストが有効である。
貫通孔13aは、絶縁基板3の側から枠体部7の側に向かって略垂直に延びている。貫通孔13aの内側には、一次元位置検出素子5が配置されている。貫通孔13aからは、一次元位置検出素子5が露出している。貫通孔13aの内側には、電極パッド3cが配置されている。領域13b1は、電極パッド3b1と一次元位置検出素子5のアノード電極5a1(第1の第1導電型電極)との間において、基線A1に直交する方向に延びている。領域13b2は、電極パッド3b2と一次元位置検出素子5のアノード電極5a2(第2の第1導電型電極)との間において、基線A1に直交する方向に延びている。
遮光膜13は、領域13d1と領域13d2とを有している。領域13d1と領域13d2との間には、一次元位置検出素子5が配置されている。領域13d1と領域13d2とは、基線A1の方向に延びている。領域13d1、一次元位置検出素子5、領域13d2は、主面3aの上からみて基線A1に直交する方向に、この順に配置されている。
遮光膜13は、貫通孔13c1と貫通孔13c2とを有する。貫通孔13aは、貫通孔13c1と貫通孔13c2との間に設けられている。貫通孔13c1、貫通孔13a、貫通孔13c2は、この順に基線A1に沿って配置されている。貫通孔13c1の内側には、電極パッド3b1が配置されている。貫通孔13c1からは、電極パッド3b1が露出している。貫通孔13c2の内側には、電極パッド3b2が配置されている。貫通孔13c2からは、電極パッド3b2が露出している。
一次元位置検出素子5は、主面3aの上に設けられている。一次元位置検出素子5は、基線A1に沿って電極パッド3b1と電極パッド3b2との間に配置されている。一次元位置検出素子5は、アノード電極5a1とアノード電極5a2と光電変換部5bとを有している。電極パッド3b1、アノード電極5a1、光電変換部5b、アノード電極5a2、電極パッド3b2は、この順に基線A1に沿って配置されている。アノード電極5a1は、電極パッド3b1にワイヤW1を介してワイヤ接続されている。アノード電極5a2は、電極パッド3b2にワイヤW2を介してワイヤ接続されている。ワイヤW1,W2は、例えば、Auなどの金属からなる。
光電変換部5bは、アノード電極5a1とアノード電極5a2とに接続されている。光電変換部5bは、基線A1に沿ってアノード電極5a1とアノード電極5a2との間に延びている。光電変換部5bは、入射光を受け基線A1に沿って延びている受光面5cを有している。光電変換部5bは、入射光が受光面5cを介して、入射と当該入射光の入射箇所において電荷を生成する。
一次元位置検出素子5は、入射光に応じて光電変換部5bにおいて生成する電荷をアノード電極5a1とアノード電極5a2とのそれぞれから取り出されることによって基線A1の方向における当該入射光の入射箇所の特定ができる。一次元位置検出素子5は、カソード電極5d(第2導電型電極)を有しており、電極パッド3cを覆うように配置されている。カソード電極5dは、受光面5cの反対側にある一次元位置検出素子5の裏面の側に設けられている。カソード電極5dは、ダイボンド用の導電性の樹脂を介してカソード電極5dに接続されている。ダイボンド用樹脂にはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などが主に用いられる。
一次元位置検出素子5は、枠部5eを有している。枠部5eは、一次元位置検出素子5の外周に設けられている。枠部5eは、一次元位置検出素子5の外周に沿って延在している。枠部5eは、波長λの光に対する光吸収性を有する材料から成る表面5e1を含んでいる。可視光から近赤外光を検出する場合、黒色レジストが有効である。
枠体部7は、主面3aの上に設けられている。枠体部7は、貫通孔7aを有している。枠体部7は、波長λの光に対する光吸収性を有する材料からなっている。可視光から近赤外光を検出する場合、黒色のガラスエポキシ基板が有効である。貫通孔7aは、主面3aの側から略垂直に延びている。貫通孔7aは、一次元位置検出素子5を収容している。貫通孔7aの開口(例えば開口縁7b)の形状は、主面3aの上からみて、角が丸められた略多角形(例えば長方形)を成す。枠体部7は、領域7c1と領域7c2とを有している。領域7c1と領域7c2とは、基線A1の方向に延びている。領域7c1、一次元位置検出素子5、領域7c2は、主面3aからみて基線A1に直交する方向に、この順に配置されている。
外部接続用端子9a,9b,9c,9dのそれぞれは、主面3aの上からみて主面3aの中央部C1に対し略回転対称となるように配置されている。外部接続用端子9aと外部接続用端子9cとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a1を通る基準面B1に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されている。外部接続用端子9bと外部接続用端子9dとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a2を通る基準面B2に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されている。外部接続用端子9a,9b,9c,9dのそれぞれは、一次元位置検出素子5に接続されている。
絶縁基板3は、裏面3eを有する。裏面3eは、主面3aの反対側にある。裏面3eの上には、裏面電極パッド3da,3db,3dc,3ddが設けられている。裏面電極パッド3daは、外部接続用端子9aに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3dbは、外部接続用端子9bに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3dcは、外部接続用端子9cに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3ddは、外部接続用端子9dに対応している箇所に配置されている。裏面電極パッド3da,3db,3dc,3ddは、主面3aの中央部C1に対し略回転対称となるように配置されている。
裏面電極パッド3daは、外部接続用端子9aに接続している。裏面電極パッド3dbは、外部接続用端子9bに接続している。裏面電極パッド3dcは、外部接続用端子9cに接続している。裏面電極パッド3ddは、外部接続用端子9dに接続している。裏面電極パッド3da,3db,3dc,3ddのそれぞれは、外部接続用端子9a,9b,9c,9dのそれぞれを介して、一次元位置検出素子5に接続されている。
絶縁基板3、遮光膜13及び枠体部7からなる素子本体の側面には、厚み方向に延びる四つの溝(端子取付部SHa,SHb,SHc,SHd)が設けられている。端子取付部SHaの内壁には外部接続用端子9aが設けられている。端子取付部SHbの内壁には外部接続用端子9bが設けられている。端子取付部SHcの内壁には外部接続用端子9cが設けられている。端子取付部SHdの内壁には外部接続用端子9dが設けられている。端子取付部SHaと端子取付部SHcとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a1を通る基準面B1に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されている。端子取付部SHbと端子取付部SHdとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a2を通る基準面B2に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されている。
保護部11は、入射光が入射する表面11aを有する。保護部11は、貫通孔7aから主面3aまでの空隙に充填されている。保護部11は、一次元位置検出素子5を覆っている。表面11aは、貫通孔7aの開口縁7bから表面11aの中央に向けて窪んでいる。受光面5cの上にあり表面11aに含まれる領域11bは、受光面5cに対し略平坦である。
保護部11は、波長λの光に対し透明な材料(例えば、ポッティング用の樹脂)から成っている。保護部11は、アセンブリ時のリフローの際の熱変動による影響(割れ等)を比較的に受けない材料からなる。保護部11には、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂が用いられる。
次に、位置検出装置1の作用・効果を説明する。まず、絶縁基板3は、波長λの光に対する光吸収性を有する材料から成っており、一次元位置検出素子5は、基線A1に沿って電極パッド3b1と電極パッド3b2との間に配置されており、電極パッド3b1、アノード電極5a1、光電変換部5b、アノード電極5a2、電極パッド3b2は、この順に基線A1に沿って配置されており、枠体部7は、波長λの光に対する光吸収性を有する材料からなっており、貫通孔7aは、一次元位置検出素子5を収容しており、外部接続用端子9aと外部接続用端子9cとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a1を通る基準面B1に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されており、外部接続用端子9bと外部接続用端子9dとは、基線A1と主面3aとに直交しアノード電極5a2を通る基準面B2に対して一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されている。このように、電極パッド3b1,3b2、アノード電極5a1,5a2、外部接続用端子9a,9b,9c,9dを含む金属からなる構成部が、基準面B1及び基準面B2に対し一次元位置検出素子5が配置されている側とは反対側に配置されているので、基線A1に対する一次元位置検出素子5の両側に延在する領域には、少なくとも、電極パッド3b1,3b2、アノード電極5a1,5a2、外部接続用端子9a,9b,9c,9dのような金属からなる構成部は配置されていない。従って、基線A1に直交する方向に拡がるスリット光が入射光として一次元位置検出素子5に照射される場合に、この入射光の一部又は全部が、基線A1に対する一次元位置検出素子5の両側に延在する領域で反射・散乱され、一次元位置検出素子5の光電変換部5bにノイズ光として至ることが抑制される。更に、一次元位置検出素子5を搭載する絶縁基板3が、波長λの入射光に対する光吸収性を有しているので、入射光に対する一次元位置検出素子5の周囲における反射率は、低減され、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。更に、一次元位置検出素子5の周囲に延在する枠体部7が、入射光に対する光吸収性を有しているので、入射光に対する一次元位置検出素子5の周囲における反射率は、低減され、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。また、枠体部7に設けられた貫通孔7aに一次元位置検出素子5が収容されているので、一次元位置検出素子5の周囲が枠体部7によって囲まれることとなり、よって、位置検出装置1の外部(枠体部7の周囲)から光が照射されても、枠体部7によって遮られ、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。
また、保護部11は、波長λの光に対し透明な材料から成っており、表面11aは、貫通孔7aの開口縁7bから表面11aの中央に向けて窪んでおり、受光面5cの上にあり表面11aに含まれる領域11bは、受光面5cに対し略平坦である。このように、保護部11によって一次元位置検出素子5の受光面5cが保護されるので、受光面5cへの屑等の付着を回避できる。又、一次元位置検出素子5が直接に外部環境にさらされることがないため、周囲の湿気等の環境から一次元位置検出素子5を保護できる。一次元位置検出素子5の製造工程では、ダイシング時に枠体部7をダイシングテープに接着し、絶縁基板3の裏面3eを表側にして切断できるので、ダイシング屑の受光面5cへの付着を防止できる。また、保護部11の表面11aは、貫通孔7aの開口縁7bから表面11aの中央に向けて窪んでいるので、保護部11が貫通孔7aの開口縁7bから突出している場合に比較して、ダイシング時に保護部11が機械的な影響を受けることを回避できる。また、保護部11の表面11aは受光面5cの上の領域11bにおいては略平坦なので、保護部11の表面11aが貫通孔7aの開口縁7bから表面11aの中央に向けて窪んでいても、受光面5cへの入射光の光路に対する窪みによる影響は回避される。
また、外部接続用端子9a,9b,9c,9dのそれぞれは、主面3aの上からみて主面3aの中央部C1に対し略回転対称となるように配置されている。このように、外部接続用端子9a等が、絶縁基板3の主面3aの中央部C1に対し略回転対称となっているので、基板設計時やアセンブリ時に、作業者は、位置検出装置1の方向性を特に注意する必要がない。
また、遮光膜13は、主面3aを覆っており、波長λの光に対する光吸収性を有する材料から成っており、貫通孔13aの内側には、一次元位置検出素子5が配置されており、領域13b1は、アノード電極5a1と電極パッド3b1との間において、基線A1に直交する方向に延びており、領域13b2は、アノード電極5a2と電極パッド3b2との間において、基線A1に直交する方向に延びている。このように、遮光膜13は、波長λの光に対する光吸収性を有するので、波長λの入射光に対する一次元位置検出素子5の周囲における反射率は、低減される。特に、遮光膜13の領域13b1は、アノード電極5a1と電極パッド3b1との間において、光の反射・散乱を抑制でき、遮光膜13の領域13b2は、アノード電極5a2と電極パッド3b2との間において、光の反射・散乱を抑制できる。よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。更に、遮光膜13は、貫通孔13aの内側にある一次元位置検出素子5の設置場所を囲んでいるので、一次元位置検出素子5を絶縁基板3の主面3aにダイボンドする際にダイボンド用の導電性の樹脂が拡散するのを抑制できる。
また、領域13d1と領域13d2との間には、一次元位置検出素子5が配置されており、領域13d1と領域13d2とは、基線A1の方向に延びており、領域13d1、一次元位置検出素子5、領域13d2は、主面3aの上からみて基線A1に直交する方向に、この順に配置されている。このように、遮光膜13の領域13d1と領域13d2とが基線A1の方向に延びており、領域13d1と領域13d2とは一次元位置検出素子5の光電変換部5bに比較的に近い位置にあるので、一次元位置検出素子5の周囲における入射光に対する反射率は、より一層に低減され、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射も、より一層に低減される。
また、貫通孔7aの開口の形状(貫通孔7aの開口縁7b)は、主面3aの上からみて、角が丸められた略多角形を成す。このように、主面3aの上からみて角が丸められた略多角形状の開口の貫通孔7aを有する枠体部7は、角が丸められていない形状の開口の貫通孔の場合に比較して、機械的な強度が向上される。
また、電極パッド3b1、電極パッド3c、電極パッド3b2は、この順に基線A1に沿って配置されており、一次元位置検出素子5は、電極パッド3cを覆うように配置されている。このように、電極パッド3cは、主面3aの上からみて、一次元位置検出素子5と重なる位置に配置されているが、一次元位置検出素子5によって覆われるので、露出しない。従って、電極パッド3cによって反射・散乱する光は低減され、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。
また、枠部5eは、一次元位置検出素子5の外周に沿って延在しており、波長λの光に対する光吸収性を有する材料から成る表面5e1を含んでいる。枠部5eの表面5e1は、入射光に対する光吸収性を有するので、入射光が枠部によって反射・散乱されることなく、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は低減される。
また、枠体部7の領域7c1と領域7c2とは、基線A1の方向に延びており、領域7c1、一次元位置検出素子5、領域7c2は、主面3aの上からみて基線A1に直交する方向に、この順に配置されている。このように、枠体部7の領域7c1と領域7c2とが基線A1の方向に延びており、領域7c1と領域7c2とは一次元位置検出素子5の光電変換部5bに比較的に近い位置にあるので、一次元位置検出素子5の周囲における入射光に対する反射率は、より一層に低減され、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射も、より一層に低減される。また、枠体部7の領域7c1と領域7c2とが基線A1の方向に延びているので、位置検出装置1の外部(枠体部7の周囲)から光が照射されても、この光は領域7c1と領域7c2とによって遮られ、よって、光電変換部5bへのノイズ光の入射は、低減される。
次に、図6、図7、図8を参照して、位置検出装置1の実施例を説明する。位置検出装置1の実施例によって実際に検出された基線A1の方向の位置の検出誤差を、図6に示す。図6に示す結果は、次のようにして得られた。まず、位置検出装置1の実施例は、CPUとメモリとを有する測定装置に接続されていた。CPUは、一次元位置検出素子5からの出力に基づいて基線A1の方向の位置の値を示すデータを取得する。メモリは、一次元位置検出素子5からの出力値を示すデータ(出力データという)とCPUによって取得される基線A1の方向の位置の値を示すデータ(位置データという)とを読み出し可能に格納する。
そして、一次元位置検出素子5を駆動状態に維持し、図7に示すように、一次元位置検出素子5の光電変換部5bの受光面5cの全面に対し、スポット光Spを、基線A1の方向と基線A1に直交する方向とにおいて、50μmのピッチLの間隔をあけて、複数回に分けて照射し、それぞれのスポット光Spに応じた一次元位置検出素子5からの出力データを、スポット光Spの照射箇所(基線A1の方向における位置と基線A1に直交する方向における位置とによって特定される二次元座標)と関連付けて、測定装置のメモリに格納した。
スポット光Spは円形状であり、スポット光Spの半径は、スポット光Spの照射のピッチLと略同様であった。また、図8に示すように、基線A1の方向における位置が同一の複数のスポット光Sp(基線A1に直交する方向に配置される複数のスポット光Sp)が画定する形状は、ピッチLの2倍の長さの幅のスリット状領域Stと略同一となる。
複数のスポット光Spを受光面5cの全面に照射した後、基線A1の方向にピッチLの間隔をあけて配置された複数のスリット状領域St(スリット状領域Stは基線A1に直交する方向に延びている)のそれぞれを画定する複数のスポット光Spによる出力データを合算し、この合算した値を、それぞれのスリット状領域Stに照射された場合の出力データ(以下、スリット出力データという)として、測定装置のメモリに格納した。より具体的には、スリット出力データは、スリット状領域Stの基線A1の方向における位置と、このスリット状領域Stにおけるスリット出力データを得るために合算されたスポット光Spの出力データの数(このスリット状領域Stを画定するスポット光Spの数であり、このスポット光Spの数は、基線A1に直交する方向におけるスリット状領域Stの長さに一意的に対応している)と、に関連付けて、測定装置のメモリに格納された。基線A1に直交する方向におけるスリット状領域Stの長さを、以下、単にスリット状領域Stの長さという。スリット状領域Stは、基線A1に直交する方向に延びており、基線A1に直交する方向におけるスリット状領域Stの中心は、光電変換部5bの受光面5cの中心軸(基線A1に直交する方向における受光面5cの中心を通り、基線A1に平行な軸)の上にあった。受光面5cとスリット状領域Stとは、この中心軸に対し軸対称であった。
スリット状領域Stの長さは、5通りであった。スリット状領域Stの長さの5通りの内訳は、800μm(受光面5cの中心軸から±400μmの範囲)、1000μm(受光面5cの中心軸から±500μmの範囲)、1500μm(受光面5cの中心軸から±750μmの範囲)、3000μm(受光面5cの中心軸から±1500μmの範囲)、3500μm(受光面5cの中心軸から±1750μmの範囲)、となっている。
次に、測定装置のCPUは、測定装置のメモリに格納されたスリット出力データを用いて基線A1の方向におけるスリット状領域Stの位置を算出し、更に、当該スリット状領域Stの実際の位置との差分を算出した。この差分は、検出誤差データとして、スリット状領域Stの実際の位置と当該スリット状領域Stの長さとに関連付けて、測定装置のメモリに格納された。測定装置のメモリに格納された検出誤差データは、図6に示されている。
図6に示す横軸は、基線A1の方向における光電変換部5bの受光面5cの位置(スリット状領域Stの位置)を示しており、図6に示す横軸の中心(0μm)は、基線A1の方向における光電変換部5bの受光面5cの中心に対応している。図6に示す縦軸は、位置検出装置1によって検出されたスリット状領域Stの位置の検出誤差(測定装置のメモリに格納された検出誤差データが示す値)を示している。図6を参照すれば、スリット状領域Stと同等なスリット光の照射による位置検出装置1の検出誤差が、基線A1の方向における受光面5cの中心から離れるに従って、略一定の割合で(線形に)、増加していることが認められる。このように、位置検出装置1による検出誤差に線形的な系統性が認められるので、この検出誤差は、コンピュータによる計算によって容易に且つ十分に除去できることがわかる。従って、位置検出装置1による位置の検出は、十分に高精度に行われることができることがわかった。なお、図6に示す検出誤差が急激に増加している位置は、基線A1方向における受光面5cの端部に対応していた。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本実施形態は、第1導電型をアノードとし、第2導電型をカソードとして説明したが、これに限らず、第1導電型をカソードとし、第2導電型をアノードとしてもよく、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。