JP5946946B1 - 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法 - Google Patents

保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5946946B1
JP5946946B1 JP2015176237A JP2015176237A JP5946946B1 JP 5946946 B1 JP5946946 B1 JP 5946946B1 JP 2015176237 A JP2015176237 A JP 2015176237A JP 2015176237 A JP2015176237 A JP 2015176237A JP 5946946 B1 JP5946946 B1 JP 5946946B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
greenhouse
pair
thermal insulation
composite sheet
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015176237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017051114A (ja
Inventor
浩二 住吉
浩二 住吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiba Machine Industry Corp
Original Assignee
Chiba Machine Industry Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiba Machine Industry Corp filed Critical Chiba Machine Industry Corp
Priority to JP2015176237A priority Critical patent/JP5946946B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5946946B1 publication Critical patent/JP5946946B1/ja
Publication of JP2017051114A publication Critical patent/JP2017051114A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】農業用・園芸用ビニールハウスおよび温室の屋根・外壁として使用して省エネルギーとコストダウンを図り、なお且つ夏季の温室内の異常昇温を抑えたり冬季や寒冷地の異常冷温を抑えたりすることにより栽培野菜・果実等に最適の生育環境を提供する。【解決手段】保温用複合シート1を、一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部3によって複数の筒状となって仕切った保温気室部4を備えた構成とする。この隔壁部3は、入光量調整のために、一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成する。また前記一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に対し直交する方向に一定間隔で互いに平行となした所定幅員の線条の熱融着部5を備えたものとする。透明フィルム2a(2b)には不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼り合わせる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば農業用や園芸用等の温室およびビニールハウス、家畜用の畜舎の保温用外壁等、その他の保温用部材として使用する安価で効率の良い省エネルギー対策としての有効利用を可能にした保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法に関する。
近年、農業や園芸において温室を使用することにより農産物の生産性や品質は非常に良くなってきている。ただ、温室内の温度コントロールのために使用されるエネルギーの消費は近年の地球温暖化にも大きく影響しており、また例えば電気・ガス・石油類等のエネルギー価格の変動による生産価格の不安定さらには上昇等の一因ともなっている。これらの問題を解決するために省エネルギー効果の高い温室用シートとしての保温用複合シートを開発することが急務となっている。
ところで、温室やビニールハウスは1枚の例えば塩化ビニル樹脂(PVC)やポリエチレン(PE)等の合成樹脂製の温室用シートを外壁として使用して保温と温度のコントロールを行っていた。しかも、前記シートを二重に張ったり、太陽光を遮断するための布を張ったり等して、それぞれのシートや布を開閉することで、温室やビニールハウス内の温度コントロールを行っていた。また、寒冷地域や寒い時期には温度の降下を避けるために電気やガス・石油を熱源とする冷暖房を行って温室内の温度制御を行っていた。しかし、太陽光の影響で温室内は高温になり、冬季および寒冷地では異常低温になって植物に大きなダメージを与えることがあった。
そこで、農業用の温室内に配設される農業用シートとして、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、長尺帯状のシート材により形成されるシート本体と、このシート本体に重ねて配置される機能性シートとを備え、前記シート本体が、中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、このキャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムとを備える二層の積層気泡シートからなるものが提供されている。
また、これらの特許文献1および特許文献2に開示されている農業用シートの製造装置は、三つのフラットダイと成形ロールと三つの押圧ロールとを備え、三つのフラットダイは、それぞれ樹脂材料を所定の厚みで押し出すことによって、フラット状のキャップフィルム、バックフィルム、及びライナーフィルムが連続的に供給される。キャップフィルム用のフラットダイから供給されたフラット状のキャップフィルムは成形ロールに供給され、この成形ロールには、外周面に多数のキャビティ孔が設けられている。各キャビティ孔は真空ポンプにつながっており、キャビティ孔を真空吸引することにより、キャップフィルムに中空状に膨出する多数のキャップを形成するものとなっている。
これにより、保温性用のシートと保湿性や遮光性用のシートの双方を備えつつ、保温性用のシートによって保湿性シートの吸水特性が損なわれず、また、保温性用のシートと保湿性や遮光性用のシートを同時にも選択的にも使用可能で、材質の異なる複数のシートを容易に分離可能でリサイクル性にも優れた農業用シートが提供可能とされている。
特開2013−099291号公報 特開2013−150580号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている農業用シートの場合、シート本体として使用されるキャップフィルムは、中空状に膨出するキャップすなわち気泡により略ディスク状となって多数散在した容積の小さい保湿空間部として形成されているため、夏の温室内の異常昇温、冬季や寒冷地の異常冷温を抑えるには充分に効率的なものとはいい難い。
因みに、キャップ内部の密閉空間は、もともと保温作用に大いに寄与しているとしても、キャップ周壁とバックフィルムとライナーフィルムとに挟まれた閉鎖空間での若干の空気の流通によって、気泡シートが本来もっている保温性能が、この部分における空気の流通によって損なわれる虞もあり、保温作用が充分に機能しているものとはいい難い。
また、遮光性または吸湿性シートさらには例えば不織布、布、紙等からなる前記機能性シートは、前記シート本体に重ねて配置されていることから、シート本体前面に入射した太陽光を外方向の全ての角度にわたって乱反射してしまうため、省エネルギー対策としても不十分である。しかも、シート本体または機能性シートの全ての面にわたって何らかの補強を施さなければ、強風等に耐えることができない。
さらに、特許文献1および特許文献2に開示されている農業用シートの製造装置においては、成形ロールの外周面に設けられた多数のキャビティ孔を真空吸引することにより、中空状に膨出する多数のキャップがキャップフィルムに形成されることから、キャップフィルム自体の製造コストが掛かり過ぎるという問題点も生じていた。
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は農業用・園芸用ビニールハウスおよび温室の屋根・外壁として使用して省エネルギーとコストダウンを図り、なお且つ夏季の温室内の異常昇温を抑えたり冬季や寒冷地の異常冷温を抑えたりすることにより植物に最適の生育環境を提供することが可能で、しかも強風等に充分に耐え得ることができる軽量でなお且つ安価でリサイクル性に富む保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、温室やビニールハウス内部の保温のために外壁として使用される保温用複合シート1であって、該保温用複合シート1は、一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部3によって複数の筒状となって仕切られた保温気室部4を備えてなることを特徴とする。
前記隔壁部3は、入光量調整のために、一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されているものとすることができる。
前記一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に対し直交する方向に一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部5を備えたものとすることができる。
前記一対の透明フィルム2a,2bの一方の外面側に不織布6を貼り合わせたものとすることができる。
前記不織布6を貼り合わせた面にさらに網状材7を貼り合わせたものとすることができる。
前記一対の透明フィルム2a,2bの他方の外面側に、一定方向の入射光を反射するよう角波刻設加工を表面に施した入光角制御シート8を貼り合わせたものとすることができる。
温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1の製造装置11であって、一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間にて互いに等間隔となって配置された遮光樹脂射出口13とによって構成されたリップ構造のTダイ14と、該Tダイ14から射出される樹脂を引き出すために対向配置された引き出しロール15と、該引き出しロール15の下流側における引き出し移動方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着一体化するために進退自在となった熱融着板16および該熱融着板16の進行位置で一対の透明フィルム2a,2bを挟持しつつ支持するための支持ロール17を対向配置してなる熱融着機構部18と、該熱融着機構部18の下流側における透明フィルム2a(2b)に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼り合わせるための供給ロール19と貼り合せロール20とが対向配置してなる貼合機構部21とを備えたことを特徴とする。
前記遮光樹脂射出口13は、温室やビニールハウスの傾斜した屋根部分に対応すべく、前記一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されたものとすることができる。
前記遮光樹脂射出口13は、前記一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して垂直方向と斜行方向との互いに角度の異なるものが、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分および傾斜した屋根部分に各対応して連設されているものとすることができる。
温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1の製造方法であって、一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間に配置された遮光樹脂射出口13とにより構成されたリップ構造のTダイ14による各樹脂材の射出によって、前記一対の透明フィルム2a,2b間に、遮光樹脂製の隔壁部3によって互いに仕切られた筒状の複数の保温気室部4を備えてなる保温用複合シート1を形成するための射出工程Aと、該射出工程Aの下流側で各樹脂材の進行方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着により一体化して一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部5を形成するための熱融着工程Bと、該熱融着工程Bの下流側における透明フィルム2a(2b)に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼り合わせるための貼合工程Cとを有することを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る保温用複合シート1にあって、遮光樹脂製の隔壁部3によって仕切られた筒状の複数の保温気室部4は、内部が空気のため断熱効果と保温効果を向上させる。
遮光樹脂製の隔壁部3は、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分においては、一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向に形成され、また傾斜した屋根部分においては、一対の透明フィルム2a,2b間において斜行方向に角度を変更して形成されるので、温室やビニールハウス内への太陽光の入射角度に応じて光量調整を可能にさせる。
また、保温用複合シート1内側の不織布6は吸水性保水性があるため、結露した水滴の滴下を防止させる。
角波刻設加工を表面に施した入光角制御シート8は、一定方向の入射光を反射させることで、朝夕の太陽光を取り入れ、昼間は強い太陽光を防いで温室・ビニールハウス内の温度の過度の上昇を抑止させる。
網状材7は保温用複合シート1を補強させるため、強風等に対する耐久性を向上させる。
本発明に係る保温用複合シート1の製造装置11にあって、Tダイ14の一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bから透明樹脂が射出され、両透明樹脂射出口12a,12bの間に配置された遮光樹脂射出口13から遮光樹脂が射出され、引き出しロール15によってこれら樹脂が引き出されることで、一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部3によって仕切られた筒状の複数の保温気室部4を形成してなる保温用複合シート1を形成させる。
引き出しロール15の下流側における熱融着機構部18は、進行スライドする熱融着板16と該熱融着板16に対向配置した支持ロール17との間に一対の透明フィルム2a,2bを挟持しつつ引き出し移動方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着一体化させ、一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部5を形成させる。
熱融着機構部18の下流側における貼合機構部21は、供給ロール19から透明フィルム2a(2b)面に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つが供給されているところ、貼り合せロール20による押圧で前記不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼着可能にさせる。
一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されてなる遮光樹脂射出口13は、温室やビニールハウスの傾斜した屋根部分に対応した角度に変更された隔壁部3を形成させる。
本発明に係る保温用複合シート1の製造方法にあって、射出工程Aは、リップ構造のTダイの一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間に配置された遮光樹脂射出口13とからの前記各樹脂材の射出によって、一対の透明フィルム2a,2b間に、遮光樹脂製の隔壁部3によって互いに仕切られた筒状の複数の保温気室部4を備えてなる保温用複合シート1を形成させる。
熱融着工程Bは、前記射出工程Aの下流側で各樹脂材の進行方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着により一体化させる。
貼合工程Cは、透明フィルム2a(2b)面上に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼着させる。
本発明は以上説明したように構成されているため、農業用・園芸用ビニールハウスおよび温室の屋根・外壁として使用して省エネルギーとコストダウンを図り、なお且つ夏季の温室内の異常昇温を抑えたり冬季や寒冷地の異常冷温を抑えたりすることにより植物に最適の生育環境を提供することが可能で、しかも強風等に充分に耐えることができ、軽量でなお且つ安価でリサイクル性に富むものとすることができる。
すなわち本発明にあっては、温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1を、一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部3によって複数の筒状となって仕切られた保温気室部4を備えた構成としてあるからであり、これにより、断熱性・保温性が向上して、夏季の温室やビニールハウス内の異常昇温、冬季や寒冷地の異常冷温それぞれを未然に防ぐことができる。
前記隔壁部3は、入光量調整のために、一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されるので、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分、例えば外壁においては、一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向に形成し、また傾斜した屋根部分においては、一対の透明フィルム2a,2b間において斜行方向に角度を変更して形成することで、温室やビニールハウス内への太陽光の入射角度に応じての光量の調整を容易に行うことができる。すなわち、この遮光効果と断熱効果を有する保温用複合シート1は温室ハウスの構造および太陽光の入射角の異なる地域にあわせて遮光樹脂製の隔壁部3の角度を変えることにより遮光性を変更して製造することが可能である。例えば、鉛直な側面部分においては、一対の透明フィルム2a,2b間において隔壁部3を透明フィルム2a,2bに対して垂直方向に形成しておけば、朝夕の太陽光による水平方向への入射が可能であり、また傾斜した屋根部分においては、一対の透明フィルム2a,2b間において隔壁部3を透明フィルム2a,2bに対して斜行方向に角度を変更して形成しておけば、昼間等の高い位置にある太陽光によって透明フィルム2a(2b)面に斜め入射した光は内部の隔壁部3によって一部反射される。これにより、例えば夏季等の昼間における温室やビニールハウス内の異常昇温を未然に抑えることができる。
前記一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に対し直交する方向に一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部5を備えたので、この熱融着部5によってフレキシブルな保温用複合シート1が形成でき、温室を囲う屋根、外壁その他の側面部分の傾斜や湾曲等に対応できる。また、前記保温気室部4による空気の断熱性と保温性の効果がこの熱融着部5によって充分に発揮され、結露した水滴の滴下も防止できる。
前記一対の透明フィルム2a,2bの一方の外面2a(2b)側に不織布6を貼り合わせてあるので、上記保温気室部4は空気の断熱性と保温性の効果が発揮され、不織布6は温室の内側に貼ることにより結露した水滴の滴下を防具ことができ、しかも保温用複合シート1の補強も兼ね備えたものとすることができる。
前記不織布6を貼り合わせた面にさらに網状材7を貼り合わせてあるので、例えば強風等の強烈な風に対しての強度アップが可能となる。
前記一対の透明フィルム2a,2bの他方の外面2b(2a)側に、一定方向の入射光を反射するよう角波刻設加工を表面に施した入光角制御シート8を貼り合わせてあるので、入光角制御シート8は、太陽光の入光角により温室やビニールハウス内への太陽光の入光を制限することができ、朝夕の入光角が低い時は入光を多くし、昼間の入光角が高い時は入光を制限して温室内の温度上昇を抑える役目を果たすことができる。このように入光角調整シートを貼り合せることで、朝夕の温度変化の少ない省エネルギーの温室・ビニールハウスを容易に作ることができる。
温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1の製造装置11であって、一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間にて互いに等間隔となって配置された遮光樹脂射出口13とによって構成されたリップ構造のTダイ14と、該Tダイ14から射出される樹脂を引き出すために対向配置された引き出しロール15と、該引き出しロール15の下流側における引き出し移動方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着一体化するために進退自在となった熱融着板16および該熱融着板16の進行位置で一対の透明フィルム2a,2bを挟持しつつ支持するための支持ロール17を対向配置してなる熱融着機構部18と、該熱融着機構部18の下流側における透明フィルム2a(2b)に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼り合わせるための供給ロール19と貼り合せロール20とが対向配置してなる貼合機構部21とを備えているので、一対の透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部3によって仕切られた筒状の複数の保温気室部4を備えた軽量な保温用複合シート1を容易に且つ安価に作成することができる。
前記遮光樹脂射出口13は、温室やビニールハウスの傾斜した屋根部分に対応すべく、前記一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されるので、この遮光効果と断熱効果を有する保温用複合シート1は温室やビニールハウスの構造および太陽光の入射角の異なる地域にあわせて遮光樹脂製の隔壁部3の角度を変えることにより遮光性を変更して製造することが可能である。
また、前記遮光樹脂射出口13は、前記一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して垂直方向と斜行方向との互いに角度の異なるものが、温室やビニールハウスの鉛直な外壁の如き側面部分および傾斜した屋根部分に各対応して連設されるので、温室やビニールハウス内への太陽光の入射角度に応じての光量の調整が可能な保温用複合シート1を容易に製造することができる。
温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1の製造方法であって、一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間に配置された遮光樹脂射出口13とにより構成されたリップ構造のTダイ14による各樹脂材の射出によって、前記一対の透明フィルム2a,2b間に、遮光樹脂製の隔壁部3によって互いに仕切られた筒状の複数の保温気室部4を備えてなる保温用複合シート1を形成するための射出工程Aと、該射出工程Aの下流側で各樹脂材の進行方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着により一体化して一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部5を形成するための熱融着工程Bと、該熱融着工程Bの下流側における透明フィルム2a(2b)に不織布6、網状材7、入光角制御シート8の少なくとも何れか1つを貼り合わせるための貼合工程Cとを有するので、遮光効果と断熱効果を有する計量で且つ安価な保温用複合シート1を容易に製造することができる。また、この製法で作った遮光効果と断熱効果を有する保温用複合シート1に不織布6のような保水可能なシートを補強も兼ねて貼り合わせて製造することもできる。
以上のような効果で安価で軽い素材の保温用複合シート1を使用することによりエネルギーの消費を抑え、軽い素材のために取り扱いも容易でなお且つ結露した水滴の滴下もなく温室内の温度も一定に保ち易くなり、温室やビニールハウス内での栽培作業も楽になり、品質が良くて安い農産物の生産が可能になる。
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
本発明を実施するための一形態を示す保温用複合シートの一部切欠した斜視図である。 同じく保温用複合シートの断面図である。 同じく保温用複合シートの不織布貼着状態の断面図である。 同じく保温用複合シートの入光角制御シート貼着状態の一部の拡大図を含む断面図である。 同じく保温用複合シートの網状材貼着状態の断面図である。 本発明を実施するための一形態を示す保温用複合シートの製造装置の一例を概略的に示す構成図である。 保温用複合シートの製造装置におけるTダイの構成例を示すもので、(a)は樹脂射出方向から見たTダイの正面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)は(b)のB−B′断面図である。 図8中(a)は屋根用の保温用複合シートを製造するために遮光樹脂射出口を斜行させたTダイの正面図、(b)は当該Tダイによって製造される屋根用の保温用複合シートの断面図である。 側面用と屋根用とを一体連設した保温用複合シートを製造するためのTダイの正面図である。 一方の側面用と屋根用と他方の側面用とを一体連設した保温用複合シートを製造するためのTダイの一部省略の正面図である。 保温用複合シートを温室やビニールハウス等の外壁として使用した一例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は、例えば温室やビニールハウス等の屋根・外壁として使用される保温用複合シートであって、例えば塩化ビニル樹脂(PVC)やポリエチレン(PE)さらにはポリプロピレン樹脂等の合成樹脂製シートを使用して温室やビニールハウス等内部の保温と温度のコントロールを行うものである。
本実施形態に係る保温用複合シート1が使用される例えば屋根型またはカマボコ型の温室やビニールハウス等は、外気環境が遮蔽・遮断された室内において、所定の温度を維持・制御することで野菜や果物等の農作物を育成・栽培するための例えば単棟型または連棟型等の建物(ハウス)の一種である。例えば、屋根型の温室は、H鋼等の鋼材を柱・骨組みとして、側面部と屋根部との各枠部を組立て、その外面を上記保温用複合シート1で被覆した構造となっている(図11参照)。また、ビニールハウスは、木材や鋼材、鋼管等を躯体とし、上記保温用複合シート1で屋根・外壁を被覆したものである。保温用複合シート1は、例えば5mm程度の薄いものは苗床の畝等に使用し、例えば30〜50mm程度の厚いものはビニールハウスや温室の外壁として使用する。なお、保温用複合シート1は厚さ5mmから50mm程度が良いがこれに限定されるものではない。
保温用複合シート1は、図1および図2に示すように、例えば上下に配されて形成された平坦な透明フィルム2a,2bの間を、一方向に沿う遮光樹脂製の隔壁部3により等間隔毎に仕切り、この隔壁部3を介して、一方向に沿った筒状の保温気室部4が互いに平行に隣列した状態で配置されている。なお、隔壁部3は、入光量調整すなわち温室やビニールハウス内への太陽光の入射角度に応じた光量調整(入光制限)により温室やビニールハウス内の異常な温度上昇を抑えるために、上下一対の透明フィルム2a,2b間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されていてもよい。これら上下一対の透明フィルム2a,2bおよび隔壁部3は、後述する製造装置11のリップ構造のTダイ14に設けられた上下一対の平行な透明樹脂射出口12a,12bから射出される透明樹脂材と、両透明樹脂射出口12a,12bの間にて互いに等間隔となって配置された縦方向の遮光樹脂射出口13から射出される遮光樹脂材とによって同時成形される(後述の図6、図7参照)。
また、前記上下一対の透明フィルム2a,2bそれぞれを、後述する製造装置11の熱融着板16と支持ロール17とを対向配置してなる熱融着機構部18を使って、前記隔壁部3ごと加熱圧着することで熱融着部5を形成してある。すなわち、両透明フィルム2a,2b間の平坦面内の一方向に沿った前記筒状の保温気室部4の長手方向に対して直交する方向に、例えば一定のピッチ間隔5〜300mm程度で互いに平行となすべく熱融着機構部18により加熱圧着することにより幅狭なライン状の熱融着部5を形成してある。具体的には製造過程において、Tダイ14より押し出されたシート(縦厚さ5〜50mm程度)の縦方向の隔壁部3に遮光性樹脂を使用して押出したシートに一定間隔(5〜300mm程度)で例えば熱シールや超音波シール等によるヒートシールの如き所定幅員を備えた線条の熱融着部5を形成して、多数の保温気室部4を有する保温用複合シート1が製造される。
上記透明フィルム2a,2bの材料となる例えばポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル重合体などが例示できる。また、これらの材料を任意に混合して用いてもよい。また、ポリエチレンフィルムの材料となる樹脂組成物には、保温用複合シート1の用途に応じて、非ハロゲン系の高級脂肪酸、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グリセリンエステル等の滑剤、等のアンチブロッキング剤、フェノール系、りん系、BHT等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤、タルク、珪藻土、マイカ等の無機・有機充填剤、帯電防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
上記隔壁部3として使用される遮光樹脂材料としては、炭素系の黒色粉を混連した樹脂である例えばカーボン樹脂を使用するか、炭化カルシウム、チタン粉末、雲母粉末、セラミックス粉末等を使用するかする。具体的に本実施形態において使用する雲母粉末の平均粒子径は例えば3〜60μm程度が好ましく、より好ましくは3〜30μmである。雲母粉末の粒子径が3μmよりも小さければ、散乱光線透過率が小さくなり易く、逆に粒子径が60μmよりも大きければフィルムの全光線透過率が小さくなり易くなるので好ましくない。また、雲母のかさ比重は0.1〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3である。また、雲母の添加量は、フィルムを構成する樹脂100重量部に対して例えば1〜5重量部程度が好ましい。添加量が1重量部よりも少なければ散乱光線透過率が小さくなり易く、逆に添加量が5重量部よりも多ければフィルムの全光線透過率が小さくなりやすいだけでなく、フィルム強度も低下し易くなるので好ましくない。
また、図3に示すように、温室やビニールハウス内部の保温と結露した水滴の落下防止のために、上記した保温用複合シート1の温室やビニールハウス内側に対向する面に、不織布6を貼り合わせてもよい。この不織布6は、後述する製造装置11の供給ロール19と貼り合せロール20とが対向配置してなる貼合機構部21を使って、前記透明フィルム2a,2bのうちの片方の表面、例えば一方の透明フィルム2a面にフラットダイ40からの熱可塑性接着剤等を介してあるいは加熱して圧着することで取り付けられる。この不織布6としては、耐候性を付与するために当該不織布6を構成する繊維が耐候剤を含んでいることが好ましい。
この不織布6には、吸湿あるいは保持した水蒸気が気温低下に伴って液体化した際に、その水分を繊維間に保持しやすくするために、親水性油剤が付与されているものが好ましい。この不織布6は、上記透明フィルム2a,2bと固着させる際に、ヒートシールにより容易に固着させることができるようにするため、不織布6を構成する繊維としては、例えば芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維によって構成されていることが好ましいが、これらに限定されるものではない。また、固着においては、鞘部のポリエチレンが接着剤として寄与し、芯部のポリエチレンテレフタレートはヒートシール加工による熱の影響を受けず繊維形態を維持しているため、固着された個所の強度を保持することができる。なお、この不織布6の素材は、保温用複合シート1と同一素材としておくことで、例えば使用廃棄後におけるリサイクルを容易にすることができる。
図4に示すように、前記一対の透明フィルム2a,2bの他方の面2a側に、一定方向の入射光を反射するよう角波刻設加工を表面に施した入光角制御シート8を貼り合わせてもよい。この入光角制御シート8は表面に図4中右側の円形状の一部拡大図に示すような例えば45°傾斜面と90°垂直面からなるような断面略鋸歯状もしくは断面略クサビ状の角波刻設加工を行うことで一定の方向の光を当該45°傾斜面からの反射により入光し難くするものである。
図5に示すように、前記不織布6を貼り合わせた内側面にあるいは外側面に、さらに網状繊維の如き網状材7を貼り合わせて保温用複合シート1全体の強度アップを図るようにしてもよい。この網状材7は、例えば鋼線材、合成樹脂製フィラメント等を縦横・斜格子状に交叉させた網目構造となっており、これによって、保温用複合シート1全体の強度を高めている。なお、この網状材7は、上記不織布6の場合と同様に貼合機構部21を使って、前記透明フィルム2a,2bのうちの片方の表面例えば一方の透明フィルム2a面に、例えば熱可塑性接着剤等を介してあるいは加熱圧着することで取り付けられる。なお、上記した保温用複合シート1の製造方法として、多数の保温気室部4を成形する同じ製造ラインの後工程として上記不織布6や網状材7を貼り合わせたり、別な貼着装置で不織布6や網状材7を貼り合わせたりして製造することもできる。
次に、温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シート1の製造装置11およびこの装置11を用いた製造方法について説明すると、本装置11は、図6に示すように、不図示の樹脂押出機構を有するリップ構造のTダイ14と、引き出しロール15と、熱融着機構部18と、貼合機構部21とを備えている。本実施形態の製造装置11ではTダイ14からの樹脂押出によって、例えば上下に配されて形成される一対の透明フィルム2a,2b間にて上記隔壁部3および熱融着部5によって仕切られた筒状の保温気室部4が互いに平行に隣列配置した状態で1ライン工程にて同時形成されるものとしてある。
Tダイ14は、図7に示すように、正面視で上下一対の平行かつ平坦な透明樹脂射出口12a,12bと、両透明樹脂射出口12a,12bの間にて互いに等間隔となって配置された縦方向の遮光樹脂射出口13とを、射出口構成部材等を適宜に組み合わせることによって構成され且つサイドプレート9によって両端が保持されてなるリップ構造のものとしてある。射出工程Aにおいて、透明樹脂射出口12a,12bは、透明樹脂材料が正面視上下対称位置から横向き水平方向に向けて互いに平行となるようにして同時射出させ、遮光樹脂射出口13は遮光樹脂材料が正面視縦向配列状態となって横向き水平方向に向けて互いに平行となるようにして同時射出させるものとしてある。
引き出しロール15は、Tダイ14から射出する各樹脂を引き出すために上下に対向配置され、引き出しロール15の回転速度を調整することで、上記熱融着機構部18による熱融着部5の位置間隔すなわち保温気室部4の長さが設定される。
熱融着機構部18は、引き出しロール15の下流側に設けられ、熱融着工程BにおいてTダイ14から射出する各樹脂の引き出し移動方向に対し直交する方向に沿って前記上下一対の透明フィルム2a,2b同士を熱融着一体化するために昇降自在となった熱融着板16および該熱融着板16の下降位置で上下一対の透明フィルム2a,2bを挟持しつつ支持するための支持ロール17を対向配置してなる。
貼合機構部21は、前記熱融着機構部18の下流側において、供給ロール19と貼り合せロール20とを対向配置してなる。貼合工程Cにおいて、供給ロール19は、上方にて巻回されている不織布6を引出して上側の透明フィルム2a上面に接合させるように、当該透明フィルム2a上面側にて回転自在に配置されている。貼り合せロール20は、供給ロール19による不織布6の透明フィルム2a上面への接合時に当該透明フィルム2aが下方に弛まないように支持するものである。なお、図6中の符号40は、上側の透明フィルム2a上面と不織布6との間に熱可塑性接着剤等を塗布するためのフラットダイである。また、上記した網状材7や入光角制御シート8の透明フィルム2a,2bへの貼合せにおいてもこのような貼合機構部21を共用することができる。
なお、この貼合工程Cにおける貼合機構部21は、不織布6の接合をアフターラミネート方式によるものとしても良く、また、保温用複合シート1の成形後、連続してこの貼合工程Cを実施するも、保温用複合シート1を一旦成形し、例えば一時的に保管後、別ラインにて熱融着したり、接着したりして接合することとしても良い。
また、図8(a)に示すように、前記隔壁部3を形成するためのTダイ14の遮光樹脂射出口13は、例えば三角屋根を有する温室やビニールハウス等の傾斜した屋根部分に対応すべく、前記上下一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して正面視で垂直方向から斜行方向に例えば30°〜60°の角度範囲内に角度を変更して形成される。このTダイ14によって形成された保温用複合シート1は、図8(b)に示すように、平坦な上下一対の透明フィルム2a,2bの間を、一方向に沿いなお且つ正面視で垂直方向から斜行方向に例えば30°〜60°の角度範囲内に角度を変更した遮光樹脂製の隔壁部3により等間隔毎に仕切り、この隔壁部3を介して、一方向に沿った筒状の保温気室部4が互いに平行に隣列した状態で配置される。
さらに、図9および図10に示すように、前記隔壁部3を形成するためのTダイ14の遮光樹脂射出口13は、前記上下一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して正面視で垂直方向と斜行方向との互いに角度の異なるものが、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分および傾斜した屋根部分に各対応して連設されているものとしてある。例えば、図9に示すように、遮光樹脂射出口13は、Tダイ14の右半分領域が上下一対の平坦な透明樹脂射出口12a,12bに対して正面視で垂直方向から斜行方向に例えば30°〜60°の角度範囲内に角度を変更して形成され、Tダイ14の左半分領域が、両透明樹脂射出口12a,12bの間にて正面視で互いに等間隔となって垂直に配置される。
また、図10に示すように、遮光樹脂射出口13は、温室やビニールハウスの屋根部分の天頂部に相当する部位であるTダイ14の中心線Oを境にして、正面視で左右対称となるように垂直方向と斜行方向との互いに角度の異なる遮光樹脂射出口13が、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分である外壁および傾斜した屋根部分に各対応して連設されている。図示の場合、Tダイ14の正面視右半分の左位置にある屋根用の遮光樹脂射出口13は右上がり傾斜し、Tダイ14の正面視左半分の右位置にある遮光樹脂射出口13は右下がり傾斜している。このTダイ14によって形成された保温用複合シート1は、図11に示すように、三角屋根の温室やビニールハウスの屋根部分天頂部を介して左右に架け渡される。これにより、朝夕の太陽光は、保温用複合シート1の側面から略水平方向に入射し、鉛直外壁の側面部分と傾斜した屋根部分との保温用複合シート1における各隔壁部3の相互間の保温気室部4を通過して室内を保温する。一方、昼間の太陽光は、保温用複合シート1の上方から略垂直方向に沿って入射し、保温気室部4内で各隔壁部3によって反射もしくは散乱され、これにより、日中で太陽光による室内の異常温度上昇を防げるのである。
以上説明したように、遮光性と保温・断熱性を兼ね備えた保温用複合シート1を温室やビニールハウスの屋根・外壁として使用することにより、断熱性・保温性が高く、結露した水滴の滴下もなく、入光角制御シート8は朝夕の温度変化の少ない省エネルギーでなお且つ夏の異常昇温や冬の異常低温また寒冷地での保温可能な温室・ビニールハウスを構築することができる。網状材7を付加することで強風にも耐えられる温室を作ることができる。また同一素材で作ることによってリサイクル性を高めることができる。
A…射出工程 B…熱融着工程
C…貼合工程
1…保温用複合シート 2a,2b…透明フィルム
3…隔壁部 4…保温気室部
5…熱融着部 6…不織布
7…網状材 8…入光角制御シート
9…サイドプレート
11…製造装置
12a,12b…透明樹脂射出口 13…遮光樹脂射出口
14…Tダイ 15…引き出しロール
16…熱融着板 17…支持ロール
18…熱融着機構部 19…供給ロール
20…貼り合せロール 21…貼合機構部
40…フラットダイ

Claims (10)

  1. 温室やビニールハウス内部の保温のために外壁として使用される保温用複合シートであって、該保温用複合シートは、一対の透明フィルム間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部によって複数の筒状となって仕切られた保温気室部を備えてなり、前記隔壁部は、入光量調整のために、一対の透明フィルム間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されてなることを特徴とする保温用複合シート。
  2. 温室やビニールハウス内部の保温のために外壁として使用される保温用複合シートであって、該保温用複合シートは、一対の透明フィルム間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部によって複数の筒状となって仕切られた保温気室部を備えてなり、前記一対の透明フィルム間の平坦面内の一方向に対し直交する方向に一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部を備えていることを特徴とする保温用複合シート。
  3. 温室やビニールハウス内部の保温のために外壁として使用される保温用複合シートであって、該保温用複合シートは、一対の透明フィルム間の平坦面内の一方向に沿って、互いに遮光樹脂製の隔壁部によって複数の筒状となって仕切られた保温気室部を備えてなり、前記隔壁部は、入光量調整のために、一対の透明フィルム間において垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されてなり、前記一対の透明フィルム間の平坦面内の一方向に対し直交する方向に一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部を備えていることを特徴とする保温用複合シート。
  4. 前記一対の透明フィルムの一方の外面側に不織布を貼り合わせた請求項1乃至3の何れか記載の保温用複合シート。
  5. 前記不織布を貼り合わせた面にさらに網状材を貼り合わせた請求項4記載の保温用複合シート。
  6. 前記一対の透明フィルムの他方の外面側に、一定方向の入射光を反射するよう角波刻設加工を表面に施した入光角制御シートを貼り合わせた請求項4または5に記載の保温用複合シート。
  7. 温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シートの製造装置であって、一対の平行な透明樹脂射出口と、両透明樹脂射出口の間にて互いに等間隔となって配置された縦方向の遮光樹脂射出口とによって構成されたリップ構造のTダイと、該Tダイから射出される樹脂を引き出すために対向配置された引き出しロールと、該引き出しロールの下流側における引き出し移動方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム同士を熱融着一体化するために進退自在となった熱融着板および該熱融着板の進行位置で前記一対の透明フィルムを挟持しつつ支持するための支持ロールを対向配置してなる熱融着機構部と、該熱融着機構部の下流側における透明フィルムに不織布、網状材、入光角制御シートの少なくとも何れか1つを貼り合わせるための供給ロールと貼り合せロールとが対向配置してなる貼合機構部とを備えていることを特徴とする保温用複合シートの製造装置。
  8. 前記遮光樹脂射出口は、温室やビニールハウスの傾斜した屋根部分に対応すべく、前記一対の平坦な透明樹脂射出口に対して垂直方向から斜行方向に角度を変更して形成されている請求項7記載の保温用複合シートの製造装置。
  9. 前記遮光樹脂射出口は、前記一対の平坦な透明樹脂射出口に対して垂直方向と斜行方向との互いに角度の異なるものが、温室やビニールハウスの鉛直な側面部分および傾斜した屋根部分に各対応して連設されている請求項7または8記載の保温用複合シートの製造装置。
  10. 温室やビニールハウス内部の保温のために屋根・外壁として使用される保温用複合シートの製造方法であって、一対の平行な透明樹脂射出口と、両透明樹脂射出口の間に配置された遮光樹脂射出口とによって構成されたリップ構造のTダイによる各樹脂材の射出によって、前記一対の透明フィルム間に、遮光樹脂製の隔壁部によって互いに仕切られた筒状の複数の保温気室部を備えてなる保温用複合シートを形成するための射出工程と、該射出工程の下流側で各樹脂材の進行方向に対し直交する方向に沿って前記一対の透明フィルム同士を熱融着により一体化して一定間隔で互いに平行となした線条の熱融着部を形成するための熱融着工程と、該熱融着工程の下流側における透明フィルムに不織布、網状材、入光角制御シートの少なくとも何れか1つを貼り合わせるための貼合工程とを有することを特徴とした保温用複合シートの製造方法。
JP2015176237A 2015-09-08 2015-09-08 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法 Active JP5946946B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176237A JP5946946B1 (ja) 2015-09-08 2015-09-08 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176237A JP5946946B1 (ja) 2015-09-08 2015-09-08 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5946946B1 true JP5946946B1 (ja) 2016-07-06
JP2017051114A JP2017051114A (ja) 2017-03-16

Family

ID=56329516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015176237A Active JP5946946B1 (ja) 2015-09-08 2015-09-08 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5946946B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230159143A (ko) 2022-05-13 2023-11-21 대한민국(농촌진흥청장) 비닐 덕트를 이용하는 단동 비닐하우스의 차광장치

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019103417A (ja) * 2017-12-11 2019-06-27 株式会社オメガ 地這い植物の生育用シート及びその使用方法
JP2020125247A (ja) * 2019-02-01 2020-08-20 学校法人順天堂 アクアポリン発現促進剤
KR102166162B1 (ko) * 2019-08-21 2020-10-15 씨제이첨단소재 주식회사 방열성능과 절연기능을 가진 층을 포함하는 무선 전력 전송장치

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5347009Y1 (ja) * 1968-01-29 1978-11-10
JPS5757928U (ja) * 1980-09-22 1982-04-05
JPS6236371U (ja) * 1985-08-19 1987-03-04
JPS62220119A (ja) * 1986-03-18 1987-09-28 ヤンマー農機株式会社 温室における日射量調節装置
JPH02107951U (ja) * 1989-02-13 1990-08-28
JPH09298953A (ja) * 1996-05-13 1997-11-25 Ube Nitto Kasei Co Ltd 農業ハウス用被覆材及び農業用ハウス
JP2910291B2 (ja) * 1991-04-16 1999-06-23 三菱化学エムケーブイ株式会社 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2013099291A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Kawakami Sangyo Co Ltd 農業用シート
JP2013153752A (ja) * 2013-03-25 2013-08-15 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート及び建物

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5347009Y1 (ja) * 1968-01-29 1978-11-10
JPS5757928U (ja) * 1980-09-22 1982-04-05
JPS6236371U (ja) * 1985-08-19 1987-03-04
JPS62220119A (ja) * 1986-03-18 1987-09-28 ヤンマー農機株式会社 温室における日射量調節装置
JPH02107951U (ja) * 1989-02-13 1990-08-28
JP2910291B2 (ja) * 1991-04-16 1999-06-23 三菱化学エムケーブイ株式会社 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH09298953A (ja) * 1996-05-13 1997-11-25 Ube Nitto Kasei Co Ltd 農業ハウス用被覆材及び農業用ハウス
JP2013099291A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Kawakami Sangyo Co Ltd 農業用シート
JP2013153752A (ja) * 2013-03-25 2013-08-15 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート及び建物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230159143A (ko) 2022-05-13 2023-11-21 대한민국(농촌진흥청장) 비닐 덕트를 이용하는 단동 비닐하우스의 차광장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017051114A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5946946B1 (ja) 保温用複合シートおよびその製造装置・製造方法
JP5912429B2 (ja) 農業用シートの使用方法及びそれに用いる農業用シート
CN102056735B (zh) 槽格状结构制造方法、槽格状结构和相应设备
US9427903B2 (en) Roll fed flotation/impingement air ovens and related thermoforming systems for corrugation-free heating and expanding of gas impregnated thermoplastic webs
CN103802296B (zh) 一种共挤生产土工格栅的方法
KR20110008946U (ko) 농업용 보온 비닐커튼
CA3005056A1 (en) Packaging material and method for producing a packaging material
JP5912574B2 (ja) 農業用シートの使用方法及びそれに用いる農業用シート
KR20140143664A (ko) 에어 캡 또는 에어 튜브가 탈부착 되는 비닐 하우스
CN104885811A (zh) 农用中空大棚覆盖膜及其制备方法
JP2013244704A (ja) 止水性透湿防水シート及びその製造方法
KR20130072230A (ko) 에어 캡 비닐 하우스
CN204377546U (zh) 蔬菜大棚
JP3217882U (ja) 植物栽培容器用断熱シート
CN202799797U (zh) 一种新型农膜
JP2004357583A (ja) 膜構造体
CN203788810U (zh) 一种新型骨架式大棚
JPS633737B2 (ja)
JPS6344820A (ja) 植物を直接被覆する保護シ−ト
JP6338056B2 (ja) 非透湿フィルム付き発泡断熱材
KR101344948B1 (ko) 시설원예용 보온피복재
KR100609097B1 (ko) 투명 단열 패널용 벌집형 투명 단열재 및 그 제조방법
CN207859666U (zh) 隔热pe膜
JP2002125479A (ja) 温 室
CN206158508U (zh) 丁基热熔胶暖边间隔条

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5946946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250