JP5947048B2 - 流体加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体加熱装置に関するものである。
流体加熱装置としては、特許文献1に示すように、中空導体管を通電加熱して、当該導体管の内部を流れる流体を加熱して加熱流体を発生するものがある。この流体加熱装置では、導体管の両端部に設けた電極から交流電圧が印加されて、導体管の側壁に交流電流が流れることにより、導体管の内部抵抗により発生するジュール熱によって導体管が自己発熱する。この導体管の自己発熱によって、当該導体管を流れる流体が加熱される。
しかしながら、導体管の両端部に交流電圧を印加するものでは、導体管が有するインダクタンスによって電圧降下が生じ、当該導体管に交流電圧を印加する回路の力率が低下するという問題がある。
特開2011−86443号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、内部に流体が流れる導体管に交流電圧を印加して通電加熱する流体加熱装置において、回路力率を改善して設備効率を向上させることをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る流体加熱装置は、内部に流体が流れる導体管に交流電圧を印加して通電加熱し、前記導体管内を流れる流体を加熱する流体加熱装置であって、1つの導体管又は電気的に互いに接続された複数の導体管からなる流体加熱部を備えており、前記流体加熱部のインピーダンス値を偶数等分して形成される偶数個の分割要素の両端部に交流電源からの交流電圧を印加するとともに、前記分割要素に流れる電流が互いに逆向きとされて、偶数個の分割要素それぞれに生じる磁束が全体として打ち消し合うように構成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、流体加熱部のインピーダンス値を偶数に略等分して形成される複数の分割要素それぞれに流れる電流が互いに逆向きとされて、全体として打ち消し合うように構成されているので、導体管が有するインダクタンスによる電圧降下を抑制して力率を改善することができる。したがって、流体加熱装置の設備効率を向上させることができる。
前記導体管の具体的な実施の態様としては、前記導体管が螺旋状に巻回されていることが望ましい。これならば、以下に示すように、種々の構成により、インダクタンスによる電圧降下を抑制して力率を改善することができる。
前記偶数個の分割要素が、前記導体管を螺旋状に巻回して構成された偶数の導体管層であり、前記複数の導体管層それぞれのインピーダンス値が互いに略等しくなるように構成されており、前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が互いに逆方向となるように同心円状に配置されており、前記各導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、前記各導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加されることが望ましい。これならば、偶数の導体管層の全てにおいて一端側を一方の極性に接続し、他端側を他方の極性に接続すればよいので、回路構成を簡単にすることができる。
前記偶数個の分割要素が、前記導体管を螺旋状に巻回して構成された偶数の導体管層であり、前記複数の導体管層それぞれのインピーダンス値が互いに略等しくなるように構成されており、前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように同心円状に配置されており、互いに隣接する導体管層のうち一方の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加されるとともに、当該一方の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加され、前記互いに隣接する導体管層のうち他方の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加されるとともに、当該他方の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加されることが望ましい。このような構成のものであっても、インダクタンスによる電圧降下を抑制して力率を改善することができる。
前記偶数個の分割要素が、前記導体管を螺旋状に巻回して構成された偶数の導体管層であり、前記複数の導体管層それぞれのインピーダンス値が互いに略等しくなるように構成されており、前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように同心円状に連続して巻回されており、前記各導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、前記各導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加されることが望ましい。これならば、1つの導体管を多重に巻回して1つの構成要素により流体加熱部を構成することができ、部品点数を削減し、取り扱いを容易にすることができる。
また、本発明に係る流体加熱装置は、内部に流体が流れる導体管に交流電圧を印加して通電加熱し、前記導体管内を流れる流体を加熱する流体加熱装置であって、1つの導体管又は電気的に互いに接続された複数の導体管からなる流体加熱部を備えており、前記流体加熱部のインピーダンス値を偶数等分して形成される偶数個の分割要素を、当該分割要素に流れる電流が互いに逆向きとなり、偶数個の分割要素それぞれに生じる磁束が全体として打ち消し合うように構成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、流体加熱部のインピーダンス値を偶数に略等分して形成される複数の分割要素それぞれに流れる電流が互いに逆向きとされて、全体として打ち消し合うように構成されているので、導体管が有するインダクタンスによる電圧降下を抑制して力率を改善することができる。したがって、流体加熱装置の設備効率を向上させることができる。
前記偶数個の分割要素が、前記導体管を螺旋状に巻回して構成された偶数の導体管層であり、前記複数の導体管層それぞれのインピーダンス値が互いに略等しくなるように構成されており、前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように同心円状に配置されており、前記偶数の導体管層を電気的に直列となるように接続するとともに、直列接続された偶数の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、直列接続された偶数の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加されることが望ましい。これならば、直列接続された偶数の導体管層の一端側及び他端側に交流電源を接続すればよく、回路構成を簡単化することができる。
螺旋状に巻回された導体管層の巻芯中空部及び導体管層の外側の少なくとも一方に磁気回路用磁性体が設けられていることが望ましい。これならば、導体管層を通電することにより生じる磁束を磁性体に沿って通すことができ、各導体管層を通電することにより生じる磁束を互いに打ち消し易くすることができる。
導体管は螺旋状をなすものに限られず、前記導体管が直管状をなすものであっても良い。これならば、導体管の構成を極めて簡単にすることができる。
このように構成した本発明によれば、内部に流体が流れる導体管に交流電圧を印加して通電加熱する流体加熱装置において、回路力率を改善して設備効率を向上させることができる。
本実施形態に係る流体加熱装置の構成を模式的に示す図。 同実施形態における流体加熱装置の流体加熱部の構成を示す図。 同実施形態における流体加熱装置の流体加熱部の構成を示す図。 同実施形態における流体加熱装置の流体加熱部の構成を示す図。 同実施形態における流体加熱装置の流体加熱部の構成を示す図。 1層巻の螺旋状コイル試験の回路構成及び試験結果を示す図。 2層巻の螺旋状コイル試験の回路構成及び試験結果を示す図。 2段2層巻の螺旋状コイル試験の回路構成及び試験結果を示す図。 直管状導体管試験の回路構成及び試験結果を示す図。
以下に本発明に係る流体加熱装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る流体加熱装置100は、図1に示すように、内部に流体が流れる中空の導体管2に交流電源4からの交流電圧を印加して直接通電し、導体管2の内部抵抗により発生するジュール熱によって導体管2を加熱することにより、当該導体管2を流れる流体を加熱するものである。
具体的にこのものは、1つの導体管2又は電気的に互いに接続された複数の導体管2からなる流体加熱部3を備えている。
この流体加熱部3は、図2〜図5に示すように種々の構成とすることができる。
図2に示す流体加熱部3は、交流電源4を含む交流回路により電気的に接続された2つの導体管2から構成されるものであり、流体加熱部3全体のインピーダンス値を偶数等分して形成される偶数個(本実施形態では2個)の分割要素3a、3bの両端部に交流電源4からの交流電圧が印加される。
各分割要素3a、3bは、加熱対象の流体が流入又は流出する流体出入口2Px、2Pyを両端に有する導体管2を螺旋状に巻回して構成された導体管層である。そして、2つの分割要素である2つの導体管層3a、3bのインピーダンス値は、巻回数、管長、管径、肉厚、巻径及び巻高さを調整して、互いに略等しくなるように構成されている。本実施形態では、各導体管層3a、3bを構成する導体管2の管径及び肉厚及び巻回数等を同一にすることによって構成されている。
また、導体管2は、1巻き毎に絶縁物又は空隙によって絶縁される。例えば、外側周面に絶縁層を設ける等の絶縁加工が施された導体管2を用いることが考えられる。あるいは、数回巻き毎にブロック分けして、各ブロック毎に絶縁するように構成しても良い。なお、前記ブロック数は、導体管2に流れる電流値によって決定する。
そして、2個の導体管層3a、3bは、それぞれの巻き方向が互いに逆方向となるように同心円状に2層に配置されている。なお、導体管層が4以上の偶数個の場合には、互いに隣接する導体管層の巻き方向が互いに逆方向となるように同心円状に配置される。ここで、内側の導体管層3aの巻芯中空部及び外側の導体管層3bの外側の少なくとも一方に磁気回路用磁性体を設けることが望ましい。
このように構成された流体加熱部3において、各導体管層3a、3bを構成する導体管2の流体出入口2Px、2Pyが、一端側(図2では上端側)及び他端側(図2では下端側)に位置する構成となる。なお、流体出入口2Px、2Pyは、外部の配管を接続するためのフランジ部を有する。
そして、この流体加熱部3において、各導体管層3a、3bの一端側(図2では上端側)に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧(図2ではプラス電圧)が印加され、各導体管層3a、3bの他端側(図2では下端側)に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧(図2ではマイナス電圧)が印加される。
つまり、各導体管層3a、3bを構成する導体管2における一端側の流体出入口2Pxを構成する一端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。また、各導体管層3a、3bを構成する導体管2における他端側の流体出入口2Pyを構成する他端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の他方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。
このように各導体管層3a、3bに交流電圧を印加することによって、各導電体層3a、3bに流れる電流が互いに逆向きとなり、一方の導体管層3aを通電した際に生じる磁束と、他方の導体管層3bを通電した際に生じる磁束とが互いに逆向きとなり、互いに打ち消し合うことになる。
図3に示す流体加熱部3は、上述した図2等の流体加熱部3に対して、2つの分割要素である導電体層3a、3bの構成は同じであるが、各導電体層3a、3bの巻き方向の向き及び交流電圧の印加方法が異なる。
つまり、2個の導体管層3a、3bが、それぞれの巻き方向が互いに同一方向となるように同心円状に2層に配置されている。なお、導体管層が4以上の偶数個の場合も同様にそれぞれの巻き方向が互いに同一方向となるように同心円状に配置される。
このように構成された流体加熱部3において、2つの導体管層3a、3bのうち一方の導体管層3aの一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧(図3ではプラス電圧)が印加され、一方の導体管層3aの他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧(図3ではマイナス電圧)が印加される。また、2つの導体管層3a、3bのうち他方の導体管層3bの他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧(図3ではプラス電圧)が印加され、他方の導体管層3bの一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧(図3ではマイナス電圧)が印加される。つまり、一方の導体管層3aの一端側と他方の導体管層3bの他端側とは同一極性の電圧が印加され、一方の導体管層3aの他端側と他方の導体管層3bの一端側とは同一極性の電圧が印加される。
つまり、一方の導体管層3aを構成する導体管2の一端側の流体出入口2Pxを構成する一端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続され、一方の導体管層3aを構成する導体管2の他端側の流体出入口2Pyを構成する他端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の他方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。また、他方の導体管層3bを構成する導体管2の他端側の流体出入口2Pyを構成する他端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続され、他方の導体管層3bを構成する導体管2の一端側の流体出入口2Pxを構成する一端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の他方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。
このように各導体管層3a、3bに交流電圧を印加することによって、各導電体層3a、3bに流れる電流が互いに逆向きとなり、一方の導体管層3aを通電した際に生じる磁束と、他方の導体管層3bを通電した際に生じる磁束とが互いに逆向きとなり、互いに打ち消し合うことになる。
図4に示す流体加熱部3は、交流電源4を含む交流回路により電気的に接続された1つの導体管2から構成されるものであり、流体加熱部3全体のインピーダンス値を偶数等分して形成される偶数個(本実施形態では2個)の分割要素3a、3bの両端部に交流電源4からの交流電圧が印加される。
2つの分割要素3a、3bは、1つの導体管2を一端側から他端側に螺旋状に巻回して構成された内側の導体管層3aと、当該導体管層3aの他端に連続して、他端側から一端側に前記内側の導体管層3aの巻き方向と同一方向に螺旋状に巻回して構成された外側の導体管層3bとからなる。これら導体管層3a、3bのインピーダンス値は、互いに略等しくなるように構成されている。本実施形態では、各導体管層3a、3bの巻回数等を同一にすることによって構成されている。
このように2個の導体管層3a、3bは、それぞれの巻き方向が互いに同一方向となるように同心円状に連続して2層に巻回されて構成されている。つまり、このように構成された流体加熱部は、2個の導体管層3a、3bが連続して一体に構成されるものである。なお、導体管層が4以上の偶数個の場合には、1つの導体管2を巻き方向を同一方向にして、一端側から他端側へ、次に、他端側から一端側へと連続的に同心円状に巻回して構成される。
このように構成された流体加熱部3において、導体管層の数に関わらず、2つの流体出入口2Px、2Pyが、一端側(図4では上端側)に位置する構成となる。
そして、この流体加熱部3において、各導体管層3a、3bの一端側(図4では上端側)に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧(図4ではプラス電圧)が印加され、各導体管層3a、3bの他端側において各導体管層3a、3bが連続している折り返し部分、つまり、2つの流体出入口の間の中間位置に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧(図4ではマイナス電圧)が印加される。このように、2つの導体管層3a、3bの隣接する端部(分割要素を分割する箇所)に共通の電圧を印加する構成としている。
つまり、各導体管層3a、3bを構成する導体管2の一方の流体出入口2Pxを構成する端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続され、各導体管層3a、3bを構成する導体管2の他方の流体出入口2Pyを構成する端部又はその近傍に、交流電源4からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。また、各導体管層3a、3bの他端側において各導体管層3a、3bが連続した折り返し部分に、交流電源4からの交流電圧の他方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。なお、図4における符号31は、折り返し部分(中間位置)に設けられて、前記交流電源4の接続端子が接続される接続片である。
このように各導体管層に交流電圧を印加することによって、各導電体層3a、3bに流れる電流が互いに逆向きとなり、一方の導体管層3aを通電した際に生じる磁束と、他方の導体管層3bを通電した際に生じる磁束とが互いに逆向きとなり、互いに打ち消し合うことになる。
図5に示す流体加熱部3は、上述した図2の流体加熱部3に対して、2つの分割要素である導電体層3a、3bの構成は同じであるが、各導電体層3a、3bの巻き方向の向き、接続方法及び交流電圧の印加方法が異なる。
つまり、2個の導体管層3a、3bが、それぞれの巻き方向が互いに同一方向となるように同心円状に2層に配置されるとともに、交流電源4に対して、電気的に直列となるように接続されている。具体的には、図5に示すように、各導体管層3a、3bの他端側を導電部材5により接続して短絡させることにより、一方の導体管層3aの他端部と、他方の導体管層3bの他端部とを電気的に接続するように構成している。なお、導体管層が4以上の偶数個の場合には、互いに隣接する導体管層の一端側同士又は他端側同士を電気的に接続することによって直列接続する。
そして、この流体加熱部3において、直列接続された2個の導体管層3a、3bの一端側、つまり一方の導体管層3aの一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧(図5ではプラス電圧)が印加され、直列接続された2個の導体管層3a、3bの他端側、つまり他方の導体管層3bの一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧(図5ではマイナス電圧)が印加される。
つまり、一方の導体管層3aを構成する導体管2の一端側の流体出入口2Pxを構成する一端部又はその近傍に、交流電源からの交流電圧の一方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続され、他方の導体管層3bを構成する導体管2の一端側の流体出入口2Pxを構成する一端部又はその近傍に、交流電源からの交流電圧の他方の極性の電圧を印加するための接続端子(不図示)が接続される。
このように各導体管層3a、3bに交流電圧を印加することによって、各導電体層3a、3bに流れる電流が互いに逆向きとなり、一方の導体管層を通電した際に生じる磁束と、他方の導体管層を通電した際に生じる磁束とが互いに逆向きとなり、互いに打ち消し合うことになる。
次にこのように構成した流体加熱装置100の力率改善を示す試験について説明する。なお、以下の試験においては、比較傾向を顕著に表すために、周波数800Hzの単相交流電源を用いたが、実際の流体加熱装置では、商用周波数の50Hz又は60Hzの単相交流電源を用いることが考えられ、以下に示す力率よりも高くなる。
図6には、断面積8.042mm、直径3.2mmの銅線を螺旋状に60回巻いて構成したコイル要素に単相交流電圧を印加した場合(試験No.1、図6(1))と、前記銅線を螺旋状に30回巻いて構成したコイル要素を軸方向に2つ配置するとともに、一方のコイル要素の他端側及び他方のコイル要素の一端側に単相交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性を印加し、一方のコイル要素の一端側及び他方のコイル要素の他端側に単相交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性を印加した場合(試験No.2、図6(2))との回路構成を示す。
このとき、図6の下表に示すように、試験No.1の場合には、力率が0.039であったのに対して、試験No.2の場合には、試験No.1と同等容量において、力率が0.048であった。このように、図6(2)の場合には、各導体管層に生じる磁束が打ち消し合うことから電圧降下が抑制されて力率が改善したと考えられる。
次に、図7には、断面積8.042mm、直径3.2mmの銅線を螺旋状に巻き方向が同一方向となるように一端側から他端側に60巻きしてコイル層を形成し、他端側から一端側に60巻きしてコイル層を形成した2層のコイル要素の両端に単相交流電圧を印加した場合(試験No.1、図7(1))と、前記コイル要素の一端側に単相交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性を印加し、前記コイル要素の他端側に単相交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性を印加した場合(試験No.2、図7(2))との回路構成を示す。
このとき、図7の下表に示すように、試験No.1の場合には、力率が0.026であったのに対して、試験No.2の場合には、試験No.1と同等容量において、力率が0.225であった。このように、図7(2)の場合には、各導体管層に生じる磁束が打ち消し合うことから電圧降下が抑制されて力率が改善したと考えられる。なお、商用周波数60Hzの単相交流電源としたときの力率は、試験No.1の場合は、0.324であり、試験No.1の場合は、0.951である。
次に、図8には、断面積8.042mm、直径3.2mmの銅線を螺旋状に巻き方向が同一方向となるように一端側から他端側に60巻きしてコイル層を形成し、他端側から一端側に60巻きしてコイル層を形成した2層のコイル要素において、コイル要素の一端及び他端の中央位置に単相交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性を印加し、コイル要素の一端側及び他端側に単相交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性を印加した場合の回路構成を示す。
このとき、図8の下表に示すように、図7(2)に示す試験No.2と同等容量において、力率が0.248であった。このように、図8の場合には、図7(2)に示す場合に比べて力率が改善している。なお、商用周波数60Hzの単相交流電源としたときの力率は、0.960である。
このように構成した本実施形態に係る流体加熱装置100によれば、流体加熱部のインピーダンス値を偶数に略等分して形成される複数の分割要素3a、3bそれぞれに流れる電流が互いに逆向きとされて、全体として打ち消し合うように構成されているので、導体管2が有するインダクタンスによる電圧降下を抑制して力率を改善することができる。したがって、流体加熱装置100の設備効率を向上させることができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、分割要素が導体管を螺旋状に巻回して構成されたものであったが、流体加熱部が直管状をなす導体管からなり、分割要素が直管状をなすものであっても良い。この場合、2つの流体出入口2Pは導体管2の軸方向端部にそれぞれ位置する。
このように直管状に形成した分割要素からなる流体加熱部を有する流体加熱装置の力率改善を示す試験を図9に示す。
図9には、直径34mm、管長さ2200mm、管の肉厚1.65mmのステンレス管の両端部に単相交流電圧を印加した場合(試験No.1、図9(1))と、前記ステンレス管を2等分して、ステンレス管の両端部に単相交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性を印加し、ステンレス管の中間位置(2つの分割要素の境界位置)に単相交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性を印加した場合(試験No.2、図9(2))との回路構成を示す。
このとき、図9の下表に示すように、試験No.1の場合には、力率が0.1715あったのに対して、試験No.2の場合には、試験No.1と同等容量において、力率が0.1985であった。このように、図9(2)の場合には、2つの分割要素に生じる磁束が打ち消し合うことから電圧降下が抑制されて力率が改善したと考えられる。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・流体加熱装置
2・・・導体管
3・・・流体加熱部
3a、3b・・・分割要素(導体管層)

Claims (6)

  1. 内部に流体が流れる導体管に交流電圧を印加して通電加熱し、前記導体管内を流れる流体を加熱する流体加熱装置であって、
    1つの導体管又は電気的に互いに接続された複数の導体管からなる流体加熱部を備えており、前記流体加熱部のインピーダンス値を偶数等分して形成される偶数個の分割要素の両端部に交流電源からの交流電圧を印加するとともに、
    前記偶数個の分割要素が、前記導体管を螺旋状に巻回して構成された互いに同心円状に配置された偶数の導体管層であり、
    前記偶数の導体管層それぞれのインピーダンス値が互いに略等しくなるように構成されており、
    前記偶数の導体管層の両端部に交流電圧を印加して前記導体管層に流れる電流が互いに逆向きとされて、前記偶数の導体管層それぞれに生じる磁束が全体として打ち消し合うように構成されている流体加熱装置。
  2. 前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が互いに逆方向となるように配置されており、
    前記各導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、前記各導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加される請求項記載の流体加熱装置。
  3. 前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように配置されており、
    互いに隣接する導体管層のうち一方の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加されるとともに、当該一方の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加され、
    前記互いに隣接する導体管層のうち他方の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加されるとともに、当該他方の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加される請求項記載の流体加熱装置。
  4. 前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように連続して巻回されており、
    前記各導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、前記各導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加される請求項記載の流体加熱装置。
  5. 前記偶数の導体管層が、互いに隣接する導体管層の巻き方向が同一方向となるように配置されており、
    前記偶数の導体管層を電気的に直列となるように接続するとともに、直列接続された偶数の導体管層の一端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち一方の極性の電圧が印加され、直列接続された偶数の導体管層の他端側に、交流電圧の正負2つの極性のうち他方の極性の電圧が印加される請求項記載の流体加熱装置。
  6. 螺旋状に巻回された導体管層の巻芯中空部及び導体管層の外側の少なくとも一方に磁気回路用磁性体が設けられている請求項1乃至5の何れかに記載の流体加熱装置。
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